JP2011240392A - 鋳造装置、金型構造体及び鋳造方法 - Google Patents

鋳造装置、金型構造体及び鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低圧鋳造を行う場合でも押し湯を支障なく適用できる鋳造装置、金型構造体及び鋳造方法を提供する。
【解決手段】 鋳造装置は、溶湯を補給する押し湯が供給される押し湯部22が設けられた上型20と湯口11が設けられた下型10とを有する金型と、押し湯を冷却する冷却手段23、51、52と、押し湯の凝固が完了する時点が湯口における溶湯の凝固が完了する時点に近づくように、下型の温度に応じて冷却手段により押し湯の温度を制御する温度制御手段14、24、53とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋳造装置、金型構造体及び鋳造方法に関する。
一般に、軽合金の鋳造に用いられる低圧鋳造法においては、溶湯が金型内に低速で層流充填されるので、ガスの巻込みや酸化物の発生が、他の鋳造法に比べて極力抑制される。このため、低圧鋳造法は、健全度の高い鋳造製品を製造する場合に広く用いられている。
しかしながら、従来、低圧鋳造法によって健全品を製造する場合には、溶湯充填時の溶湯の流れを確保するために、金型表面温度をある程度高く維持する必要がある。また、溶湯の凝固時には、湯口からの押し湯効果を保つために指向性凝固を促進させる必要があるので、金型を冷却する場合には、指向性のバランスを崩さないようにしなければならない。
そこで、このような指向性のバランスを崩すことなく金型の下型を冷却する技術が、例えば特許文献1により、提案されている。
特開平7−164100号公報
しかしながら、このような従来の冷却技術は、あくまでも指向性のバランスを崩さない範囲において、下型を若干冷却するものである。従って、溶湯の素材からの要請により下型を強く冷却すると、指向性のバランスが崩れて素材内部に欠陥が生じるおそれがある。このような欠陥の発生を防止する方法の1つとして、欠陥が生じやすい部分の上部に押し湯をつける方法が、砂型鋳造や重力鋳造においてよく用いられる。
一般に、押し湯は、最終凝固部となるように保温性の高い構造をとり、凝固時間が安定して遅くなるのに対し、湯口近傍の溶湯は、周囲の金型温度の影響を受けやすい。特に、一連の鋳造サイクルを開始するとき、或いはトラブルによる鋳造停止後に鋳造サイクルを再開するとき等、金型温度が低いときには、凝固が早くなる。このため、鋳造サイクルを開始又は再開した直後の数サイクルにおいては、離型時に押し湯が固まっておらず、離型不良が生じやすい。
一方、離型不良が起こらないように、押し湯が凝固するまで待つことにすると、その待機期間中に金型の温度が下がるので、鋳造サイクルを何サイクル繰り返しても、金型温度が上がらず、安定した良品の鋳造ができる状態にならない。従って、現状においては、押し湯を金型による低圧鋳造に適用することは困難である。
本発明の目的は、このような従来技術の状況に鑑み、金型で低圧鋳造を行う場合でも押し湯を支障なく適用することができる鋳造装置、金型構造体及び鋳造方法を提供することにある。
本発明の鋳造装置は、溶湯を補給する押し湯が供給される押し湯部が設けられた上型と湯口が設けられた下型とを有する金型と、前記押し湯を冷却する冷却部と、前記下型の温度に応じて前記冷却部により前記押し湯の温度を制御する温度制御部とを具備することを特徴とする(第1発明)。
これによれば、溶湯が金型に充填されたとき、下型の温度が低い場合には、温度制御部が押し湯の温度を下げることにより押し湯の凝固を早めて、押し湯が凝固する時点を、湯口における溶湯が凝固する時点に極力近づけることができる。これにより、離型可能となる時期を早めることができるので、下型の温度が再び低下してしまう前に、離型を行うことができる。
また、下型が強制的に、強く冷却される場合にも、これに応じて押し湯の凝固を更に早めることができるので、下型を冷却する場合の利点を享受しつつ、押し湯を支障なく適用することができる。
上記第1発明の鋳造装置において、前記温度制御部は、一連の鋳造サイクルの立上げ時において、前記押し湯の凝固が完了する時点が、前記湯口における溶湯の凝固が完了する時点に近づくように、前記押し湯の温度制御を行うものとする(第2発明)。
これによれば、一連の鋳造サイクルの立上げ時において、下型の温度が低下してしまう前に次の鋳造サイクルを開始することができるので、一連の鋳造サイクルを、立上げ時の段階から安定時の段階へ速やかに移行させることができる。
