JP2011131518A - 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】選択された噴射モードに応じた幅広い諧調表現が容易に可能な液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を提供する。
【解決手段】噴射駆動パルスDP2は、電位が変化して圧力室の容積を変化させる予備膨張部p6と、第2膨張電位VL2を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする膨張維持部p7と、電位が変化して圧力容積を変化させる収縮部p8と、第2収縮電位VH2を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする収縮維持部p9と、電位が復帰する変化をして圧力室容積を変化させる復帰部p10と、を含む電圧波形であり、収縮部は、電位が変化する第1の収縮要素p8aと、第1の収縮要素の終端電位である第1中間電位VM1を維持する中間維持要素p8bと、電位が変化する第2の収縮要素p8cと、を有し、駆動信号発生回路は、設定されている噴射モードに応じて第2の収縮要素の時間幅Wc1を変更する。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッドなどの液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置、及び、その制御方法に関するものである。
液体噴射装置は、液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液滴状のインクを記録紙等の記録媒体(噴射対象物)に対して噴射・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、或いはFED(面発光ディスプレイ)等のディスプレイ製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して噴射するためのものとして、液体噴射装置が用いられている。
上記液体噴射装置には、駆動パルス(噴射パルス)を含む駆動信号を発生して、発生した駆動パルスを圧力発生手段(例えば、圧電振動子や発熱素子等)に印加してこれを駆動することにより圧力発生室内の液体に圧力変化を与え、この圧力変化を利用して圧力発生室に連通したノズル開口から液体を噴射させるように構成されたものがある。そして、圧力発生手段を駆動する複数の駆動パルスを発生するように構成された液体噴射装置では、サテライトが発生するように設定された駆動パルスと、サテライトが発生しないように設定された駆動パルスとを含む複数の駆動パルスの中から、画像データに応じて選択した駆動パルスを圧力発生手段に印加することによって、サテライトドットによる画像劣化や濃度ムラの発生を防止するように構成されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−190931号公報
しかしながら、上記した予め用意された駆動パルスの中から選択した駆動パルスによって液体を噴射させる液体噴射装置では、駆動パルスの数及び種類に応じて、噴射対象物上に形成される液体の噴射量(ドットサイズ)の種類が決まってしまうために、記録諧調の種類が制限されてしまっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、選択された噴射モードに応じた幅広い諧調表現が容易に可能な液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、
前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから着弾対象に対して液体を噴射させるための噴射駆動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、を備え、
前記ノズルから噴射された液体が前記着弾対象に着弾して形成されるドットの形状が異なる複数の噴射モードを切り替えることが可能な液体噴射装置であって、
前記噴射駆動パルスは、
中間電位から第1の方向に電位が変化して前記圧力室の容積を変化させる第1の変化部と、
当該第1の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第1のホールド部と、
当該第1のホールド部に続き、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化して前記第1の変化部によって変化させられた圧力容積を変化させる第2の変化部と、
当該第2の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第2のホールド部と、
当該第2のホールド部に続き、前記第1の方向に前記中間電位まで電位が復帰する変化をして前記第2の変化部によって変化させられた圧力室容積を変化させる第3の変化部と、
を含む電圧波形であり、
前記第2の変化部は、第1のホールド部に続き、第2の方向に電位が変化する第1変化要素と、当該第1変化要素に続き、該第1変化要素の終端電位を維持する中間ホールド要素と、当該中間ホールド要素に続き、前記第2の方向に電位が変化する第2変化要素と、を有し、
前記駆動信号発生手段は、設定されている噴射モードに応じて前記第2変化要素の時間幅を変更することを特徴とする。
上記構成によれば、噴射駆動パルスは、中間電位から第1の方向に電位が変化して圧力室の容積を変化させる第1の変化部と、第1の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第1のホールド部と、第1のホールド部に続き、第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化して第1の変化部によって変化させられた圧力容積を変化させる第2の変化部と、第2の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第2のホールド部と、第2のホールド部に続き、第1の方向に中間電位まで電位が復帰する変化をして第2の変化部によって変化させられた圧力室容積を変化させる第3の変化部と、を含む電圧波形であり、第2の変化部は、第1のホールド部に続き、第2の方向に電位が変化する第1変化要素と、第1変化要素に続き、第1変化要素の終端電位を維持する中間ホールド要素と、中間ホールド要素に続き、第2の方向に電位が変化する第2変化要素と、を有し、駆動信号発生手段は、設定されている噴射モードに応じて第2変化要素の時間幅を変更することにより、ノズルから噴射された液滴の尾の部分から分離した部分(サテライト滴或いはこのサテライト滴よりも微小なミスト)の飛翔速度及び噴射重量を調整することができる。これにより、選択された噴射モードに応じて着弾対象に着弾して形成されるドットの形状を容易に変更することができ、選択された噴射モードに応じた幅広い諧調表現が簡単に可能となる。
また、上記構成において、前記圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、
前記液体噴射ヘッド付近の環境温度が35℃以上である状態で液体を噴射する高温噴射モードに設定されている場合には、前記第2変化要素の時間幅がTc/2以上Tc以下に設定されることが望ましい。
