JP2011213247A - 車両の運動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御可能範囲が拡大され、よりアクティブな制御介入が実現できる車両の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】操作状態量及び運動状態量に対応した車両の規範姿勢状態量を、所定の外力が作用する状態における車両の運動モデルにもとづき演算する規範姿勢状態量演算手段54と、路面摩擦係数推定値を含む前記車両の実姿勢状態量を推定する実姿勢状態推定部52と、実姿勢状態量(慣性力)および前後力に基づき路面摩擦係数相当値を決定する路面摩擦係数相当値決定部200と、実姿勢状態推定部が推定した前記路面摩擦係数推定値と前記路面摩擦係数相当値決定部200が決定した路面摩擦係数相当値に基づき、実路面摩擦係数を推定する実路面摩擦係数推定部400とを備えることを特徴とする車両の運動制御装置
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の運動制御装置に関する。
左右の車輪に駆動力を配分して車両のヨーモーメントを制御する駆動力配分装置において、駆動力配分量をアクセル開度、エンジン回転速度、車速、前輪転舵角、横方向加速度、ヨーレート、車体横滑り角(車体スリップ角とも言う)等にもとづいてヨーレートフィードバック制御及びスリップ角フィードバック制御する技術が、特許文献1等により知られている。
同様に車体横滑り角にもとづいて左右の車輪の制動力を制御して、ヨーモーメントを制御する制動装置や、車体横滑り角にもとづいて前輪転舵角を補正制御する技術が知られている。
また、後輪軸の横滑り角及び横滑り角速度から目標ヨーモーメントを演算し、左右の車輪の制動力を制御して、車両のヨーモーメントを制御する制動装置が特許文献2により知られている。
さらに、最近では、運転者の目標通りに車両を旋回させる回頭性を向上させるとともに、車両がスピン状態に陥るのを抑制し、誤作動や過剰制御を防止する車両の運動制御技術として、車両の運動モデルにもとづいた車両の第1モデル状態量(本願発明における「規範姿勢状態量」に対応)と、車両の第1実状態量(本願発明における「実姿勢状態量」に対応)との偏差にもとづいて、前記車両の運動モデルにフィードバックする仮想外力を補正演算するとともに、車両運動を発生させるアクチュエータの駆動量にフィードバックするヨーモーメント等を演算するフィードバック分配演算手段を備えた車両の運動制御装置の技術が特許文献3により知られている。
特開2003−170822号公報(図6参照) 特開平9−99826号公報(図2〜図7、及び段落[0077]〜[0081]参照) 特許第4143111号公報(図1、図2参照)
しかしながら、従来の車両の運動制御装置にあっては、車両の運動モデルに基づいた路面摩擦係数のモデル計算値と、実値との間に乖離が存在した場合、スリップ角などの車両の姿勢状態の推定精度が低下し、運転者に違和感を与えるおそれがある。
そこで本発明は、制御可能範囲が拡大され、よりアクティブな制御介入が実現できる車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような課題を解決するために、請求項1に係る車両の制御装置は、運転者の車両の操作状態量を検知する操作状態検知手段と、前記車両の前後力を含む運動状態量を検知する運動状態検知手段と、前記操作状態量及び前記運動状態量に対応した前記車両の規範姿勢状態量を、所定の外力が作用する状態における車両の運動モデルにもとづき演算する規範姿勢状態量演算手段と、前記操作状態検知手段からの検知信号及び前記運動状態検知手段からの検知信号にもとづき、路面摩擦係数推定値を含む前記車両の実姿勢状態量を推定する実姿勢状態量推定手段と、前記規範姿勢状態量と前記実姿勢状態量との偏差を演算する偏差演算部と、前記偏差にもとづき前記運動モデルを修正するモデル修正部と、前記偏差にもとづき車両運動を発生させるアクチュエータの駆動量を決定するアクチュエータ制御部と、前記実姿勢状態量(慣性力)および前記前後力に基づき路面摩擦係数相当値を決定する路面摩擦係数相当値決定部と、前記実姿勢状態量推定手段が推定した前記路面摩擦係数推定値と前記路面摩擦係数相当値決定部が決定した前記路面摩擦係数相当値に基づき、実路面摩擦係数を推定する実路面摩擦係数推定部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、路面摩擦係数のモデル計算値と、実値との間に乖離が存在したとしても、実値(慣性力−推定トルク)に基づく路面摩擦係数相当値により補償することができるため、姿勢状態(スリップ角など)の推定精度の低下を抑制することができる。
また、請求項2に係る車両の制御装置は、前記路面摩擦係数相当値決定部は、前記実姿勢状態量である車体慣性力と前記前後力の差に基づき前記路面摩擦係数相当値を増減するよう構成されるとともに、前記実路面摩擦係数推定部は、前記路面摩擦係数相当値が大きい場合に前記実路面摩擦係数推定値を増加補正するよう構成されることを特徴とする。
本発明によれば、摩擦係数を大きくする方向へ補正することにより、モデルの推定精度の低下を抑制できる。なお、モデル計算と実値とのずれは摩擦係数が小さいときほど大きくなる。
また、請求項3に係る車両の制御装置は、前記車両の加減速状態を判別する加減速状態判定手段を備え、前記加減速状態判定手段の判定した加減速状態に基づき、前記実路面摩擦係数推定値の増減量を制限する制限手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、制駆動力に対する慣性力の位相おくれに伴い、摩擦係数の異常補償が発生することを防止出来る。
本発明に係る車両の制御装置によれば、制御可能範囲が拡大され、よりアクティブな制御介入が実現できる。
本実施形態に係る車両の運動制御装置を適用した車両の模式図である。 車両の運動制御装置における制御ロジックを説明するためのブロック機能構成図である。 車両の動特性モデルにおいて考えるモデル車両上の符号の説明図である。 摩擦係数推定演算部を説明するための機能ブロック図である。 路面摩擦係数相当値決定部を説明するための機能ブロック図である。 車輪の車軸周りの運動方程式を説明するための模式図である。 加速時および減速時における車体慣性力・制駆動力と、前後力補償量との関係を示すグラフである。 加速時および減速時における車体慣性力・制駆動力と、制限された前後力補償量との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
図1は本実施形態に係る車両の運動制御装置を適用した車両の模式図である。
図2は車両の運動制御装置における制御ロジックを説明するためのブロック機能構成図である。
図1に示すように、車両1は前輪駆動車両であり、駆動力伝達装置Tと、ステアバイワイヤ式の前輪操舵装置SBWとを含んでいる。
車両1には、運転者が操作する操向ハンドル21aの操作量(車両の操作状態量)を検出する操作角検出センサ(操作状態検知手段)21c、図示しないセレクトレバーの選択位置(車両の操作状態量)を検出するセレクトレバーポジションセンサ(操作状態検知手段)2、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(車両の操作状態量)を検出するアクセルペダルポジションセンサ(操作状態検知手段)3、図示しないブレーキペダルの踏み込み量(車両の操作状態量)を検出するブレーキペダルポジションセンサ(操作状態検知手段)4が設けられている。
また、車両1は、車両の運動制御装置として、コントロールユニット(車両の運動制御装置)37、前輪操舵装置SBWの制御部である転舵角制御装置40、その他各種のセンサ、例えば、各車輪WfL,WfR,WrL,WrRの車輪速度(車両の運動状態量)を検出する車輪速センサ(運動状態検知手段)30fL,30fR,30rL,30rR、車両1の実ヨーレート(車両の運動状態量)γactを検出するヨーレートセンサ(運動状態検知手段)31、車両1の横方向加速度(車両の運動状態量)Gsを検出する横方向加速度センサ(運動状態検知手段)32等を備えている。
コントロールユニット37は、VSAシステム(Vehicle Stability Assist System:車両挙動安定化制御システム)のためのコントロールユニットであり、その機能としては、ブレーキ制御ECU(Electric Control Unit)29を動作させるABS(Antilock Brake System)機能、油圧回路28やエンジンECU27を協調して動作させるTCS(Traction Control System)機能、油圧回路28及びブレーキ制御ECU29を協調させて動作させるAYC(Active Yaw Control)機能も含んでいる。
本実施形態では、前記したAYC機能における特徴に注目して説明をする。そのため、図2に示すコントロールユニット37の機能ブロック構成図には、ABSの機能の機能ブロック、TCS機能の機能ブロックは省略してある。
