JP2011202627A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置 Download PDF

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Hironao Sunada
洋尚 砂田
Motohiro Tsuzuki
基浩 都築
Yusuke Kato
佑亮 加藤
Shinobu Shimazaki
忍 嶋崎
Kiyoji Nakamura
喜代治 中村
Akio Kidooka
昭夫 木戸岡
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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の可変動弁装置に関し、少なくとも2つの気筒に設けられたバルブの開弁特性を一括して切り換え可能な構成を有する場合に、第2動作状態から第1動作状態へのバルブの動作状態の切り換えに要する応答時間を良好に確保することを目的とする。
【解決手段】ロッカーアーム18、20の動作状態を変化させることで、バルブ26の開弁特性を切り換える切換機構32を備える。切換機構32は、バルブ26の動作状態を閉弁停止状態から弁稼動状態に戻すべく電磁ソレノイド56が制御された際に、#1気筒に対してバルブ26のリフト順序が先となる#2気筒の主カム14がリフト期間中である場合に、第2リンクシャフト50bが変位するのを規制する規制機構を備える。具体的には、#2気筒において第1ロッカーアーム18の第1ピン孔34aに挿入される第1切換ピン49bを第3リンクアーム49と一体的に結合することで上記規制機構を実現する。
【選択図】図14

Description

この発明は、内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、可変動弁機構付内燃機関が開示されている。この従来の可変動弁機構は、気体圧力を利用した気体圧力式アクチュエータを備えている。そして、この気体圧力式アクチュエータによって一本のコントロールロッド(リンクシャフト)およびこれに連結された各気筒用のコントロールプレート(リンクアーム)をその軸方向に移動させることにより、全気筒のバルブの開弁特性を一括して変更するようにしている。
より具体的には、上記可変動弁機構は、気体圧力式アクチュエータの非駆動時には、低速用ロッカーアームと高速用ロッカーアームとが非連結状態となり、一方、上記アクチュエータの駆動時には、ロックピン(切換ピン)を介して低速用ロッカーアームと高速用ロッカーアームとが連結状態となるように構成されている。上記従来の可変動弁機構では、このような構成によって2種類のロッカーアームを連結状態と非連結状態との間で切り換えることにより、全気筒のバルブの開弁特性を切り換え可能としている。
特開2002−242628号公報 特開2001−329873号公報
上記従来の可変動弁機構において、気体圧力式アクチュエータの駆動が停止された場合には、上記アクチュエータがコントロールロッドを押す力が無くなる。つまり、各気筒の上記2種類のロッカーアームが連結状態に維持されるようにロックピンを押す力が無くなるようになる。その結果、高速用大カムのベース円区間が到来した気筒では、ロックピンスプリングが発する付勢力によってロックピンが変位させられ、上記2種類のロッカーアームが非連結状態に切り換わるようになる。そして、この場合には、ロックピンスプリングにより付勢されたロックピンによってコントロールプレートが押され、コントロールロッド(リンクシャフト)が上記アクチュエータの非作動時の位置に戻されるようになる。このように、上記従来の可変動弁機構において上記アクチュエータの駆動が停止された場合には、高速用大カムのベース円区間が到来する気筒から、上記2種類のロッカーアームが非連結状態に順次切り換わるようになる。
内燃機関の高速回転時においてもバルブの開弁特性の切り換え動作を円滑に行えるようにするためには、そのような切り換えが可能となる期間を長く確保したい。しかしながら、上述したように、上記従来の構成が採用されている場合には、高速用大カムのベース円区間が到来する気筒から、上記非連結状態への切り換えが順次行われてしまう。そうすると、気筒によっては、短い期間内で切り換え動作を完了することが要求されることになる。その結果、高速回転時には、上記切り換え動作に要する応答時間を十分に確保できなくなる気筒が存在し、また、このような気筒では、ロックピンスプリングの応答性不足等の理由で中途半端なロックピンの動作が行われてしまい、ロックピンの破損等の問題が生ずるおそれがある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、少なくとも2つの気筒に設けられたバルブの開弁特性を一括して切り換え可能な構成を有する場合に、第2動作状態から第1動作状態へのバルブの動作状態の切り換えに要する応答時間を良好に確保することのできる内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の可変動弁装置であって、
バルブのリフト順序が連続する少なくとも2つの気筒においてカムとバルブとの間に配置され、前記カムの作用力を前記バルブに伝達する伝達部材と、
前記伝達部材の動作状態を変化させることで、前記少なくとも2つの気筒に設けられた前記バルブの開弁特性を切り換える切換機構と、を備え、
前記切換機構は、
前記少なくとも2つの気筒で共用され、当該少なくとも2つの気筒における前記バルブの動作状態を第1動作状態と第2動作状態との間で切り換える際に制御されるアクチュエータと、
前記アクチュエータの制御に伴って変位し、前記少なくとも2つの気筒に設けられた前記バルブの動作状態を前記第1動作状態と前記第2動作状態との間で切り換える剛体部材と、
前記少なくとも2つの気筒に設けられた前記バルブの動作状態を前記第2動作状態から前記第1動作状態に戻す際の変位方向に前記剛体部材を付勢する付勢手段と、を備え、
前記バルブの動作状態を前記第2動作状態から前記第1動作状態に戻すべく前記アクチュエータが制御された際に、前記少なくとも2つの気筒のうちのいずれか2つの気筒の中で前記リフト順序が先となるリフト順序先行気筒のカムがリフト期間中である場合に、前記変位方向に前記剛体部材が変位することが規制されることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記伝達部材は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれに配置されたロッカーアームであって、前記カムと同期して揺動する第1ロッカーアームと、前記バルブを押動可能な第2ロッカーアームと、を含み、
前記剛体部材は、
軸方向の変位自在に配置された部材連結軸と、
前記少なくとも2つの気筒のそれぞれに対して配置され、それぞれが前記部材連結軸に対して少なくとも当該部材連結軸の軸方向の移動が拘束された態様で連結され、前記アクチュエータの制御に伴って前記部材連結軸とともに変位することにより、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれにおいて前記第2ロッカーアームの動作状態を変化させる変位部材と、を含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記部材連結軸は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームを支持するロッカーシャフトの内部に軸方向の変位自在に配置されていることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記第1動作状態は、前記バルブの開閉動作が行われる弁稼動状態であり、
前記第2動作状態は、前記バルブが閉弁位置で停止状態となる閉弁停止状態であることを特徴とする。
また、第5の発明は、第2乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
前記付勢手段は、前記リフト順序先行気筒よりも前記リフト順序が後になるリフト順序後行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れか一方の前記ピン孔に配置され、当該リフト順序後行気筒に配置された前記変位部材を前記切換ピンを介して付勢するリターンスプリングを含み、
前記リフト順序先行気筒に配置された前記切換ピンは、当該リフト順序先行気筒用の前記変位部材と一体的に結合された第1切換ピンを含み、
前記第1切換ピンは、前記第1動作状態時には、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの双方の前記ピン孔に跨って挿入された状態となり、前記第2動作状態時には、前記第1ロッカーアームの前記ピン孔にのみ挿入された状態となるように構成されていることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、
前記リフト順序先行気筒では、前記変位部材が前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとの間の部位に配置されていることを特徴とする。
また、第7の発明は、第5または第6の発明において、
前記リフト順序先行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れの前記ピン孔にも、前記付勢手段が設けられていないことを特徴とする。
また、第8の発明は、第2乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
前記付勢手段は、前記リフト順序先行気筒、および、前記リフト順序先行気筒よりも前記リフト順序が後になるリフト順序後行気筒の双方における前記第2ロッカーアームの前記ピン孔に配置され、前記変位部材を前記切換ピンを介して付勢するものであって、
前記第2ロッカーアームは、両側から前記第1ロッカーアームを取り囲むようにして一体的に構成されており、
前記リフト順序先行気筒における前記変位部材は、前記第1ロッカーアームに対して前記第2ロッカーアームの外側に配置されており、
前記リフト順序先行気筒に配置された前記切換ピンは、当該リフト順序先行気筒用の前記変位部材と一体的に結合された第1切換ピンを含み、
前記第1切換ピンは、前記第1動作状態時および前記第2動作状態時を通して、前記第2ロッカーアームを貫通して、前記第1ロッカーアームの前記ピン孔にのみ挿入された状態となるように構成されており、
前記リフト順序先行気筒における前記第2ロッカーアームには、前記カムの作用力を受けて前記第1ロッカーアームと連動して前記第1切換ピンが揺動する際に、当該第1切換ピンとの干渉を避けるための開口部が設けられていることを特徴とする。
また、第9の発明は、第8の発明において、
前記部材連結軸は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームを支持するロッカーシャフトの内部に軸方向の変位自在に配置されており、
前記リフト順序先行気筒用の前記変位部材は、前記部材連結軸に対して当該部材連結軸の軸方向周りの回転が拘束された態様で連結されており、
前記部材連結軸は、その外周面に当該部材連結軸の径方向に突出するように設けられた突起部を含み、
前記ロッカーシャフトは、その内周面に前記突起部と係脱可能に形成された係合溝を含み、
前記突起部と前記係合溝とは、前記第2動作状態時には両者が前記ロッカーシャフトの軸方向において離れた位置にあり、かつ、前記リフト順序先行気筒用の前記カムがベース円区間にある時に前記突起部の回転位置が前記係合溝の位置と合致するように構成されていることを特徴とする。
また、第10の発明は、第8の発明において、
前記切換機構は、前記リフト順序先行気筒における前記変位部材に近接した部位であって、前記バルブを前記第2動作状態から前記第1動作状態に切り換える際の前記部材連結軸の変位方向側の部位において、前記リフト順序先行気筒における前記変位部材を回転自在に支持する支持軸に設けられ、一部に切欠部を有するC字状のリング部材を更に備え、
前記リフト順序先行気筒における前記変位部材は、前記リング部材との対向面に設けられた突起部を含み、
前記リング部材と前記突起部とは、前記リフト順序先行気筒用の前記カムがベース円区間にある時に前記突起部が前記切欠部と合致するように構成されていることを特徴とする。
また、第11の発明は、第2乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
前記付勢手段は、前記リフト順序先行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れか一方の前記ピン孔に配置され、当該リフト順序先行気筒に配置された前記変位部材を前記切換ピンを介して付勢するリターンスプリングを含み、
前記リフト順序先行気筒よりも前記リフト順序が後になるリフト順序後行気筒に配置された前記切換ピンは、当該リフト順序後行気筒用の前記変位部材と一体的に結合された第1切換ピンを含み、
前記第1切換ピンは、前記第1動作状態時には、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの双方の前記ピン孔に跨って挿入された状態となり、前記第2動作状態時には、前記第1ロッカーアームの前記ピン孔にのみ挿入された状態となるように構成されており、
前記リフト順序後行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れの前記ピン孔にも、前記付勢手段が設けられていないことを特徴とする。
また、第12の発明は、第2乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
前記付勢手段は、前記リフト順序先行気筒よりも前記リフト順序が後になるリフト順序後行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れか一方の前記ピン孔に配置され、当該リフト順序後行気筒に配置された前記変位部材を前記切換ピンを介して付勢するリターンスプリングを含み、
前記切換機構は、前記リフト順序先行気筒と前記リフト順序後行気筒との間に配置され、前記リフト順序後行気筒における前記変位部材の変位と連動して、前記リフト順序先行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの動作状態が前記第2動作状態から前記第1動作状態に切り換わるように当該リフト順序先行気筒における前記切換ピンを駆動する連動部材を更に備え、
前記リフト順序先行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れの前記ピン孔にも、前記付勢手段が設けられていないことを特徴とする。
また、第13の発明は、第2乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
前記少なくとも2つの気筒は、前記リフト順序後行気筒を含む気筒群であって配置場所が隣接する複数の気筒からなる第1気筒群と、前記リフト順序先行気筒を含む気筒群であって配置場所が隣接する複数の気筒からなる第2気筒群とを有し、
前記部材連結軸は、前記第1気筒群を担う後行側部材連結軸と、前記第2気筒群を担う先行側部材連結軸とを含み、
前記付勢手段は、
前記後行側部材連結軸を、前記第2動作状態から前記第1動作状態に変化する際の前記部材連結軸の変位方向と同方向に付勢する第1リターンスプリングと、
前記後行側部材連結軸と前記先行側部材連結軸との間に配置され、前記後行側部材連結軸と前記先行側部材連結軸とが離間する方向に前記第1リターンスプリングのバネ力よりも小さなバネ力を発する第2リターンスプリングと、を含み、
前記可変動弁装置は、各気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れか一方の前記ピン孔にそれぞれ配置され、前記第1動作状態から前記第2動作状態に変化する際の前記部材連結軸の変位方向と同方向に前記切換ピンを付勢する第3リターンスプリングを更に備え、
前記変位部材は、前記第3リターンスプリングが発する付勢力を前記切換ピンを介して受ける位置に設けられていることを特徴とする。
