JP2011192580A - 非水二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温貯蔵特性に優れた非水二次電池を提供する。
【解決手段】 集電体の片面または両面に、一般式LiNiCo(1−x−y) (ただし、0.65≦x≦0.90、0.02≦y≦0.06であり、Mは、Al、Mg、Ti、MnおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である)で表される層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と、一般式LiCo(1−z) (ただし、0.005≦z≦0.03であり、MはAl、Mg、Ti、MnおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である)で表される層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)とを含有する正極合剤層を有する正極を備え、フルオロアルキル変性シリコーンを0.1〜2質量%含有する非水系の電解液を使用したことを特徴とする非水二次電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高温貯蔵特性に優れた非水二次電池に関するものである。
近年、非水二次電池は、パソコンや携帯電話などの電源として、または電気自動車や出力貯蔵用の電源として、なくてはならない重要な構成要素の一つとなっている。そして、特に、携帯電話をはじめ、携帯ゲーム機、PDAなどの小型の移動体電子機器用途において、更なる小型化、軽量化が求められている。しかしながら、これらの機器は、液晶表示パネルのバックライトや描画制御に消費される電力が高いことや、非水二次電池の容量が現状ではまだ不十分であることなどから、システムのコンパクト化、軽量化が難しい状況にある。こうしたことから、非水二次電池においては、更になる高容量化が求められている。
現在、非水二次電池の正極活物質には、リチウム(Li)とコバルト(Co)とを含有するリチウム・コバルト複合酸化物が汎用されているが、これよりも単位質量あたりの容量が大きいニッケル(Ni)を添加したリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物を正極活物質に用いることで、高容量化を図ることが検討されている。
ところが、リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物などのようなニッケル量の多い正極活物質を用いて構成した電池では、例えば、充電状態として高温下で貯蔵すると、膨れが生じやすいといった問題がある。リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物のようにニッケル量の多い正極活物質は、不純物としてアルカリ成分を比較的多量に含んでおり、このアルカリ成分が、電池の膨れの要因の一つである。
一方、非水二次電池の高容量化に伴って発生する前記の問題を解消する技術も開発されている。例えば、特許文献1には、特定組成の層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物と、特定組成の層状リチウム・コバルト複合酸化物とを正極活物質として使用し、これらの複合酸化物の混合物中のアルカリ量を低減するなどして、高容量化を図りつつ、高温貯蔵時の電池膨れの抑制を可能とした非水二次電池が提案されている。
特開2009−151959号公報
本発明は、特許文献1とは異なる手法によって、高温貯蔵特性に優れた非水二次電池を提供することを目的とする。
前記目的を達成し得た本発明の非水二次電池は、正極、負極および非水系の電解液(以下、「電解液」と省略する)を有する非水二次電池であって、前記正極は、集電体の片面または両面に、下記一般式(1)
LiNiCo(1−x−y) (1)
[ただし、前記一般式(1)中、0.65≦x≦0.90、0.02≦y≦0.06であり、Mは、Al、Mg、Ti、MnおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である]
で表される層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と、下記一般式(2)
LiCo(1−z) (2)
[ただし、0.005≦z≦0.03であり、MはAl、Mg、Ti、MnおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である]
で表される層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)とを含有する正極合剤層を有しており、前記電解液に、フルオロアルキル変性シリコーンを0.1〜2質量%含有するものを使用したことを特徴とするものである。
層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)や層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)のようなリチウム遷移金属複合酸化物中には、その原料で使用された炭酸リチウムや酸化コバルト、水酸化ニッケル、酸化ニッケルなどの未反応物質が不純物として混入する。また、リチウム遷移金属複合酸化物の形成反応中または反応終了後に、リチウムが空気中の水分と反応して水酸化リチウムとなる。特にニッケル量が比較的大きな層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)においては、こうしたアルカリ成分の含有量が多くなる。
層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)や層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)中に存在するアルカリ成分量が多いと、例えば、電池を充電した状態で、高温環境下で貯蔵した際に、アルカリ成分の分解反応が生じて炭酸ガスや水素ガスが発生し、電池の膨れを引き起こす。
