JP2011246703A - 耐火用配管材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耐火用配管材は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、Ca−Zn系熱安定剤、Mg−Zn系熱安定剤およびCa−Mg−Zn系熱安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを0.4質量部以上、2.5質量部以下の範囲内、および、合成ハイドロタルサイト化合物を2質量部以上、12質量部以下の範囲内で含有する難燃性樹脂組成物を用いて形成される。この難燃性樹脂組成物には、さらに硼珪酸ガラスが配合されていることが好ましい。
【選択図】なし
Description
(1)配管材の燃焼速度を遅延させて、非加熱側に火炎を噴出させないこと。
燃焼速度を遅延させるには、配管材自体の燃焼を防止すると共に、燃焼時に管壁を熱膨張させたり、あるいは他の手段により、区画貫通部内への熱流入をできるだけ防ぐようにすることが望ましい。すなわち、加熱側において、配管材を閉塞に近い状態にし、遮炎することが最良の手段である。また、残渣が燃え尽きないことがより好ましい。
(2)燃焼時においても、配管材とその外周のモルタルとのシール性を保持して、非加熱側で発煙させないこと。
すなわち、本発明の耐火用配管材は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、Ca−Zn系熱安定剤、Mg−Zn系熱安定剤およびCa−Mg−Zn系熱安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを0.4質量部以上、2.5質量部以下の範囲内、および、合成ハイドロタルサイト化合物を2質量部以上、12質量部以下の範囲内で含有する難燃性樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする。
本発明の耐火用配管材は、ポリ塩化ビニル系樹脂に対して、Ca−Zn系熱安定剤、Mg−Zn系熱安定剤、および、Ca−Mg−Zn系熱安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1つと、合成ハイドロタルサイト化合物とを所定量含有する難燃性樹脂組成物を用いて形成される。その含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、Ca−Zn系熱安定剤、Mg−Zn系熱安定剤およびCa−Mg−Zn系熱安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを0.4質量部以上、2.5質量部以下の範囲内であり、および、合成ハイドロタルサイト化合物を2質量部以上、12質量部以下の範囲内である。また、Ca−Zn系熱安定剤、Mg−Zn系熱安定剤およびCa−Mg−Zn系熱安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0.6質量部以上、2.0質量部以下であることが好ましく、0.9質量部以上、1.3質量部以下であることが更に好ましい。また、合成ハイドロタルサイト化合物の配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、2.5質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、3質量部以上、7質量部以下であることが更に好ましい。Ca−Zn系熱安定剤、Mg−Zn系熱安定剤およびCa−Mg−Zn系熱安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの配合量が0.4質量部以上、2.5質量部以下であり、合成ハイドロタルサイト化合物の配合量が2質量部以上、12質量部以下であれば、塩化ビニル系樹脂の難燃性を飛躍的に向上させて、本願発明の効果を実現することができる。
[Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O]
硼珪酸ガラスとしては、例えば、日硝マテリアル株式会社製の「F−C」を商業的に入手することもできる。
無機充填剤の配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0質量部以上、10.0質量部以下であることが好ましく、更に好ましくは3質量部以上、7.0質量部以下である。無機充填剤の配合量が10.0質量部を超えると得られる配管材の機械的強度が損なわれる可能性がある。
ここで残渣とは、配管材が燃焼し、炭化した部分を言う。また、貫通孔を閉塞に近い状態にするとは、耐火試験前の耐火用配管材の内径開口部面積に対する耐火試験後の耐火用配管材の内径開口部の最小内径開口部面積が50%以下であり、好ましくは45%以下であり、更に好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下である。なお、かかる数値が0%の場合、すなわち、完全に閉塞された状態も本願発明に含まれる。
平成12年6月1日に施工された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法:ISO834−1に準拠して、耐火試験炉X(図3参照)を用いて2時間耐火試験を実施した。
パイプ20の一端部が床材1の加熱側の面から加熱側領域(加熱室)4に300mm、他端部が床材の非加熱側の面から非加熱領域に800mm露出するようにパイプ20を配置した。耐火試験炉Xの加熱室4には、内部の側壁の2箇所にバーナー(V1,V2)が設置されており、また、炉内熱電対5の熱接点2個が、床材1の試験面に対して均等に配置されるように、床材から100mm離れた位置に設置されており、軽量気泡コンクリート板(床材)より10mm高い位置のパイプ20の表面温度が測定できるように別の熱電対も設置されている。さらにまた、耐火試験炉Xには炉内圧力を測定できる装置(図示せず)も設置されている。
345×log(8×T+1)+20 T:時間(分)
JIS K6741の引張試験に準拠して、成形品について温度23℃で引張試験を行い、引張強度および伸びを測定した。また、同様にJIS K6741に準拠して、1/2偏平試験(n=2)を行った。1/2偏平試験の評価については、割れが発生したか否か観察し、割れが生じた数を記載した。なお、引張強度は40MPa以上が合格レベルである。
また、伸び(%)については、50%以上が合格レベルである。
上記評価結果を総合評価として表中に表示した。すなわち、発煙時間が120分以上であり、1/2偏平試験では割れの発生がなく(割れ数が0個)、引張強度が40MPa以上であり、伸びが50%以上を満たすものを記号「○」で表示し、1つでもこの条件を満たさないものを記号「×」で表示した。
ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.2質量部、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を5質量部の割合で配合して中間層用樹脂組成物を作製した。得られた中間層用樹脂組成物を中間層の形成に用いた。外層および内層のそれぞれには、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部、モリブデン系防煙剤を1.0質量部の割合で配合した樹脂組成物を用いた。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を用い、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径140mm、厚さ7.5mm、呼び径125A、中間層の厚み80%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.2質量部、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを6質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を5質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部、モリブデン系防煙剤を1.0質量部の割合で配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)の立管用パイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径140mm、厚さ7.5mm、呼び径125A、中間層の厚み80%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.1質量部、ステアリン酸亜鉛を0.4質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを6質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を3.6質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部の割合で配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径114mm、厚さ7.1mm、呼び径100A、中間層の厚み75%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.15質量部、ステアリン酸亜鉛を0.6質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを6質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を3.6質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部の割合で配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径114mm、厚さ7.1mm、呼び径100A、中間層の厚み75%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