この構成によれば、圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、液体噴射ヘッド付近の環境温度が35℃以上である状態、即ち、液体の粘度が低下することによりミストが生じやすい状況下で液体を噴射するモードである高温噴射モードに設定されている場合には、第2変化要素の時間幅がTc/2以上Tc以下に設定されるので、液体の噴射時にメイン滴から分離して後続するサテライト滴よりも微細なミストが発生することを抑制できる。ミストの発生に起因する記録画像の画質低下を抑制することができる。
また、上記構成において、前記圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、
前記複数の噴射モードにおける標準としての標準噴射モードに設定されている場合には、前記第2変化要素の時間幅がTc/3以上Tc/2未満に設定されることが望ましい。
この構成によれば、圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、標準噴射モードに設定されている場合には、第2変化要素の時間幅がTc/3以上Tc/2未満に設定されるので、噴射される液体の飛翔速度が、標準噴射モードに適した範囲内に調整される。即ち、液体の噴射時にミストの発生を抑制可能な範囲内で液体の飛翔速度が高められる。これにより、噴射された液体をメイン滴とサテライト滴に分離させつつ、着弾対象における両者の着弾位置を近づけることができる。その結果、ミストの抑制と記録画像の画質の向上を両立させることが可能となる。
また、上記構成において、前記圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、
前記複数の噴射モードにおける標準としての標準噴射モードの解像度よりも高い解像度で噴射を行なう高解像度噴射モードに設定されている場合には、前記第2変化要素の時間幅がTc/4以上Tc/3未満に設定されることが望ましい。
この構成によれば、圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、噴射モードの切り替え前に初期設定された標準噴射モードの解像度よりも高い解像度で噴射を行なう高解像度噴射モードに設定されている場合には、第2変化要素の時間幅がTc/4以上Tc/3未満に設定されるので、噴射される液体の飛翔速度が、標準噴射モードよりも高められる。これにより、液体の噴射時にノズルから噴射されたメイン滴と、このメイン滴とは分離して後続するサテライト滴とを標準よりも離れた位置に着弾させることができると共に、標準噴射モードの場合と比較してメイン滴の重量を減少させることができる。その結果、着弾対象に記録された画像等のざらつき(視覚状に感じる粒状感)を抑制させつつ記録画像等の高解像度化に寄与することができる。
また、上記構成において、前記圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、
他の噴射モードよりも前記着弾対象上の広範囲に前記液体を着弾させる高被覆噴射モードに設定されている場合には、前記第2変化要素の時間幅が0超過Tc/4未満に設定されていることが望ましい。
この構成によれば、圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、他の噴射モードよりも着弾対象上の広範囲に液体を着弾させる高被覆噴射モードに設定されている場合には、第2変化要素の時間幅が0超過Tc/4未満に設定されるので、噴射される液滴の飛翔速度が、複数の噴射モードの中で最も高まり、これにより、ノズルから噴射されたメイン滴とは分離して後続するサテライト滴を複数に分離させて、この分離したサテライト滴を着弾対象に着弾させることができる。その結果、着弾対象上の広範囲をドットで被覆することができる。
また、上記構成において、前記液体噴射ヘッド付近の環境温度が35℃以上である状態で、前記高解像度噴射モードが設定された場合に、ユーザーに対して高温噴射モードに設定する旨を報知する報知手段を有することが望ましい。
この構成によれば、液体噴射ヘッド付近の環境温度が35℃以上である状態で、高解像度噴射モードが設定された場合に、ユーザーに対して高温噴射モードに設定する旨を報知する報知手段を有するので、高解像度化よりもミストの抑制が優先されることを予めユーザーに報知することができ、信頼性を確保することができる。
また、本発明の液体噴射装置の制御方法は、圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから着弾対象に対して液体を噴射させるための噴射駆動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、を備え、前記ノズルから噴射された液体が前記着弾対象に着弾して形成されるドットの形状が異なる複数の噴射モードを切り替えることが可能な液体噴射装置の制御方法であって、
前記噴射駆動パルスは、中間電位から第1の方向に電位が変化する第1の変化部と、当該第1の変化部の終端電位を維持する第1のホールド部と、当該第1のホールド部に続き、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化する第2の変化部と、当該第2の変化部の終端電位を維持する第2のホールド部と、当該第2のホールド部に続き、前記第1の方向に前記中間電位まで電位が復帰する変化をする第3の変化部と、を含む電圧波形であり、
前記第2の変化部は、前記第1のホールド部の終端電位から第2の方向に途中まで電位が変化する第1変化要素と、当該第1変化要素の終端電位を維持する中間ホールド要素と、第1変化要素の終端電位から前記第2の方向に電位が変化する第2変化要素と、を有し、
前記圧力室の容積を前記第1の変化部によって変化させる第1の変化工程と、
前記第1の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第1のホールド部によって所定時間ホールドする第1のホールド工程と、
前記第1の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第2の変化部によって変化させる第2の変化工程と、
前記第2の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第2のホールド部によって所定時間ホールドする第2のホールド工程と、
前記第2の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第3の変化部によって変化させる第3の変化工程と、
を含み、
前記第2の変化工程は、前記第1の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第1変化要素により途中まで変化させる第1の変化処理と、当該第1の変化処理において変化させられた圧力室容積を一定時間ホールドするホールド処理と、当該ホールド処理においてホールドされた圧力室容積を前記第2変化要素によって変化させる第2の変化処理と、を含み、
設定されている噴射モードに応じて前記第2変化処理における時間幅を変更することを特徴とする。
この制御方法によれば、噴射駆動パルスのうち第2変化要素の時間幅を変更するだけで、ノズルから噴射された液滴の尾の部分から分離した部分(サテライト滴或いはミスト)の速度を変更させることができる。これにより、選択された噴射モードに応じて着弾対象に着弾して形成されるドットの形状を容易に変更することができ、選択された噴射モードに応じた幅広い諧調表現が簡単に可能となる。