AYC機能のためにコントロールユニット37は、転舵時の運動制御のために油圧回路28を介して駆動力伝達装置Tを制御したり、転舵時の運動制御のために各車輪WのブレーキBfL,BfR,BrL,BrRをブレーキ制御ECU(Electric Control Unit)29を介して制御したりする。
(動力伝達系)
まず、本実施形態の車両1の運動制御装置を適用する車両1の動力伝達系について説明する。車体前部に横置きに搭載したエンジンENGの右端にトランスミッシヨンT/Mが接続されており、これらエンジンENG及びトランスミッションT/Mの後部に駆動力伝達装置Tが配設される。駆動力伝達装置Tの左端及び右端から左右に延出する左ドライブシャフトAL及び右ドライブシャフトARには、それぞれ駆動輪である左前輪WfL及び右前輪WfRが接続される。
駆動力伝達装置Tは、トランスミッションT/Mから延びる入力軸で入力され、例えば、特開2008−239115号公報の図1に記載のようにディファレンシャルと、ダブルピニオン式の遊星歯車機構とを含んで構成されている。
そして、駆動力伝達装置Tの遊星歯車機構は、コントロールユニット37により油圧回路28を介して制御される左油圧クラッチCL及び右油圧クラッチCRを含んでいる。
車両1の直進走行時には左油圧クラッチCL及び右油圧クラッチCRが共に非係合状態とされる。車両1の右旋回時には、コントロールユニット37に油圧回路28が制御されて、右油圧クラッチCRの係合力が適宜調整されることによって、左前輪WfLの回転速度は右前輪WfRの回転速度に対して増速される。左前輪WfLの回転速度が右前輪WfRの回転速度に対して増速されると、旋回内輪である右前輪WfRのトルクの一部を旋回外輪である左前輪WfLに伝達することができる。
一方、車両1の左旋回時には、コントロールユニット37に油圧回路28が制御されて、左油圧クラッチCLの係合力が適宜調整されて、右前輪WfRの回転速度は左前輪WfLの回転速度に対して増速される。右前輪WfRの回転速度が左前輪WfLの回転速度に対して増速されると、旋回内輪である左前輪WfLのトルクの一部を旋回外輪である右前輪WfRに伝達することができる。
(前輪操舵装置)
次に、本実施形態における前輪操舵装置の構成を説明する。
この前輪操舵装置SBWは、ステアバイワイヤを実現するものであり、運転操作装置である操作部21と、ステアリング装置機構である転舵部25と、転舵部25を制御する転舵角制御装置40とを含んでなる。
操作部21は運転者が操作する操向ハンドル21aを備え、この操向ハンドル21aの操作角θを転舵角制御装置40で処理し、この処理結果にもとづいて転舵部25のステアリングモータ25aを駆動させて転舵輪である左右の前輪WfL,WfRを転舵する。
操作部21は、運転者が操作する操向ハンドル21aと、操向ハンドル21aの回転軸である操舵軸21bと、操向ハンドル21aの操作角θを検出する操作角検出センサ21cと、操作トルクセンサ21dと、操向ハンドル21aの操作性を向上させる操作反力モータ21eとを含んで構成される。操作トルクセンサ21dは、公知のセンサからなり、操向ハンドル21aから入力されるトルク量を検出することで、操作開始時や左右の前輪WfL、WfRの方向切り替え時(切り返し時)の応答性を向上させるものである。一方、操作角検出センサ21cは、操向ハンドル21aの操作による操舵軸21bの回転位置を検出する公知のセンサから構成され、操向ハンドル21aの操作角θを、例えば、電圧値として出力するものである。この操作角検出センサ21cからの出力は、転舵角制御装置40が転舵輪である左右の前輪WfL、WfRの転舵角を設定するのに用いられる。
さらに、操舵軸21bの他端部は、操作反力モータ21eの回転軸に連結されている。この操作反力モータ21eは、転舵角制御装置40からの信号を受けて、操向ハンドル21aの回転位置及び操作方向に応じて、操向ハンドル21aの操作方向(操向ハンドル21aの動き)とは異なる向き及び所定の大きさの反力(操作反力)を発生させることによって、転舵操作の操作性及び精度を向上させる機能を有している。
ここで、左右の前輪WfL,WfRの転舵は、ステアリングモータ25aの回転を、例えば、ボールねじ機構25bによってラック軸25cの直線運動に変換し、それをタイロッド25d,25dを介して左右の前輪WfL、WfRの転舵運動に変換する転舵部25により行われている。
なお、直線運動時のラック軸25cの位置は、転舵部25に設けられた転舵角センサ(操作状態検知手段)33によって転舵角δ(車両の操作状態量)として検出され、転舵角制御装置40にフィードバックされている。
各車輪WfL、WfR,WrL,WrRには、車輪速センサ30fL,30fR,30rL,30rRが設けられており、車輪速を検出して、コントロールユニット37に入力される。
コントロールユニット37の車速演算部(運動状態検知手段)52a(図2参照)では、入力された車輪速から車速Vactを演算して、転舵角制御装置40に車速Vactを入力する。
また、各車輪WfL,WfR,WrL,WrRには、ブレーキBfL,BfR,BrL,BrRが設けられ、ブレーキ制御ECU29により制御される。
ここで、左油圧クラッチCL、右油圧クラッチCR、ブレーキBfL,BfR,BrL,BrRが、特許請求の範囲に記載の「アクチュエータ」に対応する。
(転舵角制御装置)
転舵角制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び所定の電気回路を備えたECU(電子制御ユニット)から構成され、図1に示すように、操作部21及び転舵部25とは信号伝達ケーブルを介して電気的に連結されている。
転舵角制御装置40は、操作部21の操作角検出センサ21c、操作トルクセンサ21dからの検出信号と、車速演算部52a(図2参照)からの車速Vactの信号を受け取り、前輪WfL、WfRの向くべき前輪目標転舵角を設定し、また、操作部21の操作反力モータ21eの制御を行う目標転舵角設定・操作反力制御部40aと、ステアリングモータ25aを駆動させるステアリングモータ制御部40bを含んで構成されている。
転舵角制御装置40の構成は、例えば、特開2004−224238号公報の図2に示されているものと同様である。
(車両の運動制御装置の構成)
次に、油圧回路28を介して駆動力伝達装置Tによる左右の前輪WfL,WfRそれぞれへの駆動トルクを制御したり、ブレーキ制御ECU29を介して各車輪WfL,WfR,WrL,WrRそれぞれの制動力を制御したりして、車両1の重心回りのヨーモーメントを制御するコントロールユニット37における制御ロジックを、図2を参照しながら、適宜、図1を参照して説明する。
コントロールユニット37は、CPU,ROM,RAM及び所定の電気回路を備えたECUから構成されている。コントロールユニット37は、図1に示すように転舵角制御装置40と信号伝達ケーブルを介して電気的に連結されている。また、コントロールユニット37は、図1に示すように油圧回路28及びブレーキ制御ECU29と信号伝達ケーブルを介して電気的に連結されていると同時に、図示を省略するがエンジンECU27とも通信回線で連結されている。エンジンECU27からは、駆動輪である前輪WfL,WfRへの駆動トルク、セレクトレバーの選択位置、アクセルポジションの信号が入力される。ブレーキ制御ECU29からは、ブレーキの各液圧PfL,PfR,PrL,PrR(図2では、1つの液圧Pで代表的に表示)が入力される。
なお、ここでは、エンジンECU27は、トランスミッションT/Mの減速比を制御する機能も有しているとしている。
コントロールユニット37は、機能ブロックとして、フィードフォワード目標値設定部51(以下、「FF目標値設定部51」と称する)、実状態量取得部(運動状態検知手段、実姿勢状態量推定手段)52、規範操作量決定部53、規範動特性モデル演算部(規範姿勢状態量演算手段)54、偏差演算部55、フィードバック目標値演算部56(以下、「FB目標値演算部56」と称する)、フィードバック不感帯処理部57、加算部58、アクチュエータ動作目標値合成部(アクチュエータ制御部)59、仮想外力演算部(モデル修正部)61、仮想外力演算制御部62、加算部(モデル修正部)63、後輪実横滑り角補正部65、加算部66、後輪横滑り角不感帯処理部67、アンチスピン目標ヨーモーメントフィードバック演算部68(以下、「アンチスピン目標ヨーモーメントFB部68」と称する)、アンチスピン仮想ヨーモーメントフィードバック演算部69(以下、「アンチスピン仮想ヨーモーメントFB部69」と称する)を含んで構成されている。
コントロールユニット37のCPUは、各制御処理周期において、前記した各機能ブロックの処理を行う。以下に、コントロールユニット37の前記した各機能ブロックの詳細な説明を行う。
《FF目標値設定部》
FF目標値設定部51は、操向ハンドル21aの操作角θや、セレクトレバーの選択位置や、アクセルペダルの踏み込み量やブレーキペダルの踏み込み量等の運転操作入力(車両の操作状態量)、実状態量取得部52の車速演算部52aで演算された車速Vact(車両の運動状態量)を読み込み、ブレーキBfL,BfR,BrL,BrRや、左右油圧クラッチCL,CR、トランスミッション減速比等のそれぞれのFF目標値を設定する。
