JP2011195431A - カーボンナノチューブのより簡便な分離回収方法 - Google Patents

カーボンナノチューブのより簡便な分離回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 CNT含有ゲル、又はCNT分散液とゲルを用い、物理的分離手段により処理することによって、半導体型CNTをゲル中に、金属型CNTを溶液中に存在させて、金属型CNTと半導体型CNTを分離する方法において、ゲルに吸着した半導体CNTを、ゲルを溶かすことなく、より簡便な方法で回収する方法を提供する
【解決手段】CNT含有ゲル、又はCNT分散液とゲルを用い、遠心分離法、凍結圧搾法、拡散法、又は浸透法などの物理的分離手段により処理することによって、半導体型CNTをゲル中に、金属型CNTを溶液中に存在させて、金属型CNTと半導体型CNTを分離し、さらに、半導体型CNTが吸着しているゲルに適当な溶出液を作用させることで、ゲルから半導体CNTを溶出させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ(CNT)から両者を効率的に分離・回収する方法に関し、特に、分離後のゲルに吸着したカーボンナノチューブ(CNT)を回収する方法に関する。
CNTはその電気的特性や機械的強度など優れた性質を持ち、究極の新素材として研究開発が精力的に行われている。このCNTは、レーザー蒸発法、アーク放電法、及び化学気相成長法(CVD法)などの種々の方法で合成されている。しかし、現状ではいずれの合成方法を用いても、金属型CNTと半導体型CNTの混合物の形態でしか得られていない。
実使用においては、金属型又は半導体型のいずれか一方の性質のみを用いることが多いため、CNT混合物から金属型、又は半導体型のCNTのみを分離精製するための研究は、至急に解決することが迫られている重要なものである。
金属型CNTと半導体型CNTを分離する報告は既にあるが、いずれも産業的に金属型CNTと半導体型CNTを生産する上で問題点を含んでいる。問題点は以下のようにまとめることができる。(1)複雑な工程を経るため自動化ができないこと、(2)長時間を要すること、(3)大量処理ができないこと、(4)高価な設備や薬品を必要とすること、(5)金属型CNTと半導体型CNTのどちらか一方しか得られないこと、(6)回収率が低いこと、などである。
例えば、界面活性剤で分散したCNTを微小電極上で誘電泳動する方法(非特許文献1)や、溶媒中でアミン類を分散剤に用いる手法(非特許文献2、3)、過酸化水素によって半導体型CNTを選択的に燃やす方法(非特許文献4)などがあるが、これらは、前記問題点の中でも、特に、得られる最終物質が金属型CNTのみに限定され、その回収率が低いという問題点が解決されていない。
半導体型CNTと金属型CNTとの混合物を液体中に分散させ、金属型CNTを粒子と選択的に結合させ、粒子と結合した金属型CNTを除去して半導体型CNTを分離する方法(特許文献1)、CNTをニトロニウムイオン含有溶液で処理した後、濾過および熱処理してCNTに含有する金属型CNTを除去し、半導体型CNTを得る方法(特許文献2)、硫酸及び硝酸を用いる方法(特許文献3)、電界を印加してCNTを選択的に移動分離し、電気伝導率範囲を絞った半導体型CNTを得る方法(特許文献4)などがある。
これらは、前記問題点の中でも、特に、得られる最終物質が半導体型CNTのみに限定され、その回収率が低いという問題点が解決されていない。
界面活性剤で分散したCNTを、密度勾配超遠心分離法により、金属型CNTと半導体型CNTに分離する方法がある(非特許文献5)。この方法では超遠心分離機という非常に高価な機器を用いること、超遠心分離操作が長時間を要すること、超遠心分離機自体の大型化は限界があり、並列して超遠心分離機を複数設置することとなり、自動化などの処理が難しいことといった問題点があった。
核酸分子に結合されたCNTからなるCNT−核酸複合体を製造し、イオン交換クロマトグラフィーにより分離する方法がある(特許文献5)。しかし、高価な合成DNAが必要であることや、分離精度があまり高くないため回収率や純度が良くないといった問題点がある。
また、界面活性剤で分散したCNT溶液のpHやイオン強度を調節することで、CNTの種類によって異なる程度のプロトン化を生じさせ、電場をかけることで金属型と半導体型とを分離しようとする報告があるが(特許文献6)、この方法では、分離に先立って、懸濁したナノチューブ混合物のpHやイオン強度を、強酸を用いて前処理する工程を必要とし、またそのための厳密な工程管理を余儀なくされる上、最終的には金属型と半導体型のCNTの分離は達成されていない(特許文献6 実施例4)。
又、イオン液体を用いてCNT自体をゲル化することが知られているが(特許文献7、特許文献8)、これらは、CNTの分散性の向上やCNTの加工のために、CNT自体のゲルを得ることが目的であり、この点にとどまるものである。
前記したとおり、従来の方法は、いずれも前記した問題点を克服できるものになっておらず、新しい考え方に基づくCNTから金属型CNTと半導体型CNTを分離する方法の開発が望まれていた。
本発明者らは、従来の方法とは相違する新規な金属型CNT及び半導体CNT分離方法に着手し、以下の発明を完成させた(特許文献9、10)。その発明は、あらかじめCNTをゲル中に分散・孤立化した状態の「CNT含有ゲル」にして、このCNT含有ゲルに電場にかけてゲル電気泳動を行うと、半導体型のCNTは元のゲルに吸着したまま全く移動せず、金属型のCNTのみが移動して、半導体型CNTと金属型CNTが分離できるというものである。この方法は、金属型CNTと半導体型CNTの両方が得られる上に、高い回収率で、短時間で分離が可能で、なおかつ、安価な設備で、簡便に、大量処理も可能な非常に優れたものである(特許文献9)。
上記手法では、CNT含有ゲルに対して電場をかけるという電気的分離手段を用いて金属型CNTと半導体型CNTの分離を達成したが、さらに、電気的分離手段と異なる物理的分離手段を適用することによっても分離が可能であることを発見した(特許文献10)。例えば、CNT含有ゲルを遠心分離にかけると、ゲルが押しつぶされ、搾り出された溶液と、ゲル残渣に分離される。この時、金属型CNTは溶液画分に、半導体型CNTはゲル画分に分配される。本手法は、電気泳動法よりもさらに簡便な設備で分離することが可能であり、大量分離に向けた大型化や自動化が容易にできる。
