JP2011123344A - 静電潜像現像用トナーと画像形成方法 - Google Patents

静電潜像現像用トナーと画像形成方法 Download PDF

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Tatsuya Fujisaki
達矢 藤▲崎▼
Masahiro Yasuno
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Abstract

【課題】低温定着性と耐熱保管性を両立させることが出来、さらに耐オフセット性は悪化せず、最終画像強度の高い静電潜像現像用トナーと画像形成方法を提供する。
【解決手段】コアシェル型構造を持つ静電潜像現像用トナーにおいて、コア中に数平均分散径0.1μm以上0.5μm以下の炭酸カルシウムを、トナー全体の質量の3質量%以上20質量%以下含有することを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用トナーと画像形成方法に関するものである。
近年、省エネルギー化の進む中、電子写真業界では消費電力の削減が大きな課題となっている。
省エネルギー化のためには、エネルギー負荷の大きい定着工程での削減が重要で、低温定着可能な静電潜像現像用トナー(以後、単にトナーということもある)を開発する必要があり、その開発は今日盛んに行われている。
トナーに低温定着性を持たせるにはトナーの低Tg化が必要であるが、これはトナー保管時の熱や摩擦によるブロッキング性等を悪化させるため、併せて耐熱保管性を確保する方策が必要である。
トナー粒子内部は低Tg樹脂を用い、その外部に比較的高Tgのコア層を設けたコアシェル型トナーは、上記課題の最も有力な解決策といえる(例えば特許文献1参照)。これにより、コア部による低温定着性とシェル部による保管時の耐熱性の双方をトナーに付与できるからである。しかし、最近要求される低温定着化レベルに対しては、それでも十分とはいえず、さらなる低温定着性付与のためコアの低分子量化も検討されている。
しかしながら、コア形成樹脂を低分子化すると、熱定着時の耐オフセット性悪化や、定着後画像の力学的強度の低下を招き、低温定着化には自ずと限界があった。
特開2007−4127号公報
本発明は、上記課題に対する解決策を見いだすためになされた。
即ち、本発明の目的は、低温定着性と耐熱保管性を両立させることが出来、さらに耐オフセット性は悪化せず、最終画像強度の高い静電潜像現像用トナーと画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明の目的は下記方策を採ることにより達成できることがわかった。
(1)
コアシェル型構造を持つ静電潜像現像用トナーにおいて、コア中に数平均分散径0.1μm以上0.5μm以下の炭酸カルシウムを、トナー全体の質量の3質量%以上20質量%以下含有することを特徴とする静電潜像現像用トナー。
(2)
前記トナーの酸価が、10mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下であることを特徴とする(1)記載の静電潜像現像用トナー。
(3)
(1)又は(2)記載の静電潜像現像用トナーを用いて、静電潜像を現像し、トナー画像を最終記録材に転写後、圧接加熱定着することを特徴とする画像形成方法。
本発明により、低温定着性と耐熱保管性を両立させることが出来、さらに耐オフセット性は悪化せず、最終画像強度の高い静電潜像現像用トナーと画像形成方法を提供することができる。
本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の概要断面図。
本発明の構成につき更に説明する。
本発明において、トナーの熱的特性には影響を与えず、定着後のトナー画像における力学的強度の向上を図るには、コアシェル構造のトナーとし、コア層には炭酸カルシウムを内包させることが効果的であることがわかった。
トナー粒子中に炭酸カルシウムを内包させる技術の発明としては、特開2004−361663号公報に開示がある。しかし、該発明は無機黒色顔料と組み合わせて、帯電立ち上がり性能とその安定性を改善することにあり、解決すべき課題も発明構成も本発明とは異なるものである。
上記公知例の構成であれば、トナー粒子の内部から表層部まで均一に炭化カルシウムが分散して存在しているため、トナー粒子表層付近に存在する炭酸カルシウムが定着工程でトナー粒子同士のシンタリングを阻害するおそれがあり、定着性の低下を引き起こすことが懸念される。従って、本発明の構成に想到することは困難である。
本発明においては、低温定着用トナーの課題解決のためコアシェル構造のトナーとし、コア部分にのみ特定量の炭酸カルシウムを含有させ、トナー定着後の画像強度を向上させることに成功した。さらにトナー粒子同士のシンタリングを阻害させないために、炭酸カルシウムの分散粒子径と添加量の検討を行い、本発明の構成に至った。
〔炭酸カルシウム〕
本発明のトナーに用いられる炭酸カルシウムは、特に限定されず公知のものを使用することができる。炭酸カルシウムは、主に製法の違いから、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、コロイド炭酸カルシウムに大別することができるが、粒径の調整が容易であり、分散状態の安定なコロイド炭酸カルシウムが好ましい。
トナー粒子のコア層に含有する炭酸カルシウムの数平均分散径は、0.1〜0.5μmである。炭酸カルシウムの分散径を0.5μm以下とすることにより、定着後のトナー画像の力学的強度を高めることができる。また0.1μmより小さな炭酸カルシウムの数平均分散径に分散することは困難であり、0.1μm以上とすることで生産性を確保することができる。
トナー粒子のコア層に含有する炭酸カルシウムの分散径は、トナー粒子断面における炭酸カルシウム分散粒子の水平方向フェレ径の数平均値として算出されるものである。
具体的には、まずトナー粒子を常温硬化性のアクリル樹脂中に十分分散し、包埋し硬化させた後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し、トナー粒子断面を作製した。必要に応じて、薄片状のトナー粒子断面を四酸化ルテニウムの蒸気で染色しても良い。上記トナー断面を、透過型電子顕微鏡JEM−2000FX(日本電子(株)製)により、加速電圧80kVにて30000倍で撮影した。撮影した写真画像を用いて、コア層中に分散している炭酸カルシウム100個について水平方向フェレ径を測定した。水平方向フェレ径とは、写真画像上の炭酸カルシウムを2本の垂直線ではさみ、はさんだ2本の垂直線間の距離のことをいう。トナー粒子1個で測定する炭酸カルシウムの数が足りないときは、観察するトナー粒子を増やすものとする。また、写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP((株)ニレコ製)」を用いて、コア層中に分散している炭酸カルシウム100個について水平方向フェレ径「FERE H」を測定することもできる。
