JP2011189853A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】より効果的に、ショルダー領域に位置するブロックの肩落ち摩耗やステップダウン摩耗を抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【解決手段】タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝と、周方向主溝に交差する複数の傾斜副溝とによって区画形成され、トレッド接地端を跨る複数のブロック陸部を周方向に配列してなる空気入りタイヤにおいて、複数のブロック陸部は全て、周方向主溝側の側面に、タイヤ幅方向外側に向かう窪みを有すると共にトレッド部踏面に開口する凹部を備え、傾斜副溝と該凹部の間に、ブロック陸部の中央領域の剛性よりも剛性の低い低剛性部を有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝と、前記周方向主溝に交差する複数の傾斜副溝とによって区画形成され、トレッド接地端を跨る複数のブロック陸部を周方向に配列した、空気入りタイヤに関するものである。
タイヤのトレッド部は、通常、タイヤ周方向に延在する複数の主溝や、略タイヤ幅方向に延在する複数の傾斜溝によって、複数のブロック陸部に区画形成される。そしてこれら複数のブロック陸部のうちの幾つかが、ショルダー領域に配置される。
しかしながら、トレッド部が接地する際に、ショルダー領域のトレッド部表面が平坦な路面に強制的に押し付けられることで、ショルダー領域の径方向内側に位置するベルト層が強制的に引き伸ばされる。またトレッド部が路面から離れる際には、今度は、引き伸ばされた形状が元に戻ろうとする。このように、タイヤ転動時に、ショルダー領域ではかかる形状の変形が繰り返される。従って、トレッド部を形成するブロックの中でも、特に、ショルダー領域に位置するブロックで肩落ち摩耗やステップダウン摩耗が生じやすいことが知られている。
これに対し特許文献1には、タイヤ周方向に延在する主溝及びタイヤ幅方向に延在する傾斜溝(横溝)によって複数のブロック陸部が区画形成される空気入りタイヤにおいて、ショルダー領域に位置するブロックの、傾斜溝壁面且つトレッド接地端よりも幅方向外側に、凹部を有する構成が記載されている。
この構成によれば、ブロックの傾斜溝壁面且つトレッド接地端よりも幅方向外側に凹部を形成することによって、ショルダー領域が接地して接地圧が負荷された際に、ショルダーブロックを圧縮変形させて、接地端よりもさらにタイヤ幅方向内側へ伝達されるサイドからの力を低減させることができる旨が記載されている。
特開2006−51927号公報
しかしながら、特許文献1に記載のブロック構成では、接地端よりも幅方向内側に対して入力されるサイドからの力を低減した場合であっても、サイドからの力が、依然としてショルダー領域に位置するブロックへ伝達されることになる。そして、上述のようにトレッド部の接地及び離地を繰り返すことで、ショルダー領域ではなお摩耗が生じるが、ブロック中でも特に、主溝側のブロック箇所が、サイドからの力を受けて接地時及び離地時に路面との接触を繰り返す。従って、ショルダー領域に位置するブロックの中でも、特に、主溝側に隣接するブロック箇所が、最も摩耗を生じやすいという問題がある。
この問題に対し出願人は、今回、ショルダー領域のブロックに対して幅方向内側にかかる力へ幅方向外側の力(すなわち、接地端外側から入力されるサイドからの力への反力)を与えることで、幅方向外側から内側へ伝達されるサイドからの力を押し返し、低減させるという、従来の構成とは全く異なる新規な着想を得た。そして、この押し返しをブロックの主溝側の壁面から行えば、特に摩耗が生じやすい、主溝側に隣接するブロック箇所においても、より効果的に摩耗の発生を抑制可能であることを見出した。
従ってこの発明は、ショルダー領域に位置するブロックにかかるサイドからの力(幅方向外側から内側方向の力)を、反力(幅方向内側から外側方向)によって押し返すという新規な着想を用いることによって、より効果的に、ショルダー領域に位置するブロックの肩落ち摩耗やステップダウン摩耗を抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
