JP2011248192A - ロール状偏光板、枚葉状偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

ロール状偏光板、枚葉状偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ロール状偏光板をレーザーで切断する際に生じ易い切断面のうねりや亀裂の発生を防止し、かつ高温高湿下での光学特性を高めた偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】偏光子の両側に、平均アセチル基置換度が2.0以上2.5未満であり、かつ融点が200〜290℃の範囲内であるセルロースエステルフィルムが備えられていることを特徴とするロール状偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロール状偏光板、枚葉状偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
偏光板は通常、二色性色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の少なくとも片面に、偏光子保護フィルムを積層して構成される。また、液晶セルや他の光学部材に貼り合わせるため、偏光板の一方の面には粘着剤層が設けられ、その表面をセパレートフィルムで覆って使用時まで保護し、他方の面には、粘着剤層を有する剥離可能なプロテクトフィルムが設けられた構成で、流通している。さらに偏光板は、一般に長尺のロール状に巻かれた状態で製造される。
本願では、このように片側の偏光子保護フィルム表面にプロテクトフィルムが貼合され、他方の側の粘着剤層表面にセパレートフィルムが貼合され、ロール状に巻かれた状態で製造される偏光板を「ロール状偏光板」と呼び、そこから所定寸法に切断されたものを「枚葉状偏光板」と呼ぶこととする。
なお、「偏光板」という語は、一般的には、ポリビニルアルコール系樹脂等からなる偏光子を必須の要素とし、その少なくとも片面に透明樹脂フィルムからなる偏光子保護フィルムが積層され、一方の面に液晶セルや他の光学部材に貼り合わせるための粘着剤層が設けられた状態のものを指し、場合によっては、上記の如きロール状偏光板や枚葉状偏光板を含む意味で使うこともある。
一方、近年、液晶パネルの製造工程において、液晶パネルにロール状の偏光板を直接貼合する「ロールtoパネル製法」が採用され始めているが、このような製法において製造されたロール状偏光板は、一般に、レーザースリッターで所定寸法に切断される。
この切断の際には、偏光板のレーザーがあたる部分は局所的に高温となり、偏光子保護フィルム等として、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)などの融点が低く軟らかい樹脂を用いると切断面がうねるといった不具合があった。
一方、トリアセチルセルロース(TAC)のような融点の高い樹脂を用いると、うねらないが、樹脂が硬いため、レーザーがあたる部分に細かな亀裂が入り、パネルの強度の劣化につながるという問題があった。
上記のレーザースリッターによる切断の際に生じる問題の解決策が、例えば、特許文献1及び2に開示されているが、一定の改善効果を有するものの、更なる改善が要望されていた。
特開2008−73742号公報 特開2009−86675号公報
本発明は、上記問題・状況にかんがみてなされたものであり、その解決課題は、ロール状偏光板をレーザー切断する際に生じ易い切断面のうねりや亀裂の発生を防止し、かつ高温高湿下での光学特性を高めた偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置を提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.偏光子の両側に、平均アセチル基置換度が2.0以上2.5未満であり、かつ融点が200〜290℃の範囲内であるセルロースエステルフィルムが備えられていることを特徴とするロール状偏光板。
2.前記偏光子を挟む両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの温度23℃・相対湿度20%における平衡含水率と、温度23℃・相対湿度80%における平衡含水率との差ΔH(80%−20%)の絶対値が、いずれも3.0〜5.0%の範囲内であり、かつ当該両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの当該平衡含水率の差ΔH(80%−20%)同士の差ΔHの絶対値が0〜1.0%の範囲内であることを特徴とする前記第1項に記載のロール状偏光板。
3.前記偏光子を挟む両側のセルロースエステルフィルムが、下記式1を満たす少なくとも一種の添加剤を0.01〜30質量%の範囲内で含むことを特徴とする前記第1項又は第2項に記載のロール状偏光板。
式1:|SPt−SPc|<2.0
ただし、式中のSPcはHoy法で測定したセルロースエステルの溶解度パラメータであり、SPtは同方法で測定した添加剤の溶解度パラメータである。
4.前記セルロースエステルフィルムの膜厚が、10〜60μmの範囲内であることを特徴とする前記第1項から第3項までのいずれか一項に記載のロール状偏光板。
5.前記第1項から第3項までのいずれか一項に記載のロール状偏光板が断裁されて形成されたことを特徴とする枚葉状偏光板。
6.前記第1項から第3項までのいずれか一項に記載のロール状偏光板を液晶パネルに貼合し、レーザーで切断して製造されたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明の上記手段により、ロール状偏光板をレーザー切断する際に生じ易い切断面のうねりや亀裂の発生を防止し、かつ高温高湿下での光学特性を高めた偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置を提供することができる。
ロール状偏光板ないし枚葉状偏光板の層構成の一例を示す断面模式図 ロール状偏光板を巻き取る状態を、一部を拡大して示す断面模式図
本発明のロール状偏光板は、偏光子の両側に、平均アセチル基置換度が2.0以上2.5未満であり、かつ融点が200〜290℃の範囲内であるセルロースエステルフィルムが備えられていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項6までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記偏光子を挟む両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの温度23℃・相対湿度20%における平衡含水率と、温度23℃・相対湿度80%における平衡含水率との差ΔH(80%−20%)の絶対値が、いずれも3.0〜5.0%の範囲内であり、かつ当該両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの当該平衡含水率の差ΔH(80%−20%)同士の差ΔHの絶対値が0〜1.0%の範囲内であることが好ましい。また、前記偏光子を挟む両側のセルロースエステルフィルムが、前記式1を満たす少なくとも一種の添加剤を0.01〜30質量%の範囲内で含むことが好ましい。さらに、当該セルロースエステルフィルムの膜厚が、10〜60μmの範囲内であることが好ましい。
本発明のロール状偏光板からレーザーで切断され形成された枚葉状偏光板は、液晶表示装置に好適に用いることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。
(セルロースエステルフィルム)
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、平均アセチル基置換度が2.0以上2.5未満であり、かつ融点が200〜290℃の範囲内であることを要する。セルロースエステルフィルムの融点が200℃未満である場合、レーザー熱に対する耐熱性が低いため破断面にうねりが生じてしまう。一方、セルロースエステルフィルムの融点が290℃以上である場合、レーザーで切断すること自体が困難となる。
なお、当該平均アセチル基置換度は、2.2〜2.5がより好ましい。
ここでいう平均アセチル置換度は、セルロースを構成する無水グルコースの有する3個のヒドロキシル基(水酸基)のうち、エステル化されているヒドロキシル基(水酸基)の数の平均値を示し、0〜3の値を示す。
