JP2011195427A - 被覆粒状物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた性能を有する生物活性成分を含有する被覆粒状物を提供すること。
【解決手段】生物活性成分を含有する粒状物質の表面に被覆層が設けられてなる被覆粒状物であって、該被覆層が、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層と、該樹脂被覆層の外側に設けられた植物硬化油を含む保護層とを有してなり、かつ、表面にアルキル硫酸塩が保持されてなる被覆粒状物は、優れた性能を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は被覆粒状物、詳しくは生物活性成分を含有する被覆粒状物に関する。
従来、肥料成分、殺虫活性成分及び殺菌活性成分等の生物活性成分を含有する粒状物質に、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などの樹脂で被覆した樹脂被覆層を設けることにより、水田や畑地等に施用した場合に生物活性成分の溶出が制御され、長期間にわたって生物活性成分の効力を持続することが可能な被覆粒状物が知られている。
しかしながら、施用方法によっては被覆粒状物に設けられた樹脂被覆層が破損する場合がある。そして該樹脂被覆層に破損部分が生じると、該破損部分からの生物活性成分の溶出が速やかに進行するため、所望の溶出制御ができない場合があった。
その課題の解決のため、本発明者らはポリイソシアネート成分とポリエステルポリオールを含有するポリオール成分とが重合されてなるウレタン樹脂を含むウレタン樹脂層の外側に植物硬化油を含む保護層を設けることにより、当該課題が解決できることを見出している(特願2009-163429)。
また、水田における生物活性成分の施用においては、水田の水管理のために行われる入水や落水により、水稲の栽培期間内に繰り返し水の流れが生じる。生物活性成分の溶出を制御し、長期間にわたり生物活性成分の効力を発揮するために用いられる被覆粒状物はその効力を発揮する期間中は、水田中に均一に存在していることが望ましいが、水の流れにより浮上や浮遊して、水田からの流失や水田内での偏析を発生するおそれがある。そのため優れた性能を有する生物活性成分を有する被覆粒状物が求められている。
米国特許第3264089号明細書
本発明は、優れた性能を有する生物活性成分を含有する被覆粒状物を提供することを課題とする。
本発明者らは、優れた性能を有する生物活性成分を含有する被覆粒状物を見出すべく検討の結果、生物活性成分を含有する粒状物質の表面に被覆層が設けられてなる被覆粒状物であって、該被覆層が、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層と、該樹脂被覆層の外側に設けられた植物硬化油を含む保護層とを有してなり、かつ、表面にアルキル硫酸塩が保持されてなる被覆粒状物が、優れた性能を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 生物活性成分を含有する粒状物質の表面に被覆層が設けられてなる被覆粒状物であって、
該被覆層が、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層と、該樹脂被覆層の外側に設けられた植物硬化油を含む保護層とを有してなり、かつ、
表面にアルキル硫酸塩が保持されてなる被覆粒状物。
[2] 植物硬化油の含有量が、被覆粒状物全量に対して1〜10重量%である[1]記載の被覆粒状物。
[3] アルキル硫酸塩の含有量が、被覆粒状物全量に対して0.07〜0.35重量%である[1]又は[2]記載の被覆粒状物。
[4] 植物硬化油とアルキル硫酸塩との重量比が74:26〜99:1である請求項1〜3いずれか一項記載の被覆粒状物。
[5] 樹脂被覆層の含有量が、被覆粒状物全量に対して1〜50重量%である[1]〜[4]いずれか一項記載の被覆粒状物。
[6] 熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が、ウレタン樹脂である[1]〜[5]いずれか一項記載の被覆粒状物。
[7] 熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が、ポリイソシアネート成分とポリエステルポリオールを含有するポリオール成分とが重合されてなるウレタン樹脂である[1]〜[5]いずれか一項記載の被覆粒状物。
[8] 植物硬化油が硬化ひまし油である[1]〜[7]いずれか一項記載の被覆粒状物。
[9] アルキル硫酸塩が、ラウリル硫酸ナトリウムである[1]〜[8]いずれか一項記載の被覆粒状物。
[10] 生物活性成分を含有する粒状物質が、肥料成分を含有する粒状物質である[1]〜[9]記載の被覆粒状物。
[11] 生物活性成分を含有する粒状物質が、粒状尿素である[1]〜[9]いずれか一項記載の被覆粒状物。
本発明の被覆粒状物は、生理活性成分の溶出を制御でき、優れた性能を有する。
本発明の被覆粒状物は、生物活性成分を含有する粒状物質の表面に被覆層が設けられてなる被覆粒状物であって、該被覆層が、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層と、該樹脂被覆層の外側に設けられた植物硬化油を含む保護層とを有してなり、かつ、表面にアルキル硫酸塩が保持されてなる被覆粒状物である。
