JP2011216477A - 蓄電装置及びその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルク抵抗率の低いリン酸鉄リチウムを得ること、充放電が速い蓄電装置を得ること、リチウムイオンの拡散を速めること、高容量を有する蓄電装置を得ることを課題とする。
【解決手段】正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、XRD回折のピークの半値幅が0.17°以下、または、0.13°以上0.165°以下であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有する蓄電装置、あるいは、正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、粒径が20nm以上50nm未満、または、30nm以上40nm未満であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有する蓄電装置、あるいは、前記リン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、及びバインダを混合してペーストを作製し、集電体上に、前記ペーストを塗布することにより正極を作製する蓄電装置の作製方法に関する。
【選択図】図27

Description

開示される発明の一様態は、蓄電装置とその作製方法に関する。
近年、環境技術の高まりにより、従来の発電方式よりも環境への負荷が小さい発電技術(例えば、太陽光発電)の開発が盛んに行われている。発電技術の開発と並行して蓄電技術の開発も進められている。
蓄電技術の一つとして、例えば、リチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、小型化に適しているため、広く普及している。リチウムイオン二次電池の正極に用いる材料として、例えばオリビン型構造のリン酸鉄リチウム(LiFePO)がある(特許文献1参照)。
リン酸鉄リチウム(LiFePO)は、充放電しても構造が安定であり、安全性が高いという利点がある。
特開2008−257894号公報
しかし、このような容量が大きいなリン酸鉄リチウム(LiFePO)は、バルク抵抗率が高い(リン酸鉄リチウムの電気伝導度:6.8×10−9S/cm程度)という欠点がある。バルク抵抗率とは、リン酸鉄リチウムそのものの抵抗率である。バルク抵抗率は、リン酸鉄リチウムの結晶構造やリン酸鉄リチウムを構成する元素に依存する。バルク抵抗率が高いということは、電子伝導が悪いということである。
リン酸鉄リチウムのバルク抵抗率が高いことにより、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用いる蓄電装置は充放電が遅くなる恐れがある。
またリン酸鉄リチウムは、リチウム(Li)イオンの拡散が遅いという欠点がある。イオンの拡散が遅い理由は、オリビン型構造のリン酸鉄リチウムにおいて、リチウムイオンは<010>方向に1次元的に拡散するからである。つまり、リチウムイオンは1方向にしか拡散できない。
リン酸鉄リチウム(LiFePO)の理論容量は、170mAh/gである。この理論容量は、リン酸鉄リチウムの結晶構造から計算で得られたものである。しかしながら、リン酸鉄リチウムの結晶内部におけるリチウムイオンの拡散が遅いため、リチウムイオンがリン酸鉄リチウムの結晶内部に達するのが難しい。そのため、リン酸鉄リチウムを正極活物質として用いる蓄電装置では、理論容量より小さい容量しか得られない。
以上を鑑みて、開示される発明の一様態は、充放電が速い蓄電装置を得ることを課題の1つとする。
開示される発明の一様態では、リチウムイオンの拡散を速めることを課題の1つとする。
開示される発明の一様態では、容量が大きい蓄電装置を得ることを課題の1つとする。
リン酸鉄リチウム粒子の粒径をナノサイズにする。これにより、リン酸鉄リチウム内でのリチウムイオンの拡散距離を短くすることができる。これにより蓄電装置の容量を高くすることが可能である。
このような粒径の小さなリン酸鉄リチウム粒子を用いて正極を作製すると、リン酸鉄リチウム粒子が凝集してしまう。しかし、粒径の小さなリン酸鉄リチウム粒子の表面に炭素材料が担持されることで、リン酸鉄リチウム粒子の凝集を抑制することができる。リン酸鉄リチウム粒子の凝集を抑制することにより、正極全体の抵抗を下げることが可能となる。これにより蓄電装置の充放電を速くすることが可能である。なお本明細書中では、リン酸鉄リチウム粒子の表面に炭素材料が担持されることを、リン酸鉄リチウム粒子がカーボンコートされるとも言う。また本明細書中では、リン酸鉄リチウム粒子の表面に炭素材料が担持されることを、リン酸鉄リチウム粒子の表面を完全に覆っていなくても、リン酸鉄リチウム粒子の表面が炭素材料で覆われるとみなす。
開示される発明の一様態は、正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、XRD回折のピークの半値幅が0.17°以下であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有することを特徴とする蓄電装置に関する。
開示される発明の一様態は、正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、XRD回折のピークの半値幅が0.13°以上0.165°以下であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有することを特徴とする蓄電装置に関する。
開示される発明の一様態は、正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、粒径が20nm以上50nm未満であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有することを特徴とする蓄電装置に関する。
開示される発明の一様態は、正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、粒径が30nm以上40nm未満であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有することを特徴とする蓄電装置に関する。
開示される発明の一様態は、表面に炭素材料を担持し、XRD回折のピークの半値幅が0.17°以下であるリン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、及びバインダを混合してペーストを作製し、集電体上に、前記ペーストを塗布することにより正極を作製することを特徴とする蓄電装置の作製方法に関する。