また、セルロースエステルフィルムをレーザーで切断する際は適度な吸湿性を備えたセルロースエステル樹脂が好ましい。吸湿性を備えたセルロースエステル樹脂はしなやかで、レーザーで切断する際にもささくれや切り屑が発生し難い。セルロースエステル樹脂の平均アセチル置換度が2.5を超える場合は、吸湿性が著しく低下するためレーザー切断の際にささくれや切り屑が発生しやすくなる。また、平均アセチル基置換度が2.0未満の場合、耐湿性、耐水性が著しく劣化するため、偏光板の収縮や偏光子の劣化を招きやすいという問題がある。
本発明に係るセルロースエステル樹脂として、特に好ましいセルロースエステル樹脂は、セルロースジアセテートである。
なお、アセチル基の置換度や他のアシル基の置換度は、ASTM−D817−96(セルロースアセテート等の試験方法)に規定の方法により求めたものである。
本発明に係るセルロースエステルの数平均分子量(Mn)は、30,000〜300,000の範囲が、得られるフィルムの機械的強度が強く好ましい。更に50,000〜200,000のものが好ましく用いられる。
セルロースエステルの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnの値は、1.4〜3.0であることが好ましい。
セルロースエステルの重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
本発明に係るセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。また、それらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。
本発明に係るセルロースエステルは、公知の方法により製造することができる。一般的には、原料のセルロースと所定の有機酸(酢酸、プロピオン酸など)と酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸など)、触媒(硫酸など)と混合して、セルロースをエステル化し、セルロースのトリエステルができるまで反応を進める。トリエステルにおいてはグルコース単位の三個のヒドロキシル基(水酸基)は、有機酸のアシル酸で置換されている。同時に二種類の有機酸を使用すると、混合エステル型のセルロースエステル、例えば、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートを作製することができる。次いで、セルロースのトリエステルを加水分解することで、所望のアシル置換度を有するセルロースエステルを合成する。その後、濾過、沈殿、水洗、脱水、乾燥などの工程を経て、セルロースエステルができあがる。
具体的には特開平10−45804号公報に記載の方法を参考にして合成することができる。
市販品としては、ダイセル化学工業(株)製のL20、L30、L40、L50、イーストマンケミカル社のCa398−3、Ca398−6、Ca398−10、Ca398−30、Ca394−60Sが挙げられる。
本発明に係るセルロースエステルフィルムに含まれるカルシウム及びマグネシウムの総量と酢酸量は下記関係式(a)を満たすことが好ましい。
関係式(a):1≦(酢酸量)/(カルシウム及びマグネシウムの総量)≦30
カルシウム及びマグネシウムは、セルロースエステルフィルムの原料となるセルロースエステルに含まれるが、セルロースエステル製造過程に添加される酸触媒(特に硫酸)を中和・安定化するため、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩(無機酸塩、有機酸塩)として添加されてもよい。またセルロースエステルフィルム製膜時に金属酸化物、金属水酸化物、金属塩(無機酸塩、有機酸塩)として添加してもよい。本発明で言うセルロースエステルフィルムに含まれるカルシウム及びマグネシウムの総量は、それらの合計量を指す。
また、セルロースエステルは製造過程において、反応溶媒やエステル化剤として無水酢酸、酢酸が用いられる。未反応の無水酢酸は反応停止剤(水、アルコール、酢酸等)により加水分解され酢酸を生じる。本発明でいうセルロースエステルフィルムに含まれる酢酸量は、それらの残留酢酸や、遊離酢酸の総量を指す。
上記関係式(a)において、酢酸量/(カルシウム及びマグネシウムの総量)が1より小さいとき、カルシウム及びマグネシウム金属塩による光散乱が生じ、コントラストを低下させてしまい好ましくない。また30より大きい時、セルロースエステルを偏光子に貼り合わせた後、酢酸により偏光子の劣化が促進され好ましくない。
セルロースエステルフィルムに含まれるカルシウム及びマグネシウムの総量は5〜130ppmが好ましく、5〜80ppmがより好ましく、5〜50ppmが更に好ましい。
セルロースエステルフィルムに含まれるカルシウム及びマグネシウムの定量は、公知の方法を用いることができるが、例えば、乾燥したセルロースエステルを完全に燃焼させた後、灰分を塩酸に溶解して前処理を行った上で原子吸光法により測定することができる。測定値は絶乾状態のセルロースエステル1g中のカルシウム及びマグネシウム含有量としてppmを単位として得られる。
セルロースエステルフィルムに含まれる酢酸量は20〜500ppmが好ましく、25〜250ppmがより好ましく、30〜150ppmが更に好ましい。
セルロースエステルフィルムに含まれる酢酸の定量は、公知の方法を用いることができるが、例えば、次のような方法を用いることができる。フィルムを塩化メチレンに溶解し、さらにメタノールを加えて再沈殿を行う。上澄み液をろ過し、その上澄み液をガスクロマトグラフィーにて測定することで、酢酸量を得ることができる。
本発明においては、セルロースエステルフィルムの融点が200〜290℃の範囲内であることを要する。セルロースエステルフィルムの融点が200℃未満である場合、レーザー熱に対する耐熱性が低いため破断面にうねりが生じてしまう。一方セルロースエステルフィルムの融点が290℃以上である場合、レーザーで切断すること自体が困難となる。
当該融点を上記範囲内に調整する方法としては、セルロースエステルの置換度を制御する、または可塑剤を添加するなどがある。
〈平衡含水率の湿度変化〉
本発明においては、湿度変化に対応しやすく、光学特性や寸法がより変化しにくくするため、偏光子を挟む両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの温度23℃・相対湿度20%における平衡含水率と、温度23℃・相対湿度80%における平衡含水率との差ΔH(80%−20%)の絶対値が、いずれも3.0〜5.0%の範囲内であり、かつ当該両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの当該平衡含水率の差ΔH(80%−20%)同士の差ΔHの絶対値が0〜1.0%の範囲内であることが好ましい。
ここで、「平衡含水率」とは、試料(フィルム)の中に平衡状態で含まれる水分量を試料質量に対する百分率で表したものである。
平衡含水率の湿度変化の具体的な求め方のとしては、試料7mm×35mmを温度23℃、相対湿度20%RHで2時間調湿し、カールフィッシャー法微量水分測定器LE−20S(平沼産業(株)製)にて測定し、相対湿度20%での試料中の水分量(g)を試料質量(g)で除して含水率を算出した。同様の試料を温度23℃、相対湿度80%RHで2時間調湿し、カールフィッシャー法微量水分測定器LE−20S(平沼産業(株)製)にて測定し、相対湿度80%での試料中の水分量(g)を試料質量(g)で除して含水率を算出した。前記相対湿度20%の平衡含水率と前記相対湿度80%の平衡含水率の差をΔH(80%−20%)として求めた。
また、当該両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの当該平衡含水率の差ΔH(80%−20%)同士の差をΔHとして求めた。
当該平衡含水率を上記範囲内に制御する手段としては、セルロースエステルフィルムの総置換度の調整、セルロースエステルフィルム中に含有させる各種添加剤の種類及び添加量等の調整により行うことができる。
〈溶解度パラメーターの相対的関係〉
