JP2011137476A - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置で発生された熱を回収して湯水として貯える貯湯槽と、熱電併給装置の設定出力を電力負荷に追従させる電主運転制御を実行する運転制御手段とが設けられているコージェネレーションシステムであって、以下のように構成される。熱電併給装置の発電電力の電力負荷に対する余剰分である余剰電力Eoを演算又は計測する余剰電力導出手段を備え、運転制御手段は、電主運転制御において、余剰電力導出手段により演算又は計測される余剰電力Eoに基づいて電力負荷に対する設定出力の応答状態Rを調整する。
【選択図】図6
Description
このように構成されたコージェネレーションシステムを各家庭などに設けると、その家庭で消費される電力の少なくとも一部を熱電併給装置の発電電力で補うことができる。その結果、商用電源からの受電電力を少なくすることができると共に、発電時に発生する熱を湯水の加熱に利用することができるため、省エネルギ性及び経済性の点で有効である。
この余剰電力は、電気ヒータなどにより貯湯槽に貯える熱に変換して有効利用することができる。しかし、いわゆる熱余り状態、例えば、その時点で要求される熱負荷が多くなく、貯湯槽に蓄えられる湯水も満杯であるような状態など、余剰電力が有効に利用されない場合もある。従って、熱電併給装置の発電電力の電力負荷に対する余剰分である余剰電力の発生はできるだけ抑制されることが好ましい。
即ち、その特徴構成は、前記熱電併給装置の発電電力の電力負荷に対する余剰分である余剰電力を演算又は計測する余剰電力導出手段を備え、前記運転制御手段が、前記電主運転制御において、前記余剰電力導出手段により演算又は計測される前記余剰電力に基づいて、前記電力負荷に対する前記設定出力の応答状態を調整する点にある。
本特徴によれば、電力負荷が減少する場合には応答状態を最高に固定するなどのように高い側に設定する。従って、上記のように生じる余剰電力の原因となる遅延時間は最低限度に抑制され、余剰電力の発生を抑制することができる。
一方、本特徴によれば、電力負荷が増加する場合には、応答状態を上記高い側よりも低い側で調整して熱電併給装置の設定出力を電力負荷に追従させる。従って、余剰電力の発生を一層抑制することができ、省エネルギ性の向上を図ることができる。
但し、変換される熱に対して現熱負荷が少ないような場合には、変換された熱が余る熱余り状態が発生して、省エネルギ性が悪化する場合がある。
本発明によれば、このような電気ヒータを備えて余剰電力を有効に活用可能な場合においても、余剰電力を出来るだけ少なくすることができる。その結果、電気ヒータの発生熱をできるだけ少なくして、熱余り状態の発生を抑制することができ、省エネルギ性の向上を図ることができる。
尚、上記平均値又は積算値としては、期間をずらしながら順次繰り返して計算する移動平均値又は移動積算値や、1時間ごとや1日ごとなどの所定の期間ごとに計算する期別平均値又は期別積算値等を用いることができる。
このコージェネレーションシステムは、図1に示すように、燃料電池1と、貯湯ユニット4とを備えて構成されている。燃料電池1は、電力と熱とを発生する熱電併給装置である。貯湯ユニット4は、燃料電池1が発生する熱を冷却水にて回収し、その冷却水を利用して、貯湯槽2への貯湯及び熱消費端末3への熱媒供給を行うものである。また、図2に示すように、燃料電池1や貯湯ユニット4などの運転は、運転制御手段としての運転制御部5によって制御される。
この商用電源7は、例えば、単相3線式100/200Vであり、受電電力供給ライン8を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷9に電気的に接続されている。
また、インバータ6は、発電電力供給ライン10を介して受電電力供給ライン8に電気的に接続され、燃料電池1からの発電電力がインバータ6及び発電電力供給ライン10を介して電力負荷9に供給されるように構成されている。
また、作動スイッチ14は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ12の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ12の消費電力が調整されるように構成されている。
尚、上記余剰電力は、インバータ6の出力として計測される燃料電池1の発電電力から、電力負荷計測手段11で計測される電力負荷を差し引いた電力値として演算可能である。よって、上記電力負荷計測手段11及びインバータ6は、余剰電力を演算又は計測するための余剰電力導出手段Xとしても機能する。
尚、この余剰電力は、例えば電気ヒータ12へ供給される電力を余剰電力として計測可能な余剰電力計測手段を設けるなどして、別の方法で演算又は計測しても構わない。