しかしながら、この方法では、ゲルに吸着したCNTを、様々な目的に利用するためにはゲルから取り出して回収する必要がある。これまでは、ゲルに吸着したCNTからゲルを取り除くために、加熱してゲルを溶かした後、遠心分離によって、CNTの沈澱と溶けたゲルを含む上澄みとに分離する操作を繰り返し、さらに、CNTに微量に残るゲルを完全に取り除くために、酸を含む溶液中で加温して分解するという操作を繰り返す必要があり、非常に煩雑であった(非特許文献6)。
特開2007−31238号公報 特開2005−325020号公報 特開2005−194180号公報 特開2005−104750号公報 特開2006−512276号公報 特開2005−527455号公報 特開2004−142972号公報 特開2006−282418号公報 特開2008−285387号公報 特願2007−318302
Advanced Materials 18, (2006) 1468-1470 J. Am. Chem. Soc. 127, (2005) 10287-10290 J. Am. Chem. Soc. 128, (2006) 12239-12242 J. Phys. Chem. B 110, (2006) 25-29 Nature Nanotechnology 1, (2006) 60-65 Nano Letters 9, (2009) 1497-1500
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、CNT含有ゲル、又はCNT分散液とゲルを用い、これを物理的分離手段により処理することによって、半導体型CNTをゲル中に、金属型CNTを溶液中に存在させて、金属型CNTと半導体型CNTを分離する方法において、ゲルに吸着した半導体CNTを、ゲルを溶かすことなく、より簡便な方法で回収する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため検討を重ねたところ、CNT含有ゲル、又はCNT分散液とゲルを用い、これを物理的分離手段により処理することによって、半導体型CNTをゲル中に、金属型CNTを溶液中に存在させて、金属型CNTと半導体型CNTを分離する方法において、さらに、半導体型CNTが吸着しているゲルに適当な溶出液を作用させることで、煩雑な工程を経ずに当該ゲルから半導体型CNTを溶出させることができること、すなわち、回収できることを見出した(図1)。なお、ここで言う「物理的分離手段」とは、遠心分離(図1A)や凍結・解凍後に圧搾(図1B)などの力学的負荷を与えるものに加えて、拡散(図1C)や浸透・吸着(図1D)といった物質の移動現象を利用するものや、ゲルと溶液の混合物から溶液のみを取り出す操作も含む。本発明の分離原理は、金属型CNTと半導体型CNTでは界面活性剤とゲルに対する相互作用が異なり、ゲルと相互作用の強い半導体型CNTがゲル中に、界面活性剤と相互作用の強い金属型CNTが溶液中に分離されるというものであると考えられる。
本発明はかかる新規な知見に基づいてなされたものである。
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
〈1〉カーボンナノチューブ含有ゲルを、遠心分離機により遠心分離し、遠心分離によりゲルから溶出した溶液中に金属型カーボンナノチューブを含む溶液画分と、遠心分離により圧縮されたゲル中に半導体型カーボンナノチューブを含むゲル画分とを得たあと、両者を分離し、さらに、前記分離後の前記ゲル画分に溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離回収する方法(図1A参照)。
〈2〉カーボンナノチューブ含有ゲルを凍結した後、解凍して得られるゲルを圧搾し、ゲルから溶出した溶液中に金属型カーボンナノチューブ含む溶液と、圧搾されたゲル中に半導体型カーボンナノチューブを含むゲルとに分離し、さらに、前記分離後の前記ゲルに溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離回収する方法(図1B参照)。
〈3〉カーボンナノチューブ含有ゲルを溶液中に浸漬し、ゲル中より溶液中に金属型カーボンナノチューブを拡散、溶出させて得られる金属型カーボンナノチューブを含む溶液と、半導体型カーボンナノチューブを含むゲルを得た後、両者を分離し、さらに、前記分離後の前記ゲルに溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離回収する方法(図1C参照)。
〈4〉ゲルとカーボンナノチューブ分散液とを混合して、ゲル中に半導体型カーボンナノチューブを浸み込ませ、溶液中に金属型カーボンナノチューブを濃縮させて、カーボンナノチューブ含有ゲルから金属型カーボンナノチューブを含む溶液を取り出し分離し、さらに、前記溶液を分離した後の前記ゲルに溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離回収する方法(図1D-1参照)。
〈5〉ゲルにカーボンナノチューブ分散液を通過させて、ゲルに半導体型カーボンナノチューブを吸着させ、未吸着の金属型カーボンナノチューブを溶出させ分離し、さらに、前記溶液を分離した後の前記ゲルに溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離回収する方法(図1D-2参照)。
〈6〉前記、半導体型カーボンナノチューブをゲルから溶出させる溶出工程において、溶出液は分離に用いた界面活性剤とは別の種類の界面活性剤を含むことを特徴とする〈1〉〜〈5〉のいずれか1項に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
〈7〉前記、溶出液に含まれる界面活性剤は、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、Tween-20、又はTritonX-100であることを特徴とする〈6〉に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
〈8〉前記、半導体型カーボンナノチューブをゲルから溶出させる溶出工程において、溶出液は分離に用いた界面活性剤と同じ種類の界面活性剤を含むことを特徴とする〈1〉〜〈5〉のいずれか1項に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
〈9〉前記、溶出液に含まれる界面活性剤は、分離に用いた界面活性剤よりも高い濃度であることを特徴とする請求項8に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