プリンターの概略構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドを圧力発生ユニット側から見た斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 標準モード用駆動信号の構成を説明する波形図である。 ノズル開口からインクを噴射する際のメニスカスの動きを説明するノズル近傍の断面図である。 高解像度モード用駆動信号の構成を説明する波形図である。 高被覆モード用駆動信号の構成を説明する波形図である。 印刷処理の流れを説明するフローチャートである。 印刷モードとドット形状との関係を説明する図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面等を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、図1に示すインクジェット式記録装置(以下、プリンターと略記する)に適用した場合を例示する。
プリンター1は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、インク(本発明における液体の一種)を貯留するインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、記録ヘッド2が搭載されたキャリッジ4を記録紙6(着弾対象の一種)の紙幅方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、紙幅方向に直交する方向である紙送り方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8等を備えて概略構成されている。ここで、紙幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)であり、紙送り方向とは、副走査方向(即ち、ヘッド走査方向に直交する方向)である。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、検出信号が位置情報として制御部46(図4参照)に送信される。これにより、制御部46はこのリニアエンコーダー10からの位置情報に基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作(噴射動作)等を制御することができる。
キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側(図1における右側)の端部領域には、走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面(ノズルプレート36:図3参照)を封止するキャッピング部材12と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材13とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4(記録ヘッド2)が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙6上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能に構成されている。
次に、記録ヘッド2の構成について説明する。ここで、図2は、記録ヘッド2を圧力発生ユニット側から見た斜視図、図3は、記録ヘッド2の要部断面図である。例示した記録ヘッド2は、圧力発生ユニット(又はアクチュエーターユニット)19と、流路ユニット20とから構成されており、これらを重ね合わせた状態で一体化してある。圧力発生ユニット19は、圧電振動子26(本発明における圧力発生手段に相当)と、振動板27と、圧力発生室(本発明における圧力室に相当)21を区画するための圧力発生室プレート22とを積層し、焼成等により一体化することで構成されている。
また、流路ユニット20は、供給口30や第2連通口31を形成した供給口形成プレート32と、リザーバー33及び第1連通口34を形成したリザーバープレート35とを積層することで構成されている。また、リザーバープレート35の供給口形成プレート32とは反対側の面には、ノズル開口28(本発明におけるノズルに相当)が形成されたノズルプレート36を設けている。
振動板27は、弾性を有する板材で構成されている。圧力発生室21とは反対側となる振動板27の外側表面には、各圧力発生室21に対応した状態で複数の圧電振動子26が配設される。例示した圧電振動子26は撓み振動モードの振動子であり、駆動電極26aと共通電極26bとによって圧電体26cを挟んで構成されている。そして、圧電振動子26の駆動電極に駆動信号が印加されると、駆動電極26aと共通電極26bとの間には電位差に応じた電場が発生する。この電場は圧電体26cに付与され、圧電体26cが付与された電場の強さに応じて変形する。
圧力発生室プレート22は、圧力発生室21を形成するのに適した厚さのセラミックス材の薄板、例えばアルミナやジルコニア等によって構成され、圧力発生室21を区画するための空部がプレートの厚さ方向に貫通した状態で形成されている。圧力発生室21は、ノズルプレート36のノズル開口28のピッチと同じ一定のピッチで列状に開設され、列設方向と直交する左右方向に細長い長孔である。
供給口形成プレート32は、ステンレス材等の金属材料によって構成された薄手の板状部材である。図3に示すように、この供給口形成プレート32には、板厚方向を貫通する供給口30が複数開設されている。また、板厚方向を貫通する第2連通口31が、リザーバープレート35の第1連通口34に対応させて形成されている。供給口30は、インク流路(液体流路)内のインクに対して流体抵抗(流動抵抗)を付与する部分である。この供給口30に関し、リザーバー33側の口径が圧力発生室21側の口径よりも広くなっている。この供給口30はプレス加工によって形成される。また、供給口形成プレート32には、肉厚を他の部分よりも十分に薄くしたコンプライアンス部38が形成されている。このコンプライアンス部38は、エッチングなどによってリザーバープレート35のリザーバー33に対応する領域内をリザーバー33とは反対面側から板厚方向に窪ませて凹部39を形成することで作製されている。
リザーバープレート35は、ステンレス材等の金属材料によって構成された板状部材である。このリザーバープレート35には、リザーバー33を区画するための空部が板厚方向を貫通した状態で形成されている。この空部がリザーバー33を区画形成する。このリザーバー33は、複数の圧力発生室21に共通な液室として機能する部分であり、インクの種類(色)毎に設けられ、インクカートリッジ3から供給されるインクを貯留する。また、リザーバープレート35には、板厚方向を貫通する第1連通口34が上記の第2連通口31に対応させて複数形成されている。
ノズルプレート36は、ステンレス材等の金属材料によって構成された板状部材である。このノズルプレート36には、複数のノズル開口28を列設してノズル列(ノズル開口群)が横並びに形成されており、本実施形態では、ノズル列は一定のピッチ(例えば、180dpi)で開設された180個のノズル開口28によって構成されている。なお、ノズルプレート36は金属材料以外にも、有機プラスチックフィルム等から構成してもよい。
そして、各プレート部材は、圧力発生ユニット19と供給口形成プレート32との間、供給口形成プレート32とリザーバープレート35との間、およびリザーバープレート35とノズルプレート36との間を接合して一体化される。これにより、図3に示すように、リザーバー33と圧力発生室21の他端部とが、供給口30を通じて連通する。また、圧力発生室21の一端部とノズル開口28とが、リザーバープレート35の第1連通口34および供給口形成プレート32の第2連通口31を通じて連通する。そして、リザーバー33から圧力発生室21を通って圧力発生ユニット19とノズル開口28とを連通する一連のインク流路(液体流路)がノズル開口28毎に形成される。
