JP2011110253A - 眼科装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】瞳孔径寸法の異なる状態における屈折状態を正確に測定する。
【解決手段】被検眼Eを照明する固視光学系80と、被検眼Eの瞳孔径内の光学特性の分布を測定可能な受光光学系30と、受光光学系30からの測定結果を取り込んで被検眼Eの瞳孔径寸法を計測する瞳孔径寸法計測手段と、その計測結果を表示する表示部とを備え、固視光学系80は、被検眼Eに対して、夜間の明るさ及び昼間の明るさを照射する機能を有し、受光光学系30は、夜間の明るさを照射されたときの被検眼Eの瞳孔径寸法と、昼間の明るさを照射されたときの被検眼Eの瞳孔径寸法とをそれぞれ複数回連続的に測定可能であり、瞳孔径寸法計測手段は、受光光学系30で測定した被検眼Eの瞳孔径寸法の分布から、夜間の明るさにおける被検眼Eの複数の瞳孔径寸法のうち最大の瞳孔径寸法と、昼間の明るさにおける被検眼Eの複数の瞳孔径寸法のうち最小の瞳孔径寸法とを求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検眼の瞳孔径内の光学特性の分布の測定が可能な眼科装置に関する。
従来、被検眼の眼特性の屈折状態の測定が可能な眼科装置が知られている。このような眼科装置に、被検眼の瞳孔径内の光学特性の分布の測定が可能な測定光学系を備え、被検眼の眼底に測定光線を照射し、その反射光束のうち瞳孔を通過した光束の受光結果に基づいて波面解析を行う(以下、波面収差の測定という)ことにより、当該被検眼の屈折力(屈折状態)を多面的に解析することのできるものがある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、被検眼では、昼間の環境下(明所)と夜間の環境下(暗所)とで瞳孔径が変化することから、それぞれの瞳孔径での屈折状態を測定することが求められる。このため、昼間における瞳孔径の大きさ(以下、昼間瞳孔径寸法という)を取得し、上記した眼科装置を用いて、夜間における大きく開いた状態の瞳孔の被検眼に対して波面収差の測定を行い、その波面解析を行うことにより被検眼の夜間の屈折状態を測定するとともに、大きく開いた状態の瞳孔と同心上の昼間瞳孔径寸法の領域での波面解析を行うことにより被検眼の昼間の屈折状態を測定することが考えられている。
特開2004−135815号公報
しかしながら、実際の被検眼では、瞳孔が大きく開かされたり小さく萎められたりする際、瞳孔の中心位置が変位したり瞳孔の形状が変化したりすることから、上記した方法による被検眼の昼間の環境下での屈折状態の測定結果には改善の余地があった。
そこで、瞳孔の中心位置が変位したり瞳孔の形状が変化したりするのを抑制するために、瞳孔を小さくさせたいときは内部固視を明るくし、瞳孔を大きくさせたいときは内部固視を暗くするよう測定光線の制御を行う眼科装置が本出願人より提案されている(特願2009−105753)。
しかし、実際には同じ明るさであっても、瞳孔は周期的に大きくなったり小さくなったりを繰り返しているため、単に測定光線の明るさを制御するだけではベストな瞳孔径寸法を測定できないという問題がある。
本発明は、内部固視を明るくしたり暗くしたりしたときに、ベストな瞳孔径寸法の測定が可能で、被検眼に対し瞳孔径寸法の異なる状態における屈折状態を正確に測定することのできる眼科装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、可視光により被検眼を照明する可視光照明手段と、前記被検眼の瞳孔径内の光学特性の分布を測定可能な測定光学系と、前記可視光照明手段で前記被検眼を照明したときの前記測定光学系からの測定結果を取り込んで当該被検眼の瞳孔径寸法を計測する瞳孔径寸法計測手段と、前記瞳孔径寸法計測手段における計測結果を表示する表示部とを備えた眼科装置であって、前記可視光照明手段は、前記被検眼に対して、夜間の環境下と同等の明るさを照射する機能と、昼間の環境下と同等の明るさを照射する機能とを有し、前記測定光学系は、前記可視光照明手段により夜間の環境下と同等の明るさを照射されたときの前記被検眼の光学特性の分布を複数回連続的に測定可能であるとともに、前記可視光照明手段により昼間の環境下と同等の明るさを照射されたときの前記被検眼の光学特性の分布を複数回連続的に測定可能であり、前記瞳孔径寸法計測手段は、前記測定光学系で測定した前記被検眼の光学特性の分布から、夜間の環境下と同等の明るさにおける前記被検眼の複数の瞳孔径寸法のうち最大の瞳孔径寸法と、昼間の環境下と同等の明るさにおける前記被検眼の複数の瞳孔径寸法のうち最小の瞳孔径寸法とを求めることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