JP2011206113A - 放射線撮影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの低下と、位相コントラスト画像の高画質化を図る。
【解決手段】X撮影システムは、X線源と、X線を通過させて縞画像(G1像)を生成する吸収型格子と、光読取方式のX線画像検出器(FPD)とを備える。FPDは、G1像を静電潜像として記録し、記録した静電潜像を、G1像の周期パターン方向(x方向)に周期pより短いピッチで読取光を走査することにより、静電潜像を画像データとして読み出す。サンプリング処理部は、画像データを、G1像の周期パターンと同一周期で、かつ周期パターンに対して位相の異なる複数の相対位置(k=0〜3)でサンプリングすることにより、強度変調がなされた複数の画像からなる画像群を生成する。この画像群から得られる強度変調信号の被検体による位相ズレ量を算出することにより位相微分像が生成され、これをx方向に積分することにより位相コントラスト画像が得られる。
【選択図】図7

Description

本発明は、X線等の放射線により被検体の撮影を行う放射線撮影システムに関し、特に、格子を用いてX線位相イメージングを行う放射線撮影システムに関する。
X線は、物質を構成する元素の原子番号と、物質の密度及び厚さとに依存して減衰するといった特性を有することから、被検体の内部を透視するためのプローブとして用いられている。X線を用いた撮影は、医療診断や非破壊検査等の分野において広く普及している。
一般的なX線撮影システムでは、X線を放射するX線源とX線を検出するX線画像検出器との間に被検体を配置して、被検体の透過像を撮影する。この場合、X線源からX線画像検出器に向けて放射されたX線は、X線画像検出器までの経路上に存在する物質の特性(原子番号、密度、厚さ)の差異に応じた量の減衰(吸収)を受けた後、X線画像検出器の各画素に入射する。この結果、被検体のX線吸収像がX線画像検出器により検出され画像化される。X線画像検出器としては、X線増感紙とフイルムとの組み合わせや輝尽性蛍光体のほか、半導体回路を用いたフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detector)が広く用いられている。
ただし、X線吸収能は、原子番号が小さい元素からなる物質ほど低くなるため、生体軟部組織やソフトマテリアルなどでは、X線吸収像としての十分な画像の濃淡(コントラスト)が得られないといった問題がある。例えば、人体の関節を構成する軟骨部とその周辺の関節液は、いずれも殆どの成分が水であり、両者のX線の吸収量の差が少ないため、濃淡差が得られにくい。
このような問題を背景に、近年、被検体によるX線の強度変化に代えて、被検体によるX線の位相変化(角度変化)に基づいた画像(以下、位相コントラスト画像と称する)を得るX線位相イメージングの研究が盛んに行われている。一般に、X線が物体に入射したとき、X線の強度よりも位相のほうが高い相互作用を示すため、位相差を利用したX線位相イメージングでは、X線吸収能が低い弱吸収物体であっても高コントラストの画像を得ることができる。このようなX線位相イメージングの一種として、2枚の透過型回折格子とX線画像検出器とからなるX線タルボ干渉計を用いたX線撮影システムが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
X線タルボ干渉計は、被検体の背後に第1の回折格子を配置し、第1の回折格子の格子ピッチとX線波長で決まる特定距離(タルボ干渉距離)だけ下流に第2の回折格子を配置し、その背後にX線画像検出器を配置することにより構成される。上記タルボ干渉距離とは、第1の回折格子を通過したX線が、タルボ干渉効果によって自己像(縞画像)を形成する距離であり、この自己像は、X線源と第1の回折格子との間に配置された被検体とX線との相互作用(位相変化)により変調を受ける。
X線タルボ干渉計では、第1の回折格子の自己像と第2の回折格子との重ね合わせにより強度変調された縞画像の被検体による変化(位相ズレ)から被検体の位相コントラスト画像を取得する。この縞走査法とは、第1の回折格子に対して第2の回折格子を、第1の回折格子の面にほぼ平行で、かつ第1の回折格子の格子方向(条帯方向)にほぼ垂直な方向に、格子ピッチを等分割した走査ピッチで並進移動(走査)させながら複数回の撮影を行い、X線画像検出器で得られる各画素の画素データの上記走査に対する強度変化の位相のズレ量(被検体Hがある場合とない場合とでの位相のズレ量)から位相微分像(被検体で屈折したX線の角度分布に対応)を取得する方法であり、この位相微分像を、上記の縞走査方向に沿って積分することにより被検体の位相コントラスト画像が得られる。なお、画素データは、上記走査に対して周期的に強度が変調されるため、上記走査に対する画素データのセットを、以下、「強度変調信号」と称する。
しかし、X線タルボ干渉計を用いたX線撮影システムでは、第1の回折格子と第2の回折格子との2つの格子を設ける必要があるとともに、これらの2つの格子を相対的に並進移動させる走査機構が必要であるため、その分のコストがかかるという問題がある。また、該X線撮影システムでは、走査機構により移動された各走査位置で撮影を行うため、走査ステップ数分だけX線の曝射が行われることになり、被検体の被曝量が大きいといった問題がある。
そこで、本出願人は、互いに位相が異なる複数の縞画像を1回の撮影で同時に検出可能とするようにX線画像検出器を構成することを提案している(特許文献2参照)。これにより、第2の回折格子及び走査機構を排することができるため、低コスト化が図られ、また、1回の撮影でよいため、低被曝量の低減が図られる。