上記構成の記録ヘッド2では、圧電振動子26を変形させることで対応する圧力発生室21が収縮或いは膨張し、圧力発生室21内のインクに圧力変動が生じる。このインク圧力を制御することで、ノズル開口28からインクを噴射(吐出)させることができる。インクを吐出するのに先だって定常容積の圧力発生室21を予備的に膨張させるとリザーバー33側から供給口30を通じて圧力発生室21内にインクが供給される。また、予備膨張の後に圧力発生室21を急激に収縮させるとノズル開口28からインクが噴射される。
次に、プリンター1の電気的な構成を説明する。
図4は、プリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー40とプリントエンジン41とで概略構成されている。プリンターコントローラー40は、ホストコンピューター等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インターフェース(外部I/F)42と、各種データ等を記憶するRAM43と、各種データ処理のための制御ルーチン等を記憶したROM44と、各部の制御を行う制御部46と、クロック信号を発生する発振回路47と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路48(本発明における駆動信号発生手段に相当)と、印刷データをドット毎に展開することで得られた画素データや駆動信号等を記録ヘッド2に出力するための内部インターフェース(内部I/F)49と、記録ヘッド2近傍(周辺)の環境温度を計測する温度センサー55と、ユーザーに対して報知する画質アラーム56(本発明における報知手段に相当)を備えている。
制御部46は、記録ヘッド2の動作を制御するためのヘッド制御信号を記録ヘッド2に出力したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号発生回路48に出力したりする。ヘッド制御信号は、例えば、転送クロックCLK、画素データSI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH1である。これらのラッチ信号やチェンジ信号は、駆動信号COMを構成する各パルスの供給タイミングを規定する。
また、制御部46は、上記印刷データに基づき、RGB表色系からCMY表色系への色変換処理、多階調のデータを所定階調まで減少させるハーフトーン処理、ハーフトーニングされたデータを、インク種類毎(ノズル列毎)に所定の配列で並べてドットパターンデータに展開するドットパターン展開処理等を経て、記録ヘッド2の噴射制御に用いる画素データSIを生成する。この画素データSIは、印刷される画像の画素に関するデータであり、噴射制御情報の一種である。ここで、画素とは、着弾対象である記録紙等の記録媒体上に仮想的に定められたドット形成領域を示す。そして、本発明に係る画素データSIは、記録媒体上に形成されるドットの有無(又はインクの噴射の有無)及びドットの大きさ(又は噴射されるインクの量)に関する階調データからなる。本実施形態において、画素データSIは合計2ビットの2値階調データによって構成されている。2ビットの階調値には、インクを噴射しない非記録(微振動)に対応する[00]と、小ドットの記録に対応する[01]と、中ドットの記録に対応する[10]と、大ドットの記録に対応する[11]とがある。従って、本実施形態におけるプリンターは4階調で記録ができる。
次に、プリントエンジン41側の構成について説明する。プリントエンジン41は、記録ヘッド2と、キャリッジ移動機構7と、紙送り機構8と、リニアエンコーダー10と、から構成されている。記録ヘッド2は、シフトレジスター(SR)50、ラッチ51、デコーダー52、レベルシフター(LS)53、スイッチ54、及び圧電振動子26を、各ノズル開口28に対応させて複数備えている。プリンターコントローラー40からの画素データ(SI)は、発振回路47からのクロック信号(CK)に同期して、シフトレジスター50にシリアル伝送される。
シフトレジスター50には、ラッチ51が電気的に接続されており、プリンターコントローラー40からのラッチ信号(LAT)がラッチ51に入力されると、シフトレジスター50の画素データをラッチする。このラッチ51にラッチされた画素データは、デコーダー52に入力される。このデコーダー52は、2ビットの画素データを翻訳してパルス選択データを生成する。本実施形態におけるパルス選択データは、合計2ビットのデータによって構成されている。
そして、デコーダー52は、ラッチ信号(LAT)又はチャンネル信号(CH)の受信を契機にパルス選択データをレベルシフター53に出力する。この場合、パルス選択データは、上位ビットから順にレベルシフター53に入力される。このレベルシフター53は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが「1」の場合、スイッチ54を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフター53で昇圧された「1」のパルス選択データは、スイッチ54に供給される。このスイッチ54の入力側には、駆動信号発生回路48からの駆動信号COMが供給されており、スイッチ54の出力側には、圧電振動子26が接続されている。
そして、パルス選択データは、スイッチ54の作動、つまり、駆動信号中の噴射パルスの圧電振動子26への供給を制御する。例えば、スイッチ54に入力されるパルス選択データが「1」である期間中は、スイッチ54が接続状態になって、対応する噴射パルスが圧電振動子26に供給され、この噴射パルスの波形に倣って圧電振動子26の電位レベルが変化する。一方、パルス選択データが「0」である期間中は、レベルシフター53からはスイッチ54を作動させるための電気信号が出力されない。このため、スイッチ54は切断状態となり、圧電振動子26へは噴射パルスが供給されない。
ここで、本発明に係るプリンター1は、標準印刷モード、高解像度印刷モード、高被覆印刷モード、高温印刷モードの4種類の印刷モード(本発明における噴射モードに相当)の中から、ユーザーが設定(選択)した印刷モードに切り替えることができるように構成されており、設定されている印刷モードに応じて後述する噴射駆動パルスの第2収縮要素の時間幅を変更することで、ノズル開口28から噴射されたインクが記録紙6に着弾して形成されるドットの形状を異ならせるように構成されている。次に、各印刷モードで用いられる駆動信号COMの構成について説明する。
図5は、駆動信号発生回路48が発生する標準印刷モード用駆動信号の構成を説明する波形図である。
上記した標準印刷モード用駆動信号COM1は、各印刷モードの中で標準的なモードとして初期設定される印刷モードで用いられる駆動信号であって、3つの噴射駆動パルスDP1(DP11,DP12,DP13)と1つの噴射駆動パルスDP2の合計2種類の噴射駆動パルスDP1,DP2を、LAT信号で区切られる単位周期内に含んで構成されている。なお、噴射駆動パルスDP2の第1収縮電位VH2は、圧電振動子26が圧力発生室21側に変位して圧発生室21を収縮させた状態に対応する電位であり、第1膨張電位VL2は、圧電振動子26が圧発生室21とは反対側に変位して圧発生室21を膨張させた状態に対応する電位である。また、単位周期中の噴射駆動パルスDP1,DP2の先(前側)には、この単位周期よりも前の単位周期における噴射駆動パルスDP1,DP2による圧発生室21内のインクの振動とは逆位相の振動を圧発生室21に与えることで、圧発生室21内のインクの振動を抑制するカットパルスDPCを含んで構成されている。