また、第14の発明は、第2乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
前記少なくとも2つの気筒は、前記リフト順序後行気筒を含む気筒群であって配置場所が隣接する複数の気筒からなる第1気筒群と、前記リフト順序先行気筒を含む気筒群であって配置場所が隣接する複数の気筒からなる第2気筒群とを有し、
前記部材連結軸は、前記第1気筒群を担う後行側部材連結軸と、前記第2気筒群を担う先行側部材連結軸とを含み、
前記後行側部材連結軸と前記先行側部材連結軸とは、両者が離間する方向に移動することが規制されておらず、
前記付勢手段は、
前記先行側部材連結軸を、前記第2動作状態から前記第1動作状態に変化する際の前記部材連結軸の移動方向に付勢する第1リターンスプリングと、
前記後行側部材連結軸を、前記第2動作状態から前記第1動作状態に変化する際の前記部材連結軸の移動方向に付勢する第2リターンスプリングと、を含み、
前記変位部材は、前記切換ピンの両側に配置されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、上記規制機構を備えているので、バルブの動作状態を第2動作状態から第1動作状態に戻すアクチュエータが制御された際に、リフト順序先行気筒よりもリフト順序が後になるリフト順序後行気筒が上記リフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのを防止することができる。これにより、バルブのリフト順序が連続する少なくとも2つの気筒のバルブの開弁特性を単一のアクチュエータで一括して切り換える構成を有する可変動弁装置において、第2動作状態から第1動作状態へのバルブの開弁特性の切り換えに要する応答時間を良好に確保することができる。
第2の発明によれば、伝達部材として第1および第2ロッカーアームを備え、剛体部材として部材連結軸および変位部材を備える構成の可変動弁装置において、第2動作状態から第1動作状態へのバルブの開弁特性の切り換えに要する応答時間を良好に確保することができる。
第3の発明によれば、新たなスペースを必要とすることなく、部材連結軸を備えることができる。
第4の発明によれば、閉弁停止状態から弁稼動状態へのバルブの開弁特性の切り換えに要する応答時間を良好に確保することができる。
第5の発明によれば、第2動作状態時に第1ロッカーアームのピン孔に挿入される第1切換ピンとリフト順序先行気筒用の変位部材とが一体的に結合されているので、第2動作状態時に第1ロッカーアームと上記変位部材とが同期して揺動することになる。これにより、そのような揺動時に第1切換ピンに作用するカムからの押し付け荷重を利用して、リフト順序後行気筒がリフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのを防止することができる。
第6の発明によれば、第1ロッカーアームと第2ロッカーアームとの間に変位部材を配置したことで、第2ロッカーアームの壁部を利用して、リフト順序後行気筒がリフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのをより確実に防止することができる。
第7の発明では、リフト順序先行気筒の第1および第2ロッカーアームの何れのピン孔にも付勢手段が設けられていない。このため、リフト順序先行気筒およびリフト順序後行気筒の共通ベース円区間が到来した時に、リフト順序後行気筒に備えられたリターンスプリングの付勢力によって、これらの気筒のバルブの動作状態が同時に第1状態に戻るようにすることができる。
第8の発明によれば、第2動作状態時に第1ロッカーアームのピン孔に挿入される第1切換ピンとリフト順序先行気筒用の変位部材とが一体的に結合されているので、第2動作状態時に第1ロッカーアームと上記変位部材とが同期して揺動することになる。これにより、そのような揺動時に第1切換ピンに作用するカムからの押し付け荷重を利用して、リフト順序後行気筒がリフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのを防止することができる。また、第2ロッカーアームに設けられた開口部によって、第1ロッカーアームと連動して揺動する第1切換ピンと、静止状態にある第2ロッカーアームとの干渉を防ぐことができる。
第9の発明によれば、部材連結軸に設けられた上記突起部とロッカーシャフトに形成された上記係合溝とを利用して、リフト順序後行気筒がリフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのをより確実に防止することができる。
第10の発明によれば、C字状の上記リング部材と、これに対向する部位において変位部材に設けられた突起部とを利用して、リフト順序後行気筒がリフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのをより確実に防止することができる。
第11の発明では、リフト順序後行気筒の第1および第2ロッカーアームの何れのピン孔にも付勢手段が設けられていない。このため、リフト順序後行気筒がリフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのを防止することができる。また、第2動作状態時に第1ロッカーアームのピン孔に挿入される第1切換ピンとリフト順序後行気筒用の変位部材とが一体的に結合されているので、第2動作状態時に第1ロッカーアームと上記変位部材とが同期して揺動することになる。これにより、そのような揺動時に第1切換ピンに作用するカムからの押し付け荷重を利用して、リフト順序先行気筒がリフト順序後行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのを防止することができる。その結果、リフト順序先行気筒およびリフト順序後行気筒の共通ベース円区間が到来した時に、リフト順序先行気筒に備えられたリターンスプリングの付勢力によって、これらの気筒のバルブの動作状態が同時に第1状態に戻るようにすることができる。
第12の発明によれば、上記連動部材を備えているので、リフト順序後行気筒のカムがベース円区間にあっても、リフト順序先行気筒のカムがリフト期間中にあることで当該気筒の第1ロッカーアームが揺動中である場合には、連動部材によってリフト順序先行気筒の切換ピンが駆動されなくなる。このため、リフト順序後行気筒がリフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのを防止することができる。また、リフト順序先行気筒の第1および第2ロッカーアームの何れのピン孔にも付勢手段が設けられていない。このため、リフト順序先行気筒がリフト順序後行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのを防止することができる。その結果、リフト順序先行気筒およびリフト順序後行気筒の共通ベース円区間が到来した時に、リフト順序先行気筒に備えられたリターンスプリングの付勢力によって、これらの気筒のバルブの動作状態が同時に第1状態に戻るようにすることができる。
第13の発明によれば、第2動作状態から第1動作状態に移行する際に、第2気筒群側の気筒の第1ロッカーアームの揺動時に当該第1ロッカーアーム内の切換ピンとピン孔との間に生ずる摩擦力よりも小さくなるように、第1リターンスプリングのバネ力を設定しておくことで、リフト順序先行気筒が属する第2気筒群側の気筒のリフト区間中に後行側部材連結軸が先行して変位するのを防止することができる。そして、その後に第2気筒群に関する共通ベース円区間が到来した際に、先行側部材連結軸が先に変位するようになる。これにより、リフト順序後行気筒がリフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのを防止することができる。
第14の発明によれば、第2動作状態から第1動作状態に移行する際に、第2気筒群側の気筒の第1ロッカーアームの揺動時に当該第1ロッカーアーム内の切換ピンとピン孔との間に生ずる摩擦力よりも小さくなるように、第1リターンスプリングおよび第2リターンスプリングのそれぞれのバネ力の合計値を設定しておくことで、リフト順序先行気筒が属する第2気筒群側の気筒のリフト区間中に、後行側部材連結軸およびこれに連結された変位部材が先行して変位するのを防止することができる。そして、その後に第2気筒群に関する共通ベース円区間が到来した際に、後行側部材連結軸と離間する方向に移動することが規制されていない先行側部材連結軸が先に変位するようになる。これにより、リフト順序後行気筒がリフト順序先行気筒よりも先に、バルブの動作状態が第1状態に戻るのを防止することができる。
本発明の実施の形態1の内燃機関の可変動弁装置の全体構成を概略的に示す図である。 図1に示す可変動弁装置における#4気筒の周辺の構成を表した斜視図である。 #2気筒における第2ロッカーアームの側面を第3リンクアーム側から見た図である。 図1に示す可変動弁装置をカムシャフト12(およびロッカーシャフト)の軸方向(より具体的には、図2中の矢視Aの方向)から見た図である。 可変動弁装置における#4気筒の周辺の構成を示す部分断面図である。 図1に示すディレー機構の詳細な構成を説明するための斜視図である。 図1に示す可変動弁装置との対比のために参照する可変動弁装置の構成を示す図である。 本願発明との対比のために参照する上記図7に示す可変動弁装置が閉弁停止状態から弁稼動状態に復帰する際に抱える課題を説明するための図である。 図1に示す可変動弁装置の構成により得られる効果を説明するための図である。 本発明の実施の形態2の内燃機関の可変動弁装置の特徴的な構成を説明するための図である。 図10に示す可変動弁装置70が備えるロッカーシャフト72の斜視図である。 本発明の実施の形態3の内燃機関の可変動弁装置の特徴的な構成を説明するための図である。 図12に示す#2気筒の第3リンクアーム周りの構成を模式的に表した斜視図である。 本発明の実施の形態4の内燃機関の可変動弁装置の特徴的な構成を説明するための図である。 図14に示す可変動弁装置の動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態5の内燃機関の可変動弁装置の特徴的な構成を説明するための図である。 #1気筒における第2ロッカーアームの側面を第3リンクアーム側から見た図である。 本発明の実施の形態6の内燃機関の可変動弁装置の特徴的な構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態6の変形例における内燃機関の可変動弁装置の特徴的な構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態7の内燃機関の可変動弁装置の特徴的な構成を模式的に説明するための図である。 本発明の実施の形態7の可変動弁装置による弁停止動作および弁復帰動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態8の内燃機関の可変動弁装置の特徴的な構成を説明するための図である。
実施の形態1.
以下、図1乃至図9を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
[可変動弁装置の構成]
(可変動弁装置の基本構成)
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関の可変動弁装置10の全体構成を概略的に示す図である。より具体的には、図1は、ロッカーシャフト22の軸線と切換ピン36、38、44、49bの軸線とを含む平面で、可変動弁装置10の一部(ロッカーアーム18、20およびロッカーシャフト22)を切断して表した部分断面図である。ここでは、本実施形態の内燃機関は、4つの気筒(#1〜#4)を有し、#1→#3→#4→#2の順で爆発行程が行われる直列4気筒型エンジンであるものとする。また、内燃機関の個々の気筒には、2つの吸気バルブと2つの排気バルブとが備わっているものとする。そして、図1に示す構成は、各気筒に配設された2つの吸気バルブ、或いは2つの排気バルブを駆動する機構として機能するものとする。
本実施形態の可変動弁装置10は、カムシャフト12を備えている。カムシャフト12は、図示省略するクランクシャフトに対してタイミングチェーンまたはタイミングベルトによって連結され、クランクシャフトの1/2の速度で回転するように構成されている。カムシャフト12には、1気筒当たり1つの主カム14と1つの副カム16とが形成されている。
主カム14は、カムシャフト12と同軸の円弧状のベース円部14a(図4参照)と、当該ベース円の一部を半径方向外側に向かって膨らませるように形成されたノーズ部14b(図4参照)とを備えている。また、本実施形態では、副カム16は、ベース円部のみを有するカム(ゼロリフトカム)として構成されている。また、図1に示すように、内燃機関の各気筒には、第1ロッカーアーム18と第2ロッカーアーム20とが1つずつ隣接して備えられている。各気筒のロッカーアーム18、20は、1本のロッカーシャフト22によって回転(揺動)自在に支持されている。尚、カムシャフト12およびロッカーシャフト22は、カムキャリア(或いはシリンダヘッド)24によって支持されている。
図2は、図1に示す可変動弁装置10における#4気筒の周辺の構成を表した斜視図である。尚、#4気筒に関する可変動弁装置10の構成と#1〜#3気筒に関する可変動弁装置10の構成とは、後述するガイドレール54および電磁ソレノイド56の配置の有無、および、リンクアームが第1リンクアーム46、第2リンクアーム48、或いは第3リンクアーム49であるかの相違以外については、基本的に同一である。
図2に示すように、ロッカーアーム18、20は、主カム14の作用力をバルブ26に伝達する伝達部材として、カム14、16とバルブ26との間に介在している。第1ロッカーアーム18には、主カム14と接することができる位置に、カムローラ28が回転自在に取り付けられている。第1ロッカーアーム18は、ロッカーシャフト22に取り付けられたコイルスプリング(図示省略)によって、カムローラ28が主カム14と常に当接するように付勢されている。上記のように構成された第1ロッカーアーム18は、主カム14の作用力と上記コイルスプリングの付勢力との協働により、ロッカーシャフト22を支点として揺動するようになる。
図1、2に示すように、2つのバルブ26を駆動するための第2ロッカーアーム20は、両側から第1ロッカーアーム18を取り囲むようにして一体的に構成されている。また、第2ロッカーアーム20には、主カム14のベース円区間中において副カム16と接することができる位置に、パッド部20aが設けられている。また、バルブ26は、バルブスプリング30によって閉弁方向に付勢されている。以上のような構成によって、主カム14の作用力は、ロッカーアーム18、20を介して2つのバルブ26へ伝達できるようになっている。これにより、バルブ26は、カム14の作用力とバルブスプリング30の付勢力とを利用して開閉することができる。
(切換機構の構成)
図1に示すように、可変動弁装置10は、第1ロッカーアーム18と第2ロッカーアーム20とが連結した連結状態(後述する図5(A)参照)と、その連結が解除された非連結状態(後述する図5(B)参照)とを切り換えるための切換機構32を備えている。可変動弁装置10は、このような切換機構32を備えることによって、主カム14の作用力が第1ロッカーアーム18を介して第2ロッカーアーム20に伝達される状態(上記連結状態)と、当該作用力が第2ロッカーアーム20に伝達されない状態(上記非連結状態)とを切り換えて、バルブ26の開弁特性を弁稼動状態と閉弁停止状態との間で切り換えることができるようになっている。
以下、上記図1、2に加え、図3〜5を適宜新たに参照して、上記切換機構32の詳細な構成について説明する。
図1に示すように、カムローラ28の支軸として機能するブッシュ34の内部には、カムローラ28と同心の第1ピン孔34aが形成されており、第2ロッカーアーム20の内部には、第1ピン孔34aに対応する位置に、2つの第2ピン孔20bL、20bRが形成されている。これらのピン孔34a、20bL、20bRの中心は、ロッカーアーム18、20の回転中心であるロッカーシャフト22を中心とする同じ円弧状に配置されている。そして、カムローラ28が主カム14のベース円部14aと当接し、かつ、パッド部20aが副カム16のベース円部と当接している時に、第1ピン孔34aの位置と第2ピン孔20bL、20bRの位置とが一致するようになっている。