発明においては、偏光子を挟む両側のセルロースエステルフィルムが、下記式1を満たす少なくとも一種の添加剤を0.01〜30質量%の範囲内で含む態様であることが好ましい。前記添加剤を加えることで成型時に樹脂にかかる負荷が少なくなり正面コントラストが改良される。
式1:|SPt−SPc|<2.0
ただし、式中のSPcはHoy法で測定したセルロースエステルの溶解度パラメータの値(SP値)であり、SPtは同方法で測定した添加剤の溶解度パラメータの値(SP値)である。
また、「|SPt−SPc|」とは、Hoy法で測定した添加剤の溶解度のパラメータの値(SPt値)とHoy法で測定したセルロースエステルの溶解度パラメータの値(SPc値)との差(「ΔSP」とも表記する。)の絶対値のことをいう。
なお、Hoy法は、POLYMER HANDBOOK FOURT EDITIONに記載がある。
前記好ましい添加剤は、式1を満たす範囲であれば、特に限定されないが、トリアジン系化合物、ポリエステル系化合物、糖エステル系化合物において式1を満たすものが特に好ましい。
《一般式(1)で表される化合物》
本発明においては、上記式1を満たすための添加剤としては、従来公知の種々の化合物から選択することができるが、下記一般式(1)で表される、総平均置換度が6.1〜6.9である化合物とを含有することが好ましい。
なお、一般式(1)中、R〜Rは、置換又は無置換のアルキルカルボニル基、或いは、置換又は無置換のアリルカルボニル基を表し、R〜Rは、同じであっても、異なっていてもよい。
当該一般式(1)で表される化合物、及び参考化合物を、以下に記載するが、これらに限定されない。
Figure 2011248192
Figure 2011248192
(合成例:本発明に係る化合物の合成)
Figure 2011248192
撹拌装置、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた四頭コルベンに、ショ糖34.2g(0.1モル)、無水安息香酸180.8g(0.8モル)、ピリジン379.7g(4.8モル)を仕込み、撹拌下に窒素ガス導入管から窒素ガスをバブリングさせながら昇温し、70℃で5時間エステル化反応を行った。次に、コルベン内を4×10Pa以下に減圧し、60℃で過剰のピリジンを留去した後に、コルベン内を1.3×10Pa以下に減圧し、120℃まで昇温させ、無水安息香酸、生成した安息香酸の大部分を留去した。そして、次にトルエン1L、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液300gを添加し、50℃で30分間撹拌後、静置して、トルエン層を分取した。最後に、分取したトルエン層に水100gを添加し、常温で30分間水洗後、トルエン層を分取し、減圧下(4×10Pa以下)、60℃でトルエンを留去させ、化合物A−1、A−2、A−3、A−4及びA−5の混合物を得た。得られた混合物をHPLC及びLC−MASSで解析したところ、A−1が7質量%、A−2が58質量%、A−3が23質量%、A−4が9質量%、A−5が3質量%であった。なお、得られた混合物の一部をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製することで、それぞれ純度100%のA−1、A−2、A−3、A−4及びA−5を得た。
本発明でセルロースエステルフィルムに添加される、一般式(1)で表される化合物の総平均置換度は6.1〜6.9であるが、当該置換度の範囲は4〜8であることが好ましい。置換度分布は、エステル化反応時間の調節、または置換度違いの化合物を混合することにより目的の置換度に調整してもよい。
(その他の添加剤)
本発明に係るセルロースエステルフィルムには、特に偏光板のむらの要因となる環境変化での寸法安定性の観点から、下記一般式(2)で表されるエステル化合物を可塑剤として含有することが好ましい。
一般式(2) B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはヒドロキシル基またはカルボン酸残基、Gは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基または炭素数6〜12のアリールグリコール残基または炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表し、またnは1以上の整数を表す。)
一般式(2)において、炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、一種または二種以上の混合物として使用される。
特に炭素数2〜12のアルキレングリコールがセルロースエステルとの相溶性に優れているため、特に好ましい。
炭素数6〜12のアリールグリコール成分としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール等があり、これらのグリコールは、一種または二種以上の混合物として使用できる。
また、炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、一種または二種以上の混合物として使用できる。
炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ一種または二種以上の混合物として使用される。炭素数6〜12のアリーレンジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン酸等がある。
一般式(2)で表されるエステル系化合物は、数平均分子量が、好ましくは300〜1500、より好ましくは400〜1000の範囲が好適である。
また、本発明に係るセルロースエステルには、末端が水酸基のポリエステル系化合物が、相溶性の面で好ましい。
以下に、本発明に係る一般式(2)で表されるエステル化合物の具体的化合物を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2011248192
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Figure 2011248192
Figure 2011248192
Figure 2011248192
〈その他の添加剤〉
(可塑剤)
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、本発明の効果を得る上で必要に応じて一般式(2)で表される化合物以外の可塑剤を含有することができる。
可塑剤は特に限定されないが、好ましくは、多価カルボン酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤及び多価アルコールエステル系可塑剤、エステル系可塑剤、アクリル系可塑剤等から選択される。
そのうち、可塑剤を二種以上用いる場合は、少なくとも一種は多価アルコールエステル系可塑剤であることが好ましい。
多価アルコールエステル系可塑剤は2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなる可塑剤であり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。
本発明に好ましく用いられる多価アルコールは次の一般式(a)で表される。
一般式(a) R11−(OH)
但し、R11はn価の有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性、及び/またはフェノール性水酸基を表す。
好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。
特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、メトキシ基あるいはエトキシ基などのアルコキシ基を1〜3個を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることが更に好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は一種類でもよいし、二種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物を例示する。
Figure 2011248192
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グリコレート系可塑剤は特に限定されないが、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が好ましく用いることができる。