具体的には、該X線画像検出器は、1つの画素中に、第1の回折格子の格子パターンに対して位相が異なる複数の線状電極群を設けることにより、互いに位相が異なる複数の縞画像を取得可能としたものであり、1回の撮影で上記強度変調信号を得ることができる。各線状電極群は、X線変換層で発生した電荷を収集する電荷収集電極である。
特開2008−200360号公報 特開2009−133823号公報
しかしながら、特許文献2に記載のX線画像検出器では、1つの画素に複数の線状電極群を配置するために、線状電極を細密に微細化する必要があるため、高度な製造技術が要され、また、この微細化により、塵埃等による製造時の歩留まりが低下する恐れがあり、製造コストがかさむといった問題がある。
さらに、上記のように線状電極を微細化すると、1つの線状電極当りの収集電荷量が低下するため、ノイズの影響を受けやすく、位相コントラスト画像の画質が低下するといった問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、1つの格子と1つの放射線画像検出器とを用いて位相イメージングを可能とする放射線撮影システムにおいて、製造コストの低下と、位相コントラスト画像の高画質化を図ることを可能とする放射線撮影システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の放射線撮影システムは、放射線を放射する放射線源と、前記放射線を通過させて縞画像を生成する格子と、前記縞画像を静電潜像として記録し、記録した静電潜像を、前記縞画像の周期パターン方向に該周期より短いピッチで読取光を走査することにより、前記静電潜像を画像データとして読み出す光読取方式の放射線画像検出器と、前記画像データを、前記周期パターンと同一周期で、かつ前記周期パターンに対して位相の異なる複数の相対位置でサンプリングすることにより、強度変調がなされた複数の画像からなる画像群を生成するサンプリング処理手段と、前記サンプリング処理手段により生成された前記画像群に基づき、前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に配置された被検体の位相コントラスト画像を生成する画像処理手段と、を備えたことを特徴とする。
なお、前記画像処理手段は、前記サンプリング処理手段で生成された前記画像群に基づき、画素ごとに強度変調信号の位相ズレ量を算出して位相微分像を生成する位相微分像生成手段と、前記位相微分像を、前記周期パターン方向に積分演算して位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成手段とからなることが好ましい。
また、前記格子は、吸収型格子であり、前記放射線源からの放射線を縞画像として放射線画像検出器に投影するものであることが好ましい。
また、前記格子は、位相型格子であり、タルボ干渉効果により、前記放射線源からの放射線を縞画像として放射線画像検出器に射影するものであることも好ましい。
また、前記放射線画像検出器は、放射線を透過させる第1の電極層と、第1の電極層30を透過した放射線の入射により電荷対を発生する記録用光導電層と、記録用光導電層で発生した電荷対のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層と、読取光の照射を受けることにより電荷対を発生する読取用光導電層と、複数の線状電極を有する第2の電極層と、前記線状電極に直交する方向に延伸するとともに、前記線状電極の延伸方向に駆動され、前記読取光を前記第2の電極層を介して前記読取用光導電層に照射する読出ライン光源と、を備え、前記記録用光導電層と前記電荷輸送層との界面に、前記静電潜像を蓄積する蓄電部が形成されたものであることが好ましい。
また、前記線状電極は、電荷を読み出すためのチャージアンプに接続され、前記読取光を透過させる透明線状電極と、接地電位が与えられ、前記読取光を遮蔽する遮光線状電極とからなることが好ましい。
本発明の放射線撮影システムは、光読取方式の放射線画像検出器を用い、前述の縞走査を読取光の走査により行うものであるため、従来のように線状電極を微細化する必要がなく、製造コストの低下と、位相コントラスト画像の高画質化とを図ることができる。
本発明の第1実施形態に係るX線撮影システムの構成を示す模式図である。 フラットパネル検出器(FPD)の構成を示す模式図である。 FPDの撮影動作を説明するための模式図である。 FPDの読取処理を説明するための模式図である。 縞走査法を説明するための模式図である。 読出ライン光源の走査方法を説明するための模式図である。 サンプリング処理部の作用を説明するための模式図である。 強度変調信号の位相ズレを説明するためのグラフである。 画素データの積算を行う場合の積算区間を説明するための模式図である。 サンプリング処理回路の変形例を示すブロック図である。
(第1実施形態)
図1において、本発明の第1実施形態に係るX線撮影システム10は、被検体HにX線を照射するX線源11と、X線源11に対向配置され、X線源11から被検体Hを透過したX線を検出して画像データを生成する撮影部12と、撮影部12から読み出された画像データを記憶するメモリ13と、メモリ13に記憶される画像データに基づき位相コントラスト画像を生成する画像処理部14と、画像処理部14により生成された位相コントラスト画像が記録される画像記録部15と、X線源11及び撮影部12の制御を行う撮影制御部16と、操作部やモニタからなるコンソール17と、コンソール17から入力される操作信号に基づいてX線撮影システム10の全体を統括的に制御するシステム制御部18とから構成されている。