〈10〉前記カーボンナノチューブ含有ゲルは、予め界面活性剤を用いてカーボンナノチューブを分散可溶化し、次に超音波処理を行い、カーボンナノチューブを分散・孤立化させた状態でカーボンナノチューブをゲル中に含ませたものであることを特徴とする〈1〉〜〈3〉記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離回収する方法。
〈11〉前記カーボンナノチューブ分散液は、予め界面活性剤を用いてカーボンナノチューブを分散可溶化し、次に超音波処理を行い、カーボンナノチューブを分散・孤立化させた状態にあることを特徴とする〈4〉又は〈5〉記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
〈12〉前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤または両性界面活性剤であることを特徴とする〈10〉又は〈11〉記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
〈13〉前記陰イオン界面活性剤は、アルキル硫酸塩、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルサルコシンナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、又はコール酸ナトリウムであることを特徴とする〈12〉記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
〈14〉前記アルキル硫酸塩は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、又はテトラデシル硫酸ナトリウムであることを特徴とする〈13〉記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
〈15〉前記両性界面活性剤は、n-ドデシルホスホコリンであることを特徴とする〈12〉に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
本発明によれば、ゲルに吸着したCNTを、ゲルを溶かすことなくCNTを回収することができる。これにより、ゲルに吸着したCNTから、簡便にCNTのみを回収できるようになる。また、ゲルをそのまま再利用することが可能となるだけでなく、ゲルへの吸着と脱離を連続的に繰り返し行うことが可能となり、分離の簡略化・自動化に繋がり、分離コストを大幅に縮小することが可能となる。CNTから金属型CNTと半導体型CNTを分離する実効性のある方法ということができる。
ゲルを用いた金属型CNTと半導体型CNTの物理的分離手段を示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例1、Hipco-CNT)の光吸収スペクトルを示す図。点線:分離前、細線:未吸着画分、太線:吸着画分 遠心分離法で分離したCNT(実施例2、Arc-CNT)の光吸収スペクトルを示す図。点線:分離前、細線:未吸着画分、太線:吸着画分 凍結圧搾法で分離したCNT(実施例3、Arc-CNT)の光吸収スペクトルを示す図。点線:分離前、細線:未吸着画分、太線:吸着画分 拡散法で分離したCNT(実施例4、Hipco-CNT)の光吸収スペクトルを示す図。点線:分離前、細線:未吸着画分、太線:吸着画分 拡散法で分離したCNT(実施例5、Arc-CNT)の光吸収スペクトルを示す図。点線:分離前、細線:未吸着画分、太線:吸着画分 浸透法(回分法)で分離したCNT(実施例6-(1)、Hipco-CNT)の光吸収スペクトルを示す図。点線:分離前、細線:未吸着画分、太線:吸着画分 浸透法(連続法)で分離したCNT(実施例6-(2)、Hipco-CNT)の光吸収スペクトルを示す図。(左)デオキシコール酸ナトリウム(DOC)を溶出に用いた結果。点線:分離前、細線:未吸着画分、太線:吸着画分。(右)各種界面活性剤を溶出に用いた吸着画分の結果。上から、DOC、コール酸ナトリウム(SC)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)、Tween-20、TritonX-100の順。 浸透法(連続法)でグラジエント溶出によって分離した結果。(A)クロマトグラム。CNTの検出には、波長256nmの紫外光を用いた。(B-D)光吸収スペクトル。未分離のCNTのスペクトルは点線で表示してある。 カラムを用いた分離で溶出液濃度を段階的に変化させた時のフラクションの光吸収スペクトル。a〜dは0.05%DOCで溶出させた時の1,3,6,9番目のフラクション(F1、F3、F6、F9)。e:0.1%DOC溶出フラクション、f:0.25%DOC溶出フラクション、g:0.5%DOC溶出フラクション、h:2%DOC溶出フラクション。 蛍光スペクトル測定の結果。励起波長(縦軸)に対する蛍光波長(横軸)の蛍光強度を等高線図で示してある。色の濃い背景に対して、明るくみえるスポット、さらに色濃く見えるスポットの色の濃さの順に強度が強くなることを示している(図右のスケールを参照)。主要なスポットには脇にカイラル指数を示している。a〜hの記号は、図10と対応。 浸透法(連続法)で、溶出液にSDS水溶液を用いて分離したCNT(実施例9、Hipco-CNT)の光吸収スペクトルを示す図。2%SDS水溶液を用いて溶出した後、5%SDS水溶液を用いて溶出した結果。点線:分離前、細線:未吸着画分、灰色太線:2%SDS溶出画分、黒太線:5%SDS溶出画分
本発明は、金属型CNTと半導体型CNTを含む混合物(以下単にCNTとも言う)を対象にし、金属型CNTと半導体型CNTに分離・回収する方法に関するものである。
分離に使用するCNTは、製造方法や形状(直径や長さ)あるいは構造(単層、二層など)について問題とされることなく、いずれも本発明の金属型CNTと半導体型CNTの分離の対象とすることができる。
一般的に、CNTの構造は(n,m)と言う2つの整数の組からなるカイラル指数により一義的に定義される。本発明でいう、金属型CNTと半導体型CNTとは、カーボンナノチューブをその電気的性質から分けたものであり、金属型CNTは、カイラル指数がn-m=(3の倍数)となるものであり、半導体型CNTは、それ以外の(n-m=3の倍数でない)ものと定義される(非特許文献6 齋藤理一郎、篠原久典 共編「カーボンナノチューブの基礎と応用」培風館、p13〜22、)。
[CNT分散液の調製について]