アルキルフタリルアルキルグリコレート類としては、例えばメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等が挙げられる。
フタル酸エステル系可塑剤としては、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等が挙げられる。
クエン酸エステル系可塑剤としては、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等が挙げられる。
脂肪酸エステル系可塑剤として、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
多価カルボン酸エステル化合物としては、2価以上、好ましくは2価〜20価の多価カルボン酸とアルコールのエステルよりなる。また、脂肪族多価カルボン酸は2〜20価であることが好ましく、芳香族多価カルボン酸、脂環式多価カルボン酸の場合は3価〜20価であることが好ましい。
多価カルボン酸は次の一般式(b)で表される。
一般式(b) R12(COOH)m1(OH)n1
式中、R12は(m1+n1)価の有機基、m1は2以上の正の整数、n1は0以上の整数、COOH基はカルボキシル基、OH基はアルコール性またはフェノール性水酸基を表す。
好ましい多価カルボン酸の例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸のような3価以上の芳香族多価カルボン酸またはその誘導体、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸のような脂肪族多価カルボン酸、酒石酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸のようなオキシ多価カルボン酸などを好ましく用いることができる。特にオキシ多価カルボン酸を用いることが、保留性向上などの点で好ましい。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステル化合物に用いられるアルコールとしては特に制限はなく公知のアルコール、フェノール類を用いることができる。
例えば炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪族飽和アルコールまたは脂肪族不飽和アルコールを好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることが更に好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。
また、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコールまたはその誘導体、ベンジルアルコール、シンナミルアルコールなどの芳香族アルコールまたはその誘導体なども好ましく用いることができる。
多価カルボン酸としてオキシ多価カルボン酸を用いる場合は、オキシ多価カルボン酸のアルコール性またはフェノール性の水酸基を、モノカルボン酸を用いてエステル化しても良い。好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることが更に好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸などを挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸などの安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸などのベンゼン環を2個以上持つ芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に酢酸、プロピオン酸、安息香酸であることが好ましい。
多価カルボン酸エステル化合物の分子量は特に制限はないが、分子量300〜1000の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることが更に好ましい。保留性向上の点では大きい方が好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステルに用いられるアルコール類は一種類でも良いし、二種以上の混合であっても良い。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステル化合物の酸価は1mgKOH/g以下であることが好ましく、0.2mgKOH/g以下であることが更に好ましい。酸価を上記範囲にすることによって、リターデーションの環境変動も抑制されるため好ましい。
なお、酸価とは、試料1g中に含まれる酸(試料中に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。酸価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
(紫外線吸収剤)
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、紫外線吸収剤を含有することもできる。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等があり、また、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328等のチヌビン類があり、これらはいずれもチバ・ジャパン社製の市販品であり好ましく使用できる。
本発明で好ましく用いられる紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であり、特に好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、である。
この他、1,3,5トリアジン環を有する化合物等の円盤状化合物も紫外線吸収剤として好ましく用いられる。
本発明に係わる偏光板保護フィルムは紫外線吸収剤を二種以上を含有することが好ましい。
また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の添加方法は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、偏光板保護フィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、偏光板保護フィルムに対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%が更に好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に液晶画像表示装置などがおかれた場合には、セルロースエステルフィルムの劣化が起こる場合がある。
酸化防止剤は、例えば、セルロースエステルフィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等によりセルロースエステルフィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、前記セルロースエステルフィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。
特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
これらの化合物の添加量は、セルロース誘導体に対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
〈微粒子〉
本発明に係るセルロースエステルフィルムには、取扱性を向上させる為、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましい。
微粒子の1次平均粒子径としては、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。
これらの微粒子は0.1〜5μmの粒径の2次粒子を形成してセルロースエステルフィルムに含まれることが好ましく、好ましい平均粒径は0.1〜2μmであり、更に好ましくは0.2〜0.6μmである。これにより、フィルム表面に高さ0.1〜1.0μm程度の凹凸を形成し、これによってフィルム表面に適切な滑り性を与えることができる。
