JP2011111715A - アンカー - Google Patents

アンカー Download PDF

Info

Publication number
JP2011111715A
JP2011111715A JP2009265936A JP2009265936A JP2011111715A JP 2011111715 A JP2011111715 A JP 2011111715A JP 2009265936 A JP2009265936 A JP 2009265936A JP 2009265936 A JP2009265936 A JP 2009265936A JP 2011111715 A JP2011111715 A JP 2011111715A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anchor
sleeve
rod
expansion sleeve
distal end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009265936A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5399216B2 (ja
Inventor
Makoto Ikuno
真 生野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
N Pat Co Ltd
Original Assignee
N Pat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by N Pat Co Ltd filed Critical N Pat Co Ltd
Priority to JP2009265936A priority Critical patent/JP5399216B2/ja
Publication of JP2011111715A publication Critical patent/JP2011111715A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5399216B2 publication Critical patent/JP5399216B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Abstract

【課題】拡開スリーブの先端部に嵌入される楔体の脱落を効果的に防止することができるアンカーを提供する。
【解決手段】異形棒鋼3と、この異形棒鋼3の外径と略同径の外径を有し、基端部に異形棒鋼3が装着された拡開スリーブ5と、この拡開スリーブ5の先端部に小径端部が嵌入された楔体7と、異形棒鋼3の先端部から楔体7の先端に亘って被着されることにより楔体7を拡開スリーブ5に対して固定するとともに、拡開スリーブ5の拡開に伴って裂開する筒状フィルム9とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリート建築物や構造物など各種躯体に丸鋼、異形棒鋼などの棒状体を固定するために用いられるアンカーに関するものである。
従来から、コンクリート構造物や岩盤などの躯体に新たにコンクリートを打設する場合に、いわゆる打ち込み式アンカー工法といわれる工法が広く採用されている。この打ち込み式アンカー工法は、躯体に予め埋込用の下穴を穿設し、この下穴に差筋アンカーを差し込み、さらにハンマーなどで打ち込むことによってアンカー外周部を拡開させ、この拡開部分によって差筋アンカーを躯体に対して固定するものである。
このような差筋アンカーとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。具体的には、この差筋アンカーは、縦横のリブおよび節を有する異形棒鋼鉄筋と、この鉄筋の先端部にかしめ一体化され、先端から軸方向に沿って延びる複数本のスリットが設けられた拡開スリーブと、この拡開スリーブの先端部に小径端部が圧入された円錐台状のコーンナットとを備え、上記拡開スリーブの外径は異形棒鋼鉄筋の外径と略同径に形成されたものである。そして、この差筋アンカーの施工は、この差筋アンカーをコーンナット側から躯体の下穴に差し込み、楔体の先端が穴底に当接した状態で異形棒鋼鉄筋をハンマーなどにより打ち込むことにより行う。この打ち込みにより、コーンナットが拡開スリーブ内に圧入され、この圧入に伴い拡開スリーブの先端部がコーンナットのテーパ面に沿ってコンクリート壁等を削りながら径方向外側に拡開し、この拡開により差筋アンカーが躯体に固定される。