更に、#1、#3、および#4気筒において共通する構成について説明する。#1、#3、および#4気筒における第1ピン孔34aには、円柱状の第1切換ピン36が移動自在に挿入されている。また、一方(図1における左側)の第2ピン孔20bLには、第1切換ピン36と当接する円柱状の第2切換ピン38が移動自在に挿入されている。第2切換ピン38が挿入された第2ピン孔20bLでは、第1ロッカーアーム18と反対側の端部がキャップ40によって閉塞されている。そして、第2ピン孔20bLの内部には、第2切換ピン38を第1ロッカーアーム18の方向(以下、「切換ピンの進出方向」と称する)に向けて付勢するリターンスプリング42が配置されている。より具体的には、リターンスプリング42は、実装された状態において、第1ロッカーアーム18側に向けて第2切換ピン38を常時付勢するように設定されている。
また、他方(図1における右側)の第2ピン孔20bRには、第1切換ピン36と当接する円柱状の第3切換ピン44が移動自在に挿入されている。更に、#4気筒においては、第2ロッカーアーム20の側方に、第3切換ピン44と当接するアーム部46aを有する第1リンクアーム46が配置されている。第1リンクアーム46は、ロッカーシャフト22によって支持されている。一方、#1および#3気筒においては、第2ロッカーアーム20の側方に、第3切換ピン44と当接するアーム部48aを有する第2リンクアーム48が配置されている。第2リンクアーム48は、ロッカーシャフト22によって支持されている。
次に、#2気筒における他の気筒と異なる構成について説明する。#2においては、第2ロッカーアーム20の側方に、第3リンクアーム49が配置されている。第3リンクアーム49は、第1切換ピン49bが一体的に結合されたアーム部49aを備えている。第3リンクアーム49は、ロッカーシャフト22によって支持されている。
#2気筒における第1ピン孔34aには、上記第1切換ピン49bが移動自在に挿入されている。また、第2ピン孔20bLには、第1切換ピン49bと当接する円柱状の第2切換ピン38が移動自在に挿入されている。尚、#2気筒におけるキャップ40およびリターンスプリング42の構成は、他の気筒と同様である。
図3は、#2気筒における第2ロッカーアーム20の側面を第3リンクアーム49側から見た図である。
図3に示すように、#2気筒の第2ロッカーアーム20において第1ロッカーアーム18と第3リンクアーム49との間に位置する部位には、主カム14の作用力を受けて第1ロッカーアーム18と連動して第1切換ピン49bが揺動する際に、当該第1切換ピン49bとの干渉を避けるための開口部(貫通窓)20cが設けられている。
図4は、図1に示す可変動弁装置10をカムシャフト12(およびロッカーシャフト22)の軸方向(より具体的には、図2中の矢視Aの方向)から見た図である。
以上説明した第2リンクアーム48および第3リンクアーム49に対する第1リンクアーム46の相違点は、次の通りである。すなわち、図4に示すように、第1リンクアーム46のアーム部46aの先端には、カムシャフト12の周面に向けて突き出し可能な位置に突起部46bが設けられている。また、第1リンクアーム46におけるアーム部46aの反対側の端部には、後述する電磁ソレノイド56により押圧される押圧面46cが設けられている。
また、図1、4に示すように、ロッカーシャフト22は、中空状に形成されている。ロッカーシャフト22の内部には、リンクシャフト50が挿入されている。リンクシャフト50は、#4気筒に配置される第1リンクアーム46と、#1、#3気筒に配置される第2リンクアーム48と、#2気筒に配置される第3リンクアーム49とを、ロッカーシャフト22の軸方向に連動して変位可能とするために備えられたシャフトである。より具体的には、リンクシャフト50は、#4気筒に配置された第1リンクアーム46と#3気筒に配置された第2リンクアーム48とが取り付けられた第1リンクシャフト50aと、#2気筒に配置された第3リンクアーム49と#1気筒に配置された第2リンクアーム48とが取り付けられた第2リンクシャフト50bとに分割されている。そして、第1リンクシャフト50aと第2リンクシャフト50bとは、図6を参照して後述するディレー機構60を介して連結されている。
また、図1、4に示すように、リンクシャフト50およびそれが挿入されたロッカーシャフト22は、リンクアーム46、48の内部を貫通している。そして、各気筒のリンクアーム46、48、49は、圧入ピン52を用いて第1リンクシャフト50a或いは第2リンクシャフト50bと固定されている。尚、ロッカーシャフト22には、後述する電磁ソレノイド56の作動に伴って第1リンクアーム46が回転する際に、圧入ピン52と干渉して第1リンクアーム46の当該回転を妨げることがないように余裕を持った大きさで、貫通孔22aが形成されている。更に、貫通孔22aは、当該電磁ソレノイド56の作動に伴ってリンクシャフト50a、50bがその軸方向に移動する際に、圧入ピン52と干渉してリンクシャフト50a、50bの当該移動を妨げることがないように長穴状に形成されている。
また、図1、2、4に示すように、カムシャフト12において、第1リンクアーム46に設けられた突起部46bと対向する部位には、円柱状に形成された円柱部12aが形成されている。円柱部12aの外周面には、周方向に延びる螺旋状のガイドレール54が形成されている。ここでは、ガイドレール54は、螺旋状の溝として形成されている。
また、切換機構32は、突起部46bをガイドレール54に係合(挿入)させるための駆動力を発するアクチュエータとして、電磁ソレノイド56を備えている。電磁ソレノイド56は、ECU(Electronic Control Unit)58からの指令に基づいてデューティ制御されるようになっている。ECU58は、内燃機関の運転状態を制御するための電子制御ユニットである。電磁ソレノイド56は、その駆動軸56aが第1リンクアーム46の押圧面46cをガイドレール54に向けて押圧可能な位置において、カムキャリア(或いはシリンダヘッド)24に固定されているものとする。
また、ガイドレール54における螺旋の向きは、その内部に突起部46bが挿入された状態でカムシャフト12が図4に示す所定の回転方向に回転する場合に、第1リンクアーム46、当該第1リンクアーム46に連動するリンクシャフト50、並びに、当該リンクシャフト50により駆動される第2リンクアーム48および第3リンクアーム49を、図1における左方向に変位させられるように設定されている。より具体的には、この図1における左方向とは、リンクアーム46、48、49のそれぞれがリターンスプリング42の付勢力に抗しながら切換ピン36、38、44(#2気筒では切換ピン49b、38)をその退出方向(上記切換ピンの進出方向の逆方向)に押し退けて、リンクアーム46、48、49が同じ気筒のロッカーアーム18、20に近づくようになる方向である。
図5は、可変動弁装置10における#4気筒の周辺の構成を示す部分断面図である。より具体的には、図5(A)は、連結状態にある可変動弁装置10を示し、図5(B)は、非連結状態にある可変動弁装置10を示している。
図5(A)における第1リンクアーム46の位置、すなわち、リターンスプリング42の付勢力によって第1切換ピン36がピン孔34a、20bRの双方に挿入され、かつ第2切換ピン38がピン孔34a、20bLの双方に挿入された状態となっている時の第1リンクアーム46の位置を、「変位端Pmax1」と称する。この変位端Pmax1に第1リンクアーム46が位置している時には、第1ロッカーアーム18と第2ロッカーアーム20とが上記連結状態となる。そして、図5(B)における第1リンクアーム46の位置、すなわち、切換ピン36、38、44がリンクアーム46、48からカムシャフト12の回転力を利用した力を受けることによって、切換ピン36、38、44がそれぞれ第1ピン孔34aおよび第2ピン孔20bL、20bRのみに挿入された状態となっている時の第1リンクアーム46の位置を、「変位端Pmax2」と称する。すなわち、この変位端Pmax2に第1リンクアーム46が位置している時には、第1ロッカーアーム18と第2ロッカーアーム20とが上記非連結状態となる。
本実施形態では、カムシャフト12の軸方向におけるガイドレール54の始端54aの位置は、第1リンクアーム46が上記変位端Pmax1に位置する時の突起部46bの位置と一致するように設定されている。そして、カムシャフト12の軸方向におけるガイドレール54の終端54bの位置は、第1リンクアーム46が上記変位端Pmax2に位置する時の突起部46bの位置と一致するように設定されている。つまり、本実施形態では、ガイドレール54によって突起部46bが案内される範囲内で、第1リンクアーム46が変位端Pmax1からPmax2の間で変位可能となるように構成されている。
更に、ガイドレール54には、図4に示すように、第1リンクアーム46が変位端Pmax2に達した後における終端54b側の所定区間として、カムシャフト12の回転に伴ってガイドレール54が徐々に浅くなる浅底部54cが設けられている。また、第1リンクアーム46には、押圧面46cの一部を切り欠いて凹状に形成された切欠部46dが設けられている。押圧面46cは、第1リンクアーム46が変位端Pmax1からPmax2に変位する間、駆動軸56aと当接した状態が維持されるように設けられている。そして、切欠部46dは、第1リンクアーム46が上記変位端Pmax2に位置している状態において、上記浅底部54cの作用によって突起部46bが円柱部12aの表面に取り出された時に、駆動軸56aと係合可能な部位に設けられている。そして、上記切欠部46dは、突起部46bがガイドレール54に挿入される方向に第1リンクアーム46が回転するのを規制可能であって、第1リンクアーム46が変位端Pmax1に向けて移動するのを規制可能な態様で、駆動軸56aと係合するように形成されている。
以上説明したように、切換ピン36、38、44、49b、リターンスプリング42、第1リンクアーム46、第2リンクアーム48、第3リンクアーム49、リンクシャフト50(50a、50b)、圧入ピン52、ガイドレール54、および、ECU58により通電が制御される電磁ソレノイド56によって、上記切換機構32が構成されている。
(ディレー機構の構成)
図6は、図1に示すディレー機構60の詳細な構成を説明するための斜視図である。尚、図6では、カムシャフト12、ロッカーアーム18、20、およびロッカーシャフト22の図示が省略されている。
図1、6に示すように、ディレー機構60は、#2気筒と#3気筒との間において、リンクシャフト50の途中に介在している。言い換えれば、配置場所が隣接する複数の気筒(#1および#2気筒)からなる第1気筒群と、配置場所が隣接する複数の気筒(#3および#4気筒)からなる第2気筒群とを有し、第1気筒群に所属する#1および#2気筒に関して主カム14の共通ベース円区間が存在し、かつ第2気筒群に所属する#3および#4気筒に関して主カム14の共通ベース円区間が存在するように爆発順序が設定された本実施形態の内燃機関において、ディレー機構60は、第1気筒群と第2気筒群との間において、リンクシャフト50の途中に介在している。
ディレー機構60は、図1に示すように、ロッカーシャフト22内に配置されている。より具体的には、ディレー機構60は、第2リンクシャフト50bに当接する当接部62aを一端に有するディレー機構内リンクシャフト(以下、「第3リンクシャフト」と称する)62を備えている。また、第3リンクシャフト62の他端側の部位は、中空状に形成された第1リンクシャフト50aの内部に挿入されている。
また、ディレー機構60は、第3リンクシャフト62の当接部62aと、第1リンクシャフト50aにおけるディレー機構60側の端部との間でバネ長さが規定されるディレー機構スプリング64を備えている。更に、第1リンクシャフト50aにおいて第3リンクシャフト62の挿入を受ける部位には、長穴66が形成されている。この長穴66には、第3リンクシャフト62に圧入されたストローク制限ピン68が係合しており、第3リンクシャフト62は、ストローク制限ピン68が長穴66によって規制される範囲内で軸方向に移動可能になっている。
本実施形態では、全気筒のロッカーアーム18、20を連結状態から非連結状態に一括して切り換える際にディレー機構60を円滑に作動させられるようにするために、ディレー機構スプリング64のバネ荷重が、#1および#2気筒に配置されるリターンスプリング42のバネ荷重の合計値よりも大きく、かつ、何れかの気筒における第1ロッカーアーム18の揺動時(バルブ26のリフト時)に切換ピン36(#2気筒では49b)、38とピン孔34a、20bL、20bRとの間に生ずる摩擦力(摺動抵抗)よりも小さくなるように設定されている。
[可変動弁装置の動作]
次に、図5を主に参照して、本実施形態の可変動弁装置10の動作(弁稼動状態と閉弁停止状態との間でのバルブ26の開弁特性の切り換え動作、およびディレー機構60の動作)について説明する。
(弁稼動状態時)
先ず、弁稼働状態時には、電磁ソレノイド56の駆動がOFFとされており、これにより、第1リンクアーム46は、カムシャフト12から離れた状態で、リターンスプリング42の付勢力を受けて、変位端Pmax1に位置している。この状態では、図5(A)に示すように、第1ロッカーアーム18と第2ロッカーアーム20とが切換ピン36、38(#2気筒では、切換ピン49b、38)を介して連結されている(上記連結状態)。その結果、主カム14の作用力が第1ロッカーアーム18から第2ロッカーアーム20を介して双方のバルブ26に伝達されるようになる。このため、主カム14のプロフィールに従って、通常のバルブ26のリフト動作が行われるようになる。
(弁停止制御時)
弁停止動作は、例えば、内燃機関のフューエルカット要求等の所定の弁停止動作の実行要求がECU58によって検知された際に行われる。爆発順序が#1→#3→#4→#2の順となる本実施形態の内燃機関では、#3および#4気筒に関して主カム14の共通ベース円区間(バルブ26がリフトしていない区間)が存在する。弁停止動作の要求が出された場合には、上記共通ベース円区間が到来するタイミングで、電磁ソレノイド56への通電が開始される。その結果、図4における時計回りに第1リンクアーム46がロッカーシャフト22を中心として回転する。このように第1リンクアーム46が回転すると、突起部46bがガイドレール54と係合する。その結果、突起部46bがガイドレール54によって案内されることでカムシャフト12の回転力を利用して、第1リンクアーム46が変位端Pmax2に向けて移動するようになる。そして、ガイドレール54からの第1リンクアーム46の駆動力が圧入ピン52および第1リンクシャフト50aを介して#3気筒の第2リンクアーム48に伝達されることで、第1リンクアーム46に連結された第1リンクシャフト50aおよび第1リンクシャフト50aに連結された#3気筒の第2リンクアーム48が、第1リンクアーム46に連動して変位するようになる。
第1リンクアーム46が変位端Pmax2に達した後の動作は、#3および#4気筒と#1および#2気筒との間で相違する。先ず、#3および#4気筒に関しては、第1リンクシャフト50aの変位に伴って切換ピン36、38がそれぞれピン孔34a、20bL内に戻されるので、第1ロッカーアーム18と第2ロッカーアーム20とが直ちに非連結状態となる。その結果、主カム14の作用力が第1ロッカーアーム18から第2ロッカーアーム20に伝達されなくなる。また、第2ロッカーアーム20が当接する副カム16はゼロリフトカムである。このため、主カム14の作用力が伝達されなくなった第2ロッカーアーム20には、バルブ26を駆動するための力が与えられなくなる。その結果、主カム14の回転に関係なく、第2ロッカーアーム20が静止状態となるので、バルブ26のリフト動作が閉弁位置で停止した状態となる。