このFF目標値設定部51は、例えば、前記特許文献3の段落[0372]〜[0377]及び図17に記載のように、制動力の車輪WfL,WfR,WrL,WrRへのFF目標値、駆動力の左右前輪WfL,WfRへのFF目標値を設定する。FF目標値とは、具体的には、前輪WfLに対して、ブレーキBfLによるFF目標第1輪ブレーキ駆動・制動力を、前輪WfRに対して、ブレーキBfRによるFF目標第2輪ブレーキ駆動・制動力を、後輪WrLに対して、ブレーキBrLによるFF目標第3輪ブレーキ駆動・制動力を、後輪WrRに対して、ブレーキBrRによるFF目標第4輪ブレーキ駆動・制動力を演算設定する。
また、FF目標値として、前輪WfLに対して、左油圧クラッチCLによるFF目標第1輪駆動系駆動・制動力を、前輪WfRに対して、右油圧クラッチCRによるFF目標第2輪駆動系駆動・制動力を演算設定する。さらに、FF目標値として、トランスミッションT/MのFF目標ミッション減速比を演算設定しても良い。
《実状態量取得部》
次に、実状態量取得部52は、セレクトレバーポジションセンサ2からの選択位置信号、アクセルペダルポジションセンサ3からの踏み込み量を示す信号、ブレーキペダルポジションセンサ4からの踏み込み量を示す信号、操作角検出センサ21cからの操向ハンドル21aの操作角θを示す信号、ヨーレートセンサ31から車両1の実ヨーレートγactを示す信号、横方向加速度センサ32から車両1の横方向加速度Gsを示す信号、4つの車輪速センサ30(図1では本実施形態では、30fL、30fR、30rL、30rRと表示)からの各車輪速Vwを示す信号、転舵角センサ33からの転舵角δを示す信号等を取得する。
実状態量取得部52は、機能ブロックとして、さらに、車速演算部(運動状態検知手段)52a、摩擦係数推定演算部(実姿勢状態量推定手段)52b、実車体横滑り角演算部(実姿勢状態量推定手段)52c、実前輪横滑り角演算部(実姿勢状態量推定手段)52d、実後輪横滑り角演算部(実姿勢状態量推定手段)52e、実横滑り角速度演算部(実姿勢状態量推定手段)52f、実状態量判定部52g、代替値算出部(実姿勢状態量推定手段)52h、タイヤ特性設定部(実姿勢状態量推定手段)52i、バンク角推定演算部52kを有している。
なお、実状態量取得部52は、ヨーレートセンサ31からの検知信号を取得して、中点学習をして、左右のヨーレートが発生していない状態をゼロ点として補正された実ヨーレートγactを、実状態量取得部52の他の機能ブロックに出力する機能ブロックとしてのヨーレート中点学習補正部や、転舵角センサ33からの検知信号を取得して、中点学習をして、中立状態(車両1の直進状態)をゼロ点として補正された転舵角δを、実状態量取得部52の他の機能ブロックに出力する機能ブロックとしての転舵角中点学習補正部等も有しているが、図2では省略してある。
ちなみに、中点学習をして補正された実ヨーレートγactは偏差演算部55に入力される。
(車速演算部)
車速演算部52aは、例えば、特開2000−85558号公報に開示されているように公知の方法を用い、車輪速センサ30からの各車輪速Vw等にもとづいて車速Vact(車両の運動状態量)を演算する。特に、ブレーキペダルが操作されていないときは、従動輪である後輪WrL,WrRの車輪速センサ30rL,30rRの示す各車輪速Vwの平均値が車速Vactである。車速演算部52aは、車輪速センサ30からの各車輪速Vwと車速Vactから各車輪Wのスリップ率も演算する。
本実施形態は、車速Vactを車輪速センサ30fL,30fR,30rL,30rRから算出することに限定されず、車両1が車輪速センサ30fL,30fR,30rL,30rRとは別に、対地速度を直接検出する公知の車速センサを備え、実状態量取得部52が車速センサから車速Vactを示す信号を取得する構成としても良い。
(摩擦係数推定演算部)
摩擦係数推定演算部52bは、例えば、特開2000−85558号公報に開示されているように公知の方法を用い、横方向加速度Gs、実ヨーレートγact、タイヤ特性設定部52iからの各車輪Wごとのタイヤ特性(実車輪横すべり角−コーナリングフォース特性、車輪Wのスリップ率−コーナリングフォース減少率特性、車輪Wのスリップ率−制・駆動特性)、車輪スリップ率、実前輪横滑り角演算部52dで演算された前輪WfL,WfRの横滑り角βf_act、実後輪横滑り角演算部52eで演算された、後輪WrL,WrRの横滑り角βr_act等にもとづいて車両の実姿勢状態量のパラメータの1つである路面の摩擦係数μを推定演算する。
摩擦係数推定演算部52bは、推定した路面の摩擦係数μの結果を実状態量判定部52gに出力する。
(実車体横滑り角演算部)
実車体横滑り角演算部52cは、例えば、特開2000−85558号公報に開示されているように公知の方法を用い、転舵角δ、実ヨーレートγact、横方向加速度Gs、車速Vact、各車輪Wのスリップ率等にもとづいて公知の方法で実車体横滑り角(車両の実姿勢状態量)βz_actを推定演算する。ここで、実車体横滑り角βz_actは、図3に示すように車両1の重心回りの車体横滑り角であり、車体スリップ角とも言われる。ここでは、前記した規範動特性モデル演算部54において演算される重心回りの車体横滑り角である規範車体横滑り角βz_dと区別するために実車体横滑り角βz_actと称する。
実車体横滑り角演算部52cにおいて推定演算された実車体横滑り角βz_actは、偏差演算部55に入力される。
(実前輪横滑り角演算部)
実前輪横滑り角演算部52dは、前輪WfL,WfRの実横滑り角βf_act(以下、単に「前輪実横滑り角(車両の実姿勢状態量)βf_act」と称する)を、実車体横滑り角βz_act、実ヨーレートγact、車速Vact、転舵角δにもとづいて公知の方法で演算する。また、実後輪横滑り角演算部52eは、後輪WrL,WrRの実横滑り角βr_act(以下、単に「後輪実横滑り角(車両の実姿勢状態量)βr_act」と称する)を、実車体横滑り角βz_act、実ヨーレートγact、車速Vactにもとづいて公知の方法で演算する。
例えば、次式(1)のように前輪実横滑り角βf_actは演算でき、次式(2)のように後輪実横滑り角βr_actは演算できる。
βf_act=βz_act+Lf・γact/Vact−δ ・・・・(1)
βr_act=βz_act−Lr・γact/Vact ・・・・・・(2)
ここで、Lfは、車両1の重心と前輪WfL,WfRのドライブシャフトAL,ARとの前後方向距離であり、Lrは、車両1の重心と後輪WrL,WrRの回転軸との前後方向距離である(図3参照)。
実前輪横滑り角演算部52dで演算された前輪実横滑り角βf_actは、アクチュエータ動作目標値合成部59に入力される。
実後輪横滑り角演算部52eで演算された後輪実横滑り角βr_actは、加算部66およびアクチュエータ動作目標値合成部59に入力される。
(実横滑り角速度演算部)
実横滑り角速度演算部52fは、実車体横滑り角演算部52cで周期的に演算された前回の実車体横滑り角βz_actと今回の実車体横滑り角βz_actにもとづいて、時間微分し、実車体横滑り角速度(車両の実姿勢状態量)β′z_actを演算する。実横滑り角速度演算部52fで演算された実車体横滑り角速度β′z_actは、偏差演算部55に入力される。
また、実横滑り角速度演算部52fは、実後輪横滑り角演算部52dで周期的に演算された前回の後輪実横滑り角βr_actと今回の後輪実横滑り角βr_actにもとづいて、時間微分し、後輪実横滑り角速度(車両の実姿勢状態量)β′r_actを演算する。実横滑り角速度演算部52fで演算された輪実横滑り角速度β′r_actは、後輪実横滑り角補正部65に入力される。
(バンク角推定部)
バンク角推定演算部52kは、公知の方法で、例えば、特開平11−59367号公報の特に段落[0094]に開示されているように、横方向加速度Gs、実ヨーレートγactにもとづいてバンク角を推定する。
(実状態量判定部)
次に、実状態量判定部52gの機能について説明する。
実状態量判定部52gは、前記した各種センサ、セレクトレバーポジションセンサ2、アクセルペダルポジションセンサ3、ブレーキペダルポジションセンサ4、車輪速センサ30fL,30fR,30rL,30rR、ヨーレートセンサ31、横方向加速度センサ32、転舵角センサ33からの信号を監視し、必要に応じて、代替値算出部52hに制御指令を出したり、仮想外力演算制御部62に制御指令を出したりする。
実車体横滑り角演算部52cにおける実車体滑り角βz_actの推定演算には、実ヨーレートγactと転舵角δとは重要なパラメータである。
そこで、実状態量判定部52gは、ヨーレートセンサ31、転舵角センサ33からの検知信号を監視する。そして、実状態量判定部52gが、ヨーレートセンサ31が故障したと判定した場合は、実車体横滑り角演算部52cに指令信号を入力し、演算を中止させるとともに、代替値算出部52hにおいて、実ヨーレートγactの代替値γaltと実車体滑り角βz_actの代替値βz_altを演算させ、実前輪横滑り角演算部52d、実後輪横滑り角演算部52eに指令して、前輪WfL,WfRの実横滑り角βf_act、後輪WrL,WrRのβr_actを算出する場合に、代替値γalt及び代替値βz_altを使用して演算させる。同様に、実状態量判定部52gが、転舵角センサ33が故障したと判定した場合は、実車体横滑り角演算部52cに指令信号を入力し、演算を中止させるとともに、代替値算出部52hにおいて、実ヨーレートγactの代替値γaltと実車体滑り角βz_actの代替値βz_altを演算させ、実前輪横滑り角演算部52d、実後輪横滑り角演算部52eに指令して、前輪WfL,WfRの実横滑り角βf_act、後輪WrL,WrRのβr_actを算出する場合に、代替値γalt及び代替値βz_altを使用して演算させる。
