JP2011189260A - 液滴吐出装置および液滴吐出装置の製造方法 - Google Patents

液滴吐出装置および液滴吐出装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、気泡の排出性に優れた液滴吐出装置および液滴吐出装置の製造方法を提供する。
【解決手段】吐出液を供給する流路と、前記流路に連通する液室と、前記液室に連通するノズル孔と、前記液室に収納された吐出液に圧力を加える加圧手段と、を備え、前記流路、前記液室、前記ノズル孔からなる群より選ばれた少なくとも1種は、前記吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下とされたことを特徴とする液滴吐出装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出装置および液滴吐出装置の製造方法に関する。
民生用プリンタなどの記録装置、液晶表示装置や半導体装置などの製造に用いられる成膜装置などにおいては、インクや膜素材などの吐出液を液滴状にするとともに対象物に向けて吐出、飛翔させて着色や成膜などを行う液滴吐出装置が知られている。
この液滴吐出装置に使用される吐出液中には、周囲の大気が溶解した溶存気体が存在する。そのため、周囲環境の温度変化や圧力変化などにより溶存気体が過飽和状態に達すると、吐出液中に気泡が発生する。また、吐出液容器(例えば、インクカートリッジなど)の交換などの際に吐出液中に気泡が混入する場合もある。
このような気泡が液滴吐出装置内に滞留すると、吐出液を吐出させるための圧力が気泡により減衰されるので、吐出特性が悪化するおそれがある。
そのため、吐出液中の気泡を除去する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に開示された技術によれば、吐出液中に含まれる気泡を円滑に除去することができる。
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、循環する吐出液の流れに乗せて液滴吐出装置の内部から気泡を除去し、バッファタンクの排出口から吐出液ごと気泡を排出するようにしている。
そのため、装置全体が大がかりとなるとともに製造コストの増加を招くことになる。また、排出された吐出液から気泡を除去することも必要となる。
特開2008−246843号公報
本発明は、気泡の排出性に優れた液滴吐出装置および液滴吐出装置の製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、吐出液を供給する流路と、前記流路に連通する液室と、前記液室に連通するノズル孔と、前記液室に収納された吐出液に圧力を加える加圧手段と、を備え、前記流路、前記液室、前記ノズル孔からなる群より選ばれた少なくとも1種の前記吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下とされたことを特徴とする液滴吐出装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、吐出液を供給する流路と、前記流路に連通する液室と、前記液室に連通するノズル孔と、前記液室に収納された吐出液に圧力を加える加圧手段と、を備えた液滴吐出装置の製造方法であって、前記流路、前記液室、前記ノズル孔からなる群より選ばれた少なくとも1種の前記吐出液と接触する面の算術平均粗さRaを0.3μm以上、5μm以下とすることを特徴とする液滴吐出装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、気泡の排出性に優れた液滴吐出装置および液滴吐出装置の製造方法が提供される。
本実施の形態に係る液滴吐出装置を例示するための模式断面図である。 液滴吐出装置の模式外観図である。 気泡の排出実験装置を例示するための模式斜視図である。 気泡の排出実験の手順を例示するための模式図である。 液滴吐出装置の製造方法を例示するための模式工程図である。 「サーマル型」の液滴吐出装置を例示するための模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る液滴吐出装置を例示するための模式断面図である。なお、図1は、図2のA−A方向の断面を拡大した図である。
図2は、液滴吐出装置の模式外観図である。
図2に例示をするように、液滴吐出装置1は、複数のノズル孔12を備えたいわゆるマルチノズル型の液滴吐出装置である。
ここで、液滴吐出装置1の駆動方式には、加熱により気泡を発生させ膜沸騰現象を利用して吐出液を吐出させる「サーマル型」と、圧電素子の屈曲変位を利用して吐出液を吐出させる「圧電型」と、があるが、一例として、ここでは「圧電型」を例にとって例示をする。