貯湯槽2は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する。湯水循環ポンプ17は、湯水循環路16を通して貯湯槽2内の湯水を循環させる。熱源用循環ポンプ21は、熱源用循環路20を通して熱源用湯水を循環させる。熱媒循環ポンプ23は、熱媒循環路22を通して熱媒を熱消費端末3に循環供給する。貯湯用熱交換器24は、湯水循環路16を通流する湯水を加熱する。熱源用熱交換器25は、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱する。熱媒加熱用熱交換器26は、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱する。補助加熱用熱交換器29は、ファン27を作動させた状態で、バーナ28の燃焼により貯湯槽2内から取り出した湯水及び熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱する。
そして、運転制御部5が、三方弁18を切り換えることにより、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエター19を通過するように循環させる状態と、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエター19をバイパスするように循環させる状態とに切り換えられるように構成されている。
熱源用熱交換器25は、燃料電池1が発生する熱を回収した冷却水循環路13の冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱するように構成されている。
補助加熱手段Mは、ファン27、バーナ28、補助加熱用熱交換器29により構成されている。
また、熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁40が設けられている。
そして、分流弁30は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させたり、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させたりすることもできるように構成されている。
熱消費端末3は、床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末にて構成されている。
従って、貯湯槽2では、貯湯槽2の容量の範囲内で、燃料電池1の出力に応じて追加された湯水から、給湯用として取り出された湯水を差し引いた分の湯水が貯湯されていることになる。
運転制御部5は、燃料電池1の稼動時に燃料電池1の出力を、現在要求されている現電力負荷に対して追従する電主出力に設定する電主運転制御を実行する。
尚、上記最小出力は、許容範囲内で0W又はそれに近い極めて小さい出力に設定しても構わない。
即ち、図3(b)に示すように、燃料電池1の実際の発電電力は、現電力負荷の変化状態に対して若干遅れて変化する。そして、燃料電池1の発電電力が現電力負荷の急激な減少に対して敏感に追従することができずに、燃料電池1の発電電力が現電力負荷を上回ると、余剰電力が発生する。その余剰電力は、上述した電気ヒータ12に供給される。
また、図4に示すように、現電力負荷が増加傾向にあって、短い周期で負荷変動を生じている場合にも、燃料電池1の発電電力が部分的に現電力負荷を上回り、余剰電力が発生する。
運転制御部5は、電主出力運転において、燃料電池1の出力を、現電力負荷よりも所定の量又は割合で示される抑制幅分小さい電主出力に設定するように構成されている。
即ち、図5(a)に示すように、電主出力運転では、最小出力から最大出力の範囲内で、現電力負荷から抑制幅分小さい電主出力を決定し、燃料電池1の出力をその決定した電主出力に設定する。
即ち、現電力負荷から抑制幅分小さい出力が、最小出力から最大出力の範囲内である場合には、その出力が電主出力となる。現電力負荷から抑制幅分小さい出力が、最大出力よりも大きい場合には、最大出力を電主出力として決定する。現電力負荷から抑制幅分小さい出力が、最小出力よりも小さい場合には、最小出力を電主出力として決定する。
尚、電主出力運転において、このような抑制幅を必ずしも設定する必要はない。
尚、応答状態Rmaxは、高い側の応答状態の一例である。従って、Rmax以外の高い側に設定するようにしてもよい。
まず、余剰電力Eoの移動平均値Ave(Eo)が上限値e1(例えば50W)よりも大きいか否かを判定する(ステップ#4)。そして、余剰電力Eoの移動平均値Ave(Eo)が上限値e1(例えば50W)以下である場合には、下記式(2)、(3)に示すように、式(1)の変数xに余剰電力Eoの移動平均値Ave(Eo)を代入する。そして、代入後の関数F(x)に基づいて応答状態Rを決定する(ステップ#6)。
R = F(Ave(Eo)) ・・・(3)
図7は、図4に示した現電力負荷と、燃料電池1の実際の発電電力との関係を示すグラフを更に拡大して示したものである。図中Tは、出力調整周期を示すものである。
図7(a)は、応答状態Rが最高である場合、即ち、最も敏感に応答する場合の応答状態Rを示している。出力調整周期Tにおいて、最高の応答速度で(最速で)燃料電池1の発電出力が上昇し、余剰電力が発生している。
また、待機時間WTは、図8に示すように、出力調整周期Tの整数倍の時間としてもよい。図8では、出力調整周期Tの1倍の例を示している。
