JP2011230712A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバの意図した車両旋回走行が為されるようにタックインを抑制する為の駆動力を適切に制御する。
【解決手段】操舵角θSWに基づいて算出される目標ヨーレイトRtと、ヨーレイトセンサ68により検出された実ヨーレイトRaとのヨーレイト偏差ΔRに基づいて推定したドライバのタックインさせる意図が大きい程、そのタックインが発生し易いようにタックイン抑制制御におけるタックイン抑制トルクToffが抑制されるので、例えば車両旋回中におけるタックインの発生に際してドライバのタックインさせる意図をも考慮した形でタックインを抑制する為のタックイン抑制トルクToffを適切に制御することができる。つまり、ドライバの意図した車両旋回走行が為されるようにタックイン抑制トルクToffを適切に制御することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両旋回中におけるタックインの発生に際してタックイン抑制制御を実行する車両の制御装置に関するものである。
例えば旋回走行中の車両において比較的速い操作速度でアクセルオフされたときに生じるエンジンブレーキ力などにより、オーバーステア特性が助長され、旋回軌跡が内側に入り込むタックインと呼ばれる現象が良く知られている。このような現象に対して、タックインの発生を抑制するように駆動輪へ伝達されるトルクを制御するタックイン抑制制御が種々提案されている。例えば、特許文献1には、アクセル開度、アクセル変化速度、横加速度などに基づいてタックインの発生を予測し、車速と横加速度とに応じてタックイン対策トルクを付与することで、タックインのモーメントを打ち消す方向にヨーモーメントを発生させて、タックイン発生の防止を図ることが提案されている。
特開平6−211063号公報 特開2002−200927号公報 特開平8−2274号公報
ところで、上記タックイン抑制制御においては、例えばアクセル開度や車両加速度などの物理量からタックイン状態に陥るか否かを判定し、その判定結果によりタックインを抑制する為の抑制トルクを制御している。見方を換えれば、ドライバの意図を考慮することなく上記判定結果のみによりタックインの抑制トルクを制御している。その為、例えばドライバが意図してタックインさせたいときでも、ドライバの意図とは無関係にタックインの発生を抑制してしまう可能性がある。より具体的には、ドライバが狙いの車両旋回軌道(トレースライン)に乗せる為に積極的にタックインさせるようなときにも、そのタックインを抑制してしまう可能性がある。尚、このような課題は未公知であり、ドライバのタックインさせる意図をも考慮した形でタックインの抑制トルクを適切に制御することについて、未だ提案されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ドライバの意図した車両旋回走行が為されるようにタックインを抑制する為の駆動力関連値を適切に制御することができる制御装置を提供することにある。
前記目的を達成する為の本発明の要旨とするところは、(a) 車両旋回中におけるタックインの発生に際してそのタックインを抑制するように駆動輪へ伝達される駆動力関連値を制御するタックイン抑制制御を実行する車両の制御装置であって、(b) 操舵角に基づいてドライバのタックインさせる意図を推定し、(c) 前記タックインさせる意図が大きい程、そのタックインが発生し易いように前記タックイン抑制制御における駆動力関連値の制御量を抑制することにある。
このようにすれば、操舵角に基づいて推定したドライバのタックインさせる意図が大きい程、そのタックインが発生し易いように前記タックイン抑制制御における駆動力関連値の制御量が抑制されるので、例えば車両旋回中におけるタックインの発生に際してドライバのタックインさせる意図をも考慮した形でタックインを抑制する為の駆動力関連値(例えばタックインの抑制トルク)を適切に制御することができる。つまり、ドライバの意図した車両旋回走行が為されるようにタックインを抑制する為の駆動力関連値を適切に制御することができる。
ここで、好適には、アクセルオフ時の操舵角に基づいて前記ドライバのタックインさせる意図を推定することにある。このようにすれば、例えばアクセルオフに伴う車両旋回中におけるタックインの発生に際して、ドライバの意図した車両旋回走行が為されるようにタックインを抑制する為の駆動力関連値を一層適切に制御することができる。
また、好適には、前記操舵角に基づいて算出される前記車両旋回挙動に関する目標値と、その車両旋回挙動に関する実測値との偏差が大きい程、前記ドライバのタックインさせる意図が大きいと推定することにある。このようにすれば、例えば操舵角に基づいてドライバのタックインさせる意図が適切に推定される。
また、好適には、前記車両旋回挙動に関する目標値は、前記操舵角に基づいて算出されるヨーレイトの目標値であり、前記車両旋回挙動に関する実測値は、センサにより検出されるヨーレイトの実際値である。このようにすれば、例えば操舵角に基づいてドライバのタックインさせる意図が一層適切に推定される。