図1に示すように、液滴吐出装置1は、ノズル本体11の一方の端面に設けられた可撓性膜3と、可撓性膜3の表面に設けられた圧電素子4とを備えている。「圧電型」の場合には、可撓性膜3と圧電素子4とが、液室9に収納された吐出液に圧力を加える加圧手段となる。この場合、圧電素子4の屈曲変位による圧力波が液室9内の吐出液に伝わりやすくなるように、液室9の軸方向(図1に例示をしたものは液室9の直上)に圧電素子4を設けるようにすることが好ましい。
圧電素子4は、下部材6、駆動電極7、上部材5、駆動電極8の順に積層した後、一体焼成したものである。このように一体焼成された圧電素子4は、強度が高く取扱も容易となる。
ノズル本体11には、一方の端面に開口する流路10が設けられ、流路10の開口部を覆うように可撓性膜3が設けられている。
流路10の開口部と対向する側には、複数の液室9の一端が連通している。液室9の他端(ノズル孔12が設けられる側の端)には、平坦部9aが設けられている。平坦部9aは、ノズル本体11の他方の端面に対して略平行となるようにして設けられている。平坦部9aには、ノズル孔12の一端に設けられたテーパ部12aが開口し、このテーパ部12aを介して液室9とノズル孔12とが連通するようになっている。ノズル孔12の他端は、ノズル本体11の端面に開口している。ここで、テーパ部12aの体積は小さいので、これをノズル孔12の一部と見なすことができる。そのため、平坦部9a(液室9の端面)からノズル本体11の端面までの寸法をノズル長さLとすることができる。
すなわち、ノズル本体11には、吐出液を供給する流路10と、流路10に連通する液室9と、液室9に連通するノズル孔12と、が設けられている。
ノズル本体11の材質はステンレスやニッケル合金などとすることができ、可撓性膜3の材質はポリエチレンテレフタレートなどとすることができる。また、圧電素子4の下部材6と上部材5の材質は、圧電セラミックス(例えば、ジルコンチタン酸鉛など)とすることができ、駆動電極7と駆動電極8は銅合金などとすることができる。ただし、これらの材質は、例示をしたものに限定されるわけではなく、種々の変更が可能である。例えば、ノズル本体11の材質は、吐出させる吐出液に対する耐食性を有する樹脂、金属、半導体材料などから適宜選択することができる。
液滴吐出装置1の主な部分の寸法を例示すれば、ノズル本体11の厚みを1mm〜数mm程度、流路10の断面形状を高さ最大数mm程度(液室9の高さより薄い)×幅数100μm程度、円柱状の開孔であるノズル孔12の直径を20μm〜50μm程度、液室9の直径を250μm〜600μm程度、可撓性膜3の厚さを10μm程度、圧電素子4の厚さを30μm程度とすることができる。
ノズル長さLは、50μm以上、150μm以下とすることが好ましい。50μm未満とすればノズル孔の開口部分付近の強度が低下し、液滴吐出時の内部圧力の上昇により、開口部分付近に変形が生ずるおそれがあるからである。また、150μmを越えるものとすれば、ノズル孔の加工性や吐出抵抗の増加の観点から好ましくないからである。
ノズル孔12の直径を1とした場合、液室9の直径は、5以上、30以下とすることが好ましい。また、8以上、20以下とすることがより好ましい。30を越えるものとすれば、受圧面積が大きくなりすぎ、液滴吐出時の内部圧力の上昇により、開口部分付近に大きな力が働くので、開口部分付近に変形が生ずるおそれがあるからである。また、5未満とすれば液室9の深さ方向の加工精度(平坦部9aの位置精度)を上げることが困難となり、さらには液室9とノズル孔12の同芯度を確保することも容易ではなく着弾特性・飛翔特性などの動作特性に問題が生じるからである。
また、本実施の形態においては、液滴吐出装置1に設けられた要素の吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下となっている。例えば、流路10、液室9、ノズル孔12からなる群より選ばれた少なくとも1種の吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下となっている。また、流路10にリストリクタを有する図示しないリストリクタプレートを備える場合には、リストリクタプレートの吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下となっている。 なお、吐出液と接触する面の算術平均粗さRaについての詳細は後述する。
液滴吐出装置1に設けられる各要素の配置や形状は、図1に例示をしたものに限定されるわけではなく、種々の変更が可能である。
例えば、それぞれの液室9は専用に設けられた流路に連通するようになっていてもよい。また、圧電素子4の構造上、下部材6が振動板、上部材5が圧電体となるが、これに限定されるわけではない。また、変位を生じさせる各種の駆動方式を採用することができる。また、図1では流路10の断面形状を矩形としたが、これに限定されるわけではなく角に丸みを有したものであってもよい。