本発明に用いられる微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、粒子径を測定しその平均値をもって、1次平均粒子径とした。
〈セルロースエステルフィルムの製造方法〉
次に、本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明に係るセルロースエステルフィルムは溶液流延法で製造されたフィルムであっても溶融流延法で製造されたフィルムであっても好ましく用いることができる。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの溶液流延法での製造は、セルロースエステル及び添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープを無限に移行する無端の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸または幅保持する工程、更に乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻取る工程により行われる。
ドープを調製する工程について述べる。ドープ中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、更に好ましくは、15〜25質量%である。
ドープで用いられる溶剤は、単独で用いても二種以上を併用してもよいが、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤が多い方がセルロースエステルの溶解性の点で好ましい。
良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が2〜30質量%である。良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。
そのため、セルロースエステルのアセチル基置換度によって良溶剤、貧溶剤が変わる。
本発明に用いられる良溶剤は特に限定されないが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、アセトン、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等が挙げられる。特に好ましくはメチレンクロライドまたは酢酸メチルが挙げられる。
また、本発明に用いられる貧溶剤は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。また、ドープ中には水が0.01〜2質量%含有していることが好ましい。
また、セルロースエステルの溶解に用いられる溶媒は、フィルム製膜工程で乾燥によりフィルムから除去された溶媒を回収し、これを再利用して用いられる。
回収溶剤中に、セルロースエステルに添加されている添加剤、例えば可塑剤、紫外線吸収剤、ポリマー、モノマー成分などが微量含有されていることもあるが、これらが含まれていても好ましく再利用することができるし、必要であれば精製して再利用することもできる。
上記記載のドープを調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱できる。
溶剤の常圧での沸点以上でかつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。
また、セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤あるいは膨潤させた後、更に良溶剤を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
加圧は窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱によって溶剤の蒸気圧を上昇させる方法によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、高い方がセルロースエステルの溶解性の観点から好ましいが、加熱温度が高過ぎると必要とされる圧力が大きくなり生産性が悪くなる。
好ましい加熱温度は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃が更に好ましい。また、圧力は設定温度で溶剤が沸騰しないように調整される。
もしくは冷却溶解法も好ましく用いられ、これによって酢酸メチルなどの溶媒にセルロースエステルを溶解させることができる。
次に、このセルロースエステル溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾過材の目詰まりが発生し易いという問題がある。
このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材が更に好ましい。
濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
濾過により、原料のセルロースエステルに含まれていた不純物、特に輝点異物を除去、低減することが好ましい。
輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間に光学フィルム等を置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)のことであり、径が0.01mm以上である輝点数が200個/cm以下であることが好ましい。
より好ましくは100個/cm以下であり、更に好ましくは50個/m以下であり、更に好ましくは0〜10個/cm以下である。また、0.01mm以下の輝点も少ない方が好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことができるが、溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい。
好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることが更に好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることが更に好ましい。
ここで、ドープの流延について説明する。
流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルトもしくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。
キャストの幅は1〜4mとすることができる。流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤の沸点未満の温度で、温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高過ぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
好ましい支持体温度は0〜55℃であり、25〜50℃が更に好ましい。あるいは、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。
金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる場合は目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
セルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%が好ましく、更に好ましくは20〜40質量%または60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%または70〜120質量%である。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
尚、Mはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、セルロースエステルフィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、更に乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