この差筋アンカーは、躯体に対して差筋を簡易かつ迅速に固定することができ、便利である。しかも、この差筋アンカーは、その拡開スリーブの外径が異形棒鋼鉄筋の外径と略同等に形成されているため、拡開スリーブが鉄筋よりも大径に形成されているものに比べ、躯体に穿設する下穴を小径にすることができ、下穴の穿設作業負担を軽減することができる。
特開平10−231583号公報
しかしながら、この差筋アンカーにおいてコーンナットは拡開スリーブに圧入されただけのものであるので、上記のように、拡開スリーブの外径を異形棒鋼鉄筋の外径に対して略同等に形成した場合には、この拡開スリーブとコーンナットとの接触部分が小さくなり、拡開スリーブによるコーンナットの保持力が低下するという問題があった。
例えば、現場において不測に差筋アンカーが落下した場合に、その衝撃でコーンナットが拡開スリーブから脱落し、場合によってはコーンナットが飛散してこれを紛失する場合などもあった。また、この差筋アンカーの運搬は、多数のアンカーが収納された箱毎に行われるが、この運搬の際の振動によって、差筋アンカー同士が接触してコーンナットが拡開スリーブから脱落する場合もあった。
コーンナットが拡開スリーブから脱落すると、その都度再セットしなければならず、面倒であるばかりか、現場における作業効率が低下するという不具合が生じる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、拡開スリーブの外径を異形棒鋼鉄筋などの棒状体の外径と略同等に構成した場合でも、拡開スリーブの先端部に嵌入される楔体(コーンナット)の脱落を効果的に防止することができるアンカーを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明に係るアンカーは、棒状体と、この棒状体の外径と略同径の外径を有し、基端部に上記棒状体が装着された拡開スリーブと、この拡開スリーブの先端部に小径端部が嵌入された楔体と、少なくとも上記拡開スリーブと上記楔体とに跨って被着されることにより上記楔体を上記拡開スリーブに対して固定するとともに、上記拡開スリーブの拡開に伴って裂開する固定用膜体とを備えることを特徴とするものである。
この発明によれば、上記拡開スリーブは、上記棒状体の外径に対して略同等の外径を有するので、このアンカーを施工するに際し、上記棒状体に応じた径の下穴を穿つだけでよい。すなわち、鉄筋などの棒状体よりも大径の拡開スリーブに合わせて大径の下穴を穿つ必要がなく、その分、穿孔作業の作業負担を軽減することができる。しかも、少なくとも上記拡開スリーブと上記楔体とに跨って被着され、上記楔体を上記拡開スリーブに対して固定する固定用膜体が設けられているので、この固定用膜体によって楔体を拘束してその脱落を効果的に防止することができる。また、この固定用膜体が拡開スリーブの拡開に伴って裂開するように構成されているので、例えば作業前にこの固定用膜体を除去するなどの余計な手間が省かれると共に、固定用膜体による拡開スリーブの機能低下を抑制することができる。
この発明において、上記固定用膜体は、その形状が有底または無底の筒状のもの、帯状のもの、サック状のもの等であっても良く、また具体的には拡開スリーブの径よりも小幅の粘着テープや、液状ゴム等を薄く塗布して帯状または筒状の膜体としたもの等であってもよいが、上記固定用膜体は、筒状の熱収縮性フィルムからなり、上記拡開スリーブと楔体とに跨って装着された状態で加熱されることにより取り付けられているのが好ましい。
このように構成すれば、筒状に形成された熱収縮性フィルムを拡開スリーブと楔体とに跨って装着した状態で加熱するだけで簡単に取り付けることができる。しかも、この取付にあたって、熱収縮性フィルムを熱収縮させると、このフィルムと拡開スリーブおよび楔体との密着性が高いことから、少なくともこのフィルムの被着部分における防錆効果も得ることができる。しかも、筒状のフィルムを使用することにより、拡開スリーブと楔体の全周に亘って固定することができ、より確実に楔体の脱落を防止することができる。なお、この防錆効果については、固定用膜体が防湿性を有し、拡開スリーブおよび楔体との密着性が高ければ、熱収縮性フィルム以外の素材によって構成されている場合でも得ることができる。
また、この発明において、固定用膜体は楔体を拡開スリーブに固定できる程度であればその先端の楔体に対する相対位置を特に限定するものではなく、例えば固定用膜体の先端が楔体の軸方向中間部に位置しているものであってもよいが、固定用膜体はその先端が楔体の先端にまで延びているのが好ましく、更に好ましくは上記固定用膜体は、その先端部に上記楔体の先端面に係合する先端係合部を有するのがよい。なお、この先端係合部は、例えば固定用膜体が熱収縮性フィルムにより構成されている場合には、例えば先端を楔体の先端から突出させた状態で筒状の熱収縮性フィルムを楔体および拡開スリーブに挿入し、この状態で加熱することにより、上記突出した熱収縮性フィルムの先端部の少なくとも一部を先端係合部として構成することができる。