上記のように、#3および#4気筒に関する共通ベース円区間で第1リンクアーム46を変位させた場合には、#3および#4気筒を担う第1リンクシャフト50aは変位可能になる。一方、上記共通ベース円区間では、#1または#2気筒の少なくとも一方の第1ロッカーアーム18が主カム14によって揺動動作させられている。このため、#1および#2気筒のうちの第1ロッカーアーム18が揺動動作中である気筒では、主カム14により駆動される第1ロッカーアーム18とバルブスプリング30からの付勢力を受ける第2ロッカーアーム20の両者によるせん断力が切換ピン36(#2気筒では49b)、38に作用する。その結果、切換ピン36(49b)、38とピン孔34a、20bL、20bRとの間に生ずる摩擦力(摺動抵抗)が第1ロッカーアーム18の非揺動動作時に比して大きくなる。ディレー機構スプリング64のバネ荷重は、既述したように、ロッカーアーム18、20の揺動時(バルブ26のリフト時)に切換ピン36(49b)、38とピン孔34a、20bL、20bRとの間に生ずる摩擦力(摺動抵抗)よりも小さくなるように設定されている。従って、上記のように第1リンクアーム46の変位に伴って第1リンクシャフト50aが変位する際には、第2リンクシャフト50bは、未だ第1リンクシャフト50aの変位に連動して変位せずにディレー機構スプリング64が縮んだ状態となる。
ディレー機構60が上記示す状態におかれている場合において、#1気筒の第1ロッカーアーム18の揺動動作(バルブ26のリフト動作)が終了すると、#1および#2気筒に関する主カム14の共通ベース円区間が到来する。この共通ベース円区間が到来した状態では、#1または#2気筒において切換ピン36(49b)、38とピン孔34a、20bL、20bRとの間に生ずる摩擦力が小さくなる。また、ディレー機構スプリング64のバネ荷重は、既述したように、#1および#2気筒に配置されるリターンスプリング42のバネ荷重の合計値よりも大きくなるように設定されている。従って、この共通ベース円区間到来時に、#1および#2気筒を担う第2リンクシャフト50bの変位がディレー機構60によって遅れさせられたうえで行われるようになる。その結果、第2リンクシャフト50bの変位に伴う#1気筒の第2リンクアーム48および#2気筒の第3リンクアーム49の変位に伴って、切換ピン36(49b)、38がそれぞれピン孔34a、20bL内に戻されるので、第1ロッカーアーム18と第2ロッカーアーム20とが直ちに非連結状態となる。その結果、#1および#2気筒に関しても、主カム14の回転に関係なく、第2ロッカーアーム20が静止した状態となるので、バルブ26の動作状態が閉弁停止状態となる。
(閉弁停止状態を保持するための動作)
また、第1リンクアーム46が変位端Pmax2に達すると、ガイドレール54の浅底部54cの作用によって、第1リンクアーム46がカムシャフト12(ガイドレール54)から離れる方向に回転させられるようになる。そして、電磁ソレノイド56によって駆動され続けている駆動軸56aが切欠部46dに一致するようになるまで第1リンクアーム46が更に回転すると、駆動軸56aと当接する第1リンクアーム46側の部位が押圧面46cから切欠部46dへと切り替わる。その結果、駆動軸56aが切欠部46dと係合することで、第1リンクアーム46は、突起部46bがカムシャフト12から離れた状態で、かつ、駆動軸56aによってリターンスプリング42の付勢力を受け止めている状態で保持されるようになる。これにより、第1ロッカーアーム18と第2ロッカーアーム20とが非連結とされた状態、すなわち、閉弁停止状態が維持されるようになる。
(弁復帰動作時)
閉弁停止状態から弁稼動状態に戻すための弁復帰動作は、例えば、フューエルカットからの復帰要求等の所定の弁復帰動作の実行要求がECU58によって検知された際に行われる。このような弁復帰動作は、例えば後述の図8を参照して示すような所定のタイミングで電磁ソレノイド56への通電をOFFとすることで開始される。電磁ソレノイド56への通電がOFFとされると、第1リンクアーム46の切欠部46dと駆動軸56aとの係合が解かれることになる。その結果、リターンスプリング42の付勢力に抗して切換ピン36(49b)、38をピン孔34a、20bL内に留めておく力が消滅することになる。これにより、リターンスプリング42の付勢力によって切換ピン36(49b)、38がその進出方向に移動し、第1ロッカーアーム18と第2ロッカーアーム20とが切換ピン36(49b)、38を介して連結された状態、すなわち、主カム14の作用力によってバルブ26のリフト動作が可能な状態に復帰することになる。また、リターンスプリング42の付勢力によって切換ピン36(49b)、38がその進出方向に移動するのに伴って、切換ピン44を介して、第1リンクアーム46(並びにそれに連動するリンクシャフト50およびリンクアーム48、49)が変位端Pmax2から変位端Pmax1に戻されるようになる。
(まとめ)
以上のように構成された本実施形態の可変動弁装置10によれば、電磁ソレノイド56への通電のON、OFFとカムシャフト12の回転力とリターンスプリング42の付勢力とを利用して、第1リンクアーム46の軸方向位置を変位端Pmax1からPmax2の間で移動させることで、第1リンクアーム46が搭載された#4気筒において弁稼動状態と閉弁停止状態との間でバルブ26の動作状態を切り換えることが可能となり、また、第1リンクアーム46と連動する第1リンクシャフト50aおよび第2リンクアーム48を介して、#3気筒においても弁稼働状態と閉弁停止状態との間でバルブ26の動作状態を切り換えることが可能となる。更に、可変動弁装置10は、第1および第2気筒に対する共通ベース円区間が到来するまで第2リンクシャフト50bの変位を遅延させるディレー機構60を備えている。このため、電磁ソレノイド56の作動時に少なくとも一方においてバルブ26がリフト中となる#1および#2気筒に関しても、上記共通ベース円区間の到来時に、#3および#4気筒に対して遅れを伴って弁稼働状態から閉弁停止状態にバルブ26の動作状態を切り換えることが可能となる。
全気筒で主カム14の共通ベース円区間を有しない直列4気筒型の内燃機関において、上記ディレー機構60を備えることなく、リンクシャフト50等の剛体部材による力の伝達を利用して全気筒で一括してバルブ26の動作状態を切り換えようとすると、バルブ26がリフト中にある気筒においてもバルブ26の動作状態の切り換えを要求することになる。このため、当該気筒では、バルブ26の開弁特性がリフト中に切り換えられてしまうこととなる。また、上述したように、バルブ26がリフト中の気筒では切換ピン36(49b)、38とピン孔34a、20bL、20bRとの間に生ずる摩擦力が大きくなっているので、当該気筒のバルブ26の動作状態の切り換えに要する駆動力が増え、本可変動弁装置10の場合には、ガイドレール54と突起部46bとの接触荷重が増加してしまう。このように、上記ディレー機構60を備えることなく剛体部材を用いて全気筒で一括してバルブ26の動作状態を切り換えようとすると、各気筒のバルブ26の開弁特性を円滑に切り換えることが困難となる。これに対し、ディレー機構60を備える本実施形態の可変動弁装置10によれば、全気筒で主カム14の共通ベース円区間を有しない直列4気筒型の内燃機関において、単一の電磁ソレノイド56の作動に基づき、剛体部材であるリンクシャフト50等を用いて全気筒に配置されたバルブ26の動作状態を一括して円滑に切り換えることが可能となる。
また、本実施形態のディレー機構60は、既述したように、#2気筒と#3気筒との間において、リンクシャフト50の途中に介在している。本実施形態の内燃機関では、上述したように、2つの気筒(#3および#4気筒、もしくは#1および#2気筒)に関する主カム14の共通ベース円区間が存在するとともに、3つの気筒(例えば、#2、#3、#4気筒)に関する主カム14の共通ベース円区間が存在する。従って、図1に示す可変動弁装置10の構成において、#1気筒と#2気筒との間、もしくは#3気筒と#4気筒との間に、ディレー機構60と同様のディレー機構を備えることも可能である。しかしながら、上記3つの気筒に関する主カム14の共通ベース円区間は、上記2つの気筒に関する主カム14の共通ベース円区間に対して短くなる。主カム14の共通ベース円区間が短いと、短期間で第1リンクアーム46を変位させる必要が生ずる。その結果、ガイドレール54の螺旋状の溝の傾斜角度を急にする必要が生じ、ガイドレール54と突起部46bとの接触荷重が増加し、両者の摩耗が懸念される。従って、本実施形態のように、#2気筒と#3気筒との間にディレー機構60を配置することで、主カム14の共通ベース円区間を長くとることが可能となり、ガイドレール54と突起部46bとの接触荷重の増加を防止することができる。
また、本実施形態のリンクシャフト50(第1リンクシャフト50aと第2リンクシャフト50b)およびこれらのリンクシャフト50a、50bの間に介在するディレー機構60は、既述したように、ロッカーシャフト22内に配置されている。このような構成によれば、新たなスペースを必要とすることなく、リンクシャフト50およびディレー機構60を備えることができる。
[弁復帰時の課題]
図7は、図1に示す可変動弁装置10との対比のために参照する可変動弁装置の構成を示す図である。尚、この図7に示す可変動弁装置における本実施形態の可変動弁装置10との相違点は、#2気筒におけるリンクアームが#1気筒における第2リンクアームと同様に構成されている点にある。すなわち、図7に示す構成では、#2気筒におけるリンクアーム(第2リンクアーム)は、切換ピンと一体的に結合されていない。
図7は、弁復帰のために電磁ソレノイドへの通電がOFFとされた直後に#1気筒の主カムのベース円区間が到来した際の動作を示している。図7に示す構成では、各気筒における第2リンクアーム(#4気筒における第1リンクアームも同様)と切換ピンとは、単に当接しあっているだけである。このため、弁復帰時に電磁ソレノイドへの通電がOFFとされると、第1および第2リンクアームの位置を各気筒のリターンスプリングの付勢力に抗しながら閉弁停止時の位置に保持する力が消滅する。
その結果、図7に示す例のように、電磁ソレノイドへの通電がOFFとされた直後に#1気筒の主カムのベース円区間が到来すると、#1気筒のリターンスプリングによって#1気筒の第2リンクアームが切換ピンを介して押されるようになる。それに伴い、図7に示すように、リンクシャフトおよびこれに固定された#1および#2気筒の第2リンクアームが図7中の右方向(切換ピンの進出方向)に移動し、#1気筒の第1および第2ロッカーアームが連結状態に切り換わるとともに、リンクシャフトが弁稼動時の位置に変位してしまう。その結果、図7における#2気筒のように、主カムがベース円区間にない気筒(カムリフト中の気筒)では、リンクシャフトとともに移動した第2リンクアーム(#4気筒の第1リンクアームも同様)と切換ピンとの間に隙間が生じた状態となる。そして、その後、主カムのベース円区間が到来した気筒から順次、第1および第2ロッカーアームが連結状態に切り替わっていく(すなわち、弁稼動状態に復帰していく)ことになる。
図8は、本願発明との対比のために参照する上記図7に示す可変動弁装置が閉弁停止状態から弁稼動状態に復帰する際に抱える課題を説明するための図である。より具体的には、図8(A)は各気筒の主カムのリフトカーブを示し、図8(B)は#3および#4気筒のバルブリフトカーブを示し、図8(C)は#1および#2気筒のバルブリフトカーブを示している。
弁復帰動作は、既述したように、主カムのベース円区間が到来した気筒において、リターンスプリングの付勢力により切換ピンがその進出方向に動作することで、第1および第2ロッカーアームが連結状態に戻ることで完了する。内燃機関の高速回転時においても当該弁復帰動作を円滑に行えるようにするためには、弁復帰動作に要する応答時間を長く確保したい。しかしながら、上記図7に示す可変動弁装置の構成の場合には、上述したように、弁復帰のために電磁ソレノイドへの通電をOFFとした際に、主カムのベース円区間が到来している気筒から弁復帰動作が順次開始されることになる。
図8に示す例は、#4気筒の主カムのリフト終了時に弁復帰開始指令(電磁ソレノイドへの通電OFF指令)が出された例を示している。この場合には、弁復帰開始指令の発令時に主カムのベース円区間が到来している#1、#3、#4気筒にて弁復帰動作が開始されることになる。そうすると、#3および#4気筒については、カム角で180°程度の比較的長い期間が弁復帰動作可能な区間として確保されるが、#1気筒については、カム角で90°以下という短い期間しか確保されなくなる。その結果、高速回転時には、リターンスプリングの応答性不足等の理由で、中途半端な切換ピンの動作が行われてしまい、切換ピンの破損等の問題が生ずるおそれがある。
図9は、図1に示す可変動弁装置10の構成により得られる効果を説明するための図である。
上記の課題を解消すべく、本実施形態では、既述したように、#2気筒においては、第1ロッカーアーム18の第1ピン孔34aに挿入される第1切換ピン49bを第3リンクアーム49と一体的に結合するようにした。このような構成によれば、図9に示すように、#2気筒における第1ロッカーアーム18が主カム14の作用力を受けて揺動動作を行う際に、第1切換ピン49bを介して第3リンクアーム49が同期してロッカーシャフト22を中心として揺動することになる。その結果、第1ロッカーアーム18の揺動時には、主カム14の作用力が第1ピン孔34aを介して第1切換ピン49bに押し付け荷重として作用することになる。これにより、弁復帰のために電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた直後に#1気筒のベース円区間が到来した場合であっても、#2気筒の主カム14のリフト期間中であれば、図9に示すように、#1気筒のリターンスプリング42の付勢力によって第2リンクシャフト50b(および#1気筒の第2リンクアーム48および#2気筒の第3リンクアーム49)が弁稼動位置に移動することが規制される。
以上説明した構成を有する本実施形態の可変動弁装置10によれば、弁復帰のために電磁ソレノイド56の駆動が解除された際に、#1気筒に対してリフト順序が先となる#2気筒(リフト順序先行気筒)の主カム14がリフト期間中である場合に、ロッカーアーム18、20を非連結状態から連結状態に戻す際の変位方向(言い換えれば、バルブ26の動作状態を閉弁停止状態から弁稼動状態に戻す際の変位方向)に第2リンクシャフト50b(および#1気筒の第2リンクアーム48および#2気筒の第3リンクアーム49)が変位するのを規制することができる。
これにより、例えば図8に示す例においては、#1気筒においてカム角で90°以下という短い期間中に弁復帰動作が開始されてしまうのを防ぐことができる。このため、複数気筒(本実施形態では全気筒)のバルブ26の開弁特性を単一のアクチュエータ(電磁ソレノイド56)で一括して切り換える構成を有する可変動弁装置10において、閉弁停止状態から弁稼動状態に円滑に復帰するための応答時間を良好に確保できるようになる。
また、第2ロッカーアーム20には、上記開口部20cが設けられているので、閉弁停止時に第2ロッカーアーム20が静止している場合であっても、第1切換ピン49bが第3リンクアーム49と第1ロッカーアーム18との間に介在する第2ロッカーアーム20と干渉することはない。
尚、上述した実施の形態1においては、主カム14が前記第1の発明における「カム」に、第1ロッカーアーム18および第2ロッカーアーム20が前記第1の発明における「伝達部材」に、バルブ26の弁稼動状態が前記第1の発明における「第1動作状態」に、バルブ26の閉弁停止状態が前記第1の発明における「第2動作状態」に、電磁ソレノイド56が前記第1の発明における「アクチュエータ」に、切換ピン36、38、44、49b、リンクアーム46、48、49、およびリンクシャフト50(50a、50b)が前記第1の発明における「剛体部材」に、リターンスプリング42が前記第1の発明における「付勢手段」に、#2気筒が前記第1の発明における「リフト順序先行気筒」に、それぞれ相当している。また、#2気筒において第1ロッカーアーム18の第1ピン孔34aに挿入される第1切換ピン49bが第3リンクアーム49と一体的に結合された構成により前記第1の発明における「規制機構」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、リンクシャフト50(50a、50b)が前記第2の発明における「部材連結軸」に、リンクアーム46、48、49が前記第2の発明における「変位部材」に、それぞれ相当している。
また、上述した実施の形態1においては、切換ピン36、38、44、49bが前記第8の発明における「切換ピン」に、#1気筒が前記第8の発明における「リフト順序後行気筒」に、切換ピン49bが前記第8の発明における「第1切換ピン」に、開口部20cが前記第8の発明における「開口部」に、それぞれ相当している。
実施の形態2.
