JP2011127259A - 不織布 - Google Patents

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【課題】液の透過性が高く、かつ液の逆戻りが起こりにくい不織布を提供すること。
【解決手段】不織布10は、加熱によってその長さが伸びる熱伸長性繊維を含み、一方の面側に多数の凸部19及び凹部18を有する。凸部19を構成する熱伸長性繊維は、それらの交点において融着しており、融着の強度が、凸部19の下部よりも上部の方が高くなっている。凸部19を構成する熱伸長性繊維は、親水性の程度が、凸部19の下部よりも上部の方が低くなっていることが好適である。凸部19においては、凸部19の下部よりも上部の方が、繊維密度が低くなっていることも好適である。
【選択図】図1

Description

本発明は、不織布及びその製造方法に関する。本発明の不織布は、例えば生理用ナプキンや使い捨ておむつを始めとする各種の吸収性物品の構成材料として特に好適に用いられる。
従来、生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品の表面シートとして、不織布が広く用いられている。かかる不織布には、表面に供給された液を素早く吸収体に移行させ、表面に液を残さない性質(液残り)と、一旦移行させた液を不織布の表面に液戻りさせない性質とが要求される。
不織布の厚みを小さくすると、一般的に、液残り及び液戻りが多くなる。逆に厚みを大きくすると、液戻りは防げるが、繊維密度が疎な部分の繊維交点に残った液は吸収体に移行しにくくなり、液残りを減らすには限界がある。したがって単純な厚みの制御だけでは、高い次元で両者を実現させることができなかった。その要求に応える方法として、連続フィラメントの厚み方向に親水性や繊維密度の勾配を持たせる方法(特許文献1参照)や不織布の厚み方向に親水性の勾配を持たせる方法(特許文献2参照)が知られている。しかし、前記方法には、勾配を持たせる処理に手間が掛かる、装置の制約がある、要求される性能が得られない場合がある等の欠点がある。
特開2005−314825号公報 特開2005−87659号公報
本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る不織布を提供することにある。
本発明は、加熱によってその長さが伸びる熱伸長性繊維を含み、一方の面側に多数の凸部及び凹部を有する不織布であって、該凸部を構成する該熱伸長性繊維は、それらの交点において融着しており、融着の強度が、凸部の下部よりも上部の方が高くなっている不織布を提供するものである。
また本発明は、前記の不織布の好適な製造方法として、高融点樹脂とこれより融点又は軟化点の低い低融点樹脂とを含む複合繊維からなり、かつ加熱によってその長さが伸びる熱伸長性繊維を含むウエブをエンボス加工して、多数のエンボス部が形成されたエンボスウエブを得、
周回する通気性ネットを備えた熱風吹き付け部において、該エンボスウエブを該ネット上に載置して搬送しつつ、該エンボスウエブの面のうち、該ネットに対向する面とは反対側の面から該エンボスウエブに向けて、該低融点樹脂の融点以上の温度の熱風を吹き付け、該エンボス部間に位置する該熱伸長性繊維を伸長させて、多数の凸部を形成する不織布の製造方法であって、
熱風の吹き付け終了直後の該ネットの表面温度を、該熱伸長性繊維における低融点樹脂の融点以下とする不織布の製造方法を提供するものである。
本発明の不織布は、液に濡れると厚みが減少して該液を効率良く透過させることができ、かつ液の透過後には該液を表面に残しにくいものである。
図1(a)は、本発明の不織布の一実施形態を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す不織布の縦断面の要部拡大図である。 図2(a)ないし(d)は、図1に示す不織布の作用効果の説明図である。 図3は、図1に示す不織布の製造に好適に用いられる装置を示す模式図である。 図4は、熱風吹き付け部を、エンボスウエブの搬送方向からみた模式図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1(a)には、本発明の不織布の一実施形態の斜視図が示されている。また図1(b)には、図1(a)に示す不織布の縦断面の要部拡大図が示されている。本実施形態の不織布10は、単層構造をしている。不織布10はその一面(図1(a)における裏面10a)がほぼ平坦となっており、他面(図1(a)における表面10b)が多数の凸部19及び凹部18を有する凹凸形状となっている。つまり立体賦形されたものである。凹部18は、不織布10の構成繊維が圧密化され接合されて形成された接合部を含んでいる。接合部の形成手段としては、例えば熱を伴うエンボス加工などが挙げられる。一方、凸部19は非接合部となっている。凹部18の厚みは凸部19の厚みよりも小さくなっている。凸部19は、不織布10の表面側(図1(b)における上面側)に向けて***した形状になっている。凸部19内は、不織布10の構成繊維で満たされている。凸部19においては、不織布10の構成繊維が、それらの交点において融着している。凸部19において熱伸長性繊維どうしが熱融着していることで、不織布10の表面における毛羽立ちが起こりにくくなる。繊維どうしが熱融着しているか否かは、不織布10を走査型電子顕微鏡観察することで判断する。
凹部18は、互いに平行に一方向へ延びる第1の線状部18aを有している。また凹部18は、第1の線状部と交差するように、互いに平行に一方向へ延びる第2の線状部18bを有している。両線状部18a,18bが交差することで、閉じた形状の菱形部が形成される。この菱形部が凸部19となっている。つまり凸部19は、連続した閉じた形状の凹部18によって取り囲まれて形成されている。
不織布10における凹部18と凸部19との面積比は、エンボス化率(エンボス面積率、すなわち不織布10全体に対する凹部18の面積の合計の比率)で表され、不織布10の嵩高感や強度に影響を与える。これらの観点から、不織布10におけるエンボス化率は、5〜35%、特に10〜25%であることが好ましい。前述のエンボス化率は、以下の方法によって測定される。まず、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−900)を用いて不織布10表面の拡大写真を得、この不織布表面の拡大写真にスケールを合わせ、凹部18(すなわちエンボス部分)の寸法を測定し、測定部位の全体面積Qにおける、凹部18の面積の合計Pを算出する。エンボス化率は、計算式(P/Q)×100によって算出することができる。
不織布10は、その構成繊維として、加熱によってその長さが伸びる繊維である熱伸長性繊維を含んでいる。熱伸長性繊維としては、例えば加熱により樹脂の結晶状態が変化して伸びる繊維が挙げられる。各々の熱伸長性繊維は、不織布10中において、加熱によって伸長した状態、及び/又は、加熱によって伸長可能な状態で存在している。つまり、不織布10中には、加熱によって伸長した状態の熱伸長性繊維が含まれているか、加熱によって伸長可能な状態の熱伸長性繊維が含まれているか、又はそれら両方の繊維が含まれている。熱伸長性繊維の詳細については後述する。