噴射駆動パルスDP1は、例えば、ラージドット、ミドルドット、スモールドットのように、ドットの大きさを変えることで多階調記録を行う構成において、中間の大きさのミドルドットを形成するために用いられるミドルドット用噴射駆動パルスである。噴射駆動パルスDP1は、基準電位VB(中間電位に相当)から第1膨張電位VL1(VL1<VL2)までマイナス側(第1の方向)に電位が変化して圧発生室21を膨張させる予備膨張部p1と、第1膨張電位VL1を一定時間維持する膨張維持部p2と、第1膨張電位VL1から第1収縮電位VH1(VH1>VH2)までプラス側(第2の方向)に電位が変化して圧力発生室21を急激に収縮させる収縮部p3と、第1収縮電位VH1を一定時間維持する収縮維持(制振ホールド)部p4と、第1収縮電位VH1から基準電位VBまで電位が復帰する膨張復帰部p5と、から構成される。
上記構成の噴射駆動パルスDP1が圧電振動子26に印加されると、まず、予備膨張部p1によって圧電振動子26は圧力発生室21から離隔する方向に撓み、これにより圧力発生室21が基準電位VBに対応する基準容積から第1膨張電位VL1に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、ノズル開口28におけるインクの表面(メニスカス)が圧力発生室21側に大きく引き込まれると共に、圧力発生室21内にはリザーバー33側から供給口30を通じてインクが供給される。そして、この圧力発生室21の膨張状態は、膨張維持部p2の供給期間中に亘って維持される。膨張維持部p2による膨張状態が維持された後、収縮部p3が供給され、これに応じて圧電振動子26が圧力発生室21側に撓む。この圧電振動子26の変位により、圧力発生室21は膨張容積から収縮容積まで急激に収縮される。これにより、圧力発生室21内のインクが加圧されて、メニスカスの中央部分が噴射側に押し出され、この押し出された部分が液柱のように伸びる。
その後、収縮維持部p4により、圧力発生室21の収縮状態が一定時間維持される。この間に、メニスカス中央部の液柱部分がメニスカスから分離して、ノズル開口28からインク滴として噴射される。そして、このインク滴が記録紙6に着弾してミドルドットに対応する大きさのドットが形成される。そして、インクの噴射によって減少した圧力発生室21内のインクの圧力は、その固有振動によって再び上昇する。この上昇タイミングにあわせて復帰膨張部p5が圧電振動子26に印加されて、圧力発生室21が収縮容積から定常容積まで膨張復帰する。
噴射駆動パルスDP2は、多階調記録において最も小さいスモールドットを形成するためのスモールドット用噴射駆動パルスであり、基準電位VBから第2膨張電位VL2までマイナス側に電位が変化して圧発生室21を膨張させる予備膨張部p6(第1の変化部)と、第2膨張電位VL2を一定時間維持する膨張維持部p7(第1のホールド部)と、第2膨張電位VL2から第2収縮電位VH2までプラス側に電位が変化して圧発生室21を急激に収縮させる収縮部p8(第2の変化部)と、第2収縮電位VH2を一定時間維持する収縮維持(制振ホールド)部p9(第2のホールド部)と、第2収縮電位VH2から基準電位VBまで電位が復帰する復帰膨張部p10(第3の変化部)と、から構成される。
上記収縮部p8は、第2膨張電位VL2から電位がプラス方向に変化(上昇)する第1収縮要素p8a(第1の変化要素に相当)と、第1収縮要素p8aの終端電位である第1中間電位VM1を一定時間ホールドする中間維持要素p8b(中間ホールド要素に相当)と、第1中間電位VM1から第2収縮電位VH2まで電位がプラス方向に変化(上昇)する第2収縮要素p8c(第2の変化要素に相当)とから構成されていることに特徴を有している。即ち、収縮部p8は、第2膨張電位VL2から第2収縮電位VH2まで電位が変化する途中で僅かな時間だけ電位の変化を止めるように構成されている。
第2収縮要素p8cの始端から終端までの時間、つまりホールド時間Wc1(例えば、1.68μs)は、圧力発生室21内のインクに生じる圧力振動の振動周期をTcとしたときに、Tc/3以上Tc/2未満に設定されている。なお、噴射パルスDP2における第2収縮要素p8cの電位勾配(単位時間あたりの電位変化量)θ1は、後述する噴射パルスDP4,DP6の第2収縮要素p8f,p8gの電位勾配(図7,8中に符号θ2,θ3で示す)よりも小さくなるように設定されている。これにより、噴射パルスDP2を用いてノズル開口28から噴射されたインクの飛翔速度Vm1は、噴射パルスDP4,DP6によって噴射されるインクの飛翔速度よりも低くなるように構成されている。
なお、上記固有振動周期Tcは、例えば次式(1)で表すことができる。
Tc=2π√[〔(Mn×Ms)/(Mn+Ms)〕×Cc]・・・(1)
式(1)において、Mnはノズル開口28におけるイナータンス、Msは連通口31,34及び供給口30のイナータンス、Ccは圧力発生室21のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)である。
上記式(1)において、イナータンスMとは、インク流路におけるインクの移動し易さを示し、単位断面積あたりのインクの質量である。そして、インクの密度をρ、流路のインク流れ方向と直交する面の断面積をS、流路の長さをLとしたとき、イナータンスMは次式(2)で近似して表すことができる。
イナータンスM=(密度ρ×長さL)/断面積S ・・・ (2)
また、この式(1)に限らず、圧力発生室21が有している振動周期であればよい。
上記構成の噴射駆動パルスDP2が圧電振動子26に供給(印加)されると、まず、予備膨張部p6によって圧電振動子26は圧力発生室21から離隔する方向に撓み、これにより圧力発生室21が基準電位VBに対応する基準容積から第2膨張電位VL2に対応する膨張容積まで膨張する(第1の変化工程)。この膨張により、図6(a)に示すように、ノズル開口28におけるインクの表面(メニスカス)が圧力発生室21側(図における上側)に大きく引き込まれると共に、圧力発生室21内にはリザーバー33側から供給口30を通じてインクが供給される。そして、この圧力発生室21の膨張状態は、膨張維持部p7の供給期間中に亘って維持される(第1のホールド工程)。
膨張維持部p7による膨張状態が維持された後、収縮部p8が供給され、これに応じて圧電振動子26が圧力発生室21側に撓む。この圧電振動子26の変位により、圧力発生室21は膨張容積から第2収縮電位VH2に対応する収縮容積まで収縮される(第2の変化工程)。上記したように、収縮部p8は、第1収縮要素p8a、中間要素p8b、第2収縮要素p8cから構成されているので、この第2の変化工程では、第1収縮要素p8aにより、圧力発生室21が膨張容積から第1中間電位VM1に対応する第1中間容積まで収縮される(第1の変化処理)。これにより、圧力発生室21内のインクが加圧されて、図6(b)に示すように、メニスカスの中央部分が噴射側(図における下側)に押し出され、この押し出された部分が液柱のように伸びる。
続いて、中間維持要素p8bが供給され、第1中間容積が維持される(ホールド処理)。これにより、圧電振動子26の変位が一時的に停止される。この間、図6(c)に示すように、メニスカス中央部の液柱が慣性力によって噴射方向へ伸びるが、この間では圧力発生室21内のインクが加圧されないので、その分、液柱の伸びは抑えられる。この結果、その後に噴射されるメイン滴Mdの飛翔速度Vm1が抑制される。
