JP2011246747A - 電気分解電極及び電気分解装置 - Google Patents

電気分解電極及び電気分解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液圧による気体流路側への溶融塩浸入を防ぎ、電解液と気体流路を安定に保ち、気液分離性能を向上させることができる電気分解電極及び電気分解装置を提供する。
【解決手段】貫通孔2aが形成された導電性基板2と、貫通孔2aが開口する導電性基板2の表面に沿って配置され、電解液を透過させずに気泡5を貫通孔2aから気体流路の側へ選択的に透過させる多孔質膜3を備えた。多孔質膜3により、導電性基板2の接液面にて発生した気泡5を貫通孔2aを通じて気体流路へ選択的に透過させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気分解の効率を向上することによって所望のガスを効率よく生成することが可能な電気分解電極及び電気分解装置に関する。
特許文献1には、電解液と気体流路を分離するために微細な貫通孔に働くラプラス圧を利用した電気分解装置に関する技術が開示されている。この手法によれば、液圧がラプラス圧以下であれば電解液は貫通孔を通過することができず、電解液と気体流路の界面は安定に保持される。
国際公開WO2008/132818公報
しかし、貫通孔の孔径数十um程度の場合ではラプラス圧は非常に小さいため、液圧に依存する電極の浸漬深さは数cm〜十数cm程度に規制されてしまう。また容器内の圧力変動により気体流路側に電解液が侵入する恐れがある。
本発明の目的は、液圧による気体流路側への溶融塩浸入を防ぎ、電解液と気体流路を安定に保ち、気液分離性能を向上させることができる電気分解電極及び電気分解装置を提供することにある。
本発明の電気分解電極は、電解液の電気分解に際して接液面で発生する発生ガスを前記電解液から分離して気体流路の側に放出する電気分解電極において、微細流路が形成された導電性部材と、前記微細流路が開口する前記導電性部材の表面に沿って配置され、前記電解液を透過させずに前記発生ガスを前記微細流路から前記気体流路の側へ選択的に透過させる多孔質膜と、を備えることを特徴とする。
この電気分解電極によれば、複数の微細流路が形成された導電性部材と、発生ガスを微細流路から気体流路の側へ選択的に透過させる多孔質膜を設けた。多孔質膜により、導電性部材の接液面にて発生したガスを気体流路側へ選択的に透過させる。よって、気体流路への電解液の侵入を防止し、電解液と気体流路とを安定した状態で分離することができる。また、電極部とは別に多孔質膜にて気液分離を行うことにより、ガスが接触する気液分離界面の有効面積を拡大してガスとの接触頻度を向上させることができる。
前記微細流路は前記導電性部材を貫通する貫通孔であって、前記多孔質膜の孔径が前記貫通孔の孔径よりも小さくなるよう構成してもよい。
前記導電性部材の表面のうち前記電解液との接液面が疎液性となるよう構成してもよい。
前記多孔質膜における前記電解液との接液面が疎液性となるよう構成してもよい。
前記微細流路から前記気体流路の側へ透過する前記発生ガスを通過させる流路が形成され、かつ、前記気体流路の側から前記多孔質膜を保持する裏打ち基板を備えてもよい。
本発明の電気分解装置は、前記電気分解電極を陽極または陰極として用いることを特徴とする。
この電気分解装置によれば、電気分解電極を、複数の微細流路が形成された導電性部材と、発生ガスを微細流路から気体流路の側へ選択的に透過させる多孔質膜を設けて構成する。多孔質膜により、導電性部材の接液面にて発生したガスを気体流路側へ選択的に透過させる。よって、気体流路への電解液の侵入を防止し、電解液と気体流路とを安定した状態で分離することができる。また、電極部とは別に多孔質膜にて気液分離を行うことにより、ガスが接触する気液分離界面の有効面積を拡大してガスとの接触頻度を向上させることができる。また、ガス分離を行うためのスカートなどを電解漕内に取り付ける必要がなくなり、装置の小型化が可能になる。
前記電解液としてフッ素化合物を含む溶融塩を用い、前記電気分解電極を陽極として用いてフッ素ガスを発生させてもよい。
本発明の電気分解電極によれば、複数の微細流路が形成された導電性部材と、発生ガスを微細流路から気体流路の側へ選択的に透過させる多孔質膜を設けた。多孔質膜により、導電性部材の接液面にて発生したガスを気体流路側へ選択的に透過させる。よって、気体流路への電解液の侵入を防止し、電解液と気体流路とを安定した状態で分離することができる。また、電極部とは別に多孔質膜にて気液分離を行うことにより、ガスが接触する気液分離界面の有効面積を拡大してガスとの接触頻度を向上させることができる。
