JP2011206817A - 圧紛体の成形装置および圧紛体の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で、ダイスとパンチによって形成される成形部に均一に潤滑剤を塗布することができる圧紛体の成形装置およびその方法を提供する。
【解決手段】本発明の圧紛体の成形装置は、成形部10内に供給された粉体をパンチ3,4によってプレスして所定形状の圧紛体を成形するものであって、成形部10を形成するための金型1を構成するダイス2およびパンチ3,4と、成形部10に潤滑剤Lを噴霧する潤滑剤噴霧手段5と、成形部10に潤滑剤Lを噴霧するときにこの成形部10内をその最下部隅部から吸引する吸引手段6とを備えている。吸引手段6は、ダイス2に形成された吸引通路60と、この吸引通路60に接続される吸引ポンプ61とを含んでおり、吸引通路60は、成形部10に対して、ダイス2とパンチ3との相対的な移動によって開閉され得る位置に開口するよう形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の圧紛体の成形装置は、成形部10内に供給された粉体をパンチ3,4によってプレスして所定形状の圧紛体を成形するものであって、成形部10を形成するための金型1を構成するダイス2およびパンチ3,4と、成形部10に潤滑剤Lを噴霧する潤滑剤噴霧手段5と、成形部10に潤滑剤Lを噴霧するときにこの成形部10内をその最下部隅部から吸引する吸引手段6とを備えている。吸引手段6は、ダイス2に形成された吸引通路60と、この吸引通路60に接続される吸引ポンプ61とを含んでおり、吸引通路60は、成形部10に対して、ダイス2とパンチ3との相対的な移動によって開閉され得る位置に開口するよう形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧紛体の成形装置および圧紛体の成形方法に関し、さらに詳しくは、ダイスとパンチによって成形部を形成する金型と、前記成形部に潤滑剤を噴霧する潤滑剤噴霧手段とを有しており、前記成形部内に供給された粉体を前記パンチによってプレスして所定形状の圧紛体を成形する圧紛体の成形装置、および、ダイスとパンチによって成形部を形成し、該成形部に潤滑剤を噴霧し、該成形部に粉体を供給し、該成形部に供給された粉体を前記パンチによってプレスして所定形状の圧紛体を成形する圧紛体の成形方法に関するものである。
例えば高強度鉄心(リアクトルコア)の原料となる金属磁性粉末、或いは、希土類磁性粉体など、粉体を所定形状の圧紛体に成形するための金型1’は、一般に、図9および図10に示すように、貫通孔20’を有するダイス2’と、この貫通孔20‘内に嵌挿されるパンチ3,4を備えている。そして、パンチは、一般に、ダイス2’の貫通孔20’の下方に嵌挿される下パンチ3と、貫通孔20’の上方から抜き出し可能に嵌挿される上パンチ4とにより構成されている。成形部10’は、ダイス2’の貫通孔20’と、これに嵌挿された下パンチ3および上パンチ4の端面によって形成される。圧紛体を成形するに際しては、ダイス2’の貫通孔20’から上パンチ4を抜き出して、ダイス2’の貫通孔20’と下パンチ3の上端面によって成形部を構成する有底孔10’を形成し、この有底孔10’内に粉体を供給・充填し、ダイス2’の貫通孔20’に上パンチ4を嵌挿してプレスしている。なお、この説明では、上パンチ4を貫通孔20’から抜き出した状態で形成された有底孔10’も成形部に含まれるものとする。
ここで、ダイスの貫通孔の焼き付きや、成形された圧紛体を貫通孔から抜き出し易くするなどの目的で、成形部を構成する有底孔10’に粉体を供給するに先立って、有底孔10’に潤滑剤(離型剤としても機能する)Lを噴霧することにより塗布し、有底孔10’内に潤滑膜を形成することが一般に行われている。潤滑膜の厚さは、例えば1.0〜5.0μm範囲に規格が設定された場合に、その中心値である3.0μmで有底孔10’の内部全体を均一に形成することが望まれる。