合成されたCNTは通常、金属型CNTと半導体型CNTの両方を含む数十から数百本の束(バンドル)になっている。金属型CNTと半導体型CNTの分離に先立って、一本ずつに孤立した状態のCNTとして分散可溶化して、長時間安定に存在させておくことが肝要である。
そこで、金属型CNT及び半導体型CNTからなる混合物を、分散剤として界面活性剤を添加した溶液に加え、十分に超音波処理を行うことにより、CNTを分散・孤立化させる。この分散処理を施した液には、分散・孤立化したCNTと、分散・孤立化できずにバンドルを形成したままのCNT、合成副産物であるアモルファスカーボンや金属触媒などが含まれる。
超音波処理後に得た分散液を遠心分離機より遠心分離することにより、バンドルのままのCNTやアモルファスカーボン、金属触媒は沈殿し、一方、界面活性剤とミセルをなした孤立CNTは上清として回収できる。得られた上清が金属型CNTと半導体型CNTの分離に使用する試料となる。
CNT分散液の調製に用いる溶媒としては、水が最も好ましい。この点からCNT分散液の調製には水が使用される。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤のいずれもが使用できる。
陰イオン界面活性剤では、アルキル硫酸塩などのアルキル硫酸系で炭素数が10〜14のものや、ドデカンスルホン酸、ドデカノイルサルコシン、ドデカン酸、コール酸やこれらの塩、例えば、ナトリウム塩などが好ましい。アルキル硫酸塩は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウムなどが例示される。両性界面活性剤では、n-ドデシルホスホコリンなどが好ましい。これらの界面活性剤は混合して使用することができ、また、他の界面活性剤と併用することもできる。
併用される界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤の他、高分子ポリマー、DNA、タンパク質などの分散剤でも良い。界面活性剤などの分散剤の濃度については、使用するCNTの種類や濃度、使用する分散剤の種類などによって異なるが、通常、終濃度で0.01%〜25%とすることができる。
この方法により、分散液中のCNTの濃度を1μg/ml〜10mg/ml、好ましくは、0.1mg/ml〜1mg/mlとすることができる。
[用いるゲルについて]
CNT含有ゲルに使用するゲルを構成する物質は、従来公知のアガロース、アクリルアミド、デンプンなどであり、これらをゲル化して得られるアガロースゲル、アクリルアミドゲル、デンプンゲルなどのゲルとして用いる。金属型CNT及び半導体CNTを含んだゲル内での挙動の差を利用するうえで、前記の物質は好ましい結果が得られるので、この点で推奨できる。
CNT含有ゲルのゲル濃度については、通常、終濃度で0.01%〜25%とするのがよい。
CNTをゲル中に分散させた状態の「CNT含有ゲル」を調製する工程としては、CNT分散液とアガロースなどのゲルの溶解液を混合した後、冷却しゲル化する方法、ゲルあるいは乾燥したゲルをCNT分散液に浸すことによりCNTをゲル内に浸透させる方法、ゲルにCNT分散液を電気的に導入する方法や、CNT分散液とアクリルアミドを混合し重合開始剤の添加によりゲル化する方法、などがある。CNTをゲルに導入する方法は、これらの方法以外であっても他の公知の方法を適宜使用することができる。
本発明の金属型CNTと半導体型CNTの分離回収方法は、前述のようにして得られるCNT含有ゲルを用い、物理的分離手段により金属型CNTと半導体型CNTを分離し、さらに半導体型カーボンナノチューブを含有するゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させる(回収する)ものである。
本発明に用いられる物理的分離手段には、(A)遠心分離法、(B)凍結圧搾法、(C)拡散法、及び(D)浸透法があり、それぞれの手法を適宜、組み合わせることもできる。
以下、本発明について、各方法に記載する。
(A) 遠心分離法を用いる方法(図1A)
遠心分離機を用いて、CNT含有ゲルに重力の約10〜10倍の遠心力を加えてゲルを圧搾し、ゲルから溶出した溶液中に金属型CNTを含む溶液画分と、圧縮されたゲル中に半導体型CNTを含むゲル画分を得た後、両者を分離し、さらに、半導体型CNTが吸着しているゲルに適当な溶出液を作用させることで、当該ゲルから半導体型CNTを溶出させる。
CNT含有ゲルを遠心にかける際の遠心加速度は、状況に応じ選択すれば良いが、たとえば、10×g〜10×g程度である。また、温度についても状況に応じ選択すれば良いが、たとえば、4〜30℃程度である。
ゲルから溶出した溶液中に金属型CNTを含む溶液画分と、圧縮されたゲル中に半導体型CNTを含むゲル画分とに分離する割合は、使用するゲル濃度や遠心分離の時間や重力加速度によって異なるが、例えば、0.4%アガロースゲルを含むCNT含有ゲル0.4mlを16,000×gで遠心分離を行った際には、1時間後に溶液画分が0.27mlでゲル画分が0.13ml、2時間後に溶液画分が0.30mlでゲル画分が0.10ml、3時間後に溶液画分が0.32mlでゲル画分が0.08ml程度となる結果を得ている。
(B) 凍結圧搾法を用いる方法(図1B)
CNT含有ゲルを凍結した後、解凍したゲルを圧搾し、ゲルから溶出した溶液中に金属型CNT含む溶液と、圧縮されたゲル中に半導体型CNTを含むゲルとに分離し、さらに、半導体型CNTが吸着しているゲルに適当な溶出液を作用させることで、当該ゲルから半導体型CNTを溶出させる。
ゲルは凍結・解凍の工程により網目構造が変化し、この状態であれば指でつまむ程度の力でゲルから液体部分を絞り出すことができ、遠心分離機を用いずに、金属型CNTと半導体型CNTに分離できる。
CNT含有ゲルを凍結・解凍する温度は具体的には、凍結温度は-80℃〜-20℃程度であり、解凍温度は室温(15℃〜25℃)程度である。
圧搾は、凍結解凍したゲルをラップなどに取り出して、直接力を押しつけて搾ったり、場合によっては、指でつまんで搾ったり、又は、容器のまま遠心分離機にかけて遠心力により圧搾することができる。
ゲルから溶出した金属型CNTを含む溶液と、圧縮された半導体型CNTを含むゲルの割合は、使用するゲル濃度などの条件により異なるが、容積比で3:1程度のものが得られる。
(C) 拡散法を用いる方法(図1C)
CNT含有ゲルを溶液中に浸漬し、ゲル中より溶液中に金属型CNTを拡散、溶出させることができるので、この特性利用して金属型CNTを含む溶液と半導体型CNTを含むゲルとに分離し、さらに、半導体型CNTが吸着しているゲルに適当な溶出液を作用させることで、当該ゲルから半導体型CNTを溶出させる。