本発明の電気分解装置によれば、電気分解電極を、複数の微細流路が形成された導電性部材と、発生ガスを微細流路から気体流路の側へ選択的に透過させる多孔質膜を設けて構成する。多孔質膜により、導電性部材の接液面にて発生したガスを気体流路側へ選択的に透過させる。よって、気体流路への電解液の侵入を防止し、電解液と気体流路とを安定した状態で分離することができる。また、電極部とは別に多孔質膜にて気液分離を行うことにより、ガスが接触する気液分離界面の有効面積を拡大してガスとの接触頻度を向上させることができる。また、ガス分離を行うためのスカートなどを電解漕内に取り付ける必要がなくなり、装置の小型化が可能になる。
一実施形態の気液分離電極1を示す図であり、図1(a)は正面図を示す図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib断面図を示す図、図1(c)は導電性基板の正面図を示す図、図1(d)は図1(c)のId−Id断面図を示す図。 気液分離電極の変形例を示す図であり、図2(a)〜(c)は図1(a)及び(b)に示す気液分離電極の変形例を示す図、図2(d)〜(f)は図1(c)及び(d)に示す導電性基板の変形例を示す図。 気液分離電極1を設けた電極ユニット10の構成を示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb断面図、図3(c)は側面図。 気液分離電極1表面で発生した気泡5の分離状態等を示す図であり、図4(a)は図3に示す電極ユニット10を用いて電気分解を行い、気泡を発生させたときの気泡分離の様子を示す図、図4(b)は導電性基板表面を疎液性材料にて表面処理を施した気液分離電極を示す図、図4(c)は裏打ち基板により固定した気液分離電極を示す図。 一実施形態の電気分解装置を示す図であり、図5(a)は上面図を示す図、図5(b)は図5(a)のVb−Vb断面図を示す図。 電気分解装置の他の例を示す図であり、図6(a)は上面図を示す図、図6(b)は図6(a)のVIb−VIb断面図を示す図、図6(c)は図6(b)の矢印方向から見た陽極と陰極の配置図を示す図、図6(d)は図6(c)の陽極と陰極を電解槽に浸漬したときの外観図。
以下、本発明による電極の一実施形態について説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、一実施形態の気液分離電極1を示す図であり、図1(a)は正面図を示す図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib断面図を示す図、図1(c)は、導電性基板2の正面図を示す図、図1(d)は図1(c)のId−Id断面図を示す図である。
図1に示すように、気液分離電極1は、貫通孔2aが複数形成された導電性基板2と、貫通孔2aが開口する導電性基板2の表面に貼り付けられた多孔質膜3と、からなる。
導電性基板2は、例えば純ニッケルにより構成される。導電性基板2に設けられた複数の貫通孔2aは、導電性基板2の接液面にて発生したガス(気泡)が通り抜けるための微細流路として機能する。微細流路の形状は貫通孔に限定されることなく、メッシュ構造、図1に示すポーラス構造等の種々の構造等をとることができる。
多孔質膜3は、例えばPTFE(四フッ化エチレン樹脂)多孔質膜により構成される。この多孔は、メッシュ構造、ポーラス構造、複数の貫通孔を穿設した構造などとして形成されている。また多孔質膜3に形成された多孔が互いに独立せず、相互に連結した複数の貫通孔を有する構造をとることもできる。多孔質膜3は、導電性基板2の接液面にて発生したガス(気泡)のみを貫通孔2aを通して後述する気体流路の側へ選択的に透過させるためのものである。つまり、電解液にその深さに応じた圧力(液圧)が発生した場合においても、気体流路側への電解液の流出が抑制される。
図2は気液分離電極1の変形例を示す図であり、図2(a)〜(c)は、図1(a)及び(b)に示す気液分離電極1の変形例を示す断面図であり、図2(d)〜(f)は図1(c)及び(d)に示す導電性基板2の変形例を示す断面図である。
図2(a)および図2(d)に示す例では、導電性基板2Bの貫通孔2bの断面積が電解液側から遠ざかるに従って徐々に小さくなり、多孔質膜3側で再び拡大する形状をとる。ここで電解液側とは多孔質膜3を貼り付けた面に対向する面の側である。
図2(b)および図2(e)に示す例では、導電性基板2Cの貫通孔2cの断面積が電解液側から遠ざかるに従って徐々に大きくなり、多孔質膜3側で最大となる形状をとる。図示していないが、貫通孔の断面積が電解液側から遠ざかるに従って徐々に小さくなり、多孔質膜3側で最小となる形状であっても良い。