このような潤滑剤を成形部に塗布するための従来の技術としては、たとえば特許文献1が知られている。特許文献1には、粉体を加圧して成形体を形成する粉体プレス装置であって、上下方向に延びる貫通孔を有するダイ、それぞれ前記貫通孔内を前記ダイに対して相対的に上下方向に移動でき、かつ前記貫通孔に形成されるキャビティ内で前記粉体を加圧する第1および第2パンチ、ならびに前記第1パンチの側面に設けられる供給口を有し、かつ前記貫通孔内で潤滑剤を気体とともに前記供給口から前記貫通孔側面に対して供給する供給手段を備える、粉体プレス装置が開示されている。
また、特許文献1には、粉体を加圧して成形体を形成する粉体プレス装置であって、上下方向に延びる貫通孔を有するダイ、それぞれ前記貫通孔内を前記ダイに対して相対的に上下方向に移動でき、かつ前記貫通孔に形成されるキャビティ内で前記粉体を加圧する上パンチおよび下パンチ、ならびに前記下パンチの側面に設けられる吸引口を有し、かつ前記キャビティ内に前記粉体が充填されているとき前記吸引口から前記キャビティ内を減圧吸引する吸引手段を備える、粉体プレス装置が開示されている。
また、特許文献1には、粉体を加圧して成形体を形成する粉体プレス装置であって、上下方向に延びる貫通孔を有するダイ、それぞれ前記貫通孔内を前記ダイに対して相対的に上下方向に移動でき、かつ前記貫通孔に形成されるキャビティ内で前記粉体を加圧する上パンチおよび下パンチ、ならびに前記下パンチの側面に設けられる吸引口を有し、かつ前記キャビティ内に前記粉体が充填されているとき前記吸引口から前記キャビティ内を減圧吸引する吸引手段を備える、粉体プレス装置が開示されている。
さらに、特許文献1にはダイの上下方向に延びる貫通孔に形成されるキャビティ内で第1パンチと第2パンチとによって粉体を加圧して成形体を形成する粉体プレス方法であって、前記貫通孔内で潤滑剤を気体とともに前記第1パンチの側面から前記貫通孔側面に対して供給する潤滑剤供給工程、前記キャビティ内に前記粉体を充填する粉体充填工程、および前記キャビティ内に充填された前記粉体を前記第1パンチと前記第2パンチとによって加圧して前記成形体を形成する加圧成形工程を備える、粉体プレス方法が開示されている。
さらにまた、特許文献1には、ダイの上下方向に延びる貫通孔に形成されるキャビティ内で上パンチと下パンチとによって粉体を加圧して成形体を形成する粉体プレス方法であって、前記キャビティ内を前記下パンチ側面から減圧吸引しながら、前記キャビティ内に前記粉体を充填する粉体充填工程、および前記キャビティ内に充填された前記粉体を前記上パンチと前記下パンチとによって加圧して前記成形体を形成する加圧成形工程を備える、粉体プレス方法が開示されている。
さらにまた、特許文献1には、ダイの上下方向に延びる貫通孔に形成されるキャビティ内で上パンチと下パンチとによって粉体を加圧して成形体を形成する粉体プレス方法であって、前記キャビティ内を前記下パンチ側面から減圧吸引しながら、前記キャビティ内に前記粉体を充填する粉体充填工程、および前記キャビティ内に充填された前記粉体を前記上パンチと前記下パンチとによって加圧して前記成形体を形成する加圧成形工程を備える、粉体プレス方法が開示されている。
また、潤滑剤を成形部に塗布するための従来の一般的な技術としては、図9に示すように、上パンチ4を貫通孔20’から抜き出した状態でダイス2’の上面から所定の高さでノズル5を移動可能に配置し、ノズル5から細かい粒状(液体または固体)の潤滑剤Lを空気などの気体とともに噴射して、成形部を構成する有底孔10’に潤滑剤Lを塗布している。そして、図10に平面図で示すように、一般にダイス2’内にはヒータなどの加熱手段を設けるための孔21が形成されており、この孔21内に設けられた加熱手段によってダイス2’を常温以上に加熱して潤滑剤Lを乾燥させて潤滑膜を形成している。なお、ダイス2’の上面には、段替など搬送する際に吊りボルトを螺合するためのボルト孔22が形成されている。また、ダイス2’は、一体で成形されたものである場合と、例えば図10に鎖線で示したように、分割線23で分割されたものとが一般に使用されている。
