JP2011243081A - タッチパネル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの上昇や利便性の低下を招くことなく、マイグレーションの発生を抑制すると共に、タッチ位置検出の高速化を図る。
【解決手段】所定の基準電位Vrefを与えて受信電極3からの充放電電流信号を電圧信号に変換するIV変換部31を有し、受信電極の選択時にIV変換部と通電されることでその受信電極に基準電位と同一の選択時電位Vraが与えられ、この選択時電位が、受信電極の非選択時にその受信電極に与えられる非選択時電位Vrbと略同一となるようにする。さらに、送信電極2の非選択時にその送信電極に与えられる非選択時電位Vsbと、受信電極の選択時電位及び非選択時電位とが略同一となるようにする。特に、受信電極の選択時電位及び非選択時電位と、送信電極の非選択時電位とが共に、接地電位となるようにする。
【選択図】図8
【解決手段】所定の基準電位Vrefを与えて受信電極3からの充放電電流信号を電圧信号に変換するIV変換部31を有し、受信電極の選択時にIV変換部と通電されることでその受信電極に基準電位と同一の選択時電位Vraが与えられ、この選択時電位が、受信電極の非選択時にその受信電極に与えられる非選択時電位Vrbと略同一となるようにする。さらに、送信電極2の非選択時にその送信電極に与えられる非選択時電位Vsbと、受信電極の選択時電位及び非選択時電位とが略同一となるようにする。特に、受信電極の選択時電位及び非選択時電位と、送信電極の非選択時電位とが共に、接地電位となるようにする。
【選択図】図8
Description
本発明は、電極が格子状に配置されて、タッチ操作に応じた静電容量の変化に伴う電極の出力信号の変化に基づいてタッチ位置を検出する静電容量方式のタッチパネル装置、特に送信電極を1本ずつ選択しながら駆動信号を印加し、その駆動信号に応答した充放電電流信号を受信電極を1本ずつ選択しながら受信する相互容量方式のタッチパネル装置に関するものである。
タッチパネル装置には、タッチ位置を検出する原理が異なる種々の方式があるが、抵抗膜方式や静電容量方式のように多数の電極をパネル内に配設した構成のものでは、電極間にバイアス電圧が印加された状態が長期間継続すると、電極近傍の電解現象等によって電流が流れる現象、いわゆるマイグレーションが発生し、このマイグレーションを放置すると電極間を短絡させる障害を発生させ、製品寿命の低下やシステムの信頼性の低下を招くことから、有効なマイグレーション対策が望まれる。
特にタッチ操作に応じた静電容量の変化に伴う電極の出力信号の変化に基づいてタッチ位置を検出する静電容量方式のタッチパネル装置において、絶縁性の支持シートの表裏に送信電極及び受信電極を配設した構成のものでは、支持シートに存在するピンホール等が原因で、支持シートを挟んだ表裏の送信電極と受信電極との間でマイグレーションが発生することがある。
このようなタッチパネル装置に関するマイグレーション対策に関して、従来、抵抗膜方式のタッチパネル装置において、マイグレーションの原因となるバイアス電圧を、メカニカルスイッチによりタッチ操作が検出された時点で印加する技術が知られている(特許文献1参照)。また、抵抗膜方式のタッチパネル装置において、使用環境がマイグレーションが発生する状態となると、タッチ位置の検出処理を停止する技術が知られている(特許文献2参照)。
ところで、タッチパネル装置は、パソコンや携帯情報端末の分野で広く普及しているが、このタッチパネル装置を、大画面の表示装置と組み合わせることで、多人数を対象にしたプレゼンテーションや講義で使用することができるようにした、いわゆるインタラクティブホワイトボードとして用いることができる。
しかしながら、前記従来の技術のようにメカニカルスイッチでタッチ操作を検出する構成では、タッチパネル装置が大型化すると、メカニカルスイッチでタッチ操作を検出する機構を実現することが難しくなり、製造コストが大幅に上昇するという課題が生じる。
一方、前記従来の技術のように使用環境に応じてタッチ位置の検出処理を停止する構成では、マイグレーションそのものを抑制することができず、またマイグレーションを十分に抑制するために、タッチ位置の検出処理を許容する環境条件を狭く限定すると、使用不能な事態が頻繁に発生するようになり、ユーザの使用に支障を来すことから、利便性の低下を招くという課題が生じる。
