JP2011171938A - 画像符号化方法、画像符号化装置、画像復号化方法、画像復号化装置、固体撮像素子、ディジタル信号処理素子、ディジタルスチルカメラ及び監視カメラ - Google Patents

画像符号化方法、画像符号化装置、画像復号化方法、画像復号化装置、固体撮像素子、ディジタル信号処理素子、ディジタルスチルカメラ及び監視カメラ Download PDF

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Abstract

【課題】より符号化効率が向上された適応型算術符号化による画像符号化方法を提供する。
【解決手段】符号化対象画素の予測値を生成する予測画素生成ステップS102と、符号化対象画素の画素データと予測値とから予測誤差情報を生成する変化抽出ステップS103と、予測誤差情報を、ビットごとに、適応的に変化する予測確率を用いて算術符号化をする算術符号化ステップS105と、算術符号化されたビットが第1の値である場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率を下げ、算術符号化されたビットが第1の値でない場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率を上げるように、予測確率を更新する予測確率更新ステップS106(S201〜S203)とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像符号化・復号化方法とその装置に関し、特に、ディジタルスチルカメラやネットワークカメラ等のように画像を扱う装置における、画像圧縮によるデータ転送の高速化やメモリの使用量削減を目的とした画像符号化・復号化方法とその装置に関するものである。
近年、ディジタルスチルカメラやディジタルビデオカメラなどの撮像装置に用いられる撮像素子の高画素化に伴い、撮像装置に搭載される集積回路が処理する画像データ量が増大している。多くの画像データを扱うには、集積回路内のデータ転送のバス幅を確保するために、動作周波数の高速化、メモリの大容量化等が考えられるが、これらはコストアップに直接繋がってしまう。
そこで、近年、画像信号に含まれる冗長な信号成分を除去することによって、画像データ量を低減するための様々な処理技術が提案されている。なお、このような画像データ量を低減するための処理を画像の高能率符号化、あるいは単に画像符号化という。また、この技術は、データ圧縮符号化、冗長度抑圧符号化、ビットレート低減符号化などと呼ばれることもある。
最も代表的な符号化方法の1つとして算術符号化がある。これは発生頻度(つまり、出現頻度)の高い出力レベルには短い符号を、発生頻度の低い出力レベルには長い符号を割り当てる。これによって出力符号の平均符号長を短くできる。
以下、算術符号化(より具体的には、レンジ・コーダと呼ばれる算術符号化)について説明する。
算術符号化では、0〜1の数直線を、符号化するデータ(事象)の発生頻度で分割することによって、符号化するデータを発生頻度(具体的には、発生確率)に置き換える。例えば、図23に示すように入力値“11001…”を符号化する場合には、各ビットを順に、“1”の出る予測確率P(0≦P≦1)と“0”の出る予測確率Q(Q=1−P)とによる発生頻度に置き換えていくことで、これを図24に示す原点Cと幅Aとで特定される数直線上の分割比率(つまり、数直線上の区間)で表す。具体的には、数直線上に2つの変数C(原点)とA(幅)をもたせ、まず、C=0、A=1図24と初期化する。次に、最初のビットを検査し、そのビットが、値“1”であるときは、原点Cを変えずに数直線の分割を行い、新たに図24の分割(1)が示す予測確率Pの大きさに数直線の幅Aを更新する。具体的には、予測確率Pに対応する符号“1”がきた場合には、数直線の幅Aを予測確率P(分割(1)が示す予測確率Pの区間)に変更し、原点Cはそのままとして変更しない。続いて、予測確率Qに対応する符号“0”がきた場合には、図24原点Cの位置を予測確率P(分割(2)が示す予測確率Pの区間)だけ右に動かして幅Aを分割(2)における予測確率Qの区間に変える。
上述した方法に従って図23に示す入力値“11001…”を構成するビットに対して連続的に符号化(つまり、原点Cの位置をそのままにして幅Aだけを狭めるか、原点Cを移動させて幅Aを狭めるかの処理を)していくと、原点Cが0〜1の数直線のある点に収束する。これにより、元の入力値は、収束した原点Cの位置(あるいは、原点の位置Cと幅A)で表現することができる。係る符号化を算術符号化という。
従って、予測確率Pに対応する符号“1”がきた場合には、数直線が分割されるが原点Cの位置は変化せず、よって、予測確率Pに対応する符号“1”が続く限り、数直線を分割していく(つまり、幅Aが変化していく)だけで原点Cの位置は変わらない。すなわち、予測確率Pに対応する符号(ビット値)が多い程、数直線の分割が進んでいったとしても、原点Cを表現するために必要な算術符号の桁は増えない(予測確率Qに対応する符号“0”がきたときだけ原点の位置が動く)。
一方、算術符号の復号化処理は、図25に示す通りである。まず、符号化のときと同様に、0から1までの数直線を用意する。いま、復号化の対象となる値(符号化された値「符号化値」)は、図25における一点鎖線で示される位置とする。符号化された値が前記数直線上の予測確率Pの範囲にあれば“1”と復号化する。引き続き、符号化時と同様に、幅A(ここでは、図25の1番目の数直線における予測確率Pの区間)をさらに予測確率Pと予測確率Q(図25の2番目の数直線における予測確率Pの区間と予測確率Qの区間)に分割し、前記符号化された値がどちらの範囲に属するかで復号化すべき符号を“0”か“1”かに判定する。ここでは、符号化された値が図25の2番目の数直線における予測確率Pの区間に属するので、“1”と復号化する。これを繰り返すことにより復号化がなされる。
ここで、上述した算術符号化には、次のような欠点がある。つまり、上記“1”の出る予測確率P、“0”の出る予測確率Qを求めるために発生頻度を事前に知る必要がある。このために、算術符号化をする前に符号化対象のデータ全てを読み込む必要がある。
このような算術符号化の欠点を解消するものとして適応型算術符号化がある。これは、0から1までの数直線上を符号化するデータの予測確率で分割することでは上述した算術符号化と同様であるが、予測確率PおよびQを、予め全部のデータを読み込み予測確率を算出しておくのではない。具体的には、適応型算術符号化では、最初は発生頻度がどちらか分からないから予測確率P及びQをそれぞれ0.5と仮に設定し、符号が入力されるに従ってこの予測確率を適応的に変化させる。
例えば、予測確率P=0.5と仮定した場合、入ってくる符号に“1”が多いときは予測確率Pを0.5よりも大きくなる方向に変化させる。また、逆に“0”が多くなってきたときは予測確率を下げていき、予測確率Pを0.5よりも小さく(P<0.5)する。このように適応的に予測確率を変化させることで、予め全データを読み込むことでの予測確率の事前の決定を必要としなくなる。
このような適応型算術符号化を利用して画像データを圧縮する技術として、様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の技術は、上記従来技術を用いて、画像データの圧縮処理を撮像素子から入力される画素信号(RAWデータ)に対しても適用することで、撮像素子の多画素化が進み信号処理の負荷が増大する場合でも、メモリへの書き込みおよび読み出しの際に必要なバス帯域を削減し、高速操作を可能にすることを目的としている。また、圧縮対象画素値と予測値との予測誤差を排他的論理和により抽出して、これを圧縮対象の情報とすることにおいて、圧縮効率を高めるために適応型算術符号化を用いた可変長符号化方式を採用している。その実装方法については、符号化対象画素とその周囲複数画素の値から予測される予測値に基づいて予測誤差を算出し、この予測誤差を所定の変数に変えることで算術符号の分割比率が適応的に変化する算術符号化によって符号化されるが、この際、周囲複数画素が特定パターンであるときには算術符号化における分割比率を制御せず、固定された分割比率を用いて符号化を行っている。
特許第3127513号公報
しかし、このような従来の適応型算術符号化を用いた符号化方法は、画像データ固有の発生頻度の偏りを考慮しておらず、そのために、効率的な符号化を行えておらず、圧縮効率が悪いという問題がある。