前記の目的を達成するため、この発明の空気入りタイヤは、
タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝と、前記周方向主溝に交差する複数の傾斜副溝とによって区画形成され、トレッド接地端を跨る複数のブロック陸部を周方向に配列してなる空気入りタイヤにおいて、
前記複数のブロック陸部は全て、前記周方向主溝側の側面に、タイヤ幅方向外側に向かう窪みを有すると共にトレッド部踏面に開口する凹部を備え、前記傾斜副溝と前記凹部の間に、ブロック陸部の中央領域の剛性よりも剛性の低い低剛性部を有することを特徴としている。
ここで、「傾斜副溝」とは、赤道面に対して40°〜90°の角度を有する溝のことを言う。
「トレッド接地端」とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格、例えばアメリカ合衆国ではThe Tire and Rim Association Inc.の“Year Book”、欧州ではThe European Tyre and Rim Technical Organisationの“Standard Manual”、日本では日本自動車協会の“JATMA Year Book”に記載の規格の適用サイズにおける標準リムにタイヤを組み付け、かかる規格の適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)及び最大荷重に対応する空気圧を適用した状態において、タイヤ表面が地面と接触する面の最大幅をトレッド接地幅とした場合に、このトレッド接地幅の、タイヤ幅方向最外点のことを意味する。
「タイヤ幅方向外側に向かう窪みを有すると共にトレッド部踏面に開口する」とは、ブロック陸部の、周方向主溝側の側壁部分とトレッド部踏面とを含む面から、ブロックの中央に向かってブロックを除去することにより、トレッド部踏面及び周方向主溝側の側壁部分に開口部が形成され、ブロックを除去した箇所には空間領域が形成される状態のことを言う。すなわち「凹部」は、この空間領域と、周方向主溝側の側壁部の開口と、トレッド部踏面の開口とを含む。
「低剛性部」とは、ブロックに凹部による開口が形成された場合に、この開口の周方向両端に位置するブロックの残部のことを言う。
また、この発明の空気入りタイヤは、前記トレッド部踏面にて、前記凹部の開口による開口部の最大周方向距離は、前記開口部の最大幅方向距離よりも長いことが好ましい。
ここで、上記の距離は、トレッド部踏面において、開口部の周方向溝側の端部(以下、開口端と言う)を結んだ線分と、タイヤ幅方向外側に向かって延在する開口部の輪郭とで形成される形状を、該開口部の輪郭形状とした場合に、この開口部の輪郭形状における距離を言うものとする。従って、「最大幅方向距離」とは、開口部の輪郭形状の一部を形成する、開口両端を結んだ線分上のある一点と、この一点から幅方向に引いた直線と開口部の輪郭を画定するブロック壁との交点までを結ぶ線分のうち、最大の長さのことを意味する。
また、前記トレッド部踏面にて、前記開口部の最大周方向距離は、前記開口部の最大幅方向距離の3倍以上10倍未満であることが好ましい。
また、前記トレッド部踏面にて、前記開口部は円弧によって形成されることが好ましい。
また、前記凹部のタイヤ径方向深さは、幅方向断面において、前記周方向主溝側に向かって同一又は漸増することが好ましい。
また、前記傾斜副溝は、タイヤ幅方向と平行であることが好ましい。
またさらに、この発明の空気入りタイヤは、少なくともサイドウォール部の内面側に補強ゴムを備える、サイド補強型ランフラットタイヤであることが好ましい。
この発明によれば、ショルダー領域に位置するブロックにかかるサイドからの力(幅方向外側から内側方向の力)を、反対方向(幅方向内側から外側方向)の力で押し返すことができるので、より効果的に、ショルダー領域に位置するブロックの肩落ち摩耗やステップダウン摩耗を抑制可能な空気入りタイヤを提供することができる。