そして、実状態量判定部52gは、ヨーレートセンサ31、横方向加速度センサ32、転舵角センサ33等が故障と判定したとき、仮想外力演算制御部62にそれぞれのセンサ故障判定結果のフラグ信号を入力し、仮想外力演算制御部62にそれに応じた制御をさせる。
また、実状態量判定部52gは、セレクトレバーポジションセンサ2の位置信号と、操作角検出センサ21cからの操作角θを示す信号と、車速演算部52aで演算した車速Vactとから、車両1の所定値以上の前進速度で走行中の運転者による操向ハンドル21aの急操作(操作角θの時間微分である操作角速度θ′の絶対値が所定値以上であること)を検出して、それを検出後の所定の時間の間、またはそれを検出後の所定値以上の横方向加速度Gsを検出しなくなって、所定時間を経過するまでの間、操向ハンドル21aの急操作中を示すハンドル急操作フラグ信号を仮想外力演算制御部62に入力する。
さらに、実状態量判定部52gは、前記した図示しないヨーレート中点学習補正部、転舵角中点学習補正部を監視し、実ヨーレートγact、転舵角δの中点学習が完了したか否かをチェックし、中点学習が完了していない間は、中点学習未了のフラグ信号を仮想外力演算制御部62に入力する。
また、実状態量判定部52gは、セレクトレバーポジションセンサ2の位置信号と車速演算部52aで演算した車速Vactから、車両1が停止中、車両1が後退走行中、車両1が所定値未満の速度での低速走行中を判定して、それぞれの状態を示す停止中フラグ信号、後退走行フラグ信号、低速走行フラグ信号を仮想外力演算制御部62に入力する。
なお、実状態量判定部52gは、セレクトレバーによる後退走行の検出によらず、ヨーレートセンサ31からの実ヨーレートγactの示すヨーレート方向と、横方向加速度センサ32からの横方向加速度Gs及び転舵角センサ33からの転舵角δにもとづき決定される公転ヨーレートとのそれぞれの符号(方向性)によって車両1の後退走向を検出判定するように構成することも可能である。
実状態量判定部52gは、バンク角推定演算部52kの出力を監視し、所定値以上のバンク角を示すときは、バンク路フラグ信号を仮想外力演算制御部62に入力する。
さらに、実状態量判定部52gは、摩擦係数推定演算部52bから入力された路面の摩擦係数μの結果が、所定値以下の場合は、路面摩擦係数が低μであることを示す低μフラグ信号を仮想外力演算制御部62に入力する。
(代替値算出部)
次に、代替値算出部52hについて説明する。
先ず、ヨーレートセンサ31からの検知信号にもとづく実ヨーレートγactが使用できない場合の、代替値算出部52hにおける実ヨーレートγactの代替値γalt及び実車体横滑り角βz_actの代替値βz_altの算出方法について説明する。この算出方法には、以下の2通りの方法が考えられる。先ず、第1の方法(手法A)について説明する。
〈第1の方法−手法A〉
βz_alt=Kβ(Vact)・δ ・・・・・・・・・・・・・(3A)
γalt=Kγ(Vact)・δ ・・・・・・・・・・・・・・・(4A)
ここで、Kβ(Vact)は、転舵角δから代替値βz_altを算出する際の車速Vactの関数のゲインであり、Kγ(Vact)は、転舵角δから代替値γaltを算出する際の車速Vactの関数のゲインである。
〈第2の方法−手法B〉
次に、第2の方法(手法B)について説明する。この第2の方法は、次式(5)に示すように車速Vactと横加速度Gsを用いる方法である。
γalt=γ=Gs/Vact ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
また、算出されたγaltを用いて、式(4A)において代替値γaltとゲインKγ(Vact)を用い転舵角δの代替値δaltを逆算して得、さらに、式(3A)において、転舵角δの代わりに代替値δaltを代入して代替値βz_altを算出する。
この第2の方法において、代替値δaltを介して式(3A)により代替値βz_altを算出する方法を説明したが、それに限定されるものではない。手法Bの変形として転舵角δを用いて式(3A)により代替値βz_altを直接算出しても良い。
ちなみに、式(5)のγは、「公転ヨーレート」と称されるものであり、車両1が旋回中に旋回円の接線方向に向いていると仮定した場合のヨーレートであり、実車体横滑り角βz_actの時間変化分を含んでいない近似値である。
次に、転舵角センサ33からの検知信号にもとづく転舵角δが使用できない場合の、代替値算出部52hにおける代替値δalt及び代替値βz_altの算出方法について説明する。この算出方法には、以下の2通りの方法が考えられる。先ず、第1の方法について説明する。
〈第1の方法−手法C〉
この第1の方法(手法C)は、次式(6),(3B)に示すように実ヨーレートγactと車速Vactを用いる方法である。
δalt=Kδ(Vact)・γact ・・・・・・・・・・・・・(6)
βz_alt=Kβ(Vact)・δalt ・・・・・・・・・・・(3B)
ここで、Kδ(Vact)は、実ヨーレートγactから転舵角δの代替値δaltを算出する際の車速Vactの関数のゲインである。
〈第2の方法−手法B〉
第2の方法は、前記した手法Bを用いる。ただし、転舵角δが使えないので手法Bの変形を用いることはできない。
ちなみに、横方向加速度センサ32の故障時の代替値Gsaltの計算も次式(7)のように可能である。
Gsalt=γact・Vact ・・・・・・・・・・・・・・(7)
さらに、ヨーレートセンサ31と横方向加速度センサ32が同時に使用不可能の場合、次式(4B)、または次式(4C)のように車速Vactと車輪速Vwを用いて代替値γaltの計算ができる。
γalt=(Vw−Vw)/Vact ・・・・・・・・・・・(4B)
ここで、Vw,Vwは、例えば、従動輪である後輪WrL,WrRのそれぞれの車輪速とするが、次式(4C)のように右側の前後輪WfR,WrRの平均車輪速〈Vw〉、左側の前後輪WfL,WrLの平均車輪速〈Vw〉としても良い。
γalt=(〈Vw〉−〈Vw〉)/Vact ・・・・・・・(4C)
そして、式(7)において、式(4B)、または式(4C)により算出した代替値γaltをγactの代わりに代入して、横方向加速度Gsの代替値Gsaltを得ることができる。
また、実車体横滑り角βz_actの代替値βz_altは、式(3A)により容易に算出可能である。
このヨーレートセンサ31と横方向加速度センサ32が同時に使用不可能の場合に、代替値γaltを式(4B)、または式(4C)を用いることに限定されることはなく、式(4A)を用いることは当然可能である。
なお、代替値算出部52hで算出された実ヨーレートγactの代替値γalt、実車体横滑り角の代替値βz_alt、実車体滑り角βz_actの代替値βz_altから時間微分で算出される実車体滑り角速度β′z_actの代替値β′z_alt等も、特許請求の範囲に記載の「車両の実姿勢状態量」に含まれる。さらに、ヨーレートセンサ31から実状態量取得部52で取得された実トーレートγactが実状態量判定部52gにおいてセンサ故障等の異常がないものと判定された場合は、特許請求の範囲に記載の「車両の実姿勢状態量」の1つとして偏差演算部55に入力される。
《規範操作量決定部》
規範操作量決定部53は、前記した規範動特性モデル演算部54に対する入力としての規範モデル操作量を決定する。本実施形態では、規範操作量決定部53には、車両1の前輪WfL,WfRの転舵角(以下、モデル転舵角δdという)である。このモデル転舵角δdを決定するために、操向ハンドル21a(図1参照)の操作角θ(今回値)が規範操作量決定部53に主たる入力量として入力されるとともに、実状態量取得部52によって演算された車速Vact(今回値)、及び推定摩擦係数μ(今回値)と、規範動特性モデル演算部54上での車両1の状態量(前回値)とが規範操作量決定部53に入力される。そのため、規範操作量決定部53は、規範動特性モデル演算部54上での車両1の状態量を一時保持する前回状態量保持部53aを有している。
そして、規範操作量決定部53は、これらの入力にもとづいてモデル転舵角δdを決定する。モデル転舵角δdは、基本的には、操作角θに応じて決定すれば良い。但し、本実施形態では、規範動特性モデル演算部54に入力するモデル転舵角δdに所要の制限を掛ける。この制限を掛けるために、規範操作量決定部53には、操作角θ以外に、車速Vact、推定された路面摩擦係数μ等が入力される。
ちなみに、規範操作量決定部53は、特許第4143111号公報の段落[0127]〜[0129]等に記載されている「規範操作量決定部14」に対応する。
《規範動特性モデル演算部》