ここで、画像データにおける固有の発生頻度の偏りとは、符号化対象の画素とその近接画素との相関性が高いことから、それらの差である予測誤差はビットプレーン上でMSB(Most Significant Bit)側程“0”が発生する頻度が高く、LSB(Least Significant Bit)側程“1”が発生する頻度が高くなることである。上記従来の技術はこれを考慮していないがために、MSBからLSBの方向に符号化をする場合に、符号化開始時には“0”が頻繁に入力されるために、符号化が繰り返されるにつれ、“0”の発生頻度がどんどん高くなる。しかし、符号化処理を進めるにつれ、LSB側にいく程“1”の発生頻度が高いために、更新した発生頻度と符号化対象のデータにおける発生頻度の乖離が生じる。その結果、“1”を符号化する際には長い符号量が出力されることとなり、最終的に出力される符号量が多くなってしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題を鑑みたものであり、より符号化効率が向上された適応型算術符号化による画像符号化方法等を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明に係る画像符号化方法の一態様は、画像データを構成する画素データを圧縮する画像符号化方法であって、符号化対象画素の周辺に位置する少なくとも1個の画素の画素データから、当該符号化対象画素の予測値を生成する予測画素生成ステップと、前記符号化対象画素の画素データと前記予測値とのビット変化を抽出することによって当該ビット変化を示す予測誤差情報を生成する変化抽出ステップと、前記変化抽出ステップにより生成された予測誤差情報を、当該予測誤差情報を構成するビットごとに、適応的に変化する予測確率を用いて算術符号化をする算術符号化ステップと、前記算術符号化ステップで符号化されたビットが第1の値である場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率を下げ、前記算術符号化ステップで符号化されたビットが第1の値でない場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率を上げるように、前記予測確率を更新する予測確率更新ステップとを含み、前記算術符号化ステップでは、前記予測誤差情報を構成するビットごとに、前記予測確率更新ステップで更新された予測確率を用いて前記算術符号化を行う。
これにより、予測確率を用いたビットごとの算術符号化において、発生した事象(算術符号化の対象となるビットの値)に対する予測確率を下げる方向に予測確率を更新していく。よって、算術符号化の対象となる予測誤差情報がMSBからLSBにいく従って“0”の発生頻度が高い状態から“1”の発生頻度が高い状態に遷移すること等の状態の反転に対応した予測確率の更新が行われることとなり、これによって、画像データにおけるビットの発生頻度の偏りを考慮した予測確率の適応的な更新が行われ、画像データの符号化効率が向上される。
なお、本発明は、このような画像符号化方法として実現できるだけでなく、画像符号化方法に対応する画像復号化方法として実現したり、それらの方法を構成するステップを電子回路として備えるLSI等の装置として実現したり、それらの方法を構成するステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD−ROM等の記録媒体として実現することもできる。
本発明によれば、画像データにおける発生頻度の偏りが考慮された適応型算術符号化が行われるので、画像データの符号化効率が向上される。
よって、本発明により、ディジタルカメラ等で得られた画像データがより小さなサイズに圧縮されてメモリに格納されるので、特に、ディジタルカメラが普及してきた今日における本発明の実用的意義は極めて高い。
本発明の実施の形態1における画像符号化装置および画像復号化装置の構成を示すブロック図 (a)及び(b)は、それぞれ、画像符号化装置および画像復号化装置における画像符号処理および復号化処理を示すフローチャート 算術符号化における予測確率の更新方法を示すフローチャート 予測画素生成部における予測式を説明する図 算術符号化部に入力される予測誤差情報の入力順番を説明する図 算術符号化部に入力される予測誤差情報の入力順番を説明する図 算術符号化に用いる予測確率の更新を説明する図 算術符号化対象の入力値(具体例)を示す図 (a)及び(b)は、実施の形態1において算術符号化される予測誤差情報の入力順序(具体例)を示す図 実施の形態1における算術符号化に用いる予測確率の更新(具体例)を示す図 符号化処理結果(具体例)を示す図 算術符号化を説明するための数式を示す図 本実施の形態における算術符号化の具体例を説明するための図 従来手法における算術符号化の具体例を説明するための図 符号化処理結果(具体例)を示す図 (a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態2における画像符号化装置および画像復号化装置の固定長符号化におけるフローチャート (a)及び(b)は、実施の形態2において算術符号化される予測誤差情報の入力順序を示す図 (a)〜(d)は、実施の形態2において算術符号化される予測誤差情報の入力順序を示す図 本発明の実施の形態3におけるディジタルスチルカメラの構成を示すブロック図 本発明の実施の形態4におけるディジタルスチルカメラの構成を示すブロック図 実施の形態5における監視カメラの構成を示すブロック図 実施の形態6における監視カメラの構成を示すブロック図 従来の算術符号化を説明するための入力値及び予測確率を示す図 従来の算術符号化を説明するための図 従来の算術復号化を説明するための図 従来手法における算術符号化に用いる予測確率の更新を示す図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の各実施の形態や各変形例の説明において、一度説明した構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
≪実施の形態1≫
図1は、本発明の実施の形態1における画像符号化装置300及び画像復号化装置310の構成を示すブロック図である。図2(a)及び図2(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態1における画像符号化方法および画像復号化方法の手順を示すフローチャートである。図3は、図2(a)及び図2(b)に示される算術符号化および算術復号化に用いる予測確率の更新(図2(a)のステップS106及び図2(b)のS115)の詳細を示すフローチャートである。
画像符号化装置300は、図1に示されるように、画像データを構成する画素データをM個の画素(以下、「M画素」ともいう。)単位で圧縮する装置であって、処理対象画素値入力部301、変化抽出部302、予測画素生成部303、算術符号化部304、予測確率更新部305及びパッキング部306を備える。
処理対象画素値入力部301は、符号化対象画素の画素データを受け取り、受け取った画素データが初期画素値データである場合には、その初期画素値データをパッキング部306に出力し、受け取った画素データが初期画素値データでない場合には、その画素データを変化抽出部302と予測画素生成部303に出力する処理部である。なお、初期画素値データとは、圧縮(つまり、算術符号化)の単位となるM個の画素における先頭画素の画素データである。
予測画素生成部303は、符号化対象画素の周辺に位置する少なくとも1個の画素の画素データから、予め定められた予測手順に従って、当該符号化対象画素の予測値を生成し、変化抽出部302に出力する処理部である。
変化抽出部302は、処理対象画素値入力部301から送られてくる符号化対象画素の画素データと、予測画素生成部303から送られてくる当該符号化対象画素の予測値とのビット変化を抽出することによって当該ビット変化を示す予測誤差情報を生成し、算術符号化部304に出力する処理部である。
算術符号化部304は、変化抽出部から送られてくる予測誤差情報を、当該予測誤差情報を構成するビットごとに、適応的に変化する予測確率を用いて算術符号化をする処理部であり、その算術符号化においては、予測誤差情報を構成するビットごとに、予測確率更新部305で更新された予測確率を用いて算術符号化を行う。
予測確率更新部305は、算術符号化部304で符号化されたビットが第1の値(“1”)である場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率Pを予め定められたα分だけ下げ(つまり、第2の値(“0”)の算術符号化に用いられる予測確率Qを予め定められたα分だけ上げ)、一方、算術符号化部304で符号化されたビットが第1の値でない場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率を上げる(つまり、第2の値(“0”)の算術符号化に用いられる予測確率Qを予め定められたα分だけ下げる)ように、予測確率P及びQを更新する処理部である。
