上記の先行技術では、ある1つの種類(例えば「ベル」)の図柄を停止させるにしても、3つのリールを順番に停止させていく過程で複数パターンの滑りコマテーブルから1つを選択して滑りコマ数を決定していることから、遊技者がリールの周方向でみて同じ位置
(決まった図柄が表示される位置)で停止ボタンを操作していたとしても、そのとき選ばれた滑りコマテーブルのパターンが違うと、それによって図柄の停止位置も違ってくる。この場合、いつもなら同じ種類の図柄が停止するはずの位置に別の種類の図柄が滑ってきて停止した上、結局は何も図柄が揃わなかったということが起こり得る。そうすると、遊技に不慣れな初心者からみれば、いつもと同じ位置で停止ボタンを操作したつもりであったのに、やはり自分の操作が不正確だったのではないか、との不安感にとらわれる。
このような不安感を遊技者に抱かせないようにするため、近時のスロットマシンでは、遊技者が同じ位置で停止ボタンを操作した場合の図柄の滑りコマ数や、図柄の停止位置を1つに絞った滑り制御を採用することで、積極的に図柄を有効ライン上に引き込もうとする傾向にある。
しかしながら、滑り制御で図柄が滑るコマ数や、停止する位置が固定化されてしまうと、ある程度まで熟練した遊技者からみれば、停止ボタンを操作するたびに表示される図柄が単調で変化に乏しく、意外性を味わうことができないという問題がある。
そこで本発明は、遊技者の操作に応じて積極的に図柄を引き込むことを可能としつつ、遊技に意外性を持たせようとするものである。
(解決手段1)
本発明の遊技機は、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体と、前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を遊技機本体の前面側にて表示可能とする図柄表示部とを備え、1回ごとのゲームについて所定数の遊技価値を掛けた状態で遊技者による始動操作を受け付けると、複数の前記可動表示体を一方向に回転させて図柄の表示を変動させ、この後、遊技者による複数回の停止操作を順次受け付けると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体の回転を1つずつ停止させ、全ての前記可動表示体の回転が停止すると、前記図柄表示部内に表示された図柄群から構成される図柄の組み合わせ態様に基づいて1回のゲームごとに結果を判断する遊技機において、1回のゲームごとに所定の内部抽選を行い、当落の結果を判断する内部抽選手段と、前記内部抽選の当選結果として、少なくとも一般小役および特定小役を含む複数種類の小役を規定するとともに、前記一般小役に対応する一般小役図柄および前記特定小役に対応する特定小役図柄を前記可動表示体のそれぞれに割り当てる小役図柄規定手段と、前記各小役とは別に前記内部抽選の当選結果として第1の特別当選種類を規定するとともに、前記第1の特別当選種類に対応する第1の特別当選図柄を前記可動表示体のそれぞれに割り当てる第1特別当選図柄規定手段と、前記一般小役および前記第1の特別当選種類とは別に前記内部抽選の当選結果として第2の特別当選種類を規定するとともに、前記第2の特別当選種類に対応する第2の特別当選図柄を前記可動表示体のそれぞれに割り当てる第2特別当選図柄規定手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記一般小役図柄が前記図柄表示部内において特定の態様で停止すると、前記一般小役に対応した数の遊技価値を遊技者に付与する一般遊技価値付与手段と、全ての前記可動表示体の停止時に、少なくとも特定の前記可動表示体について前記特定小役図柄が前記図柄表示部内において特定の態様で停止したことを条件に、前記特定小役に対応した数の遊技価値を遊技者に付与する特定遊技価値付与手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1または第2の特別当選図柄が前記図柄表示部内において特定の態様で停止すると、一般的な通常遊技状態から遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1の特別当選図柄が前記図柄表示部内において特定の態様で停止したことを契機として前記特別遊技状態に移行した場合と、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2の特別当選図柄が前記図柄表示部内において特定の態様で停止したことを契機として前記特別遊技状態に移行した場合とで、前記特別遊技状態で行なわれるゲームおよび前記特別遊技状態の終了後に行なわれるゲームを含めた複数回分のゲーム内容に格差を設定するゲーム内容設定手段と、前記可動表示体の回転を個々に停止させるべく個々の前記可動表示体について前記停止操作を受け付ける停止操作受付手段と、前記特定の前記可動表示体の回転中に前記特定小役図柄が前記図柄表示部内の特定の位置に存在する状態で前記停止操作が受け付けられた場合の停止態様として、前記特定小役図柄が前記特定の位置を通り越して前記図柄表示部の外で停止した結果、少なくとも前記一般小役図柄および前記第1の特別当選図柄が前記図柄表示部内に停止する第1の停止態様を規定する第1停止態様規定手段と、前記第1の停止態様とは別に前記特定の前記可動表示体の回転中に前記特定小役図柄が前記図柄表示部内の特定の位置に存在する状態で前記停止操作が受け付けられた場合の停止態様として、前記特定小役図柄および前記第1の特別当選図柄がいずれも前記特定の位置を通り越して前記図柄表示部の外で停止した結果、前記一般小役図柄が前記図柄表示部内に停止する第2の停止態様を規定する第2停止態様規定手段と、前記内部抽選の抽選結果に応じて、前記特定の前記可動表示体の回転中に前記特定小役図柄が前記図柄表示部内の特定の位置に存在する状態で前記停止操作が受け付けられた場合に前記第1または第2の停止態様のいずれの停止態様で前記特定の前記可動表示体を停止させるべきかを選択的に決定する停止態様選択手段と、前記特定の前記可動表示体について前記特定小役図柄が前記図柄表示部内の特定の位置に存在する状態で前記停止操作が受け付けられた場合、前記停止態様選択手段の決定に基づいて前記特定の前記可動表示体の周方向でみた停止位置を制御する停止位置制御手段とを備える。
本発明の遊技機では、遊技価値を掛けた状態で遊技者が始動操作をすると複数の可動表示体が回転し、この後、遊技者の停止操作によって全ての可動表示体の回転が停止すると、図柄表示部内に停止した図柄群から構成される図柄の組み合わせ態様によってゲームの結果が判断される。つまり、本発明の遊技機における1回のゲームは、遊技価値を掛けた状態にし、次いで停止している状態の可動表示体を回転させ、この後、可動表示体の回転を停止させ、そして、全ての可動表示体の停止時に必ず結果を判断するという一連の過程から成り立っている。したがって、全ての可動表示体の停止時に結果の判断が1度行われると、この後に遊技価値を掛けた状態にしたり、可動表示体を回転させたりする過程は、その次の回のゲームということになる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の始動操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、そして1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を、予め規定されている当り値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の当選結果が用意されており、これら当選結果の種類別に乱数の当り値が割り当てられている。当り値には種類別に幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当り値の範囲内にあれば、その当り値に対応する種類に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値に占める当り値の数の割合から当選結果の種類別の当選確率が規定される。
1回のゲームで行われた内部抽選の当選結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。複数種類の当選結果のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄される種類もあれば、次回以降のゲームまで持ち越される種類もある。
内部抽選の当選結果として、本発明の遊技機では少なくとも一般小役および特定小役が規定されている。また、これら一般小役および特定小役とは別に、当選結果として第1の特別当選種類および第2の特別当選種類が規定されている。また、一般小役、特定小役、第1の特別当選種類および第2の特別当選種類には、それぞれ対応する一般小役図柄、特定小役図柄、第1の特別当選図柄および第2の特別当選図柄があり、これら図柄は上記の可動表示体にそれぞれ割り当てられている。つまり、可動表示体に付された図柄列のなかには、当選結果の種類に対応付けられた図柄が含まれている。また「図柄」は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り字等を意味する。
全ての可動表示体の停止時に、一般小役図柄または特定小役図柄が特定の態様で停止すると、それぞれに対応した数の遊技価値が遊技者に付与される。ここでいう「特定の態様」とは、図柄表示部内での図柄の停止位置、並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがって対応する図柄が水平または斜めに揃っていることをいう。なお、特定小役図柄の場合、少なくとも特定の可動表示体について特定小役図柄が決まった位置に停止しているだけでよい。いずれにしても、ゲーム回数を重ねていくうちに、遊技者が掛けた遊技価値の総数よりも付与された総数の方が多くなると、遊技者は差数分の遊技価値を得たことになり、そこに喜びを見出すことができる。
上記の一般小役または特定小役は、対応する図柄が特定の態様で停止すると、それぞれ対応する数の遊技価値を遊技者に付与するものであるが、これとは別に本発明の遊技機では、一般的な通常遊技状態のゲームで第1の特別当選図柄または第2の特別当選図柄がそれぞれ特定の態様で停止すると、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する。この特別遊技状態に移行すると、通常遊技状態と比較して、より多くの遊技価値を獲得できる機会が遊技者に与えられる。このため本発明の遊技機では、いかにして特別遊技状態に移行する回数を多くすることができるかが勝負の分かれ目となり、それゆえ遊技者の興味は、第1または第2の特別当選図柄をいつ、どのような場面で揃えることができるかに集中する傾向にある。
さらに第1の特別当選種類と第2の特別当選種類とでは、それぞれ当選後に遊技者が享受できる価値の大きさに格差が設けられている。これは、特別遊技状態に移行した場合に付与される特定のゲーム内容の格差として規定されており、具体的には特定のゲーム機会の中に含まれるゲーム回数の違いであったり、特定のゲーム機会における当選確率の違いであったりする。あるいはゲーム内容設定手段は、特定のゲーム機会におけるゲーム内容は同じであったとしても、特別遊技状態終了後に遊技者にとって有利な条件が発生するといった付加価値の有無によってゲーム内容に格差を設けることができる。このような格差が設けられていると、同じ特別遊技状態に移行した場合であっても、1度の機会に遊技者が享受できる利益や価値の大きさに違いが生じてくることになったり、特別遊技状態が終了した後のゲームにおいて遊技者が享受できる利益や価値の大きさにも違いが生じてくることになったりする。このため遊技者は、同じ特別遊技状態に移行するにしても、比較的有利な条件が得られるゲーム内容が与えられることを望む傾向にある。
以上の内容を前提として、毎回のゲームで遊技者は可動表示体を回転させる始動操作を行なうと、次に回転中の可動表示体を視認しながら順番に停止操作を行っていく。このとき、目押し等の技量を身につけた遊技者であれば、可動表示体が回転中であっても、図柄表示部内にどの図柄が存在するかをある程度は見極めた上で停止操作をすることができる。
そうすると、ある程度の技量を持った遊技者の多くは、通常遊技状態のゲームでは一般小役図柄や特定小役図柄をきちんと停止させて遊技価値を確実に獲得しつつ、その中で特別遊技状態に移行することに期待感を持ちながらゲームを続けていこうとする傾向にある。
このような遊技者の傾向に着目し、本発明の遊技機では、特定の可動表示体について、その図柄列の構成(配列)に特徴を持たせることにより、ある程度の技量を持った遊技者からみて、停止操作を行なうべき位置を必然的に1つに絞らせることを1つの狙いとする。
次に本発明の遊技機では、遊技者が特定の可動表示体について、いつも決まった位置で停止操作を行っている限り、特定小役図柄を停止させ損ねることもなければ、その他の一般小役図柄を停止させ損ねることもない(遊技価値を取り損ねることがない)、という基本的な利益ないし最小限の安心感を遊技者に与えることをも狙いとする。
その上で本発明の遊技機では、上記のような利益や安心感を遊技者に与えるだけに止まらず、ときには遊技者に意外性を感じさせて遊技に変化を与えるとともに、特別遊技状態に移行できるかもしれないことへの期待感を持たせることを最大の狙いとする。
具体的には、特定の可動表示体について、遊技者が1つの同じ位置で停止操作を行った場合に、そのときの内部抽選の結果に対応して2つの停止態様のいずれかが選択的に現れるものとなっている。2つの停止態様に共通しているのは、いずれの場合も特定小役図柄が停止操作の基準となっている点である。すなわち、特定小役図柄が図柄表示部内の特定の位置に存在する状態で、この位置を基準として遊技者が停止操作を行った場合、特定小役図柄が特定の位置を通り越して停止する点が2つの停止態様に共通している。
このうち第1の停止態様は、特定小役図柄が特定の位置を通り過ぎた結果、図柄表示部内には少なくとも一般小役図柄および第1の特別当選図柄が停止する態様である。遊技者があるゲームで特定の可動表示体について停止操作を行った際に第1の停止態様が現れると、この段階では、全ての可動表示体の停止時に一般小役図柄または第1の特別当選図柄が揃う可能性が残されていることがわかる。もちろん、これだけで第1の特別当選図柄が必ず揃うというわけではないが、少なくともその可能性は否定されていない。これは、内部抽選の当選結果に対応した図柄については、これを積極的に図柄表示部まで引き込み、そうでない図柄については、図柄表示部の外へはじき出そうとする制御の考え方に基づくものである。ただし、第1の特別当選図柄が揃うことはそれほど頻繁に起こらないので、たいていの場合は一般小役図柄が揃うか、もしくはいずれの図柄も揃わない(ハズレ)という結果に終わる。
