JP2011177392A - ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】先端部において、良好な柔軟性を有し、外表面が平滑な被覆層を形成することができ、操作性、安全性に優れたガイドワイヤを提供すること。
【解決手段】ガイドワイヤは、第1ワイヤと、第1ワイヤの基端側に配置された第2ワイヤとを接合してなる可撓性を有するワイヤ本体と、螺旋状のコイル4とを備えている。コイル4は、基端側から先端側に向って順に、外径・内径一定部と、テーパ部と、外径・内径一定部41とを有している。コイル4の外径・内径一定部41においては、線材40の外周側の部位402の形状と内周側の部位401の形状とが互いに異なる。そして、外径・内径一定部41においては、線材40の横断面での線材40の外周側の部位402の曲率半径の平均値R2が内周側の部位401の曲率半径の平均値R1よりも大きく設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガイドワイヤに関するものである。
ガイドワイヤは、例えばPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)のような、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療や、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルを誘導するのに使用される。PTCA術に用いられるガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態にて、バルーンカテーテルと共に目的部位である血管狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。
また、PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:経皮的血管拡張術)においても、フェモラール、イリアック、リナール、シャント等のような血管に形成された狭窄部(閉塞部)を開通させるために、PTCA術とほぼ同様に、ガイドワイヤを用いてバルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。
PTCA、PTCA等を必要とする血管は、複雑に湾曲しており、バルーンカテーテルを血管に挿入する際に用いるガイドワイヤには、適度の曲げに対する柔軟性および復元性、基端部における操作を先端側に伝達するための押し込み性およびトルク伝達性(これらを総称して「操作性」という)、さらには耐キンク性(耐折れ曲がり性)等が要求される。これらの特性のうち、適度の柔軟性を得るための構造として、ガイドワイヤの先端部の芯材(ワイヤ本体)の回りに、柔軟に湾曲し得る金属製のコイルを設置した構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。そのコイルは、横断面形状が円形をなす線材を螺旋状に巻回したものである。
しかしながら、前記従来のガイドワイヤでは、コイルを構成する線材の横断面形状が円形をなしているので、ガイドワイヤの先端部の外径が大きくなってしまうという欠点がある。
また、線材の横断面形状が円形をなしているので、ガイドワイヤの先端部の剛性が不十分となる。すなわち、ガイドワイヤの先端部が血管狭窄部や血管湾曲部を通過する際、線材の横断面形状が円形をなしていると、その先端部において隣り合う線材同士の可動領域(可動し得る範囲)が広いため、先端部が曲がり易く、柔軟になる。これにより、ガイドワイヤの押し込み性が低下し、その先端部が血管狭窄部や血管湾曲部を通過し難くなることがある。
また、コイルの外表面を親水性潤滑層で被覆する場合、その親水性潤滑層の外表面に、コイルの外表面の形状に起因した凹凸が形成され、これにより、血管壁またはカテーテルの内腔と親水性潤滑層の接触面積が小さくなり、ガイドワイヤの摺動性が低下する。
また、特許文献2には、線材を螺旋状に巻回してなるコイルと、そのコイル内に移動自在に設置されるコア部材とで構成されたガイドワイヤが開示されている。このガイドワイヤのコイルは、基端側に設けられた基端側セグメント(第1セグメント)と、先端側に設けられた先端側セグメント(第2セグメント)と、基端側セグメントと先端側セグメントとの間に設けられたテーパ部とを有している。コイルの外径は、基端側セグメントよりも先端側セグメントの方が小さく、また、テーパ部において先端方向に向かって漸減している。これにより、先端側セグメントの横断方向硬度は、基端側セグメントよりも小さくなる。なお、コイルの外径の調整は、テーパ部および先端側セグメントの外周側を研磨することで行っている。一方、コイルの内径は、先端側セグメント、テーパ部および基端側セグメントのすべてにおいて等しく、軸方向に沿って一定である。
しかしながら、前記特許文献2に記載されているガイドワイヤは、コア部材がコイル内で移動可能に構成されているため、先端部の押し込み性が低いという欠点がある。仮に、コア部材を先端まで移動させて操作した場合であっても、最先端とコア部材とが固着されていないためにトルク伝達力が低くなってしまう。
