JP2011224779A - クリアインク、インクジェット記録方法、インクセット、及びインクカートリッジ - Google Patents

クリアインク、インクジェット記録方法、インクセット、及びインクカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット記録に用いた場合に、発色性に優れ、かつ、グロスチェンジが改善された画像を記録することができるクリアインクを提供すること、より具体的には、グロスチェンジが改善され、かつ、正反射光量の少ない、滑らかな表面の画像が得られるクリアインクを提供する。
【解決手段】少なくとも、ポリマー微粒子、及び、1,2−アルカンジオールを含有してなり、前記ポリマー微粒子が、変性ポリエチレンエマルションであり、かつ、その密度が940kg/m3以上960kg/m3以下であることを特徴とするクリアインク。
【選択図】なし

Description

本発明は、クリアインク、該インクを用いたインクジェット記録方法、インクセット、及びインクカートリッジに関する。
近年、インクジェット記録技術の進歩により、一般家庭においても比較的容易、かつ、安価に、銀塩写真やオフセット印刷で実現されているような、高精細で高い発色性を有する画像を記録することが可能になってきている。
高い発色性を実現するためには、色材として染料を含有する染料インクを用いると、粒状感がなく良好な画像が得られるが、その一方で、画像が、耐光性、耐水性、耐ガス性などの堅牢性に劣るという課題がある。このため、近年では、色材として顔料を含有する顔料インクが用いられるようになってきている。顔料インクでは、記録媒体への顔料の定着性や、画像の耐擦過性などの堅牢性をより向上させることを目的として、水溶性のポリマーにより顔料が分散された、いわゆる樹脂分散顔料を含有する顔料インクが広く使用されるようになっている。
このような顔料インクでは、インクが紙などの記録媒体に付着した後、インクが乾燥する過程で、水や揮発性の水溶性有機溶剤などが蒸発することに伴って、顔料の分散状態の安定性が崩れ、顔料の凝集が起こりやすいという問題がある。そして、凝集した顔料が記録媒体の表面上に析出すると、画像表面の平滑性が低くなり、散乱光量の増加により画像がくすむ。また、画像層の屈折率が高いと、画像表面の正反射光量が多く、顔料本来の色成分である拡散光量を相対的に減少させてしまうことにより、優れた発色性を有する、高品位な画像が得られないという問題が生じる。また、このような顔料インクで記録した画像は、指の爪などによる強い擦れに対して削れにくい、すなわち、耐擦過性が向上するが、その一方で、爪などで画像を軽く擦った際に、画像表面の変形により、光沢が変化する、グロスチェンジ現象に対する問題があった。
顔料インク画像における、発色性の向上と、グロスチェンジの改善という課題に対しては、これらを解決するための試みがなされてきている。例えば、ポリマー微粒子を顔料インクに含有させることで、グロスチェンジを低減させることができるとする提案がある(特許文献1参照)。そして、前記ポリマー微粒子として、ポリエステルエマルションを使用することが記載されている。
また、画像の耐擦過性を高めるために、平均粒径の異なる少なくとも2種類のワックスを含有するインクに関する提案があり、該インクで記録した画像の発色性も向上することが記載されている(特許文献2参照)。さらに、顔料とポリエチレン系ワックスなどのポリオレフィンワックスを含むインクに関する提案がある(特許文献3参照)。
特開2005−162981号公報 特開2007−277290号公報 特開2005−048108号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、上記で挙げたような従来の技術には以下のような問題があることがわかった。先ず、特許文献1に記載されたポリマー微粒子であるポリエステルエマルションは、ポリマー材料の中でも屈折率が比較的高い。したがって、画像表面の正反射光量が多く、色材本来の色成分である拡散光量を相対的に減少させているため、画像の見た目の発色性が十分に満足のいくものではないことがわかった。
また、本発明者らは、特許文献2及び3の実施例に記載されているような、ポリマー微粒子を含有するクリアインクと顔料インクとのインクセットを用いて記録した画像についての詳細な検討を行った。なお、この際に使用したポリマー微粒子は、これらの文献に記載されているポリエチレンワックス(ケミパールW4005;三井化学製、及び、ノプコートPEM17;サンノプコ製)である。その結果、確かに画像の耐擦過性が向上したものの、ポリマー微粒子の密度が低いため、指の爪などで画像を軽く擦った際に、擦った部分の光沢が変化しており、上記の方法ではグロスチェンジ現象は改善されないことが判明した。
したがって、本発明の目的は、例えば、インクジェット記録に用いた場合に、発色性に優れ、かつ、グロスチェンジが改善された画像を記録することができるクリアインクを提供することにある。より具体的には、グロスチェンジが改善され、かつ、正反射光量の少ない、滑らかな表面の画像が得られるクリアインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、該クリアインクを用いることで、発色性の向上とグロスチェンジの改善を達成した画像記録を可能とするインクジェット記録方法、インクセットを提供することにある。