もう一方の第2の停止態様は、特定小役図柄とともに第1の特別当選図柄までもが特定の位置を通り越して停止し、その結果、一般小役図柄が特定の位置で停止する態様である。こちらは、遊技者が特定の可動表示体について停止操作を行った段階で一般小役図柄が停止していることから、全ての可動表示体の停止時に一般小役図柄が揃うという可能性が残されている。そのかわり、第1の停止態様では停止していたはずの第1の特別当選図柄が特定の位置を通り越しているため、第1の特別当選図柄が揃うという可能性はこの段階で否定されたことになる。
ただし、これを遊技者の立場から見ると、わざわざ第1の特別当選図柄が特定の位置を通り越し、それだけ多く滑って第2の停止態様で可動表示体が停止したのであるから、この場合は一般小役図柄が揃う可能性があるというよりは、むしろ、いつもと違う別の図柄が揃う状態になったのではないか、との期待感を抱く方が自然である。特に、ここでいう別の図柄に該当するものとして、本発明の遊技機では第2の特別当選図柄が用意されているため、遊技者の期待感は第2の特別当選図柄が揃うことの方に向かいやすく、それだけ遊技者がどきどきわくわくした期待感を抱くことになる。
より具体的には、上記のように第1の停止態様で停止するのは第1の特別当選図柄の方であるし、第2の停止態様で特定の位置を通り過ぎていくのも第2の特別当選図柄である。もう一方の第2の特別当選図柄は、第1および第2の停止態様のどちらにも関係してくることはないが、図柄列の中で他の位置に配置されている。このため、遊技者が特定の可動表示体について停止操作をする際に特定小役図柄を基準にしていると、第1および第2の停止態様のいずれが選択された場合であっても、第2の特別当選図柄が特定の位置に停止する場面がなく、一見すると遊技者にとっては不都合があるように思える。
この点をカバーするため、本発明の遊技機では、第2の停止態様が選択された場合に一般小役図柄が揃う可能性を示唆するだけでなく、第1の特別当選図柄を滑らせて図柄表示部の外で停止させ、第1の特別当選図柄が揃う可能性を否定することにより、その裏返しとして第2の特別当選図柄が揃う可能性があることをも示唆できるものとしている。
具体的には、あるゲームにおいて遊技者が特定の可動表示体について停止操作を行い、その結果、第2の停止態様が選択された場合を想定する。この段階で、一般小役図柄が揃う可能性が示唆されているが、第1の特別当選図柄が揃う可能性は否定されている。その結果、遊技者が残りの可動表示体について停止操作を行い、一般小役図柄を揃えることを試みたところ、果たして狙いどおり一般小役図柄が揃えば、そのときの当選結果は一般小役であったことが明らかとなる。
これに対し、遊技者が残りの可動表示体について停止操作を行い、一般小役図柄を揃えることを試みたところ、一般小役図柄が揃わずに滑っていったり、引き込まれなかったりした場合、それは、取りも直さず第2の特別当選図柄が揃う可能性を示唆していることになる。
したがって、特別当選図柄として第1および第2の特別当選図柄が規定されている態様であれば、遊技者が特定の可動表示体について停止操作を行った段階で第2の停止態様が選択されると、いきおい第2の特別当選図柄が揃うことへの期待感が高まるので、遊技者はますますわくわくどきどきして、遊技に夢中になる。
このように、本発明の遊技機では、いつも見慣れた第1の停止態様ではなく、ときには別の第2の停止態様を遊技者に見せることで遊技者に意外な印象を与え、あわよくば別の図柄である第2の特別当選図柄が揃う可能性があることへの期待感を持たせている。
ただし本発明の遊技機では、上記のように第1の特別当選図柄が揃った場合と、第2の特別当選図柄が揃った場合とで、特別遊技状態で付与される特定のゲーム機会の内容に格差が設けられている。このような格差の設定には、以下の2通りがある。
(1)第1の特別当選図柄が揃ったことを契機に特別遊技状態に移行した場合の価値が、第2の特別当選図柄が揃ったことを契機に特別遊技状態に移行した場合の価値に比較して高く設定されているパターン。
(2)上記の(1)とは逆で、第2の特別当選図柄が揃ったことを契機に特別遊技状態に移行した場合の価値が、第1の特別当選図柄が揃ったことを契機に特別遊技状態に移行した場合の価値に比較して高く設定されているパターン。
上記(1)のパターンでは、同じ特別遊技状態に移行するにしても、遊技者は第1の特別当選図柄が揃うことを潜在的に望んでおり、第2の特別当選図柄が揃うことはなるべく避けたいと望んでいる。このため、特定の可動表示体について停止操作を行った段階で、第1の停止態様となった場合、引き続き第1の特別当選図柄が揃うことへの期待感を維持することができる。
その反面、特定の可動表示体について停止操作を行った段階で、第2の停止態様となった場合、第2の特別当選図柄よりも、どちらかといえば一般小役図柄が揃うことを潜在的に望む傾向にある。その結果、全ての可動表示体の停止時に一般小役図柄が揃った場合、遊技者は望みどおりの結果に満足し、次回移行のゲームで第1の特別当選図柄が揃うことに期待を掛けることができる。
これに対し、全ての可動表示体の停止時に第2の特別当選図柄が揃った場合、遊技者は喜びと不満の入り混じったような複雑な感情を抱く傾向にある。なぜなら、どちらかといえば遊技者にとって望んでいなかった結果であって残念ではあるが、やはり特別遊技状態に移行できることは喜ぶべきだからである。
このように、上記(1)のパターンでは、遊技者に複雑な感情を抱かせることで遊技に意外性を持たせるという効果を発揮することができる。そこで本発明の遊技機では、上記
(1)のパターンについて以下の構成を採用する。
(解決手段2)
解決手段1において、本発明の遊技機は、前記ゲーム内容設定手段は、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1の特別当選図柄が前記図柄表示部内において特定の態様で停止したことを契機として前記特別遊技状態に移行した場合に行なわれる前記複数回分のゲーム内容として第1のゲーム内容を規定し、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2の特別当選図柄が前記図柄表示部内において特定の態様で停止したことを契機として前記特別遊技状態に移行した場合に行なわれる前記複数回分のゲーム内容として第2のゲーム内容を規定するとともに、前記第2のゲーム内容に比較して前記第1のゲーム内容を遊技者に有利な内容に設定する。
本解決手段では、解決手段1で挙げた上記(1)のパターンに関する構成がより明確となる。この場合、(2)のパターンとは反対に、遊技者は第1の特別当選図柄が揃うことを潜在的に望んでおり、第2の特別当選図柄が揃うことはなるべく避けたいと望んでいる。このため、特定の可動表示体について停止操作を行った段階で、第2の停止態様となった場合、第2の特別当選図柄以外よりは一般小役図柄が揃うことを期待する傾向にある。もちろん、第2の特別当選図柄が揃うことも少しは期待するが、どうせなら第1の特別当選図柄の方が揃うことの方を望んでいる。
そうすると、第1の停止態様で特定の可動表示体が停止した場合、それによって遊技者は、いきおい第1の特別当選図柄が揃うことへの期待感を大きく高め、わくわくどきどきとした興奮を覚える。そして、全ての可動表示体の停止時に第1の特別当選図柄が揃った場合、遊技者はどきどきとした期待感が本物であったことを実感し、そこで大きな喜びを感じることができる。
このように、本発明の遊技機では第2の特別当選図柄が揃った場合よりも、第1の特別当選図柄が揃った場合の方により高い価値を持たせていることで、特定の可動表示体が第1の停止態様で停止した場合に遊技者がそのまま第1の特別当選図柄を残りの可動表示体にも照準を合わせて停止させることで、第1の特別当選図柄がそのまま揃った時の喜びを味わうことができる。
(解決手段3)
解決手段1,2において、前記可動表示体は、その停止時に前記図柄列中の3個の図柄を前記図柄表示部内で上下方向に配列し、この配列状態で前記3個の図柄を上から順に上段位置、中段位置および下段位置にそれぞれ停止させて表示することが可能であり、前記第1停止態様規定手段は、前記図柄表示部内で前記特定小役図柄が前記上段位置に存在する状態から前記中段位置および前記下段位置を連続して通り越し、前記下段位置から1個の図柄分だけ前記回転方向に移動した位置で停止する態様を前記第1の停止態様として規定し、前記第2停止態様規定手段は、前記図柄表示部内で前記特定小役図柄が前記上段位置に存在する状態から前記中段位置および前記下段位置を連続して通り越し、前記下段位置から2個の図柄分だけ前記回転方向に移動した状態で停止する態様を前記第2の停止態様として規定する。
この場合、第1の停止態様と第2の停止態様との違いが図柄1つ分の滑りの違いとして一目瞭然となるので、可動表示体の停止時の態様だけでなく、停止操作を行ってから停止に至るまでの滑り具合をも遊技者に対して強くアピールすることができる。
(解決手段4)
解決手段1から3において、前記停止態様選択手段は、前記内部抽選で記特定小役に当選しなかった場合、前記特定の前記可動表示体を停止させるべき停止態様として前記第1および前記第2の停止態様のいずれをも選択可能である。
上記のように可動表示体の停止態様は、内部抽選の結果に対応して第1または第2の停止態様が選択されるものとなっているが、いずれの停止態様でも特定小役図柄が特定の位置を通り越しているため、少なくとも特定小役に当選しなかった場合に選ばれることが前提である。
一方、内部抽選で特定小役に当選していない場合、その他の一般小役に当選している可能性もあれば、第1または第2の特別当選種類に当選している場合もあるし、いずれにも当選していない(はずれを引いた)場合もあるので、それぞれの結果に対応して第1または第2の停止態様のいずれかが選択されることになる。
(解決手段5)
解決手段1から4において、前記停止態様選択手段は、前記内部抽選で落選しなかった場合に限り、前記第2の停止態様で前記特定の前記可動表示体を停止させるべきことを選択可能である。
内部抽選で落選していないということは、いずれかに当選していることが前提である。したがって、遊技者が特定の可動表示体について停止操作を行った段階で第2の停止態様が現れると、その時点でいずれかに当選していることが確定する。このため第2の停止態様に接した遊技者は、いずれかの当選が確実であることを意識し、ますます夢中で遊技に取り組むことができる。
(解決手段6)
解決手段1から4において、前記停止態様選択手段は、前記内部抽選で前記一般小役または前記第2の特別当選種類のいずれかに当選した場合、前記特定の前記可動表示体を停止させるべき停止態様として前記第2の停止態様を選択可能である。
この場合、遊技者が特定の可動表示体について停止操作を行った段階で第2の停止態様が現れると、その時点で一般小役または第2の特別当選種類のいずれかに当選していることが確定する。したがって、第2の停止態様で可動表示体が停止した場合は、少なくとも一般小役に当選しているか、あわよくば第2の特別当選種類に当選している可能性があるため、遊技者にとって極めて期待感の高ぶる状況となる。
(解決手段7)
解決手段1から6において、本発明の遊技機は、前記内部抽選で前記第1の特別当選種類に当選する確率よりも前記第2の特別当選種類に当選する確率を高く設定する特別当選確率設定手段をさらに備える。
この場合、同じ特別遊技状態に移行するにしても、第1の特別当選図柄よりも第2の特別当選図柄が揃ったことが契機になる方が確率的に高くなる。これに加えて、第1の停止態様と第2の停止態様とを比較すると、第1の停止態様の方が内部抽選の結果(一般小役に当選、第1の特別当選種類に当選、落選)に対応して低頻度に選択されることがわかる。
したがって、第1の停止態様で第1の特別当選図柄が図柄表示部内に停止した場合、これが実際に揃う確率は第2の特別当選図柄よりも低く設定されていることから、遊技者は、第1の停止態様にそう頻繁に接することがなくなる。このため、第1の停止態様となった場合には、「赤7」に当選している可能性が高いと感じるようになる。一方、第2の特別当選種類に当選する確率は第1の特別当選種類に比較して高いため、通常遊技状態の間に遊技者はできれば、第2の特別当選図柄が揃うことよりも価値の高い第1の特別当選図柄が揃うことを期待している。だからといって、第2の特別当選種類とに当選したとしなっても特段落胆すること必要はない。これはなぜなら、いずれの特別当選種類であっても、通常遊技状態の間に獲得できる遊技価値数に比べれば、大量の遊技価値を大量に獲得することが可能だからである。したがって遊技者は、通常遊技状態の間に第2の特別当選図柄が図柄表示部内に停止すると、あわよくば第2の特別当選種類に当選したいしたのではないか、という期待を持って意欲的にゲームを行なうことができる。
これに対し第2の停止態様は、一般小役図柄が揃う可能性を示唆するとともに、第1の特別当選図柄が揃うことを否定するものである。さらに、通常は第2の特別当選種類に当選する確率が比較的高く設定されているため、遊技者の立場からみると、第2の停止態様は、一般小役の当選か第2の特別当選種類の当選かを確定するものとの位置付けになる。そのため、第2の停止態様は、遊技者にとって非常に有利な停止態様となる。つまり第2の特別当選種類に当選した可能性があるかも知れないことを示唆するものでもあるため、遊技者にとっては非常に意義の深い停止態様(いわゆる「リーチ目」に類するもの=内部的に特別当選種類に当選した状態である旨を示唆するもの)となる。したがって、遊技者が特定の可動表示体について停止操作を行った段階で、第2の停止態様が選択されると第1の特別当選種類に当選した可能性はないと思いつつも、気持ちを切り替えて、第2の特別当選種類に当選していることを願って遊技を行なうことができる。
(解決手段8)
解決手段6または7において、本発明の遊技機は、前記内部抽選で前記第1または第2の特別当選種類に当選する確率よりも、前記一般小役または前記特定小役に当選する確率を高く設定する全体当選確率設定手段をさらに備える。
この場合、毎回のゲームを通じて第1または第2の特別当選図柄が揃う確率よりも一般小役図柄が揃う確率の方が高いため、遊技者が特定の可動表示体について停止操作を行った際に第2の停止態様よりも第1の停止態様の方が頻繁に選択されることとなる。
(解決手段9)
解決手段1から8において、本発明の遊技機は、前記小役図柄規定手段により割り当てられる前記一般小役として、第1の一般小役および第2の一般小役をさらに規定するとともに、前記第1および第2の一般小役のそれぞれに対応する第1一般小役図柄および第2一般小役図柄を前記可動表示体のそれぞれに割り当てる複数一般小役図柄規定手段をさらに備え、前記第1停止態様規定手段は、前記第1の停止態様として前記特定小役図柄が前記特定の位置を通り越して前記図柄表示部の外で停止した結果、少なくとも前記第1一般小役図柄および前記第1の特別当選図柄がいずれも前記図柄表示部内に停止する停止態様を規定し、前記第2停止態様規定手段は、前記第2の停止態様として前記特定小役図柄および前記第1特別当選図柄がいずれも前記特定の位置を通り越して前記図柄表示部の外で停止した結果、少なくとも前記第2一般小役図柄が前記図柄表示部内に停止する停止態様を規定する。