特開2007−135645号公報 特許第4198459号公報
本発明は、先端部を細く構成したいが、先端部の剛性を適度な剛性に保ちたいという相反した目的を達成するために考案されたものである。
本発明の目的は、先端部において、良好な柔軟性を有し、外表面が平滑な被覆層を形成することができ、操作性、安全性に優れたガイドワイヤを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1) 可撓性を有する芯材からなるワイヤ本体と、
前記ワイヤ本体の先端部を覆うように設置され、線材を螺旋状に巻回してなるコイルとを備えるガイドワイヤであって、
前記コイルは、その先端側に内径が一定である内径一定部を有し、該内径一定部の基端側に内径が先端方向に向かって漸減するテーパ部を有しており、
前記内径一定部は、前記線材の横断面での該線材の外周側の部位の曲率半径の平均値が内周側の部位の曲率半径の平均値よりも大きいことを特徴とするガイドワイヤ。
(2) 前記コイルの外表面は、親水性材料で構成された親水性潤滑層で被覆されている上記(1)に記載のガイドワイヤ。
(3) 前記親水性潤滑層は、前記内径一定部の外表面では実質的に平滑な外表面を形成し、前記テーパ部の外表面では波状の凹凸を形成する上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
(4) 前記ワイヤ本体の先端部において、該ワイヤ本体の外表面と前記コイルの内表面との間の距離が前記ワイヤ本体の長手方向に沿って実質的に一定になるよう構成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(5) 前記ワイヤ本体は、その先端側に外径が先端方向に向かって漸減する本体側テーパ部を有しており、
前記本体側テーパ部に、前記コイルの前記テーパ部が位置し、前記ワイヤ本体の前記本体側テーパ部よりも先端側の部位に、前記コイルの前記内径一定部が位置する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(6) 前記内径一定部は、前記テーパ部よりも周方向への変形可能領域が小さい上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(7) 前記内径一定部は、前記コイルの外径が一定であり、前記テーパ部は、前記コイルの外径が先端方向に向かって漸減している上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
本発明のガイドワイヤでは、前記内径一定部においては、前記線材の横断面での該線材の外周側の部位の曲率半径の平均値が無限大ではないことが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記内径一定部においては、前記テーパ部よりも前記線材が前記コイルの軸方向に沿って粗になるように配置されていることが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記内径一定部においては、前記コイルの前記テーパ部より基端側の部位よりも前記線材が前記コイルの軸方向に沿って粗になるように配置されていることが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記内径一定部においては、隣り合う2つの前記線材同士が離間していることが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記内径一定部においては、隣り合う2つの前記線材同士が接触していることが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記テーパ部においては、隣り合う2つの前記線材同士が接触していることが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記コイルの前記テーパ部より基端側の部位においては、隣り合う2つの前記線材同士が接触していることが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記内径一定部においては、前記線材の横断面での形状は非円形状であり、前記線材の横断面での内周側の部位の表面形状は、円弧状であることが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記内径一定部においては、前記線材の横断面での形状は非円形状であり、前記線材の横断面での外周側の部位の表面形状は、円弧状であることが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記テーパ部においては、前記線材の横断面での形状は円形状であることが好ましい。
本発明のガイドワイヤでは、前記コイルの前記テーパ部より基端側の部位においては、前記線材の横断面での形状は円形状であることが好ましい。