しかしながら、上記従来の技術のうち、特許文献1にあっては、「下パンチ18に設けられた各ノズル40からキャビティ22内が減圧吸引されることによって、ダイ14の貫通孔12側面と下パンチ18とで構成される隅部近傍にも粉体24が確実に充填される。特に、4つの角部31近傍の各ノズル40からキャビティ22内が減圧吸引されることによって、4つの角部31に対応する貫通孔12の4つの隅部にも確実に粉体24が充填される。流動性が悪い希土類磁性粉体の場合、その結果はより大きい。したがって、キャビティ22内での粉体24の充填ムラを防止することができる。」(0044)などと記載されている。すなわち、特許文献1においては、キャビティ内に粉体を充填する粉体充填工程でキャビティ内を下パンチ側面の吸引口から減圧吸引するものであり、粉体をキャビティ内に充填する前に、潤滑剤をキャビティ内に噴霧して均一に塗布することは考慮されていないものであった。そして、特許文献1にあっては、下パンチの側面に供給口または吸引口を設けた構造であるため、構造が複雑であった。また、特許文献1においては、潤滑剤をダイスの貫通孔の全面にわたって塗布するために、下パンチの側面の供給口が、ダイスの貫通孔の上方開口部まで相対的に移動する必要があり、この移動のために時間や、移動させるために必要な駆動エネルギが多く、コストがかかるなどの問題があった。
また、上記従来の技術のうち、図9に示したように、ダイス2’の上方にノズル5を配置するものにあっては、潤滑剤Lを噴霧するときにダイス2’の貫通孔20’と下パンチ3の上端面30とによって底を有する有底孔10’が形成されているため、ダイス2’の上方からノズル5によって有底孔10’の開口部に向かって潤滑剤Lを噴霧すると、かかる噴霧の圧力によって有底孔10’内の内圧が上昇して吹き溜まりが発生し、潤滑剤Lが有低孔10’から吹き上がり、図6に破線で示した部分の内側の部分に潤滑剤Lが行き渡るだけとなっていた。そのため、例えば、有底孔10’の開口部から10mmごとに上、中、下、有底孔の最下部と等間隔で位置を定めた場合に、下の位置から下方の部分、特に、ダイス2’の貫通孔20’に嵌挿された下パンチ3の上端面30によって形成される有底孔10’の底(つまり最下部)の隅部にまで潤滑剤Lが充分に行き渡らないという問題があった。そしてその結果、図4に従来の技術として示したように、最下部隅部における潤滑膜が非常に薄くしか形成されないか、または、殆ど形成されないこととなり、潤滑膜を均一な厚さで形成することができないという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、ダイスとパンチによって形成される成形部に均一に潤滑剤を塗布することができる圧紛体の成形装置およびその方法を提供することを目的とする。
請求項1の圧紛体の成形装置に係る発明は、上記目的を達成するため、ダイスとパンチによって成形部を形成する金型と、前記成形部に潤滑剤を噴霧する潤滑剤噴霧手段とを有しており、前記成形部内に供給された粉体を前記パンチによってプレスして所定形状の圧紛体を成形する圧紛体の成形装置であって、潤滑剤噴霧手段によって前記成形部に潤滑剤を噴霧するときに、該成形部内を吸引する吸引手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の圧紛体の成形方法に係る発明は、上記目的を達成するため、ダイスとパンチによって成形部を形成し、該成形部に潤滑剤を噴霧し、該成形部に粉体を供給し、該成形部に供給された粉体を前記パンチによってプレスして所定形状の圧紛体を成形する圧紛体の成形方法であって、前記成形部に潤滑剤を噴霧するときに該成形部内を吸引することを特徴とするものである。
また、請求項2の圧紛体の成形方法に係る発明は、上記目的を達成するため、ダイスとパンチによって成形部を形成し、該成形部に潤滑剤を噴霧し、該成形部に粉体を供給し、該成形部に供給された粉体を前記パンチによってプレスして所定形状の圧紛体を成形する圧紛体の成形方法であって、前記成形部に潤滑剤を噴霧するときに該成形部内を吸引することを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、潤滑剤噴霧手段によって成形部に潤滑剤を噴霧するときに、吸引手段によって成形部内を吸引することができるため、噴霧した潤滑剤を成形部の隅々に行き渡らせることができ、したがって、ダイスとパンチによって形成される成形部に均一に潤滑剤を塗布することが可能な圧紛体の成形装置を提供することができる。