そこで、本発明の非水二次電池では、前記組成を有する層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)および層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)を正極活物質として使用することに加えて、特定量のフルオロアルキル変性シリコーンを含有する電解液を用いることで、正極活物質中に含まれるアルカリ成分の分解になどによるガスの発生を抑えて、高温貯蔵時における膨れの発生を抑制し、その高温貯蔵特性を高めている。
本発明によれば、高温貯蔵特性に優れた非水二次電池を提供することができる。
本発明に係る非水二次電池の一例を模式的に示す図で、(a)はその平面図、(b)はその部分縦断面図である。 図1に示す非水二次電池の斜視図である。 実施例で使用した層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)の粒度分布を表すグラフである。 実施例で使用した層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)の粒度分布を表すグラフである。
本発明の非水二次電池に係る正極は、集電体の片面または両面に、正極活物質、導電助剤および結着剤などを含有する正極合剤層を有するものであり、前記正極合剤層は、正極活物質として、前記一般式(1)で表される層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と、前記一般式(2)で表される層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)とを含有している。
層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)において、Niは容量向上に寄与する成分である。よって、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)におけるNiの比率xが小さすぎると、電池の高容量化が困難となることから、xは、0.65以上、好ましくは0.7以上とする。ただし、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)におけるNiの比率xが大きすぎると、電池の充放電効率や充放電サイクル特性が低下する虞があることから、xは0.9以下とする。
層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)において、元素Mは、例えば電池に金属片などが刺さった場合を想定した釘刺し試験時における安全性向上に寄与する成分である。層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)は、元素Mとして、Al、Mg、Ti、Mn、Zrのいずれか1種の元素のみを含有していてもよく、これらのうちの2種以上の元素を含有していてもよい。
層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)における元素Mの比率yは、元素Mを含有させることによる前記の効果を確保する観点から、0.02以上、好ましくは0.03以上とする。なお、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)において、CoはNiとともに容量向上に寄与する成分であるが、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)における元素Mの比率yが大きすぎると、NiやCoの比率が小さくなって容量が小さくなる虞があることから、yは、0.06以下、好ましくは0.05以下とする。
層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)において、元素Mは、電池の高温貯蔵特性の向上や、充放電サイクル特性(特に高電圧での充放電サイクル特性)の向上に寄与する成分である。層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)は、元素Mとして、Al、Mg、Ti、Mn、Zrのいずれか1種の元素のみを含有していてもよく、これらのうちの2種以上の元素を含有していてもよい。
層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)における元素Mの比率zは、元素Mを含有させることによる前記の効果を確保する観点から、0.005以上、好ましくは0.01以上とする。なお、層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)において、Coは容量向上に寄与する成分であるが、層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)における元素Mの比率zが大きすぎると、Coの比率が小さくなって容量が小さくなる虞があることから、zは、0.03以下、好ましくは0.02以下とする。
正極の形成に使用するにあたっては、粒度分布が、d10=5〜10μm、d50=10〜15μmおよびd90=15〜20μmである層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と、粒度分布が、d10=1〜10μm、d50=10〜20μmおよびd90=15〜25μmである層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)とを使用することが好ましい。このように粒度分布の異なる複合酸化物(A)および(B)を使用することで、正極合剤層の密度を、例えば3.5g/cm以上と高くすることが容易となるため、正極活物質の充填量を高めて更なる高容量化を図ることが可能となる。
なお、本明細書でいう層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)および層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)の粒度分布は、これらの複合酸化物(A)または(B)を水中に分散させて、マイクロトラック(ホソカワミクロン製)を使用し、粒子透過性:透過、粒子屈折率:2.42、溶媒屈折率:1.33の条件で測定した値であり、d10、d50およびd90は、それぞれ、体積基準の積算分率10%、50%および90%における粒子直径である。