本発明によれば、ガイドワイヤは、ワイヤ本体およびコイルを有しているので、操作性に優れている。そして、コイルは、内径一定部およびテーパ部を有しており、そのコイルの内形に対応した外形を有するワイヤ本体を設けることにより、ガイドワイヤは、先端部に良好な柔軟性を得て、血管等の生体管腔(体腔)への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。
特に、コイルの先端側の内径一定部において、そのコイルを構成する線材の横断面で、線材の外周側の部位の曲率半径の平均値を内周側の部位の曲率半径の平均値よりも大きく設定することにより、コイルの内径を変更することなく外径を小さくすることができ、かつ、先端部に適度な剛性を維持することができる。
また、ガイドワイヤの先端部が血管等の狭窄部や湾曲部を通過する際、その先端部において隣り合う線材同士が滑り難くなり、隣り合う線材同士がずれてしまうことが防止される。これにより、ガイドワイヤの押し込み性が向上し、その先端部を狭窄部や湾曲部を容易に通過させることができる。
また、コイルの外表面を親水性潤滑層で被覆する場合、内径一定部における親水性潤滑層の外表面を平滑にすることができ、これにより、親水性潤滑層の接触面積が大きくなり、ガイドワイヤの摺動性を向上させることができる。
本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すガイドワイヤのコイルを構成する線材の構成例を示す横断面図である。 図1に示すガイドワイヤのコイルを構成する線材の他の構成例を示す横断面図である。 図1に示すガイドワイヤのコイルおよび親水性潤滑層を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す縦断面図である。
以下、本発明のガイドワイヤを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すガイドワイヤのコイルを構成する線材の構成例を示す横断面図で、図3は、図1に示すガイドワイヤのコイルを構成する線材の他の構成例を示す横断面図、図4は、図1に示すガイドワイヤのコイルおよび親水性潤滑層を示す縦断面図である。
なお、以下では、図1〜図3中の左側を「先端」、右側を「基端(後端)」、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。また、図1では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
図1に示すガイドワイヤ1は、カテーテル(内視鏡も含む)の内腔に挿入して用いられるカテーテル用ガイドワイヤであって、先端側に配置された第1ワイヤ2と、第1ワイヤ2の基端側に配置された第2ワイヤ3とを接合(接続)してなる可撓性を有するワイヤ本体10と、螺旋状のコイル4とを備えている。ガイドワイヤ1の全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。また、ガイドワイヤ1の外径は、特に限定されないが、通常、0.2〜1.2mm程度であるのが好ましい。
第1ワイヤ2は、柔軟性または弾性を有する線材(芯材)で構成されている。第1ワイヤ2の長さは、特に限定されないが、20〜1000mm程度であるのが好ましい。
本実施形態では、第1ワイヤ2は、その外径が一定である部分(外径一定部)と、外径が先端方向へ向かって漸減しているテーパ状の部分(外径漸減部)(テーパ部)とを有する。図示の構成では、第1ワイヤ2は、基端側から先端側に向って順に、外径一定部25と、テーパ部24と、外径一定部25より外径が小さい外径一定部23と、テーパ部(本体側テーパ部)22と、最先端部21とを有している。
前記テーパ部22、24を有することにより、第1ワイヤ2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ1は、先端部に良好な柔軟性を得て、血管等の生体管腔(体腔)への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。
テーパ部22、24のテーパ角度(外径の減少率)は、それぞれ、ワイヤ本体10の長手方向(以下、単に「長手方向」と言う)に沿って一定でも、長手方向に沿って変化する部位があってもよい。例えば、テーパ角度(外径の減少率)が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。
最先端部21は、例えば、外径一定部23より外径が小さい外径一定部とすることができる。
また、最先端部21は、例えば、平板状(リボン状)をなし、所望の形状に変形(リシェイプ:形状付け)させて用いることができるように構成してもよい。一般に、ガイドワイヤでは、誘導するカテーテル等の先端部を血管形状に対応させたり、血管分岐を円滑に誘導したりするために、医師がガイドワイヤの先端部を予め所望の形状に曲げて使用することがあり、このようにガイドワイヤの先端部を所望の形状に曲げることをリシェイプと言う。そして、この最先端部21を設けることにより、リシェイプを容易かつ確実に行うことができ、ガイドワイヤ1を生体内に挿入する際の操作性が格段に向上する。