上記第1又は第2発明の鋳造装置において、前記冷却部は、前記上型に設けられた冷却用の流体を流すための流路と、該流路に前記流体を供給する流体供給部とを備え、前記下型にはその温度を検出する温度センサが設けられ、前記温度制御部は、前記温度センサにより検出される下型の温度に応じて前記流体供給部を制御することにより、前記押し湯部の温度制御を行うものとする(第3発明)。
これによれば、鋳造サイクルの開始時にとり得る下型の温度に対応させて、冷却用の流体を流す期間又は流量を予め定めておき、これに基づいて流体供給部を制御することにより、温度制御部は容易に押し湯の温度制御を行うことができる。
上記第1〜第3の各発明の鋳造装置において、前記金型はシリンダヘッド鋳造用のものであり、前記押し湯部は、シリンダヘッドの燃焼室の直上に相当する前記上型の部分に設けられるものとする(第4発明)。
これによれば、シリンダヘッドの燃焼室を構成する溶湯部分において、下型が強く冷却される場合でも、押し湯による溶湯の補給や温度勾配の適正化によって良好な指向性凝固が促進されるので、下型の冷却効果を支障なく享受し、欠陥がなく耐高温高圧性に優れた燃焼室を有するシリンダヘッドを鋳造することができる。
上記第4発明の鋳造装置において、前記燃焼室に相当する前記下型の部分を冷却する別の冷却部を備える(第5発明)。
これによれば、当該別の冷却部による下型の冷却により、燃焼室に相当する溶湯部分における凝固遅れを防止して指向性凝固を促進し、欠陥がなく耐高温高圧性に優れた燃焼室を備えたシリンダヘッドを鋳造することができる。
本発明の金型構造体は、溶湯を補給する押し湯が供給される押し湯部が設けられた上型と湯口が設けられた下型とを有する金型と、前記下型の温度を検出する温度センサと、前記温度センサにより検出される温度に応じて前記押し湯を冷却する流体を流すために前記上型に設けられた流路とを具備することを特徴とする(第6発明)。
これによれば、第1発明と同様に、離型が可能となる時期を早め、下型の温度が再び低下してしまう前に離型を行うことができる。また、下型が強制的に冷却される場合にも、それによる利点を享受しつつ、押し湯を支障なく適用することができる。
本発明の鋳造方法は、溶湯を補給する押し湯が供給される押し湯部が設けられた上型と湯口が設けられた下型とを有する金型を用いて行われる鋳造方法であって、前記金型のキャビティに対し、前記湯口から溶湯を充填する工程と、前記溶湯の充填が完了した後、前記押し湯の凝固が完了する時点が前記湯口における溶湯の凝固が完了する時点に近づくように、前記下型の温度に応じて前記押し湯の温度を制御する工程とを具備することを特徴とする(第7発明)。
これによれば、第1発明と同様に、離型が可能となる時期を早め、下型の温度が再び低下してしまう前に離型を行うことができるとともに、下型が強制的に冷却される場合にも、それによる利点を享受しつつ、押し湯を支障なく適用することができる。
本発明の一実施形態に係る鋳造装置の構成を示す一部ブロック図を含む断面図である。 図1の鋳造装置による鋳造サイクルの開始時点での下型の温度に応じて押し湯を冷却する期間を定めた表を示す図である。 図1の鋳造装置において鋳造サイクルが繰り返されるときの下型及び押し湯の温度変化の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、低圧鋳造によりシリンダヘッドを鋳造するための鋳造装置の構成を示す。図1においては、シリンダヘッドの燃焼室部分を形成する金型部分の断面が示されている。
この鋳造装置は、鋳造用の金型を構成する要素として、シリンダヘッドの下側すなわち燃焼室側に配置される下型10、シリンダヘッドの上側に配置される上型20、シリンダヘッドの側面側に配置される摺動型30、及びシリンダヘッドの吸排気口を成形する中子40を備える。金型内部には、キャビティ60が形成されている。
更に、この鋳造装置は、上型20に冷却用流体としての冷却水を供給する管路51、管路51上に設けられたバルブ52、及び下型10等の温度に応じてバルブ52の開閉制御を行う制御装置53を備える。
下型10は、図示しないストークを経て供給される溶湯を金型のキャビティ60内に導入するための湯口11、シリンダヘッドの燃焼室部分に相当する位置において入れ子状に設けられたアウタ入れ子12、及びこのアウタ入れ子12に対して更に入れ子状に設けられたインナ入れ子13を備える。