開示される発明の一様態は、表面に炭素材料を担持し、XRD回折のピークの半値幅が0.13°以上0.165°以下であるリン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、及びバインダを混合してペーストを作製し、集電体上に、前記ペーストを塗布することにより正極を作製することを特徴とする蓄電装置の作製方法に関する。
開示される発明の一様態は、表面に炭素材料を担持し、粒径が20nm以上50nm未満であるリン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、及びバインダを混合してペーストを作製し、集電体上に、前記ペーストを塗布することにより正極を作製することを特徴とする蓄電装置の作製方法に関する。
開示される発明の一様態は、表面に炭素材料を担持し、粒径が30nm以上40nm未満であるリン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、及びバインダを混合してペーストを作製し、集電体上に、前記ペーストを塗布することにより正極を作製することを特徴とする蓄電装置の作製方法に関する。
開示される発明の一様態により、充放電が速い蓄電装置を得ることができる。またリチウムイオンの拡散を速めることができる。容量が大きい蓄電装置を得ることができる。
表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子のSEM写真。 リン酸鉄リチウム粒子のSEM写真。 表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子のSEM写真。 リン酸鉄リチウム粒子のSEM写真。 焼成温度と比表面積の関係を示す図。 焼成時間と比表面積の関係を示す図。 表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を示す図。 リン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を示す図。 表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を示す図。 リン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を示す図。 表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子のSEM写真。 焼成温度と半値幅の関係を示す図。 焼成時間と半値幅の関係を示す図。 グルコース添加量と比表面積の関係を示す図。 焼成温度と充放電容量の関係を示す図。 焼成温度とレート特性の関係を示す図。 焼成時間と充放電容量の関係を示す図。 焼成時間とレート特性の関係を示す図。 グルコース添加量と充放電容量の関係を示す図。 グルコース添加量とレート特性の関係を示す図。 表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子と、表面に炭素材料を担持しないリン酸鉄リチウム粒子との充放電容量の関係を示す図。 XRD回折の半値幅と放電容量との関係を示す図。 比表面積と放電容量との関係を示す図。 XRD回折の半値幅とレート特性の関係を示す図。 比表面積とレート特性の関係を示す図。 正極活物質層、リン酸鉄リチウム粒子、結晶粒との関係を示す図。 二次電池の構造を示す図。 リン酸鉄リチウム粒子の粒径分布を示す図。
以下、本明細書に開示された発明の実施の態様について、図面を参照して説明する。但し、本明細書に開示された発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本明細書に開示された発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に示す図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
本実施の形態の蓄電装置及びその作製方法について、図1(A)〜図1(C)、図2(A)〜図2(C)、図3(A)〜図3(C)、図4(A)〜図4(C)、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11(A)〜図11(C)、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21、図22、図23、図24、図25、図26(A)〜図26(B)、図27、図28を用いて説明する。
なお本実施の形態では、二次電池の正極活物質としてリン酸鉄リチウム(LiFePO)を用いる。以下にリン酸鉄リチウム及びその作製方法、並びに、その特性について説明する。次いで、このようなリン酸鉄リチウムを正極活物質に用いた二次電池及びその作製方法、並びに、その特性について説明する。
<リン酸鉄リチウム粒子の作製方法>
まず、リン酸鉄リチウム(LiFePO)粒子の作製方法について以下に説明する。
リン酸鉄リチウムの材料として、炭酸リチウム(LiCO)、シュウ酸鉄(FeC)、及び、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)を混合する。
炭酸リチウムはリチウム導入用の原料であり、シュウ酸鉄は鉄導入の原料であり、リン酸二水素アンモニウムはリン酸導入の原料である。またこれら材料の混合は、第1のボールミル処理にて行う。
第1のボールミル処理は、例えば、溶媒としてアセトンを添加し、回転数400rpm、回転時間2h、ボール径φ3mmの条件で行う。第1のボールミル処理により、均一な混合と微細化を行い、固相反応を促進させる。
上記材料から、リン酸鉄リチウム(LiFePO)が合成される。
第1のボールミル処理後、原料粒子同士の接触を向上させるために、原料混合物を加圧する。この加圧工程により、原料混合物の反応をさらに促進させる。具体的には、上述の原料混合物を、1.47×10N(150kgf)の力でペレットに成型する。
次いで、ペレットに成型した原料混合物に第1の焼成を行う。本実施の形態では、第1の焼成として、ペレットに成型した原料混合物を、窒素(N)雰囲気中で、350℃、10時間で焼成する。
第1の焼成を行った後、焼成したペレットを乳鉢等で粉砕する。
ここで、表面に炭素材料を担持する試料には、炭素(カーボン)を生じる材料を添加する。具体的には、粉砕されたペレットに、加熱分解により導電性炭素を生じ得る物質(以下「導電性炭素前駆物質」という)を添加する。導電性炭素前駆物質として、例えば糖類、具体的にはグルコースを添加する。導電性炭素前駆物質を添加して以後の作製工程を行うと、リン酸鉄リチウム粒子の表面に炭素材料が担持される。すなわち、リン酸鉄リチウム粒子がカーボンコートされる。