不織布10の各凸部19においては、これを構成する熱伸長性繊維が、それらの交点において融着している。不織布10は、この融着の強度に特徴の一つを有する。詳細には、融着の強度が、凸部19の下部よりも上部の方が高くなっている。凸部19における熱伸長性繊維どうしの融着強度がこのようになっていることで、不織布10は、液に濡れると厚みが減少して該液を効率良く透過させることができるようになるという有利な効果を奏する。これとともに、不織布10は、液の透過後には該液を表面に残しにくくなるという有利な効果も奏する。この理由は、融着の強度の違いに起因して、不織布10が液で濡れたときの変形量に差が生じるからである。このことを、図2(a)ないし(d)を参照しながら詳細に説明する。
図2(a)に示すように、不織布10を、該不織布10における凸部及び凹部を有する面が着用者の肌に臨むように吸収体7の上に配し、生理用ナプキン等の吸収性物品の表面シートとして用いた場合、着用者の肌側に向けられる面側に経血等の液12が***され、不織布10が液12で濡れる(又は浸される)と、図2(b)に示すように、液12の表面張力が不織布10の肌面側の表面に作用する。表面張力は液12の表面で内向きに働くので、この状態では、不織布10の厚みを減らそうと作用する。この場合、凸部19における融着の強度が低い部位である下部は、融着の強度が高い部位である上部に比べて熱伸長性繊維が変形しやすいことに起因して、この力の影響を受けやすい。その結果、凸部19においては、その下部に向かうほど熱伸長性繊維の変形の程度が大きくなり、繊維間距離が詰まってきて繊維密度が高くなる。つまり、液12を受容する前に比べ、凸部19は、その下部に向かうほど繊維密度が高くなる。
ところで、毛管の片端面に、ある大きさで圧力が加わったとき、もう片方の端面に作用する圧力は、毛管の長さが小さいほど、つまり図2においては不織布10の厚みが小さいほど、元の圧力に近い(損失が少ない)。この原理によって、不織布10の厚みが小さくなっていることにより、吸収体7からの液を引きこもうとする力があまり減じられることなく、その力が不織布10の肌面側の表面に作用し、吸収体7の強い毛管力が不織布10の厚み方向の全体あるいは広い範囲において効率良く働くようになる。また繊維間距離が狭くなることによって、不織布10自体の毛管力が大きくなる効果もある。これらの結果、図2(c)及び図2(d)に示すように、液12が不織布10をスムーズに透過して吸収体7へと吸収される。
これらの厚みや繊維間距離の減少は、液12が通過するときの一時的なものである。液12が吸収体7に移行していくに従い、不織布10の表面に作用する液12の量が少なくなるので、液12の表面張力が不織布10に及ぼす力は減っていく。その結果、図2(d)に示すように、不織布10の厚みが復元する。不織布10の表面において液12がなくなるに従い、不織布10の厚みが復元するので、液12を不織布10にほとんど残すことなく、その厚みが復元する。液12が通過した後の不織布10は、元の厚みにほぼ戻っている。その結果、液12が、吸収体7から不織布10の表面に逆戻りする現象も生じにくい。
上述した有利な効果を一層顕著なものとする観点から、凸部19における熱伸長性繊維どうしの融着の強度は、凸部19の上部から下部に向けて徐々に低くなっていることが好ましい。例えば図1(b)に示す凸部19の頂部P1、中腹部P2、凹部近傍部P3及び裏面10aにおける凸部対応部位Bに位置する熱伸長性繊維どうしの融着の強度は、P1からP3に向けて漸次低くなり、更にP3からBに向けて漸次低くなることが好ましい。熱伸長性繊維どうしの融着の強度をこのようにコントロールするためには、例えば後述する製造方法に従い不織布10を製造すればよい。
不織布10の凸部19における熱伸長性繊維どうしの融着の強度は、次の方法で測定される。ウレタンフォーム(ブリジストン(株)製ウレタンフォーム モルトンMF30、厚さ5mm)で表面を覆った金属製の円盤(直径70mm、300g)を、回転軸に取り付ける。取り付け位置は、円盤中心が回転軸中心から半径20mmずれた位置で回転する位置とする。不織布の下面に、前記と同じウレタンフォームを敷く。次いで不織布の測定面を水平で上面にして台上に固定する。不織布の上に前記円盤を載せる。このとき、不織布に加わる荷重は円盤の自重のみとする。この状態下、回転軸を回転させて、円盤を不織布上で周動させる。周動は時計回りに2回転、反時計回りに2回転を1セットとして行う。このときの周動速度は1周動あたり3秒とする。この周動を10セットの行った後、円盤を覆っているウレタンフォームの表面に付着した毛羽抜けした繊維を集め、繊維の本数を測定する。毛羽抜けした繊維の本数が多いほど、融着の強度が低いことを示す。この方法に従い、凸部の上部P1及び下部である裏面10aにおける凸部対応部位Bについてそれぞれ測定面として(つまり不織布10の表面10b側及び裏面側10aを測定面)、凸部の上部及び下部の毛羽抜け本数についてそれぞれ測定を行う。凸部上部の毛羽抜け本数をa、凸部下部の毛羽抜け本数をbとすると、融着強度の勾配比は、計算式a/bで表される。この比が1より小さければ、凸部上部の方が凸部下部よりも融着強度が高いことを示す。
液の透過性の一層の向上及び液の逆戻りの一層の防止の観点から、凸部19を構成する熱伸長性繊維は、親水性の程度が、凸部19の下部よりも上部の方が低くなっていることが好ましい。親水性の程度がこのようになっていることで、凸部19の上部から下部へ向けて親水性の程度が高くなる勾配が形成される。この勾配が駆動力となって、液は凸部の上部から下部へ向けて引き込まれやすくなり、液の透過性が向上する。一旦液が透過すると、この勾配が、液の逆戻りに対する障壁となるので、液の逆戻りの防止効果が顕著になる。例えば図1(b)に示す凸部19の頂部P1、中腹部P2、凹部近傍部P3及び裏面10aにおける凸部対応部位Bに位置する親水性の程度は、P1からP3に向けて漸次高くなり、更にP3からBに向けて漸次高くなることが好ましい。親水性の程度をこのようにコントロールするためには、例えば熱伸長性繊維に親水化剤を付着させたうえで、後述する製造方法に従い不織布10を製造すればよい。
親水化剤の付着は、繊維の表面に親水化剤を施す方法や、繊維を構成する樹脂に親水化剤を予め練り込んでおき、その樹脂を用いて紡糸を行う方法で達成される。親水化剤は繊維の表面の親水度を、親水化剤を付着させる前に比して高めるものである。親水化剤の付着量は、親水度を高める観点から、熱伸長性繊維の重量に対して0.1〜0.6重量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5重量%である。親水化剤としては、当該技術分野において用いられているものと同様のものを用いることができる。そのような親水化剤としては、各種の界面活性剤が典型的なものとして挙げられる。