尚、炭酸カルシウム分散粒子とは、一次粒子ではなくコア中に独立して存在する形状の状態のものをさす。
コアシェル構造のコアとシェルの界面は、コア層中に分散している着色剤やワックス等の存在領域を目視観察により確認することができる。
トナー粒子のコア層に含有する炭酸カルシウムの含有量は、トナー全質量に対して3質量%以上20質量%以下、好ましくは5質量%以上10質量%以下である。
尚、炭酸カルシウムの含有量は、トナー粒子を溶剤に溶解後、不溶物中の炭酸カルシウムの質量を測定することにより求めることができる。
トナー粒子中の炭酸カルシウムの量を、トナー全質量に対して3質量%以上とすることにより定着画像の力学的強度を高めることができ、20質量%以下とすることによりトナーの定着性能を低下させることがない。また、上記範囲であればトナー粒子のコア層中に均一分散させることができる。
本発明において炭酸カルシウムをトナー粒子中に含有させる方法は特に限定されない。
炭酸カルシウムをトナー粒子中に含有させる好ましい方法の1つとして、炭酸カルシウムを分散した分散液を、樹脂粒子を凝集・融着させる凝集・融着工程で添加してトナー粒子中に取り込む方法を挙げることができる。
炭酸カルシウムの分散液中の体積平均粒子径は、0.1〜0.5μmであることが好ましい。
この粒子径は、動的光散乱式粒度分析計「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定された値である。
炭酸カルシウムの分散液の作製方法は特に限定されないが、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機や超音波分散機、機械的ホモジナイザー等を用い、水系媒体中に炭酸カルシウムを分散して作製する方法を挙げることができる。
〔本発明のトナー〕
次に、本発明のトナーについて説明する。
(トナーの製造方法)
本発明に係るトナーは、少なくともコアシェル構造を有し、コア層に炭酸カルシウムを含有してなるものである。トナーの製造方法は、トナー技術分野において公知の製造方法により製造することができるが、コアシェル構造の制御が容易な乳化重合凝集法やミニエマルション重合凝集法により作製することが好ましい。
本発明に係るトナーの酸価は、10〜30mgKOH/gであることが好ましく、さらに好ましくは15〜25mgKOH/gである。
トナーの酸価が低すぎると、コアシェル構造の制御が難しく耐熱保管性が悪化するおそれがあり、トナーの酸価が高すぎると、吸湿性が高く転写性が悪化するおそれがある。
トナーの酸価の測定は、JIS K0070−1992に記載の方法(電位差滴定法)に従って行われる。ただし、溶剤はテトラヒドロフランとイソプロピルアルコールを体積比1:1で混合したものを使用した。
トナーの酸価は、付加重合反応により形成される樹脂では、例えば、アクリル酸系モノマー等のカルボキシル基を有する酸性分の組成比や、トナー製造時の重合反応における構成を調整することで制御することができる。又、重縮合反応により形成される樹脂では、例えば、トリメリット酸等の多官能の酸を導入して架橋反応の進行を抑える等、重合段階での酸成分とアルコール成分の比率を制御したり、重合条件を変化させたりことで制御することが可能である。
本発明に係るトナーは、体積基準メディアン径(D50)を3.0μm以上8.0μm以下とすることが好ましい。体積基準メディアン径を上記範囲とすることにより、たとえば、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することも可能である。
体積基準メディアン径を上記範囲の小径レベルのものにすることにより、写真画像等を構成するドット画像を忠実に再現することができるので、印刷画像と同等以上の高精細のカラーの写真画像を形成することができる。特に、オンデマンド印刷と呼ばれる数百部から数千部レベルでプリント注文を受ける印刷分野では、高精細な写真画像の入ったフルカラーの高画質プリントを迅速にユーザに納品することができる様になる。
なお、トナーの体積基準メディアン径(D50)は、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII(ベックマン・コールター社製)」の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、「マルチサイザー3」のアパチャー径は50μmのものを使用する。
次に、本発明のトナーの製造方法の1例を挙げて説明する。
《代表的なトナーの製造方法》
本発明のトナーは、例えば、以下のような工程を経て作製することができる。
(1)重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散する液を調製する工程
(2)重合性単量体を重合してコア用樹脂粒子を作製する工程
(3)水系媒体中でコア用樹脂粒子と着色剤粒子と炭酸カルシウム粒子を多価金属イオンの存在下で凝集・融着させてコア粒子を作製する工程
(4)コア粒子の分散液中に、シェル用樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル用樹脂粒子を融着させてコアシェル構造のトナー母体粒子を形成する工程
(5)トナー母体粒子の分散液からトナー母体粒子を固液分離し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する固液分離・洗浄工程
(6)洗浄されたトナー母体粒子を乾燥する乾燥工程
(7)乾燥処理されたトナー母体粒子に外添剤を添加してトナーを作製する工程
以下、各工程について説明する。
(1)分散液を調製する工程
この工程では、重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散させた液を調製する工程である。
(2)コア用樹脂粒子を作製する工程
この工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、上記液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させ、樹脂を形成する。尚、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌又は超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この工程により、離型剤と樹脂とを含有するコア用樹脂粒子が得られる。
(3)コア粒子を作製する工程