また、タッチパネル装置では、例えば描画モードでユーザが指を動かした際の指の軌跡に沿って線が描画されるが、指の動きが早過ぎてタッチ位置の検出が指の動きに追随することができないと、線が途切れた状態で描画される不具合が生じ、使い勝手が低下する。このため、ユーザが指を素早く動かした場合にもタッチ位置の検出を指の動きに追随させることができようにタッチ位置の検出を高速に行うことができる構成が望まれる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、製造コストの上昇や利便性の低下を招くことなく、マイグレーションの発生を抑制すると共に、タッチ位置検出の高速化を図ることができるように構成されたタッチパネル装置を提供することにある。
本発明のタッチパネル装置は、タッチ面を備え、互いに並走する複数の送信電極及び互いに並走する複数の受信電極が格子状に配置されたパネル本体と、前記複数の送信電極から送信すべき電極を選択して駆動信号を印加する送信部と、前記複数の受信電極から受信すべき電極を選択して前記駆動信号に応答した充放電電流信号を受信して電極交点ごとのレベル信号を出力する受信部と、前記受信部から出力されるレベル信号に基づいてタッチ位置を検出すると共に前記送信部及び前記受信部の動作を制御する制御部と、を有し、前記受信部は、所定の基準電位を与えて前記受信電極からの充放電電流信号を電圧信号に変換するIV変換部を有し、前記受信電極の選択時に前記IV変換部と通電されることでその受信電極に前記基準電位と同一の選択時電位が与えられ、この選択時電位が、前記受信電極の非選択時にその受信電極に与えられる非選択時電位と略同一となるようにした構成とする。
本発明によれば、受信電極の選択時電位と非選択時電位とが略同一となるため、選択状態にある受信電極とこれに隣り合う非選択状態にある受信電極との間に大きな電位差が生じないため、マイグレーションの発生を抑制することができる。また、受信電極の選択時電位と非選択時電位とが略同一となるため、受信電極の選択状態を切り換える際に受信電極に大きな電位差が生じないため、受信電極の選択切換時の切換ノイズを小さく抑えて、受信電極の選択切換の動作を高速化することができる。これにより製造コストの上昇や利便性の低下を招くことなく、マイグレーションの発生を抑制すると同時に、タッチ位置検出の高速化を図ることができる。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、タッチ面を備え、互いに並走する複数の送信電極及び互いに並走する複数の受信電極が格子状に配置されたパネル本体と、前記複数の送信電極から送信すべき電極を選択して駆動信号を印加する送信部と、前記複数の受信電極から受信すべき電極を選択して前記駆動信号に応答した充放電電流信号を受信して電極交点ごとのレベル信号を出力する受信部と、前記受信部から出力されるレベル信号に基づいてタッチ位置を検出すると共に前記送信部及び前記受信部の動作を制御する制御部と、を有し、前記受信部は、所定の基準電位を与えて前記受信電極からの充放電電流信号を電圧信号に変換するIV変換部を有し、前記受信電極の選択時に前記IV変換部と通電されることでその受信電極に前記基準電位と同一の選択時電位が与えられ、この選択時電位が、前記受信電極の非選択時にその受信電極に与えられる非選択時電位と略同一となるようにした構成とする。
これによると、受信電極の選択時電位と非選択時電位とが略同一となるため、選択状態にある受信電極とこれに隣り合う非選択状態にある受信電極との間に大きな電位差が生じないため、マイグレーションの発生を抑制することができる。また、受信電極の選択時電位と非選択時電位とが略同一となるため、受信電極の選択状態を切り換える際に受信電極に大きな電位差が生じないため、受信電極の選択切換時の切換ノイズを小さく抑えて、受信電極の選択切換の動作を高速化することができる。これにより製造コストの上昇や利便性の低下を招くことなく、マイグレーションの発生を抑制すると同時に、タッチ位置検出の高速化を図ることができる。
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記送信電極の非選択時にその送信電極に与えられる非選択時電位と、前記受信電極の選択時電位及び非選択時電位とが略同一となるようにした構成とする。
