JP2011195542A - エラスターゼ活性阻害剤 - Google Patents

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JP2011195542A JP2010066239A JP2010066239A JP2011195542A JP 2011195542 A JP2011195542 A JP 2011195542A JP 2010066239 A JP2010066239 A JP 2010066239A JP 2010066239 A JP2010066239 A JP 2010066239A JP 2011195542 A JP2011195542 A JP 2011195542A
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Abstract

【課題】本発明は、安全性が良好な新規なエラスターゼ活性阻害剤に関する。
【解決手段】マタタビ果実からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするエラスターゼ活性阻害剤である。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規なエラスターゼ活性阻害剤に関する。
エラスチン線維は、ヒト等のほ乳類や魚類などの体内の血管・靭帯・肺・皮膚をはじめとする、ほぼ全身の臓器・組織に分布する細胞外マトリックスの結合組織の線維の一種で、伸縮可能なαへリックス構造が架橋することによって形成され、組織の柔軟性維持に重要な役割を担っていることが知られている。一方、皮膚は表皮、真皮、皮下組織からなり、表皮は外部の乾燥や異物から体を守り、皮下組織は皮下脂肪等により外部からの衝撃を和らげ、真皮は線維芽細胞及びこれらの細胞の外にあって皮膚構造を支持する真皮細胞外マトリックスによって構成されており、皮膚の構造維持に重要な役割を果たしている。エラスチン線維は、皮膚では乳頭層の最下部で表皮面に平行に走る線維と乳頭層の中ほどの線維(elaunin fiber)、さらにそこから細い終末の線維が出て表皮の基底膜まで垂直に上がるもの(oxytalan fiber)があるとされている。
皮膚のシワ形成、くすみ、きめの消失、弾力性の低下といった肌の老化といわれる現象は、加齢による線維芽細胞の増殖能の低下によるエラスチン線維等の産生能の低下が一因とされているが、皮膚の紫外線への暴露、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等の外部刺激などが、エラスチン線維の分解を引き起こす結果、シワ形成、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等を原因とする肌荒れや皮膚の老化などの症状が現れるともいわれている。
エラスチン線維が分解する一因として、エラスターゼによる分解があると考えられている。エラスターゼはセリンプロテアーゼファミリーに属する酵素であり、例えば、膵エラスターゼは、膵の病変によって血中値が高くなることから各種膵疾患のマーカーとなっており、白血球由来のエラスターゼは、肉眼で確認できない初期の微小炎症においても血中濃度が上昇することが知られている。皮膚においては、例えば紫外線A波が照射された場合に微小炎症の蓄積があることが推察され、エラスターゼ活性が増加することが確認されている(例えば、特許文献1参照)。
このため、真皮におけるエラスターゼの作用を抑制し、エラスチン線維の分解を防止することが、シワやタルミ等の肌の老化防止に有効であるとされ、例えば、ブルセラ ランシフォリア抽出物(例えば、特許文献2参照)、スイートピー抽出物(例えば、特許文献3参照)、アイスランドモスの抽出物(例えば、特許文献4参照)、マンネンタケの抽出物(例えば、特許文献5参照)等、植物・真菌抽出物などを有効成分として含有するエラスターゼ活性阻害剤が提案されている。
また、例えば、グルコサミン、グルコサミン誘導体又はそれらの塩(例えば、特許文献6参照)や、ホスホン酸誘導体、メルカプトプロピオンアミド誘導体等(例えば、特許文献7参照)や、コロソリン酸(例えば、特許文献8参照)や、1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン誘導体(例えば、特許文献9参照)などの化合物を有効成分として含有するエラスターゼ阻害剤が提案されている。
一方、皮膚組織内のエラスターゼ活性が、毛周期と対応し、皮膚組織内エラスターゼ活性の上昇が毛包形成及びその成長に不可欠であることが報告されており(例えば、特許文献10参照)、エラスターゼ活性阻害剤を有効成分とする発毛抑制剤が提案されている(例えば、特許文献11参照)。
マタタビ(Actinidiaceae Actinidia polygama)はマタタビ科マタタビ属の植物で、葉や果実は広く食用として利用され、血行促進、疲労回復を目的に飲用されている。香粧品分野におけるマタタビ属の利用については、マタタビを含有するグルタチオン増強剤(例えば、特許文献12参照)、マタタビ科マタタビ属の一種であるサルナシの果実および/または葉の抽出物を含むことを特徴とする皮膚外用剤(例えば、特許文献13参照)、マタタビ科マタタビ属の一種であるキウイフルーツの種子油を美白成分として含有する皮膚外用剤(例えば、特許文献14参照)等が開示され、マタタビ属抽出物の様々な効果が注目されている。しかしながら、マタタビの果実からの抽出物の有効性において、エラスターゼ活性阻害剤として応用することに関しては全く知られていない。
特許第3749769号公報 特開2002−255734号公報 特開2006−282617号公報 特開2007−302607号公報 特開2005−23021号公報 特開2004−83432号公報 特開2006−104209号公報 特開2006−265232号公報 特開2006−347897号公報 特開平11−199450号公報 特開2005−343887号公報 特開2006−348053号公報 特開2008−222625号公報 特開2001−206836号公報