導電性炭素前駆物質として糖類を添加すると、糖類に含まれる多くの水酸基が、原料及び作製されるリン酸鉄リチウム粒子表面に、強く相互作用する。これにより、リン酸鉄リチウム粒子の結晶成長を抑制する。すなわち、糖類を用いることによって、リン酸鉄リチウム粒子に対する導電性付与効果を得ると共に、リン酸鉄リチウム粒子の結晶成長を抑制することができる。
また本実施の形態では、グルコースの量を変えた試料を作製する。グルコースの量は、5wt%、10wt%、15wt%とする。なお標準試料としては、グルコースの量は10wt%である。以下グルコース量について特に記載のないものについては、グルコース量は10wt%である。
次いで粉砕されたペレットに第2のボールミル処理を行う。第2のボールミル処理は、第1のボールミル処理と同様の条件で行う。
第2のボールミル処理後、再度ペレットに成型する。次いで、再度成型したペレットに対して窒素雰囲気中で第2の焼成を行う。
本実施の形態では、第2の焼成の焼成温度及び焼成時間をそれぞれ変えた試料を作製する。焼成温度は、400℃、500℃、600℃(ただし焼成時間は10h)とする。また、焼成時間は、3h、5h、10h(ただし焼成温度は600℃)とする。なお標準試料としては、焼成温度は600℃、焼成時間は10hである。以下焼成温度と焼成時間について特に記載のないものは、焼成温度は600℃、焼成時間は10hである。
第2の焼成後、焼成したペレットを乳鉢等で粉砕する。粉砕したペレットに、第3のボールミル処理を行う。第3のボールミル処理は、溶媒としてアセトンを添加し、回転数300rpm、回転時間3h、ボール径φ3mmで行う。以上作製工程により、リン酸鉄リチウム粒子を作製する。
図26にリン酸鉄リチウム粒子とリン酸鉄リチウム粒子の内部に含まれる結晶粒の位置関係を示す。ただしリン酸鉄リチウム粒子を覆うカーボンについては記載しない。
リン酸鉄リチウム粒子101は、後述する正極活物質層内でバインダ102によって結着されている。1つのリン酸鉄リチウム粒子101は複数の結晶粒104を含む。隣り合う結晶粒104の間には粒界105が存在する。後述するXRD回折では結晶粒の結晶化度が示され、比表面積の測定からはリン酸鉄リチウム粒子の粒径が示される。
<リン酸鉄リチウム粒子の評価>
以上の様にして、正極材料であるリン酸鉄リチウム粒子を得る。本実施の形態では、まず、得られたリン酸鉄リチウム粒子の特性を評価し、次いで、得られたリン酸鉄リチウム粒子を用いて正極を作製し、その電池特性について評価する。
<焼成温度による変化>
焼成温度を変えて作製したリン酸鉄リチウム粒子について、XRD回折、比表面積の測定、SEM写真により評価した結果を以下に示す。
<焼成温度−XRD回折>
焼成温度を変えて作製したリン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を、図7、図8、図12に示す。
図7は表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を示す。第2の焼成において、焼成温度をそれぞれ、400℃、500℃、600℃としている。なお焼成時間は10hである。
図7において、2θ=25°のピークが確認できる。このピークはリン酸鉄リチウムの(201)面のピークである。これにより、図7のXRD回折で測定された試料が、(201)面を有するオリビン型のリン酸鉄リチウムであることが確認できる。
図8は表面に炭素材料を担持しないリン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を示す。第2の焼成において、焼成温度をそれぞれ、400℃、500℃、600℃としている。なお焼成時間は10hである。
図8において、2θ=25°のピークが確認できる。このピークはリン酸鉄リチウムの(201)面のピークである。これにより、図8のXRD回折で測定された試料が、(201)面を有するオリビン型のリン酸鉄リチウムであることが確認できる。
図12に、表面に炭素材料を担持する場合(黒丸で表されるC/LiFePO)及び表面に炭素材料を担持しない場合(黒四角で表されるLiFePO)について、焼成温度をそれぞれ、400℃、500℃、600℃としたとき(X軸)の、2θ=25°のピークの半値幅(Y軸)の関係を示す。
XRD回折のピークの半値幅は、結晶化度(結晶性のよさ)を示している。半値幅が小さいということは、ピークがシャープであり、均一な結晶配向を有する結晶粒が多く含まれていることを示している。すなわち、結晶性が高いということを示す。逆に、半値幅が大きいということは、ピークがブロードであり、様々な結晶配向を有する結晶粒が多く含まれていることを示している。すなわち結晶性が低いということを示す。
図12において、焼成温度が低くなるほど、半値幅が大きくなる。すなわち、焼成温度が低くなるほど、結晶性が低くなる。なお半値幅と二次電池の特性との関係については、後述する。
<焼成温度−SEM写真>
図1(A)〜図1(C)に、表面に炭素材料を担持し、かつ、第2の焼成において、焼成温度がそれぞれ、600℃、500℃、400℃として作製したリン酸鉄リチウム粒子のSEM写真を示す。
図1(A)〜図1(C)から、焼成温度が下がるに従い、リン酸鉄リチウム粒子の粒径が小さくなることが確認できる。
図2(A)〜図2(C)に、表面に炭素材料を担持せず、かつ、第2の焼成において、焼成温度がそれぞれ、600℃、500℃、400℃として作製したリン酸鉄リチウム粒子のSEM写真を示す。
図2(A)〜図2(C)から、焼成温度が下がるに従い、リン酸鉄リチウム粒子の粒径が小さくなることが確認できる。
<焼成温度−比表面積>
図1(A)〜図1(C)及び図2(A)〜図2(C)で示され、第2の焼成温度がそれぞれ、600℃、500℃、400℃として作製したリン酸鉄リチウム粒子について、焼成温度と比表面積との関係を、図5に示す。
なおリン酸鉄リチウムの比表面積とは、BET(Brunauer−Emmett−Teller)法によって測定された比表面積である。
図5において、黒丸で表されるC/LiFePOは表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子の比表面積、黒四角で表されるLiFePOは表面に炭素材料を担持しないリン酸鉄リチウム粒子の比表面積である。図5により、焼成温度が低くなるほど比表面積が大きくなることが分かる。また図5より炭素材料で覆われることで、比表面積が大きくなることが示される。
本実施の形態で作製されたリン酸鉄リチウム粒子は、密度が同じになる作製条件及び原材料を用いている。密度が同じ粒子において、比表面積が大きいほど粒径が小さい。そのため、本実施の形態のリン酸鉄リチウム粒子も、その比表面積が大きいほど粒径が小さいと言える。