界面活性剤としては、陰イオン、陽イオン、両性イオン及び非イオンの界面活性剤等を用いることができる。陰イオン界面活性剤の例としては、アルキルホスフェート塩、アルキルエーテルホスフェート塩、ジアルキルホスフェート塩、ジアルキルスルホサクシネート塩、アルキルベンゼンスルホネート塩、アルキルスルホネート塩、アルキルサルフェート塩、セカンダリーアルキルサルフェート塩等が挙げられる(前記いずれのアルキルも炭素数6〜22が好ましい。)。アルカリ金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。陽イオン界面活性剤の例としては、アルキル(又はアルケニル)トリメチルアンモニウムハライド、ジアルキル(又はアルケニル)ジメチルアンモニウムハライド、アルキル(又はアルケニル)ピリジニウムハライド等が挙げられ、これらの化合物は、炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましい。前記のハライド化合物におけるハロゲンとしては、塩素、臭素等が挙げられる。両性イオン界面活性剤の例としては、アルキル(炭素数1〜30)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数1〜30)アミドアルキル(炭素数1〜4)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数1〜30)ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜30)ベタイン、スルフォベタイン型両性界面活性剤等のベタイン型両性イオン界面活性剤や、アラニン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノプロピオン酸型、アルキル(炭素数1〜30)イミノジプロピオン酸型等]両性イオン界面活性剤、グリシン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノ酢酸型等]両性イオン界面活性剤などのアミノ酸型両性イオン界面活性剤、アルキル(炭素数1〜30)タウリン型などのアミノスルホン酸型両性イオン界面活性剤が挙げられる。非イオン界面活性剤の例としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ(好ましくはn=2〜10)グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル(いずれも好ましくは脂肪酸の炭素数8〜22)及び上記多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物(好ましくは付加モル数2〜20モル)、ポリオキシアルキレン(付加モル数2〜20)アルキル(炭素数8〜22)アミド、ポリオキシアルキレン(付加モル数2〜20)アルキル(炭素数8〜22)エーテル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。特に、所望の親水性を得るための好ましい界面活性剤、又は界面活性剤の組み合わせとしては、アルキルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミド及びアルキルベタイン、アルキルホスフェートカリウム塩及びアルキルスルホネートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン及びポリグリセリンモノアルキレート、ポリオキシエチレンアルキルアミド及びステアリルリン酸エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミド及びポリグリセリンモノアルキレート、アルキルスルホネートナトリウム塩及びステアリルリン酸エステルカリウム塩、アルキルエーテルホスフェートカリウム塩及びポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド及びジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーン及びジアルキルスルホサクシネート、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、ソルビタン脂肪酸エステル及びジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミド及びポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド及びソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン及びソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーン及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーン及びポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーン及びソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、等が挙げられる。これら好ましい界面活性剤及び好ましい界面活性剤の組み合わせは、これらの界面活性剤が含まれていればよく、更に他の界面活性剤等が含まれていてもよい。
親水性の程度は、熱伸長性繊維に対する水の接触角を測定することで評価できる。接触角の値が小さいほど、親水性が高いと評価する。接触角は次の方法で測定される。測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角測定には蒸留水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25)から吐出される液量を20ピコリットルに設定して、水滴を、繊維の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析や画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msec毎に、画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維のなす角を算出し、接触角とする。なお、測定用サンプル(不織布から取り出して得られる繊維)は図1(b)に示す凸部の上部P1、及び裏面10aにおける凸部対応部位Bに位置する繊維を最表層から繊維長1mmで裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持し、該繊維1本につき異なる2箇所の位置で接触角を測定する。上述の各部位において、N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を各々の部位での接触角と定義する。凸部の上部P1の接触角をα、裏面10aにおける凸部対応部位Bの接触角をβとしたとき、α/βで表される親水勾配比が、1より大きければ、凸部の上部の方が凸部の下部よりも親水性が低いことを示す。