上記した従来のエラスターゼ活性阻害剤は、安全性、安定性等が確認されていないものもあり、エラスターゼ活性阻害効果が十分確認されていない場合もある。したがって、本発明の課題は、エラスターゼ活性を阻害する効果の高い化合物を有効成分とするエラスターゼ活性阻害剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、種々の植物抽出物について鋭意検討した結果、マタタビの果実からの抽出物が、エラスターゼ活性阻害効果を示すものであることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、安全性が良好な、新規なエラスターゼ活性阻害剤を提供することができる。
エラスターゼ活性阻害効果評価試験及びその結果を示す図。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明に用いるマタタビ(Actinidiaceae Actinidia polygama)はマタタビ科マタタビ属の植物である。本発明はマタタビの果実からの抽出物(以下、マタタビ抽出物と略す)を用いたものである。なお、本発明において、果実には皮を含むものをいう。
本発明に用いられるマタタビ抽出物は、一般的な方法で調製することができる。抽出溶媒としては特に限定されないが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級一価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン等のケトン類;エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;等の一種又は二種以上を用いることができる。抽出は、前記マタタビ果実を室温又は加温下で溶媒中に所定の時間浸漬することによって実施できる。また、抽出前に、乾燥、細切、圧搾又は醗酵等の前処理を行うこともできる。
前記マタタビ抽出物は、調製後、そのままエラスターゼ阻害剤として用いることができる。また、所望により、適宜の期間そのまま放置し熟成させた後に、エラスターゼ阻害剤として用いることもできる。必要ならば、本発明の効果に影響のない範囲で、更に、濾過又はイオン交換樹脂等により、脱臭、脱色等の精製処理を施して用いることもできる。又、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用い、活性の高い画分を取り出して用いることもできる。
前記マタタビ抽出物は、液状、ペースト状、ゲル状等いずれの形態であってもよい。すなわち、抽出溶媒を含む液状の抽出液をそのままあるいは濃縮してから用いても良いし、また、抽出液を減圧乾燥、又は凍結乾燥などにより乾固させて固体状とした後に用いることもできる。また、スプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。また更には、これら固体状あるいは粉末の抽出物を適宜溶媒に再溶解して抽出液として用いても良い。
本発明のエラスターゼ活性阻害剤は、種々の用途に用いることができる。本発明のエラスターゼ活性阻害剤は、安全性も高く、また配合時の安定性にも優れているので、食品(飲料も含む)への配合や、化粧料又は皮膚外用剤の有効成分として用いるのが好ましい。
本発明のエラスターゼ阻害剤を含有する化粧料又は皮膚外用剤は、皮膚に適用することにより、エラスターゼの活性を抑制する。その結果、エラスチンの過剰な分解が起こらず、皮膚の柔軟性や弾力性が維持され、たるみ・しわなどの老徴現象が改善される。即ち、老化防止用化粧料又は皮膚外用剤、及びしわ・たるみ改善用化粧料又は皮膚外用剤として優れた効果を奏する。また、エラスターゼは、炎症反応における免疫細胞の遊走に関与している可能性があるので、本発明のエラスターゼ阻害剤を含有する炎症抑制用化粧料又は皮膚外用剤としても有用である。さらに、エラスターゼは、毛包形成に関与している可能性があるので、本発明のエラスターゼ阻害剤を含有する化粧料又は皮膚外用剤は、発毛及び育毛を制御する化粧料又は皮膚外用剤としても有用である。
前記化粧料又は皮膚外用剤中における、本発明のエラスターゼ阻害剤の配合量は特に限定されてないが、一般的には、エラスターゼの活性阻害の観点から全組成に対して乾燥固形分に換算して好ましくは0.0001〜1質量%(以下単に%で表す)であるのが好ましく、より好ましくは0.001〜0.1%である。この範囲内であれば、本発明のエラスターゼ活性阻害剤を安定に配合することができ、かつ高い老化防止効果やたるみ・しわ改善効果を発揮することができる。
また、前記化粧料又は皮膚外用剤中には、本発明の効果を損なわない範囲で他の有効成分、例えば、美白効果、老化防止効果、又は紫外線暴露によるシワ形成抑制効果等を奏する他の有効成分、を配合してもよい。より具体的には、紫外線防御剤、抗菌剤、美白剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、活性酸素除去剤、保湿剤等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
紫外線防御剤は、例えばベンゾフェノン系化合物、PABA系化合物、ケイ皮酸系化合物、サリチル酸系化合物、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、p−メトキシ桂皮酸−2−エチルへキシル、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができる。
抗菌剤は、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
美白剤は、日焼け等により生じる皮膚の黒化、色素沈着により生ずるシミ、ソバカス等の発生を防止する作用を有しており、例えばアルブチン、エラグ酸、リノール酸、ビタミンC及び誘導体、ビタミンE及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、トラネキサム酸、胎盤抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザイシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物等が挙げられる。