また、好適には、前記偏差と前記ドライバのタックインさせる意図に対応した係数との予め設定された関係から、その偏差に基づいてその係数を算出し、その算出した係数に基づいて前記タックイン抑制制御における駆動力関連値の制御量を抑制することにある。このようにすれば、例えばドライバのタックインさせる意図に応じてタックインを抑制する為の駆動力関連値を適切に制御することができる。
また、好適には、前記車両は、駆動力源から前記駆動輪までの動力伝達経路に変速機を備えている。この駆動力源としては、例えば燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関等のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等が好適に用いられるが、電動機等の他の原動機を単独で或いはエンジンと組み合わせて採用することもできる。
また、好適には、前記変速機は、例えば複数組の遊星歯車装置の回転要素が係合装置によって選択的に連結されることにより複数のギヤ段(変速段)が択一的に達成される例えば前進4段、前進5段、前進6段、更にはそれ以上の変速段を有する等の種々の遊星歯車式自動変速機、常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備えてそれら複数対の変速ギヤのいずれかを同期装置によって択一的に動力伝達状態とする同期噛合型平行2軸式変速機、その同期噛合型平行2軸式変速機ではあるが油圧アクチュエータにより駆動される同期装置によって変速段が自動的に切換られることが可能な同期噛合型平行2軸式自動変速機、同期噛合型平行2軸式自動変速機であるが入力軸を2系統備えて各系統の入力軸にクラッチがそれぞれつながり更にそれぞれ偶数段と奇数段へと繋がっている型式の変速機である所謂DCT(Dual Clutch Transmission)、動力伝達部材として機能する伝動ベルトが有効径が可変である一対の可変プーリに巻き掛けられ変速比が無段階に連続的に変化させられる所謂ベルト式無段変速機、共通の軸心まわりに回転させられる一対のコーンとその軸心と交差する回転中心回転可能な複数個のローラがそれら一対のコーンの間で挟圧されそのローラの回転中心と軸心との交差角が変化させられることによって変速比が可変とされた所謂トラクション型無段変速機、エンジンからの動力を第1電動機及び出力軸へ分配する例えば遊星歯車装置で構成される差動機構とその差動機構の出力軸に設けられた第2電動機とを備えてその差動機構の差動作用によりエンジンからの動力の主部を駆動輪側へ機械的に伝達しエンジンからの動力の残部を第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて電気的に伝達することにより電気的に変速比が変更される所謂電気式無段変速機として機能する自動変速機、或いはエンジン軸や出力軸などに動力伝達可能に電動機が備えられる所謂パラレル式のハイブリッド車両に搭載される自動変速機などにより構成される。
本発明が適用される駆動力伝達装置を有する前置エンジン前輪駆動を基本とする前後輪駆動車両の構成及び車両に設けられた電気的な制御系統の要部を説明する図である。 車両に設けられたカップリングの構成例を説明する概略断面図である。 電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 エンジントルクをスロットル弁開度及びエンジン回転速度に基づいて算出する為の予め設定されたエンジントルクマップの一例を示す図である。 推定走行勾配加速度が大きい程タックイン抑制基準トルクが大きくなるように予め設定された基準トルクマップの一例を示す図である。 ドライバのタックインさせる意図を推定するときの概念を説明する為の図である。 ヨーレイト偏差が大きい程タックイン抑制トルク係数が小さくなるように予め設定された抑制トルク係数マップの一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわちドライバの意図した車両旋回走行が為されるようにタックイン抑制トルクを適切に制御する為の制御作動を説明するフローチャートである。 図8のフローチャートに示す制御作動を実行した場合の一例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される前置エンジン前輪駆動(FF)を基本とする前後輪駆動車両(以下、車両)10の構成及び車両10に設けられた電気的な制御系統の要部を説明する図である。図1において、エンジン12は、例えばガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関であって、燃料の燃焼により駆動力を発生させる駆動力源である。このエンジン12により発生させられた駆動力は、変速機14、前輪用差動歯車装置16、及び前輪車軸18などを介して主駆動輪である1対の前輪20へ伝達される。また、変速機14から前後輪動力分配装置であるトランスファ22を介して分配された駆動力は、駆動力伝達軸であるプロペラシャフト24、そのプロペラシャフト24に直列に配設された摩擦係合装置としての電磁式の駆動力配分カップリング(以下、カップリング)26、後輪用差動歯車装置28、及び後輪車軸30などを介して副駆動輪である1対の後輪32へ伝達される。