次に、図2、図3を参照しながら規範動特性モデル演算部54について説明する。図3は、車両の動特性モデルにおけて考えるモデル車両上の符号の説明図である。
規範動特性モデル演算部54は、車両1の規範とする運動の状態量である規範姿勢状態量をあらかじめ定められた車両動特性モデルを用いて決定して出力する。車両動特性モデルは、車両1の動特性を表し、前記した規範モデル操作量を含む所要の入力をもとに、規範姿勢状態量を逐次演算する。この車両1の規範とする運動は、基本的には、運転者にとって好ましいと考えられる車両1の理想的な運動もしくはそれに近い運動を意味する。
規範動特性モデル演算部54には、規範操作量決定部53で決定された規範モデル操作量、並びに、仮想外力演算部61で演算されたフィードバック制御入力である仮想外力ヨーモーメントMvと、アンチスピン仮想ヨーモーメントFB部69で演算されたアンチスピン・仮想FBヨーモーメントMv1_aspを加算した結果が入力され、それらの入力にもとづいて規範姿勢状態量、具体的には、例えば、規範ヨーレートγd、規範車体横滑り角βz_dが、積分演算を含む繰り返し計算で時系列的に演算される。
規範ヨーレートγdは、規範動特性モデルで扱うモデル車両1d(図3参照)の重心点C(図3参照)回りのヨー方向の回転運動に関する規範姿勢状態量であり、規範車体横滑り角βz_dは、モデル車両1dの重心点Cにおける車速Vdの方向に対するモデル車両1dの車体前後軸のなす角度である車体横滑り角に関する規範姿勢状態量である。これらの規範姿勢状態量γd,βz_dを制御処理周期毎に逐次演算するために、規範モデル操作量としての前記モデル転舵角(今回値)と、前記フィードッバック制御入力(仮想外力ヨーモーメント)Mv(前回値)とアンチスピン・仮想FBヨーモーメントMv1_asp(前回値)を加算した結果が入力される。この場合、本実施形態では、規範動特性モデル演算部54上のモデル車両1dの車速Vdを実際の車速Vactに一致させる。このために、規範動特性モデル演算部54には、実状態量取得部52によって演算された車速Vact(今回値)も規範操作量決定部53を介して入力される。そして、規範動特性モデル演算部54は、これらの入力をもとに、該規範動特性モデル上でのモデル車両1dの規範ヨーレートγd及び規範車体横すべり角βz_d、規範車体横すべり角速度β′z_d演算して、偏差演算部55に出力する。
なお、規範動特性モデル演算部54に仮想外力演算部61からフィードバック制御入力されるフィードバック入力Mvは、車両1の走行環境(路面状態等)の変化(規範動特性モデルで考慮されていない変化)や、規範動特性モデルのモデル化誤差、または、各センサの検出誤差もしくは実状態量取得部52における推定演算誤差等に起因して、車両1の運動とモデル車両1dの規範運動とがかけ離れる(乖離する)のを防止する(規範運動を車両1の運動に近づける)ために規範動特性モデルに付加的に入力するフィードバック制御入力である。このフィードバック入力Mvは、本実施形態では、規範動特性モデル上のモデル車両1dに仮想的に作用させる仮想外力である。このフィードバック入力Mvは、規範動特性モデル上のモデル車両1dの重心点Cまわりに作用させるヨー方向の仮想的なモーメントである。以下、「仮想外力ヨーモーメントMv」と称する。
(規範動特性モデル)
本実施形態における規範動特性モデルを、図3を参照して簡単に説明する。図3は本実施形態における規範動特性モデル上のモデル車両の説明図である。モデル車両1dは、車両1の動特性を、1つの前輪Wfと1つの後輪Wrとを前後に備えた車両1の水平面上での動特性(動力学特性)によって表現するモデル(いわゆる2輪モデル)である。モデル車両1dの前輪Wfは、実際の車両1の2つの前輪WfL,WfRを一体化した車輪Wに相当し、モデル車両1dの転舵輪である。後輪Wrは、実際の車両1の後輪WrL,WrRを一体化した車輪Wに相当し、本実施形態では非転舵輪である。
このモデル車両1dは、公知のものであり、前記しなかった符号の説明だけし、詳細な説明は省略する。
δdが転舵角を示し、規範動特性モデルに入力される規範モデル操作量である。Vf_dはモデル車両1dの前輪Wfの水平面上での進行速度ベクトル、Vr_dはモデル車両1dの後輪Wrの水平面上での進行速度ベクトル、βf_dは前輪Wfの横すべり角(以下、「前輪横滑り角βf_d」と称する)である。βr_dは後輪Wrの横すべり角(以下、「後輪横滑り角βr_d」と称する)である。βf0は、モデル車両1dの前輪Wfの進行速度ベクトルVwf_dがモデル車両1dの前後軸に対してなす角度(以下、車両前輪位置横すべり角βf0)と称する)である。
このモデル車両1dの動特性は、具体的には、次式(8)により表される。
なお、この式(8)の右辺の第3項(Mvを含む項)を除いた式は、例えば「自動車の運動と制御」と題する公知の文献(著者:安部正人、発行者:株式会社山海堂、平成15年4月10日第2版第1刷発行。以降、非特許文献1という)に記載されている公知の式(3.12),(3.13)と同等である。
Figure 2011213247
ここで、
m:モデル車両1dの総質量
Kf:モデル車両1dの前輪Wfを2つの左右の前輪WfL,WfR(図1参照)の連
結体とみなしたときの1輪当たりのコーナリングパワー
Kr:モデル車両1dの後輪Wrを2つの左右の後輪WrL,WrR(図1参照)の連
結体とみなしたときの1輪当たりのコーナリングパワー
Lf:モデル車両1dの前輪Wfの中心と重心点Cとの前後方向の距離
Lr:モデル車両1dの後輪Wrの中心と重心点Cとの前後方向の距離
I:モデル車両1dの重心点Cにおけるヨー軸まわりの慣性モーメント
である。
これらのパラメータの値は、あらかじめ設定された値である。この場合、例えば、m,I,Lf,Lrは、車両1におけるそれらの値と同一か、もしくはほぼ同一に設定される。また、Kf,Krは、それぞれ車両1の前輪WfL,WfR,後輪WrL,WrRのタイヤの特性を考慮して設定される。
なお、式(8)においてd(βz_d)/dtは、モデル車両1dの規範車体横滑り角速度β′z_dのことである。
ちなみに、本実施形態におけるモデル車両1dの動特性モデルは、特許文献3の段落[0156]〜[0168]等に記載の動特性モデルに対応し、本実施形態における仮想外力ヨーモーメントMvは、特許文献3の「仮想外力Mvir」に対応する。そして、特許文献3の「仮想外力Fvir」については、本実施形態では「0(ゼロ)」として、仮想外力のフィードバックは考えていないケースである。従って、詳細な説明は省略する。
《偏差演算部》
次に、図2に戻って偏差演算部55について説明する。
偏差演算部55は、実状態量取得部52から入力された実姿勢状態量である実ヨーレートγact、実車体横滑り角βz_act、実車体横滑り角速度β′z_actと、規範動特性モデル演算部54から入力された規範姿勢状態量である規範ヨーレートγd、規範車体横滑り角βz_d、規範車体横滑り角速度β′z_dそれぞれの偏差γerr,βerr,β′errを演算してフィードバック目標値演算部56及び仮想外力演算部61に入力する。ここで、偏差γerr,βerr,β′errはそれぞれ次式(9)、(10A),(10B)により演算する。
γerr=γact−γd ・・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
βerr=βz_act−βz_d ・・・・・・・・・・・・・・(10A)
β′err=β′z_act−β′z_d ・・・・ ・・・・・・(10B)
《FB目標値演算部》
FB目標値演算部56は、偏差γerr,βerr,β′errにもとづいて車両1の重心点回りのヨーモーメント制御を、前輪WfL,WfR、後輪WrL,WrRに対する左右の制動力の配分でブレーキ制御ECU29を介して行う、または、駆動輪である前輪WfL,WfRの左右の駆動力の配分で油圧回路28を介して行う際の規範FB目標ヨーモーメントMc_nom1を次式(11)で演算し、フィードバック不感帯処理部57に入力する。
Mc_nom1=K・γerr+K・βerr+K・β′err
・・・・・・・・(11)
ここで、K,K,Kは、予め設定されたフィードバック・ゲインである。
《フィードバック不感帯処理部》
フィードバック不感帯処理部57は、入力される規範FB目標ヨーモーメントMc_nom1に対して、例えば、±750Nm(ニュートン・メートル)の間の不感帯を設けて、規範FB目標ヨーモーメントMc_nom2を出力処理する。このように、入力される規範FB目標ヨーモーメントMc_nom1に対して出力される規範FB目標ヨーモーメントMc_nom2に不感帯を設けることにより、わずかな偏差γerr,βerrに対して絶えずヨーモーメント制御のフィードバックがなされて、乗員に不快感を与えないような安定したヨーモーメント制御とする。
フィードバック不感帯処理部57から出力された規範FB目標ヨーモーメントMc_nom2は、加算部58に入力される。
《アンチスピン・目標ヨーモーメントFB制御》