抗炎症剤は、日焼け後の皮膚のほてりや紅斑等の炎症を抑制する作用を有しており、例えば、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アルテア抽出物、アシタバ抽出物、アルニカ抽出物、インチンコウ抽出物、イラクサ抽出物、オウバク抽出物、オトギソウ抽出物、カミツレ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ゲンチアナ抽出物等が挙げられる。
細胞賦活剤は、肌荒れの改善等の目的で用いられ、例えば、カフェイン、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ラクトフェリン又はその分解物、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝抽出物、イチョウ抽出物、オオムギ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、ニンジン抽出物、ローズマリー抽出物、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等が挙げられる。
活性酸素除去剤は、過酸化脂質生成抑制剤等の作用を有しており、例えば、スーパーオキシドディスムターゼ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、ボタンピ抽出物、ヤシャジツ抽出物、メリッサ抽出物、羅漢果抽出物、レチノール及びその誘導体、カロチノイド等のビタミンA類、チアミン及びその誘導体、リボフラビンおよびその誘導体、ピリドキシンおよびその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体等のビタミンB類、トコフェロール及びその誘導体等のビタミンE類、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
保湿剤は、例えば、エラスチン、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解並びにそれらの塩、グリシン、セリン、アスオアラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、蔗糖およびその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、尿素、リン脂質、セラミド、オウレン抽出物、ショウブ抽出物、ジオウ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウ抽出物、ドクダミ抽出物、ハマメリス抽出物、ボダイジュ抽出物、マロニエ抽出物、マルメロ抽出物等が挙げられる。
また、前記化粧料又は皮膚外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料や医薬部外品、皮膚外用剤等の製造に通常使用される成分、例えば、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物・動物・微生物由来の抽出物、活性酸素除去剤、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、外のビタミン類等を必要に応じて添加することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[製造例1:マタタビ抽出物の調製]
マタタビの果実100gを粉砕し、1Lの30%エタノール水溶液に入れて抽出した。不溶物を濾過後、濾液を減圧下で濃縮してマタタビ抽出物を得た。この抽出物に、エタノール及び精製水を加えて、エタノール濃度が50%となるように調製した。本抽出物の固形分濃度は0.1%であった。
[実施例1:エラスターゼ活性阻害試験]
試験溶液として、上記マタタビ抽出物(固形分濃度0.1%)を使用した。
エラスターゼ阻害試験は、豚由来のエラスターゼ酵素液(シグマ社製)、及びN-Succinyl-Ala-Ala-Ala-p-nitroanilideを基質として、具体的には、以下の通り行った。
酵素液は、0.05units/mL濃度に調整した。
基質液は、基質をジメチルスルフォキサイド(DMSO)に溶解し、0.1mol/L濃度の溶液とした後、0.05mol/L Tris-HCl(pH8.8)緩衝液で希釈し、1mmol/L濃度の溶液として調製した。
基質液100μLと、1%試料溶液50μLとを混合した後、酵素液50μLを添加し、37℃、30分間反応させた。その後分光光度計により波長405nmの吸光度を測定し、生成したnitroaniline量を求め、エラスターゼ活性阻害率を算出した。エラスターゼ阻害率は以下の式により算出した。
エラスターゼ活性阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
A:基質液と試料溶液とを混合した後、酵素液を添加した時の混合液の波長405nmの吸光度
B:基質液と試料溶液とを混合した時の混合液の波長405nmの吸光度
C:試料溶液の代わりに、該溶液の溶媒を基質液と上記割合で混合した後、酵素液を添加した時の混合液の波長405nmの吸光度
D:試料溶液も酵素液も添加していない、基質液の405nmの吸光度
また、本発明のマタタビ抽出物のエラスターゼの活性阻害効果を検証するために、比較対象としてRoche社製造のコンプリートプロテアーゼインヒビターカクテル、及びエラスターゼ活性阻害剤として公知(例えば特開2003−2820号公報)であるマリーゴールド抽出物(CALENDULAOFFICINALIS. キク科)を用いた。本発明で使用したコンプリートプロテアーゼインヒビターカクテルは多種のプロテアーゼについて常に一定の阻害能をもつ試薬で本エラスターゼについても活性阻害効果があることが既に確認されている。結果を、マタタビ果実抽出物の結果とともに、図1に併せて示す。
