JP2011247150A - 内燃機関の燃料噴射システム - Google Patents

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【課題】複数回の燃料噴射による混合気を所望の位置に滞留させる。
【解決手段】気筒内へ主噴射よりも前にパイロット噴射を複数回行う内燃機関の燃料噴射システムにおいて、パイロット噴射を複数回行なうときに、後に行なうパイロット噴射ほど燃料噴射量を減少させ、このときの燃料噴射量の減少量を気筒内の温度に応じて設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射システムに関する。
燃料噴射量を二等分して燃料噴射を分割して行なうことで、燃料噴霧の貫徹力を弱めて、混合気を所望の位置に滞留させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術によれば、吸気流速が低くてタンブル流の弱くなる低速域でも、燃圧を過度に低下させることなく燃料噴霧の貫徹力とタンブル流の強さとの均衡状態を維持して、混合気を狙い通りに点火プラグ電極付近に滞留させることができる。
ところで、内燃機関の気筒内への主噴射よりも前に該主噴射よりも少ない燃料を噴射させるパイロット噴射を複数回行なう場合では、各回のパイロット噴射が以前のパイロット噴射の影響を受けたり、気筒内の状態の影響を受けたりする。このため、各回のパイロット噴射量を同じにしても、到達距離が夫々異なることがあるので、混合気を所望の位置に滞留させることが困難となる虞がある。
特開2003−262146号公報 実開昭63−090047号公報 特開2006−283679号公報 特開2005−042646号公報 特開2005−090401号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数回の燃料噴射による混合気を所望の位置に滞留させることにある。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の燃料噴射システムは、
気筒内へ主噴射よりも前にパイロット噴射を複数回行う内燃機関の燃料噴射システムにおいて、
前記パイロット噴射を複数回行なうときに、後に行なうパイロット噴射ほど燃料噴射量を減少させ、このときの燃料噴射量の減少量を気筒内の温度に応じて設定する。
すなわち、主噴射の前にパイロット噴射を複数回行なうときには、初回のパイロット噴射量を最も多くし、最後のパイロット噴射量を最も少なくする。ここで、後に行われるパイロット噴射の噴霧は、前に行なわれるパイロット噴射時で生じる気流により到達距離が長くなる。このため、たとえば到達距離が長くなる分だけパイロット噴射量を減少させることにより、前のパイロット噴射による噴霧を後のパイロット噴射による噴霧が追い越すことを抑制できる。ところで、気筒内のガス温度は、内燃機関の状態などにより変わる。そして、気筒内のガス温度が高いほど、パイロット噴射による燃料が蒸発し易くなるため、噴霧の到達距離が短くなる。この影響は、パイロット噴射量が少ないほど大きくなる。このため、段階的に燃料噴射量を減少させつつ複数回のパイロット噴射を行なう場合には、後に行われるパイロット噴射ほど、ガス温度の影響が大きくなる。したがって、燃料噴射量を減少させるときに、気筒内の温度に応じてパイロット噴射量の減少量を設定すれば
、燃料の蒸発により到達距離が短くなることを考慮したパイロット噴射が可能となる。なお、気筒内の温度が高いほど、燃料噴射量の減少量を小さくしても良い。すなわち、気筒内の温度が高いときには低いときよりも、パイロット噴射量を多くすることにより、燃料の蒸発量が多くなっても、到達距離が短くなりすぎることを抑制できる。これにより、混合気を所望の位置に滞留させることができる。また、1回当たりのパイロット噴射量が少ないほど、該噴射量の制御の精度が低くなるため、1回当たりのパイロット噴射量を多くし、その分噴射回数を減らせば、燃焼状態を安定させることもできる。