この場合、第1の停止態様で停止表示される図柄(第1一般小役図柄、第1の特別当選図柄)と第2の停止態様で停止表示される図柄(第1一般小役図柄、第2一般小役図柄)との違いがより明確となるので、第2停止態様が選択された場合に遊技者に与えるインパクトが極めて大きくなる。
(解決手段10)
解決手段9において、本発明の遊技機は、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1の一般小役図柄が前記図柄表示部内において特定の態様で停止すると、前記第1の一般小役に対応した第1規定数の遊技価値を遊技者に付与する第1一般遊技価値付与手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2の一般小役図柄が前記図柄表示部内において特定の態様で停止すると、前記第2の一般小役に対応した第2規定数数の遊技価値を遊技者に付与する第2一般遊技価値付与手段と、前記第1一般遊技価値付与手段により付与される前記第1規定数と、前記第2一般遊技価値付与手段により付与される前記第2規定数との間に格差を設定する遊技価値格差設定手段とをさらに備える。
このように、第1の一般小役と第2の一般小役とで、対応する図柄が揃った場合に与えられる遊技価値の数に格差が設けられていれば、遊技者の意識の中で第1一般小役図柄と第2一般小役図柄との間に価値の違いが生じやすくなる。また、第1の停止態様と第2の停止態様とでは、第1の停止態様の方が頻繁に選ばれるため、遊技者からみると、比較的頻繁に停止する第1一般小役図柄と、稀にしか停止しない第2一般小役図柄との間にも価値の違いが生じやすくなる。
(解決手段11)
解決手段9または10において、前記特定の前記可動表示体は、前記図柄列の配列順を前記回転方向にみた場合、少なくとも前記特定小役図柄を先頭にして、前記特定小役図柄に続く2つの図柄中に少なくとも前記第1の特別当選図柄を含み、かつ、これら2つの図柄に続いて前記第1一般小役図柄、前記第2一般小役図柄の順に配列された特定配列図柄群を前記図柄列の一部に含む。
ここでは、特定の可動表示体について、その図柄列中にある一部の特定配列図柄群の構成(配列)が規定される。特定配列図柄群には、その範囲内での先頭(回転方向に見た先頭)に特定小役図柄が位置しており、そして末尾に第2一般小役図柄が位置している。この場合、第1の停止態様が選択されると先頭の特定小役図柄が図柄表示部の外に消えた状態であり、末尾の第2一般小役図柄は未だ図柄表示部まで引き込まれていない状態である。
これに対して第2の停止態様が選択されると、先頭の特定小役図柄に続いて次の図柄(第1の特別当選図柄またはその他)が図柄表示部の外に消えた状態であり、反対に末尾の第2一般小役図柄は図柄表示部内に引きこれまた状態となる。
(解決手段12)
解決手段11において、前記特定の前記可動表示体は、前記図柄列を構成する全ての図柄の中に含まれる前記第2一般小役図柄の総数が、前記第1一般小役図柄の総数よりも少なく設定されているとともに、少なくとも1つの前記第2一般小役図柄図柄が前記特定配列図柄群の中に含まれている。
この場合、ある程度の技量を持つ遊技者が、特定の可動表示体の図柄列に基づいていずれの位置を基準に停止操作をするべきか鑑みたときに、特定小役図柄を先頭とする特定配列図柄群に照準を合わせようとする傾向が自然と発生する。すなわち、特定配列図柄群の先頭を基準に停止操作を行っていれば、数少ない第2一般小役図柄を停止させ損ねることが有効に防止できるため、遊技者にとっては極めて合理的である。
(解決手段13)
解決手段11において、前記特定の前記可動表示体は、前記図柄列を構成する全ての図柄の中に前記第2一般小役図柄を1つだけ有しており、この単一の前記第2一般小役図柄が前記特定配列図柄群の中に含まれている。
ここでも同様に、ある程度の技量を持つ遊技者が、特定の可動表示体の図柄列に基づいていずれの位置を基準に停止操作をするべきか鑑みたときに、特定小役図柄を先頭とする特定配列図柄群に照準を合わせようとする傾向が必然的に発生する。すなわち、特定配列図柄群の先頭を基準に停止操作を行っていれば、唯一の第2一般小役図柄を停止させ損ねることが有効に防止できるため、遊技者にとっては極めて合理的である。
(解決手段14)
解決手段9から13において、本発明の遊技機は、前記内部抽選で前記第1の一般小役に当選する確率よりも前記第2の一般小役に当選する確率を低く設定する一般小役確率設定手段をさらに備える。
このように、第2一般小役の当選確率が第1の一般小役に比較して低ければ、それだけ遊技者にとっては希少価値のある存在となる。したがって、第2の停止態様が選ばれた場合に第2一般小役図柄が停止したときのインパクトが大きく、遊技者にとっての意外性が増す。
(解決手段15)
解決手段9から14において、本発明の遊技機は、前記内部抽選で前記第1または第2の特別当選種類に当選する確率よりも、前記第1および第2の一般小役または前記特定小役に当選する確率を高く設定する全体当選確率設定手段をさらに備える。
この場合、毎回のゲームを通じて第1または第2の特別当選図柄が揃う確率よりも第1または第2一般小役図柄が揃う確率の方が高いため、遊技者が特定の可動表示体について停止操作を行った際に第2の停止態様よりも第1の停止態様の方が頻繁に選択されることとなる。
(解決手段16)
解決手段1から15において、本発明の遊技機は、前記各一般小役および前記各特別当選種類とは別に前記内部抽選の当選結果となる再遊技当選種類を規定するとともに、前記再遊技当選種類に対応する再遊技図柄を前記可動表示体のそれぞれに割り当てる再遊技図柄規定手段と、今回のゲームにおいて全ての前記可動表示体の停止時に前記再遊技図柄が前記図柄表示部内の特定の位置で停止していると、改めて遊技価値を掛けることなく次回のゲームを実行可能とする再遊技実行手段とをさらに備え、前記第1停止態様規定手段は、前記第1の停止態様として前記特定小役図柄が前記特定の位置を通り越して前記図柄表示部の外で停止した結果、前記第1一般小役図柄および前記第1の特別当選図柄に加えて前記再遊技図柄が前記図柄表示部内に停止する停止態様を規定し、前記第2停止態様規定手段は、前記第2の停止態様として前記特定小役図柄および前記第1特別当選図柄がいずれも前記特定の位置を通り越して前記図柄表示部の外で停止した結果、前記第1一般小役図柄および前記第2一般小役図柄に加えて前記再遊技図柄が前記図柄表示部内に停止する停止態様を規定する。
この場合、内部抽選の当選結果に小役や特別当選種類だけでなく、再遊技当選種類が加わるため、遊技者が自己の有する遊技価値を極端に減らさずにゲーム回数を重ねていく機会が保証される。
(解決手段17)
解決手段16において、前記特定の前記可動表示体は、前記図柄列の配列順を前記回転方向にみた場合、少なくとも前記特定小役図柄を先頭にして、前記特定小役図柄に続く2つの図柄中に前記第1の特別当選図柄と前記再遊技図柄とを含み、かつ、これら2つの図柄に続いて前記第1一般小役図柄、前記第2一般小役図柄の順に配列された特定配列図柄群を前記図柄列の一部に含む。
ここでは、特定の可動表示体について、その図柄列中にある一部の特定配列図柄群の構成(配列)が規定される。特定配列図柄群には、その範囲内での先頭(回転方向に見た先頭)に特定小役図柄が位置しており、そして末尾に第2一般小役図柄が位置している。この場合、第1の停止態様が選択されると先頭の特定小役図柄が図柄表示部の外に消えた状態であり、末尾の第2一般小役図柄は未だ図柄表示部まで引き込まれていない状態である。
これに対して第2の停止態様が選択されると、先頭の特定小役図柄に続いて次の図柄(第1の特別当選図柄または再遊技図柄)が図柄表示部の外に消えた状態であり、反対に末尾の第2一般小役図柄は図柄表示部内に引きこれまた状態となる。
(解決手段18)
解決手段16または17において、本発明の遊技機は、前記内部抽選で前記再遊技当選種類に当選した場合、前記第1および第2の停止態様のうち前記第1の停止態様で前記特定の可動表示体を停止させるべきことを選択的に決定する再遊技当選停止態様選択手段をさらに備える。
上記のように、再遊技当選種類に当選すると、遊技者は遊技価値を減らすことなく次のゲームに進むことができるという利点があるが、見方を変えれば、それは単なる現状維持であり、遊技者にとってはそれほど価値のある結果ではない。したがって、再遊技当選種類に当選しても第1の停止態様で特定の可動表示体を停止させることで、第2の停止態様が選択される頻度を少なくし、遊技者に与えるインパクトの希釈化を防止する。
(解決手段19)
解決手段9から18において、本発明の遊技機は、前記内部抽選で前記第2の特別当選種類に当選し、かつ、前記特定の前記可動表示体について前記停止操作が受け付けられた結果、前記特定の前記可動表示体が前記第2の停止態様で停止した場合、その他の回転中の前記可動表示体について前記停止操作が受け付けられると、前記第2一般小役図柄が前記図柄表示部内の特定の位置に停止することを回避する態様でその他の前記可動表示体の周方向でみた停止位置を制御することにより、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2一般小役図柄の組み合わせが表示されることを回避する第2一般小役回避制御手段をさらに備える。
上記のように遊技者が特定の可動表示体について停止操作を行った段階で第2の停止態様が選択された場合、第2一般小役か、もしくは第2の特別当選種類のいずれかに必ず当選していることが明確となる。そして、今回のゲームでその他の可動表示体について遊技者が第2一般小役図柄にはっきりと見当を付けて停止操作を行ったにもかかわらず、第2一般小役図柄が揃って停止することが回避された場合、それによって第2の特別当選種類に当選したことが確定する。このため技量を持った遊技者は、第2の停止態様が選択された段階で得た期待感をいよいよ本物のものとし、この後の特別遊技状態への移行に備えて気持ちを入れ替えることができる。
(解決手段20)
解決手段9から19において、本発明の遊技機は、今回のゲームの前記内部抽選で前記第2の特別当選種類に当選し、かつ、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2一般小役図柄が前記図柄表示部内の特定の位置に停止しなかった場合、次回のゲームに前記第2の特別当選種類に当選した状態を持ち越す当選状態持越手段と、前記第2の特別当選種類に当選した状態で前記特定の可動表示体を含む全ての前記可動表示体について前記停止操作が受け付けられた場合、前記第2の特別当選図柄が前記図柄表示部内の特定の位置で停止することを許容するべく前記各可動表示体の周方向でみた停止位置を制御する第2当選種類停止制御手段とをさらに備える。
第1または第2の特別当選種類に当選すると、その当選結果は当該ゲームだけでなく、対応する第1または第2の特別当選図柄が揃って停止するまで維持される。したがって、第2の特別当選種類に当選し、第2の停止態様が選択された場合、当該ゲームでは第2の特別当選図柄を揃えることはできないが、当選結果が次回以降のゲームまで持ち越されるため、遊技者は安心して図柄を揃えるまで遊技を続けることができる。
(解決手段21)
解決手段9から20において、本発明の遊技機は、前記内部抽選で前記第1の一般小役に当選し、前記特定の前記可動表示体について前記停止操作が受け付けられた結果、前記第2の停止態様で前記特定の前記可動表示体が停止した場合、その他の回転中の前記可動表示体について前記停止操作が受け付けられると、前記第1の一般小役図柄が前記図柄表示部内の特定の位置に停止する態様でその他の前記可動表示体の周方向でみた停止位置を制御することにより、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1の一般小役図柄の組み合わせを表示可能とする第1一般小役停止制御手段をさらに備える。
ある1回のゲームにおいて第1の一般小役に当選し、特定の可動表示体が第2の停止態様で停止されると、続いてその他の可動表示体(特定の可動表示体以外)について停止操作がされた場合に前記第1の一般小役図柄の組み合わせを表示可能とする停止制御が行なわれる。これにより遊技者は、実際に第1の一般小役図柄を揃えることができ、その結果、今回のゲームでは決まった数の遊技価値を獲得することができる。
(解決手段22)
解決手段1から21において、本発明の遊技機は、前記内部抽選で前記第1の特別当選種類に当選し、前記特定の前記可動表示体について前記停止操作が受け付けられた結果、前記第1の停止態様で前記特定の前記可動表示体が停止した場合、その他の回転中の前記可動表示体について前記停止操作が受け付けられると、前記第1の特別当選図柄が前記図柄表示部内の特定の位置に停止する態様でその他の前記可動表示体の周方向でみた停止位置を制御することにより、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1の特別当選図柄の組み合わせを表示可能とする第1特別当選停止制御手段をさらに備える。
ある1回のゲームにおいて第1の特別当選種類に当選し、特定の可動表示体が第1の停止態様で停止されると、続いてその他の回転中の可動表示体(特定の可動表示体以外)について停止操作がされた場合に第1の特別当選図柄の組み合わせを表示可能とする制御が行われる。したがって、その他の可動表示体(特定の可動表示体以外)について遊技者が第1の特別当選図柄を揃えようとして停止操作を行なった結果、第1の特別当選図柄を揃えることができれば、それによって遊技者は自分の停止操作の正確さに満足するとともに、第1の特別当選種類に当選したことを実感して大きな喜びを味わうこととなる。
(解決手段23)
解決手段10から22において、本発明の遊技機は、前記内部抽選で前記第2の一般小役に当選し、前記特定の前記可動表示体について前記停止操作が受け付けられた結果、前記第2の停止態様で前記特定の前記可動表示体が停止した場合、その他の回転中の前記可動表示体について前記停止操作が受け付けられると、前記第2の一般小役図柄が前記図柄表示部内の特定の位置に停止する態様でその他の前記可動表示体の周方向でみた停止位置を制御することにより、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2の一般小役図柄の組み合わせを表示可能とする第2一般小役停止制御手段をさらに備える。