本発明に用いられる生物活性成分として具体的には、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調整剤、忌避剤等の農薬の有効成分、及び、肥料の有効成分が挙げられる。
生物活性成分として使用される肥料の有効成分としては、植物栽培において養分を与えるために土壌に施される窒素、リン、カリウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、マンガン、ホウ素、鉄等の種々の元素を含有する物質が挙げられ、例えば、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒド加工尿素(UF)、アセトアルデヒド加工尿素(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素(IBDU)、グアニール尿素(GU)等の窒素質肥料成分;過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン、腐植酸リン、焼成リン、重焼リン、苦土過リン酸、ポリリン酸アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、苦土リン酸、硫リン安、リン硝安カリウム、塩リン安等のリン酸質肥料成分;塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウム、リン酸カリウム等のカリウム質肥料成分;珪酸カルシウム等の珪酸質肥料成分;硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム質肥料成分;生石灰、消石灰、炭酸カルシウム等のカルシウム質肥料成分;硫酸マンガン、硫酸苦土マンガン、鉱さいマンガン等のマンガン質肥料成分;ホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素質肥料成分;鉄鋼スラグ等の含鉄肥料成分等を挙げることができる。
これらの生物活性成分は、例えば粒状尿素のごとく、生物活性成分そのものを粒状化して、本発明に用いられる生物活性成分を含有する粒状物質としてもよい。また公知の製剤化技術により生物活性成分を担体に保持してなる粒状化して、本発明に用いられる生物活性成分を含有する粒状物質もとしてよい。
生物活性成分を保持する担体としては、例えば、カオリナイト等のカオリン鉱物、モンモリロナイト、スメクタイト、タルク、蝋石、シリカ、含水珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、ゼオライト、酸性白土等の鉱物質担体;セルロース、籾殻、澱粉、大豆粉等の植物質担体;乳糖、蔗糖、デキストリン、食塩、トリポリリン酸ナトリウム等の水溶性担体;アジピン酸ジデシル、綿実油、パーム油等の液体担体等が挙げられ、これらの担体は適宜組合せて用いることが出来る。
本発明に用いられる生物活性成分を含有する粒状物質の大きさは、特に限定されることはないが、通常0.1mm〜15mmであり、その形状は球状が好ましいが、円柱状等の他の形状であってもよい。
本発明の被覆粒状物には、生物活性成分を含有する粒状物質が通常50〜99重量%、好ましくは80〜97重量%程度含有される。
本発明の被覆粒状物の樹脂被覆層として用いられる、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂及びシリコーン樹脂が挙げられる。後述の通り、生物活性成分を含有する粒状物質に転動状態で、樹脂被覆層を設ける場合の製造効率の点からは、未硬化熱硬化性樹脂を硬化させることにより樹脂被覆層を形成する熱硬化性樹脂が好ましく、例えば、未硬化熱硬化性樹脂を硬化させることにより被覆層を形成しうるエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂及びシリコーン樹脂が挙げられる。
樹脂被覆層を形成する熱硬化性樹脂がウレタン樹脂である場合についてさらに説明すると、ウレタン樹脂とはポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させることにより3次元架橋させた樹脂の総称である。本発明で未硬化熱硬化性樹脂の一種として用いられる未硬化ウレタン樹脂とは、該ポリイソシアネート化合物と該ポリオール化合物との混合物であり、全く反応させていないか、あるいは3次元化しない程度に予め一部を硬化反応させたものをいう。硬化反応の促進のために触媒を添加しておくことも有用な技術である。該未硬化熱硬化性樹脂の形態としては無溶媒型、溶液型、水系エマルジョン型等何れでも良いが、特に無溶剤型で、かつ加工温度において液状であるものが好適である。
ポリイソシアネ−ト化合物の例としては、例えば芳香族イソシアネート化合物が挙げられる。芳香族イソシアネート化合物としては、具体的には例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の2つのイソシアネート基及びベンゼン環を有する化合物、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)等の2つのイソシアネート基及びナフタレン環を有する化合物が挙げられる。