本発明においては、燃料の噴霧に対する気筒内のガスの抵抗と相関する物理量に基づいて、燃焼室壁面に付着しない燃料噴射量の最大値を推定し、この推定される燃料噴射量の最大値以下となるようにパイロット噴射を行なうことができる。
このように、燃焼室壁面に付着しない燃料噴射量の最大値以下となるようにパイロット噴射を行なえば、燃焼室壁面に燃料が付着しないため、燃焼状態が悪化することを抑制できる。ここで、噴霧の到達距離は、燃料の噴霧に対する気筒内のガスの抵抗に応じて変化する。つまり、ガスの抵抗が大きいほど噴霧の到達距離は短くなる。そうすると、燃焼室壁面に付着しない燃料噴射量の最大値も、この抵抗に応じて変化する。この抵抗と相関関係にある物理量に基づけば、燃焼室壁面に付着しない燃料噴射量の最大値を推定することができる。そして、実際のパイロット噴射量を燃焼室壁面に付着しない燃料噴射量の最大値以下とすることで、燃料が燃焼室壁面に付着することを抑制しつつ、1回当たりのパイロット噴射量をより多くすることができる。なお、気筒内の状態(たとえば気筒内の圧力またはガス密度)と、噴霧に対するガスの抵抗と、には相関関係があり、たとえば気筒内の圧力が高くなるほど、噴霧に対するガスの抵抗は大きくなる。したがって、気筒内の状態(たとえば気筒内の圧力またはガス密度)と、燃焼室壁面に付着しない燃料噴射量の最大値と、には相関関係があるため、該相関関係に基づいて該燃料噴射量の最大値を推定してもよい。
本発明においては、パイロット噴射による各回の燃料噴射量を、燃料の圧力によらず燃料噴射量と噴霧の到達距離との関係が定まる範囲内とすることができる。
ここで、燃料噴射弁では、噴射量が比較的少ないときには、燃料の圧力によらず、燃料噴射量に応じて噴霧の到達距離が変化する。一方、噴射量が多くなると、燃料噴射量及び燃料の圧力に応じて到達距離が変化する。したがって、燃料の圧力によらず燃料噴射量に応じて噴霧の到達距離が変化する領域でパイロット噴射を行なえば、燃料の圧力が変化したとしても、この燃料の圧力を考慮することなく噴霧の到達距離を得ることができる。これにより、燃料噴射量の制御が容易となる。
本発明によれば、複数回の燃料噴射による混合気を所望の位置に滞留させることができる。
実施例によるエンジンの概略構成を示す図である。 実施例に係るパイロット噴射の噴射パターンを示したタイムチャートである。 燃料噴射量と噴霧の到達距離との関係を示した図である。 実施例に係るパイロット噴射の順番と、後続のパイロット噴射量の比率との関係を示した図である。 実施例に係るパイロット噴射の制御フローを示したフローチャートである。
以下、本発明に係る内燃機関の燃料噴射システムの具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明による内燃機関の燃料噴射システムを車両駆動用のディーゼルエンジンに適用した場合を例に挙げて説明する。
図1は、本実施例によるエンジンの概略構成を示す図である。図1に示すエンジン1は、気筒2を有する水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
エンジン1は、シリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bが連結されて構成されている。
シリンダヘッド1aには、吸気ポート4及び排気ポート5が形成されており、吸気ポート4及び排気ポート5と気筒2内との境界には、上下に移動する吸気弁6及び排気弁7が備えられている。また、シリンダヘッド1aには、気筒2内に燃料を燃料噴射弁3が設けられている。燃料噴射弁3には、該燃料噴射弁3に燃料を供給する燃料供給源31が接続されている。燃料供給源31には、たとえばポンプやコモンレールが含まれる。
燃料噴射弁3に駆動電流が印加されると、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃料噴射弁3から気筒2内へ燃料が噴射される。ここで、燃料噴射弁3から噴射される燃料量は、エンジン回転数と負荷とからマップにより算出される。また、基本となる燃料噴射時期もエンジン回転数と負荷とからマップにより算出される。これらのマップは、予め実験等により求めておく。