更に、下型10には、湯口11よりもアウタ入れ子12側において、下型10の温度を検出する温度センサ14が設けられる。インナ入れ子13には、これを冷却する流体を流通させる流路15が設けられる。
上型20は、シリンダヘッドの燃焼室の直上に相当する部分において押し湯部金型21を備える。押し湯部金型21には、溶湯を補給する押し湯が供給される押し湯部22、押し湯部22を冷却する冷却水を流通させる流路23、及び押し湯の温度を検出する温度センサ24が設けられる。流路23に対する冷却水の供給は、図示していない供給源から、管路51を介して行われる。
摺動型30は、左右及び前後方向に分割された4つの金型要素により構成されるが、図1においては、左右方向に分割された2つの金型要素のみの断面が現れている。これら4つの金型要素は、下型10に対して左右方向又は前後方向に摺動し得るように設けられる。上型20は、下型10に対向し、上下方向に移動し得るように設けられる。
制御装置53は、温度センサ14及び温度センサ24からの検出信号に基づいて下型10及び押し湯の温度を検出し、検出結果に応じてバルブ52の開閉を制御するものである。この制御により、流路23において流体が流通する期間が決定され、その期間だけ、押し湯部22内の押し湯が冷却されることになる。
上記構成の鋳造装置において、シリンダヘッドを鋳造するための一連の鋳造サイクルを開始する際には、下型10に対して摺動型30、上型20及び中子40が所定の位置に配置され、型締めされる。そして、最初の鋳造サイクルが開始されると、加圧された溶湯が湯口11からキャビティ60及び押し湯部22に供給され、充填される。
充填された溶湯は、加圧された状態で、温度が所定値以下となった部分から凝固していく。すなわち、湯口11又は押し湯部22から遠い部分や強制的に冷却されている部分から、湯口11又は押し湯部22へ向かう指向性を示しながら、凝固していく。その際、凝固により鋳造材料が収縮するが、これにより不足する溶湯分は、押し湯部22内の押し湯により補給される。
この間、冷却エア又は冷却水が管路15において流通され、インナ入れ子13が強制的に冷却される。これにより、シリンダヘッドの燃焼室周辺を形成する溶湯部分において、指向性凝固が促進され、凝固遅れによる鋳造欠陥の発生が防止される。
溶湯の凝固が完了すると、金型が開かれ、形成されたシリンダヘッドが取り出される。その後、同様にして次の鋳造サイクルが開始される。かかる鋳造サイクルが数回繰り返されると、下型10は十分温まるので、一連の鋳造サイクルは、立上げ時の段階から安定時の段階へ移行する。
しかしながら、立上げ時の段階においては、下型10は温まっていないので、湯口11部分の溶湯の凝固は、下型10が十分温まっている安定時の場合よりも早く進行する。そのため、何ら手当をしない場合には、湯口11における凝固が完了した時点では未だ押し湯部22内の押し湯は凝固していないので、鋳造品の離型を開始することはできない。
一方、湯口11での凝固が完了した後、押し湯が凝固するまで待つことにすると、下型10がその間に冷却され、鋳造サイクル開始時点での温度の程度まで戻ってしまうので、一連の鋳造サイクルを安定時の段階へ移行させることができない。
そこで、本実施形態では、立上げ時の段階にある各鋳造サイクル内の加圧期間において、制御装置53により、次のようにして押し湯を冷却するようにしている。
図2の表は、鋳造サイクルの開始時点における下型10の温度に応じて、その鋳造サイクルにおける押し湯を冷却する期間を定めたものである。表中の「下型温度T」欄には、鋳造サイクルの開始時点における下型10の温度に適用される温度区分が記されている。「冷却期間」欄には、各温度区分に対応する押し湯の冷却期間が記されている。「冷却能力」欄には、各冷却期間により発揮される冷却能力が、溶湯への加圧期間に対する冷却期間の割合で記されている。加圧期間は、鋳造サイクルの開始時点から離型が可能となる時点までの期間に対応する。
制御装置53は、この表に基づき、鋳造サイクルの開始時点での下型10の温度が属する温度区分に対応する冷却期間だけ、その鋳造サイクルにおいてバルブ52を開放する。これにより、その冷却期間に対応する冷却能力を用いて押し湯を冷却することができる。
すなわち、制御装置53は、鋳造サイクルの開始時点で温度センサ14により検出した下型10の温度が400℃未満である場合には、その鋳造サイクルにおける溶湯に対する加圧の開始時点から終了時点までの期間、バルブ52を開放して押し湯の冷却を行う。この場合、全加圧期間を通して冷却を行うので、100%の冷却能力が使用されることになる。