X線源11は、高電圧発生器、X線管、コリメータ(いずれも図示せず)等から構成されており、撮影制御部16の制御に基づいて、被検体HにX線を照射する。例えば、X線管は、回転陽極型であり、高電圧発生器からの電圧に応じて、フィラメントから電子線を放出し、所定の速度で回転する回転陽極に電子線を衝突させることによりX線を発生する。回転陽極は、電子線が固定位置に当り続けることによる劣化を軽減するために回転しており、電子線の衝突部分が、X線を放射するX線焦点となっている。また、コリメータは、X線管から発せられたX線のうち、被検体Hの検査領域に寄与しない部分を遮蔽するように照射野を制限するものである。
撮影部12には、フラットパネル検出器(FPD)20と、被検体HによるX線の位相変化(角度変化)を検出し位相イメージングを行うための吸収型格子21とが設けられている。FPD20は、X線源11から照射されるX線の光軸Aに沿う方向(以下、z方向いう)に検出面が直交するように配置されている。
吸収型格子21は、z方向に直交する面内の一方向(以下、y方向という)に延伸した複数のX線遮蔽部21aが、z方向及びy方向に直交する方向(以下、x方向という)に所定のピッチpで配列されたものである。X線遮蔽部21aの材料としては、X線吸収性に優れる金属が好ましく、例えば、金や鉛等が好ましい。
画像処理部14は、メモリ13に記憶された画像データをサンプリング処理して複数の画像を生成するサンプリング処理部22と、サンプリング処理部22により得られた複数の画像に基づき位相微分像を生成する位相微分像生成部23と、位相微分像生成部23により生成された位相微分像をx方向に沿って積分することにより、位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成部24とを備える。位相コントラスト画像生成部24により生成された位相コントラスト画像は、画像記録部15に記録された後、コンソール17に出力され、モニタ(図示せず)に表示される。
コンソール17は、モニタの他、操作者が撮影指示やその指示内容を入力する入力装置(図示せず)を備えている。この入力装置としては、例えば、スイッチ、タッチパネル、マウス、キーボード等が用いられ、入力装置の操作により、X線管の管電圧やX線照射時間等のX線撮影条件、撮影タイミング等が入力される。モニタは、液晶ディスプレイやCRTディスプレイからなり、X線撮影条件等の文字や、上記位相コントラスト画像を表示する。
図2において、FPD20は、光読取方式のX線画像検出器であり、X線を透過させる第1の電極層30と、第1の電極層30を透過したX線の入射により電荷対(電子−正孔対)を発生する記録用光導電層31と、記録用光導電層31で発生した電荷対のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用するとともに、他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層32と、読取光LTの照射を受けることにより電荷対(電子−正孔対)を発生する読取用光導電層33と、第2の電極層34と、ガラス基板35と、直線状の読取光LTを発生する読出ライン光源36とから構成されている。記録用光導電層31と電荷輸送層32との界面には、記録用光導電層31内で発生した電荷対のうち一方の電荷を蓄積する蓄電部37が形成されている。また、上記各層は、ガラス基板35上に第2の電極層34から順に形成されている。
第1の電極層30は、約100nmの厚さの金(Au)からなる。なお、第1の電極層30としては、Auに代えてAl等を用いることができ、さらには、ネサ皮膜(SnO)、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide;出光興産(株))などを用いることも可能である。
記録用光導電層31は、厚さが約10μm〜1500μmのアモルファスセレン(a−Se)からなる。アモルファスセレンは、X線に対して比較的量子効率が高く、また、暗抵抗が高いなどの特性を有する。
電荷輸送層32としては、X線撮影の際に第1の電極層30に帯電する電荷の移動度と、その逆極性となる電荷の移動度の差が大きい(例えば10以上、望ましくは10以上)ものが好ましい。たとえば、ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PVK)分散物,Clを10ppm〜200ppmドープしたa−Se、AsSe等の半導体物質が好ましく、厚さは0.2μm〜2μm程度が適切である。
読取用光導電層33は、厚さが約5μm〜20μmのa−Seからなる。なお、読取用光導電層33としては、a−Seに代えて、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などを用いることが可能である。
第2の電極層34は、読取光LTを透過させる複数の透明線状電極34aと、読取光LTを遮光する複数の遮光線状電極34bとからなる。透明線状電極34aと遮光線状電極34bとは、それぞれx方向に検出面の一端から他端まで延伸しており、y方向に所定の間隔を空けて交互に平行に配列されている。
透明線状電極34aは、読取光LTを透過させ、かつ導電性を有する材料からからなる。透明線状電極34aは、たとえば、厚さが100nm〜200nm程度のITO、IZOやIDIXOにより形成されている。