次に、図10および図11を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態の可変動弁装置70は、後述する図10および図11に示す構成が追加されている点を除き、上述した実施の形態1の可変動弁装置10と同様に構成されているものとする。
図10は、本発明の実施の形態2の内燃機関の可変動弁装置70の特徴的な構成を説明するための図である。尚、図10において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。図11は、図10に示す可変動弁装置70が備えるロッカーシャフト72の斜視図である。
本実施形態のリンクシャフト74が備える#1および#2気筒用の第2リンクシャフト74bにおける#1気筒側の端部には、図10に示すように、第2リンクシャフト74bの径方向に突出するようにしてキー76が取り付けられている。一方、第2リンクシャフト74bを収納するロッカーシャフト72には、図11に示すように、キー76と対応する部位に、当該キー76と係脱可能に形成された係合溝72bが形成されている。
より具体的には、キー76は、第2リンクシャフト74bが弁稼動状態時の位置にある時にはロッカーシャフト72内に挿入され、第2リンクシャフト74bが閉弁停止状態時の位置にある時には図10に示すようにロッカーシャフト72の外に出るように、第2リンクシャフト74b上におけるキー76の位置が設定されている。つまり、キー76と係合溝72bとは、閉弁停止状態時には両者がロッカーシャフト72の軸方向において離れた位置にある。
第3リンクアーム49と第2リンクシャフト74bとは、既述したように、圧入ピン52を用いて一体的に結合されている。従って、第1切換ピン49bが第1ピン孔34a内に挿入されている第3リンクアーム49が第1ロッカーアーム18と同期して揺動する際には、第3リンクアーム49と同期して第2リンクシャフト74bが揺動することになる。キー76と係合溝72bとは、#2気筒の主カム14がベース円区間にある時に、キー76の回転位置が係合溝72bの位置と合致するように構成されている。
以上説明した構成を有する本実施形態の可変動弁装置70によれば、#2気筒の主カム14がリフト期間中である場合には、キー76の回転位置と係合溝72bの位置とが合致しなくなる。これにより、弁復帰のために電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた直後に#1気筒のベース円区間が到来している場合であっても、#2気筒の主カム14がリフト期間中である場合には、#1気筒のリターンスプリング42の付勢力によって第2リンクシャフト74bが移動するのを規制するストッパーとしてキー76が機能するようになる。尚、上記可変動弁装置70によれば、#2気筒の主カム14がリフト期間中でない時に、#1気筒または#2気筒のリターンスプリング42の付勢力で第2リンクシャフト74bの移動が可能となる。
本実施形態の可変動弁装置70は、上述した実施の形態1の可変動弁装置10と比較して、上記押し付け荷重の利用だけでなく上記ストッパー機能をも備えている。このため、#2気筒よりも先に#1気筒が弁復帰しないように第2リンクシャフト74bの変位をより確実に規制することが可能となる。
尚、上述した実施の形態2においては、キー76が前記第9の発明における「突起部」に、係合溝72bが前記第9の発明における「係合溝」に、それぞれ相当している。
実施の形態3.
次に、図12および図13を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態の可変動弁装置80は、後述する図12および図13に示す構成が追加されている点を除き、上述した実施の形態1の可変動弁装置10と同様に構成されているものとする。
図12は、本発明の実施の形態3の内燃機関の可変動弁装置80の特徴的な構成を説明するための図である。尚、図12において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。図13は、図12に示す#2気筒の第3リンクアーム82周りの構成を模式的に表した斜視図である。
図12、13に示すように、本実施形態のロッカーシャフト22には、#2気筒の第3リンクアーム82に近接した位置に、一部が切欠かれたC字状のリング部材としてCリング84が取り付けられている。より具体的には、Cリング84は、第3リンクアーム82に対して図12における右側の部位(すなわち、バルブ26を閉弁停止状態から弁稼動状態に切り換える際の第2リンクシャフト50bの進行方向側の部位)において、ロッカーシャフト22に固定されている。また、第3リンクアーム82には、第1切換ピン82bが一体的に結合されている。
一方、第3リンクアーム82のアーム部82aにおけるCリング84との対向面には、Cリング84側に突出するように突起部86が設けられている。突起部86とCリング84の切欠部84aとは、#2気筒の第3リンクアーム82が第1ロッカーアーム18と同期して揺動している期間中には両者の位置が合致せず、#2気筒の主カム14がベース円区間にある時に両者の位置が合致するように構成されている。
以上説明した構成を有する本実施形態の可変動弁装置80によれば、#2気筒の主カム14がリフト期間中である場合には、突起部86の揺動位置とCリング84の位置とが合致しなくなる。これにより、弁復帰のために電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた直後に#1気筒のベース円区間が到来した場合であっても、#2気筒の主カム14がリフト期間中である場合には、#1気筒のリターンスプリング42の付勢力によって#1気筒の第2リンクシャフト50bが移動するのを規制するストッパーとしてCリング84および突起部86が機能するようになる。尚、上記可変動弁装置80によれば、#2気筒の主カム14がリフト期間中でない時に、#1気筒または#2気筒のリターンスプリング42の付勢力で第2リンクシャフト74bの移動が可能となる。
本実施形態の可変動弁装置80は、上述した実施の形態1の可変動弁装置10と比較して、上記押し付け荷重の利用だけでなく上記ストッパー機能をも備えている。このため、#2気筒よりも先に#1気筒が弁復帰しないように第2リンクシャフト50bの変位をより確実に規制することが可能となる。
尚、上述した実施の形態3においては、Cリング84が前記第10の発明における「リング部材」に、突起部86が前記第10の発明における「突起部」に、それぞれ相当している。
実施の形態4.
次に、図14および図15を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施形態の可変動弁装置90は、後述する図14に示す構成が追加されている点を除き、上述した実施の形態1の可変動弁装置10と同様に構成されているものとする。
図14は、本発明の実施の形態4の内燃機関の可変動弁装置90の特徴的な構成を説明するための図である。尚、図14において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図14に示す構成は、#2気筒の構成に特徴を有している。具体的には、#2気筒における第2ロッカーアーム92の形状は、他の気筒の第2ロッカーアーム20の形状と異なっている。そして、#2気筒の第3リンクアーム94は、第2ロッカーアーム92の内側において第1ロッカーアーム18に隣接する位置に設けられている。言い換えれば、第2ロッカーアーム92は、両側から第1ロッカーアーム18および第3リンクアーム94を取り囲むようにして一体的に構成されている。
本実施形態においても、第3リンクアーム94は、第1切換ピン94bが一体的に結合されたアーム部94aを備えている。また、#2気筒の第2ロッカーアーム92における第3リンクアーム94側の部位には、#2気筒の主カム14がベース円区間にある時に第1切換ピン94bが係脱可能となる位置に、第2ピン孔92bRが形成されている。
第3リンクアーム94に結合された第1切換ピン94bは、バルブ26が弁稼動状態(ロッカーアーム18、92が連結状態)にある時には、第1ロッカーアーム18の第1ピン孔34aおよび第2ロッカーアーム92の第2ピン孔92bRの双方に跨って挿入された状態となり、一方、バルブ26が閉弁停止状態(ロッカーアーム18、92が非連結状態)にある時には、第1ロッカーアーム18の第1ピン孔34aにのみ挿入された状態となるように構成されている。
更に、図14に示す構成は、#2気筒については、他の気筒とは異なり、第2ロッカーアーム92内にリターンスプリング42のような付勢手段が備えられていない点をも特徴としている。
図15は、図14に示す可変動弁装置90の動作を説明するための図である。尚、図15は、上記図8と同様に、#4気筒の主カム14のリフト終了時に弁復帰開始指令(電磁ソレノイドへの通電OFF指令)が出された例を示している。
以上説明した構成を有する可変動弁装置90においても、第1ロッカーアーム18内の第1ピン孔34aに挿入される第1切換ピン94bと第3リンクアーム94とが一体的に結合されている。このため、図15(C)に示すように、弁復帰開始の指令直後の#2気筒の主カム14のリフト期間中に、主カム14からの押し付け荷重を利用して第2リンクシャフト50bの変位を規制することができ、リフト順序が先行する#2気筒よりも先にリフト順序が後の#1気筒が弁稼動状態に復帰するのを防止することができる。
また、上述したように、第1切換ピン94bが一体的に結合された#2気筒の第3リンクアーム94は、第2ロッカーアーム92の内側に配置されている。これにより、バルブ26が閉弁停止状態にある時に、#2気筒の第1ロッカーアーム18が揺動動作をしている場合には、静止状態にある第2ロッカーアーム92の第2ピン孔92bRの位置と第1切換ピン94bの位置とがずれた状態となる。その結果、弁復帰のために電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた直後に#1気筒のベース円区間が到来している場合であっても、#2気筒の主カム14がリフト期間中である場合には、#1気筒のリターンスプリング42の付勢力によって第2リンクシャフト50bが移動するのを規制するストッパーとして、第2ロッカーアーム92における第1切換ピン94bと対向する壁部94c(図14参照)が機能するようになる。このため、上記押し付け荷重の利用に加え、このようなストッパー機能により、リフト順序が先行する#2気筒よりも先にリフト順序が後の#1気筒が弁稼動状態に復帰するのをより確実に防止することができる。
また、上述したように、#2気筒では、第2ロッカーアーム92内に第1切換ピン94bを付勢するためのリターンスプリング42のような付勢手段が備えられていない。これにより、図15(C)に示すように、弁復帰開始の指令直後に到来する期間(#1気筒の主カム14のリフト期間であって、#2気筒の主カム14のベース円区間)中に、第2リンクシャフト50bが移動しないようにすることができ、#2気筒が#1気筒よりも先に単独で弁稼動状態に復帰するのを防止することができる。そして、図15(C)に示すように、#1気筒と#2気筒とで共通する主カム14のベース円区間が到来した際に、第2リンクシャフト50bがようやく移動し、第1気筒および第2気筒の双方が同時に弁稼動状態に復帰できるようにすることができる。
尚、上述した実施の形態4においては、第1切換ピン94bが前記第5の発明における「第1切換ピン」に相当している。
実施の形態5.
次に、図16および図17を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。
本実施形態の可変動弁装置100は、後述する図16および図17に示す構成が異なる点を除き、上述した実施の形態1の可変動弁装置10と同様に構成されているものとする。
図16は、本発明の実施の形態5の内燃機関の可変動弁装置100の特徴的な構成を説明するための図である。尚、図16において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図16に示す構成は、#1気筒の構成に特徴を有しており、#2気筒については、図1に示す構成における#1、3気筒と同様の構成を備えている。
より具体的には、図16に示すように、#1気筒では、第2ロッカーアーム102に対して他の気筒とは反対側の部位(すなわち、バルブ26を閉弁停止状態から弁稼動状態に切り換える際の第2リンクシャフト50bの進行方向と反対側の部位)に、第3リンクアーム104が設置されている。また、第3リンクアーム104のアーム部104aには、第1切換ピン104bが一体的に結合されている。
#3気筒の第1切換ピン104bは、バルブ26が弁稼動状態(ロッカーアーム18、102が連結状態)にある時には、第1ロッカーアーム18の第1ピン孔34aおよび第2ロッカーアーム102の第2ピン孔102bRの双方に跨って挿入された状態となり、一方、バルブ26が閉弁停止状態(ロッカーアーム18、102が非連結状態)にある時には、第1ロッカーアーム18の第1ピン孔34aにのみ挿入された状態となるように構成されている。
更に、図16に示す構成は、#1気筒については、他の気筒とは異なり、バルブ26を閉弁停止状態から弁稼動状態に戻す際の変位方向に第3リンクアーム104(および第2リンクシャフト50b)を付勢するための付勢手段が備えられていない点をも特徴としている。
図17は、#1気筒における第2ロッカーアーム102の側面を第3リンクアーム104側から見た図である。
図17に示すように、#1気筒の第2ロッカーアーム102において第1ロッカーアーム18と第3リンクアーム104との間に位置する部位には、主カム14の作用力を受けて第1ロッカーアーム18と連動して第1切換ピン104bが揺動する際に、当該第1切換ピン104bとの干渉を避けるための開口部(貫通窓)102cが設けられている。
以上説明した構成を有する可変動弁装置100によれば、弁停止要求が出された際の#1気筒では、#1および#2気筒に関する主カム14の共通ベース円区間の到来時に、第2リンクシャフト50bの変位に伴う第3リンクアーム104の変位に伴って第1切換ピン104bが第2ピン孔102bRから抜けるようになる。これにより、#1気筒においても、既述した構成を有する#2気筒と同様に、ロッカーアーム18、102が非連結状態となり、バルブ26の動作状態が閉弁停止状態となる。
また、上述したように、#1気筒には、上記付勢手段が備えられていない。このため、弁復帰のために電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた直後に#1気筒のベース円区間が到来した場合であっても、#1気筒の第3リンクアーム104および第2リンクシャフト50bが移動しないようにすることができ、リフト順序が先行する#2気筒よりも先にリフト順序が後の#1気筒が弁稼動状態に復帰するのを確実に防止することができる。
また、上述したように、#1気筒における第3リンクアーム104には、第1ピン孔34aに挿入される第1切換ピン104bが一体的に結合されている。このような構成によれば、#1気筒における第1ロッカーアーム18が主カム14の作用力を受けて揺動動作を行う際に、第1切換ピン104bを介して第3リンクアーム104が同期してロッカーシャフト22を中心として揺動することになる。これにより、弁復帰開始の指令直後に到来する期間(#1気筒の主カム14のリフト期間であって、#2気筒の主カム14のベース円区間)中に、主カム14からの押し付け荷重を利用して、#2気筒のリターンスプリング42の付勢力によって第2リンクシャフト50bおよび#2気筒の第2リンクアーム48の変位を規制することができる。これにより、#2気筒が#1気筒よりも先に単独で弁稼動状態に復帰するのを防止することができる。そして、その後に#1気筒と#2気筒とで共通する主カム14のベース円区間が到来した際に、上記押し付け荷重が無くなるので、第2リンクシャフト50bがようやく移動し、第1気筒および第2気筒の双方が同時に弁稼動状態に復帰できるようにすることができる。このように、本実施形態の構成によれば、#1気筒側の構成を用いて、バルブ26の動作状態を閉弁停止状態から弁稼動状態に円滑に復帰させるための応答時間を良好に確保できるようになる。
また、上述した実施の形態5の可変動弁装置100における#1気筒の構成に対して、既述した実施の形態2または3における構成(キー76と係合溝72b、またはCリング84と突起部86)と同様の構成によるストッパー機能を備えるようにしてもよい。
尚、上述した実施の形態5においては、第1切換ピン104bが前記第11の発明における「第1切換ピン」に相当している。
実施の形態6.