鋳造サイクルの開始時点での下型10の温度が400℃以上450℃未満の場合には、その鋳造サイクルにおける加圧期間の後半のみ、すなわち50%の冷却能力を用いて、冷却を行う。鋳造サイクルの開始時点での下型10の温度が450℃以上の場合には、押し湯の冷却は行わない。
図3は、一連の鋳造サイクルの進行に伴う下型10の温度変化及び押し湯の温度変化の一例を示す。図中の横軸は時間、縦軸の下半分は下型10の温度、上半分は押し湯の温度である。
図3において、下部の曲線71は下型10の温度変化を示し、上部の曲線72は押し湯の温度変化を示す。また、Ppは金型に充填される溶湯に対して圧力が加えられる加圧期間であり、Pcは押し湯が冷却される期間、すなわちバルブ52が開放される期間である。
図3に示すように、最初の鋳造サイクルが時点t0において開始されると、制御装置53は、下型10の温度T0が400℃未満であることから、直ちにバルブ52を開放して押し湯の強制冷却を開始する。その後、キャビティ60内に充填された溶湯からの熱伝導により、下型10の温度は、グラフ曲線71で示されるように上昇する。これと並行して、下型10近傍の溶湯の温度が下降することになる。
その後、下型10の温度と、下型10に隣接する溶湯との温度差が無くなると、下型10の温度は下降に転ずる。この間、押し湯の温度も、強制冷却により、鋳造サイクルの開始時点での温度Taから速やかに下降する。このとき、溶湯の凝固が進み、時点t1に至ると、押し湯の凝固及び湯口11における溶湯の凝固が同時に完了する。
この時点t1で、制御装置53は、温度センサ24により、押し湯の温度が離型可能な温度Tbに達したことを検出し、これに応じてバルブ52を閉じる。従って、加圧期間の終了と同時に冷却期間が終了する。その後、離型が行われ、時点t2で最初の鋳造サイクルが完了し、2番目の鋳造サイクルが開始される。
2番目の鋳造サイクルの開始時点t2で、下型10の温度T1は、最初の鋳造サイクルの開始時点t0における温度T0よりも高く、400℃以上450℃未満となっている。従って、制御装置53は、この2番目の鋳造サイクルにおいては、加圧期間Pp中の後半においてのみバルブ52を開放する。下型10及び押し湯の温度は、最初の鋳造サイクルの場合と同様に変化する。
しかしながら、金型の温度が最初の鋳造サイクルに比べて高くなっているので、最初の鋳造サイクルに比べて、溶湯が凝固するのに長い時間を要し、時点t3において湯口11における凝固が完了する。
制御装置53は、最初の鋳造サイクルの場合と同様に、押し湯が時点t3で離型可能な温度Tbまで下降すると、バルブ52を閉じて、押し湯部22の冷却を終了する。この場合も、押し湯の凝固及び湯口11における溶湯の凝固が同時に完了する。
その後、離型が行われ、時点t4で3番目の鋳造サイクルが開始される。時点t4における下型10の温度T2は、2番目の鋳造サイクルの開始時点での温度T1よりも高く、450℃以上となっている。
従って、制御装置53は、押し湯部22の冷却は行わない。また、湯口11における凝固が完了するまでには、更に長い時間を要する。この場合も、押し湯の凝固及び湯口11における溶湯の凝固は同時に完了する。
3番目以降の鋳造サイクルの開始時点における下型10の温度は、同じ温度T2となる。すなわち、3番目以降の鋳造サイクルにおいては、グラフ曲線71及び72は同一のパターンを繰り返す。従って、一連の鋳造サイクルは、3番目の鋳造サイクルから安定時の段階に移行することになる。
上記のように、一連の鋳造サイクルの立上げ時における最初及び2番目の鋳造サイクルでは、金型が冷えているため、溶湯の凝固は早く進行するが、これに合わせて押し湯が強制的に冷却され、押し湯の凝固も早く進行するので、湯口11における溶湯の場合と同じ時点t1又はt3で押し湯の凝固が完了する。従って、湯口11の凝固が完了した時点t1又はt3において、支障なく離型が開始される。
また、押し湯は強制的に冷却されるので、押し湯が自然に離型が可能な温度Tbまで冷却するのを待ってから離型を行う場合に比べて、下型10の温度が鋳造サイクルの開始時点t0又はt2における温度の程度まで降下する前に、次の鋳造サイクルが開始される。従って、鋳造サイクル開始時の下型10の温度は、3番目の鋳造サイクルの開始時には安定時における温度T2となるので、安定時の段階への移行が速やかに行われる。