これによると、送信電極の非選択時電位が、受信電極の選択時電位及び非選択時電位と略同一となるため、送信電極が非選択状態となる期間では、送信電極と受信電極との間には電位差が発生せず、また、送信電極が選択状態となる期間では、送信電極と受信電極との間及び隣り合う送信電極間で電位差が生じるが、この期間は極めて短時間となるため、マイグレーションの発生を大幅に抑制することができる。
また、第3の発明は、前記第2の発明において、前記受信電極の選択時電位及び非選択時電位と、前記送信電極の非選択時電位とが共に、接地電位である構成とする。
これによると、送信部及び受信部の所要の端子を接地させるだけで済むため、構成を簡素化することができる。
また、第4の発明は、前記第1乃至第3の発明において、前記IV変換部は、2電源方式のオペアンプを有し、このオペアンプに前記基準電位として接地電位が与えられる構成とする。
これによると、基準電位を接地電位とすることで、0Vを中心にして正負に振幅する電圧信号を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明によるタッチパネル装置を示す全体構成図である。このタッチパネル装置1は、互いに並走する複数の送信電極2と互いに並走する複数の受信電極3とが格子状に配置されたパネル本体4と、送信電極2に対して駆動信号(パルス信号)を印加する送信部5と、送信電極2に印加された駆動信号に応答した受信電極3の充放電電流信号を受信して、送信電極2と受信電極3とが交差する電極交点ごとのレベル信号を出力する受信部6と、この受信部6から出力されるレベル信号に基づいてタッチ位置を検出すると共に送信部5及び受信部6の動作を制御する制御部7とを備えている。
このタッチパネル装置1は、大画面の表示装置と組み合わせることで、プレゼンテーションや講義に用いることができるようにした、いわゆるインタラクティブホワイトボードとして用いられ、特にここでは、プロジェクタ装置と組み合わせて用いられ、タッチパネル装置1のタッチ面がプロジェクタ用のスクリーンとなる。
タッチパネル装置1から出力されるタッチ位置情報は、パソコンなどの外部機器8に入力され、外部機器8から出力される表示画面データに基づいてプロジェクタ装置9によりタッチパネル装置1のタッチ面上に投影表示される表示画面上に、タッチパネル装置1のタッチ面上でユーザが指示物(ユーザの指先及びスタイラスや指示棒等の導電体)で行ったタッチ操作に対応した画像が表示され、タッチパネル装置のタッチ面にマーカーで直接描画をするのと同様の感覚で所要の画像を表示させることができ、また表示画面に表示されたボタンなどを操作することができる。さらに、タッチ操作で描かれた画像を消去するイレーサを用いることもできる。
送信電極2及び受信電極3は同一の配置ピッチ(例えば10mm)で配置されており、その本数はパネル本体4のアスペクト比に応じて異なり、送信電極2が例えば120本、受信電極3が例えば186本配置される。
送信電極2と受信電極3とは、絶縁層(支持シート)を挟んで重なり合う態様で交差しており、この送信電極2と受信電極3とが交差する電極交点にはコンデンサが形成され、ユーザが指示物でタッチ操作を行うと、これに応じて電極交点の静電容量が実質的に減少することで、タッチ操作の有無を検出することができる。
特にここでは、相互容量方式が採用され、送信電極2に駆動信号を印加すると、これに応答して受信電極3に充放電電流が流れ、このとき、ユーザのタッチ操作に応じて電極交点の静電容量が変化すると、受信電極3の充放電電流が変化し、この充放電電流の変化量を受信部6で電極交点ごとのレベル信号(ディジタル信号)に変換して制御部7に出力し、制御部7では、電極交点ごとのレベル信号に基づいてタッチ位置が算出される。この相互容量方式では、同時に複数のタッチ位置を検出する、いわゆるマルチタッチ(多点検出)が可能である。
制御部7は、受信部6から出力される電極交点ごとのレベル信号から所定の演算処理によってタッチ位置(タッチ領域の中心座標)を求める。このタッチ位置の演算では、X方向(送信電極2の延在方向)とY方向(受信電極3の延在方向)とでそれぞれ隣接する複数(例えば4×4)の電極交点ごとのレベル信号から所要の補間法(例えば重心法)を用いてタッチ位置を求める。これにより、送信電極2及び受信電極3の配置ピッチ(10mm)より高い分解能(例えば1mm以下)でタッチ位置を検出することができる。