次に、図2に戻って後輪実横滑り角補正部65、加算部66、後輪横滑り角不感帯処理部67、アンチスピン目標ヨーモーメントFB部68等によるアンチスピン目標ヨーモーメントFB(フィードバック)制御について説明する。この制御は、オーバステアによる車両1(図1参照)のスピンを抑制するために、車両1の重心点回りのヨーモーメント制御を、前輪WfL,WfR、後輪WrL,WrRに対する左右の制動力の配分でブレーキ制御ECU29を介して行う、または、駆動輪である前輪WfL,WfRの左右の駆動力の配分で油圧回路28を介して行う際のアンチスピン・FB目標ヨーモーメントMc1_aspを、後記する式(12)で演算し、加算部58に入力するものである。
後輪実横滑り角補正部65は、実状態量取得部52の実横滑り角速度演算部52fで演算された実後輪横滑り角速度β′r_actに定数Kを乗じて加算部66に入力する。加算部66では、それと、実状態量取得部52の実後輪横滑り角演算部52eで演算された実後輪横滑り角βr_actを加算して実後輪横滑り角βr_act1として後輪横滑り角不感帯処理部67に入力する。
後輪横滑り角不感帯処理部67は、入力される実後輪横滑り角βr_act1に対して、例えば、±5°の間の不感帯を設けて、実後輪横滑り角βr_act2を出力処理する。このように、入力される実後輪横滑り角βr_act1に対して出力される実後輪横滑り角βr_act2に不感帯を設けることにより、わずかな実後輪横滑り角βr_act1の変化に対してオーバステアによる車両1(図1参照)のスピンを抑制するためのアンチスピン・目標ヨーモーメント制御のフィードバック量が変化して、乗員に不快感を与えないような安定したアンチスピン・目標ヨーモーメント制御の入力とする。
後輪横滑り角不感帯処理部67から出力された実後輪横滑り角βr_act2は、アンチスピン目標ヨーモーメントFB部68に入力される。
アンチスピン目標ヨーモーメントFB部68は、次式(12)に従って、アンチスピン・FB目標ヨーモーメントMc1_aspを演算し、加算部58にその結果を入力する。
Mc1_asp=K・βr_act2 ・・・・・・・・・・・(12)
ここで、Kは、予め設定されたフィードバック・ゲインである。
加算部58では、フィードバック不感帯処理部57から入力された規範FB目標ヨーモーメントMc_nom2と、アンチスピン目標ヨーモーメントFB部68から入力されたアンチスピン・FB目標ヨーモーメントMc1_aspを加算して、FB目標ヨーモーメントMc2としてアクチュエータ動作目標値合成部59に入力する。
ここで、前記した加算部66は、実後輪横滑り角速度β′r_actの絶対値大きいほど、車両1がオーバステア状態であり、オーバステア状態を抑制するために、後輪実横滑り角補正部65において実後輪横滑り角速度β′r_actに定数Kを乗じた結果を実後輪横滑り角βr_actに加算するものである。
《アクチュエータ動作目標値合成部》
次に、アクチュエータ動作目標値合成部59について説明する。
アクチュエータ動作目標値合成部59には、エンジンECU27からエンジントルク、エンジン回転速度等、トランスミッションT/Mの減速段を示す信号が入力され、また、アクセルペダルポジションセンサ3から信号とブレーキペダルポジションセンサ4からの信号、実状態量取得部52の車速演算部52aからの車速Vact等が入力されている。
そして、アクチュエータ動作目標値合成部59は、前記した加算部58から入力されたFB目標ヨーモーメントMc2を各車輪Wの駆動・制動力に分配するアクチュエータ動作FB目標値分配処理部59aと、アクチュエータ動作FB目標値分配処理部59aで演算した結果とFF目標値設定部51から入力されたFF目標値を加算して、油圧回路28及びブレーキ制御ECU29に出力する合成出力部59bを有している。
アクチュエータ動作FB目標値分配処理部59aは、例えば、前記した特許文献3の段落[0284]〜[0369]及び図12に記載されている「アクチュエータ動作FB目標値分配処理部222」に、ほぼ対応し、前輪WfLに対して、ブレーキBfLによるFB目標第1輪ブレーキ駆動・制動力を、前輪WfRに対して、ブレーキBfRによるFB目標第2輪ブレーキ駆動・制動力を、後輪WrLに対して、ブレーキBrLによるFB目標第3輪ブレーキ駆動・制動力を、後輪WrRに対して、ブレーキBrRによるFB目標第4輪ブレーキ駆動・制動力を演算して設定する。
合成出力部59bは、例えば、前記した特許文献3の段落[0378]〜[0419]及び図18等に記載されている「アクチュエータ動作目標値合成部24」にほぼ対応する。
具体的には、合成出力部59bは、FF目標値設定部51において設定されたFF目標第1輪ブレーキ駆動・制動力及びFF目標第1輪駆動系駆動・制動力、並びにアクチュエータ動作FB目標値分配処理部59aで演算設定されたFB目標第1輪ブレーキ駆動・制動力にもとづいて、ブレーキBfLによる目標第1輪ブレーキ駆動・制動力と目標第1輪スリップ比を演算して、ブレーキ制御ECU29に出力する。
合成出力部59bは、FF目標値設定部51において設定されたFF目標第2輪ブレーキ駆動・制動力及びFF目標第2輪駆動系駆動・制動力、並びにアクチュエータ動作FB目標値分配処理部59aで演算設定されたFB目標第2輪ブレーキ駆動・制動力にもとづいて、ブレーキBfRによる目標第2輪ブレーキ駆動・制動力と目標第2輪スリップ比を演算して、ブレーキ制御ECU29に出力する。
合成出力部59bは、FF目標値設定部51において設定されたFF目標第3輪ブレーキ駆動・制動力及びFF目標第3輪駆動系駆動・制動力、並びにアクチュエータ動作FB目標値分配処理部59aで演算設定されたFB目標第3輪ブレーキ駆動・制動力にもとづいて、ブレーキBrLによる目標第3輪ブレーキ駆動・制動力と目標第3輪スリップ比を演算して、ブレーキ制御ECU29に出力する。
合成出力部59bは、FF目標値設定部51において設定されたFF目標第4輪ブレーキ駆動・制動力及びFF目標第4輪駆動系駆動・制動力、並びにアクチュエータ動作FB目標値分配処理部59aで演算設定されたFB目標第4輪ブレーキ駆動・制動力にもとづいて、ブレーキBfLによる目標第4輪ブレーキ駆動・制動力と目標第4輪スリップ比を演算して、ブレーキ制御ECU29に出力する。
なお、前記各車輪Wの目標第n(n=1〜4)輪ブレーキ駆動・制動力と目標第n輪スリップ比を演算するに当たって、実状態量取得部52で演算された実前輪横滑り角βf_act、実後輪横滑り角βr_act、路面の摩擦係数μを用いる。
また、合成出力部59bは、FF目標値設定部51において設定された目標第1輪駆動系駆動・制動力、FF目標第2輪駆動系駆動・制動力を、油圧回路28に出力するとともに、FF目標値設定部51において設定されたFF目標ミッション減速比を、トランスミッションT/Mをも制御するエンジンECU27に出力する。
《仮想外力演算部》
次に、仮想外力演算部61について説明する。
仮想外力演算部61は、偏差γerr,βerrにもとづいてモデル車両1dの重心点C回りの仮想外力ヨーモーメントMvを次式(13)で演算し、加算部63に入力する。
Mv=K・(K・γerr+K・βerr) ・・・・・・・・(13)
この仮想外力演算部61の機能は、フィードバック・ゲインKを乗ずることを除き、例えば、前記した特許文献3の図9等に記載の仮想外力仮値決定部201にほぼ対応する。ただし、本実施形態では仮想外力ヨーモーメントMvのみを演算する点で異なる。
ここで、K,Kは、予め設定されたフィードバック・ゲインである。また、Kは、仮想外力演算制御部62によって設定制御されるフィードバック・ゲインである。
《アンチスピン仮想ヨーモーメントFB制御》
次に、図2を参照しながらアンチスピン仮想ヨーモーメントFB(フィードバック)制御について説明する。この制御は、オーバステアによるモデル車両1d(図1参照)のスピンを抑制するために、モデル車両1dの重心点C(図3参照)回りのアンチスピン・仮想FBヨーモーメントMv1_aspを、次式(14)で演算し、加算部63に入力するものである。
Mv1_asp=K・βr_act2 ・・・・・・・・・・・(14)
ここで、Kは、予め設定されたフィードバック・ゲインである。ちなみに、フィードバック・ゲインKは、値がフィードバック・ゲインKと同じでも良い。
加算部63では、仮想外力ヨーモーメントMvとアンチスピン・仮想FBヨーモーメントMv1_aspを加算して、規範動特性モデル演算部54に入力する。
≪摩擦係数推定演算部≫
次に、図4を用いて、実状態量取得部52における路面摩擦係数の推定演算について説明する。
図4は、摩擦係数推定演算部を説明するための機能ブロック図である。
図4に示すように、実状態量取得部52の路面摩擦係数推定演算部52bは、路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値μest )を推定する路面摩擦係数推定値演算部110と、前後力推定値演算部120と、横力推定値演算部125と、車体慣性力演算部130とを有する。また、路面摩擦係数推定演算部52bは、路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値μest )を推定するための車両モデル101とタイヤモデル102を有している。更に、路面摩擦係数推定演算部52bは、後述する路面摩擦係数相当値決定部200と、実路面摩擦係数推定部400とを有する。