最先端部21の長さは、特に限定されないが、5〜200mm程度であるのが好ましく、10〜150mm程度であるのがより好ましい。特に、最先端部21をリシェイプさせて用いる場合は、最先端部21の長さが長すぎると、その構成材料によっては、ガイドワイヤ1の操作性が低下するおそれがあり、一方、最先端部21の長さが短すぎると、ガイドワイヤ1の先端部の形状を所望の形状にすることができなくなるおそれがある。
第1ワイヤ2の構成材料(素材)は、特に限定されず、例えば、Ni−Ti系合金、ステンレス鋼などの各種金属材料を使用することができるが、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む。)であるのが好ましい。より好ましくは超弾性合金である。超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに復元性があり、曲がり癖が付き難いので、第1ワイヤ2を超弾性合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、その先端側の部分に十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られるとともに、第1ワイヤ2が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、第1ワイヤ2に復元性により曲がり癖が付かないので、ガイドワイヤ1の使用中に第1ワイヤ2に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
擬弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。なお、Ni−Ti系合金に代表される超弾性合金は、後述する樹脂被覆層8等の密着性にも優れている。
第1ワイヤ2の基端(外径一定部25の基端)には、第2ワイヤ3の先端が接合(接続)されている。第2ワイヤ3は、柔軟性または弾性を有する線材(芯材)で構成されている。第2ワイヤ3の長さは、特に限定されないが、20〜4800mm程度であるのが好ましく、1400〜3000mm程度であるのがより好ましい。
第2ワイヤ3の平均外径は、第1ワイヤ2の平均外径より大きい。これにより、ガイドワイヤ1は、その先端側である第1ワイヤ2上では、より柔軟性に富み、基端側である第2ワイヤ3上では、より剛性が高いものとなるので、先端部の柔軟性と優れた操作性(押し込み性、トルク伝達性等)とを両立することができる。
前記第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合方法は、特に限定されず、例えば、溶接やろう接等、種々の方法を用いることができるが、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とは溶接により接合されているのが好ましい。
また、前記溶接方法としては、特に限定されず、例えば、摩擦圧接、レーザを用いたスポット溶接、アプセット溶接等の突き合わせ抵抗溶接などが挙げられるが、比較的簡単で高い接合強度が得られることから、突き合わせ抵抗溶接が特に好ましい。
第2ワイヤ3は、第1ワイヤ2と異なる材料で構成されており、特に、第1ワイヤ2の構成材料より弾性率(ヤング率(縦弾性係数)、剛性率(横弾性係数)、体積弾性率)が大きい材料で構成されているのが好ましい。これにより、第2ワイヤ3に適度な剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)が得られ、ガイドワイヤ1がいわゆるコシの強いものとなって押し込み性およびトルク伝達性が向上し、より優れた挿入操作性が得られる。
第2ワイヤ3の構成材料(素材)は、第1ワイヤ2と異なるものであれば特に限定されず、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等のSUS全品種)、ピアノ線、コバルト系合金、擬弾性合金などの各種金属材料を使用することができるが、ステンレス鋼またはコバルト系合金であるのが好ましく、ステンレス鋼であるのがより好ましい。第2ワイヤ3をステンレス鋼またはコバルト系合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、より優れた押し込み性およびトルク伝達性が得られる。
なお、本実施形態では、ワイヤ本体10は、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを接合したものであるが、これに限らず、例えば、1本の連続した線材で構成されていてもよい。
また、ワイヤ本体10の先端部外周、すなわち、第1ワイヤ2の最先端部21、テーパ部22および外径一定部23の外周には、コイル4が設置されている。このコイル4は、線材(細線)40を螺旋状に巻回(形成)してなる部材であり、ワイヤ本体10の先端部、すなわち、第1ワイヤ2の最先端部21と、テーパ部22と、外径一定部23の基端部を除く部分(外径一定部23の大部分)とを覆うように設置されている。
また、第1ワイヤ2は、コイル4の内側のほぼ中心部に挿通されている。