このように構成すれば、固定用膜体の先端係合部によって拡開スリーブからの楔体の脱落を確実に防止することができる。
さらに、この発明において、この固定用膜体の色や、拡開スリーブおよび楔体に対する被着範囲を特に限定するものではないが、上記固定用膜体は、着色され、その基端がこのアンカーの下穴に対する必要埋設位置にまで延出しているのが好ましい。
このように構成すれば、アンカーが所望の位置まで埋設されているか容易に視認することができ、確実にかつ適正にアンカーを施工することができるとともに、容易に施工管理を行うことができる。なお、この着色は、色を特に限定するものではなく、赤色、黄色、白色、黒色等であってもよく、また半透明のものであってもよい。
また、この発明において、上記固定用膜体はその周面に孔が設けられていないものであってもよいが、上記固定用膜体は、上記拡開スリーブの先端部に対応する部分に軸方向に延びるスリットが設けられているのが好ましい。
このように構成すれば、スリットにより容易に固定用膜体を裂開させることができ、またスリットを通じて拡開スリーブの拡開部分が容易に露出することから、十分なアンカー効果を簡単な構成で得ることができる。
さらに、この発明において、上記拡開スリーブの棒状体に対する装着構造は特に限定するものではないが、上記棒状体は、棒本体と、この棒本体の先端に設けられた縮径取付部とを有し、上記拡開スリーブはその基端部に上記縮径取付部が嵌合された状態で溶接されることにより上記棒状体に装着されているのが好ましい。
このように構成すれば、簡易かつ確実に拡開スリーブを棒状体に装着することができる。
この場合において、上記棒本体と上記拡開スリーブとの間に、全周に亘って上記縮径取付部の外周に達する深さの遊び溝が設けられているのが好ましい。
このように構成すれば、遊び溝の分だけ曲げ変形に対する遊びが生じることから、棒状体の側方からの外力に対する耐性を向上させることができる。
本発明に係るアンカーによれば、その施工にあたって棒状体に応じた径の下穴を穿つだけですみ、棒状体の外径よりも大径の拡開スリーブを有するアンカーに比べて、下穴穿孔作業の負担を軽減することができる。しかも、拡開スリーブが棒状体の外径と略同等の外径を有するにもかかわらず、固定用膜体によって楔体を確実に保持することができ、その脱落を効果的に防止することができる。また、この固定用膜体が拡開スリーブの拡開に伴って裂開するように構成されているので、例えば作業前にこの固定用膜体を除去するなどの余計な手間が省かれると共に、固定用膜体による拡開スリーブの機能低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るアンカーをその筒状フィルムの一部を切り欠いた状態で示す斜視図である。 同アンカーを示す片側断面図である。 同アンカーを分解した状態で示す側面図である。 同アンカーの加熱前の組付状態を示す側面図である。 同アンカーの加熱後の組付状態を示す側面図である。 同アンカーの施工状態を示す説明図である。 同アンカーの設置状態を筒状フィルムの一部を切り欠いた状態で示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係るアンカーを示す側面図である。
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態のアンカーは棒状体として異形棒鋼が用いられるものについて説明するが、丸鋼が用いられるものであってもよく、またこれらに代わる棒状体(例えばねじ節鉄筋)であってもよい。
図1は本実施形態に係るアンカーを、後述する筒状フィルムの一部を切り欠いた状態で示す斜視図であり、図2は同アンカーの片側(右側)断面図である。図3は、同アンカーを分解した状態で示す側面図であり、図2のアンカーについて軸周りに45°回転させた状態で示している。なお、筒状フィルム9は、後述するように半透明の着色体であり、この点、図面においてドットを用いて表現している。
本実施形態におけるアンカー1は、異形棒鋼3(棒状体に相当)と、この異形棒鋼3の先端部に装着された拡開スリーブ5と、拡開スリーブ5の先端部に嵌入された楔体7と、異形棒鋼3の先端部から楔体7の先端にかけて被着された筒状フィルム9(固定用膜体に相当)とを備えた、いわゆる差筋アンカーである。
異形棒鋼3は、複数のリブ31および節32を有する丸棒状の鋼材であり、棒本体30と、この棒本体30の先端にその軸心を一致させた状態で設けられた縮径取付部33とを有する。この縮径取付部33は、異形棒鋼3の先端部を切削加工することにより直径を棒本体30の直径dと比べて小径とした円柱状のものであり、外周面が平滑に構成されている。なお、この縮径取付部33は、本実施形態では外周面が平滑に構成されているが、例えばねじ山を刻設するものであってもよく、その場合は拡開スリーブ5の基端部内周面に上記ねじ山に螺合するねじ溝が刻設される。