つまり、この予測確率更新部305は、予測確率を用いたビットごとの算術符号化において、発生した事象(算術符号化の対象となるビットの値)に対する予測確率を下げる方向に予測確率を更新していく。これは、算術符号化の対象となる予測誤差情報がMSBからLSBにいく従って“0”の発生頻度が高い状態から“1”の発生頻度が高い状態に遷移すること等の状態の反転に対応した予測確率の更新を行うためである。
パッキング部306は、処理対象画素値入力部301から送られてくる少なくとも1画素以上の初期画素値データと、算術符号化部304から送られてくる少なくとも1ビット以上の算術符号とに対して、それらを結合させるというパッキングを行い、符号化データとして、画像符号化装置300の外部に出力する出力部である。
一方、画像復号化装置310は、図1に示されるように、画像符号化装置300によって得られた算術符号から画素データを復号化する装置であって、アンパッキング部311、算術復号化部312、予測確率更新部313、変化抽出部314、予測画素生成部315及び出力部316を備える。
アンパッキング部311は、外部から、算術復号化の対象となる符号化データを受け取り、受け取った符号化データが初期画素値データである場合には、その初期画素値データを出力部316に出力し、受け取ったデータが初期画素値データでない(算術符号である)場合には、そのデータを算術復号化部312に出力する処理部である。
算術復号化部312は、アンパッキング部311から送られてくる算術符号に対して、その算術符号を構成するビットごとに、適応的に変化する予測確率を用いて算術復号化をすることによって予測誤差情報を生成し、変化抽出部314、予測確率更新部313及び予測画素生成部315に出力する処理部であり、その算術復号化においては、その算術符号を構成するビットごとに、予測確率更新部313で更新された予測確率を用いて算術復号化を行う。
予測確率更新部313は、画像符号化装置300が備える予測確率更新部305と同一の機能を有し、算術復号化部312で復号化されたビットが第1の値(“1”)である場合に当該第1の値の算術復号化に用いられる予測確率Pを予め定められたα分だけ下げ(つまり、第2の値(“0”)の算術復号化に用いられる予測確率Qを予め定められたα分だけ上げ)、一方、算術復号化部312で復号化されたビットが第1の値でない場合に当該第1の値の算術復号化に用いられる予測確率を上げる(つまり、第2の値(“0”)の算術復号化に用いられる予測確率Qを予め定められたα分だけ下げる)ように、予測確率P及びQを更新する処理部である。
予測画素生成部315は、出力部316から送られてくる初期画素値データ、又は、既に復号された画素値データを用いて、画像符号化装置300の予測画素生成部303と同じ処理ロジックで、変化抽出部314での処理対象となっている画素(つまり、復号化対象画素)の予測値を生成する処理部である。
変化抽出部314は、算術復号化部312で生成された予測誤差情報と予測画素生成部315で生成された予測値とに対して予め定められた演算(ここでは、排他的論理和)を行うことで、復号化対象画素の画素データを生成する処理部である。
出力部316は、アンパッキング部311から送られてくる初期画素値データ、及び、変化抽出部314で復元された画素データを、復号後の画素データとして、外部及び予測画素生成部315に出力する処理部である。
なお、本実施の形態における画像符号化装置300及び画像復号化装置310の全てまたは一部は、LSI(Large Scale Integration)などのハードウェアで実現されてもよいし、CPU(Central Processing Unit)等により実行されるプログラムによって実現されてもよい。このことは以下の実施の形態でも同様である。
まず、図2から図6を参照し、本発明に係る画像符号化装置300が行う画像を符号化するための処理(以下、画像符号化処理という)について説明する。図2(a)は、画像符号化処理のフローチャートである。符号化対象となるM画素は、処理対象画素値入力部301に入力される。本実施の形態において、各画素データはNビット長のディジタルデータとする。また、パッキング部306は、少なくとも1画素以上の初期画素値データと、複数の画素データに対応した算術符号とを、パッキングすることにより、M画素に対応する符号化データ(パッキングデータ)として、画像符号化装置300から出力する。ここで、自然数M、Nは、予め決められているものとする。処理対象画素値入力部301に入力された画素データは、適切なタイミングで予測画素生成部303へ出力される。ただし、着目している符号化対象画素が、初期画素値データとして入力された場合(図2(a):ステップS101でYES)は、直接、パッキング部306に入力される。
着目している符号化対象画素が、初期画素データでない場合(図2(a):ステップS101でNO)は、画素データは、予測画素生成部303へ入力される。予測画素生成部303に入力される画素データは、着目している符号化対象画素よりも先に入力された、初期画素値データ、または、以前の符号化対象画素、または、先に符号化され、復号化された画素データのいずれかである。予測画素生成部303は、入力された画素データを用いて、着目している画素データの予測値を生成する(図2(a):ステップS102)。
ここで、この画像符号化装置300は、画素データに対する符号化方法として、予測符号化を採用している。予測符号化とは、符号化対象画素に対する予測値を生成し、符号化対象画素と予測値の差分値を符号化する方式である。予測値については、画素データの場合、近接する画素の値が同一である、又は、近い可能性が高いということに基づき、近傍の画素データから、着目している符号化対象画素の値を予測することで、変化量をできるだけ小さく抑えるというものである。図4は、予測値の算出に用いられる近接する画素の配置を示す説明図である。図中“x”は注目画素の画素値を示す。“a”、“b”および“c”は、注目画素の予測値“y”を求めるための近接画素の画素値である。以下に、予測値の算出のために一般的に用いられる予測式(1)〜(7)を以下に示す。
y=a…(1)
y=b…(2)
y=c…(3)
y=a+b−c…(4)
y=a+(b−c)/2…(5)
y=b+(a−c)/2…(6)
y=(a+b)/2…(7)
この画像符号化装置300は、このように注目画素の近接画素の画素値“a”、“b”および“c”を用いて注目画素の予測値“y”を求め、この予測値“y”と符号化対象画素“x”との予測誤差Δ(=y−x)を求め、この予測誤差Δを符号化する。そのために、予測画素生成部303では、前記した予測符号化で用いられる予測式(1)〜(7)のいずれかの予測式を用いて予測値を算出する。なお、前記した予測式(1)〜(7)に限らず、圧縮処理における内部のメモリバッファが確保できる場合は、着目画素に隣接している画素以外の周辺画素もメモリバッファに保持しておき、予測に使用することで予測精度を向上することも可能である。本実施の形態においては、ステップS102において、予測式(1)を使用する。
変化抽出部302は、Nビットで表現された符号化対象画素の画素データと予測値との排他的論理和演算を行い、Nビット長の予測誤差情報Eを算出して、算術符号化部304および予測確率更新部305へ出力する(図2(a):ステップS103)。ここで、この予測誤差情報Eの算出については、M画素について繰り返す(図2(a):ステップS104)。
算術符号化部304は、入力されたM画素分の予測誤差情報Eについて算術符号化を行う(図2(a):ステップS105)。ここで、算術符号化における処理順序の一例を図5および図6に示す。図5は、M画素分の予測誤差情報Eに対して、全ての予測誤差情報Eの桁を横断的にスキャンするように、それらのMSBからLSBに向けて、順次符号化処理を実施する場合の処理順序を示している。つまり、図5に順序では、まず予測誤差情報E1の最上位ビットを符号化し、次に予測誤差情報E2の最上位ビットを符号化し、さらに予測誤差情報E3の最上位ビットを符号化し、・・のように全ての予測誤差情報の最上位ビットの符号化を終えると、次に、予測誤差情報E1の最上位から2番目のビットを符号化し、さらに予測誤差情報E2の最上位から2番目のビットを符号化するというように、MSBを優先に符号化処理を行う。一方、図6は、予測誤差情報Eの入力に合わせて(予測誤差情報Eごとに)順次符号化処理を実施する場合の処理順序を示している。つまり、図6に示される順序では、注目する画素の予測誤差情報のMSBからLSBの順番に符号化処理を行い、引き続き次に注目する別の画素の予測誤差情報のMSBからLSBの順番に符号化処理を行っていく。