凸部19においては、その下部よりも上部の方が、繊維密度が低くなっていることが、液の透過性の一層の向上及び液の逆戻りの一層の防止の観点から好ましい。繊維密度にこのような勾配が形成されていることで、凸部19の上部から下部へ向けて毛管力が高くなる勾配が形成される。この毛管力勾配が駆動力となって、液は凸部の上部から下部へ向けて引き込まれやすくなり、液の透過性が向上する。一旦液が透過すると、この毛管力勾配が、液の逆戻りに対する障壁となるので、液の逆戻りの防止効果が顕著になる。不織布10にこのような毛管力勾配を設けるには、例えば後述する製造方法に従い不織布10を製造すればよい。
繊維密度は次の方法で測定する。不織布10を、凸部の頂点を含み、MD方向(機械の流れ方向)と平行に1mmを超える長さで、かつCD方向(前記MD方向と直交する方向)の幅が0.5〜1.0mmになるようにカットする。このカットした不織布のMD方向の断面を上にして黒色の台に載せて、MD方向に沿う断面の拡大写真を、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−900)を用いて得る。この拡大写真のデータ(jpeg)を、画像解析ソフト(NexusNewQube)を用いて画像解析処理を行う。具体的には、厚み方向は等分(凸部上部側と凸部下部側)、MD方向は1mmの範囲について二値化処理を行い、凸部上部側と凸部下部側について繊維が空間を占める面積率(%)を求める。このそれぞれの面積率を、凸部上部側の繊維密度比X、凸部下部側の繊維密度比Yとし、計算式Y/Xで算出される値を繊維密度勾配比とする。これを不織布の10箇所について行い、平均を求める。この繊維密度勾配比が1よりも大きければ、凸部上部の繊維密度が低く、凸部下部の繊維密度が高いことを示す。
不織布10は、これを例えば吸収性物品の表面シートとして用いる場合には、その坪量が10〜80g/m2、特に15〜60g/m2であることが好ましい。同様の用途に用いる場合、不織布10における凸部19の厚みは、0.5〜3mm、特に0.7〜3mmであることが好ましい。一方、凹部18の厚みは0.01〜0.4、特に0.02〜0.2mmであることが好ましい。凸部19及び凹部18の厚みは、不織布10の縦断面を観察することによって測定される。まず、不織布10を100mm×100mmの大きさに裁断し測定片を採取する。その測定片の上に12.5g(直径56.4mm)のプレートを載置し、49Pa圧力下での不織布の厚みをマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−900)で計測し、凸部19及び凹部18の厚みとする。
不織布10は熱伸長性繊維を含むものである。特に好ましく用いられる熱伸長性繊維は、高融点樹脂からなる第1樹脂成分と、該第1樹脂成分の融点より低い融点又は軟化点を有する低融点樹脂からなる第2樹脂成分とを含み、第2樹脂成分が繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して存在している複合繊維(以下、この繊維を「熱伸長性複合繊維」という)である。熱伸長性複合繊維における第1樹脂成分は該繊維の熱伸長性を発現する成分であり、第2樹脂成分は熱融着性を発現する成分である。熱伸長性複合繊維は一般に二成分系であるが、三成分以上の多成分系であってもよい。
熱伸長性複合繊維は、第1樹脂成分の融点よりも低い温度において熱によって伸長可能になっている。そして熱伸長性複合繊維は、第2樹脂成分の融点より10℃高い温度、融点をもたない樹脂の場合は軟化点より10℃高い温度での熱伸長率が0.5〜20%、特に3〜20%、とりわけ5〜20%であることが好ましい。このような熱伸長率の繊維を含む不織布10は、該繊維の伸長によって嵩高くなり、あるいは立体的な外観を呈する。例えば不織布10の表面の凹凸形状が顕著なものになる。
第1樹脂成分及び第2樹脂成分の融点は、示差走査型熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製DSC6200)を用いて測定する。細かく裁断した繊維試料(サンプル重量2mg)の熱分析を昇温速度10℃/minで行い、各樹脂の融解ピーク温度を測定する。融点は、その融解ピーク温度で定義される。第2樹脂成分の融点がこの方法で明確に測定できない場合、この樹脂を「融点を持たない樹脂」と定義する。この場合、第2樹脂成分の分子の流動が始まる温度として、繊維の融着点強度が計測できる程度に第2樹脂成分が融着する温度を軟化点とする。
〔繊維の熱伸長率〕
繊維の熱伸長率は次の方法で測定される。セイコーインスツルメンツ(株)製の熱機械的分析装置TMA/SS6000を用いる。試料としては、繊維長さが10mm以上の繊維を繊維長さ10mmあたりの合計重量が0.5mgとなるように複数本採取したものを用意し、その複数本の繊維を平行に並べた後、チャック間距離10mmで装置に装着する。測定開始温度を25℃とし、0.73mN/dtexの一定荷重を負荷した状態で5℃/minの昇温速度で昇温させる。その際の繊維の伸び量を測定し、第2樹脂成分の融点より10℃高い温度、融点をもたない樹脂の場合は軟化点より10℃高い温度での伸び量Cmmを読み取る。繊維の熱伸長率は、(C/10)×100[%]から算出する。熱伸長率を前記の温度で測定する理由は、後述するように、繊維の交点を熱融着させて不織布10を製造する場合には、第2樹脂成分の融点又は軟化点以上で、かつそれらより10℃程度高い温度までの範囲で製造するのが通常だからである。
不織布から繊維を取り出して繊維の熱伸長性を判断する場合は、以下の方法を用いる。まず、不織布の図1(b)に示す各部位に位置する繊維をそれぞれ5本採取する。採取する繊維の長さは1mm以上5mm以下とする。採取した繊維をプレパラートに挟み、挟んだ繊維の全長を測定する。測定には、KEYENCE製のマイクロスコープVHX−900、レンズVH−Z20Rを用いた。測定は50〜100倍の倍率で前記繊維を観察し、その観察像に対して装置に組み込まれた計測ツールを用いて行った。前記、測定で得られた長さを「不織布から採取した繊維の全長」Yとする。全長を測定した繊維を、エスアイアイナノテクノロジー株式会社製のDSC6200用の試料容器(品名:ロボット用容器52−023P、15μL、アルミ製)に入れる。前記繊維の入った容器を、予め第1樹脂成分の融点より10℃低い温度にセットされたDSC6200の加熱炉中の試料置き場に置く。DSC6200の試料置き場直下に設置された熱電対で測定された温度(計測ソフトウェア中の表示名:試料温度)が第1樹脂成分の融点より10℃低い温度±1℃の範囲になってから、60sec間加熱し、その後素早く取り出す。加熱処理後の繊維をDSCの試料容器から取り出しプレパラートに挟み、挟んだ繊維の全長を測定する。測定には、KEYENCE製のマイクロスコープVHX−900、レンズVH−Z20Rを用いた。測定は50〜100倍の倍率で前記繊維を観察し、その観察像に対して装置に組み込まれた計測ツールを用いて行った。前記、測定で得られた長さを「加熱処理後の繊維の全長」Zとする。熱伸長率(%)は以下の式から算出する。
熱伸長率(%)=(Z−Y)÷Y×100 [%]