遮光線状電極34bは、読取光LTを遮光し、かつ導電性を有する材料から形成されている。遮光線状電極34bは、後述する読取処理後に蓄電部37に残留した電荷を消去するための消去光を透過させる。このため、遮光線状電極34bは、読取光LTを遮光し、かつ消去光を透過させるカラーフィルタと、上記透明導電材料との組み合わせからなることが好ましい。この透明導電材料の厚さは100nm〜200nm程度である。
読出ライン光源36は、y方向に検出面の一端から他端まで延伸しており、すべての透明線状電極34aと直交している。読出ライン光源36は、ガラス基板35の下方に配置されており、後述する読取処理時に、ガラス基板35及び第2の電極層34を介して読取用光導電層33に読取光LTを照射する。また、読出ライン光源36は、不図示の移動機構によりx方向に並進移動するように構成されており、読取光LTの照射及び並進移動は、前述の撮影制御部16により制御される。
また、FPD20には、撮影制御部16の制御に応じて、第1の電極層30に所定の負電圧、または接地電位を与える電源回路38が設けられている。詳しくは後述するが、電源回路38は、X線像の記録時に負電圧を第1の電極層30に供給し、読取処理時に接地電位を第1の電極層30に供給する。
さらに、FPD20には、読取処理時に読取用光導電層33で発生した電荷を読み出すためのチャージアンプ39が設けられている。チャージアンプ39は、各透明線状電極34aにそれぞれ接続されている。一方の遮光線状電極34bはすべて接地されている。チャージアンプ39は、電荷を積算する回路であり、積算した電荷をリセットするためのリセットスイッチ39aを備えている。このリセットスイッチ39aの制御は、撮影制御部16により行われる。
読出ライン光源36は、読取処理時に、x方向に所定のピッチずつ移動(走査)され、移動された各位置(以下、走査位置という)において、読取光LTを照射し、この読取光LTに応じて読取用光導電層33に発生した電荷をチャージアンプ39により読み出す。読出ライン光源36を移動させるピッチ(以下、走査ピッチという)は、FPD20の検出面(第1の電極層30の表面30a)に投影される吸収型格子21の投影像のx方向へのパターン周期よりも十分に短い。なお、透明線状電極34a及び遮光線状電極34bのy方向への配列ピッチについては、特に制限はないが、該パターン周期と同等程度であることが好ましい。
次に、各走査位置におけるFPD20の撮影動作について説明する。図3(a)に示すように、FPD20に照射されたX線は、第1の電極層30を透過して記録用光導電層31に照射され、記録用光導電層31ではX線照射によって電荷対が発生する。このとき、第1の電極層30は、電源回路38によって負電圧が印加されており、負の電荷が帯電している。記録用光導電層31で発生した電荷対のうち正の電荷が、第1の電極層30の負の電荷と結合して消滅する。一方の負の電荷は、図3(b)に示すように、潜像電荷(静電潜像)として蓄電部37に蓄積される。
次いで、図4に示すように、電源回路38によって第1の電極層30が接地された状態で、読出ライン光源36から読取光LTが発せられる。読取光LTは、透明線状電極34aを透過して読取用光導電層33に照射される。読取光LTにより、読取用光導電層33で発生した電荷対のうち正の電荷が蓄電部37の潜像電荷と結合するとともに、負の電荷が、チャージアンプ39を介して遮光線状電極34bに帯電した正の電荷と結合する。
そして、読取用光導電層33において発生した負の電荷と遮光線状電極34bに帯電した正の電荷との結合によって、チャージアンプ39に電流が流れ、この電流が積分されて画素信号として出力される。チャージアンプ39から出力された画素信号は、不図示のA/D変換器によりデジタル化され、不図示の補正回路によりオフセット補正、ゲイン補正、及びリニアリティ補正等が行われて、順にメモリ13に入力される。
図5において、吸収型格子21のX線遮蔽部21aは、x方向に所定のピッチpで、互いに所定の間隔dを空けて配列されている。X線遮蔽部21aは、不図示のX線透過性基板(例えば、ガラス基板)上に配置されている。吸収型格子21は、入射X線に位相差を与えるものでなく、強度差を与えるものであるため、振幅型格子とも称される。なお、スリット部(上記間隔d,dの領域)は空隙でなくてもよく、高分子や軽金属等のX線低吸収材が充填されていてもよい。
吸収型格子21は、タルボ干渉効果の有無に係らず、スリット部を通過したX線を線形的に投影するように構成されている。具体的には、間隔dを、X線源11から照射されるX線のピーク波長より十分大きな値とすることで、照射X線に含まれる大部分のX線をスリット部で回折させずに、直進性を保ったまま通過するように構成する。例えば、前述のX線管の回転陽極としてタングステンを用い、管電圧を50kVとした場合には、X線のピーク波長は、約0.4Åである。この場合には、間隔dを、1μm〜10μm程度とすれば、スリット部で大部分のX線が回折されずに線形的に投影される。この場合、格子ピッチpは、2μm〜20μm程度となる。
X線源11から照射されるX線は、平行ビームではなく、X線焦点11aを発光点としたコーンビームであるため、吸収型格子21を通過してFPD20の検出面に射影される投影像(以下、この投影像をG1像または縞画像と称する)は、X線焦点11aからの距離に比例して拡大する。G1像の周期パターンのピッチpは、X線焦点11aから吸収型格子21までの距離をL、吸収型格子21からFPD20の検出面までの距離をLとした場合に、幾何学的な関係に基づき、次式(1)で表される。
Figure 2011206113