ある回のゲームで第2の一般小役に当選し、特定の可動表示体が第2の停止態様で停止すると、続いてその他の可動表示体(特定の可動表示体以外)について停止操作がされた場合に前記第2の一般小役図柄の組み合わせを表示可能とする停止制御が行なわれる。これにより遊技者は、自らの停止操作によって第2の一般小役図柄を揃えることが可能となる。特に、第2の停止態様となった場合には、積極的に第2の一般小役図柄に照準を合わせて遊技者が停止操作を行なう傾向が生じる。そして、実際に第2の一般小役が揃った場合、遊技者は今回のゲームで遊技価値を得ることができた喜びを味わうことができる。反対に、遊技者が積極的に組み合わせを表示させようとして正確に停止操作を行ったにもかかわらず、実際に第2の一般小役が揃わなかったときは、それによって特別当選種類に当選したという解釈が成り立つため、遊技者はますますどきどきわくわくする。
(解決手段24)
解決手段1から23において、複数の前記可動表示体は、遊技機本体の左右を規定する方向に互いに隣接して配列されており、前記特定の前記可動表示体は、遊技機本体の前面側からみて左端に配置されている。
この場合、上記のように第1の停止態様または第2の停止態様で停止位置が制御される特定の可動表示体の位置が左端に限定されるため、遊技者が停止操作を行なう際に毎回違った可動表示体に照準を合わせて停止操作を行なう負担を軽減できる。
(解決手段25)
解決手段1から24において、本発明の遊技機は、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で遊技者の始動操作を受け付ける始動操作手段と、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を遊技機本体の前面側にて表示可能とする図柄表示部と、前記始動操作手段にて前記始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作手段にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、前記停止操作手段により受け付けられた順番に従って前記可動表示体を停止させる制御を行なう停止制御手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記全ての可動表示体の停止時の図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて規定数の遊技価値を遊技者に与える遊技価値付与手段と、前記特別遊技状態移行手段により遊技状態が前記遊技状態へと移行すると、遊技者に付与する遊技価値の付与機会を通常遊技状態に比して増加させる遊技価値付与機会増加手段と、前記遊技価値付与機会増加手段により付与される遊技価値の総数を通常遊技状態にて付与される1のゲーム結果における遊技価値の最大付与数の少なくとも10倍以上の付与数とすることを規定する特別遊技状態付与遊技価値数規定手段とをさらに備える。
本発明は、特にスロットマシン等の遊技機において、遊技者が1回のゲームを行うための遊技価値(メダル、コインなど)の掛け数を決めた状態で始動操作を行った後に、遊技者により停止操作がなされない限り、前記可動表示体は回転を続ける。遊技者による停止操作が受け付けられると、その受け付け順に前記可動表示体は回転を停止させる。また全ての前記可動表示体が停止すると、図柄表示部に表示された図柄の組み合わせから、必要に応じて遊技価値が遊技者に付与される。遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させて停止させるという一連の操作を繰り返しながら遊技を進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部に表示された組み合わせによっては、特別遊技という遊技価値を通常遊技に比べて大量に獲得することができる遊技に移行することができる。この特別遊技では、通常遊技で1回の遊技の結果付与される遊技価値の最大数の少なくとも10倍以上の遊技価値を獲得することが可能となっている。そのため、遊技者は特別遊技に移行するための図柄の組み合わせを図柄表示部に表示させて遊技価値を大量に獲得していこうと目的を持って遊技を行なうことができる。
本発明の遊技機は、遊技に意外性を持たせるとともに遊技者の期待感を高め、変化に富んだ遊技内容を提供することができる。
以下、本発明を回胴式遊技機に適用した実施形態について、各対応図面を参照しながら説明する。
図1は、回胴式遊技機の一実施形態であるスロットマシン1を示している。図1のスロットマシン1は、例えばメダル、コイン等を遊技価値としてゲームを行なうことができるタイプのものである。これらメダル、コイン等の遊技価値は、遊技場において1回ごとのゲームに掛ける対象となったり、ゲームの結果に応じた特典として払い出しの対象となったりするだけの価値を有するものである。
この他にも回胴式遊技機には遊技球を遊技価値として用いるタイプ(いわゆる「パロット機」)のものや、遊技価値を情報として記録する記録媒体(磁気カード、ICカード等)を用いるものもあり、こちらのタイプも実施の形態として好適である。また本発明の実施にあたり、いずれのタイプを適用しても本質的な差違は生じない。
(1.スロットマシンの概要)
スロットマシン1の本体は、箱形の本体部2および前面扉4から構成されている。図1中、本体部2は前面扉4の奥側に隠れて位置しており、その正面からみた外形は前面扉4とほぼ一致している。すなわち、本体部2は縦長の箱形状をなしており、その前面側の開口が前面扉4でぴったり閉塞されている。図1には示されていないが、本体部2の内部はある程度の奥行きを有した収容空間となっており、この内部に各種の構成要素が収容されている。
また、前面扉4はその一側端部(この例では左側端部)にて本体部2にヒンジ機構を介して接合されており、このヒンジ機構の働きにより、前面扉4は左側を基端として開閉動作することができる。また図1には示されていないが、前面扉4の右側端部には、その裏側の位置にラッチ機構が設けられており、一方、本体部2の右側壁には、その内側の位置にストライカが設置されている。本体部2のスライカは前面扉4のラッチ機構を受け止め、そのラッチ(係止片・係止爪等)を噛み合わせることで前面扉4をロック、つまり施錠することができる。なおラッチ機構は、遊技場にて管理されている専用鍵を用いることで解除することができる。
前面扉4は通常、遊技者に正面から相対する部位であり、それゆえ前面扉4には装飾的な要素が各所に配置されている。前面扉4の表面には全体的にめっき処理(クロームめっき、着色クロームめっき、ゴールドめっき等)が施されており、それゆえ前面扉4は、全体として金属的な重厚感のあるイメージを観るものに与えている。また、前面扉4には各所にランプ45,46,48が設置されており、これらランプ45,46,48には発光体としてLEDが内蔵されているほか、その前面がカラフル(例えば赤色、青色、黄色、橙色等)な樹脂製の光拡散カバーで覆われている。これらランプ45,46,48のカラフルな色彩がめっき表面に映え、観るものにきらびやかなイメージを与えている。
また前面扉4には、その中央から上側部分の位置に遊技パネル6が取り付けられており、この遊技パネル6は、例えば平坦な透明樹脂板から構成されている。遊技パネル6のほぼ中央位置には矩形の表示窓8が形成されており、この表示窓8内には図柄が表示されるものとなっている。
本実施形態のスロットマシン1は、図柄を表示するための構成として3つの可動表示体
(以下、「リール」と呼称する。)11,12,13を装備している。これら3つのリール11,12,13は前面扉4の奥、つまり、本体部2の内部に配置されており、上記の表示窓8を通じて前面側から視認可能である。
遊技パネル6のうち上記の表示窓8は透明な部位であるが、表示窓8の周囲の部位は透明でなく、装飾的な模様や画像が付されている。また、表示窓8の両脇にはそれぞれ表示領域12,14が形成されており、これら表示領域12,14には各種の文字情報や図形・記号等の情報が所定の配列で付されている。遊技パネル6の背後には図示しないランプユニットが配置されており、表示領域12,14内の情報はランプの光を透過することで点灯表示される。これら表示領域12,14内で表示される情報としては、例えばゲームごとのメダル掛け数を表す情報のほか、ボーナスゲーム中を表す情報等がある。
その他、遊技パネル6内には各種情報の表示部16,32,34が形成されており、これら表示部16,32,34は表示窓8の下縁に沿って横並びに配置されている。表示部16,32,34の裏側には例えば7セグメントLED(図示しない)が設置されており、このうち一番左に位置する表示部16には貯留されているクレジット数が2桁の数値で表示される。また、中央位置の表示部32には3桁分の7セグメントLEDが設置されており、ここではボーナスゲーム中の残り小役ゲーム数やJACゲームカウント表示(「2−8」等)が表示される。一番右に位置する表示部34には、メダルの払い出しがあった場合に払い出し枚数が最大2桁の数値で表示される。
前面扉4の上縁部には、その中央の位置に液晶表示器42が設置されており、そして液晶表示器42の両側にはそれぞれ発光領域47が形成されている。これら発光領域47の奥には多色LED(図示しない)が設置されており、その前面は透明レンズカバーで覆われている。
一方、前面扉4の下半分の部位は前面側に突出するようにして成形されており、それゆえ下半分の部位と遊技パネル6との間には前後方向への段差が与えられている。この段差を埋めるようにして、前面扉4の下半分の部位にはメダル投入口17が設置されているほか、1ベットボタン16、2ベットボタン18、MAXベットボタン20等の操作部材が設置されている。
また、前面扉4の下半分の部位には始動レバー24が設置されており、この始動レバー2は前面扉4からさらに前面側へ突出している。始動レバー24は上下方向でみてほぼ中央に位置し、かつ、幅方向でみて中央から左寄りに位置している。また前面扉4の下半分の部位には、ほぼ中央の位置に3つの停止ボタン26,28,30が設置されている。その他、前面扉4の下半分の部位には左側端の位置にクレジットを精算するための精算ボタン40が設置されている。
前面扉4の下縁部にはメダルの受皿38が形成されており、この受皿38の奥にメダルの払出口36が形成されている。また受皿38の奥には、払出口36の左右に一対のスピーカ44が設置されており、これらスピーカ44の本体は前面扉4の裏側に位置している。
図2は、本体部2の内部を示している。通常、前面扉4を頻繁に取り外しすることはないが、図2では構造の理解を容易にするため、便宜上前面扉4が取り除かれた状態となっている。
(2.可動表示体)
本体部2の内部には支持棚43が設けられており、この支持棚43は、本体部2の内部を上下に仕切るようにして左右に延びている。支持棚43の上に3つのリール11,12,13が設置されており、本実施形態では3つのリール11,12,13がユニット化されて1つのリールユニット10として構成されている。
3つのリール11,12,13はいずれも外形が円筒形状をなし、その円周方向に回転可能な構造を有する。円筒を構成するのはリール帯と称する帯状体であり、各リール11,12,13はリール帯を支持するためのリム部を有する。特に図示されていないが、各リール11,12,13の中心部にはリールモータ(ステッピングモータ)が設置されており、リールモータとリム部とはスポークで連結されている。
図示されていないが、リール帯の表面には各種の図柄が付されている。図柄には例えば、数字の「7」や「V」等の文字、ベル、スイカ、チェリー等を図案化したもの、あるいは、図形・記号等を図案化したもの等が含まれている。なお、図柄の具体例についてはさらに後述する。
(3.ホッパ装置)
また本体部2の内部には、底板の上面にホッパ装置54が設置されている。上記の投入口17から投入されたメダルは、本体部2の内部にホッパ装置54に受け止められ、ここに貯えられる。ホッパ装置54は、相当枚数(例えば2000枚程度)のメダルを貯えられるだけの容量を有している。またホッパ装置54は、貯えたメダルを1枚ずつ払い出す機能をも有する。
本体部2の内部には各種の電子機器類が設置されている。図2中、主なものはメイン制御基板50やサブ制御基板54、外部端子基板58等の基板類のほか、電源ユニット62である。これら電子機器類については以下に詳しく説明する。
(4.スロットマシンの内部構成)
図3は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1はその遊技の進行を統括的に制御するためのメイン制御基板50を有しており、このメイン制御基板50にはCPUをはじめROM、RAM、インタフェース等(全ては図示されていない)が実装されている。
上記のベットボタン18,20,22や始動レバー24、停止ボタン26,28,30、精算ボタン40等はいずれもメイン制御基板50に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、その操作信号をメイン制御基板50に出力することができる。
また本体部2にはメイン制御基板50とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン制御基板50に各種の信号が入力されている。機器類には、3つのリール11,12,13のほか、メダルセレクタ52やホッパ装置54等がある。
各リール11,12,13には、上記のリールモータの他にそれぞれの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ(図示していない)を有しており、これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン制御基板50に入力されている。またメダルセレクタ52はメダル投入口17から投入されたメダルを1枚ずつ検出し、その検出信号(投入メダル信号)をメイン制御基板50に出力する。
上記の表示部16はメイン制御基板50に接続されており、この表示部16では例えば、7セグメントLEDによる数値表示が行われる。メイン制御基板50は、メダルの検出信号に基づいてクレジット数を加算すると、その値を表示部16にて数値表示させることができる。
メイン制御基板50からは、各リール11,12,13やホッパ装置54に対して制御信号が出力される。すなわち各リール11,12,13に対し、メイン制御基板50からは、リールモータの回転および停止を制御するための駆動パルス信号が出力される。またホッパ装置54には、表示された図柄の組み合わせの種類に応じてメイン制御基板50から駆動信号が入力され、これを受けてホッパ装置54はメダルの払い出し動作を行なう。
ホッパ装置54は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ(図示していない)を内蔵しており、この払出センサからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン制御基板50に入力されている。表示部32もまた7セグメントLEDによって数値表示が可能であり、メイン制御基板50はメダルの払い出しを指示すると、その払出枚数を表示部32にて数値表示させることができる。