これを不織布から取り出した繊維の熱伸長率と定義する。この熱伸長率が0より大きい場合、繊維が熱伸長性繊維であると判断できる。
第1樹脂成分及び第2樹脂成分の種類に特に制限はなく、繊維形成能のある樹脂であればよい。特に、両樹脂成分の融点差、又は第1樹脂成分の融点と第2樹脂成分の軟化点との差が20℃以上、特に25℃以上であることが、熱融着による不織布10の製造を容易に行い得る点から好ましい。熱伸長性複合繊維が芯鞘型である場合には、鞘成分の融点又は軟化点よりも芯成分の融点の方が高い樹脂を用いる。特にポリプロピレン(PP)又はポリエチレンテレフタレート(PET)を芯とし、これらよりも融点の低い樹脂を鞘とする芯鞘型の熱伸長性複合繊維を用いることが好ましい。第1樹脂成分と第2樹脂成分との好ましい組み合わせとしては、第1樹脂成分をPPとした場合の第2樹脂成分としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、ポリスチレンなどが挙げられる。また、第1樹脂成分としてPET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂を用いた場合は、第2樹脂成分として、前述した第2樹脂成分の例に加え、PP、共重合ポリエステルなどが挙げられる。更に、第1樹脂成分としては、ポリアミド系重合体や前述した第1樹脂成分の2種以上の共重合体も挙げられ、また第2樹脂成分としては前述した第2樹脂成分の2種以上の共重合体なども挙げられる。これらは適宜組み合わされる。
熱伸長性複合繊維の繊維長は、不織布10の製造方法に応じて適切な長さのものが用いられる。不織布10を例えば後述するようにカード法で製造する場合には、繊維長を30〜70mm程度とすることが好ましい。次に述べる熱融着性複合繊維の繊維長についても同様である。
熱伸長性複合繊維の繊維径は、不織布10の具体的な用途に応じ適切に選択される。不織布10を吸収性物品の表面シート等の吸収性物品の構成部材として用いる場合には、10〜35μm、特に15〜30μmのものを用いることが好ましい。次に述べる熱融着性複合繊維の繊維径についても同様である。なお熱伸長性複合繊維は、伸長によってその繊維径が小さくなるところ、前記の繊維径とは、不織布10を実際に使用するときの繊維径のことである。
熱伸長性繊維としては、例えば特許第4131852号公報、特開2005−350836号公報、特開2007−303035号公報、特開2007−204899号公報、特開2007−204901号公報及び特開2007−204902号公報、特開2008−101285号公報等に記載の繊維を用いることができる。
不織布10は、熱伸長性繊維のみから構成されていてもよく、あるいは熱伸長性繊維に加えて他の繊維、例えば融点の異なる2成分を含み、かつ延伸処理されてなる実質的に加熱によってその長さが伸びない非熱伸長性の芯鞘型熱融着性複合繊維を含んで構成されていてもよい。また、本来的に熱融着性を有さない繊維(例えばコットンやパルプ等の天然繊維、レーヨンやアセテート繊維など)を付加的に含んでいてもよい。不織布10が熱伸長性繊維に加えて他の繊維も含んで構成されている場合、該不織布10における熱伸長性繊維の割合は30重量%以上、特に50重量%以上であることが好ましく、他の繊維の割合は70重量%以下、特に50重量%以下であることが好ましい。
次に、不織布10の好適な製造方法について図3を参照しながら説明する。図3に示す装置20は、ウエブ製造部30、エンボス加工部40、熱風吹き付け部50を備えている。ウエブ製造部30においては、不織布10の原料となる繊維(つまり伸長する前の状態の熱伸長性複合繊維)を用いてウエブ10aが製造される。ウエブ10aは、第1の面101及びこれと反対側に位置する第2の面102を有している。第1の面101は、後述するエンボス加工部40において、フラットロール42と当接する面であり、かつ後述する熱風吹き付け部50において、通気性ネットからなるコンベアベルト52に対向する面である。第2の面102は、エンボス加工部40において、パターンロール41と当接する面であり、かつ熱風吹き付け部50において、熱風が吹き付けられる面である。
ウエブ製造部30としては例えば、図示するようなカード機31を用いることができる。不織布10の具体的な用途に応じ、カード機31に代えて、他のウエブ製造装置、例えばエアレイド装置を用いることもできる。カード機31によって製造されたウエブ10aは、その構成繊維どうしが緩く絡合した状態にあり、シートとしての保形性を獲得するにはいたっていない。そこでウエブ10aに、シートとしての保形性を付与するために、該ウエブ10aをエンボス加工部40において処理し、エンボスウエブ10bを形成する。
エンボス加工部40は、ウエブ10aを挟んで対向配置された一対のロール41,42を備えている。ロール41はその周面に多数の凹凸が形成された金属製のパターンロールからなる。このパターンロールにおける凹凸のパターンは、不織布10の具体的な用途に応じ適切に選択することができる。例えば図1に示す菱形格子状のエンボスパターンを形成する場合には、その菱形格子に対応した形状の凸部を、ロール41の周面に形成すればよい。また、ドット状のエンボスパターン(図示せず)を不織布10に形成したい場合には、そのドットに対応した形状の凸部を、ロール41の周面に形成すればよい。一方、ロール42はその周面が平滑なフラットロールからなる。ロール42は金属製、ゴム製、紙製等である。
エンボス加工部40においては、ウエブ10aを両ロール41,42で挟圧してエンボス加工を行う。具体的には、熱を伴う圧密化によって、ウエブ10aの構成繊維である熱伸長性繊維を圧密化して、該ウエブ10aに多数のエンボス部を形成し、エンボスウエブ10bを製造する。本製造方法においてはロール41及びロール42は加熱可能な構造になっており、エンボス加工部40の動作時には、少なくともパターンロール41は所定温度に加熱されている。フラットロール42は、加熱されていてもよく、あるいは加熱されていなくてもよい。
エンボス加工部40においては、ウエブ10aの面のうち第2の面102が当接するロールであるパターンロール41を加熱しておき、その温度を、熱伸長性繊維における第2樹脂成分の融点以上に保持しておく。これとともに、ウエブ10aの面のうち第1の面101が当接するロールであるフラットロール42の温度を、熱伸長性繊維における第2樹脂成分の融点未満に保持しておく。フラットロール42に関しては、これを加熱しない状態で用いて、その温度を第2樹脂成分の融点未満に保持してもよく、あるいは第2樹脂成分の融点以上の温度にならない限度において、これを加熱した状態で用いてもよい。両ロール41,42の温度をこのように設定することで、保形性がしっかり付与されたエンボスウェブ10bが得られる。