また、シリンダブロック1bは、気筒2内に挿入されたピストン10を備えて構成される。このピストン10の上面には、該ピストン10の中心側に凹んだ燃焼室11が形成されている。また、シリンダヘッド1aには、気筒2内の圧力を測定する圧力センサ13が取り付けられている。
以上述べたように構成されたエンジン1には、該エンジン1を制御するための電子制御ユニットであるECU12が併設されている。このECU12は、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御する。
ECU12には、圧力センサ13の他、各種センサが電気配線を介して接続され、これらセンサの出力信号がECU12に入力されるようになっている。一方、ECU12には、燃料噴射弁3が電気配線を介して接続され、該燃料噴射弁3はECU12により制御される。また、前記ECU12は、各種アプリケーションプログラム及び各種制御マップを記憶している。
そして、ECU12は、燃料噴射弁3から気筒2内へ燃料噴射を行なうときに、主噴射に先立って複数回のパイロット噴射を行なう。複数回のパイロット噴射を行なう場合には、それ以前に噴射された燃料の噴霧を追い越さないように夫々の燃料噴射量(パイロット噴射量ともいう。)が調節される。この場合、夫々のパイロット噴射量は、それよりも前のパイロット噴射量よりも少なくされる。ここで、パイロット噴射が行なわれると噴霧により気流が発生する。その後に行なわれるパイロット噴射の噴霧は、前に行なわれたパイロット噴射により生じた気流により運動エネルギが大きくなる。このため、後に噴射される燃料のほうが到達距離が長くなり得るため、パイロット噴射毎に燃料噴射量を変化させないと、燃焼室11の壁面に燃料が付着する虞がある。これに対し、後のパイロット噴射時の燃料噴射量を、前のパイロット噴射時の燃料噴射量よりも減少させることにより、初期の運動エネルギを減少させることができる。これにより、後のパイロット噴射による噴
霧の到達距離を短くすることができるため、後に行なわれたパイロット噴射による噴霧が以前に行なわれたパイロット噴射による噴霧を追い越して燃焼室11の壁面に付着することを抑制できる。
ここで、図2は、本実施例に係るパイロット噴射の噴射パターンを示したタイムチャートである。燃料噴射弁3がONのときに開弁され、OFFのときに閉弁される。図2では、1サイクル1気筒当たりにパイロット噴射を4回行なっている。そして、初回のパイロット噴射から4回目のパイロット噴射まで、ONの期間を段階的に短くすることで、燃料噴射量を順次減少させている。このパイロット噴射の回数及び各回の噴射量、噴射間隔は、エンジン1の運転状態(たとえば機関回転数及び機関負荷)と関連付けて予めマップ化しておくことができる。また、後述のようにして、パイロット噴射の回数及び各回の噴射量を設定することもできる。
次に、図3は、燃料噴射量と噴霧の到達距離との関係を示した図である。図3は、燃料噴射弁3から燃料を1回だけ噴射したときの燃料噴射量に対する噴霧の到達距離を示している。実線は燃料の圧力が比較的高い場合を示し、一点鎖線は燃料の圧力が比較的低い場合を示している。ここで、燃料噴射量と噴霧の到達距離との関係は、気筒2内の圧力に応じて変わる。また、何回目のパイロット噴射であるかによっても変わる。図3は、予め設定される基準の状態における関係であり、気筒2内の圧力やパイロット噴射の順番によって図3に示す関係は補正される。
