JP2011237969A - 非接触型情報媒体及びこれを内蔵した冊子 - Google Patents

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【課題】冊子の表紙に内蔵して使用するのに適する非接触型情報媒体であって、柔軟性に優れた多孔質シートを使用して、しかも、水分や各種イオンの浸入を防いでアンテナの耐腐食性を向上させた非接触型情報媒体を提供すること。
【解決手段】基材上にアンテナコイルとこのアンテナコイルに接続されたICチップとを配置すると共に、このアンテナコイルをバリア層で被覆してバリア層付きインレットを構成し、このバリア層付きインレットの両面のそれぞれに、接着剤層を介して多孔質熱可塑性シートを積層して成り、バリア層が水分及び各種イオンの透過を抑制する性質を備えており、かつ、バリア層付きインレットの一部に貫通孔が設けられて、この貫通孔を通して前記接着剤層同士が互いに接着している。冊子の表紙の内貼り用紙と本文用紙の間に挟みこんで使用できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、アンテナコイルとICチップとを備え、非接触でICチップに情報を記録させることができる非接触型情報媒体に関するものである。そして、本発明の情報媒体によれば、水分や各種イオンによるアンテナコイルの劣化を防止することが可能となる。この情報媒体は、例えば、冊子状のパスポートや預貯金通帳等の冊子の表紙に内蔵させることが可能である。
近年、非接触ICカードや非接触ICタグを用いたシステムが普及する中、例えばパスポートや預貯金通帳等冊子に非接触型情報媒体を付加した非接触型情報媒体付属冊子が開発されている。この非接触型情報媒体は、アンテナとそれに接続された非接触ICチップからなるICインレットを外装基材で挟み込んだものであり、この非接触型情報媒体をカバークロスなどとも呼ばれる表紙用部材に貼り合わせた上で、内貼り用紙や本文用紙からなる冊子に貼り付けて装丁することによって冊子化することができる。このような非接触型情報媒体付属冊子は通常の冊子のようにデータの印字やVISAスタンプの付与ができるとともに、電子データの記録も可能であるという特徴がある。
特許文献1には、このように裏表紙の内部に非接触型情報媒体を内蔵した冊子が記載されている。特許文献1に記載の非接触型情報媒体は、第1の基材、第2の基材、アンテナコイル、ICチップ及び接着剤層で構成されている。すなわち、第2の基材には所定の広さの開口部が設けられており、この第2の基材を第1の基材に接着することにより、前記開口部を凹部としている。そして、この凹部内にアンテナコイルとこれに接続されたICチップとを配置し、第1の基材に接着剤層を設けて前記非接触型情報媒体を構成している。この非接触型情報媒体は、前記接着剤層によって冊子の裏表紙の内面に貼付して使用することができる。
また、一般に流通しているクレジットカードやICカードのように、熱可塑性の基材、例えばPVCやPET−Gなどのシートの間にIC及びアンテナ等を挟みこみ、強い熱圧をかけることで基材を流動させて平滑にした非接触型情報媒体を冊子の表又は裏の表紙と内貼り用紙の間に接着することで非接触型情報媒体付属冊子を作成することも知られている。
このような非接触型情報媒体付属冊子ではPVCやPET−Gなどのシートを使用しているため、剛度が高くなって表紙が開きにくくなったり、基材と内貼り用紙の接着が困難であったりといった問題があるが、これを解決する手法の一つとして、これらPVCやPET−Gなどのシートの代わりに、熱可塑性で基材中に空隙を有する多孔質のシートを利用することができる。このような多孔質シートは樹脂を発泡させることで得られるため一般に材料が柔らかく剛度が低い。また、空隙の為に接着剤の浸透も容易であるために内貼り用紙との接着性が高くなる。さらに適度な圧力をかけることで凹凸も吸収する事が可能である。このような多孔質の熱可塑性シートを基材として使用する場合、シート自体を熱融着によって接着したり、熱可塑性の接着剤を塗布した後で熱ラミネート方式により接着したりすることが可能である。
特開2002−42068号公報