また、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)との使用比率は、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)との合計量を100質量%としたとき、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)の含有率を、10質量%以上とすることが好ましく、15質量%以上とすることがより好ましく、また、30質量%以下とすることが好ましい。言い換えれば、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)との合計量を100質量%としたとき、層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)の含有率を、70質量%以上とすることが好ましく、また、90質量%以下とすることが好ましく、85質量%以下とすることがより好ましい。層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)とをこのような比率で使用することで、電池をより高容量化しつつ、より良好な電池特性を確保することができる。
すなわち、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)の含有率が小さいと、正極合剤層における活物質の充填性が向上し、より高密度の正極合剤層の形成が可能となるが、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)の含有率が小さすぎると、正極活物質の単位質量あたりの容量が低下する傾向にあり、結果的に電池容量が低下する虞があるため、好ましくない。また、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)の含有率が大きいと、正極活物質の単位質量あたりの容量は大きくなるものの、大きすぎると、放電末期における電池電圧が急速に低下したり、正極合剤層における活物質の充填性を高め難くなり、電池容量が低下する傾向にあるため、好ましくない。
正極に使用する導電助剤としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカ−ボンブラック類;炭素繊維;などの炭素材料が好ましい。また、正極には、炭素材料以外の導電助剤、例えば、金属繊維などの導電性繊維類;フッ化カーボン;アルミニウムなどの金属粉末類;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;なども使用することができる。
なお、導電助剤として使用する炭素材料は、例えば、比表面積が50m/g以上1500m/g以下のものが好ましい。このような比表面積を有する炭素材料であれば、電池特性の低下を抑制しつつ正極合剤層中の含有量の低減が可能であるため、より高密度の正極合剤層の形成が可能となり、電池の更なる高容量化を達成できる。前記炭素材料の比表面積は、800m/g以下であることがより好ましい。
前記例示の各種導電助剤の中でも、前記の比表面積を有するものの入手が容易な点で、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、その他のカーボンブラック類が特に好ましい。
前記の比表面積を有する炭素材料と、他の導電助剤(前記以外の比表面積を有する炭素材料、または炭素材料以外の導電助剤)とを併用する場合には、導電助剤全量中、前記の比表面積を有する炭素材料が、例えば、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。勿論、前記の比表面積を有する炭素材料のみ(すなわち、100質量%)を用いてもよい。
正極に係る結着剤には、ゴムを用いることが好ましい。結着剤にゴムを用いることで、正極合剤層の比表面積を前記のように小さくすることが容易となる。
また、詳しくは後述するが、正極を製造するにあたっては、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)、層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)、導電助剤および結着剤などを含有する正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶剤に分散(結着剤は溶解していてもよい)させてなる正極合剤含有組成物を用いた製法が通常採用される。よって、本発明の電池に係る正極に用いる結着剤(バインダ)としては、NMPなどの有機溶剤に溶解または分散可能なポリマー(ゴム)が好ましい。
結着剤として好適な、NMPなどの有機溶剤に溶解または分散可能なゴムの具体例としては、ポリ1,3−ブタジエン、ポリイソプレン、イソプレン−イソブチレンコポリマー、天然ゴム、スチレン−1,3−ブタジエンコポリマー(SBR)、スチレン−イソプレンコポリマー、1,3−ブタジエン−イソプレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−1,3−ブタジエン−イソプレンコポリマー、1,3−ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル酸メチルコポリマー、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−イタコン酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル酸メチル−フマル酸コポリマー、スチレン−1,3−ブタジエン−イタコン酸−メタクリル酸メチル−アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマー、1,3−ブタジエン−スチレン−メタクリル酸メチルコポリマー、スチレン−1,3−ブタジエン−イタコン酸−メタクリル酸メチル−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル酸メチル−フマル酸コポリマーなどのジエン系ゴム;エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンコポリマーなどのオレフィン系ゴム;スチレン−エチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−ブタジエン−プロピレンコポリマー、スチレン−アクリル酸n−ブチル−イタコン酸−メタクリル酸メチル−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリル酸n−ブチル−イタコン酸−メタクリル酸メチル−アクリロニトリルコポリマーなどのスチレン系ゴム;などが挙げられる。これらのゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、正極合剤層の結着剤には、前記のゴムと共に、他の結着剤を使用することもできる。正極合剤層の結着剤に使用するゴム以外の結着剤も、NMPなどの有機溶剤に溶解または分散可能なポリマーが好ましい。このようなポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、エチレン系アイオノマー、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレンなどオレフィン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、アクリレート−アクリロニトリルコポリマー、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸メチル−アクリル酸−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリル系ポリマー;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、芳香族ポリアミド、ポリイミドなどのポリアミド系およびポリイミド系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのエステル系ポリマー;ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)コポリマー、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン(VDF−HFP−TFE)コポリマー、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン(VDF−PFP)コポリマー、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン(VDF−PFP−TFE)コポリマー、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン(VDF−PFMVE−TFE)コポリマー、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン(VDF−CTFE)コポリマーなどのフッ素系ポリマー;などが挙げられる。
更に、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレン、ポリ(2−メトキシエトキシエチレン)、ポリ(3−モルフィニルエチレン)、ポリビニルスルホン酸なども、結着剤として用いることができる。また、ポリスチレン−ポリブタジエンブロックコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロックコポリマー、スチレン−イソプレン・ブロックコポリマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン・ブロックコポリマーなどのブロックポリマーも結着剤として使用可能である。
正極に係る集電体としては、構成される電池において実質上化学的に安定な電子伝導体であれば特に制限はない。例えば、集電体を構成する材料としては、アルミニウムやその合金、ステンレス鋼、ニッケルやその合金、チタンやその合金、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウムまたはステンレス鋼の表面にカーボンまたはチタンを処理させたものなどが用いられる。これらの中でも、アルミニウムおよびアルミニウム合金が特に好ましい。これらの材料は表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが好ましい。集電体の形状としては、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが挙げられる。集電体の厚みは特に限定されないが、例えば、5〜50μmであることが好ましい。
本発明の電池に係る正極は、例えば、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)、層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)、導電助剤および結着剤などを含有する正極合剤を、NMPなどの有機溶剤に分散(結着剤は溶解していてもよい)させて正極合剤含有組成物を調製し、これを集電体に塗布し、乾燥して溶剤を除去した後、カレンダー成形などのプレス処理を施して、正極合剤層の厚みおよび密度を調整する工程を経て製造することができる。
正極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)の調製方法としては、例えば、(1)導電助剤と結着剤と溶剤を予め強せん断分散装置で混練し、この分散体に正極活物質を添加して、更に強せん断分散装置で混練して調製する方法、(2)正極活物質と結着剤と溶剤との混合物を分散させてペースト状などの分散体とし、これとは別に導電助剤と結着剤と溶剤とを強せん断分散装置で混練して別分散体とし、前者の分散体に後者の別分散体を添加して更に分散させることにより調製する方法、(3)正極活物質と導電助剤と結着剤と溶剤との混合物を強せん断分散装置で混練して調製する方法、などが挙げられる。
なお、正極活物質である層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)とは、予めこれらを混合物とし、この混合物を正極合剤含有組成物の調製に供してもよく、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(B)とを混合せずにそのまま正極合剤含有組成物の調製に供しても構わない。