CNT含有ゲルを浸漬する溶液としては、例えば、アルキル硫酸塩の水溶液など、前記界面活性剤を添加した溶液が用いられる。
CNT含有ゲルと溶液の割合は、CNTの濃度などによって異なるが、たとえば、等量から10倍量程度である。
溶出にかかる時間は、使用するゲルの濃度や大きさによって異なるが、例えば30分から20時間程度である。
(D)−1 浸透法(回分法)を用いる方法(図1D−1)
ゲルを、CNT分散液に浸漬することにより、半導体型CNTをゲル中に選択的に取り込んだゲルと、残された金属型CNTを含む分散液とを得た後、両者を分離し、さらに、半導体型CNTが吸着しているゲルに適当な溶出液を作用させることで、当該ゲルから半導体型CNTを溶出させる。
半導体型CNTをゲル中に選択的に取り込む浸透の過程で、分散しているCNTが凝集を起こさないように、ゲル中に界面活性剤を添加することができる。
ゲルの濃度や組成などはCNT含有ゲルの組成からCNTを除いたものと同等のものでよい。
ゲルとCNT分散液の割合は、等量から10倍量程度である。
浸透にかかる時間は、使用するゲルの濃度や大きさによって異なるが、例えば30分から20時間程度である。
(D)−2 浸透法(連続法)を用いる方法(図1D−2)
ゲルにCNT分散液を通過させて、ゲルに半導体型CNTを浸透・吸着させ、未吸着の金属型CNTを溶出させ分離し、さらに半導体型CNTが吸着しているゲルに適当な溶出液を通過させて半導体型CNTを脱着して溶出させる。
半導体型CNTをゲル中に選択的に取り込む浸透・吸着の過程で、分散しているCNTが凝集を起こさないように、ゲル中にあらかじめ界面活性剤を添加することができる。
ゲルの濃度や組成などはCNT含有ゲルの組成からCNTを除いたものと同等のものでよい。
ゲルへの吸着と脱着を効率的に行うために、ゲルの大きさを小さくし、有効表面と有効体積を大きくすると分離時間を短縮できる。浸透・吸着・脱着にかかる時間は、使用するゲルの濃度や大きさによって異なるが、数秒程度でも良い。
上記の方法において、ゲルに吸着したCNTを脱離させる操作(図1、点線で囲んである部分)は、脱離が効果的に進むよう、ゲルを小さくしたものを用いることが好ましい。
また、脱離に用いる溶出液は、分離に用いた界面活性剤とは別の種類の界面活性剤を含む溶液が望ましい。溶出液に含まれる界面活性剤の具体例としては、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、Tween-20、TritonX-100などが例示される。脱離に用いる溶出液は、分離に用いた界面活性剤と同一の種類の界面活性剤を含む溶液を用いてもよい。例えば、SDSが例示される。この場合、分離に用いる溶出液に含まれる界面活性剤の濃度は、分離に用いた界面活性剤よりも高いことが望ましい。なお、分離に用いた界面活性剤とは、上記CNT分散液の調製に用いた界面活性剤である。
金属型CNTと半導体型CNTの比率を見積もるために紫外-可視-近赤外光吸収スペクトル測定を利用する。
HiPco法で合成したCNT(HiPco-CNT、直径1.0±0.3nm)を用いた時の結果を例として説明する(図2)。M1と呼ばれる吸収波長帯(およそ450-650nm)は金属型CNTによるものである。S1(およそ900nm以上)、S2(およそ650-900nm)とS3(およそ450nm以下)という3つ吸収波長帯は、半導体型CNTによるものである。ここでは、M1とS2のピークの大きさの比率から金属型CNTと半導体型CNTの比率を見積もる。測定するCNTの平均直径によって吸収波長帯(M1、S1、S2、S3)は変化する。平均直径が細くなるにつれて短波長側に、平均直径が太くなるにつれて長波長側にシフトしていく。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明がこれに制限されるものではない。
〈実施例1〉
CNT含有ゲルを遠心分離することによって、ゲルに吸着したCNTと溶出したCNT溶液に分離した後、ゲルに吸着したCNTをDOC水溶液で脱着し回収した。
[CNT分散液の調製]
6mgのHipco-CNT(CNI社、化学気相成長法で合成されたCNT、直径1.0±0.3nm)に、2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液(20ml)を加えた。その溶液をチップ型超音波破砕機(VP-15、タイテック社製、チップ先端径:12mm)を用いて、冷水中で冷却しながら、出力3で4時間超音波処理した。
超音波処理よって得られた分散液を、超遠心分離(415,000×g、15分、22℃)にかけた後、上清を80%回収した。
[CNT含有ゲルの調製]
0.6%となるように低融点アガロースを水に加え、電子レンジで完全に溶かしたものと、上記のCNT分散液をそれぞれ等量(0.5ml)ずつマイクロチューブ(容量1.5ml)中で手早く混合した(アガロースの終濃度は0.3%)。混合液を室温で放置冷却し、ゲル化させることにより、CNT含有ゲルを調製した。
[遠心分離法による分離]
上記で得られたCNT含有ゲルを遠心分離機にかける(16,000×g、1時間、25℃)。遠心分離によって、ゲルが圧縮されマイクロチューブの底部に集まり、上部には溶液が溶出した。この溶液には、ゲルに未吸着のCNTが含まれている(未吸着画分)。
[ゲルに吸着したCNTの溶出]
分離後のCNTが吸着したゲルは、細かく砕いた後、1%SDS水溶液で洗浄した後、溶液を取り除いた。洗浄後のゲルには、まだCNTが吸着し残っていた。このゲルに1%デオキシコール酸ナトリウム(DOC)水溶液を1ml加え、緩やかに撹拌することで、溶液にCNTが脱離し、回収することができた(吸着画分)。
[光吸収スペクトル測定]
回収した、未吸着画分と吸着画分の溶液は、1%SDS水溶液(又は、純水)で適宜希釈した後、光吸収スペクトルを測定した。測定の結果を図2に示す。図中、「点線」、「細線」及び「太線」は、それぞれ、分離前、未吸着画分、及び吸着画分の各スペクトルを示す。
分離前のCNT分散液のスペクトルの半導体型CNTの吸収(S2)と金属型CNTの吸収(M1)の比率に比べ、分離後の未吸着画分のスペクトルでは金属型CNTのM1の割合が顕著に増加しており、金属型CNTの分離が確認できた。逆に、吸着画分では半導体型CNTの吸収(S2)の割合が増加しており、半導体型CNTの分離が確認できた。
以上の結果は、溶出液にDOCを用いれば、ゲルを溶かすことなくゲルに吸着したCNTを脱着して回収できることを明確に示している。
〈実施例2〉