すなわち、図1に示す車両10は、駆動力源であるエンジン12により発生させられたトルクを車両10の走行状況に応じて前後輪に配分する電子制御トルクスプリット式四輪駆動車両の一例であり、カップリング26によって低燃費でトラクション性能に優れた駆動系(駆動力伝達装置)を提供できる。尚、エンジン12により発生させられた駆動力やエンジン12により発生させられて前後輪に配分されるトルクは、駆動輪となる前輪20及び後輪32へ伝達される駆動力関連値である。この駆動力関連値とは、例えば駆動輪の接地面上に働く車両駆動力(以下、駆動力と表す)F[N]に1対1に対応する関連値(相当値)であって、駆動力関連値としてその駆動力Fはもちろんのことその他に、例えば車両の出力(以下、出力或いはパワーと表す)P[PS、kW、HP]、変速機の出力トルクとしての出力軸上のトルク(以下、出力軸トルクと表す)TOUT[Nm]、車軸上のトルク(以下、駆動トルクと表す)などが用いられる。ここで、上記駆動力などの力は、ある軸心からある半径にて軸回りに作用する力であり、ある軸心から1mの半径に加えたときの回転力であるトルクとは、略同じ意味で用いることができる。以下、本実施例では、力とトルクとを特に区別しない場合には、トルクを用いることとする。
変速機14は、入力された回転を所定の変速比γで減速或いは増速して出力するものであって、例えば複数組の遊星歯車装置の回転部材が油圧式摩擦係合装置によって選択的に連結されることによりニュートラルを含む前後進用の複数のギヤ段(変速段)が択一的に達成され、それぞれのギヤ段に対応する変速比γに応じた速度変換が成される遊星歯車式自動変速機である。この油圧式摩擦係合装置としては、例えば油圧アクチュエータによって係合させられる多板式、単板式のクラッチやブレーキ、或いはベルト式のブレーキ等の油圧式摩擦係合装置が広く用いられる。
図2は、カップリング26の構成例を説明する概略断面図である。図2において、カップリング26は、プロペラシャフト24と同軸に且つ一体的に形成された第1ハウジング34と、電磁ソレノイド36を含み第1ハウジング34の内周側に固設された第2ハウジング38と、第1ハウジング34と同軸にその軸心まわりに相対回転可能に配設された出力シャフト40と、出力シャフト40と同軸にその軸心まわりに相対回転可能に配設された制御カム42と、第1ハウジング34と制御カム42との相対回転を阻止したりスリップさせたりする為の制御クラッチ44と、第2ハウジング38との間にその制御クラッチ44を構成するクラッチプレートを挟圧する為に出力シャフト40と同軸にその軸心方向に相対移動可能に配設された環状鉄片であるアーマチュア46と、第1ハウジング34と出力シャフト40との相対回転を阻止したりスリップさせたりする為のメインクラッチ48と、第1ハウジング34との間にメインクラッチ48を構成するクラッチプレートを挟圧する為に出力シャフト40と同軸にその軸心まわりの相対回転不能且つ軸心方向の相対移動可能に配設されたメインカム50とを備えている。また、制御カム42とメインカム50との相対向する側にはそれぞれのカム面に対応する複数の凹部が形成されており、制御カム42とメインカム50との間にはそれら各凹部に嵌め入れられるように複数のボール52が配設されている。
カップリング26において、電磁ソレノイド36が非励磁状態である場合には、制御クラッチ44及びメインクラッチ48の何れも非係合状態とされる為、変速機14などを介してプロペラシャフト24へ伝達されたトルクは出力シャフト40へは伝達されない。一方、電磁ソレノイド36が励磁状態である場合には、その電磁ソレノイド36の周囲に磁束が生じることにより、アーマチュア46が第2ハウジング38側へ引き付けられて制御クラッチ44が電磁ソレノイド36への制御電流に応じて係合或いはスリップさせられる。その制御クラッチ44が係合させられた後、制御カム42とメインカム50との間に回転速度差が生じると、ボール52が制御カム42における凹部の斜面に押されてメインカム50側へ押し付けられ、延いてはそのメインカム50がプロペラシャフト24側へ押し付けられてメインクラッチ48が係合させられ、プロペラシャフト24へ伝達されたトルクが出力シャフト40へ伝達される。
カップリング26の係合トルクすなわちメインクラッチ48の係合トルクは、そのカップリング26により伝達される伝達トルクを一義的に定めるものであり、後述する電子制御装置70により制御されて電磁ソレノイド36へ供給される電流により決定される。すなわち、電磁ソレノイド36に供給される電流が比較的小さい場合には、アーマチュア46が第2ハウジング38側へ引き付けられる力が比較的弱く、制御クラッチ44の係合トルクが比較的小さいことから、制御カム42とメインカム50との間の回転速度差が小さくなり、延いてはメインカム50がプロペラシャフト24側へ押し付けられる力が比較的弱くなってカップリング26の係合トルクは比較的小さくなる。一方、電磁ソレノイド36に供給される電流が比較的大きい場合には、アーマチュア46が第2ハウジング38側へ引き付けられる力が比較的強く、制御クラッチ44の係合力が比較的大きいことから、制御カム42とメインカム50との間の回転速度差が大きくなり、延いてはメインカム50がプロペラシャフト24側へ押し付けられる力が比較的強くなってカップリング26の係合トルクは比較的大きくなり、電磁ソレノイド36に供給される電流が所定値以上になると直結四輪駆動車両に近い状態で前後輪に駆動トルクが伝達される。以上の構成により、変速機14から出力された全駆動トルクに対する後輪32に伝達される駆動トルクの配分比率が例えば零乃至0.5の範囲内で無段階に制御される。