次に、図18および図19を参照して、本発明の実施の形態6およびその変形例について説明する。
本実施形態の可変動弁装置110は、後述する図18に示す構成が追加されている点を除き、上述した実施の形態1の可変動弁装置10と同様に構成されているものとする。
図18は、本発明の実施の形態6の内燃機関の可変動弁装置110の特徴的な構成を説明するための図である。尚、図18において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図18に示すように、本実施形態の可変動弁装置110では、#2気筒にはリターンスプリング42が備えられておらず、その代わりに、第2ロッカーアーム112の第2ピン孔112bL内に、第1切換ピン36と当接するように第2切換ピン114が挿入されている。
また、#1気筒と#2気筒のとの間に配置された第3リンクアーム116は、#1気筒の第3切換ピン44に当接するアーム部116aだけでなく、第2気筒の上記第2切換ピン114に当接するアーム部116bをも一体的に備えている。このような構成を有する第3リンクアーム116についても、#2気筒の第2リンクアーム48と同様に、圧入ピン52によって第2リンクシャフト50bと結合されている。
上記のような構成を有する第3リンクアーム116によれば、既述した第2リンクアーム48を#1気筒に備えている場合と同様に、第2リンクシャフト50bの変位に伴って、#1気筒のロッカーアーム18、20の動作状態を連結状態から非連結状態に切り換えることができる。更に、第3リンクアーム116は上記アーム部116bを備えているので、#1および#2気筒の主カム14の共通ベース円区間の到来時に、#1気筒のリターンスプリング42の付勢力を受けた上記アーム部116aの変位と連動して、#2気筒の第2切換ピン114を駆動することができる。これにより、#2気筒のロッカーアーム18、112の動作状態を連結状態から非連結状態に切り換えることができるようになる。
以上説明した構成を有する可変動弁装置110によれば、弁復帰のために電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた直後に#1気筒のベース円区間が到来した場合であっても、#2気筒の主カム14がリフト期間中である場合には、#2気筒の第2切換ピン114の位置と第1切換ピン36の位置とが合致しないので、#1気筒のリターンスプリング42の付勢力によって第3リンクアーム116およびこれに結合された第2リンクシャフト50bが移動するのを防止することができる。これにより、リフト順序が先行する#2気筒よりも先にリフト順序が後の#1気筒が弁稼動状態に復帰するのを確実に防止することができる。
また、上述したように、#2気筒には、リターンスプリング42のような付勢手段が備えられていない。このため、弁復帰開始の指令直後に到来する期間(#1気筒の主カム14のリフト期間であって、#2気筒の主カム14のベース円区間)中に、第2リンクシャフト50bが変位するのを防止することができ、これにより、#2気筒が#1気筒よりも先に単独で弁稼動状態に復帰するのを防止することができる。そして、その後に#1気筒と#2気筒とで共通する主カム14のベース円区間が到来した際に、第1気筒のリターンスプリング42の付勢力によって第1気筒のロッカーアーム18、20の動作状態が連結状態に切り換わるとともに、当該付勢力によって上記アーム部116bを備える第3リンクアーム116および第2リンクシャフト50b(更には#2気筒の第2リンクアーム48)が変位する。これにより、第1気筒および第2気筒の双方が同時に弁稼動状態に復帰できるようにすることができる。
ところで、上述した実施の形態6においては、#1気筒を担うアーム部116aと#2気筒を担うアーム部116bとを有する第3リンクアーム116を#1気筒と#2気筒との間に備えるようにしている。このような構成に代え、以下の図19に示すような構成を備えるようにしてもよい。
図19は、本発明の実施の形態6の変形例における内燃機関の可変動弁装置120の特徴的な構成を説明するための図である。尚、図19において、上記図18に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図19に示す構成は、#1気筒と#2気筒との間に配置された第3リンクアーム122の構成が異なる点を除き、上述した図18に示す構成と同様である。
すなわち、図19に示すように、第3リンクアーム122のアーム部122aには、#1気筒の第3切換ピン44との当接面と反対側の面に、#2気筒の第2切換ピン114に当接する連結部122bが一体的に結合されている。このような構成を有する可変動弁装置120によっても、上述した実施の形態6の可変動弁装置110と同様の効果を奏することができる。
尚、上述した実施の形態6においては、#1気筒の第3リンクアーム116に一体的に備えられたアーム部116bが前記第12の発明における「連動部材」に相当している。
ところで、上述した実施の形態1乃至6においては、バルブ26のリフト順序が連続する#2気筒および#1気筒に対して本発明を適用した構成を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明が適用可能な気筒は、上記の例に限定されるものではなく、例えば、上述した爆発順序の直列4気筒型エンジンにおいてバルブ26のリフト順序が連続する#3気筒および#4気筒に対して本発明を適用してもよい。
実施の形態7.
次に、図20および図21を参照して、本発明の実施の形態7について説明する。
本実施形態の可変動弁装置130は、以下に図20を参照して示す点を除き、上述した実施の形態1の可変動弁装置10と同様に構成されているものとする。
図20は、本発明の実施の形態7の内燃機関の可変動弁装置130の特徴的な構成を模式的に説明するための図である。尚、図20において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。また、図20(A)は、弁稼動状態にある可変動弁装置130を示し、図20(B)は、閉弁停止状態にある可変動弁装置130を示している。
図20に示す可変動弁装置130は、上記第1ロッカーアーム18と同様の構成を有する第1ロッカーアーム132と、上記第2ロッカーアーム20と同様の構成を有する第2ロッカーアーム134とを気筒毎に1つずつ備えている。また、ロッカーシャフト22の内部に配置されたリンクシャフト136は、#4気筒に配置される第1リンクアーム138と、#1〜#3気筒に配置される第2リンクアーム140とを、ロッカーシャフト22の軸方向に連動して変位可能とするために備えられたシャフトである。より具体的には、リンクシャフト136は、#4気筒に配置された第1リンクアーム138と#3気筒に配置された第2リンクアーム140とが取り付けられた第1リンクシャフト136aと、#1、2気筒にそれぞれ配置された第2リンクアーム140が取り付けられた第2リンクシャフト136bとに分割されている。そして、第1リンクシャフト136aと第2リンクシャフト136bとは、バネ機構142を介して連結されている。
上記バネ機構142は、ロッカーシャフト22内に配置されている。より具体的には、バネ機構142は、互いに対向し合う第1リンクシャフト136aの端部と第2リンクシャフト136bの端部との間でバネ長さが規定されるバネ機構スプリング142aを備えている。また、バネ機構142は、第2リンクシャフト136bに向けて突出するように第1リンクシャフト136aに固定されたストッパーピン142bを備えている。また、第2リンクシャフト136bの端部には、ストッパーピン142bを受け止めるストッパー部142cが設けられている。
上記のような構成によって、第1リンクシャフト136aと第2リンクシャフト136bとの間隔がストッパーピン142bの長さよりも縮むことが規制されるようになっている。また、バネ機構スプリング142aは、ストッパーピン142bがストッパー部142cに接触した状態で、第1リンクシャフト136aと第2リンクシャフト136bとが離間する方向に付勢力を発揮できるように構成されている。
また、ロッカーシャフト22内には、第2リンクシャフト136bにおけるバネ機構142が設けられていない方の端部に、閉弁停止状態から弁稼動状態に変化する際のリンクシャフト136の変位方向と同方向に第2リンクシャフト136bを付勢するリンクシャフトスプリング144が設けられている。
また、図20に示すように、本実施形態では、上述した実施の形態1等における配置とは異なり、第1リンクアーム138および第2リンクアーム140は、第2ロッカーアーム134に対して反対側の部位(すなわち、バルブ26を弁稼動状態から閉弁停止状態に切り換える際のリンクシャフト136の変位方向と同方向側の部位)に設置されている。言い換えれば、第1リンクアーム138および第2リンクアーム140は、切換ピン146等を介して後述のリターンスプリング150が発する付勢力を受ける位置に設けられている。
各気筒の第1ロッカーアーム132内の第1ピン孔132aには、第1切換ピン146が移動自在に挿入されている。また、第2ロッカーアーム134における一方(図20における右側)の第2ピン孔134bRには、第1切換ピン146と当接する円柱状の第2切換ピン148が移動自在に挿入されている。更に、第2ピン孔134bRの内部には、第2切換ピン148を第1ロッカーアーム132の方向(すなわち、弁稼動状態から閉弁停止状態に変化する際のリンクシャフト136の変位方向と同方向)に向けて付勢するリターンスプリング150が配置されている。より具体的には、リターンスプリング150は、実装された状態において、第1ロッカーアーム132側に向けて第2切換ピン148を常時付勢するように設定されている。また、第2ロッカーアーム134における他方(図20における左側)の第2ピン孔134bLには、第1切換ピン146と当接する円柱状の第3切換ピン152が移動自在に挿入されている。
本実施形態では、上記のバネ機構スプリング142a、リンクシャフトスプリング144、およびリターンスプリング150に関して、次のようなバネ力の設定を有している。すなわち、図20(B)に示すように縮んだ状態にあるバネ機構スプリング142aが発するバネ力が、#3および#4気筒に配置されるリターンスプリング150が発するバネ力の合計値よりも大きくなるように設定されている。また、リンクシャフトスプリング144が発するバネ力が、2気筒分(#3および#4気筒分)のリターンスプリング150が発するバネ力の合計値とバネ機構スプリング142aが発するバネ力との合計値よりも大きくなるように設定されている。また、リンクシャフトスプリング144が発するバネ力が、全気筒分のリターンスプリング150が発するバネ力の合計値よりも大きくなるように設定されている。更に、リンクシャフトスプリング144が発するバネ力が、何れかの気筒における第1ロッカーアーム132の揺動(ロストモーション)時に第1切換ピン146と第1ピン孔132aとの間に生ずる摩擦力(摺動抵抗)よりも小さくなるように設定されている。尚、このようにバネ力が設定されているバネ機構スプリング142aは、図20(A)に示す弁稼動状態および図20(B)に示す閉弁停止状態の双方において、ストッパーピン142bとストッパー部142cとが接触する位置で縮んだ状態を維持するように設定されている。
図21は、本発明の実施の形態7の可変動弁装置130による弁停止動作および弁復帰動作を説明するための図である。より具体的には、図21(A)は、弁停止動作を表したバルブリフトカーブであり、図21(B)は、弁復帰動作を表したバルブリフトカーブである。
先ず、弁停止動作について説明する。図21(A)に示すように、ここでは、#3気筒を弁停止動作の開始目標気筒としている。弁停止動作は、#1気筒のリフト区間中に電磁ソレノイド56への通電が行われることにより開始される。その結果、第1リンクアーム138の突起部(図示省略)がガイドレール54と係合する。これにより、カムシャフト12の回転力を利用して、第1リンクアーム138並びにこれと結合されたリンクシャフト136a、136bおよび第2リンクアーム140が、図20(A)における左方向に変位するようになる。また、この場合のリンクシャフト136a、136bの変位に伴って、リンクシャフトスプリング144が縮んだ状態となる。
上記のように、リンクシャフト136a、136b、およびリンクアーム138、140が変位すると、各気筒においてリターンスプリング150の付勢力に抗しながら切換ピン146等の位置を弁稼動状態が維持されるように留めていく力が消滅する。その結果、ベース区間が到来する気筒(図21(A)に示す例では#3気筒)から順に、リターンスプリング150の付勢力によって切換ピン146等が、図20における左方向に変位するようになる。その結果、#3気筒から順に、第1ロッカーアーム132と第2ロッカーアーム134とが非連結状態となり、バルブ26の動作状態が閉弁停止状態に切り換えられていく。
次に、弁復帰動作について説明する。図21(B)に示すように、ここでは、#3気筒を弁復帰動作の開始目標気筒としている。また、図21(B)に示す例は、#4気筒のリフト区間中に電磁ソレノイド56への風電がOFFとされた例を表している。この例のように、#3または#4気筒のリフト区間中(#3または#4気筒の第1ロッカーアーム132のロストモーション期間中)に電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた場合には、可変動弁装置130は以下のように動作する。
すなわち、既述したようにリンクシャフトスプリング144のバネ力が設定されているので、#3または#4気筒のリフト区間中には、リンクシャフトスプリング144がリンクシャフト136a、136bを変位させることができない。その後、#4気筒のベース円区間が到来した時点では、#2気筒がリフト区間中であるので、リンクシャフトスプリング144によって第2リンクシャフト136bが変位させられることはない。しかしながら、この#2気筒のリフト区間中には、#3および#4気筒に関する主カム14の共通ベース円区間が到来している。このため、既述したようにバネ力が設定されているバネ機構スプリング142aの付勢力によって、第1リンクシャフト136aが、図20における右方向に変位するようになる。その結果、第1リンクシャフト136aと連結された第1リンクアーム138および第2リンクアーム140によって押されることで、#3および#4気筒の切換ピン146等が図20における右方向に変位する。そして、その後に#1気筒のベース円区間が到来することで#1および#2気筒に関する主カム14の共通ベース円区間が到来した際に、リンクシャフトスプリング144の付勢力によって第2リンクシャフト136bが図20における右方向に遅れて変位するようになる。その結果、第2リンクシャフト136bと連結された第2リンクアーム140によって押されることで、#1および#2気筒の切換ピン146等が図20における右方向に変位する。以上の動作によれば、図21(B)に示すように、#3気筒から順に弁稼動状態に復帰するようになる。
次に、図21(B)に示す例とは異なり、#1または#2気筒のリフト区間中(#1または#2気筒の第1ロッカーアーム132のロストモーション期間中)に電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた場合について説明する。この場合には、#3および#4気筒に関する主カム14の共通ベース円区間が到来しているので、バネ機構スプリング142aの付勢力によって、第1リンクシャフト136aが、図20における右方向に直ちに変位するようになる。そして、その後に#1気筒のベース円区間が到来することで#1および#2気筒に関する主カム14の共通ベース円区間が到来した際に、第2リンクシャフト136bが図20における右方向に遅れて変位するようになる。このように、#1または#2気筒のリフト区間中に電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた場合であっても、図21(B)に示す例と同様に、#3気筒から順に弁稼動状態に復帰するようになる。