拡開スリーブ5は、異形棒鋼3の外径dと略同等の外径Dを有する円筒状の鋼材であり、基端部に異形棒鋼3の縮径取付部33が嵌合できるように寸法等設定されている。この拡開スリーブ5は、その先端部に軸方向に延びる複数の拡開スリット52および周方向に沿って凹設された複数の凹溝53とを有する。
拡開スリット52は、拡開スリーブ5の周側壁に該側壁を貫通して設けられ、拡開スリーブ5の先端部を容易に径方向外方に拡開させる機能を果たすものである。本実施形態において、この拡開スリット52は、拡開スリーブ5の周側壁に90°間隔で4本配置され、先端から軸方向に沿ってスリーブ長さの3分の2程度まで延びている。
一方、凹溝53は、拡開スリット52とともに、拡開スリーブ5の先端部の拡開を促すためのものであり、拡開スリット52を横切って拡開スリーブ5の外周面に沿ってリング状に凹設されている。また、この凹溝53は、拡開スリーブ5の軸方向に沿って複数本(本実施形態では4本)列設されている。
この拡開スリーブ5は、その基端部に異形棒鋼3の縮径取付部33が嵌合されて溶接されることにより異形棒鋼3の先端部に装着されている。各図において、54は、これらの拡開スリーブ5と異形棒鋼3との溶接痕を示す。本実施形態では、拡開スリーブ5における異形棒鋼3の縮径取付部33の対応箇所を溶接軸(不図示)により挟み込み、スポット溶接により両者が溶接されている。従って、溶接痕54が拡開スリーブ5の外周面における正反対位置に存在している。
なお、この溶接痕54の位置、すなわち溶接位置は特に限定するものではなく、軸方向に複数箇所溶接するものであってもよいし、周方向に単一、ないしは3箇所以上で溶接するものであってもよい。ただし、一定以上の接合強度を得るためには周方向に等間隔に複数箇所溶接するのが好ましい。また、溶接手法についても特に限定するものではなく、TIG溶接やプラズマ溶接などの融接やスポット溶接以外の抵抗溶接等であってもよい。
楔体7は、横断面が軸方向に沿って同径の同径軸部71(小径端部に相当)と、この同径軸部71の先端に連設され軸方向先端に向かって漸次拡径する拡径軸部72とを有する略円錐台状の鋼材として構成されている。同径軸部71の外径は拡開スリーブ5の先端部の内径と略同等ないしは若干大きく形成され、この同径軸部71が拡開スリーブ5の先端部に嵌入、より具体的には圧入され、これにより楔体7が拡開スリーブ5に取り付けられている。拡径軸部72はその先端部が最大径として構成され、少なくともその最大径が拡開スリーブ5の先端部内径よりも大きく形成され、本実施形態では拡開スリーブ5の外径に略等しく形成されている。
筒状フィルム9は、異形棒鋼3の先端部、拡開スリーブ5および楔体7に跨って、これらの外周面を被う態様で取り付けられている。この筒状フィルム9は、例えば赤色等に着色された半透明の筒状の熱収縮フィルムから構成され、この熱収縮フィルムが収縮されることにより、異形棒鋼3等に取り付けられている。本実施形態では、筒状フィルム9は、防湿性を有するシュリンクフィルムから構成されている。
具体的には、筒状フィルム9は、異形棒鋼3の先端部、拡開スリーブ5および楔体7の各外周面を被う筒本体91と、この筒本体91の先端に連設され楔体7の先端面に係合する先端係合部92とを有する。
筒本体91は、異形棒鋼3、拡開スリーブ5および楔体7に略密着した状態で被着されている。この筒本体91の基端部は、異形棒鋼3の先端部に位置し、具体的にはこのアンカー1の後述する下穴S1に対する必要な埋設位置にまで延びている。ここで、必要な埋設位置とは、アンカー1の躯体Sに対する設置状態において、アンカー1につき所定のアンカー効果を得るために、躯体Sの下穴S1内に埋設されなければならないアンカー1の位置をいう。
また、この筒本体91には、軸方向に沿って細長い裂開用スリット93が筒本体91の周方向に複数本設けられている。具体的には、この裂開用スリット93は、軸方向について拡開スリーブ5の拡開スリット52に対応した位置に設けられ、周方向について隣接する拡開スリット52の間の略中央部に設けられている。この裂開用スリット93は、細幅に形成され先端部および基端部に角部を有し、この角部に応力が集中する。従って、拡開スリーブ5の先端部の拡開に伴って、筒本体91はこの裂開用スリット93の長手方向先端部または基端部から裂開するとともに、このスリット93を通じて、拡開スリーブ5の先端部の少なくとも一部が露出するようになっている。
一方、先端係合部92は、後述するように加熱前は筒状の熱収縮性フィルムの先端部であり、この筒状の熱収縮性フィルムの先端部が熱収縮して縮径して楔体7の先端面に係合することにより構成されている。この先端係合部92は、必ずしも全体が楔体7の先端面に当接している必要はなく、少なくとも一部が楔体7の先端面に係合して楔体7の軸方向の移動を拘束できるものであれば、その具体的構成を特に限定するものではない。