中間維持要素p8bによるホールドの後、第2収縮要素p8cにより、圧力発生室21が第1中間容積から収縮容積まで収縮される(第2の変化処理)。そして、図6(d)に示すように、メニスカス全体が噴射方向に押し出され、液柱の後端部分が少し加速される。そして、メニスカスと液柱とが分離し、分離した部分がインク滴としてノズル開口28から噴射されて飛翔する。噴射されたインク滴は、先行するメイン滴Mdと、このメイン滴Mdとは分離して後続するサテライト滴Sdとから成る。ここで、噴射駆動パルスにおいて、第2収縮要素p8cの時間幅を調整することで、ノズル開口28から噴射されるインクの飛翔速度、ひいては着弾ドット形状やミストの発生をコントロールすることができる。噴射駆動パルスDP2では、第2収縮要素p8cの時間幅Wc1がTc/3以上Tc/2未満に設定されているので、噴射されたインクがメイン滴とサテライト滴に分離しつつもミストの発生が防止される範囲内に飛翔速度が調整される。即ち、噴射駆動パルスDP2では、メイン滴Mdとサテライト滴Sdとが分離する際に、サテライト滴Sdよりも微細なミストが発生することが抑制される。そして、サテライト滴Sdは、記録紙6に向けて飛翔している間にメイン滴Mdとは僅かに離れることで、図10(b)に示すように、メイン滴Mdが記録紙6に対して先に着弾してドットDmが形成された後、サテライト滴SdがドットDmから僅かに離れた位置に着弾してドットDsが形成される。ノズル開口28から噴射されるインク滴をメイン滴とサテライト滴とに意図的に分離させることで、インク滴が分離しない場合と比較して、各液滴が記録紙6に着弾してそれぞれ形成されるドットを小さくすることができるので、記録画像のざらつき感、即ち、視覚上で感じる粒状感を低減させることができる。
収縮部p8の後、収縮維持部p9により、圧力発生室21の収縮状態が一定時間維持される(第2のホールド工程)。この間に、インクの噴射によって減少した圧力発生室21内のインクの圧力は、その固有振動によって再び上昇する。この上昇タイミングにあわせて復帰膨張部p10が圧電振動子26に印加されて、圧力発生室21が収縮容積から定常容積まで膨張復帰する(第3の変化工程)。これにより、圧力発生室21内のインクの圧力変動(残留振動)が低減される。このように、噴射駆動パルスDP2を用いる標準印刷モードでは、ミストの抑制と記録画像の画質の向上を両立させることが可能となる。
図7は、駆動信号発生回路48が発生する高解像度印刷モード用駆動信号の構成を説明する波形図である。
高解像度印刷モード用駆動信号COM2は、標準印刷モード用駆動信号COM1の解像度よりも高い解像度で噴射を行なう印刷モードで用いられる駆動信号であって、2つの噴射駆動パルスDP3(DP31,DP32)と1つの噴射駆動パルスDP4の合計2種類の噴射駆動パルスDP3,DP4を、LAT信号で区切られる単位周期内に含んで構成されている。なお、高解像度印刷モード用駆動信号COM2における前の噴射駆動パルスDP31の復帰膨張部p5の終端から次の噴射駆動パルスDP4の始端までの間隔t2は、標準印刷モード用駆動信号COM1の前の噴射駆動パルスDP11の復帰膨張部p5の終端から次の噴射駆動パルスDP12の始端までの間隔t1(図5参照)よりも長くなるように設定されている。これにより、噴射駆動パルスDPによって圧電振動子26を駆動した後に、圧力発生室21内のインクに残留する残留振動を低減させている。
噴射駆動パルスDP3の基本的な波形構成は、噴射駆動パルスDP1とほぼ共通しているが、予備膨張部p11、膨張維持部p12、及び収縮部p13の構成が異なっている。
予備膨張部p11は、噴射駆動パルスDP1の予備膨張部p1よりも時間幅が長くなるように設定されており、基準電位VBから第1膨張電位VL1までマイナス側に電位が変化して圧力発生室21を予備膨張部p1よりも緩やかに膨張させる。膨張維持部p12は、噴射駆動パルスDP1の膨張維持部p1よりも時間幅が短くなるように設定されており、第1膨張電位VL1を短時間維持する。収縮部p13は、噴射駆動パルスDP1の収縮部p3よりも時間幅が短くなるように設定されており、第1膨張電位VL1から第1収縮電位VH1までプラス側に電位が変化して圧力発生室21を収縮部p3よりも急激に収縮させる。この構成の噴射駆動パルスDP3は、インクの噴射重量を確保しつつ、噴射駆動パルスDP1よりも圧電振動子26を駆動した際の圧力発生室21内のインクに残留する残留振動を低減させるように構成されている。
また、噴射駆動パルスDP4の基本的な波形構成は、噴射駆動パルスDP2とほぼ共通しているが、収縮部p8の構成が異なっている。
噴射駆動パルスDP4の収縮部p8は、膨張電位VH2から電位がマイナス方向に変化(降下)する第1収縮要素p8d(第1の変化要素に相当)と、第1収縮要素p8dの終端電位である第2中間電位VM2(VM2<VM1)を一定時間ホールドする中間維持要素p8e(中間ホールド要素に相当)と、第2中間電位VM2から電位がマイナス方向に変化(降下)する第2収縮要素p8f(第2の変化要素に相当)とから構成されていることに特徴を有している。即ち、収縮部p8は、第2膨張電位VH2から第2収縮電位VL2まで電位が変化する途中で僅かな時間だけ電位の変化を止めるように構成されている。
第2収縮要素p8fの始端から終端までの時間、つまりホールド時間Wc2(例えば、1.28μs)は、圧力発生室21内のインクに生じる圧力振動の振動周期をTcとしたときに、Tc/4以上Tc/3未満に設定されている。なお、噴射パルスP4における第2収縮要素p8fの電位勾配符号θ2は、噴射パルスP2の第2収縮要素p8cの電位勾配θ1よりも大きくなるように設定されている。これにより、噴射パルスP4を用いてノズル開口28から噴射されたインクの飛翔速度Vm2は、噴射パルスP2によって噴射されるインクの飛翔速度Vm1よりも高くなるように構成されている。
上記構成の噴射駆動パルスDP4が圧電振動子26に供給(印加)されると、第2収縮要素p8fの電位勾配θ2が、噴射パルスP2の第2収縮要素p8cの電位勾配θ1よりも大きくなるように設定されているので、ノズル開口28から噴射されたメイン滴Mdと、このメイン滴Mdとは分離して後続するサテライト滴Sdとが、図10(c)に示すように、噴射駆動パルスDP2を圧電振動子26に供給したときよりも離れた位置に着弾する。また、標準噴射モードの場合と比較してメイン滴Mdのインク重量を減少させることができる。これにより、記録画像におけるざらつきをより抑制させつつ、高解像度化に寄与することができる。
図8は、駆動信号発生回路48が発生する高被覆印刷モード用駆動信号の構成を説明する波形図である。
高被覆印刷モード用駆動信号COM3は、他の噴射モードよりも記録紙6上の広範囲にインクを着弾させる印刷モードで用いられる駆動信号であって、4つの噴射駆動パルスDP5(DP51,DP52,DP53,DP54)と1つの噴射駆動パルスDP6の合計2種類の噴射駆動パルスDP5,DP6を、LAT信号で区切られる単位周期内に含んで構成されている。なお、高被服印刷モード用駆動信号COM3における先(前側)の噴射駆動パルスDP51の復帰膨張部p17の終端から次の噴射駆動パルスDP52の始端までの間隔t3は、標準印刷モード用駆動信号COM1における間隔t1、及び高解像度印刷モード用駆動信号COM2における間隔t2よりも短くなるように設定されている。これにより、単位周期内の噴射駆動パルスの周波数を高めている。
噴射駆動パルスDP5の基本的な波形構成は、噴射駆動パルスDP1,DP3とほぼ共通しているが、第3膨張電位VL3(VL3<VL1,VL2)と第3収縮電位VH3(VH3>VH1,VH2)との差である駆動電圧Vd3が、噴射駆動パルスDP1,DP3の駆動電圧Vd1(図5,7参照)よりも高くなるように設定され、予備膨張部p13、膨張維持部p14、収縮部p15、収縮維持部p16、及び膨張復帰部p17の構成が異なっている。