本発明に係るセルロースエステルフィルムを作製するためには、ウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅方向(横方向)に延伸を行うことが特に好ましい。剥離張力は300N/m以下で剥離することが好ましい。
ウェブを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点で熱風で行うことが好ましい。
ウェブの乾燥工程における乾燥温度は40〜200℃で段階的に高くしていくことが好ましい。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜200μmが用いられる。特に膜厚は10〜100μmであることが特に好ましい。更に好ましくは20〜60μmである。
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、幅1〜4mのものが用いられる。特に幅1.4〜4mのものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.6〜3mである。4mを超えると搬送が困難となる。
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、求められる光学補償効果によって必要とされる位相差は異なるものの、高い位相差発現性を生かす観点から、面内方向における式(I)で定義されるリターデーションRoが30nm以上であることが好ましく、30〜200nmの範囲であることがより好ましく、30〜90nmの範囲であることが更に好ましく、式(II)で定義される厚み方向のリターデーションRtは70nm以上であることが好ましく、70〜300nmの範囲であることがより好ましい。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。)
〈リターデーションRo、Rtの測定〉
得られたフィルムから試料35mm×35mmを切り出し、25℃,55%RHで2時間調湿し、自動複屈折計(KOBRA21DH、王子計測(株))で、590nmにおける垂直方向から測定した値とフィルム面を傾けながら同様に測定したリターデーション値の外挿値より算出する。
位相差の調整方法としては、特に制限はないが、延伸処理によって調整する方法が一般的である。
本発明で目標とするリターデーション値Ro、Rtを得るには、セルロースエステルフィルムが本発明の構成をとり、更に搬送張力の制御、延伸操作により屈折率制御を行うことが好ましい。
例えば、長手方向の張力を低くまたは高くすることでリターデーション値を変動させることが可能となる。
また、フィルムの長手方向(製膜方向)及びそれとフィルム面内で直交する方向、即ち幅手方向に対して、逐次または同時に2軸延伸もしくは1軸延伸することでリターデーション値を変動させることができる。
互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には流延方向に0.8〜1.5倍、幅方向に1.1〜2.5倍の範囲とすることが好ましく、流延方向に0.8〜1.0倍、幅方向に1.2〜2.0倍に範囲で行うことが好ましい。
延伸温度は120℃〜200℃が好ましく、さらに好ましくは150℃〜200℃であり、さらに好ましくは150℃を超えて190℃以下で延伸するのが好ましい。
フィルム中の残留溶媒は20〜0%が好ましく、さらに好ましくは15〜0%で延伸するのが好ましい。
具体的には155℃で残留溶媒が11%で延伸する、あるいは155℃で残留溶媒が2%で延伸するのが好ましい。もしくは160℃で残留溶媒が11%で延伸するのが好ましく、あるいは160℃で残留溶媒が1%未満で延伸するのが好ましい。
ウェブを延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いてもよい。
また、所謂テンター法の場合、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動すると滑らかな延伸を行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましい。
製膜工程のこれらの幅保持あるいは横方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす角をθ1とするとθ1は−1°以上+1°以下であることが好ましく、−0.5°以上+0.5°以下であることがより好ましい。
このθ1は配向角として定義でき、θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて行うことができる。θ1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏れを抑制または防止することに寄与でき、カラー液晶表示装置においては忠実な色再現を得ることに寄与できる。
〈セルロースエステルフィルムの物性〉
本発明に係るセルロースエステルフィルムの透湿度は、40℃、90%RHで300〜1800g/m・24hが好ましく、更に400〜1500g/m・24hが好ましく、40〜1300g/m・24hが特に好ましい。透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に従い測定することができる。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの破断伸度は10〜80%であることが好ましく20〜50%であることが更に好ましい。
本発明に係るセルロースエステルフィルムの可視光透過率は90%以上であることが好ましく、93%以上であることが更に好ましい。
本発明に係るセルロースエステルフィルムのヘイズは1%未満であることが好ましく0〜0.1%であることが特に好ましい。
<ロール状偏光板と枚葉状偏光板>
本発明のロール状偏光板は、偏光子の両側に、平均アセチル基置換度が2.0以上2.5未満であり、かつ融点が200〜290℃の範囲内であるセルロースエステルフィルムが備えられていることを特徴とする。
なお、本願においては、ロール状に巻かれた状態で製造される偏光板を「ロール状偏光板」と呼び、そこから所定寸法に切断されたものを「枚葉状偏光板」と呼ぶこととする。
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、偏光子保護フィルム又は位相差フィルムとして偏光板に、また、当該偏光板を用いた液晶表示装置に使用することができる。
本発明の偏光板は、本発明に係るセルロースエステルフィルムを偏光子保護フィルム又は位相差フィルムとして用いて、偏光子の少なくとも一方の面に貼合した偏光板であることを要する。
本発明の偏光板は、一般的な方法で作製することができる。本発明に係るセルロースエステルフィルムの偏光子側をアルカリ鹸化処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましく、もう一方の面にも、本発明に係る同種のセルロースエステルフィルムを用いることを要する。
液晶表示装置の表面側に用いられる偏光子保護フィルムには、防眩層あるいはクリアハードコート層のほか、反射防止層、帯電防止層、防汚層、バックコート層を有することが好ましい。
なお、偏光板の主たる構成要素である「偏光子」とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。
偏光子は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。偏光子の膜厚は5〜30μmが好ましく、特に10〜20μmであることが好ましい。
また、特開2003−248123号公報、特開2003−342322号公報等に記載のエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、鹸化度99.0〜99.99モル%のエチレン変性ポリビニルアルコールも好ましく用いられる。
中でも熱水切断温度が66〜73℃であるエチレン変性ポリビニルアルコールフィルムが好ましく用いられる。
このエチレン変性ポリビニルアルコールフィルムを用いた偏光子は、偏光性能及び耐久性能に優れているうえに、色斑が少なく、大型液晶表示装置に特に好ましく用いられる。