予測確率更新部305は、変化抽出部302から入力された予測誤差情報Eを判別して、予測確率を更新する(図2(a):ステップS106)。具体的には、この予測確率更新部305は、入力された情報が“1”の場合(図3:ステップS201でYES)は、“0”の予測確率Qをα分上げ、一方、“1”の予測確率Pをα分下げるという予測確率の更新を行う(図3:ステップS202)。また、入力された情報が“0”の場合(図3:ステップS201でNO)は、“0”の予測確率Qをα分下げ、一方、“1”の予測確率Pをα分上げるという予測確率の更新を行う(図3:ステップS203)。
このような予測確率の更新について図7を用いて詳細に説明する。“1”の発生する頻度をP(0≦P≦1の実数)、“0”の発生する頻度をQ(=1−P)として、符号化を開始する前の基準値をP=Pbase(0<Pbase<1の実数)、Q=1−Pとする。“1”が符号化された場合(図3:ステップS201でYES)は、“1”の予測確率Pを下げるように予測確率Pをα(0<α<1の実数)だけ減算する(図3:ステップS202)。一方、“0”が符号化された場合(図3:ステップS201でNO)は、“1”の予測確率Pを上げるように予測確率Pをα(0<α<1の実数)だけ加算する(図3:ステップS203)。また、更新された予測確率PがPの最大値であるPmax(0≦Pmax≦1かつPbase<Pmax)に達した場合は、予測確率Pを最大値であるPmaxに更新する。また、予測確率Pの最小値であるPmin(0≦Pmin≦1かつPbase>Pmin)に達した場合については、予測確率Pを最小値であるPminに更新する。
パッキング部306は、少なくとも1画素以上の初期画素値データと少なくとも1ビット以上の算術符号を結合させるというパッキングをし、パッキング後の符号化データ(つまり、パッキングデータ)をSDRAMなどのメモリまたはシステムLSI等の画像符号化装置300の外部に出力する。
次に、図1と図2(b)を参照し、本発明に係る画像復号化装置310が行う画像を復号化するための処理(以下、画像復号化処理という)について説明する。図2(b)は、画像復号化処理のフローチャートである。復号化対象のデータは画像符号化装置300から入力される符号化データ(つまり、パッキングデータ)である。前記パッキングデータは、アンパッキング部311により、少なくとも初期画素値データと少なくとも1ビット以上の算術符号に分離される(図2(b):ステップS111)。
アンパッキング部311で分離された情報は、それが初期画素値データである場合(図2(b):ステップS112でYES)は、出力部316へ出力され(図2(b):ステップS113)、一方、アンパッキング部311で分離された情報が算術符号である場合(図2(b):ステップS112でNO)は、算術復号化部312へ出力される。
算術復号化部312は、アンパッキング部311から送られてくる、算術符号化された符号(つまり、算術符号)を復号することにより、予測誤差情報を復元する(図2(b):ステップS114)。算術復号化部312で復号された結果は予測確率更新部313および変化抽出部314へ出力される。
予測確率更新部313は、算術復号化部312から入力される復号結果により、ビット単位で、予測確率の更新を行なう(図2(b):ステップS115)。なお、この予測確率更新部313での処理は、画像符号化装置300が備える予測確率更新部305の処理と重複するため、詳細な説明はしない。ここで、予測確率の基準値Pbase、更新ステップα、Pの最大値PmaxおよびPの最小値Pminについては、符号化処理で用いた値と同じものを用いる。
予測画素生成部315は、着目している復号化対象画素よりも先に入力された、初期画素値データ、または、以前に復号化された画素データを用いて、画像符号化装置300の予測画素生成部303と同じ処理ロジックで、着目している画素データの予測値を生成する(図2(b):ステップS116)。
変化抽出部314は、算術復号化部312から送られてくるNビットで表現された復号された予測誤差情報Eと予測画素生成部315から入力されるNビットの予測値との排他的論理和演算を行うことで画素データを復元する(図2(b):ステップS117)。復元された画素データは出力部316へ出力される。
出力部316は、復元された画素データをSDRAMなどのメモリやシステムLSI等の画像復号化装置310の外部へ出力する。
次に、具体的なデータ例を用いて、本実施の形態における画像符号化処理の詳細な説明を行う。
図8から図15および図26は、本実施の形態における画像符号化処理の具体例を説明するための図である。
ここで、処理対象画素値入力部301は、固定ビット幅(Nビット)のデータの画素データを、順次、受信するとする。また、処理対象画素値入力部301が受信する画素データのデータ量は4画素(M=4)であり、各画素は6ビット(N=6)であるとする。すなわち、画素データのダイナミックレンジは6ビットであるとする。
図8には、一例として、処理対象画素値入力部301に入力される4つの画素データが示される。処理対象画素値入力部301には、画素P801、画素P802、画素P803、画素P804の順で、各画素に対応する6ビットの画素データが入力されるとする。画素データの数値は、対応する画素データが示す信号レベル(例えば、輝度情報)である。なお、画素P801に対応する画素データは、初期画素値データであるとする。
本実施の形態では、符号化対象画素の予測値は、一例として、上述した予測式(1)により算出されるものとする。この場合、算出される符号化対象画素の予測値は、符号化対象画素の左隣の画素の値となる。すなわち、符号化対象画素の画素値は、一つ前に入力された画素と同一の画素値(レベル)になる可能性が高いと予測していることになる。
図2(a)に示される画像符号化処理のステップS101では、処理対象画素値入力部301が、入力された画素データが初期画素値データであるか否かを判定する。その判定の結果がYESならば、処理対象画素値入力部301は、受信した画素データを内部のバッファに記憶させ、入力された画素データをパッキング部306へ送信する。そして、処理は後述するステップS108に移行する。一方、ステップS101における判定の結果がNOならば、処理はステップS102に移行する。
ここで、処理対象画素値入力部301は、画素P801に対応する、初期画素値データとしての画素データを受信したとする。この場合、処理対象画素値入力部301は、入力された画素データを内部のバッファに記憶させ、処理対象画素値入力部301は、受信した画素データをパッキング部306へ送信する。なお、バッファに画素データが記憶されている場合、処理対象画素値入力部301は、受信した画素データを内部のバッファに上書き記憶させる。
続いて、画素P802が符号化対象画素であるとする。この場合、処理対象画素値入力部301は、画素P802に対応する画素データ(符号化対象画素データ)を受信したとする。符号化対象画素データが示す画素値は“36”である(図8参照)。この場合、受信した画素データは初期画素値データでないので(ステップS101でNO)、処理対象画素値入力部301は、受信した画素データを変化抽出部302へ送信する。
また、ステップS101でNOと判定した場合、処理対象画素値入力部301は、内部のバッファに記憶している画素データを予測画素生成部303へ送信する。ここで、送信される画素データは、画素P801の画素値“43”である(図8参照)。
処理対象画素値入力部301は、受信した画素データを内部のバッファに上書き記憶させる。処理は、ステップS102に移行する。
ステップS102では、予測画素生成部303は、符号化対象画素の予測値を算出する。具体的には、予測画素生成部303は、予測式(1)を使用して、予測値を算出する。この場合、予測画素生成部303が処理対象画素値入力部301から受信した画素データが示す画素値(“43”)が予測値として算出される。
ステップS103では、変化抽出部302は、排他的論理和演算処理を行う。具体的には、変化抽出部302は、処理対象画素値入力部301から入力される画素データと予測画素生成部303から入力される予測値との排他的論理和を演算することで、予測誤差情報Eを算出する。ここで、受信した画素データが“100100”であり、予測値が“101011”であるとする。変化抽出部302は、画素データ(“100100”)と予測値(“101011”)との排他的論理和を演算することにより、予測誤差情報E“001111”を算出する。変化抽出部302は、この処理を符号化対象の4画素について行い、3つの予測誤差情報を算術符号化部304および予測確率更新部305へ送信する(ステップS104)。