図2(c)および図2(f)に示す例では、上述の複数の貫通孔が互いに独立しているのではなく、相互に連結した複数の貫通孔2dを有する平板状の導電性基板2Dを使用する例を示している。このような導電性基板2Dは、例えば発泡金属、シングルポアモノリス型構造体、ダブルポアモノリス型構造体、粉末焼結貴金属、繊維焼結体等から形成される。
(電極保持部の構造)
図3は、気液分離電極1を設けた電極ユニット10の構成を示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb断面図、図3(c)は側面図である。
電極ユニット10は、気液分離電極1、電極カバー11、電極ホルダ12、気体チャネル13、導線14等により構成される。図3に示すように、気液分離電極1は、電極カバー11と電極ホルダ12により挟まれた状態で固定されている。締結ネジ15により電極カバー11を締め付けることにより、気液分離電極1を電極ホルダ12に密着させ、電解液18が気体チャンバー16に浸入することを防いでいる。
気液分離電極1は、多孔質膜3が貼り付けられた面を気体チャンバー16側に、その対向面を電解液18側に向けて設置される。貫通孔2a内には電解液18が浸み込むが、多孔質膜3により電解液18と気体チャンバー16は隔絶されている。特に多孔質膜3の表面が疎液性である場合には電解液18の侵入がより効果的に抑制される。ここで電解液に対して気液分離電極1の接触角をα、多孔質膜3の接触角をβとした場合、疎液性とは90°<α、90°<β、また親液性とは90°>α、90°>βの関係であると定義する。
電圧の印加は、気液分離電極1と接続されている導線14を介して行なわれる。気体チャンバー16へ分離された気体は、気体チャネル13を通過して電極ユニット10より排出される。
図4は、気液分離電極1表面で発生した気泡5の分離状態等を示しており、図4(a)は、図3に示す電極ユニット10を用いて電気分解を行い、気泡5を発生させたときの気泡分離の様子を示す図である。気液分離電極1と電解液18の接する面上において発生した気泡5の少なくとも一部は、貫通孔2a及び多孔質膜3を通して気体チャンバー16へ排出される。多孔質膜3は微細な多孔を有しており、気体は透過するが液体は透過しないようになっている。貫通孔2aの内部へも電解液18が浸入させることで、効率よく気泡5を発生させることができる。
図4(b)は、導電性基板2表面を疎液性材料4にて表面処理を施した気液分離電極1Aを示す断面図である。図3に示す電極ユニット10を用いて電気分解を行い、気泡5を発生させたときの気泡分離の様子が示されている。なお、導電性基板2表面を疎液性材料4にて表面処理した後、多孔質膜3を貼り付けることで、気液分離電極1Aを作成することができる。
この疎液性表面処理は、導電性基板2の少なくとも電解液18と接している表面に施すことが好ましい。疎液性の場合、電解液18よりも発生した気泡5と馴染みやすい。そのため電解液18と接している導電性基板2表面で発生した気泡5は、浮力による分離がされ難くなる。また貫通孔2a内に液圧により電解液18が浸入し、貫通孔2a内の壁面にて電気分解により発生した気泡5が多量に付着する。これにより、発生した気泡5は、貫通孔2aを通って、多孔質膜3の気液分離機能により連続的に気体流路へ分離される。このような構成により、発生した気泡5の気体チャンバー16への背面分離がほぼ完全に行なわれるため、装置の小型化と安定した気液分離性能に寄与することができる。
図4(c)は、裏打ち基板6により固定した気液分離電極1Aを示す図である。裏打ち基板6には、貫通孔2aから気体流路の側へ透過する気泡5を透過させる流路が形成されている。本実施形態では流路の一例である貫通孔6aを形成した構造となっている。裏打ち基板6は、多孔質膜3を気体流路の側から保持する。この構成によれば、導電性基板2と多孔質膜3を密着させた状態で多孔質膜3を支持することができるため、気液分離電極1を強固に構成することができ、安定的に気液分離を行なうことが可能になる。
(電気分解によるガス発生)
図5は一実施形態の電気分解装置を示す図であり、図5(a)は上面図を示す図、図5(b)は図5(a)のVb−Vb断面図を示す図である。
電気分解装置は、図4で示す気液分離電極1を保持する電極ユニット10と、気液分離機能を有しない対向電極20とを備える。電極ユニット10および対向電極20を向かい合わせて電解漕19中の電解液18に浸漬し、電解用電源21を用いて電圧を印加することで、電極ユニット10を陽極、対向電極20を陰極として機能させる。
初めに両極においてガス発生電圧以上となる電圧を、電解用電源21を用いて印加すると、電解質種に応じて陽極と陰極の表面にそれぞれ異なるガスが発生する。陽極として使用している電極ユニット10内の気液分離電極1の表面で発生したガスは、前述の原理により気体チャンバー16内に分離される。一方陰極として使用している対向電極20の表面には別種のガスが生じるが、気液分離機構を持たないため表面に付着するか、浮力により電極表面から分離される。このようにして電気分解を行うことにより、陽極で発生したガスと陰極で発生したガスを個別の空間に分離することが可能になり、電解槽19内にガス分離のためのスカートなどを取り付ける必要がなくなり、装置の小型化に寄与する。