ポリオ−ル化合物の例としては、多価アルコ−ル、アミノアルコ−ル、アミンを開始剤として用い、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを重付加して得られるポリエ−テルポリオ−ル;テトラヒドロフランを重合して得られるポリテトラメチレンエ−テルグルコ−ルなどのポリエ−テルポリオ−ル;多価アルコ−ルとポリエ−テルポリオ−ルとカルボン酸化合物を反応させる等の方法により得られるポリエステルポリオ−ル;等が挙げられる。また、生分解性を考慮してOH基含有の天然物、またはその変性物を用いることも可能である。
ポリオール化合物のうち、ポリエステルポリオールとしては、例えば低分子ポリオールとε−カプロラクトンを開環重合させることにより得られるポリカプロラクトンポリオールが挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとは、原料として用いられる低分子ポリオールの種類及びε−カプロラクトンの重合度により、得られるポリカプロラクトンの種類が異なる。1分子中の水酸基の数が2又は3であるポリカプロラクトンポリオール(ポリカプロラクトンジオール又はポリカプロラクトントリオール)の典型的な構造を次に示す。該ポリカプロラクトンポリオールは分子中に(1−オキソヘキサ−1,6−ジイル)オキシ構造(−C(=O)−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−O−)を1以上有するポリオールである。
Figure 2011195427
〔上記の式中、mは0以上の整数、nは1以上の整数、R1は2価の有機残基(例えば、エチレン基等)を表す。〕
Figure 2011195427
〔上記の式中、mおよびpは0以上の整数、nは1以上の整数、R2は3価の有機残基(例えば、プロパン−1,2,3−トリイル基)を表す。〕
例えば、エチレングリコール1分子にε−カプロラクトン6分子が開環重合して得られるポリカプロラクトンポリオールの構造は、例えば以下の構造となる。
Figure 2011195427
このポリカプロラクトンポリオールにおけるオキシカルボニル[−O−C(=O)−]部分構造の重量割合は35%である。
(44×6)/(62+114×6)=0.354
〔ε−カプロラクトン及びエチレングリコールの分子量はそれぞれ114及び62であり、オキシカルボニル部分構造は分子量換算で44であるとした。〕
また、このポリカプロラクトンポリオールにおける水酸基当量は373である。
(62+114×6)/2=373
〔ポリカプロラクトンポリオールの分子量を水酸基の数の2で除した。〕
ポリカプロラクトンポリオールの製造において、原料として用いられる低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等のジオール化合物、並びに、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリメチロールプロパン)、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、グリセリン及びトリエタノールアミン等のトリオール化合物が挙げられる。
また、樹脂被覆層を形成する熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合についてさらに説明すると、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂、フェノール系化合物変性エポキシ樹脂、多官能アルコールのモノ又は多官能グリシジルエーテル、多官能カルボン酸のモノ又は多官能グリシジルエステル等が挙げられる。
これらエポキシ樹脂の市販品としては、例えばジャパン エポキシ レジン社製のjER(登録商標)815、同828、同834、同1001、同1004、同1007、同1009;東部化成社製のエポトートYD127、同128、同134、同171、同172、同715、同716、同011、同014、同017、同019、エポトートYDF170、同180、エポトートYDPN638;ナガセケムテックス社製のデナコールEX810、同211、同212、同721、同313、同321、同421、同512、同611が挙げられる。
本発明の被覆粒状物において、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層は、生物活性成分を含有する粒状物質を流動状態又は転動状態として、任意でパラフィン等の補助剤を添加した上で、未反応の重合性モノマーを加え、生物活性成分を含有する粒状物質の表面で重合させることにより形成させることができる。生物活性成分を含有する粒状物質を流動状態又は転動状態とする装置としては、加温された空気が下方から送風される噴流塔装置、加温装置が付設された回転パン又はドラム装置等の公知の装置が使用可能である。熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂がウレタン樹脂である場合の添加方法としては、未硬化ウレタン樹脂の各成分を混合した後に素早く添加するか、各成分を別々に添加する方法のいずれでもよい。その後、生物活性成分を含有する粒状物質の流動状態又は転動状態を維持して、ポリイソシアネート化合物におけるイソシアネート基とポリオール化合物における水酸基との反応を進行させ、生物活性成分を含有する粒状物質の表面をウレタン樹脂の被膜で被覆する。このときの反応温度としては通常0〜200℃の範囲であり、好ましくは50〜150℃の範囲である。この一回の操作で形成される被膜の厚みが通常0.1〜20μmとなるように、添加する未硬化ウレタン樹脂の添加量を調整するのが好ましい。被膜の厚みが更に必要である場合は、上記の操作を繰り返すことにより、ウレタン樹脂の被膜の厚みを増加させればよい。