図1のグラフに示した結果から、本発明のエラスターゼ活性阻害剤は、コンプリートプロテアーゼインヒビターカクテルと同等の顕著なエラスターゼ活性阻害作用を有していることがわかった。またマリーゴールド抽出物と比較して十分に高いエラスターゼ活性阻害作用を有していることがわかった。従って、本発明のエラスターゼ活性阻害剤を用いることによって、より高いエラスターゼ活性阻害作用を得ることができる。又、従来より配合量を減少した場合においても同等以上の効果が得られるので、配合組成の選択の幅が広がり、本発明のエラスターゼ活性阻害剤を用いることは、製剤上有利である。
以下は、本発明のエラスターゼ活性阻害剤、エラスターゼ活性阻害剤を含有する化粧料又は皮膚外用剤の例である。
[製造例2:マタタビ抽出物の調製]
マタタビの果実100gを粉砕し、1Lの30%1,3−ブチレングリコール水溶液に入れて抽出した。不溶物を濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、1,3−ブチレングリコール及び精製水を加えて、1,3−ブチレングリコール濃度が30%となるように調製した。本抽出物の固形分濃度は2.0%であった。
[実施例2:洗顔料]
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を加熱溶解する。
B.下記成分(8)〜(11)を加熱溶解する。
C.AにBを加え混合する。
D.Cを冷却後、下記成分(12)〜(14)を加え混合し、洗顔料を得た。
(成分) (%)
(1)ラウリン酸 5.0
(2)ミリスチン酸 18.5
(3)ステアリン酸 6.0
(4)グリセリン 12.0
(5)ポリエチレングリコール1500 5.0
(6)水酸化カリウム 6.5
(7)精製水 残量
(8)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0
(9)ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 1.8
(10)ポリオキシエチレン(7.5E.O.)ラウリルエーテ
2.0
(11)ジステアリン酸エチレングリコール 1.0
(12)ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 5.0
(13)製造例1のマタタビ抽出物 0.1
(14)香料 適量
[実施例3:化粧水]
(製法)
A.下記成分(1)〜(6)を混合溶解する。
B.下記成分(7)〜(12)を混合溶解する。
C.AにBを加え混合し、化粧水を得た。
(成分) (%)
(1)クエン酸 0.05
(2)クエン酸ナトリウム 0.2
(3)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)液 0.5
(4)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(5)グリセリン 3.0
(6)1,3−ブチレングリコール 8.0
(7)精製水 残量
(8)エタノール 10.0
(9)製造例1のマタタビ抽出物 2.0
(10)香料 適量
(11)防腐剤 適量
(12)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
[実施例4:乳液(水中油型)]
(製法)
A.下記成分(1)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.下記成分(14)〜(19)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に下記成分(20)を加え混合する。
D.Cを冷却し、下記成分(21)を加え混合し、乳液を得た。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 1.0
(2)セタノール 0.5
(3)モノステアリン酸グリセリン 0.5
(4)流動パラフィン 2.0
(5)スクワラン 3.0
(6)ホホバ油 3.0
(7)パルミチン酸セチル 0.2
(8)パルミチン酸レチノール 0.2
(9)酢酸トコフェロール 0.05
(10)防腐剤 適量
(11)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(12)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(13)ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
(14)トリエタノールアミン 0.5
(15)1,3−ブチレングリコール 15.0
(16)グリセリン 3.0
(17)ポリエチレングリコール6000 0.5
(18)製造例1のマタタビ抽出物 2.0
(19)精製水 残量
(20)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 8.0
(21)香料 適量
[実施例5:軟膏]
(製法)
A.成分(3)、(4)、(7)及び(8)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B.成分(1)、(2)、(6)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AをBに徐々に加える。
D.Cを冷却しながら(8)の残部で溶解した(5)を加え、軟膏を得た。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 15.0
(2)セタノール 7.0
(3)トリエタノールアミン 2.0
(4)グリセリン 7.0
(5)製造例1のマタタビ抽出物 1.0
(6)グリチルレチン酸ステアリル 0.5
(7)D−パンテノール 1.0
(8)精製水 残量
[実施例6:クリーム]
(製法)
