JP2011155056A - シールド構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シールドケース内の電子部品を放熱し、且つ電磁的に遮蔽するシールド構造において、電子部品とプリント基板とを接続するハンダ部に負荷がかからず、且つ放熱効率の良いシールド構造を提供する。
【解決手段】 シールドケース1の天面にフィン用穴6とフィン押さえバネ7とを設け、放熱フィン2のフィンベース部2bをフィン押さえバネ7で押さえこんで放熱フィン2を電子部品3に圧接させ、フィン用穴6から放熱フィン2のフィン部2aをシールドケース1の外側に露出させる。
【選択図】 図8
【解決手段】 シールドケース1の天面にフィン用穴6とフィン押さえバネ7とを設け、放熱フィン2のフィンベース部2bをフィン押さえバネ7で押さえこんで放熱フィン2を電子部品3に圧接させ、フィン用穴6から放熱フィン2のフィン部2aをシールドケース1の外側に露出させる。
【選択図】 図8
Description
本発明は、プリント基板に実装されたIC等の電子部品を電磁的に遮蔽するためのシールド構造において、シールドケース内の電子部品を冷却するための放熱フィンを実装するシールド構造に関する。
プリント基板に実装されるIC等の電子部品において、発熱が問題となる電子部品については、放熱フィンを設けて放熱するのが一般的である。また、無線機等では、装置周辺から受ける電磁ノイズや自身が発する電磁ノイズから所定の電子部品を遮断するため、または所定の電子部品が放射する電磁ノイズによる他部品への影響を軽減するため、当該電子部品を覆うようにシールドケースを設けることが多い。従って、シールドケース内の電子部品を放熱し、且つ電磁的に遮蔽するシールド構造が必要となる。
放熱フィンを電子部品に固定する方法としては、接着剤を使用する方法が一般的である。電子部品を放熱し、且つ電磁的に遮蔽するためのシールド構造としては、ネジ穴を有する取付け部材を電子部品に接着剤で固定し、ネジにより放熱フィンとシールドケースとを取付け部材に固定する構造がある(例えば、特許文献1参照)。
また、別のシールド構造としては、シールドケースの側面に穴を設け、放熱フィンを放熱フィン押さえバネで支持し、電子部品に放熱フィンを圧接させ、放熱フィン押さえバネをシールドケース側面の穴で固定する構造がある(例えば、特許文献2参照)。
電子部品に接着剤で取付け部材を固定し、放熱フィンとシールドケースとを取付け部材にネジで固定する構造では、輸送等で電子機器に振動が加わったときに、金属製の放熱フィンの質量を電子部品で受けることになる。このため、電子部品とプリント基板とを接続するハンダ部に負荷がかかり、クラック発生の原因となる。これにより、電子機器の信頼性の低下、動作不良という問題が発生する。また、接着剤による固定は作業性も悪く、組立品質のばらつきも生じやすいという問題がある。放熱性能においても、電子部品からの熱を放熱フィンへ伝達させる経路中に、取付け部材、熱伝導シート、シールドケースと介在物が多いため、熱抵抗が大きくなり放熱効率が悪いという問題がある。
一方、放熱フィンを放熱フィン押さえバネで固定する構造では、放熱フィンがシールドケースに覆われている。このため、放熱フィンから放出された熱が外部に拡散せず、また強制空冷の場合には冷却風が放熱フィンに当たらないため、放熱フィンによる冷却効果は小さく、放熱効率が悪いという問題がある。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、輸送等で振動が加わった場合でも、電子部品とプリント基板とを接続するハンダ部に負荷がかからないシールド構造を得ることを目的とする。また、シールド構造の放熱効率を向上させることを目的とする。
本発明に係るシールド構造は、フィン用穴とフィン押さえバネとを有し、プリント基板に実装された電子部品を覆うシールドケースと、フィン部とフィンベース部とを有する放熱フィンとを備え、フィン押さえバネでフィンベース部を押さえこんで放熱フィンを電子部品に圧接させ、フィン用穴からフィン部をシールドケースの外側に露出させるものである。
本発明は、接着剤を用いずフィン押さえバネにより放熱フィンを電子部品に圧接させて固定するため、振動が加わった場合でもハンダ部には負荷がかからない。このため、本発明を採用する電子機器の信頼性が向上する。また、放熱フィンがシールドケースの外側に露出しているため、放熱効率を高めることができる。