本実施例では電極となる導電性基板2の材料として純ニッケルを用いたが、他の材質を用いても良い。例としては、金属電極としてPt(白金)、Au(金)、Ag(銀)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Ir(イリジウム)、W(タングステン)の単体または前記を主成分とする合金、もしくはNi(ニッケル)-Cu(銅)合金、Ni(ニッケル)-Cr(クロム)-Fe(鉄)合金、Ni(ニッケル)- Mo(モリブデン)合金、Ni(ニッケル)-Cr(クロム)-Mo(モリブデン)合金などが、炭素電極としてグラッシーカーボン、パイロリティックグラファイト、ベーサルプレインパイロリティックグラファイト、カーボンペースト、HOPG(Highly Oriented Pyrolytic Graphite)、炭素繊維、BDD(Boron Doped Diamond)、ECR(Electron Cyclotron Resonance)成膜カーボン、導電性DLC(Diamond Like Carbon)電極などが、透明電極としてNesa(Sb(アンチモン)をドープしたSnO)、Nesatoron(Sn(すず)をドープしたInO)などが、酸化物電極としてTiO、MnO、PbO、ペロブスカイト酸化物、ブロンズ酸化物などが、半導体電極としてSi、Ge、ZnO、CdS、GaAs、TiOなどが、他には高分子固体電解質電極などが挙げられる。陽極・陰極の組み合わせとして前記材料単一あるいは2つ以上の材料の組み合わせでも良い。特にNi(ニッケル)、Ni(ニッケル)-Cu(銅)合金、Ni(ニッケル)-Cr(クロム)-Fe(鉄)合金、Ni(ニッケル)- Mo(モリブデン)合金、Ni(ニッケル)-Cr(クロム)-Mo(モリブデン)合金、グラッシーカーボン、BDD(Boron Doped Diamond)、ECR(Electron Cyclotron Resonance)成膜カーボン、導電性DLC(Diamond Like Carbon)電極が好適である。
また、本実施例では多孔質膜3としてPTFE(四フッ化エチレン樹脂)多孔質膜を用いたが、他の材質の多孔質膜を用いても良い。例としては、ETFE(四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂)、PFA(四フッ化エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、FEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂)、PCTFE(三フッ化塩化エチレン樹脂)、PVDF(フッ化ビニリデン樹脂)、変性PTFE、ECTFE(クロロトリフルオロエチレン-エチレン共重合体樹脂)、パーフロオロアルケニルビニルエーテルポリマー(商品名CYTOP(登録商標))、THV(テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロペン-ビニリデンフロライドコポリマー)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)、ナイロン、PET(ポリエステル)などが挙げられる。特にフッ素系樹脂であるPTFE(四フッ化エチレン樹脂)、ETFE(四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂)、PFA(四フッ化エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、FEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂)、PCTFE(三フッ化塩化エチレン樹脂)、PVDF(フッ化ビニリデン樹脂)、変性PTFE、ECTFE(クロロトリフルオロエチレン-エチレン共重合体樹脂)、パーフロオロアルケニルビニルエーテルポリマー(商品名CYTOP(登録商標))、THV(テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロペン-ビニリデンフロライドコポリマー)が好適である。
(実施例1)
電極表面で発生した気泡5について気液分離が行なわれているか確認するため、電気分解により電極表面にて気泡5が発生している気液分離電極1の表面観察を行った。透明PC(ポリカーボネート)の窓材22を電解槽19Aに取り付け、電気分解時の気液分離電極1の表面を観察できるようにした。