また、コイル4は、第1ワイヤ2の最先端部21、テーパ部22および外径一定部23に対応し、その外径および内径が一定である部分(外径・内径一定部)と、外径および内径が先端方向へ向かって漸減しているテーパ状の部分(外径・内径漸減部)(テーパ部)とを有する。図示の構成では、コイル4は、基端側から先端側に向って順に、外径・内径一定部43と、テーパ部42と、外径・内径一定部43より外径および内径が小さい外径・内径一定部(内径一定部)41とを有している。これら外径・内径一定部43、テーパ部42および外径・内径一定部41は、それぞれ、第1ワイヤ2の外径一定部23、テーパ部22および最先端部21に位置している。
また、ワイヤ本体10の先端部において、そのワイヤ本体(芯材)10の外表面とコイル4の内表面との間の距離が長手方向に沿って実質的に一定になるように構成されている。
このように第1ワイヤ2とコイル4とが同心状に配置されることにより、ガイドワイヤ1の先端部分は、偏りのない変形を可能とする。
また、図示の構成では、コイル4の外径・内径一定部41、テーパ部42および外径・内径一定部43のすべてにおいて、外力を付与しない状態で、隣り合う2つの線材40同士が接触している(線材40同士が隙間なく密に配置されている)。但し、これに限らず、例えば、下記のように構成されていてもよい。
すなわち、コイル4の外径・内径一定部41(コイル4の先端側)では、テーパ部42および外径・内径一定部43よりも線材40がコイル4の軸方向に沿って粗になるように配置されていてもよい。具体的には、外径・内径一定部41では、外力を付与しない状態で、隣り合う2つの線材40同士が離間し、その線材40同士の間に隙間が形成されている。これにより、ガイドワイヤ1の外径・内径一定部41に対応する部位の柔軟性がさらに向上し、追従性および安全性を向上させることができる。一方、テーパ部42および外径・内径一定部43(コイル4の基端側)では、それぞれ、外力を付与しない状態で、隣り合う2つの線材40同士が接触していることが好ましい。
また、図2に示すように、コイル4の外径・内径一定部41においては、線材40の外周側の部位402の形状(横断面での形状)と内周側の部位401の形状とが互いに異なる。すなわち、コイル4の外径・内径一定部41における線材40の横断面での形状は、非円形状をなしている。そして、外径・内径一定部41においては、線材40の横断面での線材40の外周側の部位402の曲率半径の平均値R2が内周側の部位401の曲率半径の平均値R1よりも大きく設定されている。
これにより、ガイドワイヤ1の先端部が湾曲しようとした際、外径・内径一定部41において、隣り合う線材40同士の接触面積が大きくなり、ガイドワイヤ1の先端部が血管狭窄部や血管湾曲部を通過する際、その先端部において隣り合う線材40同士の可動領域(可動し得る範囲)が狭くなり、先端部が曲がり難くなる。すなわち、外径・内径一定部41は、テーパ部42よりも周方向への変形可能領域が小さくなり、ガイドワイヤ1の先端部が適度な剛性を有するようになる。これにより、ガイドワイヤ1の押し込み性が向上し、その先端部が血管狭窄部や血管湾曲部を通過し易くなる。
また、コイル4の内径を変更することなく外径のみを小さくすることができ、これにより、コイル4内の空間を十分に確保しつつ、ガイドワイヤ1の細径化を図ることができるため、ワイヤ本体10の形状、大きさを選択的に設定することが可能となる。
また、コイル4の外表面の凹凸を小さくすることができ(例えば、コイル4の外表面を平滑にすることができ)、これにより、外径・内径一定部41における後述する親水性潤滑層7の外表面を平滑にすることができる。これによって、親水性潤滑層7の接触面積が大きくなり、ガイドワイヤ1の摺動性を向上させることができる。
なお、前記内周側の部位401とは、線材40の横断面において、線材40の内周側(図2中下側)における曲率半径が一定の部位である。また、前記外周側の部位402とは、線材40の横断面において、線材40の前記内周側の部位401に続く部位である。
また、外径・内径一定部41においては、線材40の外周側の部位402の曲率半径の平均値R2は、図2に示すように、無限大でなくてもよく、また、図3に示すように、無限大であってもよい。
まず、図2に示すように、外径・内径一定部41における線材40の外周側の部位402の曲率半径の平均値R2が無限大でない場合、線材40の横断面での内周側の部位401の表面形状は、特に限定されないが、円弧状であることが好ましく、また、外周側の部位402の表面形状は、特に限定されないが、円弧状であることが好ましい。
また、前記R1は、0.005mm≦R1≦0.1mmであることが好ましく、0.01mm≦R1≦0.04mmであることがより好ましい。
また、前記R2は、0.04mm<R2<∞であることが好ましい。
また、図3に示すように、外径・内径一定部41における線材40の外周側の部位402の曲率半径の平均値R2が無限大である場合、線材40の横断面での内周側の部位401の表面形状は、直線状であり、また、外周側の部位402の表面形状は、特に限定されないが、円弧状であることが好ましい。なお、この場合のR2の好適な値は、前記と同様である