以上のように、本実施形態によれば、鋳造サイクルの立上げ時において下型10の温度に応じた期間だけ押し湯を強制的に冷却することで、押し湯の凝固時間を、湯口11における溶湯の凝固時間と同程度となるように短縮する。これにより、湯口11における溶湯の凝固が完了した時点で支障なく離型へ移行することができ、一連の鋳造サイクルを速やかに安定時の段階へ移行させることができる。
従って、下型10を強制冷却する場合でも、押し湯を支障なく適用して低圧鋳造によりシリンダヘッドを鋳造することができる。これにより、下型10の強制冷却による効果と相俟って、燃焼室を構成する部分の溶湯における温度勾配をより最適化して指向性凝固を促進し、より耐高温高圧性に優れた燃焼室を有するシリンダヘッドを製造することができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、適宜変形して実施できる。例えば、上記実施形態はシリンダヘッドを鋳造する場合であるが、他の鋳造品を低圧鋳造により製造する場合にも、本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、流路23に冷却水を流通させる期間を変化させることによって、押し湯の冷却に供する冷却能力を制御するようにしているが、これに代えて、流路23に流通させる冷却水の流量を変化させることによって制御するようにしてもよい。或いは、冷却用流体として、水に代えて他の液体又は空気を用いるようにしてもよい。
また、一連の鋳造サイクルで、下型10が十分温まって安定時の段階に移行した後は、押し湯の冷却を行わないようにしているが、安定時においても、弱い冷却能力によって押し湯の冷却を行うようにしてもよい。
10…下型、11…湯口、12…アウタ入れ子、13…インナ入れ子、14…温度センサ、20…上型、21…押し湯部金型、22…押し湯部、23…流路、24:温度センサ、30…摺動型、40…中子、51…管路、52…バルブ、53…制御装置、60…キャビティ、71…グラフ曲線、72…グラフ曲線、Pc…冷却期間、Pp…加圧期間。

Claims (7)

  1. 溶湯を補給する押し湯が供給される押し湯部が設けられた上型と湯口が設けられた下型とを有する金型と、
    前記押し湯を冷却する冷却部と、
    前記下型の温度に応じて前記冷却部により前記押し湯の温度を制御する温度制御部と
    を備えることを特徴とする鋳造装置。
  2. 前記温度制御部は、一連の鋳造サイクルの立上げ時において、前記湯口における溶湯の凝固が完了する時点に対し、前記押し湯の凝固が完了する時点が近づくように、前記押し湯の温度の制御を行うものであることを特徴とする請求項1記載の鋳造装置。
  3. 前記冷却部は、前記上型に設けられた冷却用の流体を流すための流路、及び該流路に該流体を供給する流体供給部を備え、
    前記下型にはその温度を検出する温度センサが設けられ、
    前記温度制御部は、前記温度センサにより検出される下型の温度に応じて前記流体供給部を制御することにより前記押し湯の温度の制御を行うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳造装置。
  4. 前記金型はシリンダヘッド鋳造用のものであり、
    前記押し湯部は、前記シリンダヘッドの燃焼室の直上に相当する前記上型の部分に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳造装置。
  5. 前記燃焼室に相当する前記下型の部分を冷却する別の冷却部を有することを特徴とする請求項4に記載の鋳造装置。
  6. 溶湯を補給する押し湯が供給される押し湯部が設けられた上型と湯口が設けられた下型とを有する金型と、
    前記下型の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサにより検出される温度に応じて前記押し湯を冷却する流体を流すために前記上型に設けられた流路と
    を備えることを特徴とする金型構造体。
  7. 溶湯を補給する押し湯が供給される押し湯部が設けられた上型と湯口が設けられた下型とを有する金型を用いて行われる鋳造方法であって、
    前記金型のキャビティに対し、前記湯口から溶湯を充填する工程と、
    前記溶湯の充填が完了した後、前記湯口における溶湯の凝固が完了する時点に対し、前記押し湯の凝固が完了する時点が近づくように、前記下型の温度に応じて前記押し湯を冷却する工程と
    を備えることを特徴とする鋳造方法。
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