ステップS105では、算術符号化部304は、算術符号化を行う。具体的には、算術符号化部304は、予測誤差情報Eについて、ビット単位で順次算術符号化を行う。図9(a)及び(b)を用いて、算術符号化される予測誤差情報の順番について説明する。いま、図9(a)に示されるように、算術符号化される対象の予測誤差情報EはE1、E2、E3の3つである。算術符号化部304は、各予測誤差情報のMSBからLSBの方向へ同位ビット優先で算術符号化する。ここで、予測誤差情報が、E1(“001111”)、E2(“001101”)、E3(“000101”)であることから、算術符号化部304は、図9(b)に示されるように、入力順序:“0、0、0、0、0、0、1、1、0・・・”の順番に符号化を行なう。
ステップS106では、予測確率更新部305は、算術符号化に用いられる予測確率の更新を行う。具体的には、ステップS105において算術符号化された情報を入力として、予測確率更新部305は、算術符号化に用いる予測確率の更新を行う。図10を用いて、予測確率の更新について説明する。“1”に対応する予測確率を0.5(Pbase=0.5)、“0”予測確率を0.5(Q=1−0.5)とする初期値として、“予測確率Pの最大値を0.9(Pmax=0.9)、予測確率Pの最小値を0.1(Pmin=0.1)とする。また、更新ステップを0.1(α=0.1)とする。ここで、“0”が算術符号化された場合は、予測確率更新部305は、予測確率P=0.5と予測確率Q=0.5から“0”の予測確率を下げるように予測確率Qをα分下げて(つまり、予測確率Pをα分上げて)、予測確率P=0.6と予測確率Q=0.4へ更新する。続いて“0”が算術符号化された場合は、予測確率更新部305は、先と同様にして予測確率P=0.7、予測確率Q=0.3へ更新する。例えば、予測確率P=0.9、予測確率Q=0.1の状態において、“1”が算術符号化された場合は、予測確率P=0.8、予測確率Q=0.2へ更新される。この処理を入力されるビット長(M画素×Nビット長)について繰り返す。また、新たに3つの予測誤差情報E1、E2、E3が入力された場合は、予測確率P=0.5、予測確率Q=0.5として同じ処理を行う。なお、“1”が算術符号化された場合に、予測確率Pをβ(0<β<1の実数)倍することで予測確率を下げる、としてもよい。
ここで、図26を用いて、従来手法における予測確率の更新について説明する。予測確率の初期値、最大値、最小値、更新ステップは前記と同様として、Pbase=0.5、Pmax=0.9、Pmin=0.1、α=0.1とする。“0”が算術符号化された場合は、予測確率P=0.5と予測確率Q=0.5から“0”の予測確率を上げるようにQの予測確率をα分上げて(つまり、予測確率Pをα分下げて)、予測確率P=0.4と予測確率Q=0.6へ更新する。続いて“0”が算術符号化された場合は、予測確率P=0.3、予測確率Q=0.7へ更新する。例えば、予測確率P=0.1、予測確率Q=0.9の状態において、“1”が算術符号化された場合は、予測確率P=0.2、予測確率Q=0.8へ更新される。この処理を入力されるビット長(M画素×Nビット長)について繰り返す。このように、従来手法は、本実施の形態における予測確率更新部305と異なり、発生した事象の予測確率を上げる方向に、予測確率を更新する。
ステップS107では、算術符号化部304は、算術符号化するM画素について処理が終了したか否かを判定する。ステップS107において、NOならば、処理はステップS105に移行し、算術符号化部304による算術符号化が行われる。ステップS107において、YESならば、処理はS108に移行する。
ステップS108では、パッキング部306は、複数の算術符号をまとめて1つの出力データを生成するパッキング処理を行なう。パッキング処理では、パッキング部306は、処理対象画素値入力部301から受信した初期画素値データとして画素P801をバッファメモリに格納して、その後は順次、算術符号化部304から受信した符号を前記バッファメモリに格納していくことによってパッキング処理を行う。符号化対象画素のパッキング処理が終了するとステップS109に移行する。
ステップS109では、パッキング部306は、パッキングする単位であるM画素についての画像符号化処理が終了したか否かを判定する。ステップS109において、NOならば、処理はステップS101に移行し、次に処理対象画素値入力部301が受信した画素データに対してステップS101からステップS108までの少なくとも一つの処理が実行される。画素P803および画素P804に対して、ステップS101からステップS108までの処理が繰り返し行われ、順次、バッファメモリに格納されていく。一方、ステップS109において、YESならば、パッキング部306は、バッファメモリ内の符号化データを画像符号化装置300から外部に出力する。これにより、処理はステップS110に移行する。
ステップS110では、画像符号化装置300は、いま出力した符号化画素データで、1画像についての符号化処理が全て終了したかを判別し、YESであれば、符号化処理を終了し、NOであれば、ステップS101へ移行して、ステップS101からステップS109の少なくとも1つの処理を実行する。
以上の処理および演算を実行した結果、算出される符号とその長さを図11における“本手法”として示す。さらに、図26に示される従来の予測確率の更新に基づく従来技術で符号化した場合の結果を図11における“従来手法”として示す。図12に算術符号化の数直線上の更新式を示し、図13および図14に、それぞれ、図12に示す数式に従った際の“本手法”および“従来手法”における算術符号化の様子を示す。図13示すように“本手法”の演算処理結果として符号化値は“0.9998058317728”であり、必要とされる分解能は“0.0000004115059”である。これから“0.9998058317728÷0.0000004115059≒2429626”であり、この10進数の結果を2進数で示すと図11に示す22ビット長の符号“1001010001001010111010”となる。同様にして、図14に示すように“従来手法” の演算処理結果として符号化値は“0.9245547707392”であり、必要とされる分解能は“0.0000000522547”である。“本手法”と同様に演算した結果を2進数で示すと図11に示す25ビット長の符号“1000011011111101000101101”となる。これから、従来手法は符号長が“25(ビット)”であるのに対し、本手法は符号長が“22(ビット)”と符号を短くすることができることから、効率的な符号化が行われたことが分かる。また、上記具体例は0、1の発生頻度にほぼ偏りがない例である。しかしながら、通常はその偏りがあるので、符号長は18ビットより小さくなることが殆どであり、本手法による圧縮効果がある。
つまり、本実施の形態によれば、予測確率を用いたビットごとの算術符号化において、発生した事象(算術符号化の対象となるビットの値)に対する予測確率を下げる方向に予測確率が更新されていく。よって、算術符号化の対象となる予測誤差情報がMSBからLSBにいく従って“0”の発生頻度が高い状態から“1”の発生頻度が高い状態に遷移すること等の状態の反転に対応した予測確率の更新が行われることとなり、これによって、画像データにおけるビットの発生頻度の偏りを考慮した予測確率の適応的な更新が行われ、画像データの符号化効率が向上される。
また、図15は予測確率の初期値をPbase=0.7とした場合の処理および演算を実行した結果、算出される符号とその長さを示す。ここで、Pbaseを予測確率が高いとした理由は、符号化される予測誤差情報は符号化される先頭のデータであるほど、“0”である頻度が高いからである。これにより、従来手法では符号長が“24(ビット)”であるのに対し、“本手法”における符号長は“17(ビット)”とさらに効率的な符号化が行われていることが分かる。
≪実施の形態2≫
実施の形態2では、実施の形態1で説明した、画像符号化装置300の改変例を説明する。
図16(a)及び(b)は、それぞれ、実施の形態2に係わる画像符号化装置および画像復号化装置における画像符号処理および復号化処理を示すフローチャートである。図16(a)及び(b)に示されるように、実施の形態1から変更されたのはステップS1301、ステップS1302およびステップS1311である。
図2と対応する機能については同じ符号を付して示し、その説明を省略する。
ステップS1301では、本実施の形態における算術符号化部304は、符号化対象画素に対して、予め定められたグループ(M画素分のグループ画素)ごとに、算術符号化する予測誤差情報の総ビット数を、予め設定された固定ビットS(Sは自然数)に制限することで、出力するデータをSビットにパッキングする。また、符号化すべきビット情報をすべて算術符号化してもパッキングデータがSビットまで到達しない場合においては、パッキング部306は、ダミーデータを補填(つまり、パディング)することで、Sビットのパッキングデータとして出力する。