上記の目的は下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、少なくとも、ポリマー微粒子、及び、1,2−アルカンジオールを含有してなり、前記ポリマー微粒子が、変性ポリエチレンエマルションであり、かつ、その密度が940kg/m3以上960kg/m3以下であることを特徴とするクリアインク、さらには、該インクを用いたインクジェット記録方法、インクセットなどを提供する。
本発明によれば、特にインクジェット記録に用いた場合に、発色性に優れ、かつグロスチェンジが改善された画像の記録ができるクリアインクが提供される。より具体的には、グロスチェンジが改善され、かつ、正反射光量の少ない、滑らかな表面の画像の記録を可能とするクリアインクが提供される。また、本発明によれば、該クリアインクを用いることで、発色性の向上とグロスチェンジの改善を達成した画像の記録が可能なインクジェット記録方法、インクセット、及びインクカートリッジが提供される。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の記載においては、本発明のクリアインクを構成する変性ポリエチレンエマルションのことを、単に「ポリマー微粒子」と省略して呼ぶことがある。また、本発明における「記録デューティ」とは、記録媒体へのインクの付与量が15.64g/m2である場合の記録デューティを100%と定義する。例えば、単位面積(縦解像度600dpi×横解像度600dpi)に、1滴の質量が3.5ng(ナノグラム)であるインク滴を8ドット付与する場合を、記録デューティが100%であるとするものである。
<クリアインク>
以下、本発明のクリアインクを構成する各成分について説明する。本発明のクリアインクは、無色、乳白色、ないしは白色であることが好ましい。特には、純水で50倍(質量倍)に希釈したクリアインクの吸光スペクトルが、400nm乃至800nmの範囲においてピークを有さず、かつ、400nm乃至800nmの範囲におけるabs値が1.0以下であることが好ましい。また、本発明のクリアインクは、記録媒体に該クリアインクが付与された際に無色透明の皮膜を形成することができることが好ましい。このようなクリアインクは、染料や顔料などの色材を含有しないことが好ましい。
(変性ポリエチレンエマルション)
本発明のクリアインクを特徴づけるポリマー微粒子は、その密度が、940kg/m3以上960kg/m3以下である変性ポリエチレンエマルションである。クリアインク中において該ポリマー微粒子は水性媒体に分散された、いわゆるエマルションの状態として存在する。本発明において用いる特定の密度範囲を示す変性ポリエチレンエマルションとしては、下記に挙げるようなものがある。例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性した酸変性ポリエチレンエマルションや、酸化変性によって極性基を導入した酸化変性ポリエチレンエマルションなどが挙げられ、いずれも本発明に好ましく用いることができる。すなわち、このように変性させることで、クリアインク中でのポリマー微粒子の分散安定性が増す。そして、クリアインクが記録媒体に付与された後のポリマー微粒子の急激な凝集が抑制されることで、滑らかな表面の画像を得ることを可能にする。さらに、前記特定の密度範囲を示す変性ポリエチレンエマルションは、ポリマー材料の中でも極性が低い部類に属し、電子密度も低いため、屈折率が比較的低いポリマー膜が作製できるという利点がある。
先に述べたように、本発明のクリアインクを用いることで、グロスチェンジが改善され、かつ、正反射光量の少ない、滑らかな表面の画像の記録ができる。そして、かかる効果を得るためには、特定の密度範囲を有するポリマー微粒子を含有させることが必要となるが、その理由について詳述する。本発明のクリアインクは、密度が940kg/m3以上960kg/m3以下である変性ポリエチレンエマルション(ポリマー微粒子)を含有するものであることを要するが、この理由を本発明者らは以下のように考えている。まず、ポリマー微粒子の密度が940kg/m3未満であると、分子同士の分子間力や親和力の作用が弱く、これを使用したとしてもポリマー膜として十分な剛性が得られない。そのため、指の爪などで画像を軽く擦った際にグロスチェンジが起こってしまう。その一方、ポリマー微粒子の密度が960kg/m3を超えると、これを使用したとしても顔料インクで記録した画像の発色性が十分に満足のいくものでなくなってしまうが、本発明者らは、これらが生じる理由を以下のように考えている。画像の見た目の発色性は、顔料本来の色成分である拡散光量と、発色性の低下因子である画像表面の正反射光量や散乱光量の割合に依存する。そして、ポリマー微粒子の密度が高いと、電子密度も高まり、ポリマー膜としての屈折率が向上し、そのために、画像表面の正反射光量が増加してしまい、顔料本来の色成分である拡散光量を相対的に減少させる。さらに、前記密度が960kg/m3を超えると、拡散光量の低下が顕著となり、その結果、発色性が低下するものと考えている。