予備膨張部p13は、噴射駆動パルスDP1の予備膨張部p1よりも時間幅が短くなるように設定されており、基準電位VBから第1膨張電位VL3までマイナス側に電位が変化して圧力発生室21を予備膨張部p1よりも緩やかに膨張させる。膨張維持部p14は、噴射駆動パルスDP1の膨張維持部p2よりも時間幅が短くなるように設定されており、第1膨張電位VL3を膨張維持部p2よりも短い一定時間維持する。収縮部p15は、噴射駆動パルスDP1の収縮部p3よりも時間幅が短くなるように設定されており、第1膨張電位VL3から第1収縮電位VH3までプラス側に電位が変化して圧力発生室21を収縮部p3よりも急激に収縮させる。この構成の噴射駆動パルスDP5は、駆動電圧Vd3が、噴射駆動パルスDP1,DP3の駆動電圧Vd1よりも高くなるように設定されているので、噴射されるインクの重量がより多くなり、且つ単位周期内の噴射駆動パルスの周波数が高められている。
また、噴射駆動パルスDP6の基本的な波形構成は、噴射駆動パルスDP2,DP4とほぼ共通しているが、収縮部p8の構成が異なっている。
噴射駆動パルスDP6の収縮部p8は、膨張電位VH2から電位がマイナス方向に変化(降下)する第1収縮要素p8d(第1の変化要素に相当)と、第1収縮要素p8dの終端電位である第2中間電位VM2(VM2<VM1)を一定時間ホールドする中間維持要素p8e(中間ホールド要素に相当)と、第2中間電位VM2から電位がマイナス方向に変化(降下)する第2収縮要素p8g(第2の変化要素に相当)とから構成されていることに特徴を有している。即ち、収縮部p8は、第2膨張電位VH2から第2収縮電位VL2まで電位が変化する途中で僅かな時間だけ電位の変化を止めるように構成されている。
第2収縮要素p8gの始端から終端までの時間、つまりホールド時間Wc3(例えば、0.88μs)は、圧力発生室21内のインクに生じる圧力振動の振動周期をTcとしたときに、0超過Tc/4未満に設定されている。なお、噴射パルスP6における第2収縮要素p8gの電位勾配(図8中に符号θ3で示す)は、噴射パルスP2,P4の第2収縮要素p8c、p8fの電位勾配θ1,θ2よりも大きくなるように設定されている。これにより、噴射パルスP6を用いてノズル開口28から噴射されたインクの飛翔速度Vm3は、噴射パルスP2,P4によって噴射されるインクの飛翔速度Vm1,Vm2よりも高くなるように構成されている。
上記構成の噴射駆動パルスDP6が圧電振動子26に供給(印加)されると、第2収縮要素p8gの電位勾配θ3が、噴射パルスP2,P4の第2収縮要素p8c,p8fの電位勾配θ1,θ2よりも大きくなるように設定されているので、噴射モードの中で飛翔速度が最も高まり、ノズル開口28から噴射されたメイン滴Mdとは分離して後続するサテライト滴Sdを複数に分離させて、図10(d)に示すように、メイン滴Mdが記録紙6に対して先に着弾してドットDmが形成された後、分離した複数のサテライト滴SdがドットDmから離れると共に、互いの間隔を空けた状態で並ぶ位置に着弾して複数(本実施形態では、3つ)のドットDs1,Ds2,Ds3が形成される。これにより、着弾したドットDm,Ds1,Ds2,Ds3により記録紙6上の広範囲を被覆することができる。
図9は、印刷処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、ユーザーが、標準印刷モード、高解像度印刷モード、高被覆印刷モード、高温印刷モードの4種類の印刷モードの中から印刷モードを指定して決定する(S1)(なお、ユーザーにより印刷モードや記録紙の種類が指定されなかった場合、自動的に標準印刷モードに設定される。)。次に、温度センサー55によって計測した記録ヘッド2近傍の環境温度が35℃以上か否かを判定する(S2)。記録ヘッド2近傍の環境温度が35℃以下である場合には(S2:NO)、ユーザーによって決定された印刷モードを確認する(S3)。標準印刷モードを指定した場合(あるいは自動的に標準印刷モードに設定された場合)には(S4)、駆動信号発生回路48が標準印刷モード用駆動信号COM1を発生し、ユーザーが高解像度印刷モードを指定した場合には(S5)、駆動信号発生回路48が高解像度印刷モード用駆動信号COM2を発生し、ユーザーが高被覆印刷モードを指定した場合には(S6)、駆動信号発生回路48が高被覆印刷モード用駆動信号COM3を発生する。そして、印刷モードの指定が完了すると(S4〜S6)、ユーザーによって選択された各印刷モード用駆動信号COM1,COM2,COM3によって圧電振動子26を駆動させて、印刷処理が実行される(S7)。
また、記録ヘッド2近傍の環境温度が35℃以上である場合には(S2:YES)、高温印刷モードが選択され、駆動信号発生回路48が高温印刷モード用駆動信号COM4を発生する(S8)。次に、ユーザーが指定した印刷モードが高解像度印刷モードか否かを判定する(S9)。ユーザーが指定した印刷モードが高解像度印刷モードである場合には(S9:YES)、高温環境においてはインクの粘度が低下するために、ノズル開口28から噴射されたインクが記録紙6に着弾して形成されるドット形状(画質)を保障できない旨を、画質アラーム56を鳴らすことでユーザーに対して報知する(S10)。これにより、ノズル開口28から噴射されたインク滴の尾の部分が分離することにより、このメイン滴Mdから分離したサテライト滴Sdよりも微細なミストが発生して、記録画像の高解像度化よりもミストの抑制が優先されることを予めユーザーに報知することができ、画質の信頼性を確保することができる。その後、高温印刷モード用駆動信号COM4によって圧電振動子26を駆動させて、印刷処理を実行する(S7)。また、ユーザーが指定した印刷モードが高解像度印刷モード以外である場合には(S9:NO)、高温印刷モード用駆動信号COM4によって圧電振動子26を駆動させて、印刷処理を実行する(S7)。なお、画質アラーム56に関し、プリンター1や当該プリンター1に接続されている外部装置に記憶されているソフトウェアーにより表示装置にメッセージや画像を表示させることにより、ユーザーに対して上記内容を報知する構成でも良い。
高温印刷モード用駆動信号COM4(図示せず)は、記録ヘッド2付近の環境温度が35℃以上である状態でインクを噴射する印刷モードで用いられる駆動信号であって、標準印刷モード、高解像度印刷モード、高被覆印刷モードの各印刷モードに用いられる駆動信号COM1,COM2,COM3,COM4それぞれの噴射駆動パルスDP2,DP4,DP6の第2収縮要素p8c,p8f,p8gの始端から終端までの時間、つまりホールド時間Wc4(例えば、2.08μs)が、圧力発生室21内のインクに生じる圧力振動の振動周期をTcとしたときに、Tc/2以上Tc以下に変更された噴射駆動パルスDP2´,DP4´,DP6´を、LAT信号で区切られる単位周期内に含んで構成されている。
上記構成の噴射駆動パルスDP2´,DP4´,DP6´それぞれが圧電振動子26に供給(印加)されると、噴射駆動パルスDP2´,DP4´,DP6´のホールド時間Wc4が噴射駆動パルスDP2,DP4,DP6のホールド時間Wc1,Wc2,Wc3よりも長くなるように設定されているので、噴射されるインクの飛翔速度が抑制され、これにより、サテライト滴Sdよりも微細なミストが発生することが抑制される。そして、サテライト滴Sdは、記録紙6に向けて飛翔している間にメイン滴Mdに対して近接し、図10(a)に示すように、最終的には、メイン滴Mdが記録紙6に対して先に着弾してドットDmが形成された後、サテライト滴SdがドットDmと略同じ位置に着弾してドットDsが形成される。その結果、記録紙6上には、ドットDmとドットDsとを合わせたドットDm+Dsが形成される。これにより、記録ヘッド2付近の環境温度が35℃以上である状態であっても、ミストが記録紙6に着弾することで、画質が低下することを抑制することができる。