この発明による空気入りタイヤの、一実施形態のトレッドパターンを示す部分展開図である。 この発明による空気入りタイヤの一実施形態のタイヤ幅方向の断面図である。 この発明による空気入りタイヤのブロック陸部の拡大図であり、周方向からの力を受けた場合のブロック変形の一例を示す概念図である。 この発明による空気入りタイヤのブロック陸部の拡大図であり、種々の凹部の変形例を示す図である。 図5(a)はこの発明による空気入りタイヤのブロック陸部の拡大図であり、図5(b−i)及び(b−ii)は各々、図5(a)に示すブロック陸部の断面図である。 この発明による空気入りタイヤの、他の実施形態のタイヤ幅方向の断面図である。 この発明による空気入りタイヤのブロック陸部の種々の実施形態を用いた場合に、ブロック陸部が受ける力を、従来の空気入りタイヤによるブロック陸部を用いた場合と比較した結果を示した図である。 図8(a)は本発明による空気入りタイヤのブロック陸部の拡大図であり、図8(b)は従来の空気入りタイヤのブロック陸部の拡大図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここに、図1は、この発明による空気入りタイヤ(以下、タイヤと言う)の一実施形態のトレッドパターンを示した部分展開図である。なお図中、上下方向がタイヤ周方向(赤道面Cと平行する方向)を示し、左右方向がタイヤ幅方向(赤道面Cと直交する方向)を示している。
またこの実施形態のタイヤは、図2に図示されるように、タイヤの踏面を形成するトレッド部20と、このトレッド部20の幅方向両端にショルダー領域及びバットレス領域を介して連なる一対のサイドウォール部21、21とを有し、さらに、この一対のサイドウォール部21、21のショルダー領域側とは反対側に位置する左右一対のビード部22、22間でトロイド状に延びるカーカス23と、このカーカス23のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置したベルト層24とを備える、慣例に従ったタイヤ構造を有するタイヤである。
そして、図1に示されるように、赤道面Cに関して対称に、少なくともタイヤ1の周方向主溝2から接地端3までの領域(以下、この領域をこの発明におけるショルダー領域と言う)に、周方向主溝2及び傾斜副溝4により区画形成された、複数のブロック5が配置される。これらのブロックは、通常は、接地端3を跨ってタイヤ幅方向外側に延在するように形成されている。またここで、傾斜副溝とは、ショルダー領域に周方向に配列するブロック同士が形成する、ブロック同士の空間のことを言う。
また、これらの溝で区画形成されるブロックは、少なくともショルダー領域に在ればよい。従って、図1では、簡単のためにブロックをショルダー領域にのみ配置する形態を図示しているが、例えば、ショルダー領域に上記ブロックが設けられ、タイヤ幅方向内側のトレッド部には、主溝及び横溝、又はサイプ等によって区画形成されるリブやラグや、同様にブロックパターンを設けるようにすることもできる(図示せず)。また逆に、タイヤ幅方向内側のトレッド部に、ショルダー領域に配置されるブロックと同様のブロックを配置してもよい。
そして、周方向主溝及び傾斜副溝は、それぞれ隣接するブロック同士が相互に拘束されることがなく、個々に可動となる程度の幅を有する溝であって、好ましくは、周方向主溝は2mm〜15mmの幅を、傾斜副溝は1mm〜10mmの幅を有するものとする。
しかしながら、単に複数のブロックをトレッド部に形成するだけでは、特に、ショルダー領域に位置するブロックで、リムから受ける荷重によるせん断力に耐えることができず、肩落ち摩耗やステップダウン摩耗が生じてしまうという問題が発生する場合がある。
ここで、トレッド部がタイヤ1に荷重をかけた際にビード部から伝達される力を受けるメカニズム(すなわち、ショルダー領域のブロックがサイドの力を受けるメカニズム)について、図2を用いて詳細に説明する。