コア粒子の作製は、水系媒体中でコア用樹脂粒子と着色剤と炭酸カルシウム粒子を多価金属イオンの存在下で凝集・融着させ、コア用樹脂粒子同士を塩析/融着して作製することができる。又、コア粒子を作製する工程においては、コア用樹脂粒子や着色剤とともに、離型剤粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集・融着させることができる。
尚、ここで云う「塩析/融着」とは、凝集と融着を並行して進め、コア用樹脂粒子同士をイオン架橋させ、所望の粒子径まで成長したところで、凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、更に、必要に応じて粒子形状を制御するための加熱を継続して行うことを云う。
「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものを云う。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
尚、着色剤は、水系媒体中に分散させた着色剤分散液を用いる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
好ましい凝集・融着方法である塩析/融着法は、コア用樹脂粒子と着色剤と炭酸カルシウムが存在している水系媒体中に、多価金属イオン化合物からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記コア用樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。
凝集・融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確ではないが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。又、塩析剤を添加する温度としては少なくともコア用樹脂粒子のガラス転移点以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度がコア用樹脂粒子のガラス転移点以上であるとコア用樹脂粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移点以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
又、塩析剤をコア用樹脂粒子のガラス転移点以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、コア用樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間以下が好ましい。更に、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確ではないが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。この融着工程によりコア粒子の分散液が得られる。
(4)トナー母体粒子を形成する工程
この工程では、コア粒子の分散液中にシェル用樹脂粒子の分散液を添加してコア粒子表面にシェル用樹脂粒子を融着させてトナー母体粒子を形成する。
好ましくは、コア粒子の分散液に、シェル用樹脂粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用樹脂粒子をコア粒子表面に被覆させてトナー母体粒子を形成する。加熱撹拌時間は、1〜7時間が好ましく、2〜5時間がより好ましい。
(5)固液分離・洗浄工程
先ずトナー母体粒子の分散液を冷却処理する。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではない。
固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー母体粒子の分散液から当該トナー母体粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー母体粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
(6)乾燥工程
この工程は、洗浄処理されたケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー母体粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー母体粒子の水分は、1.0質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー母体粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(7)トナーを作製する工程
この工程は、乾燥されたトナー母体粒子に外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
次に、本発明のトナーの作製に用いる部材について説明する。
(コア用樹脂粒子を形成する樹脂)
コア粒子を形成するコア用樹脂粒子は、特に限定されず公知の重合性単量体を重合して作製することができる。好ましくは、少なくともカルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体を共重合し作製したものである。
カルボキシル基を有する重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などを挙げることができる。また、その他の重合性単量体としては、スチレン、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の重合性単量体を挙げることができる。
(シェル用樹脂粒子を形成す樹脂)
シェル用樹脂粒子を形成する樹脂は、コア用樹脂粒子と同様の重合性単量体を用いることができる。
(着色剤)
着色剤としてはカーボンブラック、黒色酸化鉄、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。黒色酸化鉄としてはマグネタイト、ヘマタイト、三酸化チタン鉄等を用いることができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、又これらの混合物も用いることができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同150、同166、同177、同178、同222、同238、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることができ、これらの混合物も用いることができる。数平均1次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
(離型剤)