この筒状フィルム9は、例えば次のようにして異形棒鋼3、拡開スリーブ5および楔体7に取り付けられる。
すなわち、図4に示すように、異形棒鋼3、拡開スリーブ5および楔体7を加熱前の筒状の熱収縮性フィルム(以下「加熱前フィルム」という)9に挿入することにより、加熱前フィルム9を、異形棒鋼3、拡開スリーブ5および楔体7の所定の範囲を被う態様で配置する。このとき、加熱前フィルム9の先端部は楔体7から先端側に突出した状態に配置し、一方、加熱前フィルム9の基端部は異形棒鋼3の先端部における上記必要埋設位置に略対応した位置に配置する。また、加熱前フィルム9の裂開用スリット93は、拡開スリーブ5の隣接する拡開スリット52間に位置するように配置する。
次にこの状態でアンカー1を加熱することにより、加熱前フィルム9を収縮させ、図5に示すように、筒状フィルム9を異形棒鋼3の先端部、拡開スリーブ5および楔体7に密着した状態でこれらに被着する。このとき、加熱前フィルム9における楔体7から突出した先端部は加熱により縮径して楔体7の先端面に係合し、この先端部が筒状フィルム9の先端係合部92として構成される。
このように構成されたアンカー1は、筒状フィルム9が異形棒鋼3の先端部から楔体7の先端に亘ってこれらの外周面に被着され、しかも筒状フィルム9の先端係合部92が少なくとも一部において楔体7の先端面と係合しているので、楔体7を拡開スリーブ5に対して確実に固定することができ、楔体7の脱落を確実に防止することができる。このため、このアンカー1が落下したり、運搬の際にこのアンカー1に振動が加わったりしても、楔体7が脱落することがなく、作業効率の低下を確実に防止することができる。
しかも、筒状フィルム9が熱収縮フィルムにより構成されているので、加熱前フィルム9を異形棒鋼3から楔体7にかけて被って加熱するだけで簡単に筒状フィルム9を形成することができる。また、この熱収縮性フィルムが防湿性を有するので、この筒状フィルム9が被着されている範囲においては防錆効果も得ることができる。
このアンカー1は例えば次のようにして施工する。図6はアンカーの施工状態を示す説明図であり、図7は筒状フィルムの一部を切り欠いた状態で、アンカーの設置状態を示す説明図である。
まず、コンクリート躯体Sにアンカー1を埋設するための下穴S1を穿設する。本実施形態のアンカー1は、異形棒鋼3の外径に対して略同等の外径を有する拡開スリーブ5が用いられているので、この異形棒鋼3に応じた径の下穴S1を穿つだけでよく、例えば異形棒鋼3よりも大径の拡開スリーブを有するアンカーを施工する場合に比べて、小径の下穴ですみ、その分、穿孔作業の作業負担を軽減することができる。
次に、この下穴S1に、図6に示すように、アンカー1の先端部(楔体7側の端部)を差し込み、楔体7の先端面を下穴S1の奥底部に当接させる。この状態において、アンカー1の筒状フィルム9の基端部は、下穴S1の開口部付近に配置する。なお、仮に筒状フィルム9の基端部が下穴S1の開口部から大きく突出している場合には、アンカー1を所望のアンカー効果を得る程度に埋設することができないことから、下穴S1をさらに深く穿孔して、その下穴S1にアンカー1を差し込む。
この状態で、異形棒鋼3の基端部(頂部)をハンマーなどで打ち込む。この打ち込みにより、楔体7が拡開スリーブ5内に圧入され、この圧入に伴い拡開スリーブ5の先端部が楔体7における拡径軸部72のテーパ面に沿って下穴S1の内壁を削りながら径方向外側に拡開し、この拡開によりアンカー1が躯体Sに固定される。この拡開スリーブ5の先端部の拡開に伴い、筒状フィルム9は裂開用スリット93から裂開し、拡開スリーブ5の先端部の少なくとも一部はこの裂開用スリット93および裂開部分を通じて下穴S1の内壁面に当接する。
本実施形態のアンカー1は、筒状フィルム9が裂開用スリット93によって裂開するように構成されているので、この筒状フィルム9を被着した状態で施工することができ、作業前にこの筒状フィルム9を除去するなどの余計な手間が省かれるとともに、裂開部分を通じて拡開スリーブ5の先端部が下穴(削れた部分を含む)S1の内壁面に当接することから、所望の摩擦抵抗を得ることができ、筒状フィルム9による拡開スリーブ5の機能低下を抑制することができる。
しかも、筒状フィルム9が着色された半透明の素材により構成され、この筒状フィルム9の基端がこのアンカー1の下穴S1に対する必要埋設位置にまで延出しているため、アンカー1が所望の位置まで埋設されているか容易に視認することができ、確実にかつ適正にアンカーを施工することができるとともに、容易に施工管理を行うことができる。