図1に戻り、車両10には、カップリング26の係合トルクを制御する為の制御装置例えば車両旋回中におけるタックインの発生に際してそのタックインを抑制するように後輪32へ伝達される駆動トルクを制御するタックイン抑制制御を実行する制御装置を含む電子制御装置70が備えられている。この電子制御装置70は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置70は、エンジン12の出力制御、変速機14の変速制御、電磁ソレノイド36に供給される電流を制御することによるカップリング26の係合制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用のエンジン制御装置、変速機14の変速制御用の油圧制御装置、カップリング26の係合制御用の前後輪駆動トルク配分装置(例えば4WD_ECU)等に分けて構成される。
電子制御装置70には、例えばエンジン回転速度センサ54により検出されたエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Nを表す信号、車輪速センサ56により検出された車輪の回転速度である車輪速Nを表す信号、アクセル開度センサ58により検出された運転者による車両10に対する要求量(ドライバ要求量)としてのアクセルペダルの操作量であるアクセル開度Accを表す信号、スロットルセンサ60により検出された電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θTHを表す信号、ステアリングセンサ62により検出されたステアリングの操舵角θSW及び操舵方向を表す信号、前後Gセンサ64により検出された車両10の前後加速度Gを表す信号、左右Gセンサ66により検出された車両10の左右加速度Gを表す信号、ヨーレイトセンサ68により検出された車両10の回転角速度であるヨーレイトRを表す信号などがそれぞれ供給される。尚、車輪速センサ56は、例えば少なくとも左右一対の前輪20の何れか一方及び少なくとも左右一対の後輪32の何れか一方に備えられておれば良いが、左右の前輪20及び左右の後輪32の全ての車輪に備えられていても良い。この場合には4つの車輪速N(左前車輪速NWFL、右前車輪速NWFR、左後車輪速NWRL、右後車輪速NWRR)が電子制御装置70に供給されるので、例えば車両10としての車速Vは4つの車輪速Nの平均車輪速としたり、前輪20の車輪速NWFは1対の前輪20の平均車輪速としたり、前後輪駆動トルク配分の制御の為の後輪32の車輪速NWRは1対の後輪32の平均車輪速としたり、走行状況判定の為の車輪速は4つの車輪速Nのうちのいずれか1つの車輪速Nとしたり、ブレーキによる車輪ロックを検出の為の車輪速は最低車輪速としたりする。また、車輪速センサ56を変速機14の出力軸或いはプロペラシャフト24に設けることで前輪20の平均車輪速を検出しても良いし、車輪速センサ56を出力シャフト40に設けることで後輪32の平均車輪速を検出しても良い。
また、電子制御装置70からは、例えばエンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Sとして、アクセル開度Accに応じて電子スロットル弁の開閉を制御する為のスロットルアクチュエータへの駆動信号や燃料噴射装置から噴射される燃料噴射量を制御する為の噴射信号やイグナイタによるエンジン12の点火時期を制御する為の点火時期信号などが出力される。また、例えば変速機14の変速制御の為の油圧制御指令信号Sとして、変速機14のギヤ段GSを切り換える為に油圧制御回路内のリニアソレノイドバルブの励磁、非励磁などを制御する為のバルブ指令信号(油圧指令信号、油圧指令値、駆動信号)やライン油圧などを調圧制御する為のリニアソレノイドバルブへの油圧指令信号などが出力される。また、例えばカップリング26の係合トルクを制御する為の係合制御指令信号Sすなわち後輪32側へ伝達する(配分する)トルクを制御する為の4WDトルク制御指令信号Sとして、電磁ソレノイド36に供給される電流を制御する為の駆動信号などが出力される。
図3は、電子制御装置70によるカップリング26の係合トルク制御機能例えばタックインを抑制するように後輪32へ伝達される駆動トルクを制御するタックイン抑制制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図3の破線で示す矢印はエンジン12から出力されるエンジントルクTが前輪20或いは後輪32へ伝達されるまでの主な流れを示している。