.2質量部、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを6質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を3.6質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径140mm、厚さ7.5mm、呼び径125A、中間層の厚み80%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.3質量部、ステアリン酸亜鉛を1.2質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを6質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を3.6質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径114mm、厚さ7.1mm、呼び径100A、中間層の厚み75%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.4質量部、ステアリン酸亜鉛を1.6質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを6質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を3.6質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径114mm、厚さ7.1mm、呼び径100A、中間層の厚み75%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
表1に示すように、中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.1質量部、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部(0.4質量部+0.4質量部)、ステアリン酸カルシウムを0.1質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを6質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を3.6質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径114mm、厚さ7.1mm、呼び径100A、中間層の厚み75%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸カルシウムを0.2質量部、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを6質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を3.6質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径114mm、厚さ7.1mm、呼び径100A、中間層の厚み75%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.2質量部、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を10質量部の割合で配合した。得られた樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により単層構成のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径140mm、厚さ7.5mm、呼び径125A)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.2質量部、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを4質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を3.6質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径114mm、厚さ7.1mm、呼び径100A、中間層の厚み75%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
中間層用樹脂組成物として、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.2質量部、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部、平均粒径が20μmの硼珪酸ガラスを8質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を3.6質量部の割合で配合した。外層および内層のそれぞれに用いられる樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸鉛(水澤化学工業(株)製の「NC18ED」)を2.0質量部配合した。得られた中間層用樹脂組成物および内外層用の樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により3層構成(外層/中間層/内層)のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径114mm、厚さ7.1mm、呼び径100A、中間層の厚み75%)を作製した。得られた管材について耐火性能評価および物性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.2質量部、および、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部の割合で配合した。得られた樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により単層構成のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径114mm、厚さ7.1mm、呼び径100A)を作製した。得られた管材について耐火性能の評価を行った。得られた結果を表2に示す。
通常の配管として市販されている単層構成の鉛配合のポリ塩化ビニル管(PVC100質量部に対しPb系熱安定剤2質量部配合、長さ1,300mm、外径140mm、厚さ7.5mm、呼び径125A)について耐火性能の評価を行った。その結果を表2に示す。
合成樹脂製管材の2時間耐火性能を有する熱膨張性黒鉛含有の単層構成ポリ塩化ビニル管(PVC100質量部に対し、Pb系熱安定剤1.0質量部および熱膨張性黒鉛5.0質量部配合、長さ1,300mm、外径140mm、厚さ7.5mm、呼び径125A)を作製し、得られた管材について物性評価を行った。その結果を表2に示す。
ポリ塩化ビニル単独重合体であるポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度:1030)100質量部に対し、ステアリン酸マグネシウムを0.2質量部、ステアリン酸亜鉛を0.8質量部、平均粒径が0.4μmの合成ハイドロタルサイト(マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート)を15質量部の割合で配合して樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物を押出成形機に投入し、押出成形により単層構成のパイプ形状の管材(長さ1,300mm、外径140mm、厚さ7.5mm、呼び径125A)を作製した。得られた管材について耐火性能の評価および物性評価を行った。得られた結果を表2に示す。
一方、比較例1、2、4の管材は発煙時間が短く耐火性に劣っていることが分かった。また、比較例3の管材は成形性に劣っており、また伸びも小さく1/2偏平試験において割れが発生し機械的強度に劣っていることが分かった。
なお、実施例では管材の呼び径を125A、または、100Aとしたが、他の径であっても同様の効果が得られる。また、実施例1〜12の管材は熱膨張性黒鉛を含有していないので彩色が可能であり、また、リサイクル性にも優れている。
1 床材
2 立管用パイプ
3 管継手
4 加熱室
5 炉内熱電対
6 横枝管用パイプ
7 モルタル
20 管材(パイプ)
31 管継手本管部
31a 上部受口
31b 下部受口
32a 横枝管接続部
32a 受口
41 貫通孔
Claims (5)
- ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、Ca−Zn系熱安定剤、Mg−Zn系熱安定剤およびCa−Mg−Zn系熱安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを0.4質量部以上、2.5質量部以下の範囲内、および、合成ハイドロタルサイト化合物を2質量部以上、12質量部以下の範囲内で含有する難燃性樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする耐火用配管材。
- 前記難燃性樹脂組成物が、さらに、硼珪酸ガラスをポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して2質量部以上、10質量部以下の範囲内で含有することを特徴とする請求項1に記載の耐火用配管材。
- 外層、中間層および内層を有する、少なくとも3層からなる耐火用配管材であって、該中間層が前記難燃性樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の耐火用配管材。
- 前記外層および前記内層が、モリブデン系防煙剤を含有することを特徴とする請求項3に記載の耐火用配管材。
- 請求項1から4の耐火用配管材を使用し、構造物を貫通して配管することを特徴とする配管構造。
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