しかしながらこのような多孔質のシートは通気性が高く、水分や酸素、塩素など各種イオンを容易に透過させてしまい、上記非接触型情報媒体のアンテナに用いられる金属が腐食しやすいという問題があった。例えば銅の場合は酸素との接触による酸化の可能性があり、アルミニウムの場合には塩化物イオンによる腐食の可能性がある。また直接酸素や塩化物イオンなどと反応しない場合でも、アンテナに異種金属が混入していた場合などには、電解質溶液が浸入するだけで電池効果による金属の溶解が生じやすく、最悪の場合には断線にいたるという問題があった。加えて、エッチング方式や印刷方式によるアンテナの場合には、アンテナの厚みが薄くて使用材料が少なく製造コストが安いという利点があったが、逆に厚みが薄いことによりわずかな損傷でも致命的な問題になる可能性があった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、柔軟性に優れた多孔質シートを使用して、しかも、水分や各種イオンの浸入を防いでアンテナの耐腐食性を向上させた非接触型情報媒体を提供することにある。
請求項1の発明は、基材上にアンテナコイルとこのアンテナコイルに接続されたICチップとを配置すると共に、このアンテナコイルをバリア層で被覆してバリア層付きインレットを構成し、このバリア層付きインレットの両面のそれぞれに、接着剤層を介して多孔質熱可塑性シートを積層して成る非接触型情報媒体であって、
前記バリア層が水分及び各種イオンの透過を抑制する性質を備えており、
かつ、前記バリア層付きインレットの一部に貫通孔が設けられており、この貫通孔を通して前記接着剤層同士が互いに接着していることを特徴とする、
非接触型情報媒体である。
請求項2の発明は、前記バリア層が、アンテナコイルを被覆して塗工された熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1記載の非接触型情報媒体である。
請求項3の発明は、前記請求項1又は2記載の非接触型情報媒体を表紙の内部に内蔵して構成された非接触型情報媒体付属冊子である。
請求項1に係る発明によれば、アンテナコイルがバリア層で被覆されており、しかも、このバリア層が水分及び各種イオンの透過を抑制する性質を備えているから、アンテナコイルが腐食することを防ぐことができる。
ところで、このようにアンテナコイルをバリア層で被覆した場合、このバリア層と接着剤層との接着強度が低下し、両者の間で剥離しやすくなる。請求項1に記載の発明では、バリア層付きインレットに貫通孔を設けて、この貫通孔を通して接着剤層同士を接着させているから、バリア層の存在にも拘らず、情報媒体全体を強固に一体化することができる。
なお、前記貫通孔は、アンテナコイルやICチップが配置された部位を避けて、その他の部位に設ける必要がある。
次に、請求項2の発明によれば、アンテナコイルを被覆して塗工された熱可塑性樹脂から構成されているから、簡便な方法でバリア層を形成することが可能となる。
そして、請求項1又は2記載の非接触型情報媒体は柔軟性に優れた多孔質熱可塑性シー
トを使用しているから、請求項3の発明のように、この非接触型情報媒体を表紙の内部に内蔵して冊子を構成すれば、表紙が開きやすく、しかも、水分等によって劣化することのない非接触型情報媒体付属冊子とすることができる。
本発明の非接触型情報媒体付属冊子の一実施形態の斜視図 本発明に用いる非接触ICインレットの一実施形態の平面図 本発明に用いる非接触ICインレットの一実施形態の製造工程を示す断面図 本発明の非接触型情報媒体付属冊子の表紙の一実施形態の断面図
本発明の非接触型情報媒体は、バリア層付きインレットと、2枚の多孔質熱可塑性シートと、これら2枚の多孔質熱可塑性シートの各々とバリア層付きインレットとを接着する接着剤層とを必須の要素として構成されるものである。
ここで、バリア層付きインレットは、いわゆるICインレットのアンテナコイルをバリア層で被覆して構成されるもので、ICインレットは、基材上にアンテナコイルとこのアンテナコイルに接続されたICチップとを配置したものである。そして、バリア層は、このICインレットのアンテナコイルを水分や各種イオンから遮断して保護する役割を担っている。
なお、バリア層付きインレットには、アンテナコイルやICチップを避けた位置に貫通孔が設けられている。バリア層付きインレットの表裏両面には、前記接着剤層を介して多孔質熱可塑性シートが積層されており、表裏両面のこれら接着剤層は、貫通孔を通して互いに接着されている。
この非接触型情報媒体は、冊子の表紙内部に内蔵して使用することができる。例えば、冊子の表紙を表紙用部材と内貼り用紙とで構成し、この表紙用部材と内貼り用紙の間に非接触型情報媒体を挟み込むことにより、表紙内部に内蔵した冊子とすることができる。
図1は、このような冊子の具体例を示す斜視図であり、この例では、表紙用部材とその内面に貼着する内貼り用紙とが、その間に非接触型情報媒体を挟み込んで接着され、これに複数の本文用紙が加わって冊子が構成されている。