しっかりした保形性を付与させ、高い強度を発現させ、また柔軟な肌触りを付与する観点から、パターンロール41の加熱温度は、第2樹脂成分の融点をMp(℃)とすると、Mp以上が好ましく、Mp以上Mp+20℃以下であることが更に好ましい。一方、フラットロール42に関しては、該ロール42の温度を常温からMp以下に保持することが好ましく、Mp−20℃以上Mp−5℃以下に保持することが更に好ましい。エンボス加工部をこれらの温度範囲に設定することによって、熱伸長性繊維に実質的な伸長が発現しないようになる。「実質的に発現しない」とは、意図的に熱伸長繊維を伸長させることを排除し、エンボス加工部40における温度の振れ等に起因して不可避的に熱伸長性繊維が僅かに伸長することを許容する趣旨である。
エンボス加工部40よる処理で保形性が付与されたエンボスウエブ10bは、次いで熱風吹き付け部50に搬送される。エンボスウエブ10bを、エンボス加工部40から熱風吹き付け部50に搬送するときには、エンボス加工部40におけるパターンロール及びフラットロールの周速v1に対する、熱風吹き付け部50のコンベアベルト52の周回速度v2の増速比((v2−v1)/v1×100)を、8%以下、特に6%以下に抑えることが好ましい。通常のエンボス加工では、各ロールの加熱温度が比較的高いので、それに起因してエンボスウエブ10bがロールの周面にはり付きやすく、特にフラットロール42側にはり付きやすい。その場合には増速比を高くして、エンボスウエブ10bを強制的にロールの周面から剥がすことが必要である。しかし、増速比を高くすることは、エンボスウエブ10bに過度のテンションが加わることにつながるので、その結果、不織布10を嵩高にしづらくなるという不都合が生じる。これに対して、本製造方法においては、上述のとおり、ロールの加熱温度が比較的低いので、特にフラットロール42の温度が低いので、増速比を低くしても、エンボスウエブ10bはロールの周面から容易に引き剥がされる。その結果、エンボスウエブ10bに過度のテンションが加わらず、不織布10を嵩高にすることができる。
熱風吹き付け部50は、フード51を備えている。エンボスウエブ10bは、このフード51内を通過する。また、熱風吹き付け部50は、通気性ネットからなるコンベアベルト52を備えている。コンベアベルト52は、フード51内を周回している。エンボスウエブ10bはコンベアベルト52上に載置されて熱風吹き付け部50内を搬送される。コンベアベルト52は、金属やポリエチレンテレフタレート等の樹脂から形成されている。
図4には、熱風吹き付け部50を、エンボスウエブ10bの搬送方向からみた構造が示されている。コンベアベルト52及びこれに載置されているエンボスウエブ10bは、図4中、紙面と直交する方向に移動する。フード51内は仕切り板53によって左右の空間に仕切られている。左右の空間は上下部において連通している。左右の空間のうち一方の空間においては、コンベアベルト52及びエンボスウエブ10bが通過する。コンベアベルト52の下側には、該コンベアベルト52と平行に板状のエアフィルタ54が設置されている。エンボスウエブ10bの上側にもエアフィルタ54が設置されている。他方の空間には熱交換器55及び循環ファン56が設置されている。熱交換器55は、フード51内の空気を加熱するために用いられる。熱交換器55を動作させて、循環ファン56を運転すると、フード51内の空気は加熱され、エアフィルタ54を通過しながら、図4中矢印で示す方向に循環する。その結果、熱風が、エンボスウエブ10bの面のうち、第2の面102側から吹き付けられる。
エンボスウエブ10bへの熱風の吹き付けによって、熱伸長性繊維を伸長させる。この場合、エンボスウエブ10bにおけるエンボス部に位置する繊維は圧密化されているので、熱風が吹き付けられても伸長は生じない。伸長は、エンボス部以外の部分に存する熱伸長性繊維について生じる。つまり熱伸長性繊維が伸長するのは、エンボス部間の部分である。そして、熱伸長性繊維はその一部がエンボス部によって固定されていることによって、伸長した熱伸長性繊維の伸び分は、エンボスウエブ10bの平面方向への行き場を失い、該エンボスウエブ10bの厚み方向へ移動する。これによって、エンボス部間に凸部19が形成され、エンボスウエブ10bは嵩高になる。また、多数の凸部19が形成された立体的な外観を有するようになる。そしてエンボス部は凹部18となる。
熱風の吹き付けにおいては、熱伸長性繊維を伸長させるのと同時に、熱伸長性繊維どうしの交点を融着する。この融着においては、熱風の吹き付け面である第2の面102側に近い位置に存在する繊維ほど、熱伸長性繊維どうしの融着の強度を高めるようにする。逆に、エンボスウエブ10bの面のうち、コンベアベルト52と対向する面である第1の面101側に近い位置に存在する繊維ほど、熱伸長性繊維どうしの融着の強度が低くなるようにする。この目的のために、コンベアベルト52のうち、熱風が吹き付けられている部位の表面温度を、熱伸長性繊維における第2樹脂成分の融点以下とすることが好ましい。これによって、エンボスウエブ10bの第1の面101側に位置する熱伸長性繊維の温度上昇が抑制されて、熱伸長性繊維どうしの融着が起こりづらくなる。
ところで、コンベアベルト52のうち、熱風が吹き付けられている部位の表面温度を直接測定することは技術的にみて非常に難しい。そこで、本製造方法においては、代替の指標として、熱風の吹き付け終了直後のコンベアベルト52の表面温度を測定し(この表面温度の測定は容易である。)、その温度が熱伸長性繊維における第2樹脂成分の融点以下になるように、コンベアベルト52の表面温度を制御している。具体的には図3において、コンベアベルト52がフード51から出てきた位置において、コンベアベルト52の表面温度を測定する。この位置でのコンベアベルト52の表面温度が第2樹脂成分の融点以下であれば、熱風が吹き付けられている部位(つまりフード51内)のコンベアベルト52の表面温度も、第2樹脂成分の融点以下であると合理的に考えられるからである。
熱風の吹き付け終了直後のコンベアベルト52の表面温度は、第2樹脂成分の融点をMp(℃)とすると、Mp−20℃以上Mp以下が好ましく、Mp−10℃以上Mp以下であることが好ましい。コンベアベルト52の表面温度は、例えば接触式温度計ANRITSU DIGITAL THERMOMETER LC−1 センサー221K(移動表面用)によって測定される。
コンベアベルト52の表面温度を上述の範囲とするためには、例えばコンベアベルト52に熱風が吹き付けられる前に該コンベアベルト52を冷却して、該コンベアベルト52の表面温度を、第2樹脂成分の融点以下にする方法が挙げられる。冷却には例えば図3に示すように、コンベアベルト52がフード51内に入る直前の位置において、該コンベアベルト52にクーリングロール57を当接させればよい。クーリングロール57は、その内部に冷却液が流通しており、周面の温度が低く設定されている。したがって、クーリングロール57がコンベアベルト52に当接することで、該コンベアベルト52は冷却され、表面温度が低くなった状態でフード51内に入る。コンベアベルト52の冷却には、クーリングロール57に代えて、又はそれに加えて冷風の吹き付け等を採用することもできる。