なお、クリアインク中に含まれる構成が未知のポリマー微粒子についての組成及び密度は、例えば、以下の方法でクリアインク中のポリマーを分離し、気体置換法による密度測定を行うことで求めることができる。まず、ポリマー微粒子を含有するクリアインクについて、透析膜を用いて水溶性の成分を除去し、クリアインク中からポリマー微粒子を取り出す。そして、得られたポリマー微粒子を水に再分散させた後、この水分散液に酸を滴下してポリマー微粒子の分散状態を不安定化させる。次に、この液体を回転数80,000rpmで15時間遠心分離することによってポリマー成分を分離する。次に、分離したポリマー成分を水で数回洗浄した後、減圧乾燥させることで固形のポリマーを得る。最後に、このようにして得たポリマーを、熱分解GC/MS及びNMRによって、ポリマーを構成するモノマー組成を求める。また、前記ポリマーの密度は気体置換法などにより求めることができるが、後述する実施例では乾式自動密度計アキュピック1330−03(マイクロメリティックス製)を用いて求めた。
〔ポリマー微粒子の体積平均粒子径〕
本発明のクリアインクに使用するポリマー微粒子は、その体積平均粒子径が30nm以上200nm以下であることが好ましい。体積平均粒子径が30nm未満であるポリマー微粒子を含有するクリアインクを記録媒体に付与すると、ポリマー微粒子が記録媒体の内部に浸透する割合が増えることになり、逆に、記録媒体の表面上に残存するポリマー微粒子の割合が減るので好ましくない。このような理由から、ポリマー微粒子の体積平均粒子径が30nm未満であると、画像のグロスチェンジを十分に改善できない場合や、画像の発色性を十分に向上させることができない場合がある。一方、ポリマー微粒子の体積平均粒子径が200nmを超えると、画像表面の平滑性が低下し、画像の発色性を十分に向上させることができない場合があるので好ましくない。
なお、本発明における体積平均粒子径とは、下記の条件で測定したもののことである。すなわち、純水で50倍(体積基準)に希釈したポリマー微粒子について、UPA−EX150(日機装製)を使用して、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定した体積平均粒子径のことである。勿論、本発明で使用するポリマー微粒子の体積平均粒子径を測定する装置や条件などは、上記に限られるものではない。
〔クリアインク中のポリマー微粒子の含有量〕
クリアインク中のポリマー微粒子の含有量(質量%)は、クリアインク全質量を基準として、1.0質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。含有量が1.0質量%未満であると、十分な量のポリマー微粒子が記録媒体の表面上に残存することができず、画像のグロスチェンジを十分に改善できない場合や、画像の発色性を十分に向上させることができない場合があるので好ましくない。一方、含有量が5.0質量%を超えると、クリアインク中の固形分の含有量が高くなり過ぎる。そのため、クリアインクを記録媒体に付与した際に、記録媒体の表面上に形成されるドットが高くなって画像表面の平滑性が低下し、画像の発色性を十分に向上できない場合があるので好ましくない。
(1,2−アルカンジオール)
本発明のクリアインクは、上記したポリマー微粒子とともに、1,2−アルカンジオールを含有させることを要する。本発明のクリアインクに、前記ポリマー微粒子に加えて、1,2−アルカンジオールを必須成分として添加した構成とすることで、画像の発色性が向上し、グロスチェンジが改善される理由を、本発明者らは以下のように考えている。まず、発色性の低下は、記録媒体や顔料インクで記録した画像の表面の平滑性はクリアインクの付与によっても低下する場合があり、それによって生じる散乱光の増加が原因の一つと考えられる。記録媒体や画像の表面の平滑性が低下するのは、クリアインクのドットの表面張力が高く、記録媒体や画像の表面とクリアインクの液滴との接触角が高いために、クリアインクで形成された複数のドットが互いに濡れ広がらないことが原因であると考えられる。これに対し、ポリマー微粒子を含むクリアインクに1,2−アルカンジオールを添加すれば、記録媒体に付着したクリアインクの表面張力を低減させることが可能となる。このため、当該構成を有する本発明のクリアインクは、記録媒体に付着したドットが、隣接するドットと接触して互いに濡れ広がり、その結果、画像表面の平滑性が高まると考えられる。さらに、1,2−アルカンジオールは、水溶性有機溶剤の中では疎水性が比較的高い部類であるが、このことも、本発明の効果の発現の一因となっていると考えられる。すなわち、ポリマー微粒子として特定の密度の変性ポリエチレンエマルションを有する本発明のインクの場合、1,2−アルカンジオールが、クリアインクの乾燥定着過程で前記エマルションを軟化、ないしは、その一部を溶解させる。そして、このことがエマルション同士の密着性を高め、さらには画像表面の強度を高め、このことが、画像を爪で軽く擦った際の変形によるグロスチェンジの発生を有効に防いでいるものと考えている。