ここで、周囲環境の温度変化や圧力変化などにより吐出液中において発生したり、図示しない吐出液容器の交換などの際に吐出液中に混入したりした気泡が液滴吐出装置1内に滞留すると、吐出液を吐出させるための圧力が気泡により減衰されるので、吐出特性が悪化するおそれがある。
本発明者は、検討の結果、液滴吐出装置に設けられた要素の吐出液と接触する面の表面粗さを所定の範囲内とすれば、液滴吐出装置内に滞留する気泡の排出を促すことができるとの知見を得た。
次に、吐出液と接触する面の表面粗さと、気泡の排出性との関係について本発明者が得た知見について説明する。
図3は、気泡の排出実験装置を例示するための模式斜視図である。
図4は、気泡の排出実験の手順を例示するための模式図である。
図3に示すように、排出実験装置100には基部101と蓋部102とが設けられている。
基部101は、板状を呈し、長手方向に延在する溝部101aが設けられている。溝部101aの長手方向の長さ寸法は5cm程度、深さ寸法は1mm程度としている。溝部101aの長手方向の一方の端部近傍には、孔部101bが設けられている。孔部101bは、基部101の厚み方向を貫通し、基部101の端面に開口している。また、基部101の材質はステンレスとしている。
そして、溝部101aの表面の算術平均粗さRaを変えたものを作成して、表面粗さと気泡の排出性との関係を検証するようにした。この場合、算術平均粗さRaが0.1μm、0.3μm、0.5μm、1μm、5μm、7μm、10μmのものを作成するようにした。
蓋部102は、板状を呈し、孔部101bが設けられた側とは反対側の溝部101aの端部近傍と連通する孔部102aが設けられている。孔部102aは、蓋部102の厚み方向を貫通し、蓋部102の端面に開口している。また、蓋部102の材質は透明ガラスとされ、気泡103の動きが観察できるようになっている。
なお、孔部101bと孔部102aは、溝部101aに水、気泡103を入れる際の入口となるとともに、いわゆる空気抜きの孔ともなる。
基部101と蓋部102とは液密になるように接合されている。例えば、基部101と蓋部102とを液密となるように接着剤で接合するようにすることができる。また、基部101と蓋部102とを接合する前に、溝部101aの紫外線洗浄を行うことで有機物などを分解除去するようにしている。
次に、気泡の排出実験の手順を例示する。
まず、図4(a)に示すように、溝部101aに水を充填し、直径寸法が1mm程度の気泡103を1つ入れた。
次に、図4(b)に示すように、排出実験装置100を45°傾け、蓋部102を介して気泡103の動きを観察することで気泡103の排出性を評価した。
以上のような排出実験装置100を用いた実験の結果、算術平均粗さRaが0.1μmの場合には気泡103は静止したままの状態であった。そして、算術平均粗さRaが0.3μmの場合には気泡103が移動を始め、算術平均粗さRaが大きくなるほど移動速度が速くなることが判明した。
すなわち、吐出液と接触する面の算術平均粗さRaを0.3μm以上とすれば、気泡の排出性を向上させることができることが判明した。
また、本発明者は、この結果を踏まえて液滴吐出装置1による吐出実験を行った。
すなわち、液滴吐出装置1に設けられた要素の吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.1μm、0.3μm、0.5μm、1μm、5μm、7μm、10μmのものを作成し、吐出液の吐出実験を行った。この場合、吐出液はインクジェットプリンタなどで用いられるインクとした。
以上のような液滴吐出装置1を用いた実験の結果、算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下の場合にはすべてのノズル孔12からインクが吐出されることが確認された。一方、算術平均粗さRaが0.1μm、7μm、10μmの場合には、3%〜6%程度のノズル孔12からインクが吐出されないことが確認された。
そのため、気泡の排出性と吐出液の吐出性とを考慮すると、液滴吐出装置に設けられた要素の吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下となるようにすることが好ましいことが判明した。
次に、本実施の形態に係る液滴吐出装置1の作用について例示をする。
駆動電極7または駆動電極8に電圧を印加すると上部材5が下方に凸の屈曲変位をし、これに伴って積層構造の圧電素子4が下方に凸の屈曲変位をする。この屈曲変位は、図1中に波線で示すように、可撓性膜3を下方に押し下げ、液室9内の吐出液をノズル孔12の方向に向かって加圧する。そのため、屈曲変位に応じて吐出液がノズル孔12から吐出される。
吐出により減少した吐出液は、流路10を通じて図示しない吐出液容器から補充される。印加電圧を制御すれば圧電素子4の屈曲変位を制御することができるので、図示しない制御装置により印加電圧を制御して吐出量や吐出タイミングの制御をすることができる。なお、圧電素子4の屈曲変位は可撓性膜3に吸収され、隣接する圧電素子や圧力室との間の相互干渉が抑制される。