図5より、焼成温度が低くなるほど粒径が小さくなること、及び、表面に炭素材料を担持することにより粒径が小さくなることが示される。
<焼成時間による変化>
焼成時間を変えて作製したリン酸鉄リチウム粒子について、XRD回折、比表面積の測定、SEM写真により評価した結果を以下に示す。
<焼成時間−XRD回折>
焼成時間を変えて作製したリン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を、図9、図10、及び図13に示す。なお図7における焼成温度600℃のグラフと、図9における焼成時間10hのグラフは同じものである。
図9は、表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を示す。第2の焼成において、焼成時間をそれぞれ、3h、5h、10hとしている。なお焼成温度は600℃である。
図9において、2θ=25°のピークが確認できる。このピークはリン酸鉄リチウムの(201)面のピークである。これにより、図9のXRD回折で測定された試料が、(201)面を有するオリビン型のリン酸鉄リチウムであることが確認できる。
図10は、表面に炭素材料を担持しないリン酸鉄リチウム粒子のXRD回折の結果を示す。第2の焼成において、焼成温度をそれぞれ、3h、5h、10hとしている。なお焼成温度は600℃である。
図10において、2θ=25°のピークが確認できる。このピークはリン酸鉄リチウムの(201)面のピークである。これにより、図10のXRD回折で測定された試料が、(201)面を有するオリビン型のリン酸鉄リチウムであることが確認できる。
図13に、表面に炭素材料を担持する場合(黒丸で表されるC/LiFePO)及び表面に炭素材料を担持しない場合(黒四角で表されるLiFePO)について、焼成時間をそれぞれ、3h、5h、10hとしたとき(X軸)の、2θ=25°のピークの半値幅(Y軸)の関係を示す。
図13において、焼成時間が短くなるほど、半値幅が大きくなる。すなわち、焼成時間が短くなるほど、結晶性が低くなる。なお半値幅と二次電池の特性との関係については、後述する。
また図7〜図10において、第1の焼成が終了した時点での試料のXRD回折の測定も行っている。図7〜図10のそれぞれにおいて、第1の焼成が終了した時点で、2θ=25°のピークが確認できる。これにより第1の焼成によりオリビン型のリン酸鉄リチウムが作製されるのが確認できる。
ただし、第1の焼成後のピークと第2の焼成後のピークをそれぞれ比較すると、第2の焼成後のピークの方が鋭く、またピーク強度が大きくなっていることが分かる。すなわち、第2の焼成を行うとリン酸鉄リチウムの結晶成分が多くなる、つまり第2の焼成により結晶化がより進んだことが分かる。
<焼成時間−SEM写真>
図3(A)〜図3(C)に、表面に炭素材料を担持し、かつ、第2の焼成において、焼成時間がそれぞれ、10h、5h、3hとして作製したリン酸鉄リチウム粒子のSEM写真を示す。
図3(A)〜図3(C)から、焼成時間が短くなるに従い、リン酸鉄リチウム粒子の粒径が小さくなることが確認できる。
図4(A)〜図4(C)に、表面に炭素材料を担持せず、かつ、第2の焼成において、焼成時間がそれぞれ、10h、5h、3hとして作製したリン酸鉄リチウム粒子のSEM写真を示す。
図4(A)〜図4(C)から、焼成時間が短くなるに従い、リン酸鉄リチウム粒子の粒径が小さくなることが確認できる。
<焼成時間−比表面積>
図3(A)〜図3(C)及び図4(A)〜図4(C)で示され、第2の焼成時間がそれぞれ、10h、5h、3hとして作製したリン酸鉄リチウム粒子について、焼成時間と比表面積との関係を、図6に示す。
図6において、黒丸で表されるC/LiFePOは表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子の表面積、黒四角で表されるLiFePOは表面に炭素材料を担持しないリン酸鉄リチウム粒子の表面積である。図6により、焼成時間が短くなるほど比表面積が大きくなることが分かる。また表面に炭素材料を担持することで、比表面積が大きくなることが分かる。
図6より、焼成時間が短くなるほど粒径が小さくなること、及び、表面に炭素材料を担持することにより粒径が小さくなることが示される。
ここで図5と図6を比較すると、焼成温度を低くする方が、焼成時間を短くするよりも、比表面積の増大が顕著であることが分かる。
<グルコース添加量>
グルコース添加量を変えて作製したリン酸鉄リチウム粒子について、SEM写真、表面積の測定により評価した結果を以下に示す。
<グルコース添加量−SEM写真>
図11(A)〜図11(C)に、添加するグルコースの量をそれぞれ、15wt%、10wt%、5wt%として作製したリン酸鉄リチウム粒子のSEM写真を示す。
<グルコース添加量−表面積>
図11(A)〜図11(C)で示され、添加するグルコースの量をそれぞれ、15wt%、10wt%、5wt%として作製したリン酸鉄リチウム粒子について、グルコース量と比表面積との関係を、図14に示す。
図14において、グルコース量が5wt%と10wt%添加されたリン酸鉄リチウム粒子の比表面積はほぼ同じであるが、15wt%添加されたリン酸鉄リチウム粒子の比表面積が、5wt%及び10wt%添加のものより大きいことが分かる。
以上のようにして作製したリン酸鉄リチウム粒子を有する二次電池及びその作製方法、並びに、該二次電池の特性について以下に述べる。
<二次電池の作製方法>
図27に作製した二次電池の断面図を示す。図27に示される二次電池110は、正極集電体113と正極活物質層114を有する正極115と、負極集電体117及び負極活物質層116を有する負極118と、正極115と負極118との間の電解質とを有する。
正極集電体113には、例えば導電材料などを用いることができ、導電材料としては、例えばアルミニウム、銅、ニッケル、またはチタンを用いることができる。また、正極集電体113としては、上記導電材料のうち複数からなる合金材料を用いることもでき、合金材料としては、例えばAl−Ni合金、又はAl−Cu合金などを用いることもできる。また、別途基板上に成膜することにより設けられた導電層を剥離して正極集電体113として用いることもできる。
正極活物質層114は、リン酸鉄リチウム粒子と、導電助剤(例えばアセチレンブラック(Acetylene Black:AB))やバインダ(例えばポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVDF))などを混合させてペースト化して正極集電体113上に塗布して形成してもよいし、スパッタリング法により形成してもよい。正極活物質層114を塗布法により形成した場合について、必要に応じて加圧成型するとよい。