本発明のクリアインクに用いる1,2−アルカンジオールとしては、炭素数が3乃至8の直鎖又は分岐のアルカンジオールが好ましい。中でも、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールが特に好ましい。クリアインク中の1,2−アルカンジオールの含有量(質量%)は、1.0質量%以上10.0質量%以下、さらには、3.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。含有量が1.0質量%未満であると、インクが記録媒体に付与された後の、ポリマー微粒子の急激な凝集を抑制しにくくなるため、画像表面の平滑性が低下し、画像の発色性が十分に得られない場合がある。一方、含有量が10.0質量%を超えると、インクの粘度が上昇し過ぎて、クリアインクをインクジェット用とした場合に必要となる吐出安定性が十分に得られない場合があるので好ましくない。また、インクの粘度が上昇すると、十分な量のクリアインクを付与することが難しくなる場合もあり、画像のグロスチェンジを十分に改善できないことや、画像の発色性を十分に向上させることができない場合があることも懸念される。
上記した1,2−アルカンジオールと前記ポリマー微粒子とを含有させてなる本発明のクリアインクでは、クリアインク中における前記ポリマー微粒子の含有量を、添加する1,2−アルカンジオールの添加量との関係で決定することが好ましい。すなわち、前記ポリマー微粒子の含有量(質量%)が、1,2−アルカンジオールの含有量(質量%)に対する質量比率で、0.20倍以上1.25倍以下、より好ましくは、0.40倍以上1.00倍以下の範囲となるようにすることが好ましい。質量比率が0.20倍未満であると、1,2−アルカンジオールの含有量がポリマー微粒子の含有量に対して過剰となり、ポリマー微粒子の軟化や溶解が必要以上に促進される。そのため、ポリマー微粒子の分散安定性の低下やインクの粘度の上昇により、クリアインクをインクジェット用として用いる場合に必要となる吐出安定性が十分に得られない場合があるので好ましくない。また、インクの粘度が上昇すると、十分な量のクリアインクを付与することが難しくなる場合もあり、画像のグロスチェンジを十分に改善できないことや、画像の発色性を十分に向上させることができない場合も懸念される。一方、1.25倍を超えると1,2−アルカンジオールの含有量がポリマー微粒子の含有量に対して不足するため、クリアインクの乾燥定着過程でのポリマー微粒子の軟化や溶解が不十分となる。そのため、ポリマー微粒子同士の密着性が十分得られず、画像を爪で軽く擦った際の変形によるグロスチェンジの発生を有効に防ぐことができない場合もある。
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
本発明のクリアインクには、上記した成分に加えて、さらに、界面活性剤として機能する、アルキル基の炭素原子数が8以上20以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有させることが好ましい。この場合、アルキル基の炭素原子の数が8未満であると、ポリマー微粒子との親和性が低下し、記録媒体へクリアインクが付与された後のポリマー微粒子の急激な凝集を抑制しにくくなる。一方、当該成分のアルキル基の炭素原子の数が20を超えると、クリアインクを構成する水性媒体に対する溶解性が低いため、高温条件下で保存した際に、この界面活性剤が分離し、クリアインクとしての性能が劣化してしまう場合があるため好ましくない。本発明で用いるポリオキシエチレンアルキルエーテルにおけるアルキル基としては、ラウリル基、セチル基、又はオレイル基であることが特に好ましい。クリアインク中におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量(質量%)は、クリアインク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。このような界面活性剤として機能する成分を含有させることで、記録媒体へのインク着弾後の、クリアインク中のポリマー微粒子の急激な凝集を回避又は抑制することが可能となる。その結果、画像層のポリマー微粒子が密に詰まり、さらに画像表面の平滑性が向上することにより、グロスチェンジの改善と発色性の向上が達成できる。
(水性媒体)
クリアインクには、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。クリアインク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、クリアインク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。なお、この水溶性有機溶剤の含有量は、本発明のクリアインクの成分として必須の上述した1,2−アルカンジオールの含有量を含むものである。水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、当該技術分野で、インクジェット用のインク用として知られている水溶性有機溶剤がいずれも使用できる。また、水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。クリアインク中の水の含有量(質量%)は、クリアインク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