スロットマシン1は、メイン制御基板50の他にサブ制御基板56を備えており、このサブ制御基板56にはCPUやROM、RAM、インタフェース、VDP、音源IC、オーディオアンプ等(全ては図示されていない)が実装されている。サブ制御基板56はメイン制御基板50から各種の指令信号を受け、液晶表示器42やスピーカ44の作動を制御するほか、装飾用のランプ45,46,47,48や各リール11,12,13用のバックランプ(図示されていない)の点灯または点滅を制御している。
さらに、メイン制御基板50には外部端子基板58が接続されており、スロットマシン1はこの外部端子基板58を介して遊技場のホールコンピュータ60に接続されている。外部端子基板58はメイン制御基板50から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ60に中継している。
その他、本体部2の内部には電源ユニット62が収容されており、この電源ユニット62は外部電源から電力を取り込んでスロットマシン1の作動に必要な電力を生成する。ここで生成された電力は、電源ユニット62から各ユニットに供給されている。
また電源ユニット62には、電源スイッチ64や設定キースイッチ66、リセットスイッチ68等が付属している。これらスイッチ類はいずれも本体部2の外側に露出しておらず、その前面扉4を開くことで始めて操作可能となる。このうち電源スイッチ64は、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ66はスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ68はスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、さらには設定キースイッチ66とともに設定を変更する際にも操作される。
(5.ゲーム処理)
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン制御基板50のCPUにて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
(5−1.回胴遊技処理)
図3は、スロットマシン1における基本的な1ゲーム(回胴遊技)の処理手順を一通り示している。1回のゲームは、まず始動処理(ステップS10)から始まる。この始動処理はリール11,12,13の回転を開始させるための処理であり、ここではメダルの投入またはベットボタン18,20,22の操作を受け付けたり、始動レバー24の操作を契機とした乱数抽選を行ったりする処理が行われる。なお、始動処理(ステップS10)の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
1回のゲームでは始動処理(ステップS10)に続いて停止処理(ステップS20)が実行される。この停止処理は、各リール11,12,13の回転を停止させてその停止位置を制御するものであり、これは一般に「リール制御」と称される処理に該当する。一般的にリール制御には、テーブル方式とコントロール方式の2つの方式があるが、本実施形態ではテーブル方式による。この停止処理についても別のフローチャートを用いて後述する。
停止処理によってリール11,12,13を停止させると、次に判定処理(ステップS30)が実行される。この判定処理は全てのリール11,12,13の停止時に表示された図柄の組み合わせ(出目)を判断し、予め規定された組み合わせに該当する場合はそれに応じたゲーム結果を提供するためのものである。
(5−2.図柄の組み合わせ例)
停止処理で判断される規定の図柄の組み合わせには、例えば同一種類の図柄(例えば「ベル」,「スイカ」,「リプレイ」,「赤7」,「青V」等)が3つ揃う組み合わせや、複数種類の図柄を組み合わせたもの(例えば「赤7−赤7−青V」等)がある。その他に、1種類の図柄(例えば「チェリー」)が左端(左リール11に表示される)の位置に存在していれば、その他の2つの図柄(中図柄・右図柄)の種類を問わない単図柄の組み合わせ(「チェリー−ANY−ANY」等と表記されることが多い)も規定されている。
(5−3.ゲーム結果・特典)
また、ゲーム結果として遊技者に付与される特典には、例えばメダルの払い出しや各種ボーナスゲームへの移行、再遊技(リプレイ)等がある。一般的に、メダルの払い出しがある図柄の組み合わせを「小役」等と称し、その組み合わせを構成する図柄を「小役図柄」等と称する。また再遊技(リプレイ)は、そのゲームと同じ掛け数で次回のゲームを行なうことができるものであり、これに対応する組み合わせは「リプレイ」と称され、その組み合わせを構成する図柄は「リプレイ図柄」等と称される。さらに、ボーナスゲームへの移行契機となる組み合わせを構成する図柄は「ボーナス図柄」等と称される。なお判定処理の具体的な内容についても、停止処理の後で別のフローチャートを用いて説明する。
(5−4.始動処理)
図5は、上記の始動処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、メダルの投入またはベットボタン18,20,22の操作が待ち受けられる(ステップS101)。遊技者がメダルの投入またはベット操作をしないうちは(No)、始動レバー24が有効化されないため、ステップS104の判断が否定(No)されて待ち受け状態(ステップS101)がループされ続ける。メダルの投入またはベット操作があると、これを受けて受付処理(ステップS102)が行われ、ベット数に応じた有効ラインランプの点灯が行われる。また受付処理(ステップS102)では、サブ制御基板48からメダル投入コマンドまたはベットコマンドがサブ制御基板56に送信される。
通常のゲームで何枚のメダルを掛けるか、つまり、ベット数をいくつにするかは遊技者が1〜3の範囲で選ぶことができる機種もあれば、3枚掛けしかない機種(3枚掛け専用)もある。スロットマシン1のゲームにおいて、ベット数の違いは表示窓8内に規定される有効ライン数の違いとなる。また、ボーナスゲーム中以外の通常ゲーム時は内部抽選での当選確率も異なる。通常、表示窓8内には各リール11,12,13について縦方向に3つの図柄が有効に表示されるため、表示窓8全体として9個の図柄が行列状に並ぶことになるが、有効ラインは、表示窓8内で並んだ図柄を3つで1つの組み合わせとして見る方向を規定するための仮想的なラインである。
例えば、ベット数が1であると有効ラインは1本だけとなり、この場合の有効ラインは行列の中段位置で水平方向に規定される。ベット数が2に増えると、中段位置に加えて上下段の各位置に水平方向の有効ラインが2本追加され、全部で3本の有効ラインが規定される。そして、ベット数が最大(=3)になると、斜め方向に図柄を組み合わせとしてみる右上がりと右下がりの有効ラインが2本追加され、全部で5本の有効ラインが規定されることになる。これら有効ラインはいずれも直線的であるが、これ以外にも途中で折れ曲がった状態の有効ラインが規定される場合もあり、これらは「変則ライン」等と呼ばれる。
いずれにしても、メダル投入またはベット操作の受付処理(ステップS102)に続いて始動レバー有効処理(ステップS103)が行われ、ここで初めて始動レバー24の操作が実質的に有効化される。この状態で遊技者が始動レバー24を操作(始動操作)すると、ステップS104の判断が肯定(Yes)されて次に始動レバー無効処理(ステップS105)が行われる。
また始動レバー24の操作があると、これを契機として乱数の抽出が行われる(ステップS106)。ここで用いられる乱数は、ソフトウェア乱数またはハードウェア乱数のいずれでもよい。また、始動レバー24の操作を受け付けてから乱数を抽出するタイミングは特に規定されておらず、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
次のフラグ処理(ステップS107)では、内部的な抽選が行われる。ここで「内部的」と称しているのは、あくまでメイン制御基板50の制御処理において抽選が行われるからであり、抽選の中味(具体的な乱数値、当り値等)が遊技者からは感得されないことを受けたものである。いずれにしても、フラグ処理では抽出された乱数値から当選・落選が判断され、当選結果の種類(例えばビッグボーナス、小役、リプレイ等)に応じたフラグがONにされるとともに、メイン制御基板50から当選フラグコマンドがサブ制御基板48に送信される。なお、抽選に落選すると、落選(はずれ)を表すフラグがONになる。また、ステップS106で抽出された乱数値が特殊なはずれに該当する場合、特殊はずれを表すフラグがONになる態様であってもよい。
上記のフラグ処理(ステップS107)が行われると、前回の始動処理でスタートされたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かが判断される(ステップS108)。タイムアップ(Yes)が確認されると、各リール11,12,13が始動、つまり、リールモータによる回転が開始され(ステップS109)、ここから次回の始動までのウェイトタイマがスタートされる(ステップS110)。
以上の処理が行われると、図5の始動処理はリターンされて次にリール停止処理が実行される。
(5−3.リール停止処理)
図6は、一例としてテーブル方式によるリール停止処理の内容を示している。リール制御については基本的に公知の技術を適用できるため、ここでは処理の流れを概略的に説明する。
図6に示されているように、リール停止処理では先ず、そのときの当落結果を表すフラグにしたがってリール制御テーブルが選択される(ステップS201)。なお、リール制御テーブルは予め全ての当落結果について用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン制御基板50のROMに格納されている。
リール制御テーブルが選択されると、次の手順は3つある停止ボタン26,28,30のいずれかが押されるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。すなわち、これらの待ち受け状態で、左・中・右の各リール11,12,13が回転中(停止フラグ=0?)であるか否かが判断されるとともに、あわせて左・中・右のいずれかの停止ボタン26,28,30が押されたか否かが判断される。未だいずれの停止ボタン26,28,30も押されていなければ、ステップS202,S210,S217の判断が全て否定(No)される。さらに、この段階では全てのリール11,12,13が停止していないため、ステップS209の判断が否定(No)されてステップS202以降が繰り返される。
遊技者の停止操作、つまり、各停止ボタン26,28,30が押下された場合は次の処理が行われる。本実施形態では、停止ボタン26,28,30を遊技者が所望する順序で押下することができる。
例えば、いわゆる「順押し」または「順はさみ押し」の手順に沿って最初に左の停止ボタン26が押されたとすると(ステップS202=Yes)、この時点では第1リール停止フラグが立っていない(ステップS203=No)ため、左リール11について第1リール停止処理(ステップS204)が実行される。なお、ここでいう「第1リール停止処理」とは、1番目にリールを停止させる処理という意味である。
あるいは、いわゆる「中押し」の手順に沿って最初に中央の停止ボタン28が押されると(ステップS210=Yes,ステップS211=Yes)、中リール12について第1リール停止処理(ステップS212)が実行される。
これ以外に、いわゆる「逆押し」または「逆はさみ押し」の手順に沿って最初に右の停止ボタン30が押された場合は(ステップS217=Yes,ステップS218=Yes)、右リール13について第1リール停止処理(ステップS219)が実行される。
以上のように左・中・右のいずれかのリール11,12,13について第1リール停止処理(ステップS204,S212,S219)が行われると、残り2つのリールについてのリール制御テーブルが決定される(ステップS206,S214,S221)。例えば、そのときの当選種類が「ベル」であった場合、残り2つのリール11〜13について、それぞれ「ベル」の図柄を予め決まった有効ライン上に停止させるためのリール制御テーブルが決定される。そして、ここで決定されたリール制御テーブルに基づいてリール11〜13の停止位置が制御される(ステップS205,S213,S220)。これにより、図柄「ベル」が予め決まった有効ライン上で停止されることとなる。
例えば、順押し手順に沿って左リール11が第1番目に停止されるパターンを例にとると、ステップS204で左リール11について第1リール停止処理が行われる。また、このときメイン制御基板50は、左リール11の停止目を表す停止情報コマンド(第1停止情報コマンド)をサブ制御基板56に送信する。
次のステップS206では残りの中・右リール12,13についてそれぞれリール制御テーブル(停止テーブル)が決定される。具体的には、当選フラグが「ベル」を表すものであって、左リール11が第1停止のときは、先ず図柄「ベル」を上段位置に停止させる処理が行われる。左リール11が第1停止となった時点で有効ラインは右下がりラインに決定されており、残りの中リール12については中断位置に、左リール13については下段位置に、それぞれ図柄「ベル」を停止させるためのリール制御テーブルが決定される(ステップS206)。
以上の処理(ステップS206)が行われると、続いて第1リール停止フラグがON(=1)にされるとともに(ステップS207)、左リール停止フラグがON(=1)にされる(ステップS208)。この段階では全てのリールが停止していないので、ステップS209の判断が否定(No)されてステップS202に戻る。
すると、このとき既に左リール11が停止しているので(ステップS202=No)、順押し手順にしたがって2番目に中央位置の停止ボタン28が押されると(ステップS210=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS211=No)を経て中リール停止処理(ステップS213)が実行される。中リール停止処理では、先に中リール12について決定しているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される。これにより、上記の右下がり有効ラインの例でいうと、中リール12上の図柄「ベル」が中段位置に停止することとなる。
また、このときの停止目(停止時の表示態様)は、右下がりライン上で左・中リール11,12に図柄「ベル」が2つ揃った状態(いわゆる「右下がりテンパイ」)となる。このときメイン制御基板50は、中リール12の停止目を表す停止情報コマンド(第2停止情報コマンド)をサブ制御基板56に送信する。またこの場合、中リール12は第2停止であるためステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216にて中リール停止フラグがON(=1)にされるだけとなる。