また請求項2の発明によれば、成形部に潤滑剤を噴霧するときにこの成形部内を吸引することにより、噴霧した潤滑剤が成形部の隅々に行き渡ることができ、したがって、ダイスとパンチによって形成される成形部に均一に潤滑剤を塗布することが可能な圧紛体の成形方法を提供することができる。
また請求項2の発明によれば、成形部に潤滑剤を噴霧するときにこの成形部内を吸引することにより、噴霧した潤滑剤が成形部の隅々に行き渡ることができ、したがって、ダイスとパンチによって形成される成形部に均一に潤滑剤を塗布することが可能な圧紛体の成形方法を提供することができる。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(3)項が請求項2に相当する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(3)項が請求項2に相当する。
(1) ダイスとパンチによって成形部を形成する金型と、前記成形部に潤滑剤を噴霧する潤滑剤噴霧手段とを有しており、前記成形部内に供給された粉体を前記パンチによってプレスして所定形状の圧紛体を成形する圧紛体の成形装置であって、
潤滑剤噴霧手段によって前記成形部に潤滑剤を噴霧するときに、該成形部内を吸引する吸引手段を設けたことを特徴とする圧紛体の成形装置。
潤滑剤噴霧手段によって前記成形部に潤滑剤を噴霧するときに、該成形部内を吸引する吸引手段を設けたことを特徴とする圧紛体の成形装置。
(1)項の発明では、潤滑剤噴霧手段によって成形部に潤滑剤を噴霧するときに、吸引手段によって成形部内を吸引する。吸引手段は、潤滑材の噴霧時にダイスの貫通孔の内周面とこれに嵌挿されたパンチの端面とによって形成される成形部の最下部隅部から吸引しうるよう配設されている。これにより、噴霧した潤滑剤が成形部の隅々に行き渡ることとなり、したがって、ダイスとパンチによって形成される成形部に均一に潤滑剤を塗布することができる。
(2) 前記吸引手段がダイスに形成された吸引通路と、該吸引通路に接続される吸引ポンプとを含み、前記吸引通路は、前記成形部の、ダイスとパンチとの相対的な移動によって開閉され得る位置に開口していることを特徴とする(1)項に記載の圧紛体の成形装置。
(2)項の発明では、(1)項に記載の発明において、吸引通路の、成形部に対して開口する位置を、ダイスとパンチとの相対的な移動によって開閉され得る位置に配置することにより、潤滑剤を噴霧するときには、成形部内を吸引することができるように吸引通路の開口を開放させ、その後、粉体を成形部に供給するときには、ダイスとパンチを相対的に移動させて吸引通路の開口を閉じる。そのため、成形部に供給された粉体が吸引通路に吸い込まれることがない。
(3) ダイスとパンチによって成形部を形成し、該成形部に潤滑剤を噴霧し、該成形部に粉体を供給し、該成形部に供給された粉体を前記パンチによってプレスして所定形状の圧紛体を成形する圧紛体の成形方法であって、
前記成形部に潤滑剤を噴霧するときに該成形部内を吸引することを特徴とする圧紛体の成形方法。
前記成形部に潤滑剤を噴霧するときに該成形部内を吸引することを特徴とする圧紛体の成形方法。
(3)項の発明では、成形部に潤滑剤を噴霧するときに、成形部内を吸引する。この吸引は、ダイスの貫通孔の内周面とこれに嵌挿されたパンチの端面とによって形成される成形部の最下部隅部から行う。これにより、噴霧した潤滑剤を成形部の隅々に行き渡らせることができ、したがって、ダイスとパンチによって形成される成形部に均一に潤滑剤を塗布することができる。
(4) 前記成形部の、ダイスとパンチとの相対的な移動によって開閉され得る位置に開口するよう吸引通路を形成しておき、
潤滑剤を噴霧するときには、成形部内を吸引することができるように吸引通路の開口を開放させ、その後、粉体を成形部に供給するときには、ダイスとパンチを相対的に移動させて吸引通路の開口を閉じることを特徴とする(3)項に記載の圧紛体の成形方法。