まず、図2で示した構造を有するタイヤにおいて、リム25に設置したタイヤ1に荷重を負荷した場合、接地時には、路面に対して垂直に、ビード部22からサイドウォール部21、バットレス領域、ショルダー領域方向へと荷重がかかる(図2(a))。そして、この垂直方向の力が、ショルダー領域を介して略タイヤ幅方向へ、トレッド部20への応力として伝達される。この応力が伝達されると、トレッド部20は図2(b)に示すように幅方向内側の力を受けることになるが、ビード部に近い路面近傍のブロックが、この内側方向の力を最も多く受ける。つまり、ショルダー領域に位置するブロックが、この内側方向への力を最も多く受けて、図2(b)に示すようにせん断変形が生じることになる。
そして、トレッド部が路面から離れる際には、荷重で路面に対して押し付けられていた力が緩和されて、今度は、トレッド部の上述の無理な変形が、元の形状に戻ろうとする。
このように、ショルダー領域に位置するブロックは、トレッド部の接地及び離地を繰り返すことで、幅方向の力によるせん断変形を生じやすい。
さらにまた、荷重負荷時だけでなくコーナリング時においても、トレッド部の幅方向内側に対して横力がかかることになる。そしてこの場合においても、接地端から最も近いショルダー領域のブロックに対して横力が加わり、せん断変形を生じることになる。
以上のように、ブロックをショルダー領域に形成した場合、荷重負荷時及びコーナリング時に、ブロックが幅方向外側から内側方向にかかるサイドからの力を受けることで、ブロックのせん断変形が生じやすい。
さらに、ショルダー領域のブロックの中でも、特に、周方向主溝側に隣接するブロック箇所が、路面と直接接触して最も負担がかかる箇所であるため、最も摩耗を生じやすい。
これらの理由から、ブロックの変形が繰り返されることによって、肩落ち摩耗やステップダウン摩耗が生じる場合がある。
従ってこの発明では、上記の摩耗の発生を抑制するために、図1(a)に示すように、ショルダー領域に在るブロック5の全てが、周方向主溝2側の側面に、タイヤ幅方向外側に向かう窪みを有すると共にトレッド部踏面に開口する凹部を備え、傾斜副溝4と該凹部の間に、ブロック5の中央領域の剛性よりも剛性の低い、低剛性部10を有することを特徴としている。
図1(b)は、図1(a)のブロック5を拡大した図である。ここで、低剛性部10とは、凹部のタイヤ最外側点Mを通り、トレッド表面及びタイヤ幅方向に垂直な面(以下、低剛性部画定面と呼ぶ)よりもタイヤ幅方向内側に在るブロック部(斜線部)のことを言う。すなわち、凹部を形成する壁面と、周方向主溝側の壁面と、傾斜副溝側の壁面と、低剛性部画定面との4つによって画定されるブロック部分のことであって、ブロック5の中央領域のよりも、剛性が低い部分のことを言う。そしてこの低剛性部10は、図1(a)、(b)に示すように、凹部による開口部の周方向両端に、それぞれ位置している。
この特徴的な構成によれば、ブロックの凹部を用いることで、接地時に踏み込み側となるブロックの副溝(略幅方向溝)壁側に加わる力を、図3に示すように、幅方向内側から外側方向への力へと変換させることができる。
なぜならば、ブロックを形成するゴムは流動性を有するため、矢印A方向の力を受けると、周方向主溝側に位置する踏みこみ側の低剛性部は、障壁が存在しないブロック中央の空間領域Rの方向へ、巻き込まれることになる。そして空間領域Rは、ブロックの中央領域へ向かってタイヤ幅方向に窪む形状となっているので、矢印A方向の力によってゴム流動が生じ、結果としてこの矢印A方向の力は、窪み形状に沿って、矢印B方向(タイヤ幅方向外側)への力となってブロックに伝達されることになるからである。
このように、ブロックの巻き込み変形とゴムの流動性を利用して、転動時にブロックが受ける力をタイヤ幅方向内側から外側方向への力へと変換すれば、この力を、ショルダー領域に位置するブロックにかかるサイドからの力(幅方向外側から内側方向の力)を押し返すための反力として用いることができる。この原理に基づく本発明によれば、ショルダー領域のブロックに対してかかる力を低減し、該ブロックのせん断変形を従来よりも効果的に抑制することが可能となる。
以下では、この発明の特徴である、ブロックに設けられる凹部及び低剛性部について、種々の形態に基づいて説明する。
図4(a)〜(c)は各々、この発明に従う凹部を有するブロック一つの、トレッド踏面を示す図である。