同様にして、最後に右の停止ボタン30が押されると(ステップS217=Yes)、既に右リール13について決定しているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される(ステップS220)。これにより、3番目の右リール13上の図柄「ベル」が下段位置に停止するので、全リール停止時の出目(表示態様)は、右下がりライン上に図柄「ベル」が3つ揃う組み合わせが表示された態様となる。
このときメイン制御基板50は、右リール13の停止目を表す停止情報コマンド(第3停止情報コマンド)をサブ制御基板56に送信する。またこの場合、右リール13は第3停止であるためステップS219,S221,S222は全て迂回され、ステップS223にて右リール停止フラグがON(=1)にされる。
ここまでの処理を経て全リール停止フラグがONになると、ステップS209の判断が肯定(Yes)されるため、メイン制御基板50による処理は本ルーチンを抜ける。
なお、特に図示していていないが、本実施形態では各リール11,12,13にある全ての図柄中(例えば21個)、ある程度の数(例えば4〜6個)の図柄「ベル」が配列されており、さらに各図柄列の中で「ベル」の図柄同士の間に他の種類の図柄が4個程度しか配置されていない。このため、左・中・右についての第1リール停止処理(ステップS204,S212,S219)においては、遊技者が停止ボタン26,28,30を押下するタイミングがそれほどシビアでなくとも、リール制御によって有効ライン上に「ベル」図柄を確実に停止させることができる。また、第2停止以降の各リール停止処理(ステップS205,S213,S220)においても、停止ボタン26,28,30の押下タイミングがそれほどシビアでなくとも、第1リール停止によって決定された有効ライン上に「ベル」図柄を確実に停止させることができるものとなっている。
これにより、内部的な抽選で小役「ベル」に当選していた場合、遊技者が停止ボタン26,28,30を押下するだけで「ベル」の図柄の組み合わせが表示されるため、そのゲームで遊技者は確実にメダルを獲得できるという利点がある。なお、本実施形態では「リプレイ」についても同様である。
以上がリール制御テーブルを用いたリール停止処理の流れであるが、上記のように本実施形態では、第1停止のリールが左・中・右のいずれに該当するかによって予め有効ラインが1つに決まっており、残り第2,第3停止のリール停止処理については、この有効ライン上に当選フラグ対応の図柄を停止させるために用意されたリール制御テーブルが用いられる。
(5−4.左リール停止処理)
以下、左リール11が第1停止に該当した場合のリール停止処理について具体例を挙げて説明する。
図7は、左リール11に付された図柄列(「リール配列」と呼称する。)の一例を示している。ここでは左リール11についてのみ示されているが、各リール11,12,13にはいずれも周方向に図柄列が付されており、この図柄列は例えば21個の図柄から構成されている。図7には便宜上、各図柄に対応して下から番号(0番〜20番)が付されており、これら番号はリールの回転方向でみて順番に大きくなっている。
また、図7には図柄の例とともに図柄の種類名が合わせて示されており、例えば、最上位にある20番の図柄の種類は「ベル」であり、その下の19番の図柄の種類は「リプレイ」であり、2つ下の18番の図柄の種類は「赤7」である。
その他に、14番の図柄の種類は「スイカ」であり、本実施形態では左リール11に「スイカ」の図柄が1つしか存在しない態様となっている。また、10番および3番の図柄の種類は「チェリー」であり、最下位にある0番とその2つ上の2番の図柄の種類は「青V」である。なお、図面上で色彩等の要素は表現されていないため、上記の「赤7」、「青V」等は実際に付されている図柄の色彩を合わせて表記したものである。これら以外にも、「ベル」の図柄が例えば黄色系に着色されていたり、「リプレイ」の図柄が水色系に着色されていたりする。また、「スイカ」、「チェリー」等の青果類を模した図柄には、それぞれの自然物を模した色彩が付されている。
(5−4−1.第1,第2一般小役図柄)
本実施形態では、「ベル」または「スイカ」について、全てのリール11,12,13の停止時に同じ種類の図柄が有効ライン上に3つ揃って停止することで、それぞれ規定枚数のメダルの払い出しが与えられる。本実施形態では、例えば「ベル」の払い出しが8枚、「スイカ」の払い出しが12枚となっており、これら「ベル」、「スイカ」のように、同種の図柄が3つ揃うことで払い出しを受けられるものは「一般小役図柄」である。
(5−4−2.特定小役図柄)
一方、「チェリー」については、全てのリール11,12,13の停止時に「チェリー」の図柄が有効ライン上に3つ揃って停止している必要はなく、左リール11についてだけ「チェリー」の図柄が有効ライン上に停止していれば、それだけで規定枚数のメダルの払い出しが与えられる。本実施形態では「チェリー」の払い出しが例えば7枚となっているが、3枚掛けの状態で上段位置に「チェリー」の図柄が停止すると、上段ラインおよび右下がりラインの両方に停止したことになり、また、下段位置に「チェリー」の図柄が停止すると、下段ラインおよび右上がりラインの両方に停止したことになる(いわゆる「ダブル入賞」)。したがって、「チェリー」の図柄については規定枚数の2倍(ここでは14枚)の払い出しがあり得る。なお本実施形態では、「チェリー」のように1つの図柄だけで払い出しを受けられるものは「特定小役図柄」である。
(5−4−3.特別当選図柄)
また本実施形態では、「赤7」および「青V」が上記の「ボーナス図柄」に該当している。これら「赤7」、「青V」は、全てのリール11,12,13の停止時に同じ種類の図柄が有効ライン上に3つ揃って停止すると、「ビッグボーナスゲーム」と称する特別な遊技状態に移行する利益が遊技者に与えられる。これら「赤7」、「青V」のように、同種の図柄が3つ揃うことでビッグボーナスゲームへの移行が行われるものは特別当選種類に対応した図柄(第1,第2の特別当選図柄)である。
なお、「赤7」と「青V」とは、それぞれに個別の当選フラグがあり、これら「赤7」のフラグと、「青V」のフラグとは別々のものである。また、本実施形態では「赤7」が揃った場合と、「青V」が揃った場合とで、ゲーム機会として遊技者に与えられる「ビッグボーナスゲーム」の内容(または価値)が以下のように異なっている。
(1)「赤7」揃いを契機としたゲーム内容(第1ゲーム内容)
全てのリール11,12,13の停止時に「赤7」が揃うと、例えば「レッド(赤)ビッグ」と称するビッグボーナスゲームに移行する。この「レッドビッグ」には、30回の小役ゲームを行なう機会に加えて、3度のJACゲームを行なう機会とが含まれるが、小役ゲーム中にいずれの小役(「ベル」、「スイカ」、「チェリー」)に当選したかが遊技者に明確に知らされる。当選した種類を遊技者に知らせる方法としては、例えば液晶表示器42に図柄を表示するものが挙げられる。この場合、遊技者は表示された図柄からおおよその見当を付けて目押しをすれば、ほぼ確実に当選フラグに対応する図柄を揃えることができる。
(2)「青V」揃いを契機としたゲーム内容(第2ゲーム内容)
全てのリール11,12,13の停止時に「青V」が揃うと、例えば「ブルー(青)ビッグ」と称するビッグボーナスゲームに移行する。この「ブルービッグ」には、20回の小役ゲームを行なう機会と、最大で2度のJACゲームを行なう機会とが含まれるが、小役ゲーム中にいずれの小役(「ベル」、「スイカ」、「チェリー」)に当選したかが遊技者には知らされないため、遊技者は常に注意深く目押しをしていないと、「スイカ」や「チェリー」を取りこぼすことがある。
上記(1),(2)の対比から明らかなように、本実施形態では「ブルービッグ」よりも「レッドビッグ」の方が遊技者にとって有利である。その結果、「ブルービッグ」で遊技者が得られる遊技価値の平均的な総数と、「レッドビッグ」で遊技者が得られる遊技価値の平均的な総数との間に格差が生じてくることが理解される。
なお「レッドビッグ」、「ブルービッグ」ともにビッグボーナスにて行なわれるゲーム内容は、上記に限定されることはない。例えば、「ブルービッグ」では40回の小役ゲームを行なう機会のみとし、「レッドビッグ」では30回の小役ゲームに加えて、3回のJACゲームを行なうことができる形態とする。こうすると、ビッグボーナスゲームが終了したときのメダルの獲得枚数に大幅な差を設けることができる。遊技者は「ブルービッグ」では300枚程度、「レッドビッグ」では450枚程度のメダルを獲得することが可能である。そのため、単にビッグボーナスという括りの中で差を設けたということにとどまらず、2つの異なるゲーム内容を楽しむことができる。加えてゲーム内容の価値の差を明確にすることができる。
なお本実施形態では、「赤7」の当選確率(例えば640分の1程度)に対し、「青V」の当選確率(例えば280分の1程度)であり、「青V」の当選確率は「赤7」の当選確率の2.67倍程度に設定されている。また、「赤7」、「青V」それぞれの当選確率は、スロットマシン1の設定(1〜6)によって異なる。なお上記の当選確率は設定3に該当する。
(5−4−4.再遊技図柄)
そして、上記の「リプレイ」は再遊技に対応する図柄であり、全てのリール11,12,13の停止時に「リプレイ」の図柄が有効ライン上に3つ揃って停止すると、次回のゲームで改めてメダルを掛けることなく、同じ掛け数の条件で再遊技が可能となる。本実施形態では、「リプレイ」の図柄は「再遊技図柄」である。なお本実施形態では、「リプレイ」の図柄が「ビッグボーナスゲーム」中における「JAC図柄」と兼用されている。
(5−4−5.目押しのポイント)
一般的にリール制御では、停止ボタン26,28,30が押下されてから一定時間(例えば190ms)以内に対応するリール11,12,13の回転を停止させることが前提となっており、これを図柄の移動個数に換算すると、最大で4図柄分のずれ(滑りコマ数)に相当する。このため、目押し等の技量を持つ一般的な遊技者(以下、「一般的な遊技者」として統一)の観点からリール配列をみた場合、一般小役図柄の「スイカ」や特定小役図柄の「チェリー」を確実に有効ライン上に停止させることが可能な箇所に見当をつけ、この箇所を狙って停止ボタン26,28,30を押下(いわゆる「目押し」)しようとする傾向が生じる。なぜなら、仮に内部抽選で「スイカ」や「チェリー」に当選していたとしても、リール制御によって引き込みができない箇所で停止ボタン26,28,30を押下してしまうと、図柄を揃えられないためメダルを取り損ねるからである。このように、内部抽選で当選していたにもかかわらず、停止操作によって対応する図柄を有効ライン上に停止させられないことを「取りこぼし」と称し、一般的な遊技者の間には、取りこぼしを避けながら停止ボタン26,28,30を押下することが賢い遊技の進め方であるとの考えが定着している。
ここで図7のリール配列に着目すると、14番の「スイカ」の図柄は左リール11に1つだけであるため、内部抽選で「スイカ」に当選した場合、遊技者の停止操作によって「スイカ」の図柄を有効ライン上に停止させるためには、少なくとも10番の「チェリー」の図柄が上段位置に存在する状態で停止ボタン26を押下する必要がある。これより1図柄でも前(9番の「ベル」の図柄が上段位置にある状態)で停止ボタン26を押下すると、14番の「スイカ」の図柄は上段位置まで引き込まれず、表示窓8の外に停止してしまうからである。
もちろん、「スイカ」の取りこぼしだけを防ぐのであれば、10番の「チェリー」の図柄が下段位置を通り過ぎた状態で停止ボタン26を押下してもよいが、そうすると今度は「チェリー」の取りこぼしが発生してしまうことになる。このため、一般的な遊技者にとっては、少なくとも10番の「チェリー」の図柄が表示窓8内に存在する状態で停止ボタン26を押下し、「チェリー」および「スイカ」の取りこぼしを同時に防ぐのが最も好適な遊技の進め方であるといえる。
なお、本実施形態において左リール11には、その回転方向でみて10番の「チェリー」の図柄を先頭に、11番の「赤7」、12番の「リプレイ」、13番の「ベル」、そして14番の「スイカ」の順に並んでいる5つの図柄群が形成されている。このため、通常ゲームで毎回、10番の「チェリー」の図柄を表示窓8内に目押しするようにして停止ボタン26を押下していれば、「チェリー」や「スイカ」の取りこぼしを防止できる上、「ベル」、「リプレイ」の図柄の他にボーナス図柄である「赤7」をも表示窓8内に停止させることが可能であるという特徴がある。
また本実施形態では、遊技者が左リール11について毎回のゲームで同じように目押しをしていると、そのときの当選フラグに対応して決まった停止態様が現れる。すなわち、「チェリー」に当選していれば、10番の「チェリー」の図柄が表示窓8内で停止するし、反対に「チェリー」に当選していなければ、10番の「チェリー」の図柄は表示窓8の下段位置を通り過ぎた位置に停止するといった具合である。以下、左リール11の停止態様について具体例を挙げて説明する。
(5−4−6.第1停止態様)
図8は、左リール11の第1の停止態様を示している。図8中(a)に示されているように、一般的な遊技者が最も好適な目押しを行なう場合、10番の「チェリー」の図柄が上段位置に存在する状態(大まかに言えば、表示窓8内に存在する状態でよい)で停止ボタン26を押下することになる。なお、その他の中リール12および右リール13も同様に回転中であるとする。
今回のゲームで「チェリー」に当選していなければ、図8中(b)に示されているように、10番の「チェリー」の図柄はリール制御によって下段位置を通り過ぎ、表示窓8の下方に1図柄だけ移動した位置に停止することになる。この場合、下段位置に11番の「赤7」の図柄が停止し、そして、中段位置に12番の「リプレイ」の図柄、上段位置に13番の「ベル」の図柄がそれぞれ停止した態様となる。このような第1の停止態様では、14番の「スイカ」の図柄は表示窓8内に引き込まれず、表示窓8の外で停止している。なお、ここでは10番の「チェリー」の図柄が上段位置にあった場合を例に挙げているが、中段位置または下段位置にあった場合でも同じ第1停止態様となる。
本実施形態では、以下の4つの場合に対応して図8中(b)に示される停止態様が選択される。
(1)内部抽選で落選した場合(落選フラグがON)
(2)内部抽選で「リプレイ」に当選した場合(「リプレイ」のフラグがON)
(3)内部抽選で「ベル」に当選した場合(「ベル」のフラグがON)
(4)内部抽選で「赤7」のビッグボーナスに当選した場合(「赤7」のフラグがON)
(1)落選(はずれ)時