なお、以上に説明したアンカー1は、本発明に係るアンカーの一実施形態であり、その具体的構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、その変形例を説明する。
(1)上記実施形態では、異形棒鋼3における棒本体30と縮径取付部33との間に略軸方向に沿った法線の段面(段部)が設けられ、この段面が拡開スリーブ5の基端面に当接し、これにより棒本体30の外周面と拡開スリーブ5の外周面とが略面一に設けられているが、図8に示すように、棒本体30と拡開スリーブ5との間に、全周に亘って縮径取付部33の外周に達する深さの遊び溝110が設けられているものであってもよい。
例えば、図8に示すように、異形棒鋼3において、棒本体30と縮径取付部33との間に先端に向かうに従って漸次縮径するテーパ部135が設けられ、このテーパ部135によって遊び溝110が設けられている。
この他の実施形態のアンカー101では、遊び溝110の分だけ曲げ変形に対する遊びが生じることから、異形棒鋼3の曲げに対する耐性を向上させることができる。
なお、この遊び溝110は、上記他の実施形態のように異形棒鋼3のテーパ部135によって構成されるものだけでなく、例えば拡開スリーブ5の基端部を基端に向かうに従って拡開スリーブ5の外径から内径に至るまで漸次縮径するスリーブテーパ部を設けることにより構成されるものであってもよいし、また上記テーパ部135およびスリーブテーパ部の両方を設けることによって構成されるものであってもよい。更に、この遊び溝は、上記実施形態のように棒本体30と縮径取付部33との間に上記段面を有する場合でも、縮径取付部33の基端部が拡開スリーブ5から突出する態様で、異形棒鋼3と拡開スリーブ5とを接合することによっても構成することができる。
(2)上記実施形態の加熱前フィルム9は、無底筒状の熱収縮性フィルムを用いているが、もちろん有底筒状のフィルムを用いるものであってもよい。この場合には、筒状フィルムの底部により楔体7の脱落を確実に防止することができ、しかも筒状フィルムの基端部の位置決めを容易に行うことができる。
(3)上記実施形態では、筒状フィルム9は楔体7の先端から異形棒鋼3の先端部(具体的にはアンカー1の必要埋設位置)にかけて被着されているが、この被着範囲は楔体7と拡開スリーブ5とを跨る態様であれば特に限定するものではない。
従って、例えば筒状フィルム(固定用膜体)の基端が拡開スリーブ5の基端部に位置するものや、同基端が拡開スリーブ5のスリット52の基端に位置するものであってもよい。
(4)上記実施形態では、固定用膜体としてシュリンクフィルムからなる筒状フィルム9を用いているが、この固定用膜体の具体的構成は特に限定するものではない。
例えば、固定用膜体として、液状ゴムを、拡開スリーブ5と楔体7とに跨って薄く塗布することによりゴム状被膜を形成してもよいし、拡開スリーブ5よりも小径のゴム状鞘膜体を拡開スリーブ5と楔体7とに跨って装着するものであってもよい。
(5)また、上記実施形態では、固定用膜体につき、筒状形状を呈するものとなされているが、この固定用膜体の形状については、帯状、鞘状のものであっても良い。
例えば、固定用膜体につき、拡開スリーブ5の径よりも小幅の粘着テープにより構成されるものであっても良い。この場合、粘着テープは、異形棒鋼3の先端部一側面から軸方向に沿って貼着され、楔体7の先端面を経由して異形棒鋼3の先端部他側面に貼着されるものであっても良い。
或いは、固定用膜体につき、拡開スリーブ5の半周以上の幅を有する粘着テープによって、上記小幅の粘着テープと同様に貼着され、異形棒鋼3の先端部、拡開スリーブ5および楔体7の外周面の全体を覆うようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、筒状フィルム9において裂開用スリット93を設けることにより筒状フィルム9に対して易裂開性を付与しているものであるが、固定用膜体に易裂開性を付与する具体的構成としてはこれに限定されるものではない。
例えば、筒状フィルムの表面に多数の引っ掻き傷または多数の微細孔などからなる傷痕群を設け、この傷痕をきっかけに裂開するように構成してもよいし、また筒状フィルム等の固定用膜体を裂開できる程度に薄く形成するものであってもよい。
S 躯体
S1 下穴
1 アンカー
3 異形棒鋼(棒状体)
33 縮径取付部
5 拡開スリーブ
7 楔体
71 同径端部(小径端部)
9 筒状フィルム(固定用膜体)
91 筒本体
92 先端係合部
93 裂開用スリット
110 遊び溝

Claims (7)

  1. 棒状体と、この棒状体の外径と略同径の外径を有し、基端部に上記棒状体が装着された拡開スリーブと、この拡開スリーブの先端部に小径端部が嵌入された楔体と、少なくとも上記拡開スリーブと上記楔体とに跨って被着されることにより上記楔体を上記拡開スリーブに対して固定するとともに、上記拡開スリーブの拡開に伴って裂開する固定用膜体とを備えることを特徴とするアンカー。