熱風の吹き付け面である第2の面102側に近い位置に存在する繊維ほど、熱伸長性繊維どうしの融着の強度を高めるようにするためには、吹き付ける熱風を低風速にすることも有効である。この観点から、コンベアベルト52の上部10cmの位置(図4中、Aで示す位置)と、下部10cmの位置(図4中、Bで示す位置)の差圧が、0.4〜5Pa、特に0.4〜3.5Paとなるような風速で熱風を吹き付けることが好ましい。ここでいう風速とは、実際に第2の面102側の繊維に吹き付けられ、第1の面101側に通り抜けていく風速をいう。好ましい風速は0.4m/sec未満の超微風であり、これを風速計で直接計測することは困難である。そこで、この超微風を計測、規定する代わりに前記差圧を用いて表現することにした。なお、Aで示す位置の圧力は陰圧を示し、Bで示す位置の圧力はAの位置より大きな陰圧を示す。なお、原理的には、エンボスウエブ10bのすぐ近くの位置での圧力を測定して差圧を求めるべきである。しかし現実的にはそのような測定は技術的にみて非常に難しいことから、本製造方法においては、上下に10cm離れた位置において圧力を測定したものである。
吹き付ける熱風の温度は、熱伸長性繊維における第2樹脂成分の融点以上の温度とする。ここで言う温度とは、エンボスウエブ10bの表面における熱風の温度のことである。しかし現実的には、その位置での熱風温度の測定は技術的にみて非常に難しいことから、本製造方法においては、エンボスウエブ10bから上に10cm離れた位置において熱風の温度を測定し、その温度が第2樹脂成分の融点以上の温度であれば、エンボスウエブ10bの表面における熱風の温度も、第2樹脂成分の融点以上の温度であるとみなしている。
エンボスウエブ10bから上に10cm離れた位置における熱風の温度は、第2樹脂成分の融点をMp(℃)とすると、Mp以上Mp+50℃以下が好ましく、Mp以上Mp+30℃以下であることが好ましい。熱風の温度は、例えば熱電対によって測定される。
熱風の吹き付け時間は、熱風の温度及び差圧が上述した範囲内であることを条件として、1〜20秒、特に3〜15秒であることが好ましい。
前記の各吹き付け条件を採用することで、第2の面102側に近い位置に存在する繊維ほど、熱伸長性繊維どうしの融着の強度が高くなる。また、第2の面102側に近い位置に存在する繊維ほど、熱伸長性繊維の伸長の程度が大きくなる。つまり第2の面102側に近い位置に存在する繊維ほど、繊維間距離が大きくなる。逆に言えば、第1の面101側に近い位置に存在する繊維ほど、繊維間距離が小さくなる。その結果、得られた不織布10における凸部19においては、その下部から上部に向けて、繊維密度が徐々に低くなる。
予め親水化剤が付着している熱伸長性繊維を含むエンボスウエブ10bに対して熱風の吹き付けを行い、該熱伸長性繊維を伸長させる場合には、伸長の大きい部位ほど親水性が低下することが、本発明者らの検討の結果判明した。したがって本製造方法においては、熱風の吹き付け面である第2の面102側に位置する熱伸長性繊維ほど伸長の度合いが大きくなり、親水性の低下が大きくなる。熱風の吹き付け面は、不織布10における凸部19及び凹部18が形成される面なので、得られた不織布10について言えば、凸部19の上部に向かうほど親水性の低下が大きくなる。逆に言えば、凸部19の下部に向かうほど親水性が高くなる。したがって、凸部19において、その頂部P1から不織布10の裏面10a側に向けて、つまり図1(b)においてP1からP3に向けて、かつP3からBに向けて、該熱伸長性繊維の親水性が漸次高くなる。
本製造方法における熱風の吹き付けにおいて、すべての熱伸長性繊維が完全に伸長しきるわけではない。したがって、不織布10は、熱伸長性繊維を原料として製造されたものであり、かつ熱伸長性繊維を含むものである。
このようにして得られた不織布10は、吸液時に繊維間の距離が減少して通液性が向上することや、吸液後の乾燥時に液戻りの防止効果が高くなること等の特性を活かして、種々の分野に適用できる。例えば生理用ナプキン、パンティライナー、使い捨ておむつ、失禁パッドなどの、身体から排出される液の吸収に用いられる吸収性物品における各種部材に好適に用いられる。そのような部材としては、例えば表面シート、セカンドシート(表面シートと吸収体との間に配されるシート)、裏面シート、防漏シートなどが挙げられる。また、不織布10は、対人用清拭シート、スキンケア用シートとしても好適に用いられる。更に、対物用のワイパーなどとしても好適に用いられる。特に、不織布10は、身体から排出される液の吸収に用いられる吸収性物品の表面シートとして好適に用いられる。
本発明の不織布の用途の一つである、上述した吸収性物品は、典型的には、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。不織布10を表面シートとして用いた場合の吸収体及び裏面シートとしては、当該技術分野において通常用いられている材料を特に制限なく用いることができる。例えば吸収体としては、パルプ繊維等の繊維材料からなる繊維集合体又はこれに吸収性ポリマーを保持させたものを、ティッシュペーパーや不織布等の被覆シートで被覆してなるものを用いることができる。裏面シートとしては、熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムと不織布とのラミネート等の液透過性ないし撥水性のシートを用いることができる。裏面シートは水蒸気透過性を有していてもよい。吸収性物品は更に、該吸収性物品の具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。そのような部材は当業者に公知である。例えば吸収性物品を使い捨ておむつや生理用ナプキンに適用する場合には、表面シート上の左右両側部に一対又は二対以上の立体ガードを配置することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態における不織布10の凹部は、菱形格子状をなす形状をしていたが、これに代えて散点状に分散配置されたドット状の凹部を採用してもよい。また正方形若しくは長方形の格子状や、亀甲模様をなす形状を採用してもよい。
また前記実施形態においては、エンボス加工部40において、ウエブ10aの第1の面101に当接するようにパターンロール41を配置し、かつ第2の面102に当接するようにフラットロール42を配置したが、これに代えて、ウエブ10aの第1の面101に当接するようにフラットロール42を配置し、かつ第2の面102に当接するようにパターンロール41を配置してもよい。この場合には、フラットロールを、熱伸長性繊維における低融点樹脂の融点以上に保持しておき、かつパターンロールを、熱伸長性繊維における低融点樹脂の融点未満に保持しておく。
また前記実施形態においては、不織布10は単層の構造であったが、これに限られず、不織布10に他の不織布を一層又は二層以上積層一体化した多層構造にしてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1ないし5並びに比較例1及び2〕