以上のようにして得られた偏光子は、通常、その両面又は片面に保護フィルムが貼合されて偏光板として使用される。貼合する際に用いられる接着剤としては、PVA系の接着剤やウレタン系の接着剤などを挙げることができるが、中でもPVA系の接着剤が好ましく用いられる。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明のロール状偏光板ないし枚葉状偏光板を更に詳細に説明する。
図1に、ロール状偏光板ないし枚葉状偏光板の層構成の一例断面模式図で示す。
図1に示す例では、偏光子1の片面に透明樹脂フィルムからなる偏光子保護フィルム2が貼合され、偏光子1の他面には、位相差フィルム3が貼合され、さらにその表面に外側粘着剤層6が設けられて、偏光板4が構成されている。そして、偏光子保護フィルム2の表面には剥離可能なプロテクトフィルム5が貼合され、外側粘着剤層6の表面にはセパレートフィルム7が貼合されて、ロール状偏光板ないし枚葉状偏光板10が構成されている。
このように、本発明では、偏光子1の片面に偏光子保護フィルム2が貼合され、偏光子1の他面には直接粘着剤層6が設けられ、かつ、偏光子1の当該他面側に設けられる粘着剤層は1層又は複数層であって、最も外側の粘着剤層6の表面にセパレートフィルム7が貼合されており、偏光子保護フィルム2の表面には剥離可能なプロテクトフィルム5が貼合されている偏光板4をロール状に巻き取って、ロール状偏光板10を製造する。
また、例えば、位相差フィルム3を二枚以上積層して、広帯域の円偏光板とすることもあり、このような場合でも、最も外側の粘着剤層6の表面にセパレートフィルム7が貼合される。
図1に示す偏光板4は、偏光子1、偏光子1の片面に設けられた偏光子保護フィルム2、偏光子1の貼合された位相差フィルム3、及び位相差フィルム3の表面に設けられた外側粘着剤層6で構成されている。この場合も、偏光子保護フィルム2の表面には剥離可能なプロテクトフィルム5が貼合され、また外側粘着剤層6の表面にはセパレートフィルム7が貼合されて、ロール状偏光板ないし枚葉状偏光板10とされる。
ロール状偏光板ないし枚葉状偏光板10において、偏光子保護フィルム2外側のプロテクトフィルム5や、粘着剤層6外側のセパレートフィルム7は、枚葉状偏光板10を検査するときや、枚葉状偏光板10を運送したり保管したりするときに、偏光板4や粘着剤層6を保護する目的で設けられる。
すなわち、プロテクトフィルム5は、偏光板4の表面を保護する目的で設けられ、偏光板4を液晶セルに貼合する面と反対側になる。このプロテクトフィルム5は、偏光板4を液晶セルに貼り合わせた後、剥離除去される。
また、セパレートフィルム7は、粘着剤層6をカバーする目的でその上に設けられ、この粘着剤層6は、枚葉状偏光板10を液晶セルや他の光学部材に貼合する面側となる。そして、その上に設けられたセパレートフィルム7は、液晶セルや他の光学部材へ貼合する直前に剥離除去される。
プロテクトフィルム5は通常、透明な基材樹脂フィルムの表面に粘着剤層を設けたもので構成される。また、セパレートフィルム7は通常、離型処理が施された透明樹脂フィルムで構成され、その離型処理面が粘着剤層6に貼り合わされる。プロテクトフィルム5やセパレートフィルム7を構成する樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの如きポリエステルからなるフィルムなどを用いることができる。
本発明では、上記のプロテクトフィルム5及びセパレートフィルム7がそれぞれ貼合された偏光板をロール状に巻き取るとき、図2に一部を拡大して表す断面模式図で示すように、プロテクトフィルム5が内側、セパレートフィルム7が外側となるようにして巻き取る。
《レーザー切断》
本発明において用いられるレーザーとしては、例えば、COレーザー、YAGレーザー、UVレーザー等があげられ、この中でも、厚さ範囲に適用性が高く、割れならびに印欠けが起こらないという点からCOレーザーが好ましい。
前記レーザー照射において、出力及び速度は制限されず、一回の照射で切断しても、複数の照射で切断してもよい。前記レーザー照射の出力は、例えば、10〜800Wであって、1回の照射で切断する場合、100〜350Wが好ましく、2回の照射で切断する場合には、例えば、50〜200Wが好ましい。
〈液晶表示装置〉
上記本発明に係るセルロースエステルフィルムを貼合した偏光板を液晶表示装置に用いることによって、種々の視認性に優れた本発明の液晶表示装置を作製することができる。
本発明に係るセルロースエステルフィルムは、特に位相差フィルムとしての機能を併せ持つことが好ましく、STN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPS、OCBなどの各種駆動方式の液晶表示装置に用いることができる。
好ましくはVA(MVA,PVA)型液晶表示装置である。
特に画面が30型以上の大画面の液晶表示装置であっても、環境変動が少なく、光漏れが低減された、色味むら、正面コントラストなど視認性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(セルロースエステルフィルム101の作製)
〈微粒子分散液〉
微粒子(アエロジル R812 日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに表1に記載のセルロースエステルCE−1を添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。濾過後のセルロースエステル溶液を充分に攪拌しながら、ここに微粒子分散液をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
セルロースエステルCE−1 4質量部
微粒子分散液 11質量部
セルロースエステルCE−1を用い、下記組成の主ドープ液を調製した。
先ず、加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルCE−1を攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
主ドープ液100質量部に微粒子添加液を2質量部加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分に混合し、次いでベルト流延装置を用い、幅2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。剥離の際に張力をかけて縦(MD)延伸倍率が1.02倍となるように延伸し、次いで、テンターでウェブ両端部を把持し、幅手(TD)方向の延伸倍率が1.25倍となるように延伸した延伸開始時の残留溶媒は30%であった。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を解放し、更に125℃に設定された第3乾燥ゾーンで30分間搬送させて乾燥を行い、幅1.5m、かつ端部に幅1cm、高さ8μmのナーリングを有する膜厚40μmの本発明に係るセルロースエステルフィルム101を作製した。
〈主ドープ液の組成〉
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 30質量部
セルロースエステルCE−1 100質量部
(セルロースエステルフィルム102〜109の作製)
表1に示されるセルロースエステル、表2に記載のように変更した以外は、上記と同様にしてセルロースエステルフィルム102〜109を作製した。
尚、表中の下記略称の化合物は以下の通りである。
TPP:トリフェニルフォスフェート
実施例2
<偏光板の作製>
得られたセルロースエステルフィルム101〜109を用い、下記方法により偏光板を作製した。
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光子を得た。
次いで、下記工程1〜6に従って偏光子と前記セルロースエステルフィルム101〜109を両面に貼り合わせて偏光板を作製した。
工程1:セルロースエステルフィルム101を50℃の2モル/lの水酸化カリウム溶液に30秒間浸漬し、次いで水洗し乾燥して表面を鹸化したセルロースエステルフィルムを得た。
工程2:前記偏光子を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