正極合剤含有組成物の調製に用いる前記の強せん断分散装置としては、例えば、混練のための2枚のブレードと1本の高速撹拌機を具備する三軸型のプラネタリーミキサー;混練のための2枚のブレードと2本の高速撹拌機を具備する四軸型のプラネタリーミキサー[浅田鉄工社製「プラネタリーディスパ(商品名)」など];三枚のブレードを有する三軸型のプラネタリーミキサー[井上製作所社製「トリミックス(商品名)」など];ミルに代表されるメディアミル;ニーダー;連続式2軸混練機;コロイドミル;ロールミル;塗料(正極合剤含有組成物)にジェット流を発生させ、液―液間のせん断により分散を行うホモジナイザー型分散機;機械精度を高め、3000〜20000min−1の高速運転可能な高速回転ホモジナイザー型分散機であるクレアミックス(商品名、エム・テクニック社製)やユニバーサルミキサー(商品名、パウレック社製);などが例示できる。
前記の正極合剤含有組成物を集電体に塗布し、乾燥した後にプレス処理を施す際には、例えば、線圧を700〜2000kgf/cmとすることが好ましく、これにより、正極合剤層の厚みや密度を後述する好適値に調整することが容易となる。
本発明に係る正極の正極合剤層は、その密度が、3.5g/cm以上であることが好ましく、3.7g/cm以上であることがより好ましい。正極合剤層をこのように高密度として正極活物質の充填量を高めることで、更なる高容量化を図ることができる。ただし、正極合剤層の密度が高すぎると、正極合剤層中への電解液の浸透性が低下して、電池特性が損なわれることがあるため、正極合剤層の密度は、4.3g/cm以下であることが好ましく、4.2g/cm以下であることがより好ましい。
ここでいう正極合剤層の密度は、以下の方法により測定されるものである。まず、正極を1cm×1cmの大きさに切り取り、マイクロメータで厚み(l)を、精密天秤で質量(m)を測定する。次に、正極合剤層を削り取り、集電体のみを取り出して、その集電体の厚み(l)と質量(m)を正極と同様に測定する。得られた厚みと質量から、以下の式によって正極合剤層密度(dca)を求める(なお、前記の厚みの単位はcm、質量の単位はgである)。
ca=(m−m)/(l−l
また、正極合剤層の厚み(集電体の両面に正極合剤層が形成されている場合には、その片面あたりの厚み)は、30〜80μmであることが好ましい。
正極合剤層全量中における正極活物質の量は、96〜99質量%であることが好ましい。また、正極合剤層における導電助剤の量は、正極活物質100質量部に対して、1.0質量部以上であることが好ましく、1.2質量部以上であることがより好ましく、2.0質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以下であることがより好ましい。更に、正極合剤層における結着剤の量は、正極活物質100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましく、2.0質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以下であることがより好ましい。
また、正極合剤層における結着剤であるゴムの量は、正極活物質100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.6質量部以下であることが好ましく、0.4質量部以下であることがより好ましい。
本発明の非水二次電池に係る電解液には、非水系溶媒中に、リチウム塩を溶解させた溶液を使用する。
また、本発明の電池では、フルオロアルキル変性シリコーンを含有する電解液を使用する。層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)の含有する元素Mの作用に加えて、電解液中のフルオロアルキル変性シリコーンの作用によって、充電状態の電池を高温環境下で貯蔵した際の、電池内でのガス発生を抑えて、膨れの発生を抑制することができる。
電解液に添加し得るフルオロアルキル変性シリコーンの具体例としては、例えば、下記の構造式(3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2011192580
なお、前記構造式(3)で表されるフルオロアルキル変性シリコーンは、その粘度が300〜10000mm/sのものが好ましい。このようなフルオロアルキル変性シリコーンとしては、例えば、東レ・ダウコーニング社製の「FS1265シリーズ(商品名」などの市販品を用いることができる。
本発明の電池に使用する電解液におけるフルオロアルキル変性シリコーンの含有量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、0.1質量%以上であり、0.5質量%以上であることが好ましい。ただし、電解液中のフルオロアルキル変性シリコーン量が多すぎると、電池の充放電サイクル特性が低下する虞がある。よって、本発明の電池に使用する電解液におけるフルオロアルキル変性シリコーンの含有量は、2質量%以下である。
電解液を構成するための非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒を1種単独で、または2種以上を混合した混合溶媒として用いることができる。
また、電解液を構成するためのリチウム塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO[ここでRfはフルオロアルキル基]などのリチウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.6〜1.8mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.6mol/lとすることがより好ましい。
また、電解液には、環外にC=C二重結合を有するエステル、または環内にC=C二重結合を有するエステルを添加することが好ましい。
前記の環外にC=C二重結合を有するエステルおよび環内にC=C二重結合を有するエステル(以下、両者を纏めて「C=C二重結合を有するエステル」と略す場合がある)は電池充電中(特に初期充電中)に正極活物質の表面に表面保護皮膜を形成する機能を有しており、かかる表面保護皮膜によって、正極と電解液と直接の接触が抑制される。また、C=C二重結合を有するエステルは、充電状態の電池を例えば高温下で貯蔵している際に、徐々に電池の回路電圧を低下させる作用を有している。そのため、本発明の電池がC=C二重結合を有するエステルを含有する電解液を有する場合、充電状態で、例えば150℃程度の高温下で貯蔵しても、前記表面保護皮膜による正極と電解液との直接の接触を抑制する作用と、電池電圧の低下によって、正極と電解液との反応が抑制されるため、かかる反応による電池の温度上昇を抑えることができ、より安全性に優れたものとなる。