  2. 上記固定用膜体は、筒状の熱収縮性フィルムからなり、上記拡開スリーブと上記楔体とに跨って装着された状態で加熱されることにより取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のアンカー。
  3. 上記固定用膜体は、その先端部に上記楔体の先端面に係合する先端係合部を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンカー。
  4. 上記固定用膜体は、着色され、その基端がこのアンカーの下穴に対する必要埋設位置にまで延出していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のアンカー。
  5. 上記固定用膜体は、上記拡開スリーブの先端部に対応する部分に軸方向に延びるスリットが設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のアンカー。
  6. 上記棒状体は、棒本体と、この棒本体の先端に設けられた縮径取付部とを有し、上記拡開スリーブはその基端部に上記縮径取付部が嵌合された状態で溶接されることにより上記棒状体に装着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアンカー。
  7. 上記棒本体と上記拡開スリーブとの間に、全周に亘って上記縮径取付部の外周に達する深さの遊び溝が設けられていることを特徴とする請求項6記載のアンカー。
JP2009265936A 2009-11-24 2009-11-24 アンカー Active JP5399216B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009265936A JP5399216B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 アンカー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009265936A JP5399216B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 アンカー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011111715A true JP2011111715A (ja) 2011-06-09
JP5399216B2 JP5399216B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=44234269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009265936A Active JP5399216B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 アンカー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5399216B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8888415B2 (en) 2012-02-02 2014-11-18 N-Pat Co., Ltd. Anchor and method of installing anchor
US8979452B2 (en) 2011-02-04 2015-03-17 N-Pat Co., Ltd. Anchor bolt, anchor, connecting nut and clamping nut
CN111005563A (zh) * 2019-12-24 2020-04-14 机械工业第六设计研究院有限公司 混凝土剪力墙的连接施工方法
EP3680699A4 (en) * 2017-09-04 2020-10-21 Shenzhen Gongfenxiang Network Technology Co., Ltd. VIRTUAL DISPLAY DEVICE

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62135704U (ja) * 1986-02-19 1987-08-26
JPH0617811A (ja) * 1992-07-03 1994-01-25 Japan Drive-It Co Ltd コンクリート用アンカの製造方法
JP2001262981A (ja) * 2000-03-21 2001-09-26 Yamax Corp コンクリート製の取付物の結合方法および結合装置