離型剤としては、従来公知のものを用いることができる。好ましくは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、ベヘン酸ベヘニル、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、更に好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。又、トナー中の離型剤含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、更に好ましくは5質量%〜20質量%である。
(荷電制御剤)
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
(外添剤)
トナーには、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加してもよい。
外添剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸カルシウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、或いは、チタン酸カルシウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらの無機微粒子の数平均1次粒子径は、10〜1000nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは10〜300nmの範囲とされる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
又、外添剤として、数平均1次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することもできる。このような有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの重合体を使用することができる。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。又、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させて磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、何れも使用することができる。又、本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。又、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定されないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。又、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
好ましいキャリアとしては、外添剤の離脱防止や耐久性の観点から、被覆樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂系樹脂やアクリル系樹脂で被覆したコートキャリアを挙げることができる。
キャリアは、その体積基準におけるメディアン径(D50)が20〜100μmであるものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。キャリアの体積基準におけるメディアン径(D50)は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
〔画像形成方法及び画像形成装置〕
本発明のトナーは、モノクロ用画像形成装置、或いはカラー用画像形成装置に装填して用いることができる。
本発明のトナーが好ましく用いられる画像形成装置について説明する。
本発明で用いられる画像形成装置は、少なくとも感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の静電潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、感光体上のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段、中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に転写する二次転写手段、転写材に転写されたトナー像を加熱ローラと加圧ローラ(ベルトも用いられる)とで構成される定着装置を用いて転写材上に熱定着する手段を有する。
尚、画像形成装置は、上記各手段に加え、中間転写体をクリーニングするクリーニング手段、感光体表面に潤滑剤を塗布する手段を設けることが好ましい。
図1は、本発明のトナーを用いる画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、転写材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての加熱ローラと加圧ローラとで構成される定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。又、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。又、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。又、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、一次転写手段としての一次転写ローラ5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5Aに搬送され、転写材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、加熱ローラと加圧ベルトとで構成される定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、二次転写ローラ5Aにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して転写材Pに転写し、加熱ローラと加圧ローラとで構成される定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を無端ベルト状中間転写体70に転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング手段6Y、6M、6C、6Kで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔炭酸カルシウム分散液の調製〕
(炭酸カルシウム分散液Aの調製)