本実施例では気液分離電極1の貫通孔2aを、孔径47um、ピッチ135umであり、千鳥格子上に整列した複数の貫通孔として形成した。そして、導電性DLC(Diamond Like Carbon)表面処理を行ったNi(ニッケル)製多孔基板の背面に、多孔質膜3としてPTFEメンブレン・ポアフロン(登録商標)FP-500-100(孔径5um、厚み100um、住友電工ファインポリマー社製)を貼り付けた。さらに孔径47um、ピッチ135um、千鳥格子上に整列した複数の貫通孔6aを持ったNi(ニッケル)製裏打ち基板6によりポアフロン(登録商標)を挟み込んで固定した構造となっている。また電解液18として溶融塩KF・n HF(nは係数、n値に制限は無いが、1≦n≦3であることが好ましい。)、陰極としてNi(ニッケル)電極を用いている。観察は長焦点レンズMX-5040RZとデジタルマイクロスコープKH-1300(いずれもハイロックス社製)を用いて行った。
両極においてガス発生電圧以上となる電圧を、陽極となる電極ユニット10内の気液分離電極1と陰極となる対向電極20の間に印加すると、電解質種に応じて陽極と陰極の表面にそれぞれ異なるガスが発生する。陽極として使用している電極ユニット10内の気液分離電極1の表面で発生したガスは、浮力により電極表面から分離される様子は見られず、気体チャンバー16内に安定して背面に分離される様子を確認した。陽極及び陰極におけるガス発生の化学反応式を下記に示す。

陽極: 2F- → F2 + 2e-
陰極: 2H+ + 2e- → H2
図6は、電気分解装置の他の例を示す図であり、図6(a)は上面図を示す図、図6(b)は図6(a)のVIb−VIb断面図を示す図である。そして、図6(c)は図6(b)の矢印方向から見た陽極と陰極の配置図を示す図、図6(d)は図6(c)の陽極と陰極を電解槽19Aに浸漬したときの外観図である。図6(a)〜(d)に示すように、気液分離電極1を保持する電極ユニット10と気液分離機能を有しない対向電極20Aを設置し、電解液18に浸漬して電圧を印加する電気分解装置を組み立てる。対向電極20Aは、気液分離電極1が電解槽19Aの外から窓材22を通して観察できるような形状になっている。
このような装置を用いても、同様に陽極として使用している電極ユニット10内の気液分離電極1の表面で発生したガスは、浮力により電極表面から分離される様子は見られず、気体チャンバー16内に安定して背面に分離される様子を確認できる。
(実施例2)
図5に示す電気分解装置を用い、陽極として導電性DLC(Diamond Like Carbon)表面処理を行ったGC(グラッシーカーボン)製平板基板を用い、電解液18として溶融塩KF・n HF(nは係数、n値に制限は無いが、1≦n≦3であることが好ましい。)を用いて、電解実験を行った。その後、導電性DLC表面処理を行ったGC基板を取り出し、電解面の接触角の測定を行った。測定方法は、1[uL]の水滴を電極表面上に滴下し、側面から液滴の形状を観察し、θ/2法により接触角を算出した。結果、接触角は(電解前)75°、(電解後)98.2°と変化し、電極表面は溶融塩KF・n HFを用いた電解反応により疎水性表面となっていた。また導電性DLC表面の場合いわゆる陽極効果を生じず、安定して電解を継続することが可能であった。
このことから実施例1において導電性DLCを用いることにより、電解液18よりも気泡5と馴染みやすくなることが判る。そのため発生した気泡5は浮力による分離がされ難くなる。また貫通孔2a内も電解液18が効率的に浸入し、貫通孔2内の壁面にて電気分解により発生した気泡5が付着する。これにより、発生した気泡5は、貫通孔2aを通って、多孔質膜3の気液分離機機能により連続的に気体流路へ分離される。
以上説明したように、本実施形態の気液分離電極1は、貫通孔2aが形成された導電性基板2と、貫通孔2aが開口する導電性基板2の表面に沿って配置され、電解液を透過させずに気泡5を貫通孔2aから気体流路の側へ選択的に透過させる多孔質膜3とを備えている。よって、気体流路側への電解液18の侵入を防止し、電解液18と気体流路とを安定した状態で分離することができる。また、電極部分とは別に多孔質膜3にて気液分離を行うことにより、気泡5が接触する気液分離界面の有効面積を拡大して気泡5との接触頻度を向上させることができる。
また、本実施形態の気液分離電極1によれば、多孔質膜3の孔径が導電性基板2の貫通孔2aの孔径よりも小さくなるよう構成したので、気泡5が多孔質膜3と接触した際に加わるラプラス圧を大きくすることが可能になる。このため気液分離性能を向上させることができる。