記可視光照明手段は、前記被検眼に対して、夜間の環境下と同等の明るさを少なくとも3回連続的に照射するとともに、昼間の環境下と同等の明るさを少なくとも3回連続的に照射することを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記可視光照明手段は、前記被検眼に固視チャートを投影する固視光学系であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記可視光照明手段では、前記被検眼に対して夜間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量と、該被検眼に対して昼間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量とを含み、意図的に異なる2つ以上の予め設定された値で、光量が切り換え可能とされていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記可視光照明手段の光量の調整のための調整操作部が設けられていることを特徴としている。
本発明の眼科装置によれば、測定光学系は、夜間の環境下と同等の明るさにおける被検眼の瞳孔径寸法を複数回(少なくとも3回)測定するとともに、昼間の環境下と同等の明るさにおける被検眼の瞳孔径寸法を複数回(少なくとも3回)測定することができる。そして、瞳孔径寸法計測手段は、測定光学系での測定結果から、夜間の環境下と同等の明るさにおける被検眼の複数の瞳孔径寸法のうち、最大の瞳孔径寸法を求めるとともに、昼間の環境下と同等の明るさにおける被検眼の複数の瞳孔径寸法のうち、最小の瞳孔径寸法を求める。これにより、被検眼に対し瞳孔径寸法の異なる状態における光学特性をより正確に測定することができる。
上記した構成に加えて、前記可視光照明手段は、前記被検眼に固視チャートを投影する固視光学系であることとすると、新たな光源を設ける必要がないことから簡易な構成とすることができるとともに、測定の際に被検者は固視チャート像を観察するだけでよいことから、被検者に違和感を覚えさせることなく瞳孔径を変化させることができる。
上記した構成に加えて、前記可視光照明手段では、前記被検眼に対して夜間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量と、該被検眼に対して昼間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量とを含み、意図的に異なる2つ以上の予め設定された値で、光量が切り換え可能とされていることとすると、容易に昼間の環境下での瞳孔径寸法での光学特性と、夜間の瞳孔径寸法での光学特性とを測定することができる。
上記した構成に加えて、前記可視光照明手段の光量の調整のための調整操作部が設けられていると、表示部に表示された瞳孔径寸法を見ながら調整操作部を操作することにより、所望の瞳孔径寸法での光学特性を測定することができる。
本発明に係る眼科装置の光学系を模式的に示す説明図である。 眼科装置の電気制御系を模式的なブロック回路で示す説明図である。 被検眼側から正面視したプラチドリングパターンを模式的に示す説明図である。 エリアセンサ(その受光面)上で見た、プラチドリングパターンによる投影像を説明するための説明図である。 Zアライメントがずれた状態を説明するための図4と同様の説明図である。 固視チャートの一例を示す図である。 被検眼の瞳孔の変化の様子を説明するための説明図であり、(a)は瞳孔が大きく開かれた状態を示し、(b)は瞳孔が縮小した状態とその推定状態とを示している。 瞳孔が縮小した被検眼に対する波面収差の測定の様子を説明するための説明図である。 瞳孔が大きく開かれた被検眼に対する波面収差の測定の様子を説明するための説明図である。 解析処理部が瞳孔径寸法に関するデータをエリアセンサから取り込む様子を説明した図である。 変形例1の眼科装置の電気制御系を示す図2と同様の説明図である。 変形例1の眼科装置において表示部に瞳孔径寸法をリアルタイムで表示させる一例を示す説明図である。 変形例1の眼科装置において表示部に瞳孔径寸法をリアルタイムで表示させる他の例を示す説明図である。 変形例2の眼科装置の電気制御系を示す図2と同様の説明図である。