路面摩擦係数推定値演算部110は、例えば、特開2000−85558号公報に開示されているように公知の方法を用い、横方向加速度Gs、実ヨーレートγact、タイヤ特性設定部52iからの各車輪Wごとのタイヤ特性(タイヤモデル102)(実車輪横すべり角−コーナリングフォース特性、車輪のスリップ率−コーナリングフォース減少率特性、車輪のスリップ率−制・駆動特性)、車輪スリップ率、実前輪横滑り角演算部52dで演算された前輪の横滑り角βf_act、実後輪横滑り角演算部52eで演算された、後輪の横滑り角βr_act等にもとづいて路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値μest )を推定演算する。
ちなみに、タイヤ特性設定部52iは、例えば、特開2000−85558号公報の段落[0013]及び図4に開示されているタイヤ特性設定手段12に対応する。
前後力推定値演算部120は、タイヤモデル102により車両の前後方向のタイヤ発生力(モデルの前後力推定値)Fx_mod を推定演算する。また、横力推定値演算部125は、タイヤモデル102により車両の横方向のタイヤ発生力(モデルの横力推定値)Fy_mod を推定演算する。
車体慣性力演算部130は、車両モデル101により車体慣性力Iw ・dω/dtを演算する。
更に、路面摩擦係数推定演算部52bは、路面摩擦係数推定値演算部110が推定した推定路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値μest )を補正するための路面摩擦係数相当値μfit を決定する路面摩擦係数相当値決定部200と、後述する実路面摩擦係数推定部400を有する。
<路面摩擦係数相当値決定部>
路面摩擦係数推定値演算部110が推定する推定路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値μest )を補正するための路面摩擦係数相当値μfit を決定する路面摩擦係数相当値決定部200について、図5を用いて説明する。
図5は、路面摩擦係数相当値決定部を説明するための機能ブロック図である。
本実施形態の路面摩擦係数相当値決定部200は、各輪前後力演算部201と、実状態量取得部52と、前後力偏差演算部202と、横力演算部203と、横力偏差演算部204と、路面摩擦係数相当値演算部205とを有する。
各輪前後力演算部201は、ブレーキ液圧Pと、エンジントルクTe と、車輪速Vw とから、車両の前後方向の路面反力(前後力観測値)Fx_obs を演算し、前後力偏差演算部202に(Fx_obs )2 の値を示す信号を出力する。
なお、各輪前後力演算部201は、後述する前後力補償量演算部301にエンジントルクTe と、ブレーキトルクTb とを出力し、後述する前後力補償量制限部302に車輪角加速度dω/dtを出力する。
(車軸周りの運動方程式)
ここで、図6を用いて、車両の備える車輪の車軸周りの運動方程式から、タイヤが路面から受ける車両の前後方向の路面反力(前後力観測値)Fx_obs の関係について説明する。
図6は、車輪の車軸周りの運動方程式を説明するための模式図である。
図6に示すように、車輪の車軸周りの運動方程式は、車輪の慣性力IW ・dω/dt(ただし、IW は車輪に係る慣性質量、ωは車輪角速度、dω/dtは車輪角加速度を表す)、駆動力としてのエンジントルクTe 、制動力としてのブレーキトルクTb 、タイヤ半径r、および、タイヤが路面から受ける車両の前後方向の路面反力Fx とすると、以下の(15)式の関係が成立する。
W ・dω/dt=Te −Tb −Fx ・r ・・・(15)
ここで、各輪前後力演算部201において、エンジントルクTe は各輪前後力演算部201に入力されたエンジントルクTe である。
また、ブレーキトルクTb は各輪前後力演算部201に入力されたブレーキ液圧Pと車両の設計により決定されるブレーキングファクタにより一義的に決定される。
車輪角速度ωは、各輪前後力演算部201に入力された車輪速Vw と車両の設計により決定されるタイヤ半径rとから、
ω=Vw /r ・・・(16)
により決定される。
車輪角加速度dω/dtは、擬似微分により時定数Tm を用いて、
dω/dt=ω・s/(Tm・s+1) ・・・(17)
により決定される。
また、(15)式により、タイヤが路面から受ける前後方向の路面反力Fx は、以下の(18)式の関係が成立する。
x =(Te −Tb −IW ・dω/dt)/r
=Fe −Fb −IW ・r-1・dω/dt ・・・(18)
ここで、エンジン力Fe 、ブレーキ力Fb は、
e =Te ・r-1 ・・・(19)
b =Tb ・r-1 ・・・(20)
である。
このように、各輪前後力演算部201は、車両の備える各車輪ごとに前後力観測値Fx_obs を演算し、最大値の前後力観測値Fx_obs について、前後力偏差演算部202に(Fx_obs )2 の値を示す信号を出力する。
なお、各輪前後力演算部201は、後述する前後力補償量演算部301にエンジントルクTe と、ブレーキトルクTb とを出力し、後述する前後力補償量制限部302に車輪角加速度dω/dtを出力する。
図5に戻り、実状態量取得部52は、車輪速Vw と、転舵角δと、実ヨーレートγact と、実状態量取得部52に記憶されている推定摩擦係数μ(前回値)とから、タイヤモデル102により推定する車両の前後方向のタイヤ発生力(モデルの前後力推定値)Fx_mod と、車両の横方向のタイヤ発生力(モデルの横力推定値)Fy_mod とを演算し、前後力偏差演算部202に(Fx_mod )2 の値を示す信号を出力し、横力偏差演算部204に(Fy_mod )2 の値を示す信号を出力する。
なお、実状態量取得部52は、後述する前後力補償量演算部301に車体慣性力Iw ・dω/dtを出力する。
前後力偏差演算部202は、各輪前後力演算部201が出力する前後力観測値(Fx_obs )2 と、実状態量取得部52が出力するモデルの前後力推定値(Fx_mod )2 との偏差{(Fx_obs )2 −(Fx_mod )2 }を演算する。
さらに、前後力偏差演算部202は、演算により得られた偏差が0より大きい場合、摩擦係数推定値演算部52bが推定する推定路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値μest )を上昇させるように前後方向の路面摩擦係数相当値μx_fit を正の値として路面摩擦係数相当値演算部205に出力する。一方、前後力偏差演算部202は、演算により得られた偏差が0より小さい場合、摩擦係数推定値演算部52bが推定する推定路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値μest )を低下させるように前後方向の路面摩擦係数相当値μx_fit を負の値として路面摩擦係数相当値演算部205に出力する。
なお、前後力偏差演算部202で演算される偏差は、各輪前後力演算部201が演算する前後力観測値Fx_obs と、実状態量取得部52が演算するモデルの前後力推定値Fx_mod とをそれぞれ二乗したものの差を偏差{(Fx_obs )2 −(Fx_mod )2 }として求める構成として説明したが、これに限られるものではなく、各輪前後力演算部201と実状態量取得部52とが、それぞれの値の絶対値を出力し、前後力偏差演算部202は、その差を偏差{|Fx_obs |−|Fx_mod |}として求める構成としてもよい。
横力演算部203は、実ヨーレートγact と、横方向加速度Gs とから、車両の横方向の路面反力(横力観測値)Fy_obs を演算し、横力偏差演算部204に(Fy_obs )2 の値を示す信号を出力する。
横偏差演算部204は、横力演算部203が出力する横力観測値(Fy_obs )2 と、実状態量取得部52が出力するモデルの横力推定値(Fy_mod )2 との偏差{(Fy_obs )2 −(Fy_mod )2 }を演算する。
さらに、横力偏差演算部204は、演算により得られた偏差が0より大きい場合、摩擦係数推定値演算部52bが推定する推定路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値μest )を上昇させるように横方向の路面摩擦係数相当値μy_fit を正の値として路面摩擦係数相当値演算部205に出力する。一方、横力偏差演算部204は、演算により得られた偏差が0より小さい場合、摩擦係数推定値演算部52bが推定する推定路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値μest )を低下させるように横方向の路面摩擦係数相当値μy_fit を負の値として路面摩擦係数相当値演算部205に出力する。
なお、横力偏差演算部204で演算される偏差は、横力演算部203が演算する横力観測値Fy_obs と、実状態量取得部52が演算するモデルの横力推定値Fy_mod とをそれぞれ二乗したものの差を偏差{(Fy_obs )2 −(Fy_mod )2 }として求める構成として説明したが、これに限られるものではなく、横力演算部203と実状態量取得部52とが、それぞれの値の絶対値を出力し、横力偏差演算部204は、その差を偏差{|Fy_obs |−|Fy_mod |}として求める構成としてもよい。