図3において、駆動トルク算出部すなわち駆動トルク算出手段72は、例えばエンジン12により発生させられるエンジントルクTに基づいてプロペラシャフト24により伝達されてカップリング26に入力される駆動トルクTINを算出する。具体的には、駆動トルク算出手段72は、エンジン12に対する要求負荷としてスロットル弁開度θTHをパラメータとしてエンジン回転速度Nとエンジントルク推定値TE0との予め求められて記憶された例えば図4に示すような関係(エンジントルクマップ)から、実際のエンジン回転速度N及びスロットル弁開度θTHに基づいてエンジントルクTを推定値として算出する。そして、駆動トルク算出手段72は、次式(1)からエンジントルクTの推定値、変速機14の現在のギヤ段に対応する変速比γ、及びトランスファ22などのギヤ比iに基づいて駆動トルクTINを算出する。尚、エンジン12に対する要求負荷として、スロットル弁開度θTHに替えて、例えばアクセル開度Acc、吸入空気量、燃料噴射量などが用いられても良い。また、例えばトルクセンサによって駆動トルクTINが直接的に検出されても良いし、トルクセンサによって直接的に検出されるエンジントルクTに基づいて駆動トルクTINを算出しても良い。
IN=T×γ×i ・・・(1)
ヨーレイト偏差算出部すなわちヨーレイト偏差算出手段74は、例えば操舵角θSWに基づいて算出される車両旋回挙動に関する目標値と車両旋回挙動に関する実測値との偏差を算出する。具体的には、ヨーレイト偏差算出手段74は、先ず、次式(2)に従って、予め実験的に求められて設定された関数ftyから車速V及び操舵角θSWに基づいて車両旋回挙動に関する目標値としてのヨーレイトRの目標値(以下、目標ヨーレイト)Rtを算出する。そして、ヨーレイト偏差算出手段74は、次式(3)から上記算出した目標ヨーレイトRt及び車両旋回挙動に関する実測値としてのヨーレイトセンサ68により検出されたヨーレイトRの実際値(以下、実ヨーレイト)Raに基づいて上記偏差としてのヨーレイト偏差ΔRを算出する。尚、目標ヨーレイトRtの算出においては、左右加速度Gなどをパラメータに加えても良い。
t=fty(V,θSW) ・・・(2)
ΔR=Rt−Ra ・・・(3)
アクセルオン時後輪トルク算出部すなわちアクセルオン時後輪トルク算出手段76は、例えば車両旋回走行中におけるアクセルオン時に後輪32に分配する後輪トルク(4WDトルク)Tとしてのヨーレイトフィードバックトルク(リヤトルク配分量)Tonを前記ヨーレイト偏差ΔRに応じて算出する。ここで、本実施例におけるアクセルオン時の車両旋回制御では、目標ヨーレイトRtに追従するフィードバック制御を実行するものであり、フィードフォワード項(FF項)とフィードバック項(FB項)とから成るそれぞれのトルクを加算して制御トルクとしてのヨーレイトフィードバックトルクTonを算出する。具体的には、アクセルオン時後輪トルク算出手段76は、所定の関係式からヨーレイト偏差ΔRに基づいて上記FB項の制御ゲインであるPID制御ゲインを算出し、そのPID制御ゲインと駆動トルク算出手段72により算出された駆動トルクTINとに基づいて上記FB項のフィードバックトルクを算出する。また、アクセルオン時後輪トルク算出手段76は、FF項の所定の制御ゲインである一定値のFF制御ゲインと上記駆動トルクTINとに基づいて上記FF項のフィードフォワードトルクを算出する。そして、アクセルオン時後輪トルク算出手段76は、上記算出したフィードバックトルクとフィードフォワードトルクとを加算してヨーレイトフィードバックトルクTonを算出する。
タックイン抑制基準トルク算出部すなわちタックイン抑制基準トルク算出手段78は、例えば車両旋回走行中におけるアクセルオフ時に後輪32に分配する後輪トルク(4WDトルク)Tとしてのタックインを抑制する為のタックイン抑制トルク(リヤトルク配分量)Toffの基準となるトルク(以下、タックイン抑制基準トルク)Tbを算出する。ここで、例えばフロント荷重増となる下り前進走行時にはタックイン現象が発生し易いと考えられる。そこで、本実施例では勾配の強さに応じたすなわち下り勾配を考慮したタックイン抑制基準トルクTbを算出する。具体的には、タックイン抑制基準トルク算出手段78は、先ず、エンジントルクT(スロットル弁開度θTH及びエンジン回転速度Nと同意)と車速Vとをパラメータとして平坦路走行時において発生させられるべき推定加速度g’を求める為の予め求められて記憶された関係(基準加速度マップ)から駆動トルク算出手段72により算出されたエンジントルクTの推定値と車速Vとに基づいて推定加速度g’を算出する。次いで、タックイン抑制基準トルク算出手段78は、次式(4)から上記算出した推定加速度g’及び前後Gセンサ64により検出された車両10の前後加速度Gの値(以下、前後G値)gに基づいて走行勾配における加速度の推定値(以下、推定走行勾配加速度)gdnを算出する。この推定走行勾配加速度gdnは、値が大きい程すなわち前後G値gと推定加速度g’との差が大きい程、勾配が強いことを示している。そして、タックイン抑制基準トルク算出手段78は、次式(5)に従って、推定走行勾配加速度gdnが大きい程タックイン抑制基準トルクTbが大きくなるように予め実験的に求められて設定された図5に示すような関係(基準トルクマップ)maptybから上記算出した推定走行勾配加速度gdnに基づいてタックイン抑制基準トルクTbを算出する。
gdn=g−g’ ・・・(4)
b=maptyb(gdn) ・・・(5)