本発明のクリアインクには、水性媒体中でのポリマー微粒子の分散状態をより安定にするために、分散剤を含有させることができる。分散剤としては、界面活性剤や水溶性樹脂などが挙げられる。本発明においては、ポリマー微粒子を分散させるための水溶性樹脂として、インクジェット用のインクにおいて顔料を分散させるために一般的に用いられるような(メタ)アクリル酸系ポリマーなどを用いることが特に好ましい。また、クリアインクは、上記成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。クリアインク中のこれらのような水溶性有機化合物の含有量(質量%)は、クリアインク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下、さらには1.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。さらに、必要に応じて所望の物性値を有するクリアインクとするなどのために、先に述べた以外の界面活性剤、水溶性ポリマー、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
<顔料インク>
本発明のクリアインクは、顔料インクと組み合わせてクリアインクとのインクセットとして用いることもできる。以下、本発明のクリアインクと共に使用可能な顔料インクを構成する各成分について説明する。
(顔料)
顔料インクに用いる色材は、当該技術分野で公知のカーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料が挙げられる。顔料の分散方式としては、顔料粒子の表面に親水性基やポリマーを結合させた自己分散顔料、高分子分散剤(ポリマー)などを用いた樹脂分散顔料、マイクロカプセル顔料などの公知の分散方式を使用することができる。顔料インク中の顔料の含有量(質量%)は、顔料インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下、さらには1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
(ポリマー成分)
顔料インクには、上記で説明した樹脂分散顔料とする場合に、分散剤として使用するポリマーの他に、さらに別のポリマーを添加することもでき、また、自己分散顔料やマイクロカプセル顔料とする場合にも、さらにポリマーを添加することもできる。このようなポリマーは、水性媒体中に顔料を、さらに安定に分散させるために用いても、又は他の目的でインクに添加してもよい。
顔料インクに添加することができるポリマーは、どのようなポリマーであってもよいが、下記のようなものが使用できる。例えば、先に説明したような、本発明のクリアインクを構成するポリマー微粒子や、それとは異なるポリマー微粒子、さらには、インクジェット用のインクに一般的に用いられるような(メタ)アクリル酸系ポリマーなどが挙げられる。顔料インクに添加することができるポリマーの形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩などが挙げられる。これらのポリマーは、塩基を溶解した水溶液に可溶なアルカリ可溶型ポリマーであることが好ましい。上記のポリマーの中でも、記録媒体上における顔料インクとクリアインクとの相溶性の観点から、クリアインクに含有させるポリマー微粒子と同じものを顔料インクにも含有させることが特に好ましい。
(水性媒体及びその他の成分)
顔料インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。顔料インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、顔料インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、クリアインクに使用可能なものとして挙げた、水溶性有機溶剤と同様のものを使用することができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。顔料インク中の水の含有量(質量%)は、顔料インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、顔料インクには、上記のクリアインクに使用可能なものとして挙げた、その他の成分と同様のものを使用することができる。
<記録媒体>
本発明のクリアインクやこれを組み合わせたインクセットを構成する各インクを付与する記録媒体は、どのようなものであってもよい。好ましくは、顔料インク中の顔料や、クリアインク中のポリマー微粒子を、記録媒体の表面上に存在させることができるような記録媒体を用いる。このような記録媒体としては、例えば、膨潤型や吸収型の記録媒体が挙げられる。先に述べた本発明における顕著な効果を得るためには、インク受容層が光沢を有する記録媒体を用いることが好ましく、さらには、インク受容層が光沢を有する層を含むような記録媒体であることがより好ましい。具体的には、記録媒体表面の20°グロスの値が10以上であるような記録媒体を用いることが好ましい。なお、20°グロスの値は、例えば、マイクロヘイズメーター(BYKガートナー製)を用いて測定することができる。