本実施の形態においては、液滴吐出装置1に設けられた要素は、吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下となるようになっている。
そのため、周囲環境の温度変化や圧力変化などにより吐出液中において気泡が発生したり、図示しない吐出液容器の交換などの際に吐出液中に気泡が混入したりした場合であっても気泡の排出を促すことができる。また、気泡の排出性とともに吐出液の吐出性を向上させることもできる。
また、気泡を排出させるために吐出液を循環させる装置を設ける必要がない。そのため、装置全体が大がかりとなったり装置の製造コストが増大することもない。
また、気泡の排出性を向上させるために親水化処理などの特殊な処理を必要としないため、経時変化、処理のムラなどにより気泡の排出性が変化することがない。また、親水化処理などの特殊な処理工程を必要としないため、製造工程の簡素化や製造コストの低減を図ることができる。
次に、本実施の形態に係る液滴吐出装置1の製造方法について例示をする。
図5は、液滴吐出装置1の製造方法を例示するための模式工程図である。
まず、図5(a)に示すように板材の外周を加工し、いわゆるブランク状態のノズル本体11を作成する。
次に、図5(b)に示すように、このブランク状態のノズル本体11に流路10を加工する。この際用いられる工具19aは、溝を切るのに適したものを使用することができる。
次に、図5(c)に示すように、液室9を加工する。
図5(c)に例示をした工具19bは、ドリルであるが、これに限定されるわけではなく、孔をあけるのに適したものを適宜選択することができる。この加工段階では、液室9の底面側には円錐状の凹部が残ることになる。
図5(d)は、液室9を加工する工具19cとしてエンドミルを用いた場合である。この場合においては、液室9の底面側には円錐状の凸部が残ることになる。
次に、図5(e)に示すように、液室9の底面側に残る円錐状の凹部や凸部を除去し、平坦部9aを形成させる。図5(e)に例示をした工具19dは、先端が平らで、かつ、先端部分にも切れ刃を有するものであるが、これに限定されるわけではなく、液室9の底面を平らに加工できるものであればよい。また、加工方法も適宜選択が可能であり、例えば、成形電極による型彫り放電加工、または細孔パイプ放電加工のようなものとすることもできる。
次に、図5(f)に示すように、ノズル孔12の下孔加工(センター孔加工)を行う。この下孔加工(センター孔加工)は、ノズル孔12の加工精度を上げるために行われる。 例えば、ノズル孔12よりやや径が大きく略V字状に突出した刃先形状を有する工具19eを用いて、略V字状の凹み29を加工するようにすることができる。また、工具19eを回転させず衝撃的に押し当てるようにして、塑性加工により凹み29を形成させるようにすることもできる。
次に、図5(g)に示すように、ノズル孔12の加工を行う。このとき、略V字状の凹み29のセンタリング作用により工具19fが案内されるので工具19fの振れが押さえられる。また、いわゆる食いつきが良くなるので加工当初の切削性も良好となる。
次に、必要に応じて仕上げ加工を行い吐出液と接触する面の表面粗さが所定の範囲内(算術平均粗さRaで0.3μm以上、5μm以下)に収まるようにする。例えば、流路10、液室9、ノズル孔12からなる群より選ばれた少なくとも1種は、吐出液と接触する面の算術平均粗さRaを0.3μm以上、5μm以下とする。
次に、図5(h)に示すように、ノズル本体11の流路10を覆うように可撓性膜3を液密となるように接着する。接着は、例えば、エポキシ系接着剤により行うことができる。そして、接着された可撓性膜3の表面に圧電素子4を設置する。この際、液室9の軸方向(図5(h)に例示をしたものでは直上)に圧電素子4が設置されるようにする。なお、圧電素子4は、下部材6、駆動電極7、上部材5、駆動電極8の順に積層した後、一体焼成したものを予め製造しておく。
なお、図5に示した加工方法はあくまで例示であり、これらに限定されるわけではない。例えば、前述した切削加工の他、ドライエッチング加工、ウェットエッチング加工、放電加工、レーザー加工、塑性加工などの各種の物理的・化学的除去方法を採用することができる。また、このような加工方法を必要に応じて適宜組み合わせることもできる。
次に、他の実施形態に係る液滴吐出装置を例示する。
図6は、加熱を行うことで吐出液を吐出させるいわゆる「サーマル型」の液滴吐出装置を例示するための模式断面図である。