環外にC=C二重結合を有するエステルとしては、例えば、ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−エチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−n−プロピル−4−ビニルエチレンカーボネート、5−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネートなどが挙げられる。
環内にC=C二重結合を有するエステルとしては、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、メチルエチルビニレンカーボネートなどが挙げられる。
前記の環外にC=C二重結合を有するエステルと、前記の環内にC=C二重結合を有するエステルとは、両者を併用することが好ましい。
前記の環内にC=C二重結合を有するエステルの電解液中の添加量は、これらの化合物の添加による作用をより有効に発揮させる観点から、電解液全量中、0.5質量%以上であることが好ましく、0.9質量%以上であることがより好ましく、1.8質量%以上であることが更に好ましい。ただし、環内にC=C二重結合を有するエステルの電解液中の添加量が多すぎると、電池の電圧低下が大きくなるため、環内にC=C二重結合を有するエステルの添加量は、電解液全量中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2.5質量%以下であることがさらに好ましい。前記の環外にC=C二重結合を有するエステルの電解液中の添加量は、これらの化合物の添加による作用をより有効に発揮させる観点から、電解液全量中、0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、0.8質量%以上であることが更に好ましい。ただし、環外にC=C二重結合を有するエステルの電解液中の添加量が多すぎると、電池の電圧低下が大きくなるため、環外にC=C二重結合を有するエステルの添加量は、電解液全量中、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以下であることが更に好ましい。
本発明の非水二次電池は、前記の正極および電解液を有していればよく、その他の構成および構造については特に制限はなく、従来から知られている非水二次電池に採用されている各構成および構造を適用することができる。
負極としては、例えば、負極活物質を含有する負極合剤層を集電体表面に形成してなるものが挙げられる。負極合剤層は、負極活物質の他に、結着剤や、必要に応じて導電助剤を含有しており、例えば、負極活物質および結着剤(更には導電助剤)などを含む混合物(負極合剤)に、適当な溶剤を加えて十分に混練して得られる負極合剤含有組成物(スラリーなど)を、集電体表面に塗布し乾燥することで、所望の厚みとしつつ形成することができる。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛)、人造黒鉛、膨張黒鉛などの黒鉛材料;ピッチをか焼して得られるコークスなどの易黒鉛化性炭素質材料;フルフリルアルコール樹脂(PFA)やポリパラフェニレン(PPP)およびフェノール樹脂を低温焼成して得られる非晶質炭素などの難黒鉛化性炭素質材料;などの炭素材料が挙げられる。また、炭素材料の他に、リチウムやリチウム含有化合物も負極活物質として用いることができる。リチウム含有化合物としては、Li−Alなどのリチウム合金や、Si、Snなどのリチウムとの合金化が可能な元素を含む合金が挙げられる。更にSn酸化物やSi酸化物などの酸化物系材料も用いることができる。負極合剤全量中における負極活物質量は、例えば、97〜99質量%であることが好ましい。
導電助剤は、電子伝導性材料であれば特に限定されないし、使用しなくても構わない。導電助剤の具体例としては、アセチレンブラック;ケッチェンブラック;チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類;炭素繊維;などの炭素材料の他、金属繊維などの導電性繊維類;フッ化カーボン;銅、ニッケルなどの金属粉末類;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。これらの中でも、アセチレンブラック、ケッチェンブラックや炭素繊維が特に好ましい。ただし、負極に導電助剤を使用する場合には、高容量化のために、負極合剤全量中における導電助剤量を10質量%以下とすることが望ましい。
負極合剤層に係る結着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。具体的には、例えば、前記本発明の正極に係る結着剤と同じ材料や、エチレン−アクリル酸共重合体または該共重合体のNaイオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または該共重合体のNaイオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体または該共重合体のNaイオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または該共重合体のNaイオン架橋体などが使用でき、それらの材料を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。
前記の中でも、PVDF、SBR、エチレン−アクリル酸共重合体または該共重合体のNaイオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または該共重合体のNaイオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体または該共重合体のNaイオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または該共重合体のNaイオン架橋体が特に好ましい。負極合剤全量中における結着剤量は、例えば、1〜5質量%であることが好ましい。
負極合剤層の厚み(集電体の両面に負極合剤層が形成されている場合には、その片面あたりの厚み)は、30〜80μmであることが好ましい。