JP2006022550A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Kfc Ltd 異形差筋アンカーとその製造法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62135704U (ja) * 1986-02-19 1987-08-26
JPH0617811A (ja) * 1992-07-03 1994-01-25 Japan Drive-It Co Ltd コンクリート用アンカの製造方法
JP2001262981A (ja) * 2000-03-21 2001-09-26 Yamax Corp コンクリート製の取付物の結合方法および結合装置
JP2006022550A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Kfc Ltd 異形差筋アンカーとその製造法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8979452B2 (en) 2011-02-04 2015-03-17 N-Pat Co., Ltd. Anchor bolt, anchor, connecting nut and clamping nut
US8888415B2 (en) 2012-02-02 2014-11-18 N-Pat Co., Ltd. Anchor and method of installing anchor
EP3680699A4 (en) * 2017-09-04 2020-10-21 Shenzhen Gongfenxiang Network Technology Co., Ltd. VIRTUAL DISPLAY DEVICE
CN111005563A (zh) * 2019-12-24 2020-04-14 机械工业第六设计研究院有限公司 混凝土剪力墙的连接施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5399216B2 (ja) 2014-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5399216B2 (ja) アンカー
US20110217140A1 (en) Blind Rivet
JP2007198572A (ja) 金属拡張アンカー、金属拡張アンカーの施工方法
JP6779566B2 (ja) あと施工アンカー及びその設置構造
JP2017119961A (ja) 継手部品及び継手構造の形成方法
US20070160418A1 (en) Quick assembly bolt jacket
US20100074683A1 (en) Joint and method for connecting members end to end
JP2017082478A (ja) アンカーピン及びその設置方法、アンカーピン設置構造
JP6898050B2 (ja) あと施工アンカーの施工方法
JP2006336387A (ja) アンカー装置
JP2019085811A (ja) 接着系アンカー用のアンカーボルト、接着系アンカーおよび接着系アンカーの施工方法
GB2109433A (en) Attachment assembly
JP7362210B2 (ja) コンクリート用アンカーの施工方法
JP2005105677A (ja) あと施行アンカー工法
JP6706126B2 (ja) アンカー、アンカーの製造方法、アンカーの施工方法、及びスリーブ打込治具
JP6470601B2 (ja) ロックボルト及びその施工方法
JP2002001677A (ja) アンカー抜き取り具
JP4182424B2 (ja) アンダーカットアンカーおよびアンダーカットアンカーを穿設孔内に固定する方法
JP2008138851A (ja) ブラインドリベット
JP6779564B2 (ja) 芯棒打込み式アンカー及びその施工方法
KR100717252B1 (ko) 어스앵커의 시공방법 및 장치
KR20200053842A (ko) 연결 대나무 소일네일링 구조
KR101839100B1 (ko) 분산형 복합 그라운드 앵커용 내부 정착체
JP2006274730A (ja) 先受鋼管における端末管
JP7357548B2 (ja) アンカー、アンカーを取り付けた足掛け具およびアンカーの固定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5399216

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250