実施例1と同様の実験を、異なる種類のCNT(Arc-CNT、名城ナノカーボン社、直径1.4±0.1nm)を用いて、ゲルに吸着したCNTと溶出したCNT溶液に分離した後、ゲルに吸着したCNTをDOC水溶液で脱着し回収した。
未吸着画分と吸着画分の光吸収スペクトル測定の結果を図3に示す。図中、「点線」、「細線」及び「太線」は、それぞれ、分離前、未吸着画分、及び吸着画分の各スペクトルを示す。本実施例は、異なる種類のCNTを用いても、ゲルを溶かすことなくゲルに吸着したCNTを脱着して回収できることを明確に示している。
〈実施例3〉
CNT含有ゲルを凍結-解凍-圧搾することによって、ゲルに吸着したCNTと溶出したCNT溶液に分離した後、ゲルに吸着したCNTをDOC水溶液で脱着し回収した。
[遠心分離法による分離]の代わりに[凍結圧搾法による分離]を行う他は、実施例2と同様の手順を行った。
[凍結圧搾法による分離]
上記で得られたCNT含有ゲルを-20℃で1時間凍結した後、室温で解凍し、遠心分離(16,000×g、5分、25℃)により、ゲルから搾り出されたCNTを含む溶液(未吸着画分)とゲルに分離した。
未吸着画分と吸着画分の光吸収スペクトル測定の結果を図4に示す。図中、「点線」、「細線」及び「太線」は、それぞれ、分離前、未吸着画分、及び吸着画分の各スペクトルを示す。本実施例は、凍結圧搾法によって分離した後も、ゲルを溶かすことなくゲルに吸着したCNTを脱着して回収できることを明確に示している。
〈実施例4〉
CNT含有ゲルを溶出液に浸漬することによって、ゲルに吸着したCNTと溶出したCNT溶液に分離した後、ゲルに吸着したCNTをDOC水溶液で脱着し回収した。
実施例1と同様の手順で、[遠心分離法による分離]の代わりに[拡散法による分離]を行った。
[拡散法による分離]
上記で得られたCNT含有ゲルを細かく砕いた後、0.5ml程度を別の容器に移した。そこに1%SDS水溶液を0.5ml添加し、1時間緩やかに撹拌した。軽く遠心し、ゲルから拡散よってしみ出したCNTを含む溶液(未吸着画分)とゲルに分離した。
[ゲルに吸着したCNTの溶出]
分離後のCNTが吸着したゲルは、1%SDS水溶液を0.5ml添加し、1時間緩やかに撹拌し洗浄した。洗浄後のゲルには、まだCNTが吸着し残っていた。このゲルに1%DOC水溶液を0.5ml加え、緩やかに撹拌することで、溶液にCNTが脱離し、回収することができた(吸着画分)。
未吸着画分と吸着画分の光吸収スペクトル測定の結果を図5に示す。図中、「点線」、「細線」及び「太線」は、それぞれ、分離前、未吸着画分、及び吸着画分の各スペクトルを示す。本実施例は、拡散法によって分離した後も、ゲルを溶かすことなくゲルに吸着したCNTを脱着して回収できることを明確に示している。
〈実施例5〉
実施例4と同様の拡散法による分離を、異なる種類のCNT(Arc-CNT、名城ナノカーボン社、直径1.4±0.1nm)を用いて、ゲルに吸着したCNTと溶出したCNT溶液に分離した後、ゲルに吸着したCNTをDOC水溶液で脱着し回収した。
未吸着画分と吸着画分の光吸収スペクトル測定の結果を図6に示す。図中、「点線」、「細線」及び「太線」は、それぞれ、分離前、未吸着画分、及び吸着画分の各スペクトルを示す。本実施例は、異なる種類のCNTを用いても、ゲルを溶かすことなくゲルに吸着したCNTを脱着して回収できることを明確に示している。
〈実施例6〉
(1)[浸透法による分離−回分法]
CNTを含まないアガロースゲルをCNT分散液に浸漬することによって、ゲルに吸着したCNTと吸着しないCNT溶液に分離した後、ゲルに吸着したCNTをコール酸ナトリウム(SC)水溶液で脱着し回収した。
マイクロチューブ中で、2%アガロースからなるゲル粒子約100μl分を水で平衡化した後、余分な水を除去する。そこへ、実施例1で調製したCNT分散液を水で2倍に希釈したものを300μl添加し、3時間緩やかに撹拌する。かるく遠心することにより、未吸着のCNTを含む溶液(未吸着画分)とゲル粒子に分離した。
[ゲルに吸着したCNTの溶出]
分離後のCNTが吸着したゲルは、0.9mlの水で洗浄した。ゲルには、まだCNTが吸着し残っていた。このゲルに10%SC水溶液を0.4ml加え、緩やかに撹拌することで、溶液にCNTが脱離し、回収することができた(吸着画分)。
未吸着画分と吸着画分の光吸収スペクトル測定の結果を図7に示す。図中、「点線」、「細線」及び「太線」は、それぞれ、分離前、未吸着画分、及び吸着画分の各スペクトルを示す。本実施例は、浸透法によって分離した後も、ゲルを溶かすことなくゲルに吸着したCNTを脱着して回収できることを明確に示している。
(2)[浸透法による分離−連続法]
上記の浸透法の実験を、ゲルを充填した容器にCNT試料を送液することによって、吸着、洗浄、脱着を連続的に行った。
[ゲルへの吸着と溶出]
2%アガロースのゲル粒子を送液可能な容器に充填し、2%SDS水溶液で平衡化した。このゲルにCNT分散液を0.15ml送液した後、1%SDS水溶液を3ml送液した。この操作によって、ゲルに吸着するCNTと、ゲルに吸着せずに素通りするCNT(未吸着画分)に分離された。ゲルは1mlの水を通し洗浄した後、様々な界面活性剤を含む水溶液を用いて吸着したCNTの脱着を行ったところ、ゲルに吸着していたCNTを脱着して回収することができた(吸着画分)。使用した溶出液は、DOC、SC、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)、Tween-20、TritonX-100の1%水溶液である。
未吸着画分と吸着画分の光吸収スペクトル測定の結果を図8に示す。
左図は、DOCを脱着に用いた結果であり、図中、「点線」、「細線」及び「太線」は、それぞれ、分離前、未吸着画分、及び吸着画分の各スペクトルを示す。
また、右図は、各種界面活性剤を脱着に用いた吸着画分の結果を示し、図中、上から、順に、DOC、SC、SDBS、Tween-20、TritonX-100を示す。
本実施例は、ゲルへの浸透(吸着)と脱着を連続的に行い、回収できることを明確に示している。
〈実施例7〉
実施例6-(2)のゲルに吸着したCNTの脱着を、溶出液の界面活性剤濃度を連続的に変化させるグラジエント溶出により、分離を行った。