このような特性を有する記録媒体としては、例えば、以下のものを挙げることができる。キヤノン写真用紙・光沢 ゴールドGL−101、キヤノン写真用紙・光沢 プロフェッショナルPR−201(以上、キヤノン製)。写真用紙クリスピア 高光沢、写真用紙 光沢(以上、エプソン製)。画彩写真仕上げPro、画彩写真仕上げHi(以上、富士フイルム製)。勿論、本発明のクリアインクを付与することができる記録媒体は、これに限られるものではない。
<インクジェット記録方法>
本発明のクリアインクは、クリアインクをインクジェット方式で吐出して、記録媒体に付与する本発明のインクジェット記録方法に用いる。特に、本発明においては、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法を好ましく用いることができる。本発明のインクジェット記録方法は、本発明のクリアインクを収容する収容部と、クリアインクを吐出するための記録ヘッドとを備えてなるインクジェット記録装置を用いて行うことが好ましい。しかしながら、装置の構成は特に制限はなく、公知のインクジェット記録装置をいずれも使用できる。
また、本発明の別のインクジェット記録方法は、本発明のクリアインクと顔料インクとを用いるインクジェット記録方法であって、以下の工程を有することを特徴とする。すなわち、顔料インクを用いて記録媒体に記録を行う工程(I)、及び、クリアインクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与する工程(II)、を有する。これらの工程(I)及び工程(II)は、例えば、工程(I)の後に工程(II)を行う場合、工程(II)の後に工程(I)を行う場合、さらにはこれらを組み合わせる場合などが考えられ、どのような順序で行ってもよい。しかし、本発明においては、顔料インクで記録した画像の上に本発明のクリアインクを付与することで、画像をポリマー膜で保護するため、記録媒体の少なくとも一部の領域において、工程(I)を行った後に工程(II)を行うことが特に好ましい。さらに、上記工程(I)によりクリアインクが記録媒体に付与される領域と、上記工程(II)により顔料インクが記録媒体に付与される領域とが、少なくとも一部で重なるようにすることが特に好ましい。
なお、本発明のインクジェット記録方法では、少なくとも本発明のクリアインクをインクジェット方式で記録媒体に付与することが必要であるが、顔料インクを記録媒体に付与する方法は特に限定されるものではない。しかし、本発明のインクジェット記録方法においては、クリアインクだけでなく、顔料インクもインクジェット方式により吐出して記録媒体に記録を行うことが好ましい。このような構成のインクジェット記録方法では、顔料インクで記録した画像を少なくとも含む領域など、意図した領域にクリアインクを的確に付与することができ、また、クリアインクの付与量も適切に調整することができるからである。なお、インクジェット方式による顔料インク及びクリアインクの付与量は、記録デューティなどを適切に決定することで調節できる。
<インクセット>
本発明のクリアインクは、少なくとも1種の顔料インクと組み合わせて本発明のインクジェット用のインクセットとできる。顔料インクの色相は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン、及びブルーなどのインクから1種又は2種以上を選択することができる。また、インクセットを構成する顔料インクとして、上記のインクと互いに同じ色相を有し、顔料の含有量がそれぞれ異なる複数のインクを用いてもよい。このような複数のインクの組み合わせとしては、ブラック、淡ブラック、グレー、及び淡グレーなどのブラックの色相を有するインクが挙げられる。また、濃シアン、中シアン、及び淡シアンなどのシアンの色相を有するインク、さらには、濃マゼンタ、中マゼンタ、及び淡マゼンタなどのマゼンタの色相を有するインクが挙げられる。勿論、本発明はこれらの色相のインクに限られるものではなく、また、濃、中、淡などのインクの名称もこれらに限られるものではない。
<インクカートリッジ>
本発明のクリアインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジとしては、かかるクリアインクを収容する収容部を備えた本発明のインクカートリッジが挙げられる。本発明のインクカートリッジは、上記収容部に本発明のクリアインクを収容させること以外は、その構成は特に制限はなく、公知のインクカートリッジをいずれも使用できる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<ポリマー微粒子の合成>
(高密度ポリエチレンの合成)
特許第4072980号公報に記載された低圧によるスラリー多段重合法を参考にして、高密度ポリエチレンの合成を行った。この際、高分子量ポリエチレン(高密度ポリエチレン)の重合工程における重合圧力を下記表1に示したように制御することで、密度がそれぞれ異なる高密度ポリエチレンE1〜6をそれぞれ合成した。なお、合成した高密度ポリエチレンの密度は、乾式自動密度計アキュピック1330−03(マイクロメリティックス製)を用いて、気体置換法により測定した。
Figure 2011224779
(変性高密度ポリエチレンエマルションの合成)