この発明の凹部は、トレッド踏面において、周方向主溝側の壁面からタイヤ幅方向外側に向かって図4(a)に示すような円弧状を描く、開口部を形成するのが好ましい。
上述の通り、ブロックには、踏み込み時に副溝壁側に対して周方向の力が加わる。図4(a)に示す例では、図面上側から下側方向に、周方向の力が加わることになる。周方向主溝側の低剛性部10(図4(a)の斜線部)は、この力で、凹部の空間領域へ押し込まれて変形し、ゴム流動が生じることになる。この際、凹部の形状がタイヤ幅方向外側へ向かって窪む円弧状となっているので、ゴムがタイヤ幅方向外側へ押し出されて、周方向にかかった力が、幅方向外側の方向へ伝達されることになる。このように、トレッド部踏面の開口形状を円弧状にすることで、サイドからの力に対する反力を生じさせることができるので、幅方向外側から内側へかかる力を低減させることができる。
また、この発明の凹部は、図4(b)に示すように、ブロックのトレッド部踏面の周方向主溝側からタイヤ幅方向外側に向かって、三角形状の窪みを描いて形成してもよい。
図4(b)においても同様に、図面上側から下側に、周方向の力が加わるが、このように凹部の窪みを三角形状とすれば、踏み込み時にブロックの副溝壁側が受ける周方向の力によって、低剛性部10が凹部の三角形状の空間領域に押し込まれる。そして、ブロック中央の三角形の頂点に向かって、すなわちタイヤ幅方向外側に向かって、この周方向の力が伝達されることになる。このように、トレッド部踏面の開口形状を円弧状とする場合と同様に、三角形状とすれば、サイドからの力に対する反力を生じさせることができるので、幅方向外側から内側へかかる力を低減させることができる。
また、図4(a)、(b)のトレッド部踏面において、開口部による周方向主溝側の開口端P、P’を結んだ線分P−P’と、開口部の輪郭とで形成される形状(図における太線)を、開口部の輪郭形状とし、この開口部の輪郭形状の最大幅方向距離a、最大周方向距離bとした場合、このaとbの関係は、b>aである。
開口部の幅方向距離を周方向距離よりも短くすることによって、低剛性部10が凹部の空間領域に押し込まれる際に、低剛性部10を形成するブロックが極端に倒れ込むことなく、周方向にかかる力を幅方向外側に向かう力として伝達することができるからである。従ってトレッド部踏面の開口部は、低剛性部10が倒れ込むことなく空間領域に押し込まれて変形可能となるように、開口端部間P−P’が広い形状、すなわち、この開口端部間P−P’が最大周方向距離となることが好ましい。
さらに言えば、この開口部の輪郭形状において最大幅方向距離a、最大周方向距離bの関係は、3≦b/a<10であることが好ましい。
最大周方向距離bを最大幅方向距離aの10倍以上の長さとすると、あまりにaの距離が短くなり、低剛性部10が凹部の空間領域に押し込まれて変形することができないからである。また、最大周方向距離bを最大幅方向距離aの3倍未満とすると、開口部の幅方向への窪みが深くなり過ぎて、低剛性部10が空間領域に押し込まれる際に、倒れ込みやすくなってしまうからである。さらにまた、最大幅方向距離aと最大周方向距離bとが上記の関係を有すれば、ブロックのトレッド踏面の形状が、凹部(すなわちトレッド部踏面における開口部)を設けない場合の形状を比較的維持することになるので、良好な操縦安定性も維持することができるからである。
またここで、最大周方向距離bは、ブロックの最大周方向距離の30%〜90%であることが好ましい。
30%以下とすると、開口部が小さ過ぎるため、また低剛性部10を形成するブロックの剛性が高過ぎるため、低剛性部10が凹部の空間領域に押し込まれることができない。従って、ゴム流動が生じにくく、サイドからの力に対抗するのに十分な、幅方向外側に向かう力を発生させることができないからである。また、90%以上とすると、今度は低剛性部10を形成するブロックの剛性が低くなり過ぎて、トレッド接地時に、ブロックの副溝壁側が受ける周方向の力を十分に受けることができずに、凹部の空間領域に倒れ込んでブロックが崩れる可能性があるからである。