架橋された4%アガロースゲルビーズ(セファロース4FF、GEヘルスケア社)をおよそ2.25ml充填したカラムを作製し、クロマトグラフィー装置(AKTAprime、GEヘルスケア社)用いて分離を行った。初発の展開溶液に1%SDS(A液)、溶出液に1%DOC(B液)を用いた。カラムをA液で十分に平衡化した後、CNT分散液0.5mlを注入した。その後、A液を5ml送液し、ゲルに吸着しない画分を回収した。その後、A液に対するB液の混合率を0%から100%まで直線的に変化させて、ゲルに吸着しているCNTを溶出させて回収した。得られたクロマトグラムを図9(A)に示す。光吸収スペクトル測定の結果は、ゲルに未吸着の画分(F2〜F5、図9(B))、DOCによって早い段階で溶出してくる画分(F21、F22、図9(C))と遅れて溶出してくる画分(F23〜F26、F28、F30、図9(D))に分けて示した。カラムに吸着しない画分(F2〜F5、図9(B))には、金属型CNTが濃縮された。一方、ゲルに吸着したCNTを、溶出液の濃度を増やしながら溶出すると、純度の高い半導体CNTが早く溶出し(F21、F22、図9(C))、そのあと遅れて、分離前のCNTと金属・半導体比がほとんど変わらないCNTが回収された。この様に、溶出液の濃度を連続的に変化させることで、ゲルに吸着したCNTから、半導体CNTの純度が高い画分と低い画分を分離する事ができる。この様に、溶出条件を連続的に変えることによって、半導体CNTの純度を改善することが可能である。
〈実施例8〉
カラムを用いた分離において、ゲルに吸着したCNTの脱着を、溶出液の界面活性剤濃度を段階的に変化させることにより行った。厳密な溶出液濃度を用いることで、CNTの金属型・半導体型分離を行うと同時に、半導体型CNTの太さ分離が可能となる。
[CNT分散液の調製]
100mgのHipco-CNTに、2%SDS水溶液(100ml)を加えた。その溶液をチップ型超音波破砕機(ソニファイアー、ブランソン社製、チップ先端径:0.5インチ)を用いて、冷水中で冷却しながら、出力20W/cmで20時間超音波処理した。超音波処理よって得られた分散液を、超遠心分離(197,000×g、15分)にかけた後、上清を80%回収した。この溶液をCNT分散液とした。
[カラムの調製と分離]
2%アガロースゲルビーズ(セファロース2B、GEヘルスケア社)をゲルの高さが約3.5cmとなるようにプラスチックカラム(長さ8cm、直径1.5cm)に充填した。2%SDS水溶液で平衡化したカラムに、5mlのCNT分散液をカラムに添加した後、2%SDS水溶液を添加し、金属型CNTを回収した。約50mlの2%SDS水溶液をカラムに送液した後は、溶液は透明でCNTは存在しなかった。この時点で、カラム中のゲルは半導体型のHiPco-CNTに特徴的な緑色になっていた。次に、ゲルに吸着した半導体型CNTを溶出するために、0.05%濃度のDOC水溶液を、2〜3ml添加し、その画分をF1とした。さらに同じ溶液を2〜3ml添加して、半導体CNTが溶出しなくなるまで繰り返し、合計12フラクションを回収した(F1〜F12)。その後、DOC濃度を0.1%、0.25%、0.5%、2%、と段階的に増加させて同様の操作を繰り返し、各画分を回収した。
[光吸収スペクトル測定]
得られた画分の光吸収スペクトルの結果を図10に示す。CNTの光吸収スペクトルは、複数種のカイラリティ(カイラル指数で定義される単一の構造)のCNTの吸収の重ねあわせからなっている。半導体CNTに由来するS11(上記S1と同義)の中で比較すると、高エネルギー側(短波長)の吸収は直径の小さなCNTに由来し、低エネルギー側(長波長)の吸収は直径の大きなCNTに由来するという大まかな傾向がある。0.05%DOCで溶出されてくる各フラクション(F1、F3、F6、F9)のS11の吸収を比較すると、スペクトルの形状が徐々に変化していた(図10、a〜d)。このことは、適当な溶出液濃度を設定すれば、一定の溶出液濃度でも、異なる種類のCNTを分離することが可能であることを示している。さらに、溶出液のDOC濃度を0.1%、0.25%、0.5%、2%として回収したフラクションでは、そのスペクトルの形状が大きく変化していた(図10、e〜h。これらの濃度では、同一濃度で溶出してくるフラクションでスペクトルに大きな差がないため、代表的なもののみを示している)。S11を、短波長側(850〜1100nm)と長波長側(1100〜1350nm)の領域に分けてみると、各々の領域で、溶出液のDOC濃度が増加するにつれて、低波長側に吸収をもつ直径の小さい半導体CNTが先に溶出し、長波長側に吸収をもつ直径の大きな半導体CNTが溶出する傾向があることが判明した。
[蛍光スペクトル測定]
上記の光吸収スペクトルでは、直径の近い異なるカイラリティの吸収が重なるため、単一のカイラリティの増減を判断することが難しい。励起波長を変化させながら蛍光スペクトルを測定する方法は、半導体CNTのカイラリティを個別に検出することが可能である。蛍光スペクトル測定の結果を図11に示す。試料は図10で光吸収スペクトル測定を行ったものと同一であり、縦軸に励起波長、横軸に蛍光波長、蛍光強度を色の濃さで示す等高線図で表示している。スポットして現れるのが、単一半導体CNTに由来する蛍光である。各フラクションの蛍光強度の相対比を各フラクション間で比較することで、各カイラリティのCNTの相対量の増減を知ることができる。溶出されてくるカイラリティの順番は、大まかに見ると、(9,1)(8,3)(6,5)(9,4)(7,5)(8,4)(8,6)(7,6)(10,5)(8,7)(10,2)(9,5)であった。この順番は、厳密に直径の大きさに従っていないが、「(9,1)(8,3)(6,5)(7,5)(10,2)」と「(9,4)(8,4)(8,6)(7,6)(10,5)(8,7)(9,5)」の二つのグループに分けて考えると、直径の小さなCNTから大きなCNTの順になる。この結果は、上記の光吸収スペクトルの結果(図10)とも非常によく一致する。
以上の結果は、ゲルを用いたカラム分離において、金属型と半導体型のCNTを分離できるだけでなく、溶出液の条件を制御すれば、半導体CNTの直径の違いによっても分離することが可能であることを示している。
〈実施例9〉
カラムを用いた分離において、ゲルに吸着したCNTの脱着を、分離に用いたものと同じ種類の界面活性剤を含む溶出液を用いて、界面活性剤の濃度を段階的に増加させることにより行った。
[CNT分散液の調製]
100mgのHipco-CNTに、1%SDS水溶液(100ml)を加えた。その溶液をチップ型超音波破砕機(ソニファイアー、ブランソン社製、チップ先端径:0.5インチ)を用いて、冷水中で冷却しながら、出力30%で9時間超音波処理した。超音波処理よって得られた分散液を、超遠心分離(505,000×g、1時間)にかけた後、上清を80%回収した。この溶液をCNT分散液とした。
[カラムの調製と分離]