螺旋型のダブルヘリカルリボンを有する撹拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、上記で得た粒子状の高密度ポリエチレン100部を仕込み、反応系内を窒素置換した。次いで、無水マレイン酸1.00部、ベンゾイルパーオキサイド0.40部、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.06部、トルエン5.0部を含む液体を調製した。そして、該液体を反応系内に、室温、撹拌下で10分間かけて滴下し、その後さらに室温で30分間撹拌を行った。その後、反応系の温度を100℃とし、4時間反応させて、マレイン酸変性の高密度ポリエチレンエマルションを得た。このようにして得たポリエチレンエマルション20部、分散剤の水溶液50部、及び水30部を、0.3mm径のジルコニアビーズの充填率を80%としたビーズミル(LMZ2;アシザワファインテック製)に入れ、回転数1,800rpmで5時間分散した。上記分散剤の水溶液としては、ジョンクリル683(BASF製)を、その酸価と当量の水酸化カリウムで中和した、固形分の含有量が15.0%の水溶液を用いた。その後、回転数5,000rpmで30分間、遠心分離を行うことによって凝集成分を除去し、さらにイオン交換水で希釈することで、ポリマー微粒子の含有量が25.0%であるポリマー微粒子の水分散液P1を得た。また、上記のビーズミルにおける回転数と分散時間を変更することで、体積平均粒子径が下記表2に示す値のポリマー微粒子を含み、ポリマー微粒子の含有量が25.0%であるポリマー微粒子P2〜P10の水分散液をそれぞれ得た。
(ポリマー微粒子の主特性)
上記で得られたP1〜P10の各ポリマー微粒子の主特性を下記表2に示した。
Figure 2011224779
<クリアインクの調製>
下記表3に示す各成分を混合した後、ポアサイズが1.2μmであるメンブレンフィルター(HDCIIフィルター;ポール製)にて加圧ろ過することで、実施例及び比較例の各クリアインクを調製した。このようにして得られた実施例の各クリアインクは無色、乳白色、ないしは白色であり、色材を含有しないものである。また、実施例の各クリアインクは、純水で50倍(質量倍)に希釈したクリアインクの吸光度を測定した際に、400nm乃至800nmの範囲においてピークを有さず、かつ、400nm乃至800nmの範囲におけるabs値が1.0以下であった。
Figure 2011224779
Figure 2011224779
Figure 2011224779
<顔料インクの調製>
先ず、顔料20部、分散剤の水溶液50部、及び水30部を、0.3mm径のジルコニアビーズの充填率を80%としたビーズミル(LMZ2;アシザワファインテック製)に入れ、回転数1,800rpmで5時間分散した。なお、顔料としては、C.I.ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタE02;クラリアント製)を用いた。また、分散剤の水溶液としては、ジョンクリル678(BASF製)を、その酸価と当量の水酸化カリウムで中和した、固形分の含有量が15.0%の水溶液を用いた。その後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離を行うことにより凝集成分を除去し、さらにイオン交換水で希釈することで、顔料の含有量が15.0%である顔料分散液を得た。
次に、上記で得られた顔料分散液と、下記に示す各成分を混合した後、ポアサイズが1.2μmであるメンブレンフィルター(HDCIIフィルター;ポール製)にて加圧ろ過することで、顔料インク1を調製した。
・顔料分散液 16.7%
・グリセリン 10.0%
・ポリエチレングリコール(平均分子量:1,000) 5.0%
・トリメチロールプロパン 5.0%
・アセチレノールE100(界面活性剤:川研ファインケミカル製) 0.5%
・イオン交換水 62.8%
また、上記で得た顔料分散液及び先に合成したポリマー微粒子P1の水分散液を用い、下記に示す各成分を混合した後、ポアサイズが1.2μmであるメンブレンフィルター(HDCIIフィルター;ポール製)にて加圧ろ過して、顔料インク2を調製した。
・顔料分散液 16.7%
・ポリマー微粒子P1の水分散液(固形分の含有量25.0%) 2.0%
・グリセリン 10.0%
・ポリエチレングリコール(平均分子量:1,000) 5.0%
・トリメチロールプロパン 5.0%
・アセチレノールE100(界面活性剤:川研ファインケミカル製) 0.5%
・イオン交換水 60.8%
<評価>
上記で得られた各クリアインク及び各顔料インクをそれぞれ充填したインクカートリッジを、熱エネルギーの作用により吐出を行うインクジェット記録装置(商品名:PIXUS Pro9500;キヤノン製)に搭載した。このインクジェット記録装置は、縦解像度600dpi×横解像度600dpiの領域に、1滴当たりの質量が3.5ng(ナノグラム)であるインク滴を8ドット付与する場合を、記録デューティ100%とするものである。なお、実施例の各クリアインクを記録媒体に付与した結果、これらのクリアインクはいずれも無色透明の膜を形成できるものであった。
(グロスチェンジの評価)