潤滑剤を噴霧するときには、成形部内を吸引することができるように吸引通路の開口を開放させ、その後、粉体を成形部に供給するときには、ダイスとパンチを相対的に移動させて吸引通路の開口を閉じることを特徴とする(3)項に記載の圧紛体の成形方法。
(4)項の発明では、(3)項に記載の発明において、潤滑剤を噴霧するときには、成形部内を吸引することができるように吸引通路の開口を開放させ、その後、粉体を成形部に供給するときには、ダイスとパンチを相対的に移動させて吸引通路の開口を閉じることにより、成形部へ粉体を供給するときに、粉体を吸引通路に吸い込まれることがない。
最初に、本発明の圧紛体の成形装置の一実施の形態を図1および図2に基づいて詳細に説明する。なお、上述した従来の技術と同様または相当する構成については同じまたは対応する符号を付して、その説明を省略する。
本発明の圧紛体の成形装置は、概略、成形部10内に供給された粉体をパンチ3,4によってプレスして所定形状の圧紛体を成形するものであって、成形部10を形成するための金型1を構成するダイス2およびパンチ3,4と、成形部10に潤滑剤Lを噴霧する潤滑剤噴霧手段5と、成形部10に潤滑剤Lを噴霧するときに成形部10内をその最下部隅部から吸引する吸引手段6とを備えている。
そして、吸引手段6は、ダイス2に形成された吸引通路60と、この吸引通路60に接続される吸引ポンプ61とを含んでおり、吸引通路60は、成形部10に対して、ダイス2とパンチ3との相対的な移動によって開閉され得る位置に開口するよう形成されている。
本発明の圧紛体の成形装置は、概略、成形部10内に供給された粉体をパンチ3,4によってプレスして所定形状の圧紛体を成形するものであって、成形部10を形成するための金型1を構成するダイス2およびパンチ3,4と、成形部10に潤滑剤Lを噴霧する潤滑剤噴霧手段5と、成形部10に潤滑剤Lを噴霧するときに成形部10内をその最下部隅部から吸引する吸引手段6とを備えている。
そして、吸引手段6は、ダイス2に形成された吸引通路60と、この吸引通路60に接続される吸引ポンプ61とを含んでおり、吸引通路60は、成形部10に対して、ダイス2とパンチ3との相対的な移動によって開閉され得る位置に開口するよう形成されている。
ダイス2は、その平面視(図2)におけるほぼ中央に、図1の上下方向に貫通する貫通孔20が形成されている。貫通孔20の下方には下パンチ3が嵌挿されており、上パンチ4は貫通孔20に対して嵌挿および抜き出し可能に支持されている。また、ダイス2には、図2に平面図で示すように、ヒータなどの加熱手段を設けるための孔21と、段替など搬送する際に吊りボルトを螺合するためのボルト孔22(図10を参照)とが形成されている。ダイス2は、一体型であってもよく、また、例えば図2に鎖線で示した分割線23によって複数に分割された分割型であってもよい。
パンチは、下パンチ3と上パンチ4とにより構成されている。この実施の形態の場合、下パンチ3は固定されており、ダイス2は下パンチ3に対して昇降移動可能に支持されており、上パンチ4はダイス2の貫通孔20に嵌挿されて成形部10に供給された粉体をプレスし、且つ、貫通孔20から上方へ抜き出ることが可能なように支持されている。上パンチ4をダイス2の貫通孔20から抜き出した状態では、ダイス2の貫通孔20に下パンチ3が嵌挿されていることにより、この下パンチ3の上端面30によって底が構成されて、有底孔10が形成されることとなる。この有底孔10は、後述するように上パンチ4が嵌挿され、粉体を所定形状の圧紛体に成形するための成形部10を構成する。そのため、ここでは、上パンチ4が貫通孔20に嵌挿されていない状態の有底孔10を含めて、成形部10と称することとする。
この実施の形態においては、潤滑剤Lは、たとえばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウムなどを含む液体が採用されている。潤滑剤噴霧手段は、潤滑剤を貯留するタンクから所定の流量、所定の圧力で圧送するポンプと、このポンプによって圧送された潤滑剤を空気とともに霧状に噴霧するノズル5とを備えている。ノズル5は、図5に基づいて後述するように、ダイス2の上面から所定の高さで所定の軌跡で移動し、且つ、圧紛体を成形するときに上パンチ4と緩衝しない待機位置に退避するよう移動可能に支持されている。なお、潤滑剤Lは、特に限定されることはなく、その性状が所定の大きさの粒度を有する固体でもよい。