本発明に係るシールド構造の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の各図において、同一符号は、同一または相当の構成を示す。なお、本発明は以下に示す各実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1におけるシールド構造を示す分解図であり、図2は本発明の実施の形態1におけるシールド構造を示す斜視図である。プリント基板4に実装された電子部品3を放熱し、且つ電磁的に遮蔽するシールド構造について説明する。シールドケース1の天面には、放熱フィン2のフィン部2aをシールドケース1の外に出すためのフィン用穴6と、放熱フィン2を固定するためのフィン押さえバネ7とが形成されている。フィン押さえバネ7は、フィン用穴6に隣接して設けられている。電子部品3及びその周辺回路を取り囲むように金属製のシールドベース部5がプリント基板4にハンダ付け固定されており、プリント基板4のグランドと電気的に接続されている。シールドベース部5の側面にはシールドケース1を固定するための固定穴9が設けられている。この固定穴9に対向して、シールドケース1の側面に突起部8が設けられている。放熱フィン2は、フィン押さえバネ7により電子部品3に固定され、図2に示すように、フィン用穴6から放熱フィン2のフィン部2aがシールドケース1の外側に露出する。
図1は本発明の実施の形態1におけるシールド構造を示す分解図であり、図2は本発明の実施の形態1におけるシールド構造を示す斜視図である。プリント基板4に実装された電子部品3を放熱し、且つ電磁的に遮蔽するシールド構造について説明する。シールドケース1の天面には、放熱フィン2のフィン部2aをシールドケース1の外に出すためのフィン用穴6と、放熱フィン2を固定するためのフィン押さえバネ7とが形成されている。フィン押さえバネ7は、フィン用穴6に隣接して設けられている。電子部品3及びその周辺回路を取り囲むように金属製のシールドベース部5がプリント基板4にハンダ付け固定されており、プリント基板4のグランドと電気的に接続されている。シールドベース部5の側面にはシールドケース1を固定するための固定穴9が設けられている。この固定穴9に対向して、シールドケース1の側面に突起部8が設けられている。放熱フィン2は、フィン押さえバネ7により電子部品3に固定され、図2に示すように、フィン用穴6から放熱フィン2のフィン部2aがシールドケース1の外側に露出する。
図3は本発明の実施の形態1におけるシールド構造を示す断面図である。シールドケース1はバネ性のある金属を材料としており、1枚の板金を折り曲げることにより、天面と側面とが形成される。シールドケース1の側面は、開口面(天面と対向する面。図中、下側)に向かってシールドケース内側に傾斜するよう折り曲げ形成される。この側面はバネ性で広がるため、シールドベース部5を覆うようにシールドケース1をシールドベース部5に嵌め合わせることができる。シールドケース1の側面に形成され、内側に突起した突起部8を、シールドベース部5の固定穴9に嵌めこむことで、シールドケース1が容易に外れない構造となっている。シールドケース1の側面は四面とも内側に向かって折り曲げられているため、シールドケース1はシールドベース部5を外側から押さえつけて電気的な接触が取られており、電磁的なシールド性が保たれる。
放熱フィン2は、フィン部2aよりもベース部2bが周囲に張り出した形状をしている。シールドケース1の天面において、方形のフィン用穴6の対辺に沿ってフィン押さえバネ7が設けられている。フィン押さえバネ7は、シールドケース1内に向かって傾斜しており、放熱フィン2のベース部2bを押さえつけて、放熱フィン2を電子部品3に圧接させ、放熱フィン2を固定する。
本実施の形態1におけるシールド構造は、接着剤を用いずフィン押さえバネ7により放熱フィン2を電子部品3に圧接させて固定するため、輸送等で振動が加わった場合でも、電子部品3とプリント基板4とを接続するハンダ部には負荷がかからない。このため、ハンダ部にクラックが発生することはなく、本シールド構造を採用する電子機器の信頼性が向上する。また、接着剤を用いずフィン押さえバネ7により放熱フィン2を固定するため、組立性がよく、分解・修理も容易になるという効果がある。