また、本実施形態の気液分離電極1Aにおいては、導電性基板2の表面のうち電解液18との接液面を疎液性材料4にて疎液性としている。このため、導電性基板2の表面が気泡5となじみやすくなり、気泡5の浮力による分離がされ難くなる。このため、発生した気泡5を導電性基板2に多量に付着させ、効率的に気体チャンバー16側へと分離させることができる。
また、本実施形態の気液分離電極1によれば、多孔質膜3における電解液18との接液面を疎液性としている。このため、多孔質膜3にて電解液18を寄せ付けず、気泡5を気体チャンバー16側へと分離させやすくすることができる。
また、本実施形態の気液分離電極1によれば、気体流路側へ気泡5を透過させる複数の貫通孔6aを持ち、かつ、気体流路側から多孔質膜3を保持する裏打ち基板6を備えている。これにより、気液分離電極1を強固に構成することができ、安定的に気液分離を行なうことが可能になる。
また、本実施形態の電気分解装置によれば、貫通孔2aが形成された導電性基板2と、貫通孔2aが開口する導電性基板2の表面に沿って配置され、電解液を透過させずに気泡5を貫通孔2aから気体流路の側へ選択的に透過させる多孔質膜3を備えて構成した気液分離電極1を、陽極又は陰極として用いている。このため、気体流路への電解液18の侵入を防止し、電解液18と気体流路とを安定した状態で分離することができる。また、電極部とは別に多孔質膜3にて気液分離を行うことにより、気泡5が接触する気液分離界面の有効面積を拡大して気泡5との接触頻度を向上させることができる。
また、本実施形態の電気分解装置によれば、電解液18としてフッ素化合物を用い、気液分離電極1を陽極として用いている。この場合でも、発生したフッ素ガスを速やかに電解面と反対側の気体流路側へ移動させることができ、陰極で発生した水素ガスとの混合回避のための空間を別途設ける必要が無い。したがって、ガス分離を行うためのスカートなどを電解漕19内に取り付ける必要がなくなり、装置の小型化が可能になる。
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本実施形態では気液分離電極1を保持する電極ユニット10を陽極として用いたが、陰極として用いても良い。また、本実施形態では電極ユニット10と電解槽19を独立なものとしているが、電極ユニット10と電解槽19とが組み合わさった一つのユニットとして構成してもよい。
1、1A 気液分離電極
2、2B、2C、2D 導電性基板
2a、2b、2c、2d 貫通孔
3 多孔質膜
4 疎液性材料
5 気泡
6 裏打ち基板
6a 貫通孔
10 電極ユニット
11 電極カバー
12 電極ホルダ
13 気体チャネル
14 導線
15 締結ネジ
16 気体チャンバー
18 電解液
19、19A 電解槽
20、20A 対向電極
21 電解用電源
22 窓材

Claims (7)

  1. 電解液の電気分解に際して接液面で発生する発生ガスを前記電解液から分離して気体流路の側に放出する電気分解電極において、
    微細流路が形成された導電性部材と、
    前記微細流路が開口する前記導電性部材の表面に沿って配置され、前記電解液を透過させずに前記発生ガスを前記微細流路から前記気体流路の側へ選択的に透過させる多孔質膜と、
    を備えることを特徴とする電気分解電極。
  2. 前記微細流路は前記導電性部材を貫通する貫通孔であって、前記多孔質膜の孔径が前記貫通孔の孔径よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の電解分解電極。
  3. 前記導電性部材の表面のうち前記電解液との接液面が疎液性であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気分解電極。
  4. 前記多孔質膜における前記電解液との接液面が疎液性であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気分解電極。
  5. 前記微細流路から前記気体流路の側へ透過する前記発生ガスを通過させる流路が形成され、かつ、前記気体流路の側から前記多孔質膜を保持する裏打ち基板を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気分解電極。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気分解電極を陽極または陰極として用いることを特徴とする電気分解装置。
  7. 電解液としてフッ素化合物を含む溶融塩を用い、前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気分解電極を陽極として用いて、前記発生ガスとしてのフッ素ガスを発生させることを特徴とする電気分解装置。
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