この非接触型情報媒体の一部であるICインレットは、図2に示すように、基材と、ICチップを搭載したICモジュールとアンテナコイルとから構成されている。アンテナコイルに囲まれた中央の領域が貫通孔である。図2示すICインレットは、アンテナコイルとICモジュールとが、アンテナジャンパーを介在させて接合されている。アンテナジャンパーとICモジュールとは、それぞれ、溶接部によって接合されている。なお、図2には、バリア層が図示されていないが、アンテナコイルを被覆するバリア層を設けることにより、バリア層付きインレットを得ることができる。
図3は、このようなバリア層付きインレットを製造する製造工程を示す断面図であり、図2の断面線Aに対応する位置の断面図である。すなわち、まず、図3(a)に示すように、アンテナ基材の片面にアンテナコイルを形成し、このアンテナコイルに位置合わせして、その反対面にアンテナジャンパーを形成する。次に、その両面にバリア層を積層する。次に、図3(b)に示すように、レーザーを照射して、アンテナコイルとアンテナジャンパーとを溶接して導通させると共に、ICモジュールを装着する穴を開ける。そして、図3(c)に示すように、この穴にICモジュールを挿入し、再びレーザーを照射して、アンテナジャンパーとICモジュールとを溶接して導通させることにより、前記バリア層付きインレットを得ることができる。なお、ICモジュール穴と同時に、アンテナコイルに囲まれた中央領域に前記貫通孔を形成してもよい。
また、そのほかの方法でバリア層付きインレットを製造することも可能である。例えば、まず、基材上にアンテナコイルを形成し、次に、ICチップをアンテナコイルに接続し、続いてバリア層を全面又は部分的に塗工形成した後、アンテナコイルに囲まれた中央領域を打ち抜いて貫通孔Xを設けることができる。
また、基材上にICチップを配置固定した後、導線を直接基材上に配置し、アンテナコイルを形成した後、ICチップとアンテナコイルとをワイヤボンディング法によって接続することもできる。そして、この後、バリア層を形成し、貫通孔を形成すればよい。
また、基材に貫通孔を設けた後、アンテナコイルを形成し、後述する塗料を塗工してバリア層を設け、続いてICチップを配置固定することも可能である。
アンテナコイルは、例えば、前記ワイヤボンディング法のほか、エッチングによりアルミや銅のアンテナを形成する方法、導電性インキを印刷してアンテナを形成する方法などによって形成することができる。いずれの方式も公知である。
次に、図4は、前記冊子の表紙の断面図を示しており、図2の断面線Bに対応する位置の断面図である。この図から分かるように、バリア層付きインレットの表面には、接着剤層を介して多孔質熱可塑性シートが接着されている。また、バリア層付きインレットの裏面には、接着剤層を介して多孔質熱可塑性シートが接着されている。そして、表裏の接着剤層は貫通孔の中に入り込んで、相互に接着している。
そして、多孔質熱可塑性シートの外側には、接着剤層を介して内貼り用紙が接着されており、多孔質熱可塑性シートの外側には、接着剤層を介して表紙用部材が接着されている。
次に、非接触型情報媒体を構成する材料について説明する。
バリア層の材料としては、水分や各種イオンの透過を抑制する性質が必要である。このような材料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−メタクリル酸共重合体系、ポリエステル系、アクリル系樹脂、ナイロン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系などの合成樹脂塗料が使用可能であり、架橋剤を添加して硬化させたり、ポリエチレンやパラフィン等のワックス成分を添加することによって耐水性を向上させたりすることもできる。
バリア層は特にエッチングアンテナや印刷アンテナに対して効果があるが、それに限るものではない。ワイヤボンディングによるアンテナはもともと導線を樹脂でコーティングしてあるため腐食には強いが、ICモジュールとの溶接部などが腐食する可能性があるため、バリア層を必要とする場合もある。本発明のバリア層の厚みに特に制限は無いが、例えば、アルミニウムのエッチングアンテナの場合に、アルミニウム層は30〜50μm程度であり、そのアンテナをすべて被覆するように設けられることが望ましく、各種アンテナの材質や厚みにあわせて設定する。このようにして設けられたバリア層の性能を評価する方法として、一つには水蒸気透過度の値を用いることができる。この水蒸気透過度が高いと内部に水分やイオンが侵入しやすいため、なるべく低いことが望ましい。例えばJIS K 7129に示されているカップ法により測定された値が、150g/m・dayより低い水蒸気透過度であれば、アンテナの腐食を防ぐことについて一定の効果が得られている。しかしながらアンテナの腐食の危険性を評価する方法としては、例えばJIS