なお、「活物質」とは、キャリアであるイオンの挿入及び脱離に関わる物質のみを指す。すなわち、本実施の形態において、正極活物質はリン酸鉄リチウムのみである。ただし本明細書では、塗布法を用いて正極活物質層114を形成した場合、便宜上、正極活物質層114の材料、すなわち、本来「正極活物質」である物質(本実施の形態においてはリン酸鉄リチウム)に、導電助剤やバインダなどを含めて正極活物質層114と呼ぶこととする。
なお、上記の導電助剤としては、蓄電装置中で化学変化を起こさない電子伝導性材料であればよい。例えば、黒鉛、炭素繊維などの炭素系材料、銅、ニッケル、アルミニウム若しくは銀などの金属材料またはこれらの混合物の粉末や繊維などを用いることができる。
なお、上記のバインダとしては、多糖類、熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマーなどの材料を用いることができる。それらの材料としては、例えば、澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドなどを用いてもよい。
負極集電体117は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の単体あるいは化合物を用いればよい。
負極活物質層116の材料としては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、又はマグネシウムイオンの吸蔵と放出が可能な材料、アルカリ金属の化合物、アルカリ土類金属化合物、ベリリウム化合物、又はマグネシウム化合物を用いればよい。アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、又はマグネシウムイオンの吸蔵と放出が可能な材料としては、炭素、シリコン、シリコン合金等がある。アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、又はマグネシウムイオンの吸蔵と放出が可能な炭素としては、粉末状または繊維状の黒鉛やグラファイト等の炭素材が挙げられる。
ここでアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、もしくはカリウムが挙げられる。また、アルカリ土類金属は、カルシウム、ストロンチウム、もしくはバリウムが挙げられる。
本実施の形態では、正極集電体113としてアルミニウム箔を用い、正極活物質層114として、リン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、バインダを混合したものを正極集電体113上に塗布する。
負極活物質層116は、上述の材料と、導電助剤(例えばアセチレンブラック(AB))やバインダ(例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF))などを混合させてペースト化して負極集電体117上に塗布して形成してもよいし、スパッタリング法により形成してもよい。負極活物質層116を塗布法により形成した場合について、必要に応じて加圧成型するとよい。
なお、「活物質」とは、キャリアであるイオンの挿入及び脱離に関わる物質のみを指す。すなわち、本実施の形態において、負極活物質は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、又はマグネシウムイオンの吸蔵と放出が可能な材料、アルカリ金属の化合物、アルカリ土類金属化合物、ベリリウム化合物、又はマグネシウム化合物のみである。ただし本明細書では、塗布法を用いて負極活物質層116を形成した場合、便宜上、負極活物質層116の材料、すなわち、本来「負極活物質」である物質に、導電助剤やバインダなどを含めて負極活物質層116と呼ぶこととする。
正極115及び負極118を形成したら、正極115及び負極118との間に電解質を設ける。
図27における二次電池110では、正極115及び負極118との間に設けたセパレータ119に、液状の電解質である電解液を含浸させている。
電解液は、キャリアイオンであるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、又はマグネシウムイオンを含み、このキャリアイオンが電気伝導を担っている。アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、若しくはカリウムイオンが挙げられる。アルカリ土類金属イオンとしては、例えばカルシウムイオン、ストロンチウムイオン、若しくはバリウムイオンが挙げられる。
電解液は、例えば溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩またはナトリウム塩とから構成されている。リチウム塩としては、例えば、塩化リチウム(LiCl)、フッ化リチウム(LiF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、硼弗化リチウム(LiBF)、LiAsF、LiPF、Li(CSON等が挙げられる。ナトリウム塩としては、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化ナトリウム(NaF)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、硼弗化ナトリウム(NaBF)等が挙げられる。
電解液の溶媒として、例えば、エチレンカーボネート(以下、ECと略す)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソブチルカーボネート(MIBC)、およびジプロピルカーボネート(DPC)などの非環状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、およびプロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、およびエトキシメトキシエタン(EME)等の非環状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン等やリン酸トリメチル、リン酸トリエチル、およびリン酸トリオクチルなどのアルキルリン酸エステルやそのフッ化物があり、これらの一種または二種以上を混合して使用する。
セパレータ119として、紙、不織布、ガラス繊維、あるいは、ナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタンといった合成繊維等を用いればよい。ただし、電解液に溶解しない材料を選ぶ必要がある。