負極の集電体としては、非水二次電池内において、実質上、化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。かかる集電体を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケルやその合金、銅やその合金、チタンやその合金、炭素、導電性樹脂などの他に、銅またはステンレス鋼の表面にカーボンまたはチタンを処理させたものなどが用いられる。これらの中でも、銅および銅合金が特に好ましい。これらの材料は表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが好ましい。集電体の形状としては、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが挙げられる。集電体の厚みは特に限定されないが、例えば、5〜50μmであることが好ましい。
前記の正極および前記の正極は、これらを、セパレータを介して積層した積層電極体や、更にこれを巻回した巻回電極体の形態で用いることができる。
セパレータとしては、大きなイオン透過度および所定の機械的強度を有する絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、一定温度以上(例えば100〜140℃)で構成材料の溶融によって孔が閉塞し、抵抗を上げる機能を有するもの(すなわち、シャットダウン機能を有するもの)が好ましい。このようなセパレータの具体例としては、耐有機溶剤性および疎水性を有するポリエチレン、ポリプロピレンなどポリオレフィン系ポリマー、またはガラス繊維などの材料で構成されるシート(多孔質シート)、不織布若しくは織布;前記例示のポリオレフィン系ポリマーの微粒子を接着剤で固着した多孔質体;などが挙げられる。セパレータの孔径は、正負極より脱離した正負極の活物質、導電助剤および結着剤などが通過しない程度であることが好ましく、例えば、0.01〜1μmであることが望ましい。セパレータの厚みは、8〜30μmとすることが一般的であるが、本発明では、10〜20μmとすることが好ましい。また、セパレータの空孔率は、構成材料や厚みに応じて決定されるが、30〜80%であることが一般的である。
本発明の電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
本発明の非水二次電池は、従来から知られている非水二次電池と同様の用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質として、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A):LiNi0.85Co0.10Al0.05[粒度分布が、d10=7.4μm、d50=10.1μm、d90=15.5μm]と、層状リチウム・コバルト複合酸化物(B):LiCo0.997Al0.001Mg0.001Ti0.001[粒度分布が、d10=5.4μm、d50=16.0μm、d90=23.3μm]とを、質量比10:90で混合して使用した。
前記正極活物質混合物と、導電助剤であるアセチレンブラック[電気化学工業株式会社製「デンカブラック(商品名)」、粉状品、平均1次粒径(電子顕微鏡法):40nm、BET比表面積:65m/g、DBP吸油量:180cc/100g]と、結着剤である日本ゼオン社製のゴムバインダー「BM720H(商品名)」および呉羽化学社製のPVDF「KFポリマーL#1120(商品名)」を、固形分質量比100:1.2:0.2:0.8の比率で混合し、溶剤であるNMPを加え、エム・テクニック社製の「クレアミックス CLM0.8(商品名)」を用いて、回転数:10000min−1で30分間処理を行い、ペースト状の混合物とした。この混合物に、溶剤であるNMPを更に加えて、回転数:10000min−1で15分間処理を行い、正極合剤含有組成物を調製した。
前記の正極合剤含有組成物を、集電体であるアルミニウム箔(厚み:15μm)の両面に塗布し、120℃で12時間真空乾燥を施し、更にプレス処理を施して、集電体の両面に、厚みが52μmの正極合剤層を有する正極を作製した。前記の方法によって求めたプレス処理後の正極合剤層の密度は3.82g/cmであった。
<負極の作製>
天然黒鉛:97.5質量%、SBR:1.5質量%、およびカルボキシメチルセルロース(増粘剤):1質量%を、水を用いて混合してスラリー状の負極合剤含有組成物を調製した。この負極合剤含有組成物を、集電体である銅箔(厚み:8μm)の両面に塗布し、120℃で12時間真空乾燥を施し、更にプレス処理を施して、集電体の両面に、厚みが63μmの負極合剤層を有する負極を作製した。正極合剤層の密度測定方法と同じ方法で求めたプレス処理後の負極合剤層の密度は、1.65g/cmであった。
<電極体の作製>
前記の正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせ、これらを巻回して電極体を作製した。セパレータには、厚みが14μmのポリエチレン製多孔膜(透気度300秒/100cm)を用いた。
<電解液の調製>
メチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(体積比 2:1:3)に、1.2mol/lの濃度でLiPFを溶解し、前記構造式(3)で表されるフルオロアルキル変性シリコーン(粘度:1000mm/s)0.1質量%を加えて電解液を調製した。
<電池の組み立て>
前記の電極体および電解液を用いて、角形非水二次電池を組み立てた。まず、前記電極体の各端面に集電板を溶接により接合した。次に、集電板のリード部を蓋体に取り付けられている電極端子集電機構と接続した。その後、正極缶の内部に電極体を収容して、正極缶の開口部に蓋体を溶接固定した。最後に蓋体に設けられた注液孔から正極缶内に電解液を注入して、厚さ4mm、幅34mm、高さ50mmで、図1に示す構造で、図2に示す外観の角形非水二次電池を作製した。
ここで図1および図2に示す電池について説明すると、正極1と負極2は前記のようにセパレータ3を介して渦巻状に巻回した巻回構造の電極体6として、角形の正極缶4に非水電解液とともに収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や電解液などは図示していない。