さらに、本実施の形態1におけるシールド構造は、放熱フィン2のフィン部2aがシールドケース1の外側に露出しているため、シールドケース1内に熱がこもることは無く、電子部品3から発生する熱をシールドケース1の外部に排出して、放熱効率を高めることができる。合わせて、強制空冷の場合には、フィン部2aに直接冷却風が当たるため、さらに放熱効率を高めることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、シールドケース1をシールドベース部5に固定したが、プリント基板4に直接固定してもよい。図4は本発明の実施の形態2におけるシールド構造を示す分解図であり、図5は本発明の実施の形態2におけるシールド構造を示す断面図である。シールドケース1の側面は開口面(天面と対向する面)に向かって内側に傾斜している。さらに、シールドケース1の側面の開口端部(開口面側の端部)には、内側に折り曲げられた爪部10が形成されている。この爪部10をプリント基板4のシールド固定穴11に挿入して係止することで、シールドケース1をプリント基板4に直接固定できる。このため、シールドベース部は不要となり、部品点数を削減でき、組立も容易となる。
図6は本発明の実施の形態2におけるシールド構造を示す断面図である。図5では、シールドケース1の側面は、開口面に向かって内側に傾斜するよう形成していたが、図6に示すように、開口面に向かって外側に傾斜するようにしてもよい。この場合、爪部10はシールドケース1の外側に折り曲げて形成される。シールドケース1の側面が外側に向かって傾斜している場合は、シールドケース1の側面を内側に押して爪部10をシールド固定穴11に挿抜できるため、さらに作業性が向上する。
本実施の形態2におけるシールド構造は、シールドケース1をプリント基板4に直接固定するためシールドベース部が不要となり、部品点数を削減でき、組立性が向上する。また、シールドケース1の側面を外側に傾斜させることで、プリント基板4への挿抜が容易となり、作業性が向上する。
実施の形態1では、シールドケース1をシールドベース部5に固定したが、プリント基板4に直接固定してもよい。図4は本発明の実施の形態2におけるシールド構造を示す分解図であり、図5は本発明の実施の形態2におけるシールド構造を示す断面図である。シールドケース1の側面は開口面(天面と対向する面)に向かって内側に傾斜している。さらに、シールドケース1の側面の開口端部(開口面側の端部)には、内側に折り曲げられた爪部10が形成されている。この爪部10をプリント基板4のシールド固定穴11に挿入して係止することで、シールドケース1をプリント基板4に直接固定できる。このため、シールドベース部は不要となり、部品点数を削減でき、組立も容易となる。
図6は本発明の実施の形態2におけるシールド構造を示す断面図である。図5では、シールドケース1の側面は、開口面に向かって内側に傾斜するよう形成していたが、図6に示すように、開口面に向かって外側に傾斜するようにしてもよい。この場合、爪部10はシールドケース1の外側に折り曲げて形成される。シールドケース1の側面が外側に向かって傾斜している場合は、シールドケース1の側面を内側に押して爪部10をシールド固定穴11に挿抜できるため、さらに作業性が向上する。
本実施の形態2におけるシールド構造は、シールドケース1をプリント基板4に直接固定するためシールドベース部が不要となり、部品点数を削減でき、組立性が向上する。また、シールドケース1の側面を外側に傾斜させることで、プリント基板4への挿抜が容易となり、作業性が向上する。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、フィン押さえバネ7をフィン用穴6の対辺(2辺)にのみ設けたが、フィン用穴6の周囲4辺に設けてもよい。本実施の形態3では、実施の形態2のシールド構造に対して、フィン用穴6の4辺にフィン押さえバネ7を設ける場合について説明する。図7は本発明の実施の形態3におけるシールド構造を示す分解図である。シールドケース1のフィン用穴6は方形であるが、その4辺全て(両対辺)にフィン押さえバネ7を設けている。フィン用押さえバネ7は、フィン用穴6の周囲4辺からシールドケース1の内側に傾斜する構造となっている。フィン用穴6の2辺だけではなく4辺全てにおいてフィン押さえバネ7が放熱フィン2と接触するため、シールド性が向上する。