図3に示されるように、燃料噴射量が多いほど、噴霧の到達距離は長くなる。そして、燃料噴量がAで示される量となるまでは、燃料噴射量と噴霧の到達距離との関係は燃料の圧力(コモンレールの圧力としてもよい)によらず決まるが、燃料噴射量がAで示される量を超えると、燃料噴射量と噴霧の到達距離との関係は燃料の圧力の影響を受ける。すなわち、図3中のAよりも燃料噴射量が少ない領域(図3中のAよりも左側の領域)は、燃料の圧力によらず燃料噴射量と噴霧の到達距離との関係が定まる範囲といえる。また、図3中のAよりも燃料噴射量が多い領域(図3中のAよりも右側の領域)は、燃料の圧力が高いほど、噴霧の到達距離が長くなる範囲といえる。なお、図3中のAで示される燃料噴射量は、燃料噴射弁3の性能に応じて決まり、実験等により予め求めておくことができる。また、燃料噴射量と、燃料噴射弁3の開弁時間と、の関係を予め実験等により求めてECU12に記憶させておけば、該ECU12は、燃料噴射弁3の開弁時間を制御することにより燃料噴射量を調節することができる。
そして本実施例では、パイロット噴射量が図3中のAで示される燃料噴射量以下となるように該パイロット噴射量を制御する。そうすると、Aで示される燃料噴射量は、パイロット噴射量の最大値であり、以下、最大パイロット噴射量Aと称する。このように、パイロット噴射量を最大パイロット噴射量A以下とすることにより、噴霧に与えられるエネルギは噴射された燃料量のみに支配されるため、たとえエンジン1の負荷などによって燃料の圧力(コモンレールの圧力)が変化しても、パイロット噴射量及び運動エネルギが噴射期間のみに依存することになる。このため、噴霧の初期のエネルギを燃料噴射量で制御することが可能となる。すなわち、パイロット噴射量を最大パイロット噴射量A以下とすることで、燃料の圧力が噴霧の到達距離に与える影響を排除することができる。
ここで、パイロット噴射される燃料の到達距離は、気筒2内の状態(たとえば圧力または密度)に応じて変化する。すなわち、気筒2内の状態(たとえば圧力または密度)に応じて噴霧に対する気筒2内のガスの抵抗が変わるため、噴霧の到達距離が変わる。たとえば、空気密度が低い高地などでは、空気密度の高い低地などと比較して、気筒2内のガスの抵抗が小さいために、同じ燃料噴射量であっても噴霧の到達距離が長くなる。また、気筒2内の圧力は、クランク角度によっても変わる。圧縮行程中にパイロット噴射を複数回
行なう場合には、噴射時期が遅くなるほど、気筒2内の圧力が高くなるため、到達距離がより短くなる。したがって、2回目以降のパイロット噴射では、以前のパイロット噴射により生じた気流によって到達距離が長くなるものの、気筒2内の圧力が高いほど、到達距離が長くなる度合いが小さい。
これに対し、たとえば、図3の関係を補正する補正値を、気筒2内の圧力に応じて予め実験等により求めておけば、気筒2内の圧力に応じて図3の関係を補正することができる。そして、燃料噴射弁3から燃焼室11の壁面までの距離は予め分かっているため、補正後の図3に示した関係に基づいて、燃焼室11の壁面に到達しないための燃料噴射量を算出することができる。なお、燃焼室11の壁面に到達しない燃料噴射量の最大値を、以下、最大噴射量Bと称する。この最大噴射量Bは、図3中のAよりも左側の範囲の関係を前提として算出される。気筒2内の圧力は、圧力センサ13により得る。また、気筒2内の圧力は、たとえば大気圧、吸気管内圧力、エンジン1のクランク角度などにより推定することができるため、これらの関係を予めECU12に記憶させておいてもよい。
ここで、極低温時または高地走行時など燃料が燃焼し難い状況では、パイロット噴射量の総量の要求値が大きくなるため、燃料の噴霧が燃焼室11の壁面に到達しない範囲で、各回のパイロット噴射量をできるだけ増加させるほうが良い。このように、パイロット噴射量の総量の要求値が大きな場合には、最初のパイロット噴射は、気筒2内の圧力が低い比較的早い時期に行なわざるを得ないが、その後に行なわれるパイロット噴射では気筒2内の圧力が上昇するため、パイロット噴射量を増加させても到達距離が長くなることが抑制される。すなわち、パイロット噴射量を増加させて、着火性を向上させることができる。
なお、各回のパイロット噴射量は、最大パイロット噴射量A以下となるように制御されるが、最大パイロット噴射量Aを超えても、噴霧が燃焼室11の壁面に到達しないこともある。このような場合には、噴霧が燃焼室11の壁面に到達しない範囲で最大パイロット噴射量Aを超えるパイロット噴射量を設定してもよい。