本発明の被覆粒状物において、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層の厚さは通常1〜600μm、好ましくは8〜400μm程度である。
また、本発明の被覆粒状物全量に対する熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層の含有量は、通常1〜50重量%、好ましくは3〜20重量%である。
本発明において、保護層に用いられる植物硬化油とは、不飽和脂肪酸成分を含む植物性油脂に水素を添加して不飽和結合を飽和させて得られる油脂であり、具体的には例えば、硬化ナタネ油、硬化パーム核油、硬化ピーナツ油、硬化ひまし油、硬化ホホバ油、硬化綿実油、硬化ヤシ油及び硬化大豆油が挙げられる。
本発明の被覆粒状物に設けられる保護層は、生物活性成分を含有する粒状物質の表面に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなる樹脂被覆層が設けられた粒状物を転動状態又は流動状態として、そこに植物硬化油と任意に含有される成分とを添加し、転動状態又は流動状態を維持することにより形成させることができる。
前記した生物活性成分を含有する粒状物質を流動状態又は転動状態としてその表面で熱硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を硬化させて、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層を形成した後、該流動状態又は該転動状態を維持したまま、植物硬化油を被覆させることが好ましい。
本発明の被覆粒状物全量に対する保護層の含有量は、通常1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%程度である。
本発明に用いられるアルキル硫酸塩は、界面活性物質として知られるものであり、アルキル硫酸塩を含む界面活性剤として市販されている。アルキル硫酸塩としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム及びラウリル硫酸トリエタノールアミンが挙げられる。アルキル硫酸塩を含有する界面活性剤としては、例えば、エマール O(花王株式会社、ラウリル硫酸ナトリウム)、エマール OS(花王株式会社、ラウリル硫酸ナトリウム)、アルスコープ LN−90PW(東邦化学工業株式会社、ラウリル硫酸ナトリウム)、アルスコープ LS−25B(東邦化学工業株式会社、ラウリル硫酸アンモニウム)、アルスコープ LS−25B(東邦化学工業株式会社、ラウリル硫酸テトラエチルアンモニウム)、アルスコープ LS−30(東邦化学工業株式会社、ラウリル硫酸ナトリウム)及びソルポール 5029−o(東邦化学工業株式会社、ラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
本発明においてアルキル硫酸塩は、そのまま本発明の被覆粒状物の表面に保持されていてもよく、また、アルキル硫酸塩を固体担体と混合、必要により粉砕された粉状物として本発明の被覆粒状物の表面に保持されていてもよい。
本発明の被覆粒状物において、アルキル硫酸塩は、生物活性成分を含有する粒状物質の表面に、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層と、該樹脂被覆層の外側に植物硬化油を含む保護層とを、前記の通り流動状態又は転動状態で形成した後に、該流動状態又該転動状態を維持したまま、アルキル硫酸塩を添加して、流動状態又は転動状態に付すことにより被覆粒状物の表面に保持せしめることにより製造することができる。
本発明の被覆粒状物の表面に保持されるアルキル硫酸塩の含有量は、本発明の被覆粒状物全量に対して、通常0.07〜0.35重量%、好ましくは0.1〜0.25重量%程度である。
本発明の被覆粒状物において、保護層に含有される植物硬化油と表面に保持されるアルキル硫酸塩との重量比は、通常74:26〜99:1、好ましくは89:11〜98:2である。
本発明の被覆粒状物は、通常の被覆粒状肥料若しくは被覆粒状農薬と同様に農作物の栽培時に用いることができる。例えば、水稲の栽培においては、本発明の被覆粒状物を散布した湛水下水田では、水田の水管理のための入水及び落水を行った際の水流による被覆粒状物の浮上と、それに伴う被覆粒状物の偏析又は流失が抑制できるので、水田全体に均等に生物活性成分の効力を発現させる上で有用である。
次に、本発明を製造例および試験例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
製造例1