タックイン抑制トルク係数算出部すなわちタックイン抑制トルク係数算出手段80は、例えばステアリングの操舵角θSWに基づいてドライバのタックインさせる意図を推定するタックイン意図推定手段として機能する。ここで、図6に示すように、車両旋回走行中における旋回軌道が実トレースラインA(線分の短い破線)となる場合(すなわち実ヨーレイトRaAの場合)には、ドライバの意図(車両旋回走行中における旋回軌道の目標軌道である目標トレースライン(実線)すなわち車両旋回走行中におけるドライバの意図を表す目標ヨーレイトRt)よりも車両10が曲がらないことから、ドライバは「アクセルオフして意図的に(積極的に)タックインさせ、狙ったトレースライン(目標トレースライン)にのせたい」という意図が大きくなる、つまりドライバのタックインさせる意図が大きいと考えられる。一方で、車両旋回走行中における旋回軌道が実トレースラインB(線分の長い破線)となる場合(すなわち実ヨーレイトRaBの場合)には、ドライバの意図近くに車両10が曲がっていることから、ドライバは「アクセルオフの状態でもタックインを発生させずに、現状の状態を維持したい」という意図が大きくなる、つまりドライバのタックインさせる意図が小さいと考えられる。そこで、タックイン抑制トルク係数算出手段80は、例えば実トレースラインAのようにヨーレイト偏差ΔRが比較的大きくなるときにはドライバのタックインさせる意図が大きいと推定し、実トレースラインBのようにヨーレイト偏差ΔRが比較的小さくなるときにはドライバのタックインさせる意図が小さいと推定する。つまり、タックイン抑制トルク係数算出手段80は、ヨーレイト偏差ΔRが大きい程、ドライバのタックインさせる意図が大きいと推定する。
そして、例えば図6の実トレースラインAのようにドライバのタックインさせる意図が大きいと推定した場合には、車両旋回走行中におけるアクセルオフ時に後輪32に分配する後輪トルク(4WDトルク)Tすなわちタックイン抑制トルクToffを低くし、タックインを誘発(発生)させ易くすれば良い。一方、例えば図6の実トレースラインBのようにドライバのタックインさせる意図が小さいと推定した場合には、タックイン抑制トルクToffを高くし、タックインを抑制させ易くすれば良い。つまり、ドライバのタックインさせる意図が大きい程、そのタックインが発生し易いようにタックイン抑制制御における駆動トルクの制御量であるタックイン抑制トルクToffを抑制する。具体的には、タックイン抑制トルク係数算出手段80は、次式(6)に従って、ヨーレイト偏差ΔRが大きい程タックイン抑制トルク係数ktyofが小さくなるように予め実験的に求められて設定された図7に示すような関係(抑制トルク係数マップ)maptyofからヨーレイト偏差算出手段74により算出されたヨーレイト偏差ΔRに基づいてタックイン抑制トルク係数ktyofを算出する。タックイン抑制トルク係数ktyofは、例えばドライバのタックインさせる意図に対応した係数であり、後述するようにタックイン抑制基準トルクTbに掛けることでタックイン抑制トルクToffを算出する為の係数である。よって、タックイン抑制トルク係数ktyofは、例えば0乃至1.0の数値とされ、小さい程、タックイン抑制トルクToffが抑制される。
ktyof=maptyof(ΔR) ・・・(6)
タックイン抑制トルク算出部すなわちタックイン抑制トルク算出手段82は、例えば車両旋回走行中におけるアクセルオフ時に後輪32に分配する後輪トルク(4WDトルク)Tとしてのタックイン抑制トルクToffをタックイン抑制トルク係数ktyofに基づいて算出する。具体的には、タックイン抑制トルク算出手段82は、次式(7)からタックイン抑制トルク係数算出手段80により算出されたタックイン抑制トルク係数ktyof及びタックイン抑制基準トルク算出手段78により算出されたタックイン抑制基準トルクTbに基づいてタックイン抑制トルクToffを算出する。
off=ktyof×Tb ・・・(7)
制御トルク決定部すなわち制御トルク決定手段84は、例えば車両旋回中に後輪32に分配する後輪トルク(4WDトルク)Tの最終演算値としての制御トルクTを、アクセルオン時のヨーレイトフィードバックトルクTon及びアクセルオフ時のタックイン抑制トルクToffのうちで優位な方のトルクから決定する。具体的には、制御トルク決定手段84は、次式(8)に従って、アクセルオン時後輪トルク算出手段76により算出されたヨーレイトフィードバックトルクTon及びタックイン抑制トルク算出手段82により算出されたタックイン抑制トルクToffのうちで大きな方のトルクを逐次選択し、選択したトルクを制御トルクTとする。これは、例えば、アクセルオフ時には、エンジントルク変化の応答遅れ分を除き、ヨーレイトフィードバックトルクTonがタックイン抑制トルクToffを下回ることになるので、タックイン抑制トルクToffが制御トルクTとして選択されるという観点に基づいている。
=max(Ton,Toff) ・・・(8)
フィルタ処理部すなわちフィルタ処理手段86は、例えば制御トルクTに対してフィルタ処理を実施する。具体的には、フィルタ処理手段86は、所定のフィルタから制御トルク決定手段84が決定した制御トルクTに基づいてフィルタ処理後の制御トルクTfを算出する。加えて、前記制御トルクTはヨーレイトフィードバックトルクTon及びタックイン抑制トルクToffのうちで大きな方のトルクが逐次選択されたトルクであるので、それらトルクの間の繋ぎを滑らかにしたりトルク急変を抑制するという観点から、フィルタ処理手段86は、例えばフィルタ処理後の制御トルクTfを平滑処理(ガード処理)する。具体的には、フィルタ処理手段86は、所定の平滑処理から上記フィルタ処理後の制御トルクTfに基づいて平滑処理後の制御トルクtrearを算出する。