工程3:工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、これを工程1で処理したセルロースエステルフィルムの上にのせ、更に裏面側にも同じセルロースエステルフィルム101をのせて配置した。
工程4:工程3で積層したセルロースエステルフィルム101と偏光子と裏面側のセルロースエステルフィルム101を圧力20〜30N/cm、搬送スピードは約2m/分で貼合した。
工程5:80℃の乾燥機中に工程4で作製した偏光子とセルロースエステルフィルムと裏面側セルロースエステルフィルムとを貼り合わせた試料を2分間乾燥し、偏光板を作製した。
工程6:本発明に係るセルロースエステルフィルムの表面には、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートからなるセパレートフィルム9の上に厚さ25μmのアクリル系粘着剤層が形成されたシート状粘着剤で貼合し、偏光子保護フィルム側にはプロテクトフィルム(“AS3−304”、藤森工業(株)製)を貼合して、ロール状偏光板101を作製した。
上記工程1〜6のセルロースエステルフィルム101と同様にしてセルロースエステルフィルム102〜109についてもロール状偏光板102〜109を作製した。
なお、セルロースエステルの溶解度パラメータは、前述のように、Hoy法で測定した。また、平衡含水率の湿度変化の測定は、セルロースエステルフィル試料7mm×35mmを、温度23℃、相対湿度20%RHで2時間調湿し、カールフィッシャー法微量水分測定器LE−20S(平沼産業(株)製)にて測定し、相対湿度20%での試料中の水分量(g)を試料質量(g)で除して含水率を算出した。
同様の試料を温度23℃、相対湿度80%RHで2時間調湿し、カールフィッシャー法微量水分測定器LE−20S(平沼産業(株)製)にて測定し、相対湿度80%での試料中の水分量(g)を試料質量(g)で除して含水率を算出した。
前記相対湿度20%の平衡含水率と前記相対湿度80%の平衡含水率の差をΔH(80%−20%)として求め、絶対値で表した。
また、当該両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの当該平衡含水率の差ΔH(80%−20%)同士の差をΔHとして求め、絶対値で表した。
<液晶表示装置の作製>
視野角測定を行う液晶パネルを以下のようにして作製し、液晶表示装置としての特性を評価した。
VAモード型液晶表示装置(SONY製BRAVIAV1、40インチ型)の予め貼合されていた両面の偏光板を剥がして、上記作製したロール状偏光板101の表面側から1mの位置から精密加工COレーザー(商品名SILAS−SAM(SPL2305型);澁谷工業製)を使用して、出力190W、搬送速度250mm/s、空気アシストガス圧0.1MPaの条件で、レーザーを照射して切り出した、枚葉状偏光板101−1とロールの中心から1mの位置から同様の条件にてレーザーを照射して切り出した、枚葉状偏光板101−2を液晶セルの両面に貼合した。
その際、予め貼合されていた偏光板と同一の方向に吸収軸が向くように行い、液晶表示装置を各々作製した。
この液晶表示装置について下記の方法により評価した。なお、各評価結果は表1に示す通りである。
[コントラスト性]
下記のように液晶表示装置の正面コントラスト評価を行い、コントラスト性を評価した。1000以上が実用的に良好な範囲である。
23℃55%RHの環境で、各々の液晶表示装置のバックライトを1週間連続点灯した後、測定を行った。測定にはELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて、液晶表示装置で白表示と黒表示の表示画面の法線方向からの輝度を測定し、その比を正面コントラストとした。正面コントラスト=(表示装置の法線方向から測定した白表示の輝度)/(表示装置の法線方向から測定した黒表示の輝度)
[切断面のうねりの測定]
レーザー顕微鏡を用いて、枚葉状偏光板101における吸収軸に沿った切断面付近の厚さを測定し、以下の式を用いて前記切断面のうねりを算出した。
(切断面のうねり)=(切断面の厚さの最大値)−(切断面の厚さの最小値)(μm)
同様に枚葉状偏光板102〜109についても同様に評価した。
[亀裂]
枚葉状偏光板101を精密加工COレーザー(商品名SILAS−SAM(SPL2305型);澁谷工業製)を使用して、出力190W、搬送速度250mm/s、空気アシストガス圧0.1MPaの条件で、レーザーを照射し切断した。前記偏光板を切断した際のエッジの状態及び切り屑の発生状態を×10ルーペにて観察し、エッジのささくれ、割れ、切り屑の発生確率を求めた。同様に枚葉状偏光板102〜109についても同様に評価した。
[偏光子劣化]
(偏光子劣化)
枚葉状偏光板101について先ず平行透過率と直交透過率を測定し、下記式に従って偏光度を算出した。その後各々の偏光板を60℃、90%の条件下で1000時間の強制劣化後、再度平行透過率と直交透過率を測定し、下記式に従って偏光度を算出した。偏光度変化量を下記式により求めた。
偏光度P=((H0−H90)/(H0+H90))1/2×100
偏光度変化量=P0−P1000
H0 :平行透過率
H90:直交透過率
P0 :強制劣化前の偏光度
P1000:強制劣化1000時間後の偏光度
同様に枚葉状偏光板102〜109についても同様に評価した。
以上の試料の内容及び評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 2011248192
Figure 2011248192
Figure 2011248192
表1及び表2に示した試料内容及び評価結果から明らかなように、本発明の偏光板は、うねり、亀裂、及び偏光子劣化が殆ど無く、かつコントラストが優れていることが分かる。
すなわち、本発明の上記手段により、ロール状偏光板をレーザー切断する際に生じ易い切断面のうねりや亀裂の発生を防止し、かつ高温高湿下での光学特性を高めた偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置を提供することができることが分かる。
1 偏光子
2 偏光子保護フィルム
3 位相差フィルム
4 偏光板
5 プロテクトフィルム
6 粘着剤層
7 セパレートフィルム
10 ロール状光板ロール又は枚葉状偏光板

Claims (6)

  1. 偏光子の両側に、平均アセチル基置換度が2.0以上2.5未満であり、かつ融点が200〜290℃の範囲内であるセルロースエステルフィルムが備えられていることを特徴とするロール状偏光板。
  2. 前記偏光子を挟む両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの温度23℃・相対湿度20%における平衡含水率と、温度23℃・相対湿度80%における平衡含水率との差ΔH(80%−20%)の絶対値が、いずれも3.0〜5.0%の範囲内であり、かつ当該両側のセルロースエステルフィルムそれぞれの当該平衡含水率の差ΔH(80%−20%)同士の差ΔHの絶対値が0〜1.0%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のロール状偏光板。
  3. 前記偏光子を挟む両側のセルロースエステルフィルムが、下記式1を満たす少なくとも一種の添加剤を0.01〜30質量%の範囲内で含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロール状偏光板。
    式1:|SPt−SPc|<2.0
    ただし、式中のSPcはHoy法で測定したセルロースエステルの溶解度パラメータであり、SPtは同方法で測定した添加剤の溶解度パラメータである。
  4. 前記セルロースエステルフィルムの膜厚が、10〜60μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のロール状偏光板。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のロール状偏光板が断裁されて形成されたことを特徴とする枚葉状偏光板。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のロール状偏光板を液晶パネルに貼合し、レーザーで切断して製造されたことを特徴とする液晶表示装置。
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