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、炭酸カルシウム200質量部を徐々に添加し、次いで、分散装置「SCミル」(三井鉱山(株)製)を用いて3時間かけて分散処理することにより、炭酸カルシウムの分散液を調製した。これを、「炭酸カルシウム分散液」とする。この炭酸カルシウム分散液における炭酸カルシウム粒子の体積平均粒子径を動的光散乱式粒度分析計「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定したところ、190nmであった。
(炭酸カルシウム分散液B〜Cの調製)
炭酸カルシウム分散液Aの作製で所要した分散時間を変更した以外は同様にして、炭酸カルシウム分散液B〜Cを作製した。
表1に、炭酸カルシウム分散液の一覧を示す。
Figure 2011123344
*体積平均粒子径は、分散時間の調整により制御した。
〔トナーの作製〕
本発明のトナーは、以下のようにして作製した。
(着色剤分散液の調製)
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1590質量部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。この分散液の体積平均粒子径を「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定したところ、117nmであった。
(コア用樹脂粒子Aの作製)
(第一段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部とイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記単量体混合液1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子(1H)」とする。
スチレン 480質量部
n−ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68.0質量部
n−オクチルメルカプタン 16.0質量部
(第二段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、前記樹脂粒子(1H)を260質量部と、下記単量体溶液を90℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機CLEARMIX(エム・テクニック(株)製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
スチレン 245質量部
n−ブチルアクリレート 120質量部
n−オクチルメルカプタン 1.5質量部
エステルワックス(融点70℃) 190質量部
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子(1HM)」とする。
(第三段重合)
さらに、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、
スチレン 435質量部
n−ブチルアクリレート 130質量部
メタクリル酸 33質量部
n−オクチルメルカプタン 8質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子を得た。これを「樹脂A−(1)」とする。
なお、上記の方法と同様にして、表2に示す構成成分からなる「樹脂A−(2)」と「樹脂A−(3)」を製造した。
Figure 2011123344
St:スチレン、BA:n−ブチルアクリレート、MAA:メタクリル酸、NOM:n−オクチルメルカプタン
(シェル用樹脂粒子Bの作製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム2.3質量部とイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂B−(1)」とする。
スチレン 520質量部
n−ブチルアクリレート 210質量部
メタクリル酸 68.0質量部
n−オクチルメルカプタン 4.0質量部
なお、上記の方法と同様にして、表3に示す構成成分からなる「樹脂B−(2)」と「樹脂B−(3)」を製造した。
Figure 2011123344
(トナー1の作製)
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、炭酸カルシウム分散液Aを固形分換算で41質量部と、樹脂A−(1)を固形分換算で300質量部と、イオン交換水1400質量部と、着色剤分散液120質量部と、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水120質量部に溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35質量部をイオン交換水35質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「マルチサイザー3」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム30質量部をイオン交換水120質量部溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に、熟成工程として液温度90℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより粒子間の融着を進行させ、「コア粒子1」を形成した。
(シェル化工程)
次いで、樹脂B−(1)を固形分換算で45質量部添加し、液温度90℃にて2時間にわたり撹拌を継続し、「樹脂B−(1)」の粒子を「コア粒子1」の表面に融着させシェル層を形成させた。その後、塩化ナトリウム120質量部をイオン交換水480質量部に溶解した水溶液を添加し、FPIA−2100による測定で円形度0.965になるまで液温度90℃にて加熱撹拌させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、撹拌を停止した。
(洗浄・乾燥工程)
凝集・融着工程にて生成した粒子をバスケット型遠心分離機で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥してトナー母体粒子〔1〕を作製した。
(外添剤処理工程)
上記の「トナー母体粒子〔1〕」に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)1質量%および疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1」を作製した。
(トナー2〜8の作製)
トナー1の作製で用いた「炭酸カルシウム分散液」と「コア用樹脂粒子」、「シェル用樹脂粒子」を、表4のように変更した以外は同様にして「トナー2〜8」を作製した。
(トナー9の作製)