ここで、上述の最大噴射量Bは、図3のAよりも左側の関係に従って算出されるため、燃料の圧力が考慮されていない。このため、最大噴射量Bが最大パイロット噴射量Aよりも多い場合には、最大噴射量Bをそのまま用いることができない。このため、最大噴射量Bが最大パイロット噴射量Aよりも多い場合には、図3のAよりも右側の領域の関係に従い、燃料の圧力に基づいて燃料の噴霧が燃焼室11の壁面に到達する燃料噴射量を求める。このようにして得られる燃料噴射量を最大噴射量Cとして、実際のパイロット噴射量とする。このように、最大パイロット噴射量Aよりも多くの燃料を噴射可能であれば、最大パイロット噴射量Aよりも多くの燃料を噴射することにより、着火性をより向上させることができる。
また、初回のパイロット噴射量の許容範囲の上限値(以下、初回許容最大噴射量という。)を予め設定しておき、算出されたパイロット噴射量が初回許容最大噴射量を超える場合には、実際に噴射する燃料量を初回許容最大噴射量とする。ここで、1回当たりのパイロット噴射量が多くなりすぎると、その噴霧が蒸発した場合に、潜熱により熱が奪われるため、混合気の温度が低くなりすぎてしまう。これにより着火性が悪化する虞があるため、着火性が悪化しない程度のパイロット噴射量とする。すなわち、初回許容最大噴射量は、着火性が悪化しない噴射量の上限値であり、予め実験等により求めておく。なお、初回許容最大噴射量は、最大パイロット噴射量Aよりも大きな値に設定される。
また、本実施例においては、気筒2内の温度が高いほど、後続のパイロット噴射量を多くしている。すなわち、後続のパイロット噴射量を以前のパイロット噴射量よりも減少さ
せるときの減少量を、気筒2内の温度が高いほど小さくしている。ここで、エンジン1の暖機が完了した場合や高負荷運転がなされた場合など気筒2内の温度が高い場合には、パイロット噴射による噴霧が移動中に蒸発することにより、該噴霧の到達距離が短くなる。したがって、2回目以降のパイロット噴射では、以前のパイロット噴射により生じた気流によって到達距離が長くなるものの、気筒2内の温度が高いほど、到達距離が長くなる度合いが小さくなる。
そして、この蒸発による影響は、噴射量のより少ない後続のパイロット噴射ほど大きいため、後続のパイロット噴射量をその分増加させることにより、この影響を打ち消すことができる。また、1回当たりのパイロット噴射量が多いほど噴射量の精度が高くなるため、パイロット噴射量を多くしてパイロット噴射回数を減らすほうが、燃焼状態が安定する。
図4は、実施例に係るパイロット噴射の順番と、後続のパイロット噴射量の比率との関係を示した図である。図4は、1気筒1サイクル当たり4回のパイロット噴射を行なったときの各回のパイロット噴射量を、1回目のパイロット噴射量を基準(1.0)として該1回目のパイロット噴射量に対する比として表している。実線は気筒2内の温度が比較的高い場合を示し、一点鎖線は気筒2内の温度が比較的低い場合を示している。この関係は、以前行なわれたパイロット噴射による噴霧を追い越さないように設定されている。この関係は予め実験等により求めることができる。このように、気筒2内の温度が高いほど後続のパイロット噴射量の比率を高くしている。また、パイロット噴射の順番が後になるほど、後続のパイロット噴射量の比率が低くなる。すなわち、パイロット噴射を複数回行なうときに、後に行なうパイロット噴射ほど燃料噴射量を減少させ、このときの燃料噴射量の減少量を気筒2内の温度に応じて設定しているといえる。これにより、燃料が蒸発することによる影響を打ち消しつつ、後続のパイロット噴射による噴霧が以前のパイロット噴射による噴霧を追い越すことを抑制している。
図5は、本実施例に係るパイロット噴射の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎にECU12により実行される。
ステップS101では、要求されるパイロット噴射量の総量である要求パイロット総量が算出される。要求パイロット総量は、1気筒1サイクル当たりに要求されるパイロット噴射量の総量であり、エンジン1の運転状態に応じて決定される。たとえば、機関回転数、機関負荷、要求パイロット総量の関係を予め実験等により求めてECU12に記憶させておく。