吸引手段6の吸引通路60は、図2に示すように、ダイス2の外周面から貫通孔20にわたって複数形成されている。そして、吸引通路60の、貫通孔20に対する開口部は、図1に示すように下パンチ3に対してダイス2が相対的に上昇しているとき(潤滑剤を塗布するとき)に、下パンチ3の上端面よりも僅かに上方で、且つ、図3に示すように下パンチ3に対してダイス2が相対的に下降しているとき(粉体を成形部に供給し充填するとき)に、下パンチ3の上端面よりも下方に位置するよう設定されている。
次に、本発明の圧紛体の成形方法の実施の一形態を、上述したように構成された圧紛体成形装置を用いる場合により、その作動とともに説明する。
本発明の圧紛体の成形方法は、概略、ダイス2とパンチ3,4によって成形部10を形成し、成形部10内をその最下部隅部から吸引しつつ成形部10内に潤滑剤Lを噴霧し、成形部10に粉体を供給してパンチ3,4によってプレスし、所定形状の圧紛体を成形するものである。
そして、成形部10の、ダイス2とパンチ3との相対的な移動によって開閉され得る位置に開口するよう吸引通路60を形成しておき、潤滑剤Lを噴霧するときには、成形部10内を吸引することができるように吸引通路60の開口を開放させ、その後、粉体を成形部10に供給するときには、ダイス2とパンチ3を相対的に移動させて吸引通路60の開口を閉塞させるものである。
本発明の圧紛体の成形方法は、概略、ダイス2とパンチ3,4によって成形部10を形成し、成形部10内をその最下部隅部から吸引しつつ成形部10内に潤滑剤Lを噴霧し、成形部10に粉体を供給してパンチ3,4によってプレスし、所定形状の圧紛体を成形するものである。
そして、成形部10の、ダイス2とパンチ3との相対的な移動によって開閉され得る位置に開口するよう吸引通路60を形成しておき、潤滑剤Lを噴霧するときには、成形部10内を吸引することができるように吸引通路60の開口を開放させ、その後、粉体を成形部10に供給するときには、ダイス2とパンチ3を相対的に移動させて吸引通路60の開口を閉塞させるものである。
粉体をプレスして所定形状の圧紛体を成形するに際しては、最初に、上パンチ4をダイス2の貫通孔20から抜き出した状態として有底孔10を形成し、ダイス2の上面から所定の高さに支持されたノズル5を、たとえば図5に示した貫通孔20の上方から外れた(つまり、上パンチ4の下方から退避した)待機位置Aから、貫通孔20の角部の上方B−C−D−E−B−C−D−Eと各点に順次移動させながら潤滑剤Lを噴霧し、または、各点で所定時間保持して潤滑剤Lを噴霧し、その後、待機位置Aに戻って潤滑剤Lを捨て吹きする。
このとき、本発明では、図1に示したように、ダイス2が下パンチ3に対して相対的に上昇した位置にあり、吸引通路60は、ダイス2の貫通孔20の内周面と下パンチ3の上端面30とによって形成される成形部(有底孔)10の最下部隅部に相当する位置に開口している状態とされており、吸引通路60に接続された吸引ポンプ61が駆動されている。したがって、この有底孔10の最下部隅部から空気が吸引されている状態で、上方から潤滑剤Lが噴霧されることとなる。噴霧された潤滑剤Lは、ダイス2の孔21内に設けられたヒータなどの加熱手段によってその水分が蒸発し、乾燥されて潤滑膜を形成する。
ここで、本発明との比較例を図7に基づいて説明する。図7に示した比較例は、本発明の吸引通路60と同様に、ダイス2に通路60’が形成されているが、この通路60’には吸引ポンプ61(図1を参照)が接続されていない点で、本発明と構成が相違している。この比較例では、有底孔10の上方から噴霧される潤滑剤Lの圧力を通路60’から逃がすことができるため、通路60’が形成されていない従来の技術(図6を参照)と比較して潤滑剤Lが充分に有底孔10の上、中、下の位置(図7)に行き渡ることとなる。しかしながら、この比較例では、噴霧される潤滑剤Lの圧力をただ単に通路60’から逃がすだけに過ぎないため、最下部隅部にまで潤滑剤Lを充分に行き渡らせ塗布することができない。そのため、図4に比較例として示したプロットからも明白なように、最下部隅部の潤滑膜の厚さが薄くなり、成形部10内全体に均一な厚さで潤滑膜を形成するまでには至らなかった。