図9および図10は、全てのリール11,12,13の停止時における停止態様の例を示している。上記(1)のように、今回のゲームの内部抽選で落選した場合(落選フラグがON)、左リール11に「ベル」、「リプレイ」、「赤7」の3つの図柄が停止していても、中リール12および左リール13の停止時にいずれの図柄も有効ライン上に揃うことはない。このように、いずれの図柄も有効ライン上に揃っていない停止態様を一般的に「ハズレ目」等と称し、例えば図9中(a)に示されているように、「ハズレ」等と文字表記することが多い。
(2)「リプレイ」当選時
次に、今回のゲームの内部抽選で「リプレイ」に当選し(「リプレイ」のフラグがON)、左リール11が第1停止となった場合、左リール第1リール停止処理(図6中のステップS204)において有効ラインは中段に決定される。そして、残りのリール12,13については、中段の有効ライン上に「リプレイ」の図柄を停止させるための停止テーブルが決定される(図6中のステップS206)。
したがって、この後に中リール12および左リール13についてそれぞれ停止操作がされると、図9中(b)に示されているように、中段の有効ライン上に「リプレイ」の図柄が3つ揃った停止態様となる。なお、「リプレイ」の図柄は各リール11,12,13に比較的多くの数(5〜6個程度)が配置されているため、遊技者があまり厳密に目押しをしなくとも、リール制御によって確実に「リプレイ」の図柄が有効ライン上に停止する。
なお、10番の「チェリー」の図柄が中段位置にある状態で停止ボタン26が押下された場合、リール配列上は最大で4図柄分だけ滑って15番の「リプレイ」の図柄を上段位置に引き込むことは可能であるが、本実施形態ではわざわざ15番の「リプレイ」を引き込むような制御を採用しておらず、直近にある12番の「リプレイ」を停止させるものとしている。
(3)「ベル」当選時
あるいは、今回のゲームの内部抽選で一般小役である「ベル」に当選し(「ベル」のフラグがON)、左リール11が第1停止となった場合、左リール第1リール停止処理(図6中のステップS204)において有効ラインは一例として右下がりに決定される。そして、残りのリール12,13については、右下がりの有効ライン上に「ベル」の図柄を停止させるための停止テーブルが決定される(図6中のステップS206)。
したがって、この後に中リール12および左リール13についてそれぞれ停止操作がされると、図9中(c)に示されているように、右下がりの有効ライン上に「ベル」の図柄が3つ揃った停止態様となる。ここでも同様に、「ベル」の図柄は各リール11,12,13に比較的多くの数(5〜6個程度)が配置されているため、遊技者があまり厳密に目押しをしなくとも、リール制御によって確実に「ベル」の図柄が有効ライン上に停止する。なお、ここでは右下がりの有効ラインを上げているが、上段が有効ラインとなる態様であってもよい。
(4)「赤7」当選時
一方、今回のゲームの内部抽選で第1の特別当選種類(ビッグボーナス)である「赤7」に当選し(「赤7」のフラグがON)、左リール11が第1停止となった場合、左リール第1リール停止処理(図6中のステップS204)において有効ラインは一例として右上がりに決定される。そして、残りのリール12,13については、右上がりの有効ライン上に「赤7」の図柄を停止させるための停止テーブルが決定される(図6中のステップS206)。
したがって、この後に中リール12および左リール13についてそれぞれ停止操作がされると、図10に示されているように、右上がりの有効ライン上に「赤7」の図柄が3つ揃った停止態様となる。ただし、「赤7」の図柄は各リール11,12,13にあまり多くは配置されていないため、「赤7」の図柄を揃えるためには遊技者が適切に目押しをする必要がある。なお、ここでは右上がりの有効ラインを上げているが、下段が有効ラインとなる態様であってもよい。
(5−4−7.第2停止態様)
次に第2の停止態様について説明する。図11は、左リール11の第2の停止態様を示している。第1の停止態様の場合と同様に、一般的な遊技者が最も好適な目押しを行なう場合、10番の「チェリー」の図柄が上段位置に存在する状態で停止ボタン26を押下することになる(図11中(a))。
同様に、今回のゲームで「チェリー」に当選していなければ、10番の「チェリー」の図柄はリール制御によって下段位置を通り過ぎていくが、図11中(b)に示されているように、第2の停止態様では表示窓8の下方に2図柄分だけ移動した位置で10番の「チェリー」の図柄が停止することになる。したがって、第1の停止態様と違って11番の「赤7」の図柄は下段位置から1図柄分だけずれた位置に停止し、代わりに12番の「リプレイ」の図柄が下段位置に、13番の「ベル」の図柄が中段位置にそれぞれ停止した態様となる。そして第2の停止態様では、14番の「スイカ」の図柄が表示窓8内に引き込まれ、上段位置で停止することになる。
本実施形態では、以下の2つの場合に対応して図11中(b)に示される停止態様が選択される。
(1)内部抽選で「スイカ」に当選した場合(「スイカ」のフラグがON)
(2)内部抽選で「青V」のビッグボーナスに当選した場合(「青V」のフラグがON)
(1)「スイカ」当選時〔小役確定目〕
図12は、全てのリール11,12,13の停止時における停止態様の例を示している。先ず上記(1)のように、今回のゲームの内部抽選で「スイカ」に当選し(「スイカ」のフラグがON)、左リール11が第1停止となった場合、左リール第1リール停止処理
(図6中のステップS204)において有効ラインは一例として右下がりに決定される。そして、残りのリール12,13については、右下がりの有効ライン上に「スイカ」の図柄を停止させるための停止テーブルが決定される(図6中のステップS206)。
したがって、この後に中リール12および左リール13についてそれぞれ停止操作がされると、図12中(a)に示されているように、右下がりの有効ライン上に「スイカ」の図柄が3つ揃った停止態様となる。なお、「スイカ」の図柄は各リール11,12,13にあまり多くの数が配置されていない(例えば1〜3個)ため、「スイカ」の図柄を揃えるためには遊技者が適切に目押しをする必要がある。
ただし、左リール11の停止時に第2の停止態様となった場合、遊技者からすると、停止時にわざわざ1図柄分だけずれた(「滑った」ともいう)ことが見て取れることになる。すなわち、内部抽選の当選確率に基づく出現頻度に鑑みると、「ベル」の出現頻度に対して「スイカ」の出現頻度は相対的に低いため、リール制御によってわざわざ「スイカ」の図柄が引き込まれたということは、それだけで「スイカ」に当選している蓋然性が高いことの根拠となる。
したがって、左リール11の停止時に第2の停止態様となった場合、遊技者は「リールが1図柄分だけずれた(滑った)ので、今回の当選フラグは『スイカ』である可能性が高い」ことを意識しながら、残りのリール12,13の停止操作をすることができる。このような左リール11の配列に合わせたリール制御の特徴をとらえて、第2の停止態様のことを「スイカ(小役)確定目」等と称することがある。
なお、ここでは「スイカ」当選時の一例として右下がりの有効ラインを上げているが、上段が有効ラインとなる態様であってもよい。ただし上段を有効ラインにすると、「スイカ」と同時に「ベル」や「リプレイ」が中段・下段で2つ揃った状態(いわゆる「複合テンパイ」)になる可能性があるため、中リール12の中段に「ベル」を停止させることは避けたいところである。したがって、第2の停止態様によって「スイカ確定目」の信頼性を高めるためには、本実施形態のように右下がりの有効ラインを採用することが好ましいといえる。
(2)「青V」当選時〔小役否定目〕
一方、今回のゲームの内部抽選で第2の特別当選種類(ビッグボーナス)である「青V」に当選した場合(「青V」のフラグがON)、左リール11について通常の目押しパターン(10番の「チェリー」を表示窓8内)で停止操作がされると、左リール第1リール停止処理(図6中のステップS204)においていずれか1つの有効ラインが決定される。ただし、10番の「チェリー」の図柄の近く(上に4図柄以内)には「青V」の図柄が配列されていないので、リール制御によって「青V」の図柄を表示窓8内まで引き込むことができない。したがってこの場合、左リール11の停止制御では、第1の停止態様ではなく第2の停止態様となる。これは、11番の「赤7」の図柄をリール制御によって表示窓8の外にはじき出す(「蹴り飛ばす」ともいう)ことにより、「赤7」の当選が否定されたことを遊技者に教示(または示唆、開示、提示、暗示、アピール、アナウンス等)するためである。あるいは、遊技者が10番の「チェリー」の図柄をうまく表示窓8内に目押しすることができなくても、「青V」のフラグがONになっていれば、11番の「赤7」の図柄が下段位置を通り越していくので、その滑りの挙動によって「赤7」に当選していないことを遊技者に察知しやすくしている。
ところが、左リール11が第2の停止態様で停止すると、上記のように遊技者は「『スイカ』に当選した可能性が高い」ことを意識するため、中リール12および右リール13についても「スイカ」の図柄を目押ししようとする傾向にある。この場合、図12中(b),(c)に示されているように、中リール12または右リール13について、それぞれ「スイカ」の図柄が中段位置または上段位置に停止することが許容されていても、全てのリール11,12,13として「スイカ」の図柄が1本の有効ライン上に揃って停止することは回避される。このような停止態様は一般に「小役(スイカ)否定目」等と称されることが多い。
このことは逆に、左リール11について第2の停止態様となった場合であっても、残りのリール12,13の停止時に図12中(b),(c)に示されている停止態様が現れたとすると、それは「青V」の当選が確定したことを意味することになる(いわゆる「リーチ目」に類するもの)。
(5−4−8.左リール停止処理のまとめ)
以上より、本実施形態の左リール停止処理において以下の特徴が顕著となる。
(1)通常ゲームにおいて一般的な遊技者が最適と考える箇所(目押し最適ポイント)で左リール11の停止操作(目押し)をすると、そのときの当選フラグに対応して第1の停止態様または第2の停止態様がそれぞれの頻度(内部抽選の当選確率に依存する頻度)で現れる。
(2)第1の停止態様となった場合、そのゲームの抽選結果は「落選」または「リプレイ」または「ベル」または「赤7=ボーナス」となる。このため遊技者は、残りのリール12,13について、あまりシビアに目押しをしなくとも、ある程度の頻度で「リプレイ」または「ベル」の図柄を揃えることができる。逆に、当該ゲームで遊技者が「赤7」の当選に期待しているのであれば、残りのリール12,13について注意深く目押しし、「赤7」の図柄を揃えることができる。
(3)一方、第2の停止態様となった場合、そのゲームでのフラグは「スイカ」または「青V=ボーナス」であることが確定する。つまり、当該ゲームでは「ハズレ」があり得ず、小役以上が確定となるので、遊技者は第2の停止態様に接すると、「もしかしたらボーナス当選かもしれない」との期待感を大きく高めることができる。
(4)また、第2の停止態様で遊技者が「スイカ」当選であると確信し、残りのリール12,13について「スイカ」の図柄を目押しした場合、技量を備えた遊技者であればリール制御によって確実に「スイカ」の図柄を揃えることができる。
(5)仮に、第2の停止態様で遊技者が「スイカ」当選であると確信し、残りのリール12,13について「スイカ」の図柄を適切に目押ししたにもかかわらず、リール制御によって「スイカ」が揃わなかった(小役否定目)場合、今度こそ「青V=ボーナス」の当選が確定する。
(6)上記(3)〜(5)をまとめると、遊技者は左リール11の停止時に14番の「スイカ」の図柄が滑ってきた時点で「小役以上確定」という期待感を抱くことができる。さらに、中リール12および左リール13について「スイカ」を目押ししたにもかかわらず、「スイカ」の図柄が引き込まれてこなかったり、表示窓8の外に滑っていったりした場合、それによって「ボーナス確定」という期待感に大きく浸ることができる。
(7)さらに遊技に熟練した遊技者にとっては、第1の停止態様となったときに、あえて「赤7」図柄を揃えないように狙って停止させて遊技を進めていき、〔 第2の停止態様が現れる→「スイカ」図柄揃わず→リーチ目が停止する 〕といった遊技の進め方により他の遊技者に先んじて「ボーナス確定」の喜びを一人噛みしめて満足感を得るという遊技の進め方に遊技者独自の面白さを見出すこともできる。
(5−5.判定処理)
以上は、リール停止処理の内容であるが、リール停止処理によって全てのリール11,12,13が停止されると、以下の判定処理が行われる。
図13は、判定処理の内容を具体的に示している。上記のリール停止処理(図6)によって全てのリール11,12,13が停止されると、メイン制御基板50はそのとき表示されている出目(停止態様,表示態様)をサブ制御基板56に送信する(ステップS301)。
次に、全リール停止時の出目から、そのとき有効ライン上にビッグボーナス図柄(「赤7」または「青V」)が停止したか否か(ステップS302)、小役図柄(「ベル」、「スイカ」、「チェリー」)が停止したか否か(ステップS304)、「リプレイ」の図柄が停止しれたか否か(ステップS305)がそれぞれ判断される。
このとき小役図柄(「ベル」,「スイカ」,「チェリー」)が有効ライン上に停止したと判断されると(ステップS304=Yes)、メイン制御基板50はホッパ装置54を駆動して各小役の種類に対応した枚数のメダル払出動作を指示するとともに、払出し音コマンドをサブ制御基板56に送信する(ステップS308)。
またサブ制御基板56は、有効ライン上の図柄に対応する位置でバックランプ(リール11,12,13に付属)を点滅させたり、本体部2のランプ45,46,47,48を点滅させたりすることで、図柄が揃ったこと(「入賞」ともいう)を強調する演出を行なう。あわせてサブ制御基板56は、スピーカ44から効果音を出力させる演出を行なう。
あるいは、有効ライン上に「リプレイ」の図柄が揃って停止したと判断された場合(ステップS305=Yes)はリプレイ処理(ステップS311)が実行される。リプレイ処理の内容は公知のものと同じである。リプレイ処理が行われると、「リプレイ」の当選フラグがOFFにされ(ステップS313)、判定処理のルーチンがリターンされる。
また、有効ライン上にビッグボーナス図柄(「赤7」または「青V」)が揃って停止したと判断された場合(ステップS302=Yes)、メイン制御基板50はサブ制御基板56に対して効果音コマンドを送信するとともに(ステップS306)、ビッグボーナス遊技処理(ステップS309)を実行する。