より具体的には、セパレータ119の材料として、例えば、フッ素系ポリマ、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリウレタン系高分子およびこれらの誘導体、セルロース、紙、不織布から選ばれる一種を単独で、または二種以上を組み合せて用いることができる。
ただし図27に示す二次電池110の場合、セパレータ119は多孔質膜であることが好ましい。該多孔質膜の材料としては、合成樹脂材料またはセラミック材料などを用いればよい。多孔質膜の材料として、好ましくは、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどが挙げられる。
以上のようにして作製された二次電池110は、コイン型、積層型、筒型、ラミネート型など様々な構造にすることができる。
以下に本実施の形態の二次電池110の具体的な作製方法を示す。
上述のようにして得られたリン酸鉄リチウム粒子と、導電助剤、バインダ及び溶媒を混合し、ホモジナイザ等で分散する。分散した材料を、正極集電体113上に塗布し、乾燥して、正極活物質層114を得る。
本実施の形態では、正極集電体としては、アルミニウム(Al)箔を用いる。また本実施の形態では、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(N−MethylPyrrolidone:NMP)を用いる。
乾燥した材料を、加圧し、形状を整えて、正極を作製する。具体的には、膜厚が約50μm、及び、リン酸鉄リチウムの担持量が約3mg/cmになるように、ロールプレスにて加圧し、φ12mmの円形になるように打ち抜くことにより、リチウムイオン二次電池の正極115を得る。
また本実施の形態では、負極にリチウム箔、セパレータ119にポリプロピレン(PolyPropylene:PP)を用いる。電解液として、六フッ化リン酸リチウム(あるいはヘキサフルオロリン酸リチウムともいう)(LiPF)を溶解した、エチレンカーボネート(Ethylene Carbonate:EC)及びジメチルカーボネート(DimethylCarbonate:DC)を用いる。電解液はセパレータ119に含浸されている。
上述した負極118及び電解液を含浸させたセパレータ119を、筐体112の内部に設置する。次いでリング状絶縁体120を、セパレータ119及び負極118の周りに設置する。
リング状絶縁体120は、正極115と負極118を絶縁する機能を有する。またリング状絶縁体120は、絶縁性樹脂を用いて作製されていると好適である。
また正極115を筐体111の内部に設置する。正極115が設置された筐体111を、上下を逆さまにして、リング状絶縁体120が設けられた筐体112の内部に設置する。
上述のように、正極115及び負極118は、リング状絶縁体120により絶縁されているのでショートする恐れはない。
以上のようにして、正極115、負極118、セパレータ119、電解液を有するコイン型リチウムイオン二次電池を得る。正極115、負極118、セパレータ119、電解液等の一連の電池組立ては、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
<二次電池の電池特性>
得られたコイン型リチウムイオン二次電池それぞれについて、得られた電池特性を、図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21、図22、図23、図24、図25に示す。
<焼成温度による変化>
焼成温度を変えて作製したリン酸鉄リチウム粒子を有する二次電池について、電池特性の評価を以下に示す。
<焼成温度−充放電特性>
図15は、表面に炭素材料を担持し、かつ、第2の焼成において、焼成温度がそれぞれ、600℃(赤)、500℃(緑)、400℃(青)として作製したリン酸鉄リチウム粒子を用いた正極を有するリチウムイオン二次電池の充放電特性を示す。なお実線が放電容量と電圧の関係を示し、点線が充電容量と電圧の関係を示す。
なお充放電試験は、レート0.2C、定電流/定電圧駆動(Constant Current Constant Voltage(CCCV)駆動)で行った。また実線が放電曲線を示し、点線が充電曲線を示す。以下充放電試験の条件は同じである。
図15より、焼成温度が低くなるほど、放電容量及び充電容量が減少することが分かる。
<焼成温度−レート特性>
図16は、表面に炭素材料を担持し、かつ、第2の焼成において、焼成温度がそれぞれ、600℃(赤)、500℃(緑)、400℃(青)として作製したリン酸鉄リチウム粒子を用いた正極を有するリチウムイオン二次電池のレート特性を示す。
なお図16においては、充電レートを0.2Cとして充電し、その後二次電池を放電させた放電レートをX軸(横軸)とする(ただしXは0C以上)。充電レートが0.2Cということは、1時間に0.2回充電するということであり、言い換えると1回の充電に5時間かけるということである。
さらに図16のY軸(縦軸)は、放電レートが2Cの場合の放電容量に対する放電容量の百分率である。放電レートが2Cということは、1時間に2回放電するということであり、言い換えると1回の放電に30分かけるということである。
つまり図16のY軸は、放電レートが2Cの場合の放電容量を基準(100%)として、放電容量がどの程度劣化するかを示す。
以上から図16は、放電レートが増えるに従い、放電容量がどの程度劣化するかを示すグラフと言える。
放電レートが増えると、リン酸鉄リチウム粒子へのリチウムイオンの挿入脱離の速度、すなわち拡散の速度が追いつかなくなり、放電容量が下がる。そのため、図16のような測定は、リチウムイオンの拡散速度を示す測定と言える。
逆に言えば、放電レートが増大しても、放電容量が低下しないということは、リチウムイオンの拡散速度が低下しないということである。
図16から、焼成温度が低くなると、放電レートが同じであっても放電容量が減少することが示される。
<焼成時間による変化>
焼成時間を変えて作製したリン酸鉄リチウム粒子を有する二次電池について、電池特性の評価を以下に示す。
<焼成時間−充放電特性>
図17は、表面に炭素材料を担持し、かつ、第2の焼成において、焼成時間がそれぞれ、10h(赤)、5h(緑)、3h(青)として作製したリン酸鉄リチウム粒子を用いた正極を有するリチウムイオン二次電池の充放電特性を示す。なお実線が放電容量と電圧の関係を示し、点線が充電容量と電圧の関係を示す。
図17より、焼成時間が一番長い10hのものが放電容量及び充電容量が一番大きいことが示される。一方、焼成時間が5h及び3hのものは、放電容量及び充電容量が小さくなる。
特に焼成時間が10hのものは、放電容量(160mAh/g)と高い値を示す。