図8は本発明の実施の形態3におけるシールド構造を示す分解図である。フィン押さえバネ7に多数の切り込みが入った形状となっている。この構造により、放熱フィン2とフィン押さえバネ7とが多数のバネで接触するため、より確実にシールドすることができる。
本実施の形態3におけるシールド構造は、フィン押さえバネ7をフィン用穴6の周囲4辺に設けたため、シールド性が向上する。さらに、フィン押さえバネ7に多数の切り込みを入れることで、放熱フィン2とフィン押さえバネ7との接触箇所が増えるので、よりシールド性が向上する。
実施の形態1、2では、フィン押さえバネ7をフィン用穴6の対辺(2辺)にのみ設けたが、フィン用穴6の周囲4辺に設けてもよい。本実施の形態3では、実施の形態2のシールド構造に対して、フィン用穴6の4辺にフィン押さえバネ7を設ける場合について説明する。図7は本発明の実施の形態3におけるシールド構造を示す分解図である。シールドケース1のフィン用穴6は方形であるが、その4辺全て(両対辺)にフィン押さえバネ7を設けている。フィン用押さえバネ7は、フィン用穴6の周囲4辺からシールドケース1の内側に傾斜する構造となっている。フィン用穴6の2辺だけではなく4辺全てにおいてフィン押さえバネ7が放熱フィン2と接触するため、シールド性が向上する。
図8は本発明の実施の形態3におけるシールド構造を示す分解図である。フィン押さえバネ7に多数の切り込みが入った形状となっている。この構造により、放熱フィン2とフィン押さえバネ7とが多数のバネで接触するため、より確実にシールドすることができる。
本実施の形態3におけるシールド構造は、フィン押さえバネ7をフィン用穴6の周囲4辺に設けたため、シールド性が向上する。さらに、フィン押さえバネ7に多数の切り込みを入れることで、放熱フィン2とフィン押さえバネ7との接触箇所が増えるので、よりシールド性が向上する。
1 シールドケース
2 放熱フィン
3 電子部品
4 プリント基板
5 シールドベース部
6 フィン用穴
7 フィン押さえバネ
8 突起部
9 固定穴
10 爪部
11 シールド固定穴
2 放熱フィン
3 電子部品
4 プリント基板
5 シールドベース部
6 フィン用穴
7 フィン押さえバネ
8 突起部
9 固定穴
10 爪部
11 シールド固定穴
Claims (6)
- フィン用穴とフィン押さえバネとを有し、プリント基板に実装された電子部品を覆うシールドケースと、
フィン部とフィンベース部とを有する放熱フィンと、
を備え、
前記フィン押さえバネで前記フィンベース部を押さえつけて前記放熱フィンを前記電子部品に圧接させ、
前記フィン用穴から前記フィン部を前記シールドケースの外側に露出させるシールド構造。 - 前記プリント基板に実装され、前記電子部品を囲むシールドベース部を備え、
前記シールドベース部は固定穴を側面に有し、
前記シールドケースの側面には、前記固定穴に対向する位置に突起部が設けられ、
前記固定穴に前記突起部を嵌めこんで前記シールドケースを前記シールドベース部に固定することを特徴とする請求項1記載のシールド構造。 - 前記シールドケースの側面は開口面に向かって内側に傾斜しており、前記側面の開口端部には内側に曲げられた爪部が設けられ、
前記プリント基板に設けられたシールド固定穴に前記爪部を係止させて前記シールドケースを前記プリント基板に固定することを特徴とする請求項1記載のシールド構造。 - 前記シールドケースの側面は開口面に向かって外側に傾斜しており、前記側面の開口端部には外側に曲げられた爪部が設けられ、
前記プリント基板に設けられたシールド固定穴に前記爪部を係止させて前記シールドケースを前記プリント基板に固定することを特徴とする請求項1記載のシールド構造。 - 前記フィン用穴の形は方形であり、
前記フィン押さえバネを前記フィン用穴の少なくとも1つの対辺に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のシールド構造。 - 前記フィン押さえバネには多数の切り込みが入っていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のシールド構造。
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2010
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