図3及び4に示す装置を用い、図1に示す単層の不織布10を製造した。図3に示す装置におけるパターンロール41は、線の幅が0.5mmである菱形格子状の凸部を有するものであった。このエンボスロール14における凸部の面積率は14%であった。熱伸長性複合繊維として、芯がポリプロピレン(融点161℃)で、鞘がポリエチレン(融点126℃)からなる繊度4.2dtex、熱伸長率8%のステープルファイバを用いた。以下の表1に示す条件で製造を行い、不織布を得た。各実施例で得られた不織布においては、熱伸長性複合繊維どうしの交点が融着していた。また、各実施例で得られた不織布に含まれる繊維について、先に述べた方法で熱伸長性の有無を判断したところ、熱伸長性を有していることが確認された。実施例及び比較例で得られた不織布の坪量は、同表に示すとおりであった。実施例及び比較例で得られた不織布について、上述の方法で諸物性を測定した。また、以下の方法で各種の評価を行った。それらの結果を表1に示す。
〔風合い:不織布表面のざらつき感の無さ〕
不織布を平らな台の上に凸部が上になるように置く。10人のモニターを対象として、以下の3段階の判定基準で、手のひらでの触感を評価させた。結果は、10人の平均で示した。
判定基準
3:ざらつきが明確に無い。
2:ざらつきがやや有る。
1:ざらつきが有る。
評価結果
○:判定平均2.5以上、3以下
△:判定平均1.5以上、2.5未満
×:判定平均1以上、1.5未満
〔液残り量〕
市販の生理用ナプキン(花王株式会社製、商品名「ロリエ(登録商標)さらさらクッション ウィング付き」)から、表面シートを取り除いてナプキン吸収体を得る。これとは別に、測定対象の不織布をMD120mm×CD60mmに切断し、切断片を作製する。この切断片を、前記のナプキン吸収体における前記表面シートが存していた箇所(ナプキン吸収体の肌当接面上)に、図1(b)における不織布10の裏面10aが該ナプキン吸収体と対向するように接着剤で接合固定した。これによって、測定対象の不織布を表面シートとして用いた生理用ナプキンを得た。次に、得られた生理用ナプキンの表面上に、直径10mmの円筒状の透過孔を有するアクリル板を重ねて、該ナプキンに100Paの一定荷重を掛ける。斯かる荷重下において、該アクリル板の透過孔から脱繊維馬血3.0gを流し込む。前記馬血を流し込んでから120秒後に更に脱繊維馬血3.0gを流し込む。合計6.0gの馬血を流し込んでから60秒後にアクリル板を取り除く。次いで、該不織布の重量(W2)を測定し、予め測定しておいた、馬血を流し込む前の不織布の重量(W1)との差(W2−W1)を算出する。以上の操作を3回行い、3回の平均値を液残り量(mg)とする。液残り量は、装着者の肌がどの程度濡れるのかの指標となるものであり、液残り量が少ないほど高評価となる。
〔液戻り量〕
前記〔液残り量〕と同様にして、測定対象の不織布をMD120mm×CD60mmに切断し、該不織布を表面シートとして用いた生理用ナプキンを得る。前記ナプキンにおける前記不織布(表面シート)の表面上に、直径10mmの円筒状の透過孔を有するアクリル板を重ねて、該ナプキンに100Paの一定荷重を掛ける。斯かる荷重下において、該アクリル板の透過孔から脱繊維馬血3.0gを流し込む。前記馬血を流し込んでから60秒後に更に脱繊維馬血3.0gを流し込む前記馬血を流し込んでから60秒後にアクリル板を取り除く。次いで、ティッシュペーパーを前記不織布の表面上に重ね、更に、該ティッシュペーパーの上に重石を重ねて、該ナプキンに400Paの荷重を掛ける。重石を重ねてから5秒後に該重石及びティッシュペーパーを取り除き、該ティッシュペーパーの重量(W4)を測定し、予め測定しておいた、前記不織布の表面上に重ねる前のティッシュペーパーの重量(W3)との差(W4−W3)を算出する。以上の操作を3回行い、3回の平均値を液戻り量(mg)とし、液戻り量が少ないほど高評価となる。
Figure 2011127259
表1に示す結果から明らかなように、各実施例で得られた不織布(本発明品)は、液残りの量が少なく、液の透過性が高いことが判る。また、液戻り防止性、風合いに優れていることも判る。
10 不織布
18 凹部
19 凸部
20 製造装置
30 ウエブ製造部
40 エンボス加工部
50 熱風吹き付け部

Claims (9)

  1. 加熱によってその長さが伸びる熱伸長性繊維を含み、一方の面側に多数の凸部及び凹部を有する不織布であって、該凸部を構成する該熱伸長性繊維は、それらの交点において融着しており、融着の強度が、凸部の下部よりも上部の方が高くなっている不織布。
  2. 凸部を構成する熱伸長性繊維は、親水性の程度が、凸部の下部よりも上部の方が低くなっている請求項1記載の不織布。
  3. 凸部においては、該凸部の下部よりも上部の方が、繊維密度が低くなっている請求項1又は2記載の不織布。
  4. 高融点樹脂とこれより融点又は軟化点の低い低融点樹脂とを含む複合繊維からなり、かつ加熱によってその長さが伸びる熱伸長性繊維を含むウエブをエンボス加工して、多数のエンボス部が形成されたエンボスウエブを得、
    周回する通気性ネットを備えた熱風吹き付け部において、該エンボスウエブを該ネット上に載置して搬送しつつ、該エンボスウエブの面のうち、該ネットに対向する面とは反対側の面から該エンボスウエブに向けて、該低融点樹脂の融点以上の温度の熱風を吹き付け、該エンボス部間に位置する該熱伸長性繊維を伸長させて、多数の凸部を形成する不織布の製造方法であって、
    熱風の吹き付け終了直後の該ネットの表面温度を、該熱伸長性繊維における低融点樹脂の融点以下とする不織布の製造方法。
  5. エンボスウエブの上部10cmの位置と、通気性ネットの下部10cmの位置の差圧が0.4〜5Paとなるように、かつエンボスウエブの上部10cmの位置での熱風の温度が熱伸長性繊維における低融点樹脂の融点以上となるように熱風を吹き付ける請求項4記載の製造方法。
  6. 周面に多数の凹凸が形成されたパターンロールと、周面が平滑なフラットロールとを用い、加熱下にウエブを両ロールで挟圧してエンボス加工を行い、
    挟圧においては、該ウエブの面のうち、前記エンボスウエブにおける通気性ネットに対向する面に対応する面を該フラットロールと当接させ、かつ該ウエブの面のうち、前記エンボスウエブにおける通気性ネットに対向する面と反対側の面に対応する面を該パターンロールと当接させ、
    該パターンロールを、熱伸長性繊維における低融点樹脂の融点以上に保持しておき、かつ該フラットロールを、熱伸長性繊維における低融点樹脂の融点未満に保持しておく、請求項4又は5記載の製造方法。
  7. 周回する通気性ネットに熱風が吹き付けられる前に該ネットを冷却して、該ネットの表面温度を、熱伸長性繊維における低融点樹脂の融点以下にする、請求項4ないし6のいずれかに記載の製造方法。
  8. パターンロール及びフラットロールの周速に対する通気性ネットの周回速度の増速比を8%以下にする請求項4ないし7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 表面シートが請求項1記載の不織布からなり、該不織布が、該不織布における凸部及び凹部を有する面が着用者の肌に臨むように配されている吸収性物品。
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