トナー1の作製で用いた「炭酸カルシウム分散液A」41質量部(固形分換算)の添加する工程を、凝集・融着工程からシェル化工程で「樹脂B−(1)」と同時に添加する方法に変更した以外は同様にして「トナー9」を作製した。
(トナー10の作製)
トナー1の作製で用いた「炭酸カルシウム分散液A」41質量部(固形分換算)の添加する工程を、凝集・融着工程で34.8質量部とシェル化工程で「樹脂B−(1)」と同時に6.2質量部に分割して添加する方法に変更した以外は同様にして「トナー10」を作製した。
(トナー11の作製)
トナー1の作製で用いた「炭酸カルシウム分散液A」41質量部(固形分換算)を添加しなかったこと以外は同様にして「トナー11」を作製した。
Figure 2011123344
*トナー中における配置制御は、凝集工程における炭酸カルシウム分散液の添加タイミングを調整することにより行った。
このときのトナー中の炭酸カルシウムの数平均分散径とトナーの酸価を表5に示す。
Figure 2011123344
〔現像剤の作製〕
フェライトコア100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子を5質量部とを、撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコアの表面に樹脂コート層を形成し、体積基準メディアン径40μmのキャリアを得た。
キャリアの体積基準メディアン径は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック社製)により測定した。
上記キャリアにトナーをそれぞれトナー濃度が6質量%になるように添加し、ミクロ型V型混合機(筒井理化学器株式会社)に投入し、回転速度45rpmで30分間混合し現像剤を作製した。
〔性能評価〕
(耐熱保管性)
トナー0.5gを内径21mmの10mlガラス瓶に取り蓋を閉めて、タップデンサーKYT−2000(セイシン企業製)で室温にて600回振とうした後、蓋を取った状態で55℃、35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定した。
トナー凝集率は下記式により算出される値である。
(トナー凝集率(%))=(篩上の残存トナー質量(g))/0.5(g)×100
下記に記載の基準によりトナーの耐熱保管性の評価を行った。
◎:トナー凝集率が15質量%未満(トナーの耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が20質量%以下(トナーの耐熱保管性が良好)
×:トナー凝集率が20%を超える(トナーの耐熱保管性が悪く、使用不可)
(水分量)
水分量測定はカール・フィッシャー電量滴定法(Karl Fischer Coulometric titration method)にて実施するものである。具体的には、水分計(AQUACOUNTER)AQ−6、AQI−601(AQ−6用インターフェイス)、加熱気化装置(AUTOMATED SOLID EVAPORATOR)LE−24Sからなる自動熱気化水分測定システムAQS−724(平沼産業社製(HIRANUMA SANGYO Co., Ltd.))を用い、30℃/80%RH環境にて24時間放置したトナー0.5gをガラス製20mlのサンプル管に精密に秤量して入れ、次いでテフロンコートのシリコーンゴムパッキングを用いて密栓する。密栓した環境中に存在する水分を補正するため、空のサンプルを同時に2本測定する。測定条件および試薬は次のとおり。
試料加熱温度:110℃
試料加熱時間:1分
窒素ガス流量:150ml/分
試薬:HYDRANAL「R」−Coulomat CG−K および HYDRANAL「R」−Coulomat AK
水分量が1.5%以下であれば問題なく、使用可能と判断できる。
(定着性)
画像評価は、市販のカラー複合機「bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」の現像装置に、上記で作製したトナーと現像剤を順次装填して評価を行った。トナー付着量11.3g/mのベタ画像を常温常湿(20℃、50%RH)の環境で、定着ベルトから排出直後の転写剤の表面温度を90℃〜200℃まで5℃刻みで変更し、定着画像を作成した。なお、転写剤としてはA4版の上質紙(65g/m)を使用した。
定着可能温度の一つの評価手法としては、得られた定着画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いて求めた。具体的には、転写材表面温度を変更し、全色でトナー付着量が0.6mg/cmである5mm角のべた画像を作成した後、「スコッチメンディングテープ」(住友3M社製)で剥離する前後の画像濃度を測定し、画像濃度の残存率を定着率として求めた。
テープ剥離法
1)5mm角のべた黒の絶対反射濃度D0を測定する。
2)「メンディングテープ」(住友3M社:No.810−3−12相当)を軽く貼り付ける。
3)1kPaの圧力でテープを3.5回往復擦り付ける。
4)180°の角度、200gの力でテープを剥がす。
5)剥離後の絶対反射濃度D1を測定する。
6)定着率=100×D1/D0 (%)
定着率が90%以上得られた定着温度を定着可能温度として評価した。尚、画像濃度の測定には反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
定着可能温度が155℃以下であれば問題なく、使用可能と判断できる。
性能評価の結果を下記表6に示す。
Figure 2011123344
上記表6から、本発明内の実施例1〜5はいずれも実用性を有する性能を有していることがわかる。
しかし、本発明外の比較例1〜6はいずれかの性能に問題があることがわかる。
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像手段、
5Y、5M、5C、5K 一次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K クリーニング手段
10Y、10M、10C、10K 画像形成部

Claims (3)

  1. コアシェル型構造を持つ静電潜像現像用トナーにおいて、コア中に数平均分散径0.1μm以上0.5μm以下の炭酸カルシウムを、トナー全体の質量の3質量%以上20質量%以下含有することを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 前記トナーの酸価が、10mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 請求項1又は2記載の静電潜像現像用トナーを用いて、静電潜像を現像し、トナー画像を最終記録材に転写後、圧接加熱定着することを特徴とする画像形成方法。
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