カップリング係合トルク制御部すなわちカップリング係合トルク制御手段88は、例えば電磁ソレノイド36に供給される電流をフィルタ処理手段86による平滑処理後の制御トルクtrearに従って制御することによりカップリング26の係合トルクを制御する。つまり、カップリング係合トルク制御手段88は、上記制御トルクtrearがカップリング26を介して後輪32へ伝達されるようにカップリング26の係合トルクを制御する。
図8は、電子制御装置70の制御作動の要部すなわちドライバの意図した車両旋回走行が為されるようにタックイン抑制トルクToffを適切に制御する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。図9は、図8のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートである。
図8において、先ず、アクセルオン時後輪トルク算出手段76に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、例えば車両旋回走行中におけるアクセルオン時に後輪32に分配する後輪トルク(4WDトルク)Tとしてのヨーレイトフィードバックトルク(リヤトルク配分量)Tonがヨーレイト偏差ΔRに応じて算出される。次いで、タックイン抑制基準トルク算出手段78に対応するS20において、例えば勾配の強さに応じたすなわち下り勾配を考慮したタックイン抑制基準トルクTbが算出される。次いで、タックイン抑制トルク係数算出手段80に対応するS30において、例えばヨーレイト偏差ΔRに基づいてタックイン抑制トルク係数ktyofが算出される。次いで、タックイン抑制トルク算出手段82に対応するS40において、例えば上記S30にて算出されたタックイン抑制トルク係数ktyof及び上記S20にて算出されたタックイン抑制基準トルクTbに基づいて、車両旋回走行中におけるアクセルオフ時に後輪32に分配する後輪トルク(4WDトルク)Tとしてのタックイン抑制トルク(リヤトルク配分量)Toff(=ktyof×Tb)が算出される。次いで、制御トルク決定手段84に対応するS50において、例えば上記S10にて算出されたヨーレイトフィードバックトルクTon及び上記S40にて算出されたタックイン抑制トルクToffのうちで大きな方のトルクが逐次選択され、選択されたトルクが制御トルクT(=max(Ton,Toff))とされる。次いで、フィルタ処理手段86に対応するS60において、例えば上記S50にて決定された制御トルクTに対してフィルタ処理が実施されてフィルタ処理後の制御トルクTfが算出される。加えて、そのフィルタ処理後の制御トルクTfが平滑処理されて平滑処理後の制御トルクtrearが算出される。
図9において、線分の短い破線は旋回軌道が例えば図6に示す実トレースラインAとなってヨーレイト偏差ΔRが比較的大きくなるときの場合であり、ドライバのタックインさせる意図が大きいと推定されてアクセルオフ時のタックイン抑制トルクToffが比較的小さくされる。一方、線分の長い破線は旋回軌道が例えば図6に示す実トレースラインBとなってヨーレイト偏差ΔRが比較的小さくなるときの場合であり、ドライバのタックインさせる意図が小さいと推定されてアクセルオフ時のタックイン抑制トルクToffが比較的大きくされる。よって、アクセルオフの際に、タックイン抑制トルクToffが制御トルクTとして選択される期間では、ドライバのタックインさせる意図が適切に反映される。すなわち、ドライバのタックインさせる意図が大きいと推定される場合には、アクセルオフ時にタックインが誘発され易くなり(線分の短い破線)、ドライバのタックインさせる意図が小さいと推定される場合には、アクセルオフ時にタックインが抑制され易くなる(線分の長い破線)。尚、図9の実線は、例えばフィルタ処理前の制御トルクT、或いは平滑処理前の制御トルクTfを示すものであり、フィルタ処理或いは平滑処理が為された場合には、アクセルオン時のヨーレイトフィードバックトルクTonとアクセルオフ時のタックイン抑制トルクToffとの繋ぎ部分が滑らかな曲線に成ることは言うまでもない。
上述のように、本実施例によれば、操舵角θSWに基づいて推定したドライバのタックインさせる意図が大きい程、そのタックインが発生し易いようにタックイン抑制制御における駆動トルクの制御量(タックイン抑制トルクToff)が抑制されるので、例えば車両旋回中におけるタックインの発生に際してドライバのタックインさせる意図をも考慮した形でタックインを抑制する為のタックイン抑制トルクToffを適切に制御することができる。つまり、ドライバの意図した車両旋回走行が為されるようにタックインを抑制する為のタックイン抑制トルクToffを適切に制御することができる。
また、本実施例によれば、アクセルオフ時の操舵角θSWに基づいてドライバのタックインさせる意図を推定するので、例えばアクセルオフに伴う車両旋回中におけるタックインの発生に際して、ドライバの意図した車両旋回走行が為されるようにタックインを抑制する為のタックイン抑制トルクToffを一層適切に制御することができる。