正極缶4はアルミニウム合金製で電池の外装材を構成するものであり、この正極缶4は正極端子を兼ねている。そして、正極缶4の底部にはポリエチレンシートからなる絶縁体5が配置され、前記正極1、負極2およびセパレータ3からなる電極体6からは、正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極集電板7と負極集電板8が引き出されている。また、正極缶4の開口部を封口するアルミニウム合金製の蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板(電極端子集電機構)13が取り付けられている。
そして、この蓋板9は前記正極缶4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、正極缶4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。
なお、蓋板9には注液孔が設けられており(図中、14)、電池組み立ての際には、この注液孔から電池内に電解液が注入され、その後、注液孔は封止される。また、蓋板9には、防爆用の安全弁15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極集電板7を蓋板9に直接溶接することによって正極缶4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極集電板8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極集電板8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、正極缶4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は前記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図2では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
実施例2〜4および比較例1〜3
電解液におけるフルオロアルキル変性シリコーンの添加量を、表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
実施例1〜4および比較例1〜3の非水二次電池について、以下の膨れ率測定および充放電サイクル特性評価を行った。
<高温貯蔵特性評価>
実施例1〜4および比較例1〜3の電池について、800mAの電流値で4.2Vになるまで定電流充電を行い、続いて、4.2Vで定電圧充電を行った。なお、定電流充電と定電圧充電の総充電時間は、2時間とした。充電後の各電池を恒温槽に入れ、90℃で4時間保管し、その後の電池厚みを測定した。そして、恒温槽での貯蔵後の電池厚みを貯蔵前の電池厚みで除して「膨れ率」を算出し、各電池の高温貯蔵特性を評価した。
<充放電サイクル特性評価>
実施例1〜4および比較例1〜3の電池について、800mAの電流値で4.2Vになるまで定電流充電を行い、続いて、4.2Vで定電流充電を行った。なお、定電流充電と定電圧充電の総充電時間は2時間とした。続いて、充電後の電池を、800mAの電流値で3.0Vになるまで定電流放電を行った。以上の充電および放電を1サイクルとして、これを500サイクル繰り返して放電容量を求め、その値を1サイクル目の放電容量で除して、容量維持率を算出した。
これらの結果を表1に示す。また、実施例1〜4および比較例1〜3の電池に使用した層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)の粒度分布を表すグラフを図3に、層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)の粒度分布を表すグラフを図4に、それぞれ示す。
Figure 2011192580
表1から明らかなように、層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)とを正極活物質に使用し、かつフルオロアルキル変性シリコーンを適正量で含有する電解液を使用した実施例1〜4の非水二次電池は、フルオロアルキル変性シリコーンを含有していないか、またはその量が不適な電解液を使用した比較例1〜3の電池に比べて、膨れ率が小さく、高い高温貯蔵特性が確保できている。
また、実施例1〜4の電池は、充放電サイクル特性評価時の容量維持率が、比較例1〜3の電池と同等か上回っている。
1 正極
2 負極
3 セパレータ

Claims (3)

  1. 正極、負極および非水系の電解液を有する非水二次電池であって、
    前記正極は、集電体の片面または両面に、
    一般式LiNiCo(1−x−y) (ただし、0.65≦x≦0.90、0.02≦y≦0.06であり、Mは、Al、Mg、Ti、MnおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である)で表される層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と、
    一般式LiCo(1−z) (ただし、0.005≦z≦0.03であり、MはAl、Mg、Ti、MnおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である)で表される層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)
    とを含有する正極合剤層を有しており、
    前記電解液に、フルオロアルキル変性シリコーンを0.1〜2質量%含有するものを使用したことを特徴とする非水二次電池。
  2. 正極合剤層の密度が3.5g/cm以上である請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 粒度分布が、d10=5〜10μm、d50=10〜15μmおよびd90=15〜20μmである層状リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物(A)と、粒度分布が、d10=1〜10μm、d50=10〜20μmおよびd90=15〜25μmである層状リチウム・コバルト複合酸化物(B)とを使用した請求項2に記載の非水二次電池。
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