また、テーパ部42および外径・内径一定部43においては、それぞれ、線材40の形状は、特に限定されないが、線材40の横断面での形状が円形状であることが好ましい。すなわち、線材40の横断面での外周側の部位の曲率半径の平均値と、線材40の横断面での内周側の部位の曲率半径の平均値とが等しく設定されていることが好ましい。テーパ部42を前記のように設定することにより、そのテーパ部42において隣り合う線材40同士の可動領域が広くなり、柔軟な変形が可能になる。つまり、外径・内径一定部41が曲がり難いことにより、狭窄部の通過性が向上し、テーパ部42が柔軟性を有することにより、追従性が向上する。これにより、ガイドワイヤ1の押し込み性が向上し、その先端部が血管狭窄部や血管湾曲部を通過し易くなる。
前記コイル4の線材40は、例えば、横断面での形状が円形をなすものを研磨(研削)して形成する。すなわち、コイル4の外径・内径一定部41を構成する線材40の外周側の部位402を所定形状に研磨する。この加工方法は、特に限定されず、例えば、研磨・研削工具等を使用する物理的加工(機械的加工)、エッチングや電解研磨(電解加工)等の化学的加工を用いることができる。
また、前記外径・内径一定部41における線材40の研磨量は、50%以下であることが好ましく、25〜40%程度であることがより好ましい。
外径・内径一定部41における線材40の研磨量が前記上限値を超えると、外径・内径一定部41において隣り合う線材40同士の接触面積が小さくなり、ガイドワイヤ1の先端部が血管狭窄部や血管湾曲部を通過する際、その先端部において隣り合う線材40同士がずれ易くなり、先端部が曲がり易くなって、押し込み性が低下し、その先端部が血管狭窄部や血管湾曲部を通過し難くなる。また、先端部が血管壁に接触している状態で手元側から強い押し込み力が与えられると、コイル4の破損が生じるおそれがある。
また、コイル4は、例えば、横断面での形状が円形の線材40をワイヤ本体10に巻回した後、その線材40を研磨して形成してもよく、また、研磨された線材40をワイヤ本体10に巻回して形成してもよい。
前記線材40をワイヤ本体10に巻回した後に研磨する場合は、例えば、コイル4を引っ張り、コイル4が伸長した状態で、螺旋状の線材40に沿って研磨するのが好ましい。これにより、容易かつ確実に、研磨することができる。なお、コイル4を引っ張らずに研磨してもよいことは言うまでもない。
コイル4は、金属材料で構成されているのが好ましい。コイル4を構成する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金や、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金(例えば白金−イリジウム合金)等が挙げられる。特に、貴金属のようなX線不透過材料で構成した場合には、ガイドワイヤ1にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができ、好ましい。また、コイル4は、その先端側と基端側とを異なる材料で構成してもよい。例えば、先端側をX線不透過材料のコイル、基端側をX線を比較的透過する材料(ステンレス鋼など)のコイルにて各々構成してもよい。なお、コイル4の全長は、特に限定されないが、5〜500mm程度であるのが好ましい。
コイル4の先端部および基端部は、それぞれ、固定材料51および53により第1ワイヤ2に固定されている。また、コイル4の中間部は、固定材料52により第1ワイヤ2に固定されている。固定材料51〜53は、半田(ろう材)で構成されている。なお、固定材料51〜53は、半田に限らず、接着剤でもよい。また、コイル4の固定方法は、固定材料によるものに限らず、例えば、溶接でもよい。また、血管等の体腔の内壁の損傷を防止するために、固定材料51の先端面は、丸みを帯びているのが好ましい。
本実施形態では、このようなコイル4が設置されていることにより、ガイドワイヤ1の先端部において適度の柔軟性が得られ、また、第1ワイヤ2は、コイル4に覆われて接触面積が少ないので、摺動抵抗を低減することができ、よって、ガイドワイヤ1の操作性がより向上する。
また、ガイドワイヤ1は、ワイヤ本体10の外周面(外表面)の全部または一部を覆う樹脂被覆層8を有している。図示の構成では、第1ワイヤ2のテーパ部24および外径一定部25と、第2ワイヤ3との外周に、それぞれ、樹脂被覆層8が設けられている。
この樹脂被覆層8は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ1の操作性を向上させることがある。
ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)の低減を図るためには、樹脂被覆層8は、以下に述べるような摩擦を低減し得る材料で構成されているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3の接合部(接合面)6付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
このような摩擦を低減し得る材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、またはこれらの複合材料が挙げられる。