また、本実施例によれば、操舵角θSWに基づいて算出される車両旋回挙動に関する目標値(目標ヨーレイトRt)と、その車両旋回挙動に関する実測値(ヨーレイトセンサ68により検出された実ヨーレイトRa)との偏差(ヨーレイト偏差ΔR)が大きい程、ドライバのタックインさせる意図が大きいと推定するので、例えば操舵角θSWに基づいてドライバのタックインさせる意図が一層適切に推定される。
また、本実施例によれば、ヨーレイト偏差ΔRと前記ドライバのタックインさせる意図に対応したタックイン抑制トルク係数ktyofとの予め設定された関係(抑制トルク係数マップ)maptyofから、ヨーレイト偏差ΔRに基づいてタックイン抑制トルク係数ktyofを算出し、その算出したタックイン抑制トルク係数ktyofに基づいてタックイン抑制制御におけるタックイン抑制トルクToffを抑制するので、例えばドライバのタックインさせる意図に応じてタックインを抑制する為のタックイン抑制トルクToffを適切に制御することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、本発明が適用される車両として前置エンジン前輪駆動(FF)を基本とする前後輪駆動車両10を例示したが、このような車両10に限らず、例えば車両旋回中におけるタックインの発生に際してそのタックインを抑制するように駆動輪へ伝達される駆動力関連値を制御するタックイン抑制制御を実行する車両であれば、操舵角θSWに基づいて推定したドライバのタックインさせる意図が大きい程、そのタックインが発生し易いようにタックイン抑制制御における駆動トルクの制御量を抑制するという本発明の技術思想は適用され得る。より具体的には、前述の実施例のカップリング26は、後輪用差動歯車装置28側に設けられていたが、前輪用差動歯車装置16側に設けられていても本発明は適用され得る。つまり、前置エンジン後輪駆動(FR)を基本とする前後輪駆動車両であっても良い。この場合には、1対の後輪32が主駆動輪となり1対の前輪20が副駆動輪となる。
例えば、前述の実施例では、摩擦係合装置として電磁式の駆動力配分カップリング26に本発明が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、油圧式カップリングに本発明が適用されてもよい。この場合、カップリング係合トルク制御手段88は、例えば、その油圧式カップリングに作動油圧を供給する油圧制御回路に設けられたリニアソレノイド弁に供給される電流を制御することによりその油圧式カップリングの伝達トルクを制御する。また、伝達トルクを決定する磁粉の結合力が電磁力によって制御される磁粉式カップリングが適用されてもよい。
また、前述の実施例では、駆動トルクTINがエンジントルクTから一義的に定められていたが、変速比γ分等が既知であるので駆動トルクTINに替えてエンジントルクTのみがその代替値として用いられてもよい。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:前後輪駆動車両(車両)
20:前輪(駆動輪)
32:後輪(駆動輪)
70:電子制御装置(制御装置)

Claims (5)

  1. 車両旋回中におけるタックインの発生に際して該タックインを抑制するように駆動輪へ伝達される駆動力関連値を制御するタックイン抑制制御を実行する車両の制御装置であって、
    操舵角に基づいてドライバのタックインさせる意図を推定し、
    前記タックインさせる意図が大きい程、該タックインが発生し易いように前記タックイン抑制制御における駆動力関連値の制御量を抑制することを特徴とする車両の制御装置。
  2. アクセルオフ時の操舵角に基づいて前記ドライバのタックインさせる意図を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記操舵角に基づいて算出される前記車両旋回挙動に関する目標値と、該車両旋回挙動に関する実測値との偏差が大きい程、前記ドライバのタックインさせる意図が大きいと推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記車両旋回挙動に関する目標値は、前記操舵角に基づいて算出されるヨーレイトの目標値であり、
    前記車両旋回挙動に関する実測値は、センサにより検出されるヨーレイトの実際値であることを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記偏差と前記ドライバのタックインさせる意図に対応した係数との予め設定された関係から、該偏差に基づいて該係数を算出し、該算出した係数に基づいて前記タックイン抑制制御における駆動力関連値の制御量を抑制することを特徴とする請求項3又は4に記載の車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015009567A (ja) * 2013-06-26 2015-01-19 スズキ株式会社 車両の駆動力配分制御装置

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