液滴吐出装置32は、ノズル本体11の一方の端面に設けられた保護膜34と、保護膜34の表面に設けられた発熱素子33とを備えている。「サーマル型」の液滴吐出装置32の場合は、保護膜34と発熱素子33とが、液室9に収納された吐出液に圧力を加える加圧手段となる。発熱素子33は電気抵抗材料からなる抵抗薄膜から形成され、図示しない電圧印加手段から電圧が印加されるとジュール熱を発生させる。保護膜34は酸化珪素や窒化珪素などの無機材料により形成されている。保護膜34は厚さが2μm程度、発熱素子33は厚さが3μm程度とすることができる。ただし、これらの配列、形状、寸法、材質は図6に例示をしたものに限定されるわけではなく、種々の変更が可能である。
次に、液滴吐出装置32の作用について例示をする。
図示しない電圧印加手段から発熱素子33に電圧が印加されると発熱素子33が発熱する。発熱素子33の発熱により吐出液中に気泡35が発生する。発生した気泡35の圧力により液室9内の吐出液がノズル孔12方向に加圧される。そのため、吐出液はこの圧力に応じてノズル孔12から吐出される。吐出により減少した吐出液は、流路10を通じて図示しない吐出液容器から補充される。発生した気泡35は周囲の吐出液に熱を奪われるので収縮するように消滅する。この一連の過程で印加電圧を制御すれば気泡35の大きさやその発生のタイミングを制御することができるので、図示しない制御装置により印加電圧を制御して吐出量や吐出タイミングの制御をすることができる。
液滴吐出装置32の製造方法は、可撓性膜3が保護膜34に、圧電素子4が発熱素子33に代わるほかは前述したものと同様であるためその説明は省略する。
なお、以上に例示をした液滴吐出装置1、液滴吐出装置32は、ノズル本体11に液室9、流路10、ノズル孔12などを一体的に備えているがこれに限定されるわけではない。例えば、ノズル孔12が設けられたノズルプレートと、液室9と流路10とが設けられた部材とを接合することでノズル本体11を形成するようにすることもできる。
また、ノズル孔12が設けられたノズルプレートと、液室9が設けられた中間プレートと、流路10が設けられたハウジングと、を接合するようにすることもできる。
また、例示をした要素に限定されるわけではなく、他の要素を設けるようにすることもできる。例えば、リストリクタを有するリストリクタプレートを流路10に設けるようにすることもできる。
なお、液滴吐出装置に種々の要素が設けられる場合には、各要素の吐出液と接触する面の算術平均粗さRaを0.3μm以上、5μm以下とすることができる。
以上、本実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、液滴吐出装置1、液滴吐出装置32などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 液滴吐出装置、3 可撓性膜、4 圧電素子、9 液室、10 流路、11 ノズル本体、12 ノズル孔、32 液滴吐出装置、33 発熱素子、34 保護膜、35 気泡、100 排出実験装置、101 基部、102 蓋部

Claims (5)

  1. 吐出液を供給する流路と、
    前記流路に連通し、吐出液を貯留する液室と、
    前記液室に連通し、対象物へ吐出液を吐出するノズル孔と、
    前記液室に貯留された吐出液に圧力を加える加圧手段と、
    を備え、
    前記流路、前記液室、前記ノズル孔からなる群より選ばれた少なくとも1種は、前記吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下であることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. リストリクタを有するリストリクタプレートをさらに備え、
    前記リストリクタプレートは、吐出液と接触する面の算術平均粗さRaが0.3μm以上、5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
  3. 前記加圧手段は、圧電素子または発熱素子を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記圧電素子または前記発熱素子は、前記液室の軸方向に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  5. 吐出液を供給する流路と、
    前記流路に連通し、吐出液を貯留する液室と、
    前記液室に連通し、対象物へ吐出液を吐出するノズル孔と、
    前記液室に貯留された吐出液に圧力を加える加圧手段と、
    を備えた液滴吐出装置の製造方法であって、
    前記流路、前記液室、前記ノズル孔からなる群より選ばれた少なくとも1種は、前記吐出液と接触する面の算術平均粗さRaを0.3μm以上、5μm以下とする工程を有することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
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