これに対して、本発明では、図8に示すように、有底孔10の最下部隅部と対応する位置に開口する吸引通路60から空気が吸引された状態(図8の矢印を参照)で、上方から潤滑剤Lを噴霧するため、有底孔10の開口から上、中、下の位置は勿論のこと、最下部隅部にまで潤滑剤Lが確実に行き渡ることとなる。このことは、図4に本発明として示したプロットからも明白なように、有底孔10の上、中、下、および最下部隅部の各位置における潤滑膜の厚さがほぼ同じとなり、有底孔10全体に均一な厚さで潤滑膜を形成することができた。
成形部を構成する有底孔10に均一な厚さで潤滑膜が形成されると、図3に示したように、下パンチ3に対してダイス2を相対的に下降させる。これにより、吸引通路60の開口は、下パンチ3の外周面によって閉塞される。この状態で、有底孔10に圧紛体の材料となる粉体を供給・充填して、上パンチ4を貫通孔20に嵌挿し、プレスする。吸引通路60が下パンチ3によって閉塞されているため、供給された粉体が不用意に吸引通路60から吸引されることがない。粉体は、成形部10内でプレスされて所定形状の圧紛体となる。
その後、上パンチ4を上昇させて貫通孔20から抜き出し、ダイス2を下パンチ3に対して相対的さらに下降させると、成形された圧紛体が貫通孔20から押出される。このとき、有底孔10を構成するダイス2の貫通孔20に潤滑膜が均一に形成されており、しかも、加熱手段によってダイス2が常温よりも高い所定の温度の加熱されているため、成形された圧紛体と貫通孔20との摩擦が軽減され、カジリなどが発生することなく圧紛体を貫通孔から容易に且つ確実に抜き出すことができる。
本発明の圧紛体の成形装置、および、圧紛体の成形方法は、粉体として金属磁性粉末や希土類磁性粉体などを用いて、高強度鉄心(リアクトルコア)を構成するための圧粉体の成形に適応するが、これに限定されることはなく、他の製品を構成するための圧紛体の成形にも適用することができる。
1:金型、 2:ダイス、 3:下パンチ、 4:上パンチ、5:ノズル(潤滑剤噴霧手段)、 6:吸引手段、 10:成形部(有底孔)、 20:貫通孔、 60:吸引通路、 L:潤滑剤
Claims (2)
- ダイスとパンチによって成形部を形成する金型と、前記成形部に潤滑剤を噴霧する潤滑剤噴霧手段とを有しており、前記成形部内に供給された粉体を前記パンチによってプレスして所定形状の圧紛体を成形する圧紛体の成形装置であって、
潤滑剤噴霧手段によって前記成形部に潤滑剤を噴霧するときに、該成形部内を吸引する吸引手段を設けたことを特徴とする圧紛体の成形装置。 - ダイスとパンチによって成形部を形成し、該成形部に潤滑剤を噴霧し、該成形部に粉体を供給し、該成形部に供給された粉体を前記パンチによってプレスして所定形状の圧紛体を成形する圧紛体の成形方法であって、
前記成形部に潤滑剤を噴霧するときに該成形部内を吸引することを特徴とする圧紛体の成形方法。
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JP2010077481A JP2011206817A (ja) | 2010-03-30 | 2010-03-30 | 圧紛体の成形装置および圧紛体の成形方法 |
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JP2014136230A (ja) * | 2013-01-15 | 2014-07-28 | Japan Atomic Energy Agency | 回転式粉体圧縮成型機 |
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- 2010-03-30 JP JP2010077481A patent/JP2011206817A/ja active Pending
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