また図21に、表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム(オレンジで表されるC/LiFePO)粒子を正極に用いたリチウムイオン二次電池と、表面に炭素材料を担持しないリン酸鉄リチウム(紫で表されるLiFePO)粒子を正極に用いたリチウムイオン二次電池について、充放電容量特性の比較を示す。なおそれぞれのリチウムイオン二次電池において、第2の焼成の焼成温度は600℃、焼成時間は10h、グルコース添加量は10wt%で行った。なお実線が放電容量と電圧の関係を示し、点線が充電容量と電圧の関係を示す。
図21において、表面に炭素材料を担持するリン酸鉄リチウム粒子を用いたリチウムイオン二次電池の放電容量は160mAh/gとなり、表面に炭素材料を担持しないリン酸鉄リチウム粒子を用いたリチウムイオン二次電池の放電容量は未処理140mAh/gとなった。
上述の通り、リチウムイオン二次電池の理論容量は170mAh/gである。そのため、該リチウムイオン二次電池の放電容量、すなわち、表面に炭素材料を担持し、焼成時間が10h、焼成温度600℃、グルコース量は10wt%で作製されたリン酸鉄リチウム粒子を有する、リチウムイオン二次電池の放電容量(160mAh/g)は、理論容量に近いものであることが分かる。
すなわち、本実施の形態で得られたリン酸鉄リチウム、及び、そのようなリン酸鉄リチウムを正極活物質として用いた二次電池では、リチウムイオンの拡散がリン酸鉄リチウム全体の94%((160mAh/g)/(170mAh/g)×100(%))に及ぶことを示している。
<焼成時間−レート特性>
図18は、表面に炭素材料を担持し、かつ、第2の焼成において、焼成時間がそれぞれ、10h(赤)、5h(緑)、3h(青)として作製したリン酸鉄リチウム粒子を用いた正極を有するリチウムイオン二次電池のレート特性を示す。
図18から、焼成時間が短くなるに従い、放電レートが同じであっても放電容量の低下する割合が減少することが示される。
特に、図18において、焼成時間が3hの場合のリン酸鉄リチウム粒子を用いた二次電池は、放電レート(X軸)が10Cのとき、放電レートが2Cの場合の放電容量に対する放電容量の割合(放電容量/2C放電容量(Y軸))が、89.5%という高い値を得ることができる。
<グルコース添加量>
グルコース添加量を変えて作製したリン酸鉄リチウム粒子を有する二次電池について、電池特性の評価を以下に示す。
<グルコース添加量−充放電特性>
図19は、表面に炭素材料を担持し、かつ、添加したグルコースの量を、15wt%(赤)、10wt%(緑)、5wt%(青)としたリン酸鉄リチウム粒子を用いた正極を有するリチウムイオン二次電池の充放電特性を示す。なお実線が放電容量と電圧の関係を示し、点線が充電容量と電圧の関係を示す。
図19より、グルコース添加量が10wt%のものが放電容量及び充電容量が一番大きいことが示される。一方、グルコース添加量が5wt%及び15wt%のものは、放電容量及び充電容量が小さくなる。
図19及び図14を用いて、グルコース添加量が5wt%及び10wt%のものを比較する。図14からグルコース添加量が5wt%及び10wt%のものは比表面積がほぼ同じであるのにもかかわらず、図19から放電容量及び充電容量は、5wt%のものの方が10wt%のものよりも小さい。
上述のように、本実施の形態で作製されたリン酸鉄リチウム粒子は、密度が同じになる作製条件及び原材料を用いて作製している。密度が同じ粒子において、比表面積が大きいほど粒径が小さい。そのため、本実施の形態のリン酸鉄リチウム粒子も、その比表面積が大きいほど粒径が小さいと言える。
また比表面積がほぼ同じであるということは、リン酸鉄リチウム粒子の粒径がほぼ同じであることを示している。つまり、グルコース添加量が5wt%及び10wt%のものは、比表面積がほぼ同じであるので、粒径もほぼ同じであると言える。
しかしながら、グルコース添加量が5wt%及び10wt%のものは、粒径がほぼ同じでも、放電容量及び充電容量は、5wt%のものの方が10wt%のものよりも小さい。
リン酸鉄リチウム粒子の粒径がほぼ同じでも、放電容量及び充電容量が異なるということは、リン酸鉄リチウム粒子を被覆するカーボンの伝導性が異なることが示される。
すなわち、グルコース添加量が少ないと、加熱分解されなかった水酸基が少ないので、導電性が減少するということである。
<グルコース添加量−レート特性>
図20は、表面に炭素材料を担持し、かつ、添加したグルコースの量を、15wt%(赤)、10wt%(緑)、5wt%(青)としたリン酸鉄リチウム粒子を用いた正極を有するリチウムイオン二次電池のレート特性を示す。
図20から、グルコース添加量が少ないほど、放電レートが同じであっても放電容量が増大することが示される。
<半値幅と放電容量の関係>
図22に、XRD回折におけるピークの半値幅と放電容量との関係を示す。なお図22では、焼成温度、焼成時間、グルコース添加量において、異なる作製条件で作製されたリン酸鉄リチウム粒子の半値幅を、全てX軸の値としている。上述のように、XRD回折のピークの半値幅は、結晶化度(結晶性のよさ)を示している。
図22に示されるように、半値幅が小さいほど、すなわち結晶性が高いほど放電容量が高い。
結晶性が高いほど放電容量が高い理由を以下に述べる。
オリビン型構造のリン酸鉄リチウムは、リチウムイオンの拡散経路が1次元的である。そのため、結晶性が高いほど、リチウムイオンの拡散経路が確保され、より多くのリチウムイオンの出入りが可能となる。
図22では、半値幅が0.17°より大きいリン酸鉄リチウムを正極活物質として有する二次電池の放電容量が、0.17°以下のものよりも小さいことが示されている。半値幅が0.17°より大きいリン酸鉄リチウムは、その結晶が歪んでしまい、結晶内部の拡散経路が維持できなくなってしまう恐れがある。そのためリチウムイオンの出入りが制限され、放電容量が小さくなってしまう。
以上から、XRD回折におけるピークの半値幅が0.17°以下であるリン酸鉄リチウムを、正極活物質として用いる二次電池は、その放電容量が大きいので好適であると言える。
<比表面積と放電容量の関係>
図23に比表面積と放電容量との関係を示す。比表面積は上述のように、BET法で測定された比表面積である。なお図23では、焼成温度、焼成時間、グルコース添加量において、異なる作製条件で作製されたリン酸鉄リチウム粒子の比表面積を、全てX軸の値としている。
図23により、リン酸鉄リチウム粒子の比表面積が変わっても、放電容量は変わらないことが示される。上述のように、本実施の形態のリン酸鉄リチウム粒子は、その比表面積が大きいほど粒径が小さい。すなわち、図23より、リン酸鉄リチウム粒子の粒径が変わっても、放電容量は変わらないことが示される。
<半値幅とレート特性の関係>