また、吸収型格子21の間隔dに対応するG1像の明部のx方向に関する幅dは、次式(2)で表される。
Figure 2011206113
吸収型格子21からFPD20の検出面までの距離Lは、タルボ干渉計の場合には、回折格子の格子ピッチとX線波長とで決まるタルボ干渉距離に制約されるが、本実施形態の撮影部12では、吸収型格子21が入射X線を回折させずに投影させるものであって、吸収型格子21を通過した像は、相似的に拡大するため、該距離Lを、タルボ干渉距離と無関係に設定することができる。
上記のように本実施形態の撮影部12は、タルボ干渉計を構成するものではないが、吸収型格子21でX線の回折が生じ、タルボ干渉効果が生じていると仮定した場合のタルボ干渉距離Zは、吸収型格子21の格子ピッチp、X線波長(ピーク波長)λ、及び正の整数mを用いて、次式(3)で表される。
Figure 2011206113
本実施形態では、前述のように距離Lをタルボ干渉距離と無関係に設定することができるため、撮影部12のz方向への薄型化を目的とし、距離Lを、m=1の場合の最小のタルボ干渉距離Zより短い値に設定する。すなわち、距離Lは、次式(4)を満たす範囲の値に設定される。
Figure 2011206113
X線遮蔽部21aは、コントラストの高い周期パターン像を生成するためには、X線を完全に遮蔽(吸収)することが好ましいが、上記したX線吸収性に優れる材料(金や鉛等)を用いたとしても、吸収されずに透過するX線が少なからず存在する。このため、X線の遮蔽性を高めるためには、X線遮蔽部21aの厚み(z方向の厚さ)をできるだけ厚くすること(すなわち、アスペクト比を高めること)が好ましい。例えば、X線管の管電圧が50kVの場合に、照射X線の90%以上を遮蔽することが好ましく、この場合には、X線遮蔽部21aの厚みは、金(Au)換算で30μm以上であることが好ましい。
FPD20の読出ライン光源36は、図6に示すように、FPD20の検出面に投影されるG1像に対して、G1像のパターン周期pより短い走査ピッチで走査される。したがって、各走査位置で上記の撮影動作が行われ、画素信号が取得される。走査ピッチは、たとえば、パターン周期pの1/4であり、1パターン周期pに対して4つの走査位置が割り当てられ、各走査位置において画素信号が得られる。これらの画素信号は、上記したデジタル化や補正処理が行われ、画像データとしてメモリ13に入力される。
画像処理部14のサンプリング処理部22は、図7に示すように、メモリ13に記憶された画像データを、G1像のパターン周期pと同一のサンプリング周期で、x方向に位相をずらしながら複数回サンプリングを行うことにより、G1像に対して位相の異なる複数の相対位置(k=0,1,2,3)で強度変調された4枚の画像(画像群)を生成する。
具体的には、サンプリング処理部22は、以下の第1〜第4のサンプリング処理を行うことにより、上記画像群を生成する。ここで、G1像のパターン周期pに対応する画素信号をI1,12,I3,14と表す。サンプリング処理部22は、第1のサンプリング処理では、画素信号I1,I2をサンプリングし、これら1組ずつ加算して画素データD0とすることによりk=0の画像を生成する。第2のサンプリング処理では、サンプリング位置を1/4周期(位相差“0.5π”)分ずらすことにより画素信号I2,I3をサンプリングし、これら1組ずつ加算して画素データD1とすることによりk=1の画像を生成する。また、第3のサンプリング処理では、サンプリング位置を1/2周期(位相差“π”)分ずらすことにより画素信号I3,I4をサンプリングし、これら1組ずつ加算して画素データD2とすることによりk=2の画像を生成する。そして、第4のサンプリング処理では、サンプリング位置を3/4周期(位相差“1.5π”)分ずらすことにより画素信号I4,I1をサンプリングし、これら1組ずつ加算して画素データD3とすることによりk=3の画像を生成する。
以上のサンプリング処理により、画素データD0〜D3の各組み合わせからなる強度変調信号が得られる。この強度変調信号は、従来のようにG1像のパターン周期pと同一のパターン周期を有する吸収型格子をFPD20の検出面の直前に配置して、G1像に対してx方向に相対的な走査を行うことにより得られる強度変調信号と同等である。なお、G1像のパターン周期pは、製造誤差や配置誤差により、上記サンプリング周期と若干の差異が生じることがあり、差異が生じた場合には、強度変調された画像にモアレ縞が生じる。理想的にはモアレ縞は発生しないことが好ましいが、モアレ縞は、パターン周期pとサンプリング周期とのずれの確認に利用することができる。
X線源11と吸収型格子21との間に被検体Hを配置すると、FPD20により得られる画像データは、被検体Hにより変調を受ける。この変調量は、被検体Hによる屈折効果によって偏向したX線の角度に比例するものであり、上記サンプリング処理により得られる画像群を解析することによって、被検体Hの位相コントラスト画像を生成することができる。
次に、上記画像群の解析方法について説明する。図5には、被検体Hのx方向に関する位相シフト分布Φ(x)に応じて屈折される1つのX線が例示されている。符号40は、被検体Hが存在しない場合に直進するX線の経路を示しており、この経路40を進むX線は、吸収型格子21を通過してFPD20に入射する。符号41は、被検体Hが存在する場合に、被検体Hにより屈折されて偏向したX線の経路を示している。
被検体Hの位相シフト分布Φ(x)は、被検体Hの屈折率分布をn(x,z)、zをX線の進む方向として、次式(5)で表される。
Figure 2011206113