従って、最大周方向距離bが長く、低剛性部を形成するブロックの剛性が低くなり過ぎる場合には、トレッド接地時に受ける周方向の力を、ブロックの副溝壁側が十分に受けることができる程度に、トレッド部踏面を角落とし処理することが好ましい。
ここで角落とし処理とは、図4(c)に示すように、凹部を形成することによってトレッド踏面の周方向幅が狭くなった網目部30を、切り欠く処理のことを言う。つまり、低剛性部10を形成するブロックが、凹部を形成する側壁と、低剛性部確定面と、傾斜副溝側の側壁と、さらに周方向主溝側の側壁との4つによって画定されるように、この周方向主溝側の側壁を形成する処理を行う。このように角落とし処理をすれば、剛性の低い斜線部のブロックが、凹部の空間領域へ倒れ込んで崩れてしまうことなく、周方向の力を十分に受けることができるようになる。その結果、タイヤ幅方向外側へ向かう力が発生し、ショルダー領域に位置するブロックに対してサイドから幅方向内側へかかる力を、低減させることができる。
図5(a)は、図4(a)に示すこの発明の凹部を有するブロックのトレッド踏面であり、図5(b−i)及び(b−ii)は、図5(a)のブロックに対応し、ブロックを幅方向の直線A−A’で切った断面を示す図である。
そして、トレッド踏面から溝底方向のタイヤ径方向長さを深さHとして、この深さHは、図5(b−i)に示すように、幅方向に均一の深さで、例えば周方向主溝と同じ深さとすることができる。このように均一の深さとすることで、凹部による空間領域が広くなるため、低剛性部10が該空間領域へ押し込まれやすくなる。従って、ゴム流動も生じやすくなり、例えば最大幅方向距離aが短い場合に、周方向からの力をブロックの中央方向へ、より効率的に伝達することができる。
また凹部のタイヤ径方向の深さHは、図5(b−ii)に示すように、幅方向外側から内側(すなわち、周方向主溝方向)に向かって漸増してもよい。このように、深さが主溝方向へ徐々に深くなっているので、幅方向外側程深さが浅い分ブロックが残っており、比較的強固に、ブロック剛性の高い状態を維持することができる。これにより、例えばトレッド踏面において最大周方向距離bが長く低剛性部が狭くなる場合でも、低剛性部が凹部の空間領域に倒れ込んで、崩れを生じることを抑制することができる。
なお、深さHは、図5で示すように、最大幅方向距離aの線分を含む直線A−A’で切った断面において、最も長くなることが好ましい。
そしてこの発明では、周方向主溝側の側面に、タイヤ幅方向外側に向かう窪みを有すると共にトレッド部踏面に開口する凹部を備え、傾斜副溝と該凹部との間に、ブロック陸部の中央領域の剛性よりも剛性の低い低剛性部を有するという特徴的な構成が、ショルダー領域に位置するブロックの全てに形成されている。
ショルダー領域の全てのブロックに対して凹部を設けることで、タイヤ転動時において、ブロック毎に、ゴム流動性を用いてタイヤ幅方向内側から外側に向かう力を発生させることができる。従って、幅方向外側から内側にかかる力を、常に低減することが可能となる。
また、個々のブロックの形状は、好ましくは幅方向軸に関して対称形状であり、さらに好ましくは、図において例示したように、略直方体形状である。略直方体形状とは、傾斜副溝がタイヤ幅方向に平行であって、長方形のトレッド踏面に対して開口部を設けることによって形成される形状のことを言う。
このように対称形状とすれば、ブロックの巻き込み変形とゴム流動によって生じる力を、幅方向内側から外側に対して、より効率的に伝達することが可能となるからである。また、略直方体形状とすれば、ブロックを効率的にタイヤ表面に配置し、踏面の総面積を広くすることができるので、優れた操縦安定性を維持することができるからである。但し、ブロックの形状は、必ずしも幅方向軸に関して対称でなくてもよい。
またさらに、この発明に従う空気入りタイヤは、タイヤのサイド部のカーカスの内側に、断面三日月状のサイド補強ゴム層を配置してサイド部の剛性を向上させ、内圧低下時にサイド部の撓み変形を極端に増加させることなく荷重を負担できるようにした、サイド補強型ランフラットタイヤとしてもよい。