その中でも特に、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、ガイドワイヤ1とカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)をより効果的に低減し、摺動性を向上させることができ、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、これにより、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に溶接部付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
また、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、焼きつけ、吹きつけ等の方法により、樹脂材料を加熱した状態で、ワイヤ本体10への被覆を行うことができる。これにより、ワイヤ本体10と、樹脂被覆層8との密着性は特に優れたものとなる。
また、樹脂被覆層8がシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものであると、樹脂被覆層8を形成する(ワイヤ本体10に被覆する)際に、加熱しなくても、ワイヤ本体10に確実かつ強固に密着した樹脂被覆層8を形成することができる。すなわち、樹脂被覆層8をシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものとする場合、反応硬化型の材料等を用いることができるため、樹脂被覆層8の形成を室温にて行うことができる。このように、室温にて樹脂被覆層8を形成することにより、簡便にコーティングができるとともに、接合部6における接合強度を十分に維持した状態にてガイドワイヤの操作ができる。
樹脂被覆層8の厚さは、特に限定されず、樹脂被覆層8の形成目的や構成材料、形成方法等を考慮して適宜されるが、通常は、樹脂被覆層8の厚さ(平均)は、1〜100μm程度であるのが好ましく、1〜30μm程度であるのがより好ましい。樹脂被覆層8の厚さが薄すぎると、樹脂被覆層8の形成目的が十分に発揮されないことがあり、また、樹脂被覆層8の剥離が生じるおそれがある。また、樹脂被覆層8の厚さが厚すぎると、ワイヤ本体10の物理的特性に影響を与えるおそれがあり、また樹脂被覆層8の剥離が生じるおそれがある。
なお、樹脂被覆層8は、単層でもよく、また、2層以上の積層体でもよい。
また、本発明では、ワイヤ本体10の外周面(表面)に、樹脂被覆層8の密着性を向上するための処理(粗面加工、化学処理、熱処理等)を施したり、樹脂被覆層8の密着性を向上し得る中間層を設けたりすることもできる。
また、ガイドワイヤ1の少なくとも先端部の外面には、親水性材料がコーティングされているのが好ましい。本実施形態では、ガイドワイヤ1のコイル4の外周面(外表面)に、親水性材料で構成された親水性潤滑層7が被覆されている。これにより、親水性材料が湿潤して潤滑性を生じ、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)が低減し、摺動性が向上する。従って、ガイドワイヤ1の操作性が向上する。特に、図4に示すように、外径・内径一定部41における線材40の外周側の部位402は、曲率半径が大きく構成されていることにより、その外径・内径一定部41における親水性潤滑層7の外表面は、実質的に平滑な外表面を形成する。そのため、血管壁やカテーテル等の内壁との接触面積が大きくなり、潤滑性が向上する。さらに、外径・内径一定部41の基端側に続いているテーパ部42は、円形の線材40で形成されているため、そのテーパ部42における親水性潤滑層7の外表面は、実質的に波状(波形)の外表面を形成する。これにより、比較的狭い狭窄部を通過する場合には、狭窄部を安全に押し広げながら押し込むことが可能となる。
親水性材料(親水性潤滑層7の構成材料)としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
このような親水性材料は、多くの場合、湿潤(吸水)により潤滑性を発揮し、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減する。これにより、ガイドワイヤ1の摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。
以上説明したように、このガイドワイヤ1によれば、その先端部において良好な柔軟性を有し、操作性に優れている。特に、ガイドワイヤ1の先端部が血管狭窄部や血管湾曲部を通過する際のガイドワイヤの押し込み性が優れており、その先端部を血管狭窄部や血管湾曲部を容易に通過させることができる。
<第2実施形態>
図5は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す縦断面図である。なお、以下では、図5中の左側を「先端」、右側を「基端(後端)」、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。また、図5では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態のガイドワイヤ1は、コイルの外周面(外表面)を覆う樹脂被覆層9を有している。