以上の処理が一通り終わると、小役またはリプレイの当選フラグがOFFにされて(ステップS312)この判定処理はリターンされる。なお、ここでは落選の場合のフラグもOFFにされる。また、小役の当選フラグがONになっていても、取りこぼし等によって有効ライン上に図柄が停止していない場合(ステップS305=No)は、同じく当選フラグがOFFにされて判定処理はリターンされる。なお、ビッグボーナスの当選フラグは、たとえ遊技者がボーナス図柄を揃えられなかったとしても(ステップS305=No)、この判定処理ではOFFにならず、次回のゲームに持ち越される(持ち越し手段)。そして、ビッグボーナス遊技処理(ステップS309)に進んだ場合、この処理中においてビッグボーナスの当選フラグがOFFにされる。
(6.特別遊技状態)
以上は通常遊技中の説明であるが、本実施形態のスロットマシン1において、通常遊技中のゲームにおいて内部抽選でビッグボーナスに当選し、対応する「赤7」または「青V」の図柄が有効ライン上に揃って停止すると、これを契機に「ビッグボーナスゲーム」と称する特別遊技状態に移行する。ビッグボーナスゲームには複数回のゲーム群からなるゲーム機会が含まれており、この間に遊技者は、比較的高い頻度でメダルの払い出しを受けられる可能性があるため、遊技者にとっては通常よりも有利な状態であるといえる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、上記のように1回のビッグボーナスゲーム中に最大で所定回数(例えば30回)の小役ゲームを行なう機会と、最大で規定回数(例えば3回)のJACゲームを行なう機会とが含まれる。
(6−1.ビッグボーナス遊技処理)
図14は、ビッグボーナス遊技処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、初期化処理が行われるとともに、小役ゲーム用に乱数抽選の当り値テーブルが変更される(ステップS401)。ここで変更された当り値テーブルは通常よりも小役(「ベル」、「スイカ」の他に「チェリー」を含めてもよい)の当り値を多く保有しており、それだけビッグボーナスゲーム中は小役の当選確率が高い状態にあるといえる。
次にビッグボーナスの当選フラグがOFFにされ(ステップS402)、続いて全リール11,12,13の始動処理(ステップS403)および停止処理(ステップS404)が実行される。これら始動処理および停止処理の内容は既に説明したものと同じである。
停止処理によって全リール11,12,13が停止すると、そのときの出目(停止態様)がサブ制御基板56に送信され(ステップS405)、そして、メイン制御基板50のRAMに確保されている小役ゲームカウンタが1つだけカウントアップされる(ステップS406)。
次に、全リール11,12,13停止時の出目が判断され、JAC図柄(「リプレイ」と兼用)が有効ライン上に停止したか否か(ステップS407)、あるいは、小役図柄が有効ライン上に停止したか否か(ステップS412)が判断される。
判断の結果、JAC図柄または小役図柄がいずれも有効ライン上に停止したと判断されなかった場合(No)はステップS415に進んで当選フラグがOFFにされる。この場合は、内部抽選に落選していたか、あるいは小役の当選フラグがONになっていても遊技者が小役図柄を揃えられなかったかのいずれかであると考えられる。
これに対し、ステップS407の判断において小役図柄が有効ライン上に停止したと判断された場合(Yes)、メイン制御基板50は小役に対応した枚数のメダル払い出しをホッパ装置54に指示するとともに、払出し音コマンドをサブ制御基板56に送信する(ステップS413)。また、メイン制御基板50が払い出しを指示すると、その枚数分だけ払出カウンタがカウントアップされる(ステップS409,S414)。
あるいは、ビッグボーナスゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に停止したと判断された場合(ステップS407=Yes)、メイン制御基板50は効果音コマンドをサブ制御基板56に送信し(ステップS408)、次にJACゲーム遊技処理(ステップS410)が行われる。このJACゲーム遊技処理では、いわゆる「JACゲーム」と称するゲーム機会が遊技者に与えられる。本実施形態では取り上げていないが、JACゲームの内容は公知の「レギュラーボーナスゲーム」と同じである。なお、JACゲーム遊技処理が1回終わると、そこでJACゲームカウンタがカウントアップされる(ステップS411)。
JAC図柄または小役図柄が有効ライン上に停止したと判断された場合も同様に、それぞれステップS411またはステップS414に続いてステップS415が実行され、そこで当選フラグがOFFになる。そして、毎回のゲーム終了後にビッグボーナスゲームそのものを終了すべきか否かの終了判定が行われ(ステップS416)、終了条件が満たされていない間(No)はステップS403に戻って次の始動処理が行われる。
一般的にビッグボーナスゲームは、以下のいずれかの条件が満たされると終了する。
(1)ステップS406で、小役ゲームカウンタのカウント数が30回に達したこと。
(2)ステップS411で、JACゲームカウンタのカウント数が3回に達したこと。
(3)メダルの払出枚数が予め決められた規定枚数(例えば450枚)に達したこと。
上記いずれかの条件が満たされると、ステップS416の終了判定が肯定(Yes)され、次にビッグボーナスゲームの終了処理が行われるとともに当り値テーブルが元に戻される(ステップS417)。
(6−2.JACゲーム遊技処理)
図15は、JACゲーム遊技処理の内容を具体的に示している。本実施形態ではレギュラーボーナスゲームを採用していないが、ビッグボーナスゲームの他にレギュラーボーナスゲームを採用するスロットマシン1の場合、以下のJACゲーム遊技処理を適用してレギュラーボーナスゲーム中の遊技処理を実行することができる。
ここでは先ず、初期化処理が行われるとともに、JACゲーム用に乱数抽選の当り値テーブルが変更される(ステップS501)。ここで変更された当り値テーブルは通常よりも当選種類としての「JAC」の当り値を多く保有しており、それだけ「JAC」という種類に当選する確率が高い状態にあるといえる。
次に全リール11,12,13の始動処理(ステップS502)および停止処理(ステップS503)が実行される。停止処理によって全リール11,12,13が停止すると、そのときの出目(停止態様)がメイン制御基板50からサブ制御基板56に送信され(ステップS504)、そしてJACゲームカウンタが1つカウントアップされる(ステップS505)。
次に、全リール11,12,13停止時にJAC図柄が有効ライン(この場合は中段ラインに限定される)上に停止したかか否かが判断される(ステップS506)。上記のように、ここでいうJAC図柄は「リプレイ」と兼用されており、その組み合わせは「リプレイ−リプレイ−リプレイ」であることが多いが、別の図柄と「リプレイ」図柄との組み合わせ(例えば「赤7−リプレイ−リプレイ」、「チェリー−リプレイ−リプレイ」等)が設けられている態様であってもよい。
全リール11,12,13の停止時に中段の有効ライン上にJAC図柄が停止していなければ(ステップS506=No)、ステップS510に進んで当選フラグがOFFにされる。この場合は、単に抽選にはずれたためにフラグがONになっていなかったか、あるいはフラグがONになっていても遊技者が図柄を揃えられずに入賞を取りこぼしたかのいずれかであると考えられる。ただし、当選の場合はリール制御によってほぼ確実に図柄が揃えられるため、ここでの取りこぼしはほとんど発生しない。
逆に、JAC図柄が有効ライン上に停止したと判断(Yes)されると、メイン制御基板50はホッパ装置54を駆動して規定枚数(例えば12枚)のメダル払い出しを実行するとともに、払出し音コマンドをサブ制御基板56に送信する(ステップS508)。また払い出しが行われると、その枚数分だけ払出カウンタがカウントアップされ(ステップS509)、これに続いて当選フラグがOFFにされる(ステップS510)。
JACゲーム遊技処理においても、1回分のJACゲームの終了判定(ステップS511)が行われる。JACゲーム中の払い出し(入賞)が未だ一定回数(例えば8回)に達していない間は、終了判定が否定(No)されてステップS502に戻り、JACゲームが続行される。この後、JACゲーム中の払い出し(入賞)が一定回数(例えば8回)に達すると、そこで1回のJACゲームを終了すべきものと判定(Yes)される。この場合、ステップS512に進んでJACゲームの終了処理が行われ、当り値テーブルが変更前の状態(小役ゲーム用)に戻されてビッグボーナス遊技処理(図14)に復帰する。
(7.演出処理)
以上は、メイン制御基板50による遊技制御の例であるが、本実施形態のスロットマシン1では、遊技の進行にあわせてサブ制御基板56により演出動作の制御が行われる。
図16は、サブ制御基板56により実行される演出処理の一例を示している。スロットマシン1に電源が投入されると、この演出処理において先ず初期化処理が行われる(ステップS801)。次にメイン制御基板50から送信されるメダル投入コマンドが待ち受けられ、実際にメダル投入コマンドが送信されると、これに応じて投入音やベット音等を出力させる演出が行われる(ステップS802)。
続いて、メイン制御基板50から送信される当選(始動)フラグコマンドが待ち受けられる(ステップS803)。当選(始動)フラグコマンドは、始動レバー24の操作を契機としてメイン制御基板50から送信され、サブ制御基板56では、当選(始動)フラグコマンドを受信すると、それに合わせた演出動作の制御が行われる。ここでの演出動作は例えば、リール始動音の出力や液晶表示器42による当選種類の告知演出等である。
特に、上記の「レッドビッグ」中の小役ゲームにおいては、このステップS803で当選した小役の種類(「ベル」、「スイカ」、「チェリー」)を遊技者に知らせる演出が行われる。これにより、遊技者は始動レバー24を操作した後、停止ボタン26,28,30を操作する前に演出内容から当選した小役の種類を知ることができるので、対応する図柄を目押しすることができる。
上記の演出は、小役ゲーム中において毎回行われることが最も遊技者に有利となる。一方、「ブルービッグ」では、このような当選した小役の種類を遊技者に知らせる演出が行われないので、この場合、遊技者は特に「スイカ」や「チェリー」の取りこぼしに注意しながら停止ボタン26,28,30を操作する必要がある。
上記の始動演出が行われると、続いて第1〜第3停止情報コマンドが待ち受けられる(ステップS804〜S806)。3つの停止ボタン26,28,30が適宜順番に操作されると、メイン制御基板50からサブ制御基板56に第1〜第3停止情報コマンドが順次送信され、これを受けてサブ制御基板56では、それぞれ当選フラグと第1〜第3停止情報コマンドに応じた演出動作の制御が行われる。ここでの演出動作は例えば、各リール停止音の出力やリール消灯演出、液晶表示器42による画像演出等である。特に第3停止情報コマンドを受信すると、そのときの当選種類に応じた演出動作が行われる(ステップS806)。
そして、判定処理の結果に応じてメイン制御基板50から払出コマンドが送信されてくるので、これを受けてサブ制御基板56では払出し音出力による演出が行われる(ステップS807)。さらに、ここではメイン制御基板50から送信される遊技ステータスコマンドが待ち受けられ、受信したコマンドから現在の遊技ステータスが吟味される。なお遊技ステータスは、例えば「ビッグボーナスゲーム」や「JACゲーム」、「ボーナスゲーム終了」等を表すものである。
以上は、スロットマシン1の一実施形態であるが、これに限定されることはない。以下では、上記で述べた実施形態の一部を変形した例(変形例)について述べる。なお図面、符号等については上記の実施形態のスロットマシン1と同じとする。異なる場合は適宜符号等を新たに用いて説明する。
(変形例1)
「赤7」が揃った場合と「青V」が揃った場合とでゲーム機会を同じにしてもよい。例えば、「赤7」揃いの場合も、「青V」揃いの場合も、ビッグボーナスゲームのゲーム機会(最大で30回の小役ゲームを行なう機会と、最大で3度のJACゲームを行なう機会)に差が設けられていない態様であってもよい。ただし、「赤7」揃いを契機としてビッグボーナスに移行した場合は、ビッグボーナス終了後に、CT(チャレンジタイム)やSB(シングルボーナス)やRT(リプレイタイム)等の付加価値を得ることができる内容とする。あるいは別の付加価値として、ビッグボーナス終了後に所定の小役やリプレイ、または「赤7」、「青V」の当選確率が高く変更されたゲームを行なうことのできる特典が付加される態様であってもよい。これにより、遊技者は「青V」よりも「赤7」に当選したいことをより強く願いながらゲームを進めていくこととなる。
(変形例2)
「赤7」の当選確率を「青V」に比して高くしてもよい。例えば「赤7」の当選確率を320分の1、「青V」の当選確率を480分の1とすると、遊技者が前記の目押し最適ポイントで目押しを行なうと、第1の停止態様に接することが先の実施形態に比べて多くなる。このため、第1の停止態様となった場合、遊技者は、積極的に第1の特別当選図柄を照準を合わせて停止操作を行なおうという意欲を持つこととなる。したがって遊技者が停止操作を行なった結果、見事に第1の特別当選図柄を揃えることができれば、遊技者が第1の特別当選種類に当選した喜びに加えて、メダルを無駄に消費せずに第1の特別当選図柄を揃えることができたという満足感を得ることができる。ここでいう満足感とは、遊技者本人のみが満足する類のものであるが、「自分は、第1または第2の特別当選種類に当選したことを察知する前に(つまりリーチ目を見るまでもなく)、第1の特別当選図柄を揃えられたのだ」という目押し技術の熟練度を他の遊技者にアピールしたいという遊技者の願望を満たすことにもなる。さらに遊技者が何気なく遊技をしていたら突然、第1の特別当選図柄が揃うといった驚愕を与えることもできる。
このため、遊技者は、ますます前記目押し最適ポイントで目押しを正確に行なうことができるよう目押しの技量(精度)を高めようと意欲を持つこととなる。これは、遊技者が積極的に目押しの精度を高めることで、第1の停止態様と第2の停止態様とを的確に見極めようと考える傾向にあるからである。
なお「赤7」と「青V」の当選確率は先の実施形態や変形例(1)や変形例(2)に限定されることはない。「赤7」と「青V」との当選確率にあまり差をつけない形態や、全く差を設けずに同じ当選確率とする形態をとることも可能である。しかし、この場合「赤7」と「青V」とを同程度の当選確率とすると、第1の停止態様となっても、第2の停止態様となってもそれぞれ同程度には、特別当選種類に当選したかもしれないという期待を持てるものの、それぞれの期待は半分程度しか持てない。したがって第1の停止態様となると一気に特別当選種類に当選したかもしれないという可能性が高まるというような高揚感が薄らいでしまう。結果として遊技者が当該遊技機のゲーム性に興味を失ってしまうこともあり得る。そのため、「赤7」と「青V」の当選確率は、できれば明確に差が生じるほどの差をつけることが望ましい。