このランフラットタイヤには、例えば図6に示すように、一対のビード部22にそれぞれ埋設されたビードコア26間にトロイド状に延びる本体部及びビードコア26の周りでタイヤ幅方向内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部を有するルカーカス23と、該カーカス23のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部20と、該トレッド部20の両端部に位置する一対のバットレス領域と、該バットレス領域と前記ビード部22との間を連結する一対のサイド部21と、該サイド部21のカーカス23の内側に配設された一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層27とを備えるタイヤを用いることができる。
このようにランフラットタイヤでは、カーカス23の内側に一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層27が配置されていることで、サイド部21の剛性が高くなる。その結果、荷重負荷時にリムが受けた力は、リムからこのランフラットタイヤのショルダー領域に対して、より直接的にかかることになる。すなわち、ショルダー領域のブロックを、幅方向外側から内側方向へ押し込む力が、図2で示した実施形態の場合に比べて、より強力な力としてかかることになる。
従って、ランフラットタイヤのように、サイドからの押し込み力が強い場合であっても、ブロックに凹部を設けることで、ブロックの巻き込み変形とゴム流動によって生じる力を幅方向内側から外側に向けて伝達するというこの発明を用いれば、ブロックに対してサイドからかかる力を、従来よりも低減させることが可能となる。そしてその結果、肩落ち摩耗やステップダウン摩耗を従来よりも効果的に抑制することが可能となる。
なお、上述の凹部(及びトレッド踏面における開口部)の形状、凹部の深さ、ブロックの形状等は、いずれも本発明を説明するための一実施例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内でその形状は適宜変更可能である。
図7(a)〜(c)は、前記周方向主溝側の側面に、タイヤ幅方向外側に向かう窪みを有すると共にトレッド部踏面に開口する凹部を備えるブロック陸部を有するタイヤを用いて、該ブロック陸部にかかるサイドからの力を計測した結果を示す図である。計測には、特開平7−63658号公報に記載の、タイヤ踏面の接地部測定装置を用いた。
図8(a)は、図4(a)に示した、円弧を描く開口を有するブロックと同じであり、凹部を形成した本発明によるブロックの一例である。図8(b)は、凹部が形成されていない、従来のブロックを示す図である。
そして、図8(a)に示すブロックにかかるサイドからの力は、図8(b)に示す従来のブロックにおける力の計測値を基準値として、この力と比較することによって計測を行った。具体的には、ブロック陸部上において計測点を幅方向に5点(i)〜(v)設け、各点毎に計測を行った。またこの際、図4(a)で示した凹部の最大幅方向距離a及び最大周方向距離bの大きさをそれぞれ変化させて計測を行った。従って、図8(a)のブロックは、凹部が形成されている点以外は、図8(b)に示す従来のブロックと同じである。
そして、図7の結果が示す縦軸の数値は、凹部が形成されていない従来のブロックの各点にかかる力を基準100とした指数で表した数値であり、値が小さいほど、ブロックにかかる力が小さいことを示している。また横軸は、図8における5つの計測点(i)〜(v)を示している。
<計測1>
最大幅方向距離a=4mmで固定し、最大周方向距離bを10mm(実施例1)、20mm(実施例2)、30mm(実施例3)に変化させた。さらに、bを30mmとした場合、低剛性部が力を十分に受けることができるように、トレッド部踏面を角落とし処理した(実施例4)。またこの際、凹部のタイヤ径方向深さは、図5(b−ii)で示す通り、周方向主溝に向かって漸増するようにした。この結果を、図7(a)に示した。
<計測2>