第1の吸収型格子21からFPD20の検出面に投射されたG1像は、被検体HでのX線の屈折により、その屈折角φに応じた量だけx方向に変位することになる。この変位量Δxは、X線の屈折角φが微小であることに基づいて、近似的に次式(6)で表される。
Figure 2011206113
ここで、屈折角φは、X線波長λと被検体Hの位相シフト分布Φ(x)を用いて、次式(7)で表される。
Figure 2011206113
このように、被検体HでのX線の屈折によるG1像の変位量Δxは、被検体Hの位相シフト分布Φ(x)に関連している。そして、この変位量Δxは、サンプリング処理部22により生成される各強度変調信号の位相ズレ量ψ(被検体Hがある場合とない場合とでの強度変調信号の位相のズレ量)と、次式(8)のように関連している。
Figure 2011206113
したがって、強度変調信号の位相ズレ量ψを求めることにより、式(8)から屈折角φが求まり、式(7)を用いて位相シフト分布Φ(x)の微分量が求まるから、これをxについて積分することにより、被検体Hの位相シフト分布Φ(x)、すなわち被検体Hの位相コントラスト画像を生成することができる。本実施形態では、上記位相ズレ量ψを、下記に示す縞走査法を用いて算出する。
縞走査法では、一般的に、G1像のパターン周期pをM(2以上の整数)個に分割したピッチ(p/M)ずつ位相をずらしながら、G1像と同等の格子パターンによりG1像に強度変調を与える。本実施形態では、図7で示すように、M=4としており、G1像として得られた高解像度の画像データに、サンプリング処理部22により周期的なサンプリング処理を行うことにより、仮想的に上記強度変調を行っている。
M=4の場合には、k=0の位置では、主として、G1像のうち、被検体Hにより屈折されなかったX線の成分がサンプリングされる。これに対して、k=1の位置では、被検体Hにより屈折されなかったX線の成分が減少する一方で、被検体Hにより屈折されたX線の成分が増加する。
次いで、k=2の位置では、主として、G1像のうち、被検体Hにより屈折されたX線に対応する部分のみがサンプリングされる。これに対して、k=3の位置では、被検体Hにより屈折されたX線の成分が減少する一方で、被検体Hにより屈折されなかったX線の成分が増加する。
以下に、一般に、G1像のパターン周期pをM個に分割する場合における強度変調信号の位相ズレ量ψの算出方法を説明する。サンプリング位置kにおける強度変調信号をI(x)と標記すると、I(x)は、次式(9)で表される。
Figure 2011206113
ここで、xは、x方向に関する座標であり、Aは入射X線の強度に対応し、Aは強度変調信号のコントラストに対応する値である(ここで、nは正の整数である)。また、φ(x)は、上記屈折角φを座標xの関数として表したものである。
次いで、次式(10)の関係式を用いると、上記屈折角φ(x)は、式(11)のように表される。
Figure 2011206113
Figure 2011206113
ここで、arg[ ]は、偏角の抽出を意味しており、上記位相ズレ量ψに対応する。したがって、サンプリング処理部22により生成される強度変調信号I(x)の実データから、式(11)に基づいて位相ズレ量ψを算出することにより、屈折角φ(x)が求まり、位相シフト分布Φ(x)の微分量が求まる。
具体的には、サンプリング処理部22により生成される強度変調信号I(x)は、図8に示すように、サンプリング位置kに対して、G1像のパターン周期pの周期で変化する。同図中の破線は、被検体Hが存在しない場合の画素データの変化を示しており、同図中の実線は、被検体Hが存在する場合の画素データの変化を示している。この両者の波形の位相差が上記位相ズレ量ψに対応する。
以上の説明では、y方向に関するy座標を考慮していないが、y座標について同様の演算を行うことにより、x方向及びy方向に関する2次元的な位相ズレの分布ψ(x,y)が得られる。この位相ズレの分布ψ(x,y)が位相微分像に対応する。
この位相微分像の生成処理は、位相微分像生成部23により行われ、生成された位相微分像は、位相コントラスト画像生成部24に入力される。位相コントラスト画像生成部24は、入力された位相微分像をx軸に沿って積分することにより、被検体Hの位相シフト分布Φ(x,y)を生成し、これを位相コントラスト画像として画像記録部15に入力する。
以上のように構成されたX線撮影システム10では、X線源11と撮影部12との間に被検体Hを配置した状態で、操作者により、コンソール17から入力されると、X線源11から被検体Hに向けて1回のX線照射が行われ、被検体Hを透過し、吸収型格子21を通過することにより生成された縞画像(G1像)がFPD20により検出される。読出ライン光源36の走査にしたがってFPD20から画素信号が読み出され、読み出された各画素信号は、画像データとしてメモリ13に記憶される。
メモリ13に記憶された画像データは、サンプリング処理部22により、G1像のパターン周期pで、x方向に位相をずらしながら複数回サンプリングが行われ、位相が異なる複数の相対位置で強度変調された複数の画像(画像群)が生成される。そして、この画像群に基づいて、位相微分像生成部23により位相微分像が生成され、位相コントラスト画像生成部24により位相コントラスト画像が生成される。この位相コントラスト画像は、画像記録部15に記録された後、モニタに表示される。
なお、上記実施形態では、X線源11からFPD20までの距離を長くした場合に、X線焦点11aの焦点サイズ(一般的に0.1mm〜1mm程度)によるG1像のボケが影響し、位相コントラスト画像の画質の低下をもたらす恐れがあるため、X線焦点11aの直後にマルチスリット(線源格子)を配置してもよい。