以上説明した構成を有する可変動弁装置130によれば、弁復帰動作時に、リンクシャフト136a、136bおよびこれに連動するリンクアーム138、140が各気筒の切換ピン146等を押す方向に動くようになる。そして、第1リンクシャフト136aと第2リンクシャフト136bとの間には、上述したバネ機構142が備えられている。このため、第2気筒群(#3および#4気筒)側の気筒がリフト区間中(ロストモーション期間中)である場合に、第1気筒群(#1および#2気筒)側の第2リンクシャフト136bが第1リンクシャフト136aとは独立して変位するのを防止することができる。これにより、必ず所定の気筒(図20に示す構成では#3気筒)から復帰させることが可能となる。言い換えれば、第2気筒群に含まれるリフト順序が先行する#4気筒よりも先に、第1気筒群に含まれるリフト順序が後の#2気筒が弁稼動状態に復帰するのを確実に防止することができる。これにより、弁復帰時の電磁ソレノイド56の応答タイミングに関するロバスト性を向上させることができる。また、本実施形態の構成によれば、特定気筒のロッカーアームを他の気筒とは異なる専用品にしたりする必要なしに、上述した効果を奏することができる。
また、本実施形態の可変動弁装置130の構成によれば、他の実施の形態1〜6が具備するようなディレー機構を備えなくても、全気筒のバルブ26の開弁特性を円滑に一括して切り換えることが可能となる。更に、他の実施の形態1〜6の構成では、第2ロッカーアーム20等内に配置されたリターンスプリング42は、切換ピン36等に加えてリンクシャフト50等やリンクアーム46、48、49等を駆動可能なバネ力を有している必要があるのに対し、本実施形態の構成によれば、各気筒の第2ロッカーアーム134内に備えられたリターンスプリング150は、切換ピン146等のみを駆動可能なバネ力のみを有していればよくなる。このため、他の実施の形態1〜6の構成と比べ、リターンスプリング150の小型化を図ることができる。
尚、上述した実施の形態7においては、切換ピン146、148、152が前記第13の発明における「切換ピン」に、#2気筒が前記第13の発明における「リフト順序後行気筒」に、#4気筒が前記第13の発明における「リフト順序先行気筒」に、第2リンクシャフト136bが前記第13の発明における「後行側部材連結軸」に、第1リンクシャフト136aが前記第13の発明における「先行側部材連結軸」に、リンクシャフトスプリング144が前記第13の発明における「第1リターンスプリング」に、バネ機構スプリング142aが前記第13の発明における「第2リターンスプリング」に、リターンスプリング150が前記第13の発明における「第3リターンスプリング」に、第1リンクアーム138および第2リンクアーム140が前記第13の発明における「変位部材」に、それぞれ相当している。
ところで、上述した実施の形態1乃至7においては、リターンスプリング42等が備える場合には、当該リターンスプリング42等が第2ロッカーアーム20等側に備えられる構成を例に挙げて説明を行った。しかしながら、そのようなリターンスプリングとして機能し得る本発明の付勢手段の配置場所は、必ずしも第2ロッカーアームに限定されるものではない。すなわち、本発明の付勢手段は、本発明において想定した範囲内であれば、第1ロッカーアームおよび第2ロッカーアームの配置、更にはこれらのロッカーアームとリンクアームとの配置の仕方次第では、第1ロッカーアーム側に配置されていてもよい。
実施の形態8.
次に、図22を参照して、本発明の実施の形態8について説明する。
本実施形態の可変動弁装置160は、以下に図22を参照して示す点を除き、上述した実施の形態1の可変動弁装置10と同様に構成されているものとする。
図22は、本発明の実施の形態8の内燃機関の可変動弁装置160の特徴的な構成を説明するための図である。尚、図22において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。尚、図22に示す状態は、閉弁停止状態にある可変動弁装置160を示している。
図22に示す可変動弁装置160は、上記第1ロッカーアーム18と同様の構成を有する第1ロッカーアーム162と、上記第2ロッカーアーム20と同様の構成を有する第2ロッカーアーム164とを気筒毎に1つずつ備えている。また、ロッカーシャフト22の内部に配置されたリンクシャフト166は、#3および#4気筒を担う第1リンクシャフト166aと、#1および#2気筒を担う第2リンクシャフト166bとに分割されている。そして、第1リンクシャフト166aと第2リンクシャフト166bとは、上記ディレー機構60を介して連結されている。
各気筒の第1ロッカーアーム162内の第1ピン孔162aには、第1切換ピン168が移動自在に挿入されている。また、第2ロッカーアーム164における一方(図22における左側)の第2ピン孔164bLには、第1切換ピン168と当接する円柱状の第2切換ピン170が移動自在に挿入されている。また、第2ロッカーアーム164における他方(図20における右側)の第2ピン孔164bRには、第1切換ピン168と当接する円柱状の第3切換ピン172が移動自在に挿入されている。
また、本実施形態の可変動弁装置160は、他の実施の形態1〜7とは異なり、各気筒にそれぞれ2個のリンクアームを備えている。より具体的には、#4気筒においては、第3切換ピン172に対向する位置に第1リンクアーム174が備えられているとともに、第2切換ピン170に対向する位置に第3リンクアーム178が備えられている。また、他の#1〜#3気筒においては、第3切換ピン172に対向する位置に第2リンクアーム176が備えられているとともに、第2切換ピン170に対向する位置に第3リンクアーム178が備えられている。このように、本実施形態では、3つの切換ピン168、170、172を両側から挟むように、第1リンクアーム174もしくは第2リンクアーム176と、第3リンクアーム178とが各気筒に配置されている。
上記第1リンクシャフト166aには、#4気筒の第1リンクアーム174および第3リンクアーム178と、#3気筒の第2リンクアーム176および第3リンクアーム178とが取り付けられている。また、上記第2リンクシャフト166bには、#2気筒の第2リンクアーム176および第3リンクアーム178と、#1気筒の第2リンクアーム176および第3リンクアーム178とが取り付けられている。尚、本実施形態では、電磁ソレノイド56は、ロックピン180を介して第1リンクアーム174を押動するように構成されている。
更に、本実施形態の可変動弁装置160は、第1リンクシャフト166aを、図22における右方向(閉弁停止状態から弁稼動状態に変化する際のリンクシャフト166の変位方向)に付勢する第1リターンスプリング182と、第2リンクシャフト166bを、同じく図22における右方向に付勢する第2リターンスプリング184とを備えている。より具体的には、第1リターンスプリング182は、ロッカーシャフト22を回転自在に支持する静止部材(例えばカムキャリア)186と#4気筒の第3リンクアーム178との間に介在しており、第2リターンスプリング184は、上記静止部材186と#2気筒の第3リンクアーム178との間に介在している。これらのリターンスプリング182、184は、実装された状態において、上記付勢方向に第3リンクアーム178をそれぞれ常時付勢するように設定されている。
本実施形態では、全気筒のロッカーアーム162、164を連結状態から非連結状態に一括して切り換える際にディレー機構60を円滑に作動させられるようにするために、ディレー機構スプリング64のバネ力が、#1および#2気筒側の第2リターンスプリング184のバネ力の合計値よりも大きく、かつ、何れかの気筒におけるロッカーアーム162、164の揺動時(バルブ26のリフト時)に切換ピン168とピン孔162a、164bL、164bRとの間に生ずる摩擦力(摺動抵抗)よりも小さくなるように設定されている。また、第1リターンスプリング182および第2リターンスプリング184のそれぞれのバネ力の合計値が、何れかの気筒における第1ロッカーアーム162の揺動時(ロストモーション時)に第1切換ピン168と第1ピン孔162aとの間に生ずる摩擦力(摺動抵抗)よりも小さくなるように設定されている。
次に、以上説明した構成を有する可変動弁装置160の動作について説明する。尚、弁停止動作については、上述した実施の形態1の可変動弁装置10の動作と基本的に同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。また、ここでは、上述した実施の形態7と同様に、#3気筒を弁復帰動作の開始目標気筒とする。
先ず、#3または#4気筒のリフト区間中(#3または#4気筒の第1ロッカーアーム162のロストモーション期間中)に電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた場合には、可変動弁装置160は以下のように動作する。すなわち、既述したようにリターンスプリング182、184のバネ力が設定されているので、#3または#4気筒のリフト区間中には、第1リターンスプリング182が第1リンクシャフト166aを変位させることはできず、また、第2リターンスプリング184が第2リンクシャフト166bを変位させることもできない。その後、#4気筒のベース円区間が到来した時点では、#2気筒がリフト区間中であるので、第2リターンスプリング184によって第2リンクシャフト166bが変位させられることはない。しかしながら、この#2気筒のリフト区間中には、#3および#4気筒に関する主カム14の共通ベース円区間が到来している。また、ディレー機構60は、第1リンクシャフト166aと第2リンクシャフト166bとが離れるのを規制するものではない。従って、第1リターンスプリング182の付勢力によって、第1リンクシャフト166aが、図22における右方向に変位するようになる。その結果、第1リンクシャフト166aと連結された#3および#4気筒の第3リンクアーム178によって押されることで、#3および#4気筒の切換ピン168等が図22における右方向に変位する。そして、その後に#1気筒のベース円区間が到来することで#1および#2気筒に関する主カム14の共通ベース円区間が到来した際に、第2リターンスプリング184の付勢力によって第2リンクシャフト166bが図22における右方向に遅れて変位するようになる。その結果、第2リンクシャフト166bと連結された#1および#2気筒の第3リンクアーム178によって押されることで、#1および#2気筒の切換ピン168等が図22における右方向に変位する。以上の動作によれば、#3気筒から順に弁稼動状態に復帰するようになる。
次に、#1または#2気筒のリフト区間中(#1または#2気筒の第1ロッカーアーム162のロストモーション期間中)に電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた場合について説明する。この場合には、#3および#4気筒に関する主カム14の共通ベース円区間が到来しているので、第1リターンスプリング182の付勢力によって、第1リンクシャフト166aが、図22における右方向に直ちに変位するようになる。そして、その後に#1気筒のベース円区間が到来することで#1および#2気筒に関する主カム14の共通ベース円区間が到来した際に、第2リンクシャフト166bが図22における右方向に遅れて変位するようになる。このように、#1または#2気筒のリフト区間中に電磁ソレノイド56への通電がOFFとされた場合であっても、#3気筒から順に弁稼動状態に復帰するようになる。
以上説明したように、可変動弁装置160は、弁復帰動作時に、第1リンクシャフト166aまたは第2リンクシャフト166bの動作に連動して各気筒の切換ピン168等を押すことができる位置に、第3リンクアーム178を備えている。このため、第2気筒群(#3および#4気筒)側の気筒がリフト区間中(ロストモーション期間中)である場合に、第1気筒群(#1および#2気筒)側の第2リンクシャフト136bが第1リンクシャフト136aとは独立して変位するのを防止することができる。これにより、必ず所定の気筒(図22に示す構成では#3気筒)から復帰させることが可能となる。言い換えれば、第2気筒群に含まれるリフト順序が先行する#4気筒よりも先に、第1気筒群に含まれるリフト順序が後の#2気筒が弁稼動状態に復帰するのを確実に防止することができる。これにより、弁復帰時の電磁ソレノイド56の応答タイミングに関するロバスト性を向上させることができる。また、本実施形態の構成によれば、特定気筒のロッカーアームを他の気筒とは異なる専用品にしたりする必要なしに、上述した効果を奏することができる。
尚、上述した実施の形態8においては、切換ピン168、170、172が前記第14の発明における「切換ピン」に、#2気筒が前記第14の発明における「リフト順序後行気筒」に、#4気筒が前記第14の発明における「リフト順序先行気筒」に、第2リンクシャフト166bが前記第14の発明における「後行側部材連結軸」に、第1リンクシャフト166aが前記第14の発明における「先行側部材連結軸」に、第1リターンスプリング182が前記第14の発明における「第1リターンスプリング」に、第2リターンスプリング184が前記第14の発明における「第2リターンスプリング」に、第1リンクアーム174、第2リンクアーム176、および第3リンクアーム178が前記第14の発明における「変位部材」に、それぞれ相当している。
ところで、上述した実施の形態1乃至8においては、副カム16がゼロリフトカムとして構成されている例について説明を行ったが、本発明における副カムは、ゼロリフトカムに限られない。すなわち、例えば上記可変動弁装置10の構成の場合には、主カム14よりも小さなリフトが得られるようにするノーズ部を備える副カムであってもよい。このような副カムを備える構成によれば、バルブのリフト量(およびまたは作用角)を主カムおよび副カムによって2段階に切り換えることが可能となる。
また、上述した実施の形態1乃至8においては、第1リンクアーム46、第2リンクアーム48、および第3リンクアーム49等がそれらに対応するリンクシャフト50a、50b等に圧入ピン52を介して固定されている構成を例に挙げて説明を行った。しかしながら、上述した実施の形態2における#2気筒の第3リンクアーム49以外のリンクアームについては、対応するリンクシャフトに対してその軸方向の移動が拘束された態様で連結されてさえいればよく、必ずしもリンクシャフトの軸方向周りの回転が拘束された態様で連結されていなくてもよい。
また、上述した実施の形態1乃至8においては、4つの気筒を有する内燃機関の全気筒に配置された2つのバルブ26の開弁特性を一括して切り換える可変動弁装置10を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明における可変動弁装置は、少なくとも2気筒に設けられたバルブの開弁特性を一括して切り換えるものであれば、必ずしも全気筒に配置されたバルブを一括して切り換えるものに限定されない。すなわち、3気筒以上を有する内燃機関の少なくとも2気筒からなる一部気筒のバルブの開弁特性を一括して切り換える装置として構成されたものであってもよい。
また、上述した実施の形態1乃至8においては、螺旋状の溝形状に形成されたガイドレール54に対して電磁ソレノイド56を利用して第1リンクアーム46等を係合させることにより、弁稼動状態から弁復帰状態に切り換える際のリンクシャフト50等の駆動力を得るようにし、更に、電磁ソレノイド56と第1リンクアーム46等との係合を解除して閉弁停止状態から復帰する際のリンクシャフト50等の駆動力として、リンクシャフト50等に生ずるリターンスプリング42等の付勢力を利用している。しかしながら、本発明において剛体部材を変位させるアクチュエータは、これに限定されず、例えば、電動モータによって剛体部材として機能するリンクシャフトを駆動するものであってもよい。
また、上述した実施の形態1乃至6、8においては、ディレー機構スプリング64の付勢力を用いたディレー機構60を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明のディレー機構は、剛体部材の途中において力を受けた際に収縮して力を溜め、その後、溜めた力を解放できるようになっているものであれば、上記スプリングに限らず、液体や弾性体などを適用可能である。
また、本発明の可変動弁装置の適用対象となる内燃機関の形式は、もちろん直列4気筒型に限定されるものではなく、V型6気筒、V型8気筒、直列3気筒等の各種の形式であってもよい。