約4mlのアガロースゲルをプラスチックカラムに充填した。1%SDS水溶液で平衡化したカラムに、0.2mlのCNT分散液をカラムに添加した後、1%SDS水溶液を添加し、未吸着画分を回収した。次に、約5mlの2%SDSを添加して溶出してくるCNTを回収し(2%SDS溶出画分)、その後、約5mlの5%SDS水溶液を添加して溶出してくるCNTを回収した(5%SDS溶出画分)。
各画分の光吸収スペクトル測定の結果を図12に示す。
図中、「点線」、「細線」「灰色太線」及び「黒色太線」は、それぞれ、分離前、未吸着画分、2%SDS溶出画分、及び5%SDS溶出画分の各スペクトルを示す。2%SDS溶出画分と5%SDS溶出画分の両方に半導体CNTが溶出されていることが分かる。
本実施例は、ゲルに吸着したCNTの脱着を、分離に用いたものと同じ種類の界面活性剤を含む溶出液を用いて行うことができることを示している。

Claims (15)

  1. カーボンナノチューブ含有ゲルを、遠心分離機により遠心分離し、遠心分離によりゲルから溶出した溶液中に金属型カーボンナノチューブを含む溶液画分と、遠心分離により圧縮されたゲル中に半導体型カーボンナノチューブを含むゲル画分とを得たあと、両者を分離し、さらに、前記分離後の前記ゲル画分に溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  2. カーボンナノチューブ含有ゲルを凍結した後、解凍して得られるゲルを圧搾し、ゲルから溶出した溶液中に金属型カーボンナノチューブ含む溶液と、圧搾されたゲル中に半導体型カーボンナノチューブを含むゲルとに分離し、さらに、前記分離後の前記ゲルに溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  3. カーボンナノチューブ含有ゲルを溶液中に浸漬し、ゲル中より溶液中に金属型カーボンナノチューブを拡散、溶出させて得られる金属型カーボンナノチューブを含む溶液と、半導体型カーボンナノチューブを含むゲルを得た後、両者を分離し、さらに、前記分離後の前記ゲルに溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  4. ゲルとカーボンナノチューブ分散液とを混合して、ゲル中に半導体型カーボンナノチューブを浸み込ませ、溶液中に金属型カーボンナノチューブを濃縮させて、カーボンナノチューブ含有ゲルから金属型カーボンナノチューブを含む溶液を取り出し分離し、さらに、前記溶液を分離した後の前記ゲルに溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  5. ゲルにカーボンナノチューブ分散液を通過させて、ゲルに半導体型カーボンナノチューブを吸着させ、未吸着の金属型カーボンナノチューブを溶出させ分離し、さらに、前記溶液を分離した後の前記ゲルに溶出液を作用させることにより半導体型カーボンナノチューブが吸着しているゲルから半導体型カーボンナノチューブを溶出させることを特徴とする金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  6. 前記、半導体型カーボンナノチューブをゲルから溶出させる溶出工程において、溶出液は分離に用いた界面活性剤とは別の種類の界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  7. 前記、溶出液に含まれる界面活性剤は、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、Tween-20、又はTritonX-100であることを特徴とする請求項6に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  8. 前記、半導体型カーボンナノチューブをゲルから溶出させる溶出工程において、溶出液は分離に用いた界面活性剤と同じ種類の界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  9. 前記、溶出液に含まれる界面活性剤は、分離に用いた界面活性剤よりも高い濃度であることを特徴とする請求項8に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  10. 前記カーボンナノチューブ含有ゲルは、予め界面活性剤を用いてカーボンナノチューブを分散可溶化し、次に超音波処理を行い、カーボンナノチューブを分散・孤立化させた状態でカーボンナノチューブをゲル中に含ませたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  11. 前記カーボンナノチューブ分散液は、予め界面活性剤を用いてカーボンナノチューブを分散可溶化し、次に超音波処理を行い、カーボンナノチューブを分散・孤立化させた状態にあることを特徴とする請求項4又は5に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  12. 前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤または両性界面活性剤であることを特徴とする請求項10又は11に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  13. 前記陰イオン界面活性剤は、アルキル硫酸塩、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルサルコシンナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、又はコール酸ナトリウムであることを特徴とする請求項12に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  14. 前記アルキル硫酸塩は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、又はテトラデシル硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項13に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
  15. 前記両性界面活性剤は、n-ドデシルホスホコリンであることを特徴とする請求項12に記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離回収方法。
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