このマルチスリットは、吸収型格子21と同様な構成の吸収型格子であり、一方向(本実施形態では、y方向)に延伸した複数のX線遮蔽部が、吸収型格子21のX線遮蔽部21aと同一方向(本実施形態では、x方向)に周期的に配列されたものである。このマルチスリットは、X線源11からのX線を部分的に遮蔽してx方向に関する実効的な焦点サイズを縮小するとともに、x方向に多数の点光源(分散光源)を形成することにより、G1像のボケを抑制する。
また、上記実施形態では、吸収型格子21を、そのスリット部を通過したX線を線形的に投影するように構成しているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、スリット部でX線を回折することにより、いわゆるタルボ干渉効果が生じる構成(国際公開WO2004/058070号公報等に記載の構成)としてもよい。ただし、この場合には、吸収型格子21とFPD20の検出面との間の距離Lをタルボ干渉距離に設定する必要がある。また、この場合には、吸収型格子21に代えて、位相型格子(位相型回折格子)を用いることが可能であり、吸収型格子21に代えて用いた位相型格子は、タルボ干渉効果により生じる縞画像(自己像)を、FPD20に射影する。
位相型格子と吸収型格子との差異は、X線高吸収材(X線遮蔽部)の厚さのみであり、X線遮蔽部の厚さは、吸収型格子の場合にAu換算で約30μm以上と設定されるのに対し、位相型格子の場合には、1μm〜5μm程度に設定される。位相型格子は、X線高吸収材が、X線源11から照射されるX線に対して所定量(πまたはπ/2)の位相変調を与えることにより、タルボ干渉効果を発生させて縞画像(自己像)を生成するものである。
また、上記実施形態では、被検体HをX線源11と吸収型格子21との間に配置しているが、被検体Hを吸収型格子21とFPD20との間に配置することも可能であり、この場合にも同様に位相コントラスト画像の生成が可能である。
また、上記実施形態では、サンプリング処理により得られる画素データD0〜D3をそれぞれ1つずつ組み合わせることにより強度変調信号を生成しているが、図9に示すように、G1像のパターン周期pよりも大きな範囲を積算区間として設定し、積算区間に含まれる画素データD0〜D3をそれぞれ同一画像の画素データについて積算することによって強度変調信号を生成するように位相微分像生成部23を構成してもよい。同図は、積算区間を、パターン周期pの3倍に相当するように設定した例であり、位相微分像生成部23は、各積算区間において画素データD0〜D3をそれぞれ積算して、新たな画素データD0’〜D3’を生成し、この画素データD0’〜D3’から強度変調信号を生成する。
パターン周期pは数μm程度と小さく、画素データD0〜D3の信号値は微小であるが、上記のように画素データを積算することで、解像度は低下するものの、信号量が増大するため、少ない位相コントラスト画像が得られる。
また、位相コントラスト画像のy方向に関する画素サイズは、透明線状電極34a及び遮光線状電極34bのy方向への配列ピッチで決まるため、該配列ピッチがパターン周期pより大きい場合には、該配列ピッチに上記積算区間を一致させることで、x方向及びy方向に関する画素サイズを等しくすることが可能となる。
また、上記実施形態では、FPD20から出力された画像データを一旦メモリ13に格納した後、この画像データをサンプリング処理部22によりサンプリングすることで、k=0〜3の画像群を生成しているため、処理時間が長いといった問題が考えられる。そこで、メモリ13を用いずに、図10に示す構成のサンプリング処理回路50を用いることも好ましい。
サンプリング処理回路50は、FPD20から出力された画像データを画素データごとに振り分けるセレクタ51と、セレクタ51により振り分けられた画素データを所定数ずつ加算する加算回路52と、加算された画素データを記憶するバッファ53とからなる。セレクタ51は、第1〜第4のスイッチ51a〜51dからなり、これに対応するように、加算回路52は、第1〜第4の加算回路52a〜52dに分けられており、バッファ53は、第1〜第4のバッファ53a〜53dに分けられている。セレクタ51及び加算回路52は、FPGA等により構成される。バッファ53は、複数のセクタからなる1つのメモリで構成してもよいし、また、第1〜第4のバッファ53a〜53dのそれぞれを異なるメモリで構成してもよい。
FPD20からセレクタ51に画素データI1が入力された際には、第1及び第4のスイッチ51a,51dがオンとなり、画素データI1が第1及び第4の加算回路52a,52dに入力される。また、画素データI2が入力された際には、第1及び第2のスイッチ51a,51bがオンとなり、画素データI2が第1及び第2の加算回路52a,52bに入力される。また、画素データI3が入力された際には、第2及び第3のスイッチ51b,51cがオンとなり、画素データI3が第2及び第3の加算回路52b,52cに入力される。そして、画素データI4が入力された際には、第3及び第4のスイッチ51c,51dがオンとなり、画素データI4が第3及び第4の加算回路52c,52dに入力される。