この樹脂被覆層9は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1を血管等に挿入する際の安全性の向上を目的として設けることもできる。この目的のためには、樹脂被覆層9は柔軟性に富む材料(軟質材料、弾性材料)で構成されているのが好ましい。
このような柔軟性に富む材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等の熱可塑性エラストマー、ラテックスゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料、またはこれらのうちに2以上を組み合わせた複合材料が挙げられる。
特に、樹脂被覆層8が前述した熱可塑性エラストマーや各種ゴム材料で構成されたものである場合には、ガイドワイヤ1の先端部の柔軟性がより向上するため、血管等への挿入時に、血管内壁等を傷つけることをより確実に防止することができ、安全性が極めて高い。
樹脂被覆層9の厚さは、特に限定されず、樹脂被覆層9の形成目的や構成材料、形成方法等を考慮して適宜されるが、通常は、樹脂被覆層9の厚さ(平均)は、1〜100μm程度であるのが好ましく、1〜30μm程度であるのがより好ましい。樹脂被覆層9の厚さが薄すぎると、樹脂被覆層9の形成目的が十分に発揮されないことがあり、また、樹脂被覆層9の剥離が生じるおそれがある。また、樹脂被覆層9の厚さが厚すぎると、ワイヤ本体10の物理的特性に影響を与えるおそれがあり、また樹脂被覆層9の剥離が生じるおそれがある。
なお、樹脂被覆層9は、単層でもよく、また、2層以上の積層体でもよい。
このガイドワイヤ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、このガイドワイヤ1では、例えば、コイル4の外径・内径一定部41において、外力を付与しない状態で、隣り合う2つの線材40同士が離間し、その線材40同士の間に隙間が形成されている場合は、樹脂被覆層9が前記隙間に入り込み、これにより、コイル4と樹脂被覆層9との密着性は特に優れたものとなる。
以上、本発明のガイドワイヤを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
1 ガイドワイヤ
10 ワイヤ本体
2 第1ワイヤ
21 最先端部
22、24 テーパ部
23、25 外径一定部
3 第2ワイヤ
4 コイル
40 線材
401 内周側の部位
402 外周側の部位
41、43 外径・内径一定部
42 テーパ部
5 中間部材
51〜53 固定材料
6 接合部
7 親水性潤滑層
8、9 樹脂被覆層

Claims (7)

  1. 可撓性を有する芯材からなるワイヤ本体と、
    前記ワイヤ本体の先端部を覆うように設置され、線材を螺旋状に巻回してなるコイルとを備えるガイドワイヤであって、
    前記コイルは、その先端側に内径が一定である内径一定部を有し、該内径一定部の基端側に内径が先端方向に向かって漸減するテーパ部を有しており、
    前記内径一定部は、前記線材の横断面での該線材の外周側の部位の曲率半径の平均値が内周側の部位の曲率半径の平均値よりも大きいことを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記コイルの外表面は、親水性材料で構成された親水性潤滑層で被覆されている請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記親水性潤滑層は、前記内径一定部の外表面では実質的に平滑な外表面を形成し、前記テーパ部の外表面では波状の凹凸を形成する請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記ワイヤ本体の先端部において、該ワイヤ本体の外表面と前記コイルの内表面との間の距離が前記ワイヤ本体の長手方向に沿って実質的に一定になるよう構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  5. 前記ワイヤ本体は、その先端側に外径が先端方向に向かって漸減する本体側テーパ部を有しており、
    前記本体側テーパ部に、前記コイルの前記テーパ部が位置し、前記ワイヤ本体の前記本体側テーパ部よりも先端側の部位に、前記コイルの前記内径一定部が位置する請求項1ないし4のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  6. 前記内径一定部は、前記テーパ部よりも周方向への変形可能領域が小さい請求項1ないし5のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  7. 前記内径一定部は、前記コイルの外径が一定であり、前記テーパ部は、前記コイルの外径が先端方向に向かって漸減している請求項1ないし6のいずれかに記載のガイドワイヤ。
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