路面摩擦係数相当値演算部205は、前後力偏差演算部202が出力する前後方向の路面摩擦係数相当値μx_fit と、横力偏差演算部204が出力する横方向の路面摩擦係数相当値μy_fit とを加算し路面摩擦係数相当値μfit を演算する。
<実路面摩擦係数推定部>
ここで、図4に示す実路面摩擦係数推定部400について説明する。
実路面摩擦係数推定部400において、路面摩擦係数推定値演算部110がタイヤモデル102に基づき推定した路面摩擦係数推定値μest と、路面摩擦係数相当値決定部200により決定された路面摩擦係数相当値μfit とを加算し、実路面摩擦係数μ(即ち、μ=μest +μfit )とする。
実状態量取得部52は、摩擦係数推定値演算部52bの実路面摩擦係数推定部400において推定された実路面摩擦係数μを、実状態量取得部52が推定した路面摩擦係数μとし、実状態量取得部52の各種状態量の取得の際に用いられる。また、アクチュエータ動作目標値合成部59に入力される(図2参照)。
また、実路面摩擦係数μを推定μ(前回値)として次の路面摩擦係数相当値決定部200における路面摩擦係数相当値μfit の決定に用いる。
これにより、各センサから推定した路面反力(前後力観測値、横力観測値)とタイヤモデル102を用いて推定したタイヤ発生力(モデルの前後力推定値、モデルの横力推定値)とが近い値になるように推定路面摩擦係数(路面摩擦係数推定値)を修正し、修正した推定路面摩擦係数(実路面摩擦係数)とすることができる。
<路面摩擦係数相当値決定部(前後力補償量演算部・制限部)>
次に、図5に示す前後力補償量演算部301および前後力補償量制限部302について説明する。
前後力補償量演算部301および前後力補償量制限部302は、路面摩擦係数相当値決定部200の路面摩擦係数推定演算部52bが有する車両モデル101に備えられている。
前述した運動方程式をもとに演算された推定路面摩擦係数は平面モデルであり、例えば傾斜した路面を車両が走行している状況においては、比較すべきモデルの前後力推定値Fx_mod と、前後力観測値Fx_obs とのうち、モデルの前後力推定値Fx_mod が路面の傾斜によりオフセットされることで、モデルの前後力推定値Fx_mod と前後力観測値Fx_obs との間に大きなズレが発生する原因となる。
そこで、車両の走行状況を把握し、傾斜角としてモデルに反映することで、平面モデルを3次元化し車輪加速度(車輪速微分)を利用し、路面の傾斜による推進力を推定し、車両モデルに補正をかけ前後力の補償を行う必要がある。
ここで、車輪の車軸周りの運動方程式は、図6および(15)式の関係が成立する。
W ・dω/dt=Te −Tb −Fx ・r ・・・(15)
前後力補償量演算部301は、各輪前後力演算部201から出力されたエンジントルクTe およびブレーキトルクTb から得られる制駆動力(Te −Tb )と、実状態量取得部52から出力された車体慣性力Iw ・dω/dtとから、前後力補償量(即ち、Te−Tb −Iw ・dω/dt)を演算する。
ここで、加速時および減速時における車体慣性力・制駆動力と、前後力補償量との関係について、図7、図8を用いて説明する。
図7のグラフに示すように、加速時および減速時において、車体慣性力と制駆動力には、位相のずれが発生し、不正な偏差が補償量として計算され、車両モデルの前後力をこのまま補正した場合不要な推定される路面摩擦係数μの低下が発生する。
前後力補償量制限部302は、図8に示すように、前後力補償量演算部301により演算された前後力補償量を、車両の加減速状態に基づいて前後力補償量を制限する。
前後力補償量制限部302は、dω/dt>0のとき、加速状態と判断し、前後力補償量が負値とならないように制限を行う。また、前後力補償量制限部302は、dω/dt<0のとき、減速状態と判断し、前後力補償量が正値とならないように制限を行う。
車両モデル101の前後力補償量演算部301により演算され、前後力補償量制限部302により制限された前後力補償量は、仮想外力として、実状態量取得部52の車両モデル101(タイヤモデル102)の前後力を補償する。
このように、前後力補償量を仮想外力として、実状態量取得部52の車両モデル101(タイヤモデル102)の外力を補正することにより、路面摩擦係数推定値演算部110がタイヤモデル102を用いて演算する路面摩擦係数推定値μest の精度が向上する。これにより、前後力推定値演算部120が推定する車両の前後方向のタイヤ発生力(モデルの前後力推定値)Fx_mod の精度が向上し、路面摩擦係数相当値μfit の精度が向上する。更に、路面摩擦係数相当値μfit の精度が向上により、実路面摩擦係数推定部400において推定される実路面摩擦係数μの精度も向上する。
さらに、前後力補償量制限部302により、車体慣性力と制駆動力との偏差に対して、車両の加速または減速の方向性によって前後力補償量の制限を行うことにより、車体慣性力と制駆動力との位相ずれによる不正な前後力補償量が除かれ、必要な補正のみを行うことが可能となる。これにより、不要な推定路面摩擦係数の低下を防止できる。
なお、外乱として、車両が傾斜した路面を走行している状態における車両モデルの誤差を例に説明したが、これに限られるものではなく、例えば、ブレーキ力の温度変化によるブレーキ液圧Pと制動力(ブレーキトルクTb )との変換誤差、エンジントルクTe の変動誤差等についても、同様に外乱トルクとして、前後力補償量を求め、車両モデルを補正することが可能である。したがって、外乱によるタフネスを向上した車両モデルとなり、特に、高μ路の路面状況において不要な推定路面摩擦係数の低下を防止することが可能となる。
2 セレクトレバーポジションセンサ(操作状態検知手段)
3 アクセルペダルポジションセンサ(操作状態検知手段)
4 ブレーキペダルポジションセンサ(操作状態検知手段)
21c 操作角検出センサ(操作状態検知手段)
30 車輪速センサ(運動状態検知手段)
31 ヨーレートセンサ(運動状態検知手段)
32 横方向加速度センサ(運動状態検知手段)
33 転舵角センサ(操作状態検知手段)
37 コントロールユニット(車両の運動制御装置)
52a 車速演算部(運動状態検知手段)
52 実状態量取得部(運動状態検知手段、実姿勢状態量推定手段)
54 規範動特性モデル演算部(規範姿勢状態量演算手段)
55 偏差演算部
59 アクチュエータ動作目標値合成部(アクチュエータ制御部)
61 仮想外力演算部(モデル修正部)
63 加算部(モデル修正部)
101 車両モデル
102 タイヤモデル
110 路面摩擦係数推定値演算部
120 前後力推定値演算部
125 横力推定値演算部
130 車体慣性力演算部
200 路面摩擦係数相当値決定部
201 各輪前後力演算部
202 前後力偏差演算部
203 横力演算部
204 横力偏差演算部
205 路面摩擦係数相当値演算部
301 前後力補償量演算部
302 前後力補償量制限部(加減速状態判定手段、制限手段)
400 実路面摩擦係数推定部

Claims (3)

  1. 運転者の車両の操作状態量を検知する操作状態検知手段と、
    前記車両の前後力を含む運動状態量を検知する運動状態検知手段と、
    前記操作状態量及び前記運動状態量に対応した前記車両の規範姿勢状態量を、所定の外力が作用する状態における車両の運動モデルにもとづき演算する規範姿勢状態量演算手段と、
    前記操作状態検知手段からの検知信号及び前記運動状態検知手段からの検知信号にもとづき、路面摩擦係数推定値を含む前記車両の実姿勢状態量を推定する実姿勢状態量推定手段と、
    前記規範姿勢状態量と前記実姿勢状態量との偏差を演算する偏差演算部と、
    前記偏差にもとづき前記運動モデルを修正するモデル修正部と、
    前記偏差にもとづき車両運動を発生させるアクチュエータの駆動量を決定するアクチュエータ制御部と、
    前記実姿勢状態量および前記前後力に基づき路面摩擦係数相当値を決定する路面摩擦係数相当値決定部と、
    前記実姿勢状態量推定手段が推定した前記路面摩擦係数推定値と前記路面摩擦係数相当値決定部が決定した前記路面摩擦係数相当値に基づき、実路面摩擦係数を推定する実路面摩擦係数推定部とを備える
    ことを特徴とする車両の運動制御装置。
  2. 前記路面摩擦係数相当値決定部は、前記実姿勢状態量である車体慣性力と前記前後力の差に基づき前記路面摩擦係数相当値を増減するよう構成されるとともに、
    前記実路面摩擦係数推定部は、前記路面摩擦係数相当値が大きい場合に前記実路面摩擦係数推定値を増加補正するよう構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の運動制御装置。
  3. 前記車両の加減速状態を判別する加減速状態判定手段を備え、
    前記加減速状態判定手段の判定した加減速状態に基づき、前記実路面摩擦係数推定値の増減量を制限する制限手段を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両の運動制御装置。
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