また、変更速度と待機時間とを組み合わせて応答状態Rを調整してもよい。
特に、電気ヒータ12により余剰電力が熱に変換されも、その熱が有効に活用されない熱余り状態において、余剰電力が抑制されると効果的である。
熱余り状態とは、例えば、貯湯槽2内に貯湯されている湯水が満杯で、ラジエター19を作動させる状態である。また、貯湯槽2内に貯湯されている湯水が満杯で、熱媒供給運転中に燃料電池1から出力される熱が熱消費端末3で要求されている端末熱負荷や給湯負荷よりも大きく、ラジエター19を作動させる状態である。
また、このステップ#4〜ステップ#6を省略して、応答状態Rを常に移動平均値Ave(Eo)や、瞬時値である余剰電力Eoに設定するように構成しても構わない。また、上記移動平均値の代わりに、1日ごとなどの所定の期間ごとの余剰電力の平均値として計算される期別平均値に応じて応答状態Rを調整しても構わない。また、上記移動平均値の変わりに、過去一定期間の余剰電力の移動積算値や1日ごとなどの所定の期間ごとの余剰電力の積算値として計算される期別積算値に応じて応答状態Rを調整しても構わない。
例えば図9に示すように、1日等の判定対象期間における予測電力負荷と予測熱負荷を求め、その予測電力負荷に対して電主出力運転を実行したと仮定した場合に燃料電池1の発生熱が予測熱負荷に対して不足する熱不足状態が発生するか否かを判断することができる。
応答状態Rがその上限値e1以下において変動するように制限することで、電主出力運転を実行することによる熱不足状態の発生を抑制することができる。その結果、省エネルギ性の悪化を回避することができる。
尚、熱不足状態の発生を抑制する必要がない場合などにおいては、このような制限を省略しても構わない。
即ち、運転制御部5は、例えば、熱負荷を給湯熱負荷と端末熱負荷として、単位時間あたりの実電力負荷、実給湯熱負荷、及び、実端末熱負荷のそれぞれを計測する。これらは、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測される。
運転制御部5は、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測された値を記憶する。運転制御部5は、これらを記憶することにより、時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を1時間等の単位時間毎に管理するように構成されている。
また、運転制御部5は、実際の使用状況に応じて時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を更新する場合には、新たに計測された値と、既に記憶されている値とを所定の割合で足し合わせる。そして、その足し合わせた値を記憶するように構成されている。
2:貯湯槽
5:運転制御部(運転制御手段)
6:インバータ(余剰電力導出手段)
11:電力負荷計測手段(余剰電力導出手段)
12:電気ヒータ
X:余剰電力導出手段
Claims (5)
- 熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置で発生された熱を回収して湯水として貯える貯湯槽と、前記熱電併給装置の稼動時に前記熱電併給装置の設定出力を電力負荷に追従させる電主運転制御を実行する運転制御手段とが設けられているコージェネレーションシステムであって、
前記熱電併給装置の発電電力の電力負荷に対する余剰分である余剰電力を演算又は計測する余剰電力導出手段を備え、
前記運転制御手段は、前記電主運転制御において、前記余剰電力導出手段により演算又は計測される前記余剰電力に基づいて、前記電力負荷に対する前記設定出力の応答状態を調整するものであり、かつ、
前記電主運転制御において、所定の出力調整周期ごとに、前記熱電併給装置の前記設定出力を前記電力負荷に対して追従させるものであり、
前記応答状態は、前記出力調整周期において前記設定出力の変更を開始するまでの待機時間であるコージェネレーションシステム。 - 前記運転制御手段は、前記余剰電力が大きいほど、前記応答状態を追従が鈍くなる側である低い側に調整する請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段は、前記電力負荷が減少する場合には、前記応答状態を高い側の応答状態に設定し、前記電力負荷が増加する場合には、前記余剰電力に基づいて前記応答状態を低い側で調整する請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記余剰電力を前記貯湯槽に貯える熱に変換する電気ヒータを備えた請求項1〜3の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段は、前記余剰電力導出手段で演算又は計測される前記余剰電力の平均値又は積算値を算出し、前記平均値又は積算値に応じて前記応答状態を調整する請求項1〜4の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
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