図2は、図1に示した送信部5の概略構成図である。送信部5は、駆動信号発生部11と電極選択部12とを備えている。駆動信号発生部11は、制御部7から出力されるタイミング信号に同期して駆動信号(パルス信号)を生成する。電極選択部12では、送信電極2を1本ずつ選択して、駆動信号発生部11から出力される駆動信号を送信電極2に順次印加する。
送信電極2の選択時には、駆動信号である最大値Vp(例えば5V)のパルス波による選択時電位Vsaが送信電極2に与えられ、送信電極2の電位は、0Vと最大値Vpとの間で変化する。一方、送信電極2の非選択時には、接地電位である非選択時電位Vsb(0V)が送信電極2に与えられる。
図3は、図1に示した受信部6の概略構成図である。受信部6は、電極選択部21と受信信号処理部22とを備えている。電極選択部21では、受信電極3ごとにスイッチング素子SWが接続されており、送信電極2の1本に駆動信号を印加する間に、受信電極3を1本ずつ選択して、受信電極3からの充放電電流信号を受信信号処理部22に順次入力させる。これにより、全ての電極交点ごとの充放電電流信号を取り出すことができる。各スイッチング素子SWは制御部7からの駆動信号に応じて個別に切り換え制御される。
電極選択部21のスイッチング素子SWは、2つの接点の一方が受信信号処理部22に接続され、他方が接地されており、受信電極3が受信信号処理部22に接続される選択状態と、受信電極3が接地される非選択状態との間で切り換えられ、選択状態では受信電極3に選択時電位Vraが与えられ、非選択状態では受信電極3に接地電位となる非選択時電位Vrb(0V)が与えられる。なお、選択時電位Vraについては後に詳述する。
受信電極3及び電極選択部21のスイッチング素子SWは、所定数(例えば24本)ごとにグループ化され、各グループに属するスイッチング素子SWの互いに対応するもの同士が並行して切り換え制御される。また、各グループごとに受信信号処理部22が設けられている。各グループでは受信電極3が1つずつ順に選択状態となるようにスイッチング素子SWが制御され、残りのスイッチング素子SWは非選択状態に制御されており、選択状態となる1本の受信電極3の充放電電流信号が受信信号処理部22に入力される。
このように、スイッチング素子SWのスイッチング動作が複数のグループ間で並行して行われるため、全ての受信電極3の充放電電流信号を受信するのに要する時間を短縮することができる。また、受信部6での充放電電流信号の処理をグループごとに分割して行うことができるため、ハードウエア構成の大型化を抑えることができる。
なお、受信電極3のグループ化では、各グループに属する受信電極3の本数を同一とする必要はなく、例えば受信電極3が186本の場合、7つのグループA〜Gを24本とし、最後のグループHを18本とすればよい。
図4は、図3に示した受信信号処理部22の概略構成図である。この受信信号処理部22は、IV変換部31と、バンドパスフィルタ32と、絶対値検出部33と、積分部34と、サンプルホールド部35と、AD変換部36とを備えている。
IV変換部31では、電極選択部21を介して入力される受信電極3の充放電電流信号(アナログ信号)が電圧信号に変換される。バンドパスフィルタ32では、IV変換部31の出力信号に対して、送信電極2に印加される駆動信号の周波数以外の周波数成分を有する信号を除去する処理が行われる。絶対値検出部(整流部)33では、バンドパスフィルタ32の出力信号に対して全波整流が行われる。積分部34では、絶対値検出部33の出力信号を時間軸方向に積分する処理が行われる。サンプルホールド部35では、積分部34の出力信号を所定のタイミングでサンプリングする処理が行われる。AD変換部36では、サンプルホールド部35の出力信号をAD変換してレベル信号(ディジタル信号)を出力する。
図5は、図4に示したIV変換部31の構成を示す回路図である。IV変換部31は、オペアンプOPAの反転入力端子と出力端子との間の帰還回路に、互いに並列接続された抵抗成分(帰還抵抗)Rと容量成分(位相補償コンデンサ)Cとを備えたものであり、微弱電流を感度良く電流電圧変換することができる。