ステップS1302では、本実施の形態における画像符号化装置300による制御の下で、算術符号化部304は、パッキングされたデータがSビットに達した時点でグループ画素内の算術符号化を終了し、パッキング部306はパッキングデータを外部に出力する。具体例として、図17(a)及び(b)に示されるように、算術符号化部304は、符号化すべきグループ画素の予測誤差情報のうち、S(ここでは、13)ビットの算術符号化が終了した時点で、当該グループ画素に対する算術符号化を終了する。つまり、発生した符号量がSビットに達した場合は、算術符号化部304は、算術符号化の入力を“0000001101111”(Sビット)のみとして算術符号化し、それに続く“00111”の算術符号化を実施しない。このようにして、グループ画素に対して算術符号化により発生する符号量が固定長Sビットとなる。
また、図18(a)〜(d)は、符号化すべき予測誤差情報をLSB側から優先して符号化対象から外すことで符号化対象情報を減らし、発生する符号量をSビット以下になるように算術符号化を行う場合の処理を説明する図である。ここで、算術符号化部304は、予測誤差情報Eの下位1ビットを符号化対象から外して算術符号化を行った場合において、発生する符号量がSビットより多くなるときは、予測誤差情報Eの下位2ビットを符号化対象から外し、再度算術符号化を行う。このように発生する符号化量がSビット以下になるまで、符号化対象の符号を減らし算術符号化を繰り返す。図18(a)及び(c)は下位1ビットを符号化対象から外した例であり、算術符号化の入力を“001110011000010”のみとする場合の予測誤差情報E1〜E3を示している。図18(b)及び(d)は下位2ビットを符号化対象から外した例であり、算術符号化の入力を“001100110001”のみとする場合の予測誤差情報E1〜E3を示している。また、図17および図18で用いられる、予測確率の基準値Pbase、更新ステップα、Pの最大値PmaxおよびPの最小値Pminについては、画像符号化装置300と画像復号化装置310で共通していれば入力順番のパターンにあわせて値を変更してもよい。
復号化処理側におけるステップS1311においては、本実施の形態における画像復号化装置310は、復号すべきSビットの算術符号について、復号処理が終了したか否かの判定を行う。Sビットの復号化処理が完了していない場合(ステップS1311においてNO)は、ステップS114へ移行する。Sビットの復号処理が完了している場合(ステップS1311においてYES)は、ステップS119へ移行する。また、算術復号化部312は、M画素およびNビットが既知であることより、本来符号化されるべきビット長(=M画素×Nビット長)から、Sビット長で復元できたビット長を差し引いた分について、ダミーデータとして“0”を補填することで予測誤差情報の復元を行う。なお、ダミーデータは“1”でもよい。
このような固定長符号化を実現することで、生成された複数の固定長の符号化データを、例えばメモリ等に記憶させた場合、画像内の特定の箇所の画素に対応した符号化データを、容易に特定することができる。その結果、符号化データに対するランダムアクセスすることができる。すなわち、本実施の形態によれば、メモリへのランダムアクセス性を実現できる。さらに、バス幅は固定長を保証できることから、ある圧縮された画素データにデータアクセスすることが要求される場合、バス幅毎にパッキングされたパッキングデータにデータアクセスするだけでよい。
≪実施の形態3≫
実施の形態3では、実施の形態1で説明した、画像符号化装置300及び画像復号化装置310を備えたディジタルスチルカメラの例を説明する。
図19は、実施の形態3に係るディジタルスチルカメラ1600の構成を示すブロック図である。図19に示されるように、ディジタルスチルカメラ1600は、画像符号化装置300と、画像復号化装置310とを備える。画像符号化装置300および画像復号化装置310の構成および機能は、実施の形態1で説明したので詳細な説明は繰り返さない。
ディジタルスチルカメラ1600は、さらに、撮像部1610と、画像処理部1620と、表示部1630と、圧縮変換部1640と、記録保存部1650と、SDRAM1660とを備える。
撮像部1610は、被写体を撮像して、その像に対応するディジタルの画像データを出力する。この例では、撮像部1610は、光学系1611と、撮像素子1612と、アナログフロントエンド1613(図中ではAFEと略記)と、タイミングジェネレータ1614(図中ではTGと略記)とを含む。光学系1611は、レンズ等からなり、被写体を撮像素子1612上に結像させるようになっている。撮像素子1612は、光学系1611から入射した光を電気信号に変換する。撮像素子1612としては、CCD(Charge Coupled Device)を用いた撮像素子や、CMOSを用いた撮像素子等、種々の撮像素子を採用できる。アナログフロントエンド1613は、撮像素子1612が出力したアナログ信号に対してノイズ除去、信号増幅、A/D変換などの信号処理を行ない、画像データとして出力するようになっている。タイミングジェネレータ1614は、撮像素子1612やアナログフロントエンド1613の動作タイミングの基準となるクロック信号をこれらに供給する。
画像処理部1620は、撮像部1610から入力された画素データ(RAWデータ)に所定の画像処理を施し画像符号化装置300へ出力するLSI等である。一般的には、図19に示すように、ホワイトバランス回路1621(図中ではWBと略記)、輝度信号生成回路1622、色分離回路1623、アパーチャ補正処理回路1624(図中ではAPと略記)、マトリクス処理回路1625、及び画像の拡大・縮小を行うズーム回路1626(図中ではZOMと略記)等を備えている。ホワイトバランス回路1621では、白い被写体がどのような光源下でも白く撮影されるように、撮像素子1612のカラーフィルタによる色成分を正しい割合で補正する回路である。輝度信号生成回路1622は、RAWデータから輝度信号(Y信号)を生成する。色分離回路1623は、RAWデータから色差信号(Cr/Cb信号)を生成する。アパーチャ補正処理回路1624は、輝度信号生成回路1622が生成した輝度信号に高周波数成分を足し合わせて解像度を高く見せる処理を行う。マトリクス処理回路1625は、撮像素子の分光特性や画像処理で崩れた色相バランスの調整を、色分離回路1623の出力に対して行う。
一般的に画像処理部1620は、処理対象の画素データをSDRAM等のメモリに一時記憶させ、一時記憶されたデータに対して所定の画像処理や、YC信号生成、ズーム処理等を行い、処理後のデータを再度SDRAMに一時記憶することが多い。そのため、画像処理部1620は、画像符号化装置300への出力と画像復号化装置310からの入力のどちらのためにも使用されることが考えられる。
表示部1630は、画像復号化装置310からの出力(画像復号化後の画像データ)を表示するLCD等である。
圧縮変換部1640は、画像復号化装置310からの出力をJPEG等の所定の規格で圧縮変換した画像データを記録保存部1650に出力する。また、この圧縮変換部1640は、記録保存部1650によって読み出された画像データを伸張変換して画像符号化装置300へ出力する。即ち、圧縮変換部1640は、JPEG規格に基づくデータを処理可能な処理部である。このような圧縮変換部1640は、一般的にディジタルスチルカメラに搭載される。
記録保存部1650は、圧縮された画像データを受信して、記録媒体(例えば不揮発性メモリ等)に記録する。また、この記録保存部1650は、記録媒体に記録されている圧縮された画像データを読み出して圧縮変換部1640に出力する。
なお、本実施の形態における画像符号化装置300及び画像復号化装置310は、入力信号としてRAWデータに限定されない。例えば、画像符号化装置300及び画像復号化装置310が処理対象とするデータは、画像処理部1620によってRAWデータから生成されたYC信号(輝度信号または色差信号)のデータ、一旦JPEG等に圧縮変換されたJPEG画像のデータを伸張することにより得られるデータ(輝度信号または色差信号のデータ)等であってもよい。
ここで、画像符号化装置300及び画像復号化装置310の入力信号が、RAWデータである場合、予測画素生成部303において、色成分が同色である近接画素から予測値を生成してもよい。たとえば、符号化対象画素の画素配列がベイヤー配列のRAWデータであるとする。この場合、RAWデータを、R(赤)成分と、G(緑)成分と、B(青)成分とに分けることができ、予測式(1)を使用する場合は、符号化対象画素の隣接画素ではなく、同色の左隣の画素を利用してもよい。