図24にXRD回折のピークの半値幅とレート特性との関係を示す。本実施の形態においてレート特性とは、放電レートが2Cの場合の放電容量に対する放電レートが10Cの相対放電容量の特性である。なお図24では、焼成温度、焼成時間、グルコース添加量において、異なる作製条件で作製されたリン酸鉄リチウム粒子の半値幅を、全てX軸の値としている。
上述したように、XRD回折のピークの半値幅は、結晶化度(結晶性のよさ)を示している。図24から、半値幅が0.13°以上0.165°以下を示すリン酸鉄リチウム粒子のレート特性がよいことが示される。
特に図24において、半値幅が0.155°付近で、放電レートが2Cの場合の放電容量に対する放電レートが10Cの場合の放電容量の割合(10C放電容量/2C放電容量)の極大値が現れる。半値幅に極大値が存在するということは、レート特性に対して、結晶化度に極大値が存在するということである。
結晶化度が低すぎると、結晶粒と結晶粒との間に存在する粒界にキャリアイオンがトラップされてしまい、キャリアイオンの移動度が遅くなってしまう。このためレート特性が小さくなってしまう。一方、結晶化度が高すぎると、1つの結晶粒に入ったキャリアイオンが出てくるまでに時間がかかってしまう。そのためレート特性が小さくなってしまう。
XRD回折のピークの半値幅が0.13°以上0.165°以下、好ましくは0.155°であるリン酸鉄リチウム粒子を正極活物質層の材料として用いると、レート特性のよい二次電池が得られる。
<粒径とレート特性の関係>
図28に、リン酸鉄リチウム粒子の粒径分布を示す。この粒径分布は、図18における焼成時間が3h、焼成時間600℃、グルコースの量は10wt%で焼成したリン酸鉄リチウム粒子の粒径分布である。該リン酸鉄リチウム粒子を用いた二次電池は、上述のように、放電容量/2C放電容量(Y軸)が89.5%という高い放電容量の割合を示す。放電レートが2Cの場合の放電容量に対する放電容量の割合(放電容量/2C放電容量)は、上述のように放電容量がどの程度劣化するかを示している。また放電容量がどの程度劣化するということは、リチウムイオンの拡散速度を示している。
図28において、粒径が20nm以上50nm未満のリン酸鉄リチウム粒子数は、全体の60%であり、最多の分布の粒子径は30nm以上40nm未満である。また粒径の平均値は52nm、極大値は35nmである。以上から、リン酸鉄リチウム粒子の粒径が、20nm以上50nm未満、好ましくは30nm以上40nm未満であると、リチウムイオンの拡散速度が低下せず、レート特性のよい二次電池を得ることができる。
<比表面積とレート特性の関係>
図25に比表面積とレート特性との関係を示す。なお図24では、焼成温度、焼成時間、グルコース添加量において、異なる作製条件で作製されたリン酸鉄リチウム粒子を有する試料の半値幅を、全てX軸の値としている。上述のように、比表面積の増減はリン酸鉄リチウム粒子の粒径の増減に関連する。
図25に示すように、比表面積20m/g以上30m/g以下では、リン酸鉄リチウム粒子の比表面積が大きい程レート特性がよい。これは、比表面積が広くなることでリチウムイオンの拡散経路が増加したためである。
または、比表面積が大きい程粒径が小さいことから、リチウムイオンの拡散距離が短くなったため、レート特性がよくなったとも言える。
あるいは、リン酸鉄リチウム粒子の比表面積が増大したこと、及び、粒径が減少したことの両方の効果により、レート特性がよくなったとも言える。
以上から開示される発明の一様態により、バルク抵抗率の低いリン酸鉄リチウムを得ることができる。また充放電が速い蓄電装置を得ることができる。またリチウムイオンの拡散を速めることができる。容量が大きい蓄電装置を得ることができる。
101 リン酸鉄リチウム粒子
102 バインダ
104 結晶粒
105 粒界
110 二次電池
111 筐体
112 筐体
113 正極集電体
114 正極活物質層
115 正極
116 負極活物質層
117 負極集電体
118 負極
119 セパレータ
120 リング状絶縁体

Claims (8)

  1. 正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、XRD回折のピークの半値幅が0.17°以下であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有することを特徴とする蓄電装置。
  2. 正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、XRD回折のピークの半値幅が0.13°以上0.165°以下であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有することを特徴とする蓄電装置。
  3. 正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、粒径が20nm以上50nm未満であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有することを特徴とする蓄電装置。
  4. 正極活物質層に、表面に炭素材料を担持し、粒径が30nm以上40nm未満であるリン酸鉄リチウム粒子が含まれている正極を有することを特徴とする蓄電装置。
  5. 表面に炭素材料を担持し、XRD回折のピークの半値幅が0.17°以下であるリン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、及びバインダを混合してペーストを作製し、
    集電体上に、前記ペーストを塗布することにより正極を作製することを特徴とする蓄電装置の作製方法。
  6. 表面に炭素材料を担持し、XRD回折のピークの半値幅が0.13°以上0.165°以下であるリン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、及びバインダを混合してペーストを作製し、
    集電体上に、前記ペーストを塗布することにより正極を作製することを特徴とする蓄電装置の作製方法。
  7. 表面に炭素材料を担持し、粒径が20nm以上50nm未満であるリン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、及びバインダを混合してペーストを作製し、
    集電体上に、前記ペーストを塗布することにより正極を作製することを特徴とする蓄電装置の作製方法。
  8. 表面に炭素材料を担持し、粒径が30nm以上40nm未満であるリン酸鉄リチウム粒子、導電助剤、及びバインダを混合してペーストを作製し、
    集電体上に、前記ペーストを塗布することにより正極を作製することを特徴とする蓄電装置の作製方法。
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