10、70、80、90、100、110、120、130、160 可変動弁装置
12 カムシャフト
12a 円柱部
14 主カム
16 副カム
18、132、162 第1ロッカーアーム
20、92、102、112、134、164 第2ロッカーアーム
20bL、20bR、92bR、102bR、112bL、134bL、134bR、164bL、164bR 第2ピン孔
20c 開口部
22、72 ロッカーシャフト
24 カムキャリア
26 バルブ
28 カムローラ
32 切換機構
34 ブッシュ
34a、132a、162a 第1ピン孔
36、49b、82b、94b、104b、146、168 第1切換ピン
38、114、148、170 第2切換ピン
42、150 リターンスプリング
44、152、172 第3切換ピン
46、138、174 第1リンクアーム
46a アーム部
46b 突起部
46c 押圧面
46d 切欠部
48、140、176 第2リンクアーム
48a アーム部
49、82、94、104、116、122、178 第3リンクアーム
49a、82a、94a、104a、116a、116b、122a アーム部
50、74、136、166 リンクシャフト
50a、136a、166a 第1リンクシャフト
50b、74b、136b、166b 第2リンクシャフト
52 圧入ピン
54 ガイドレール
56 電磁ソレノイド
56a 駆動軸
58 ECU(Electronic Control Unit)
60 ディレー機構
72b 係合溝
76 キー
84 Cリング
84a 切欠部
86 突起部
94c 壁部
122b 連結部
142 バネ機構
142a バネ機構スプリング
142b ストッパーピン
142c ストッパー部
144 リンクシャフトスプリング
182 第1リターンスプリング
184 第2リターンスプリング
186 静止部材
Pmax1 変位端
Pmax2 変位端

Claims (14)

  1. バルブのリフト順序が連続する少なくとも2つの気筒においてカムとバルブとの間に配置され、前記カムの作用力を前記バルブに伝達する伝達部材と、
    前記伝達部材の動作状態を変化させることで、前記少なくとも2つの気筒に設けられた前記バルブの開弁特性を切り換える切換機構と、を備え、
    前記切換機構は、
    前記少なくとも2つの気筒で共用され、当該少なくとも2つの気筒における前記バルブの動作状態を第1動作状態と第2動作状態との間で切り換える際に制御されるアクチュエータと、
    前記アクチュエータの制御に伴って変位し、前記少なくとも2つの気筒に設けられた前記バルブの動作状態を前記第1動作状態と前記第2動作状態との間で切り換える剛体部材と、
    前記少なくとも2つの気筒に設けられた前記バルブの動作状態を前記第2動作状態から前記第1動作状態に戻す際の変位方向に前記剛体部材を付勢する付勢手段と、を備え、
    前記バルブの動作状態を前記第2動作状態から前記第1動作状態に戻すべく前記アクチュエータが制御された際に、前記少なくとも2つの気筒のうちのいずれか2つの気筒の中で前記リフト順序が先となるリフト順序先行気筒のカムがリフト期間中である場合に、前記変位方向に前記剛体部材が変位ことが規制されることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記伝達部材は、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれに配置されたロッカーアームであって、前記カムと同期して揺動する第1ロッカーアームと、前記バルブを押動可能な第2ロッカーアームと、を含み、
    前記剛体部材は、
    軸方向の変位自在に配置された部材連結軸と、
    前記少なくとも2つの気筒のそれぞれに対して配置され、それぞれが前記部材連結軸に対して少なくとも当該部材連結軸の軸方向の移動が拘束された態様で連結され、前記アクチュエータの制御に伴って前記部材連結軸とともに変位することにより、前記少なくとも2つの気筒のそれぞれにおいて前記第2ロッカーアームの動作状態を変化させる変位部材と、を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記部材連結軸は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームを支持するロッカーシャフトの内部に軸方向の変位自在に配置されていることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記第1動作状態は、前記バルブの開閉動作が行われる弁稼動状態であり、
    前記第2動作状態は、前記バルブが閉弁位置で停止状態となる閉弁停止状態であることを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
    前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
    前記付勢手段は、前記リフト順序先行気筒よりも前記リフト順序が後になるリフト順序後行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れか一方の前記ピン孔に配置され、当該リフト順序後行気筒に配置された前記変位部材を前記切換ピンを介して付勢するリターンスプリングを含み、
    前記リフト順序先行気筒に配置された前記切換ピンは、当該リフト順序先行気筒用の前記変位部材と一体的に結合された第1切換ピンを含み、
    前記第1切換ピンは、前記第1動作状態時には、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの双方の前記ピン孔に跨って挿入された状態となり、前記第2動作状態時には、前記第1ロッカーアームの前記ピン孔にのみ挿入された状態となるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 前記リフト順序先行気筒では、前記変位部材が前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとの間の部位に配置されていることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の可変動弁装置。
  7. 前記リフト順序先行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れの前記ピン孔にも、前記付勢手段が設けられていないことを特徴とする請求項5または6記載の内燃機関の可変動弁装置。
  8. 前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
    前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
    前記付勢手段は、前記リフト順序先行気筒、および、前記リフト順序先行気筒よりも前記リフト順序が後になるリフト順序後行気筒の双方における前記第2ロッカーアームの前記ピン孔に配置され、前記変位部材を前記切換ピンを介して付勢するものであって、
    前記第2ロッカーアームは、両側から前記第1ロッカーアームを取り囲むようにして一体的に構成されており、
    前記リフト順序先行気筒における前記変位部材は、前記第1ロッカーアームに対して前記第2ロッカーアームの外側に配置されており、
    前記リフト順序先行気筒に配置された前記切換ピンは、当該リフト順序先行気筒用の前記変位部材と一体的に結合された第1切換ピンを含み、
    前記第1切換ピンは、前記第1動作状態時および前記第2動作状態時を通して、前記第2ロッカーアームを貫通して、前記第1ロッカーアームの前記ピン孔にのみ挿入された状態となるように構成されており、
    前記リフト順序先行気筒における前記第2ロッカーアームには、前記カムの作用力を受けて前記第1ロッカーアームと連動して前記第1切換ピンが揺動する際に、当該第1切換ピンとの干渉を避けるための開口部が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  9. 前記部材連結軸は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームを支持するロッカーシャフトの内部に軸方向の変位自在に配置されており、
    前記リフト順序先行気筒用の前記変位部材は、前記部材連結軸に対して当該部材連結軸の軸方向周りの回転が拘束された態様で連結されており、
    前記部材連結軸は、その外周面に当該部材連結軸の径方向に突出するように設けられた突起部を含み、
    前記ロッカーシャフトは、その内周面に前記突起部と係脱可能に形成された係合溝を含み、
    前記突起部と前記係合溝とは、前記第2動作状態時には両者が前記ロッカーシャフトの軸方向において離れた位置にあり、かつ、前記リフト順序先行気筒用の前記カムがベース円区間にある時に前記突起部の回転位置が前記係合溝の位置と合致するように構成されていることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の可変動弁装置。
  10. 前記切換機構は、前記リフト順序先行気筒における前記変位部材に近接した部位であって、前記バルブを前記第2動作状態から前記第1動作状態に切り換える際の前記部材連結軸の変位方向側の部位において、前記リフト順序先行気筒における前記変位部材を回転自在に支持する支持軸に設けられ、一部に切欠部を有するC字状のリング部材を更に備え、
    前記リフト順序先行気筒における前記変位部材は、前記リング部材との対向面に設けられた突起部を含み、
    前記リング部材と前記突起部とは、前記リフト順序先行気筒用の前記カムがベース円区間にある時に前記突起部が前記切欠部と合致するように構成されていることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の可変動弁装置。
  11. 前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
    前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
    前記付勢手段は、前記リフト順序先行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れか一方の前記ピン孔に配置され、当該リフト順序先行気筒に配置された前記変位部材を前記切換ピンを介して付勢するリターンスプリングを含み、
    前記リフト順序先行気筒よりも前記リフト順序が後になるリフト順序後行気筒に配置された前記切換ピンは、当該リフト順序後行気筒用の前記変位部材と一体的に結合された第1切換ピンを含み、
    前記第1切換ピンは、前記第1動作状態時には、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの双方の前記ピン孔に跨って挿入された状態となり、前記第2動作状態時には、前記第1ロッカーアームの前記ピン孔にのみ挿入された状態となるように構成されており、
    前記リフト順序後行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れの前記ピン孔にも、前記付勢手段が設けられていないことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  12. 前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
    前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
    前記付勢手段は、前記リフト順序先行気筒よりも前記リフト順序が後になるリフト順序後行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れか一方の前記ピン孔に配置され、当該リフト順序後行気筒に配置された前記変位部材を前記切換ピンを介して付勢するリターンスプリングを含み、
    前記切換機構は、前記リフト順序先行気筒と前記リフト順序後行気筒との間に配置され、前記リフト順序後行気筒における前記変位部材の変位と連動して、前記リフト順序先行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの動作状態が前記第2動作状態から前記第1動作状態に切り換わるように当該リフト順序先行気筒における前記切換ピンを駆動する連動部材を更に備え、
    前記リフト順序先行気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れの前記ピン孔にも、前記付勢手段が設けられていないことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  13. 前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
    前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
    前記少なくとも2つの気筒は、前記リフト順序後行気筒を含む気筒群であって配置場所が隣接する複数の気筒からなる第1気筒群と、前記リフト順序先行気筒を含む気筒群であって配置場所が隣接する複数の気筒からなる第2気筒群とを有し、
    前記部材連結軸は、前記第1気筒群を担う後行側部材連結軸と、前記第2気筒群を担う先行側部材連結軸とを含み、
    前記付勢手段は、
    前記後行側部材連結軸を、前記第2動作状態から前記第1動作状態に変化する際の前記部材連結軸の変位方向と同方向に付勢する第1リターンスプリングと、
    前記後行側部材連結軸と前記先行側部材連結軸との間に配置され、前記後行側部材連結軸と前記先行側部材連結軸とが離間する方向に前記第1リターンスプリングのバネ力よりも小さなバネ力を発する第2リターンスプリングと、を含み、
    前記可変動弁装置は、各気筒における前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームの何れか一方の前記ピン孔にそれぞれ配置され、前記第1動作状態から前記第2動作状態に変化する際の前記部材連結軸の変位方向と同方向に前記切換ピンを付勢する第3リターンスプリングを更に備え、
    前記変位部材は、前記第3リターンスプリングが発する付勢力を前記切換ピンを介して受ける位置に設けられていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  14. 前記可変動弁装置は、前記第1ロッカーアームおよび前記第2ロッカーアームにそれぞれ形成されたピン孔に移動自在に配置され、前記変位部材の変位に連動して変位する切換ピンを更に備え、
    前記可変動弁装置は、前記切換ピンを介して前記第1ロッカーアームと前記第2ロッカーアームとが連結した場合に前記第1動作状態となり、その連結が解除された場合に前記第2動作状態となるものであって、
    前記少なくとも2つの気筒は、前記リフト順序後行気筒を含む気筒群であって配置場所が隣接する複数の気筒からなる第1気筒群と、前記リフト順序先行気筒を含む気筒群であって配置場所が隣接する複数の気筒からなる第2気筒群とを有し、
    前記部材連結軸は、前記第1気筒群を担う後行側部材連結軸と、前記第2気筒群を担う先行側部材連結軸とを含み、
    前記後行側部材連結軸と前記先行側部材連結軸とは、両者が離間する方向に移動することが規制されておらず、
    前記付勢手段は、
    前記先行側部材連結軸を、前記第2動作状態から前記第1動作状態に変化する際の前記部材連結軸の移動方向に付勢する第1リターンスプリングと、
    前記後行側部材連結軸を、前記第2動作状態から前記第1動作状態に変化する際の前記部材連結軸の移動方向に付勢する第2リターンスプリングと、を含み、
    前記変位部材は、前記切換ピンの両側に配置されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
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