オペアンプOPAは、2電源方式のものであり、電源回路15から供給される正負の電圧(+V,−V)が印加される。オペアンプOPAの反転入力端子には、電極選択部21を介して受信電極3からの充放電電流信号が入力される。オペアンプOPAの非反転入力端子には基準電位Vrefが与えられ、特にここでは非反転入力端子が接地されて、基準電位Vrefが接地電位(0V)となる。これにより0Vを中心にして正負に振幅する電圧信号を得ることができる。
このオペアンプOPAでは、イマジナルショートにより、電極選択部21を介して受信電極3と接続された反転入力端子が、接地された非反転入力端子と同じ電位となる。このため、受信電極3の選択時には、受信電極3がIV変換部31と通電されることで、接地電位である選択時電位Vra(0V)が受信電極3に与えられる。
図6は、図1に示した送信電極2及び受信電極3の選択状態及び非選択状態での電位を示す図である。前記のように、送信電極2の選択時に送信電極2に与えられる選択時電位Vsaは、0Vと最大値Vpとの間で変化し、送信電極2の非選択時に送信電極2に与えられる非選択時電位Vsbは、接地電位である0Vとなる。
一方、受信電極3の選択時に受信電極3に与えられる選択時電位Vraは、受信信号処理部22のオペアンプOPAと通電されることで接地電位である0Vとなり、受信電極3の非選択時に受信電極3に与えられる非選択時電位Vrbも、接地電位である0Vとなり、受信電極3の選択時と非選択時とで電位差が生じない。
図7は、図1に示した送信電極2に印加される駆動信号、受信部6でのIV変換後の出力信号、及び受信部6での処理タイミングを規定する制御信号を示す波形図である。送信部5は、送信電極2を1本ずつ選択してその送信電極2に駆動信号(パルス信号)を印加し、受信部6は、送信電極2の1本に駆動信号を印加する間に、受信電極3を1本ずつ選択してその受信電極3の充放電電流信号を受信してIV変換し、このとき、送信電極2には1つの電極交点について複数(ここでは12)のパルス波が印加される。
受信部6の電極選択部21は、制御部7から出力される制御信号に基づいて受信電極3の選択を切り換え、制御信号がローからハイに変化するタイミングでスイッチング素子SWが切り換えられて次の受信電極3が選択される。また、積分部34では、制御信号に基づいて積分処理が実行され、制御信号がハイからローに変化するタイミングで積分処理が開始され、制御信号がローからハイに変化するタイミングで積分処理が終了する。
図7(A)は、本発明による実施例を示す。ここでは、前記のように、受信電極3の選択時電位Vraと非選択時電位Vrbとが同一であり、受信電極3には選択の有無に関係なく接地電位(0V)が与えられるため、受信電極3が切り換えられる際に切換ノイズはほとんど発生しない。このため、切換ノイズが収まるまでの待ち時間(積分停止期間)が短くて済み、受信電極3の選択切換を高速に行うことができる。
図7(B)は、IV変換部31に単電源方式のオペアンプを用いた比較例を示す。単一電源方式のオペアンプでは、0Vを中心にして正負に振幅する電圧信号を得るには、基準電位(オペアンプの動作電位)を正電位とする必要があるが、この場合、イマジナルショートにより、受信電極3の選択時に受信電極3に与えられる選択時電位Vraが、オペアンプの基準電位と同じ正電位(例えば2V)となる。
一方、受信電極3の非選択時には、接地電位である非選択時電位Vrb(0V)が与えられる。したがって、受信電極3の選択時と非選択時とで大きな電位差が生じるため、受信電極3が切り換えられる際に大きな切換ノイズが発生し、この切換ノイズが積分値に含まれると、タッチ位置の誤検出を招く。そこで、切換ノイズが収まるまでの待ち時間(積分停止期間)を長く確保する必要があり、これにより受信電極3の切り換えに時間を要するため、タッチ位置の検出が低速となる。
図8は、図1に示した送信電極2及び受信電極3の電位の状況を示す模式図である。前記のように、受信電極3の選択時電位Vraと非選択時電位Vrbは共に接地電位(0V)となる。したがって、選択状態にある受信電極3とこれに隣り合う非選択状態にある受信電極3との間には電位差が生じないため、マイグレーションは問題とならない。
また、送信電極2の非選択時電位Vsbは、受信電極3の選択時電位Vra及び非選択時電位Vrbと同じ接地電位(0V)となる。したがって、送信電極2が非選択状態となる期間では、送信電極2と受信電極3との間には電位差が生じないため、マイグレーションは問題とならない。