第1の加算回路52aは、画素データI1,I2が1組入力されるごとに加算処理を行い、画素データD0を生成して第1のバッファ53aに入力する。第2の加算回路52bは、画素データI2,I3が1組入力されるごとに加算処理を行い、画素データD1を生成して第2のバッファ53bに入力する。第3の加算回路52cは、画素データI3,I4が1組入力されるごとに加算処理を行い、画素データD2を生成して第3のバッファ53cに入力する。第4の加算回路52dは、画素データI4,I1が1組入力されるごとに加算処理を行い、画素データD3を生成して第4のバッファ53dに入力する。
以上の処理により、第1〜第4のバッファ53a〜53dには、それぞれ前述のk=0〜3の画像群が生成され、これらの画像群は、位相微分像生成部23に入力される。このように、サンプリング処理回路50は、FPD20から画素データを読み出しながらサンプリング処理を行うので、上記画像群を高速に生成することができる。
また、上記実施形態では、G1像のパターン周期pを4分割するように読出ライン光源36の走査ステップを設定しているが、分割数はこれに限られず、適宜変更可能である。また、サンプリング処理部22,50によるサンプリングパターン(サンプルリングして加算する画素データの組み合わせ)は、G1像の明部に対応させることが好ましく、この場合に強度変調信号の振幅(コントラスト)が最も大きくなるが、必ずしもG1像の明部に対応させるようにサンプリングパターンを設定する必要はない。
本発明は、医療診断用の放射線撮影システムのほか、工業用等のその他の放射線撮影システムに適用することが可能である。
10 X線撮影システム
11 X線源
11a X線焦点
12 撮影部
14 画像処理部
16 撮影制御部
18 システム制御部
20 フラットパネル検出器(FPD)
21 吸収型格子
21a 線遮蔽部
22 サンプリング処理部
23 位相微分像生成部
24 位相コントラスト画像生成部
30 第1の電極層
30a 表面
31 記録用光導電層
32 電荷輸送層
33 読取用光導電層
34 第2の電極層
34a 透明線状電極
34b 遮光線状電極
35 ガラス基板
36 読出ライン光源
37 蓄電部
38 電源回路
39 チャージアンプ
39a リセットスイッチ

Claims (6)

  1. 放射線を放射する放射線源と、
    前記放射線を通過させて縞画像を生成する格子と、
    前記縞画像を静電潜像として記録し、記録した静電潜像を、前記縞画像の周期パターン方向に該周期より短いピッチで読取光を走査することにより、前記静電潜像を画像データとして読み出す光読取方式の放射線画像検出器と、
    前記画像データを、前記周期パターンと同一周期で、かつ前記周期パターンに対して位相の異なる複数の相対位置でサンプリングすることにより、強度変調がなされた複数の画像からなる画像群を生成するサンプリング処理手段と、
    前記サンプリング処理手段により生成された前記画像群に基づき、前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に配置された被検体の位相コントラスト画像を生成する画像処理手段と、
    を備えたことを特徴とする放射線撮影システム。
  2. 前記画像処理手段は、前記サンプリング処理手段で生成された前記画像群に基づき、画素ごとに強度変調信号の位相ズレ量を算出して位相微分像を生成する位相微分像生成手段と、
    前記位相微分像を、前記周期パターン方向に積分演算して位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システム。
  3. 前記格子は、吸収型格子であり、前記放射線源からの放射線を縞画像として放射線画像検出器に投影するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮影システム。
  4. 前記格子は、位相型格子であり、タルボ干渉効果により、前記放射線源からの放射線を縞画像として放射線画像検出器に射影するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮影システム。
  5. 前記放射線画像検出器は、放射線を透過させる第1の電極層と、第1の電極層30を透過した放射線の入射により電荷対を発生する記録用光導電層と、記録用光導電層で発生した電荷対のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層と、読取光の照射を受けることにより電荷対を発生する読取用光導電層と、複数の線状電極を有する第2の電極層と、前記線状電極に直交する方向に延伸するとともに、前記線状電極の延伸方向に駆動され、前記読取光を前記第2の電極層を介して前記読取用光導電層に照射する読出ライン光源と、を備え、
    前記記録用光導電層と前記電荷輸送層との界面に、前記静電潜像を蓄積する蓄電部が形成されていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の放射線撮影システム。
  6. 前記線状電極は、電荷を読み出すためのチャージアンプに接続され、前記読取光を透過させる透明線状電極と、接地電位が与えられ、前記読取光を遮蔽する遮光線状電極とからなることを特徴とする請求項5に記載の放射線撮影システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103876766A (zh) * 2012-12-21 2014-06-25 西门子公司 利用相位步进进行差分相位对比成像的x射线拍摄***
CN107106101A (zh) * 2014-12-22 2017-08-29 株式会社岛津制作所 放射线相位差摄影装置

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