これにより、例えば、R成分の変化が大きい画像が入力された場合、同一グループ内にRGBが混同していると、G成分とB成分の変化が小さいにもかかわらず、予測誤差情報EにおいてMSB側で“1”が発生する頻度が高くなり、効率的な符号化ができない。そのため、色成分毎にグループを構成することにより、他の色成分の影響を受けることなく、各々の色の変化に応じた効率的な圧縮を行うことが可能になるため、RGB成分間の相関が低い画像に有効である。
このように、本実施の形態におけるディジタルスチルカメラ1600は、一般的にディジタルスチルカメラに搭載される圧縮変換部1640以外にも、RAWデータやYC信号を処理対象とする画像符号化装置300及び画像復号化装置310を備える。これにより、本実施の形態におけるディジタルスチルカメラ1600は、同じSDRAM等のメモリ容量で、同じ解像度の連写枚数を増やす高速撮像動作が可能となる。また、ディジタルスチルカメラ1600は、同じ容量のSDRAM等メモリに記憶させる動画像の解像度を高めることが可能になる。
また、この実施の形態3に示したディジタルスチルカメラ1600の構成は、ディジタルスチルカメラ1600と同様の撮像部、画像処理部、表示部、圧縮変換部、記録保存部、及びSDRAMを備えるディジタルビデオカメラの構成に適用することも可能である。
≪実施の形態4≫
本実施の形態では、ディジタルスチルカメラに設けられる撮像素子が、画像符号化装置300を含む場合のディジタルスチルカメラの構成の例を説明する。
図20は、実施の形態4における、ディジタルスチルカメラ1700の構成を示すブロック図である。図20に示されるように、ディジタルスチルカメラ1700は、図19のディジタルスチルカメラ1600と比較して、撮像部1610の代わりに撮像部1610Aを備える点と、画像処理部1620の代わりに画像処理部1620Aを備える点とが異なる。それ以外の構成は、ディジタルスチルカメラ1600と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
撮像部1610Aは、図19の撮像部1610と比較して、撮像素子1612の代わりに撮像素子1612Aを含み、アナログフロントエンド1613を省略した点が異なる。それ以外は、撮像部1610と同様なので詳細な説明は繰り返さない。撮像素子1612Aは、例えばCMOSセンサ等の撮像素子と画像符号化装置300とを含む固体撮像素子の一例であり、画素内に増幅器とA/D変換回路を有し、ディジタル信号を出力するため画像符号化装置300を搭載する1チップのLSIである。
また、画像処理部1620Aは、図19の画像処理部1620と比較して、さらに、画像復号化装置310を含む点が異なる。それ以外の構成は、画像処理部1620と同様なので詳細な説明は繰り返さない。この画像処理部1620Aは、実施の形態1における画像復号化装置310と同様の機能を備える画像復号化装置310aを内蔵するディジタル信号処理素子の一例であり、1チップのLSIとして実現される。
撮像素子1612Aに含まれる画像符号化装置300は、撮像素子1612Aにより撮像された画素信号を符号化し、符号化により得られたデータを、画像処理部1620A内の画像復号化装置310へ送信する。
画像処理部1620A内の画像復号化装置310は、画像符号化装置300から受信したデータを復号化する。この処理により、撮像素子1612Aと集積回路内の画像処理部1620A間のデータ転送効率を向上させることが可能となる。
したがって、本実施の形態のディジタルスチルカメラ1700は、実施の形態3のディジタルスチルカメラ1600よりも、同じメモリ容量で、同じ解像度の連写枚数を増やしたり、動画像の解像度を高めたりする等といった高速撮像動作を実現することが可能になる。
なお、この実施の形態4に示したディジタルスチルカメラ1700の構成は、ディジタルスチルカメラ1700と同様の撮像部、画像処理部、表示部、圧縮変換部、記録保存部、及びSDRAMを備えるディジタルビデオカメラの構成に適用することも可能である。
≪実施の形態5≫
本実施の形態では、図21に示すように、監視カメラが受信する画像データが、画像符号化装置300からの出力である場合の監視カメラの構成の例を説明する。
通常、監視カメラ装置においては、監視カメラから送信される画像データが第3者によって伝送経路上で盗まれないよう、伝送路上のセキュリティ性を確保するため、画像データを暗号化している。一般的には、監視カメラ用信号処理部1810内の画像処理部1801により所定の画像処理が施された画像データを、圧縮変換部1802によりJPEGやMPEG4、H.264等の所定の規格で圧縮変換し、さらに暗号化部1803により暗号化して、通信部1804からインターネット上に送信することで、個人のプライバシー保護を行っている。なお、監視カメラ用信号処理部1810は、画像復号化装置310を含むディジタル信号処理素子の一例であり、1チップのLSIとして実現される。
そこで、図21に示す監視カメラ1800のように、前述した画像符号化装置300を含む撮像部1610Aからの出力を、監視カメラ用信号処理部1810に入力し、監視カメラ用信号処理部1810内に搭載する画像復号化装置310により符号化データを復号化することにより、撮像部1610Aで撮影された画像データを擬似的に暗号化することができるため、撮像部1610Aと監視カメラ用信号処理部1810間の伝送路上のセキュリティ性が確保され、従来よりもさらにセキュリティ性の向上を図ることが可能になる。
≪実施の形態6≫
また、監視カメラ装置の実現方法として、図22に示す監視カメラ1900のように、(1)撮像部1610からの入力画像に対して所定のカメラ画像処理を行う画像処理部1901と、(2)信号入力部1902を搭載して、画像処理部1901が送信した画像データを受信して圧縮変換を行い、暗号化した上で通信部1804からインターネット上に画像データを送信する監視カメラ用信号処理部1910とを、別個のLSIにより実現する形態がある。
この形態においては、画像処理部1901に画像符号化装置300を搭載し、画像復号化装置310を監視カメラ用信号処理部1910に搭載することにより、画像処理部1901が送信する画像データを擬似的に暗号化することができるため、画像処理部1901と監視カメラ用信号処理部1910間の伝送路上のセキュリティ性が確保され、従来よりもさらにセキュリティ性の向上を図ることが可能になる。なお、画像処理部1901は、画像符号化装置300を含むディジタル信号処理素子の一例であり、1チップのLSIとして実現される。
従って、本実施の形態により監視カメラのデータ転送効率が向上し、動画像の解像度を高める等といった高速撮像動作を実現することが可能になり、さらに、擬似的に画像データを暗号化することにより、画像データの漏洩防止やプライバシー保護を行うなどといったセキュリティ性の向上を図ることが可能となる。
以上のように、本実施の形態における画像符号化・復号化装置及びその方法によれば、予測確率を用いたビットごとの算術符号化において、従来と異なり、発生した事象(算術符号化の対象となるビットの値)に対する予測確率を下げる方向に予測確率を更新していく。よって、算術符号化の対象となる予測誤差情報がMSBからLSBにいく従って“0”の発生頻度が高い状態から“1”の発生頻度が高い状態に遷移すること等の状態の反転に対応した予測確率の更新が行われることとなり、これによって、画像データにおけるビットの発生頻度の偏りを考慮した予測確率の適応的な更新が行われ、画像データの符号化効率が向上される。
以上、本発明に係る画像符号化方法、画像符号化装置、復号化方法、画像復号化装置、固体撮像素子、ディジタル信号処理素子、ディジタルスチルカメラ及び監視カメラについて、実施の形態1〜6を用いて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
たとえば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、これらの実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、各実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせて実現される形態も、本発明に含まれる。
また、各ブロック図における各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これら各機能ブロックは、個別のLSIチップとして実現化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