A.下記成分(1)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.下記成分(15)〜(20)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に下記成分(21)を加え混合する。
D.Cを冷却し、下記成分(22)を加え混合し、クリームを得た。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 2.5
(2)セタノール 2.5
(3)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)ワセリン 2.0
(5)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 2.0
(6)ミリスチン酸イソトリデシル 5.0
(7)流動パラフィン 8.0
(8)スクワラン 5.0
(9)ミツロウ 1.0
(10)パルミチン酸セチル 2.0
(11)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(12)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.5
(13)コエンザイムQ10 0.3
(14)防腐剤 適量
(15)トリエタノールアミン 1.2
(16)1,3−ブチレングリコール 8.0
(17)グリセリン 2.0
(18)ポリエチレングリコール20000 0.5
(19)製造例1のマタタビ抽出物 0.01
(20)精製水 残量
(21)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 10.0
(22)香料 適量
[実施例7:油中水型日焼け止めクリーム]
(製法)
A.下記成分(1)〜(8)を70℃で加熱混合した。
B.下記成分(9)〜(12)及び(14)〜(15)を50℃で加温混合した。
C.AにBを加えて乳化し、冷却後(13)を添加して油中水型日焼け止めクリームを得た。
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(注1) 2.0
(2)パルミチン酸オクチル 15.0
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
(4)トリベヘン酸グリセリル 1.0
(5)微粒子酸化亜鉛 12.0
(6)微粒子酸化チタン 3.0
(7)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(注2) 7.0
(8)4−tertブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン
(注3) 1.0
(9)ジプロピレングリコール 5.0
(10)エタノール 5.0
(11)ポリエチレン末 3.0
(12)防腐剤 適量
(13)香料 適量
(14)製造例1のマタタビ抽出物 0.1
(15)精製水 残量
(注1)KF−6017(信越化学工業社製)
(注2)ユビナールMC80(BASF社製)
(注3)PARSOL 1789(L.C.UNITED社製)
[実施例8:パック化粧料]
(製法)
A.下記成分(1)〜(6)及び(15)を70℃で加熱混合し、室温まで冷却する。
B.Aに下記成分(7)〜(14)を添加混合してパック化粧料を得た。
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)グリセリン 10.0
(3)ポリオキシエチレンメチルグルコシド 3.0
(4)トリオクタン酸グリセリル 5.0
(5)グリチルレチン酸ステアリル 0.1
(6)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム 1.0
(7)エタノール 20.0
(8)カオリン 2.0
(9)酸化チタン 2.0
(10)乳酸(50%水溶液) 0.5
(11)乳酸ナトリウム(50%水溶液) 0.5
(12)防腐剤 適量
(13)香料 適量
(14)製造例2のマタタビ抽出物 0.2
(15)精製水 残量
[実施例9:リキッドファンデーション]
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を70℃で加熱混合し、この混合物に下記成分(13)〜(18)を加えて混合し70℃に保つ。
B.下記成分(8)〜(12)を70℃で加熱混合する。
C.BにAを加えて乳化し、冷却後、下記成分(19)〜(20)を添加してリキッドファンデーションを得た。
(成分) (%)
(1)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 2.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)ステアリン酸 2.0
(4)セトステアリルアルコール 1.0
(5)モノステアリン酸グリセリル 1.0
(6)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8.0
(7)防腐剤 適量
(8)グリセリン 5.0
(9)トリエタノールアミン 1.0
(10)カルボキシメチルセルロース 0.2
(11)ベントナイト 0.5
(12)精製水 残量
(13)酸化チタン 6.0
(14)微粒子酸化チタン 2.0
(15)微粒子酸化亜鉛 4.0
(16)マイカ 2.0
(17)タルク 4.0
(18)着色顔料 適量
(19)製造例2のマタタビ抽出物 1.0
(20)香料 適量
上記で調製した種々の化粧料又は皮膚外用剤は、皮膚に適用することにより、肌のしわやたるみを改善し、ハリのある美しい肌にする、老化防止効果にすぐれたものであった。

Claims (1)

  1. マタタビ科マタタビ属マタタビ(Actinidiaceae Actinidia polygama)の果実より抽出されたマタタビ抽出物を有効成分とするエラスターゼ活性阻害剤。
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