平均分子量が1200のポリカプロラクトンジオール[ダイセル化学工業(株)製、商品名:Placcel212]1859.0gを70℃にて加熱溶融し、70℃に加温したひまし油[豊国製油(株)製、商品名:工業用一号ひまし油]1308.5gおよび1,4−ブタンジオール[BASF出光(株)製、商品名:1,4−BDO]279.5gと混合し、ポリオール混合物を得た。粒状尿素(大粒尿素、粒径約3mm)を回転槽に仕込み、転動状態にして、該粒状尿素を熱風により約66℃まで加熱した後、流動パラフィン[(株)松村石油研究所製、商品名:モレスコホワイトP−260]500gを添加し、10分間転動状態を継続した。次に、70℃に加温した前述のポリオール混合物689.4gと70℃に加温した芳香族ジイソシアネート[住化バイエルウレタン(株)製、商品名:Sumidur44S]310.7gを素早く攪拌混合した未硬化ウレタンを添加し、8分間以上、加熱条件下で転動状態を維持した。更に、未硬化ウレタン樹脂の添加、及び加熱条件下での転動状態の維持を繰り返して、添加した未硬化ウレタン樹脂の総量が5000.5gになるまで行った。その後、室温付近まで冷却し、被覆粒状物を得た。次いで、得られた被覆粒状物444.0gを回転槽に仕込み、転動状態にして、該被覆粒状物を熱風により70℃まで加熱した後、100℃で溶融した硬化ヒマシ油[伊藤製油(株)製、商品名:ヒマシ硬化油、融点:約85℃]12.0gを添加し、5分間加熱条件下で転動状態を維持した。その後、ソルポール 5029−o(商品名、ラウリル硫酸ナトリウム 90重量%を界面活性成分として含有する粒状の界面活性剤、東邦化学工業(株)製)(以下、界面活性剤Aと記す。)2.8gを添加し、5分間加熱条件下で転動状態を維持した。その後、室温付近まで冷却し、本発明の被覆粒状物(以下、被覆粒状物(A)と記す。)を得た。
参考製造例1
界面活性剤A2.8gのかわりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム45重量%を界面活性成分として含有する粒状の界面活性剤(以下、界面活性剤Bと記す。) 2.8gを用いた以外は、製造例1と同様の操作を行い、被覆粒状物(以下、被覆粒状物(1)と記す。)を得た。
参考製造例2
界面活性剤A2.8gのかわりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 56〜65重量%を界面活性成分として含有する粒状の界面活性剤(商品名:ネオペレックスNo.6;花王株式会社製。以下、界面活性剤Cと記す。) 2.8gを用いた以外は、製造例1と同様の操作を行い、被覆粒状物(以下、被覆粒状物(2)と記す。)を得た。
参考製造例3
界面活性剤A2.8gのかわりに、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート46重量%を界面活性成分として含有する粒状の界面活性剤(以下、界面活性剤Dと記す。) 2.8gを用いた以外は、製造例1と同様の操作を行い、被覆粒状物(以下、被覆粒状物(3)と記す。)を得た。
試験例1
供試する被覆粒状物 100粒を金属製トレイ(25cm×25cm)の上に静置した後、トレイの隅から水深が5mmになるまで静かに水を注ぎ、浮上した粒数を数え、下記式により浮上率を求めた。

Figure 2011195427

同試験は各々3回行い、その平均値を平均浮上率として求めた。その結果を〔表1〕に示す。
Figure 2011195427

Claims (11)

  1. 生物活性成分を含有する粒状物質の表面に被覆層が設けられてなる被覆粒状物であって、
    該被覆層が、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂被覆層と、該樹脂被覆層の外側に設けられた植物硬化油を含む保護層とを有してなり、かつ、
    表面にアルキル硫酸塩が保持されてなる被覆粒状物。
  2. 植物硬化油の含有量が、被覆粒状物全量に対して1〜10重量%である請求項1記載の被覆粒状物。
  3. アルキル硫酸塩の含有量が、被覆粒状物全量に対して0.07〜0.35重量%である請求項1又は2記載の被覆粒状物。
  4. 植物硬化油とアルキル硫酸塩との重量比が74:26〜99:1である請求項1〜3いずれか一項記載の被覆粒状物。
  5. 樹脂被覆層の含有量が、被覆粒状物全量に対して1〜50重量%である請求項1〜4いずれか一項記載の被覆粒状物。
  6. 熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が、ウレタン樹脂である請求項1〜5いずれか一項記載の被覆粒状物。
  7. 熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が、ポリイソシアネート成分とポリエステルポリオールを含有するポリオール成分とが重合されてなるウレタン樹脂である請求項1〜5いずれか一項記載の被覆粒状物。
  8. 植物硬化油が硬化ひまし油である請求項1〜7いずれか一項記載の被覆粒状物。
  9. アルキル硫酸塩が、ラウリル硫酸ナトリウムである請求項1〜8いずれか一項記載の被覆粒状物。
  10. 生物活性成分を含有する粒状物質が、肥料成分を含有する粒状物質である請求項1〜9記載の被覆粒状物。
  11. 生物活性成分を含有する粒状物質が、粒状尿素である請求項1〜9いずれか一項記載の被覆粒状物。
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