ここで、集積回路として、LSIを挙げたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称される集積回路であってもよい。また、集積回路化の手法として、LSI等に限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSIの製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用して本発明を実現してもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
本発明は、画像を圧縮するエンコーダ、圧縮画像を伸張するデコーダ、固体撮像素子、ディジタル信号処理素子、ディジタルスチルカメラ及び監視カメラとして、利用できる。特に、本発明に係る画像符号化・復号化装置は、画像データの符号化効率を向上することができるために、従来方式よりもより画像データを短い符号長でデータを符号化することができる。従って、ディジタルスチルカメラやネットワークカメラ等のように、画像を扱う装置において、画質の劣化を防止しつつ、画像データを符号化・復号化が可能になる。そのため、本発明は、近年の画像データ処理量の増大へのキャッチアップに有用である。
300 画像符号化装置
301 処理対象画素値入力部
302 変化抽出部
303 予測画素生成部
304 算術符号化部
305 予測確率更新部
306 パッキング部
310、310a 画像復号化装置
311 アンパッキング部
312 算術復号化部
313 予測確率更新部
314 変化抽出部
315 予測画素生成部
316 出力部
1600 ディジタルスチルカメラ
1610、1610A 撮像部
1611 光学系
1612、1612A 撮像素子
1613 アナログフロントエンド
1614 タイミングジェネレータ
1620、1620A 画像処理部
1621 ホワイトバランス回路
1622 輝度信号生成回路
1623 色分離回路
1624 アパーチャ補正処理回路
1625 マトリクス処理回路
1626 ズーム回路
1630 表示部
1640 圧縮変換部
1650 記録保存部
1660 SDRAM
1700 ディジタルスチルカメラ
1800 監視カメラ
1801 画像処理部
1802 圧縮変換部
1803 暗号化部
1804 通信部
1810 監視カメラ用信号処理部
1900 監視カメラ
1901 画像処理部
1902 信号入力部
1910 監視カメラ用信号処理部

Claims (12)

  1. 画像データを構成する画素データを圧縮する画像符号化方法であって、
    符号化対象画素の周辺に位置する少なくとも1個の画素の画素データから、当該符号化対象画素の予測値を生成する予測画素生成ステップと、
    前記符号化対象画素の画素データと前記予測値とのビット変化を抽出することによって当該ビット変化を示す予測誤差情報を生成する変化抽出ステップと、
    前記変化抽出ステップにより生成された予測誤差情報を、当該予測誤差情報を構成するビットごとに、適応的に変化する予測確率を用いて算術符号化をする算術符号化ステップと、
    前記算術符号化ステップで符号化されたビットが第1の値である場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率を下げ、前記算術符号化ステップで符号化されたビットが第1の値でない場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率を上げるように、前記予測確率を更新する予測確率更新ステップとを含み、
    前記算術符号化ステップでは、前記予測誤差情報を構成するビットごとに、前記予測確率更新ステップで更新された予測確率を用いて前記算術符号化を行う
    画像符号化方法。
  2. 請求項1記載の画像符号化方法であって、
    前記算術符号化ステップでは、予め定められた複数の画素であるグループ画素ごとに、グループ画素に対応する複数の予測誤差情報のうち、当該複数の予測誤差情報の総ビット数よりも小さい予め定められた固定のビット数Sに対してだけ前記算術符号化を行うとともに、前記グループ画素に対応する予測誤差情報を算術符号化して得られたビット数が前記Sビットに満たない場合に、算術符号化で得られたビットにダミーデータをパディングすることで、Sビットの固定長の算術符号を生成する
    画像符号化方法。
  3. 請求項2記載の画像符号化方法であって、
    前記算術符号化ステップでは、前記算術符号化によって発生した符号量が前記Sビットに達した場合に算術符号化を終了することで、前記固定長の算術符号を生成する
    画像符号化方法。
  4. 請求項1記載の画像符号化方法によって得られた算術符号から画素データを復号化する画像復号化方法であって、
    前記算術符号を構成するビットごとに、適応的に変化する予測確率を用いて算術復号化をすることによって前記予測誤差情報を生成する算術復号化ステップと、
    前記算術復号化ステップで復号化されたビットが第1の値である場合に当該第1の値の算術復号化に用いられる予測確率を下げ、前記算術復号化ステップで復号化されたビットが第1の値でない場合に当該第1の値の算術復号化に用いられる予測確率を上げるように、前記予測確率を更新する予測確率更新ステップと、
    復号化対象画素の予測値を生成する予測画素生成ステップと、
    前記算術復号化ステップで生成された予測誤差情報と前記予測画素生成ステップで生成された予測値とに対して予め定められた演算を行うことで、符号化対象画素の画素データを生成する変化抽出ステップとを含み、
    前記算術復号化ステップでは、前記算術符号を構成するビットごとに、前記予測確率更新ステップで更新された予測確率を用いて前記算術復号化を行う
    画像復号化方法。
  5. 画像データを構成する画素データを圧縮する画像符号化装置であって、
    符号化対象画素の周辺に位置する少なくとも1個の画素の画素データから、当該符号化対象画素の予測値を生成する予測画素生成部と、
    前記符号化対象画素の画素データと前記予測値とのビット変化を抽出することによって当該ビット変化を示す予測誤差情報を生成する変化抽出部と、
    前記変化抽出部により生成された予測誤差情報を、当該予測誤差情報を構成するビットごとに、適応的に変化する予測確率を用いて算術符号化をする算術符号化部と、
    前記算術符号化部で符号化されたビットが第1の値である場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率を下げ、前記算術符号化部で符号化されたビットが第1の値でない場合に当該第1の値の算術符号化に用いられる予測確率を上げるように、前記予測確率を更新する予測確率更新部とを備え、
    前記算術符号化部は、前記予測誤差情報を構成するビットごとに、前記予測確率更新部で更新された予測確率を用いて前記算術符号化を行う
    画像符号化装置。
  6. 請求項1記載の画像符号化方法によって得られた算術符号から画素データを復号化する画像復号化装置であって、
    前記算術符号を構成するビットごとに、適応的に変化する予測確率を用いて算術復号化をすることによって前記予測誤差情報を生成する算術復号化部と、
    前記算術復号化部で復号化されたビットが第1の値である場合に当該第1の値の算術復号化に用いられる予測確率を下げ、前記算術復号化部で復号化されたビットが第1の値でない場合に当該第1の値の算術復号化に用いられる予測確率を上げるように、前記予測確率を更新する予測確率更新部と、
    復号化対象画素の予測値を生成する予測画素生成部と、
    前記算術復号化部で生成された予測誤差情報と前記予測画素生成部で生成された予測値とに対して予め定められた演算を行うことで、復号化対象画素の画素データを生成する変化抽出部とを備え、
    前記算術復号化部は、前記算術符号を構成するビットごとに、前記予測確率更新部で更新された予測確率を用いて前記算術復号化を行う
    画像復号化装置。
  7. 請求項5記載の画像符号化装置を備えた固体撮像素子。
  8. 請求項5記載の画像符号化装置を備えたディジタル信号処理素子。
  9. 請求項6記載の画像復号化装置を備えたディジタル信号処理素子。
  10. 請求項7記載の固体撮像素子、請求項8記載のディジタル信号処理素子、および、請求項9記載のディジタル信号処理素子の少なくとも一つを備えたディジタルスチルカメラ。
  11. 請求項7記載の固体撮像素子、請求項8記載のディジタル信号処理素子、および、請求項9記載のディジタル信号処理素子の少なくとも一つを備えたディジタルビデオカメラ。
  12. 請求項7記載の固体撮像素子、請求項8記載のディジタル信号処理素子、および、請求項9記載のディジタル信号処理素子の少なくとも一つを備えた監視カメラ。
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