なお、上記各実施形態では、圧力発生手段として、所謂撓み振動型の圧電振動子26を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電振動子を採用することも可能である。この場合、例示した駆動信号に関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
以上は、液体噴射装置の一種であるプリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置、バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター、2…記録ヘッド、6…記録紙、21…圧力発生室、26…圧電振動子、28…ノズル開口、48…駆動信号発生回路、56…画質アラーム、COM…駆動信号、DP…噴射駆動パルス

Claims (7)

  1. 圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから着弾対象に対して液体を噴射させるための噴射駆動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、を備え、
    前記ノズルから噴射された液体が前記着弾対象に着弾して形成されるドットの形状が異なる複数の噴射モードを切り替えることが可能な液体噴射装置であって、
    前記噴射駆動パルスは、
    中間電位から第1の方向に電位が変化して前記圧力室の容積を変化させる第1の変化部と、
    当該第1の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第1のホールド部と、
    当該第1のホールド部に続き、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化して前記第1の変化部によって変化させられた圧力容積を変化させる第2の変化部と、
    当該第2の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第2のホールド部と、
    当該第2のホールド部に続き、前記第1の方向に前記中間電位まで電位が復帰する変化をして前記第2の変化部によって変化させられた圧力室容積を変化させる第3の変化部と、
    を含む電圧波形であり、
    前記第2の変化部は、第1のホールド部に続き、第2の方向に電位が変化する第1変化要素と、当該第1変化要素に続き、該第1変化要素の終端電位を維持する中間ホールド要素と、当該中間ホールド要素に続き、前記第2の方向に電位が変化する第2変化要素と、を有し、
    前記駆動信号発生手段は、設定されている噴射モードに応じて前記第2変化要素の時間幅を変更することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、
    前記液体噴射ヘッド付近の環境温度が35℃以上である状態で液体を噴射する高温噴射モードに設定されている場合には、前記第2変化要素の時間幅がTc/2以上Tc以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、
    前記複数の噴射モードにおける標準としての標準噴射モードに設定されている場合には、前記第2変化要素の時間幅がTc/3以上Tc/2未満に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 前記圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、
    前記複数の噴射モードにおける標準としての標準噴射モードの解像度よりも高い解像度で噴射を行なう高解像度噴射モードに設定されている場合には、前記第2変化要素の時間幅がTc/4以上Tc/3未満に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  5. 前記圧力室内の液体に生じる圧力振動の周期をTcとしたときに、
    他の噴射モードよりも前記着弾対象上の広範囲に前記液体を着弾させる高被覆噴射モードに設定されている場合には、前記第2変化要素の時間幅が0超過Tc/4未満に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  6. 前記液体噴射ヘッド付近の環境温度が35℃以上である状態で、前記高解像度噴射モードが設定された場合に、ユーザーに対して高温噴射モードに設定する旨を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから着弾対象に対して液体を噴射させるための噴射駆動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、を備え、前記ノズルから噴射された液体が前記着弾対象に着弾して形成されるドットの形状が異なる複数の噴射モードを切り替えることが可能な液体噴射装置の制御方法であって、
    前記噴射駆動パルスは、中間電位から第1の方向に電位が変化する第1の変化部と、当該第1の変化部の終端電位を維持する第1のホールド部と、当該第1のホールド部に続き、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化する第2の変化部と、当該第2の変化部の終端電位を維持する第2のホールド部と、当該第2のホールド部に続き、前記第1の方向に前記中間電位まで電位が復帰する変化をする第3の変化部と、を含む電圧波形であり、
    前記第2の変化部は、前記第1のホールド部の終端電位から第2の方向に途中まで電位が変化する第1変化要素と、当該第1変化要素の終端電位を維持する中間ホールド要素と、第1変化要素の終端電位から前記第2の方向に電位が変化する第2変化要素と、を有し、
    前記圧力室の容積を前記第1の変化部によって変化させる第1の変化工程と、
    前記第1の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第1のホールド部によって所定時間ホールドする第1のホールド工程と、
    前記第1の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第2の変化部によって変化させる第2の変化工程と、
    前記第2の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第2のホールド部によって所定時間ホールドする第2のホールド工程と、
    前記第2の変化工程によって変化させられた圧力室容積を前記第3の変化部によって変化させる第3の変化工程と、
    を含み、
    前記第2の変化工程は、前記第1の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第1変化要素により途中まで変化させる第1の変化処理と、当該第1の変化処理において変化させられた圧力室容積を一定時間ホールドするホールド処理と、当該ホールド処理においてホールドされた圧力室容積を前記第2変化要素によって変化させる第2の変化処理と、を含み、
    設定されている噴射モードに応じて前記第2変化処理における時間幅を変更することを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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