X 6305−1に示されているような塩水噴霧試験がある。この試験は5%の塩水が充満した環境に24時間試験体をさらすことによりアンテナの腐食を調べるものであるため、水蒸気透過度だけで性能を判断できるものではなく、さまざまな環境を想定して腐食が生じないか確認する必要がある。
エッチング方式によるアンテナの場合、バリア層を設ける手段として例えばエッチング用のマスク層にバリア性をもたせて、エッチング後もそのまま残しておくという方法もありえるが、この場合にはアンテナの断面部分から腐食が進む可能性があるため、バリア性が完璧とはいえない。
また、多孔質熱可塑性シートは、インクジェットやオフセットなどに対する印刷適性を付与した樹脂シート又は合成紙として市販されているものでよい。このような基材を使用することにより柔軟性のある非接触型情報媒体を形成することが可能となり、また、接着剤と良好な密着性を得ることができるため加工性に優るといった利点がある。
接着剤層としては、一般的な各種熱可塑性の樹脂を使用することができる。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−メタクリル酸共重合体系、ポリエステル系、アクリル系樹脂、ナイロン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系などである。これらの中でも、特に水分に強く、酸素や塩化物イオンの透過を抑制するような塗膜を形成する樹脂、また熱や湿度により劣化し接着部分に剥がれを生じないものを使用することが望ましい。これらの性能を両立させるために2種類以上の樹脂を混合したり、2層に塗工したりすることも可能である。また、後工程や作業性の面から、塗工が容易で、乾燥後のブロッキングが生じにくく、耐久性の高いものが使用に適する。例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体系の水系エマルジョン接着剤にエポキシ系架橋剤を添加したものや、ポリオレフィン系、アクリル系の接着剤などをグラビアコーターで塗工するなどで好適な性能を得ることができる。一方、一般的にポリエステル系の接着剤は湿度による加水分解が生じる可能性があり、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤は経時劣化し易いので注意が必要である。また、上記の樹脂を使用してエマルジョンやディスパージョンにした水系のヒートシール剤を用いる場合には、それらのヒートシール剤自体がアンテナ等に悪影響を与えないかについても注意が必要である。
そして、これら接着剤を、それぞれ、多孔質熱可塑性シートに塗布した後、バリア層付きインレットを挟むようにその表裏両面に重ね、熱圧をかけることで接着させることによって、前記貫通孔の中に押し込み、多孔質熱可塑性シートとバリア層付きインレットとを接着すると共に貫通孔の内部で接着剤同士を接着することが可能である。
なお、一般に、バリア層付きインレットは、ICチップの厚み、アンテナの厚み、ジャンパ線とアンテナの接合部の厚み、基材の厚みなどにより、凹凸のあるシートとなっている。多孔質熱可塑性シートを接着する際に熱圧をかけることにより、この凹凸を無くすことができるという効果もある。
次に、非接触型情報媒体と表紙用部材とを接着する接着剤としては、体積変化の無い反応硬化型の接着剤を好適に用いることができる。仮に体積変化のある乾燥硬化型の接着剤を使用した場合、非接触型情報媒体の一部が凹んでいたとすると接着剤の使用量が多くなるため乾燥時の体積減少が大きくなり、表紙用部材の外側に凹みが生じてしまうため外観上の問題となる。このような問題を解決するために体積変化の無い接着剤を使用することが望ましく、例えば、2液混合型エポキシ系接着剤、湿気硬化型シリコン系接着剤、1液硬化型ウレタン系接着剤、などが使用できる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系など、各種のホットメルト接着剤なども使用可能である。この接着層が水
分等に対するバリア性能を持つことで性能は向上するが、多孔質基材を使っているため断面からの水分の浸入を考慮する必要があり、本発明のようにアンテナに直接触れる部分にバリア層を設けることが望ましい。
また、非接触型情報媒体と内貼り用紙とを接着する接着剤としては、水系のエマルジョン接着剤を使用することができる。この接着剤は、従来から表紙用部材と内貼り用紙との接着に使用されてきたことから、その設備をそのまま使用することができる。
そして、非接触型情報媒体をこれら表紙用部材及び内貼り用紙に接着するときには、まず、複数の本文用紙と共に内貼り用紙を製本して中間冊子を製造する。このとき、内貼り用紙は中間冊子の外表面に位置するように製本する必要がある。そして、非接触型情報媒体の片面に表紙用部材を接着し、この表紙用部材付非接触型情報媒体を前記中間冊子の外表面に接着すればよい。