一方、送信電極2の選択時電位Vsaは、0Vと最大値Vpとの間で変化することから、送信電極2が選択状態となる期間では、送信電極2と受信電極3との間には電位差が発生するため、送信電極2と受信電極3とが交差する電極交点の周辺でマイグレーションが問題となる。また、選択状態にある送信電極2とこれに隣り合う非選択状態にある送信電極2との間にも電位差が発生するため、送信電極間のマイグレーションが問題となる。
しかしながら、前記のように、送信電極2の本数を120本とすると、図6に示したように、その逆数である1/120の割合(デューティ比)でしか送信電極2は選択状態とならない。したがって、送信電極2と受信電極3との間に電位差が発生し、また隣り合う送信電極2間で電位差が生じる期間は極めて短時間となる。このため、マイグレーションの発生を大幅に抑制することができる。
なお、前記の例では、受信電極3の選択時電位Vra及び非選択時電位Vrbと、送信電極2の非選択時電位Vsbとを同一としたが、これらの電位は厳密に一致させる必要はない。これらの電位を十分に近付ければ、マイグレーションの発生を抑制することができ、また、受信電極3の選択時電位Vraと非選択時電位Vrbとを十分に近付ければ、切換ノイズを低減することができる。
本発明にかかるタッチパネル装置は、製造コストの上昇や利便性の低下を招くことなく、マイグレーションの発生を抑制すると共に、タッチ位置検出の高速化を図ることができる効果を有し、静電容量方式、特に相互容量方式によりタッチ位置を検出するタッチパネル装置などとして有用である。
1 タッチパネル装置
2 送信電極
3 受信電極
4 パネル本体
5 送信部
6 受信部
7 制御部
11 駆動信号発生部
12 電極選択部
21 電極選択部
22 受信信号処理部
31 IV変換部
Vsa 送信電極の選択時電位
Vsb 送信電極の非選択時電位
Vra 受信電極の選択時電位
Vrb 受信電極の非選択時電位
Vref 基準電位
2 送信電極
3 受信電極
4 パネル本体
5 送信部
6 受信部
7 制御部
11 駆動信号発生部
12 電極選択部
21 電極選択部
22 受信信号処理部
31 IV変換部
Vsa 送信電極の選択時電位
Vsb 送信電極の非選択時電位
Vra 受信電極の選択時電位
Vrb 受信電極の非選択時電位
Vref 基準電位
Claims (4)
- タッチ面を備え、互いに並走する複数の送信電極及び互いに並走する複数の受信電極が格子状に配置されたパネル本体と、
前記複数の送信電極から送信すべき電極を選択して駆動信号を印加する送信部と、
前記複数の受信電極から受信すべき電極を選択して前記駆動信号に応答した充放電電流信号を受信して電極交点ごとのレベル信号を出力する受信部と、
前記受信部から出力されるレベル信号に基づいてタッチ位置を検出すると共に前記送信部及び前記受信部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記受信部は、所定の基準電位を与えて前記受信電極からの充放電電流信号を電圧信号に変換するIV変換部を有し、前記受信電極の選択時に前記IV変換部と通電されることでその受信電極に前記基準電位と同一の選択時電位が与えられ、この選択時電位が、前記受信電極の非選択時にその受信電極に与えられる非選択時電位と略同一となるようにしたことを特徴とするタッチパネル装置。 - 前記送信電極の非選択時にその送信電極に与えられる非選択時電位と、前記受信電極の選択時電位及び非選択時電位とが略同一となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル装置。
- 前記受信電極の選択時電位及び非選択時電位と、前記送信電極の非選択時電位とが共に、接地電位であることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル装置。
- 前記IV変換部は、2電源方式のオペアンプを有し、このオペアンプに前記基準電位として接地電位が与えられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタッチパネル装置。
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