最大周方向距離b=20mmで固定し、最大幅方向距離aを2mm(実施例5)、4mm(実施例6)、6、mm(実施例7)に変化させた。またこの際、凹部のタイヤ径方向深さは、図5(b−ii)で示す通り、周方向主溝に向かって漸増するようにした。この結果を、図7(b)に示した。
<計測3>
最大幅方向距離a=4mm、最大周方向距離b=20mmで固定した。凹部のタイヤ径方向深さは、図5(b−i)で示すように周方向主溝に向かって同一である場合(実施例8)と、図5(b−ii)で示すように周方向主溝に向かって漸増する場合(実施例9)とした。この結果を、図7(c)に示した。
上記の計測結果から、ブロックの周方向主溝側に凹部を設けることで、いずれの場合も、ブロックにかかる力を低減できることがわかった。
また、このブロックへの力負担の軽減は、周方向主溝寄りに位置する場合(実施例で言う、計測点(i)〜(iii))の方が、より顕著であることがわかった。
またさらに、凹部のタイヤ径方向の深さを、一律に同じ深さとする場合も、周方向主溝に向かって漸増するようにする場合も、どちらの場合であっても、ブロックへかかる力の負担を低減可能であることがわかった。
この発明によって、ショルダー領域に位置するブロックにかかるサイドからの力(幅方向外側から内側方向の力)を、反力(幅方向内側から外側方向)によって押し返すことができ、サイドからの力を低減すると共に、特に摩耗が生じやすい、主溝側に隣接するブロック箇所における摩耗を抑制することが可能となった。これにより、従来よりもさらに効果的に、ショルダー領域に位置するブロックの肩落ち摩耗やステップダウン摩耗を抑制可能な空気入りタイヤを提供することができた。
1 タイヤ
2 周方向主溝
3 接地端
4 傾斜副溝
5 ブロック
10 低剛性部
20 トレッド部
21 サイドウォール部
22 ビード部
23 カーカス
24 ベルト層
25 リム
26 ビードコア
27 サイド補強ゴム層

Claims (7)

  1. タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝と、前記周方向主溝に交差する複数の傾斜副溝とによって区画形成され、トレッド接地端を跨る複数のブロック陸部を周方向に配列してなる空気入りタイヤにおいて、
    前記複数のブロック陸部は全て、前記周方向主溝側の側面に、タイヤ幅方向外側に向かう窪みを有すると共にトレッド部踏面に開口する凹部を備え、前記傾斜副溝と前記凹部の間に、ブロック陸部の中央領域の剛性よりも剛性の低い低剛性部を有することを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッド部踏面にて、前記凹部の開口による開口部の最大周方向距離は、前記開口部の最大幅方向距離よりも長いことを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッド部踏面にて、前記開口部の最大周方向距離は、前記開口部の最大幅方向距離の3倍以上10倍未満であることを特徴とする、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド部踏面にて、前記開口部は円弧によって形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記凹部のタイヤ径方向深さは、幅方向断面において、前記周方向主溝側に向かって同一又は漸増することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記傾斜副溝は、タイヤ幅方向と平行であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 少なくともサイドウォール部の内面側に補強ゴムを備える、サイド補強型ランフラットタイヤであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015074248A (ja) * 2013-10-04 2015-04-20 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

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