(バリア層付きICインレットの作成)
以下、図3〜図4を参照して実施例を説明する。
38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートをアンテナシート基材とし、両面に35μmのアルミニウム箔を貼り合せた上からマスク層の印刷を行い、パターンエッチングによって表面にアンテナコイルと裏面にジャンパ線を形成した。
前記アンテナコイルが形成されたアンテナシート基材の両面にグラビア印刷方式により下記インキをコーティングし、10μmのバリア層を設けた。
<バリア層インキ>
ポリエステル樹脂 30重量部
MEK 70重量部
さらに、レーザー溶接により、アンテナコイルとジャンパ線を接合し、アンテナコイルの接続端子部にICチップを溶接した。アンテナコイルの外周は80mm×48mmで、内周は67mm×37mmである。さらに、アンテナコイルの内側を65mm×35mmの大きさで打ち抜いて貫通孔を形成した。さらに、アンテナコイルの外周及びICチップから2mm離れた輪郭を取ってその外側のアンテナシート基材を打ち抜いて除去しバリア層付きインレットを得た。また、比較用にバリア層を設けないICインレットも作成し、下記の工程に使用した。
(非接触型情報媒体の作製)
多孔質熱可塑性シートとして、380μmの「TESLINシート」(PPG Industry社)を準備し、このシートの片面に熱可塑性接着剤「アクアテックス」を10μm塗布し、乾燥させてサンプルを作製した後、150mm×200mmのシート2枚に断裁した。
上記で準備した片方の多孔質熱可塑性シートにバリア層付きインレットを配置し、スポット加熱により固定した。さらにもう1枚の多孔質熱可塑性シートを積層し、スポット加熱により固定した。
この積層されたシートを2枚のSUS板に挟み込み加熱加圧することで接着して非接触型情報媒体10を得た。加熱加圧条件は、加熱部温度110℃以上160℃以下、圧力5Kgf/cm以上30Kgf/cm以下、処理時間15秒以上120秒以下の間で調整し、最適なものを選択した。
(非接触型情報媒体と表紙用部材の貼り合わせ)
冊子表紙用クロスカバー「Enviromate」(ICG/Holliston社)を非接型情報媒体サイズに断裁し、表紙用部材を得た。湿気硬化型ホットメルト接着剤「エスダイン」(積水フーラー社)をヒートロールコータで溶融させ、20g/mの厚みで上記表紙用部材に塗工した。ホットメルト接着剤が塗工された表紙用部材に非接触型情報媒体を接着させ、ローラで加圧し、その後エージングした。
(非接触型情報媒体冊子の作製)
複数枚の本文用紙と一枚の内貼り用紙を丁合いし、中央をミシンで縫うことで内貼り用紙が最外部に取り付けられた本文用紙を作成した。上記で得られた、表紙用部材が接着された非接触型情報媒体に水系エマルジョン接着剤「SP−2850」(コニシ社)を20g/mの厚みで塗工し、上記の内貼り用紙の裏側と接着した。得られた冊子を広げた状態で125mm×180mmに断裁し、偽変造防止機能層を付与した非接触型情報媒体付属冊子を得た。あわせて、同様の工程によってバリア層の無い比較用の非接触型情報媒体付属冊子も得た。
(効果の確認)
得られた2種類の非接触型情報媒体付属冊子に対してJIS X 6305−1記載の塩水噴霧試験を実施し、その後アンテナのみを取り出して確認したところ、バリア層の無い比較用の冊子のアンテナは腐食が生じていたが、本発明のバリア層を持った冊子のアンテナに腐食は生じていなかった。

Claims (3)

  1. 基材上にアンテナコイルとこのアンテナコイルに接続されたICチップとを配置すると共に、このアンテナコイルをバリア層で被覆してバリア層付きインレットを構成し、このバリア層付きインレットの両面のそれぞれに、接着剤層を介して多孔質熱可塑性シートを積層して成る非接触型情報媒体であって、
    前記バリア層が水分及び各種イオンの透過を抑制する性質を備えており、
    かつ、前記バリア層付きインレットの一部に貫通孔が設けられており、この貫通孔を通して前記接着剤層同士が互いに接着していることを特徴とする、
    非接触型情報媒体。
  2. 前記バリア層が、アンテナコイルを被覆して塗工された熱可塑性樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1記載の非接触型情報媒体。
  3. 前記請求項1又は2記載の非接触型情報媒体を表紙の内部に内蔵して構成された非接触型情報媒体付属冊子。
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