顔料インクと各クリアインクとを下記表4に示すように組み合わせてインクセットとした。そして、上記のインクジェット記録装置により、記録媒体(商品名:キヤノン写真用紙・光沢ゴールド GL−101;キヤノン製)に、5cm×5cmのベタ画像を含むパターンを記録した。この際、顔料インクとクリアインクとを記録媒体に付与する順序は、顔料インクを付与した後にクリアインクを付与するようにして、顔料インクとクリアインクとを重ね合わせた画像を記録した。上記で得られた画像を常温で24時間保存した後、画像を爪の裏で軽く擦り、画像の光沢の変化の状態を目視で確認して、グロスチェンジの評価を行った。グロスチェンジの評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示した。本発明においては下記の評価基準でA以上が許容できるグロスチェンジのレベルとした。
AA:グロスチェンジが生じず、画像に傷もつかなかった。
A:グロスチェンジは生じなかったが、画像に傷がついた。
B:グロスチェンジが生じた。
(発色性の評価)
上記のグロスチェンジの評価に使用したものと同じ画像を常温で24時間保存した後、画像を目視で確認して、発色性の評価を行った。発色性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示した。本発明においては下記の評価基準でA以上が許容できる発色性のレベルとした。
AA:発色性が鮮やかであった。
A:AAよりは劣るものの、十分な発色性であった。
B:発色性が低かった。
Figure 2011224779
なお、実施例12及び17のグロスチェンジ及び発色性と、実施例19の発色性の程度は、他のAAランクのものよりもやや劣っていた。

Claims (11)

  1. 少なくとも、ポリマー微粒子、及び、1,2−アルカンジオールを含有してなり、前記ポリマー微粒子が、変性ポリエチレンエマルションであり、かつ、その密度が940kg/m3以上960kg/m3以下であることを特徴とするクリアインク。
  2. さらに、アルキル基の炭素原子数が8以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有してなる請求項1に記載のクリアインク。
  3. 前記ポリマー微粒子の体積平均粒子径が、30nm以上200nm以下である請求項1又は2に記載のクリアインク。
  4. 前記ポリマー微粒子の含有量(質量%)が、クリアインク全質量を基準として、1.0質量%以上5.0質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のクリアインク。
  5. 前記1,2−アルカンジオールの含有量(質量%)が、クリアインク全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクリアインク。
  6. 前記ポリマー微粒子の含有量(質量%)が、前記1,2−アルカンジオールの含有量(質量%)に対する質量比率で、0.20倍以上1.25倍以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のクリアインク。
  7. クリアインクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与するインクジェット記録方法であって、前記クリアインクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のクリアインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. クリアインクと少なくとも1種の顔料インクとを用いるインクジェット記録方法であって、
    顔料インクを用いて記録媒体に記録を行う工程(I)、及びクリアインクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与する工程(II)、を有し、かつ、
    前記クリアインクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のクリアインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. 記録媒体の少なくとも一部の領域において、前記工程(I)を行った後に、前記工程(II)を行う請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. クリアインクと顔料インクとが組み合わされてなるインクジェット用のインクセットであって、前記クリアインクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のクリアインクであることを特徴とするインクセット。
  11. クリアインクを収容するための収容部を備えてなるインクカートリッジであって、前記クリアインクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のクリアインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
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