ステップS102では、最初のパイロット噴射時の噴霧の到達距離の補正値が算出される。本ステップでは、気筒2内のガスの抵抗に基づいて噴霧の到達距離を補正するための補正値が算出される。最初のパイロット噴射時とは、1気筒の1サイクル毎に噴射されるパイロット噴射の中で最初にパイロット噴射が行なわれる時期である。この時期は、ステップS101で算出される要求パイロット総量に応じて変わり、要求パイロット総量と、最初のパイロット噴射が行なわれる時期との関係は、予めECU12に記憶されている。補正値は、気筒2内の圧力と相関関係にあるため、補正値と気筒2内の圧力との関係を予め実験等により求めてECU12に記憶させておく。
ステップS103では、1回目のパイロット噴射量が算出される。本ステップでは、図3及び図4の関係に従って、燃焼室11の壁面に燃料が付着しないパイロット噴射量が算出される。なお、上述のように、燃焼室11の壁面に燃料が付着しない範囲で、最大パイロット噴射量Aを超えたパイロット噴射量としてもよい。
ステップS104では、1回目のパイロット噴射による噴霧を追い越さないような2回目のパイロット噴射量が算出される。この2回目のパイロット噴射量は、最初のパイロット噴射量よりも少ない量である。ここで、最初のパイロット噴射により発生する気流により2回目のパイロット噴射の到達距離が長くなる。ただし、最初のパイロット噴射時よりも2回目のパイロット噴射時のほうが気筒2内の圧力が高くなるために噴霧に対するガスの抵抗が大きくなるので、その分、2回目のパイロット噴射の到達距離が短くなる。さらに、気筒2内の温度が高いほど、燃料が蒸発し易いために、パイロット噴射の到達距離が短くなる。これらを考慮して、2回目のパイロット噴射量が算出される。それぞれの場合において図3の関係を補正する補正値を求めるマップを記憶しておき、該補正値に基づいて2回目のパイロット噴射量を算出してもよい。
ステップS105では、残りのパイロット噴射の回数及び各回のパイロット噴射量が算出される。すなわち、2回目のパイロット噴射と同様にして、3回目以降のパイロット噴射量を算出する。併せて、要求パイロット総量を満たすパイロット噴射の回数が算出される。
ステップS106では、算出されたパイロット噴射量を用いてパイロット噴射が実施される。
以上説明したように本実施例によれば、燃料の噴霧の到達距離を高精度に制御することができる。これにより、燃料が燃焼室11の壁面に付着することを抑制できると共に、所望の位置に混合気を滞留させることができる。
1 エンジン
1a シリンダヘッド
1b シリンダブロック
2 気筒
3 燃料噴射弁
4 吸気ポート
5 排気ポート
6 吸気弁
7 排気弁
10 ピストン
11 燃焼室
12 ECU
13 圧力センサ
31 燃料供給源

Claims (3)

  1. 気筒内へ主噴射よりも前にパイロット噴射を複数回行う内燃機関の燃料噴射システムにおいて、
    前記パイロット噴射を複数回行なうときに、後に行なうパイロット噴射ほど燃料噴射量を減少させ、このときの燃料噴射量の減少量を気筒内の温度に応じて設定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射システム。
  2. 燃料の噴霧に対する気筒内のガスの抵抗と相関する物理量に基づいて、燃焼室壁面に付着しない燃料噴射量の最大値を推定し、この推定される燃料噴射量の最大値以下となるようにパイロット噴射を行なうことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射システム。
  3. パイロット噴射による各回の燃料噴射量を、燃料の圧力によらず燃料噴射量と噴霧の到達距離との関係が定まる範囲内とすることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射システム。
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