以下に、本発明に係る眼科装置を図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る眼科装置10の光学系を模式的に示す説明図である。図2は、眼科装置10の電気制御系を模式的なブロック回路で示す説明図である。図3は、被検眼E側から正面視したプラチドリングパターン51を模式的に示す説明図である。図4は、エリアセンサ61(その受光面)上で見た、プラチドリングパターン51による投影像を説明するための説明図であり、図5は、Zアライメントがずれた状態を説明するための図4と同様の説明図である。図6は、固視チャートの一例を示す図である。図7は、被検眼Eの瞳孔Epの変化の様子を説明するための説明図であり、(a)は瞳孔Epが大きく開かれた状態を示し、(b)は瞳孔Epが縮小した状態を示している。図8は、瞳孔Epが縮小した被検眼Eに対する波面収差の測定の様子を説明するための説明図である。図9は、瞳孔Epが大きく開かれた被検眼Eに対する波面収差の測定の様子を説明するための説明図である。なお、図7(b)では、理解容易のために、瞳孔が縮小する際の中心位置の変位や瞳孔の形状の変化を強調して示しており、実際の被検眼Eにおける変化の態様と合致するものではない。
眼科装置10は、実施例1では、被検眼Eの眼特性測定を行うべく波面収差を測定する波面収差測定装置である。この被検眼Eについては、図1では、網膜(眼底)Ef、角膜(前眼部)Ecおよび水晶体Egを示している。
眼科装置10は、図1に示すように、光学系として、測定照明系20と、受光光学系30と、光学系移動手段40と、前眼部照明系50と、アライメント観察光学系60と、XYアライメント光学系70と、固視光学系80と、を備える。また、眼科装置10は、図2に示すように、電気制御系として、制御演算部11と、入力部12と、表示部13と、駆動部14とを備える。
以下、本発明に係る模型眼が適用される眼科装置10の光学系の大略構成、ブロック回路図の大略構成、この眼科装置の作用の概略を説明する。
(測定照明系20の構成)
測定照明系20は、図1に示すように、被検眼Eの眼底Efに照明光束としてのスポット光を照射する(図8および図9参照)のに用いられる。この測定照明系20は、測定光源21と、レンズ22と、偏光ビームスプリッタ23と、ダイクロイックミラー24と、ダイクロイックミラー25と、対物レンズ26と、を有する。測定照明系20では、レンズ22と対物レンズ26との間に偏光ビームスプリッタ23およびダイクロイックミラー24,25が配置されている。偏光ビームスプリッタ23は、照明光束のP偏光成分を反射し、後述する眼底Efからの反射光束のS偏光成分を透過するダイクロイックミラーにより構成される。ダイクロイックミラー24は、照明光束および反射光束を反射し、後述する固視光束を透過する波長選択性ミラーにより構成されている。ダイクロイックミラー25は、照明光束、反射光束および固視光束を反射し、後述する観察光束を透過させるダイクロイックミラーにより構成される。
なお、被検眼Eからダイクロイックミラー25までの光学要素は、測定照明系20、受光光学系30、アライメント観察光学系60、XYアライメント光学系70、および固視光学系80において共通であり、ダイクロイックミラー25からダイクロイックミラー24までの光学要素は測定照明系20、受光光学系30および固視光学系80について共通であり、ダイクロイックミラー24から偏光ビームスプリッタ23までの光学要素は、測定照明系20および受光光学系30について共通である。
測定光源21は、実施例1では、近赤外線を発光するSLD(スーパールミネッセンスダイオード)が用いられている。なお、測定光源21は、レーザーやLED等を用いることもできる。この測定光源21は、制御演算部11(図2参照)からの制御信号S1によって制御される。
この測定照明系20は、測定光源21から出射されレンズ22を透過した光束を、偏光ビームスプリッタ23、ダイクロイックミラー24およびダイクロイックミラー25で反射して対物レンズ26の光軸上へと導き、その対物レンズ26を経て被検眼Eの網膜(眼底)Efを照明する。
(受光光学系30の構成)
受光光学系30は、測定照明系20の照明による眼底Efからの反射光束をエリアセンサ31に導く役割を果たす。この受光光学系30は、エリアセンサ31と、ハルトマン板32と、レンズ33と、レンズ34と、反射鏡35と、を有する。また、受光光学系30は、上述したように、被検眼Eから偏光ビームスプリッタ23までの光学系は測定照明系20の光学系と共通とされている。反射鏡35は、眼底Efからの反射光束の光軸を、測定光源21から出射される照明光束の光軸の方向と平行にする役割を果たす。すなわち、受光光学系30では、測定照明系20により照明された被検眼Eの網膜(眼底)Efからの反射光束を、対物レンズ26を経てダイクロイックミラー24およびダイクロイックミラー25で反射し、偏光ビームスプリッタ23を透過させて反射鏡35で反射することにより、レンズ33、レンズ34およびハルトマン板32が配置された測定光軸上へと導く。レンズ33は、レンズ34を通過した反射光束を平行光束に変換してハルトマン板32に導く。ハルトマン板32は、光束を複数の分割光束に分割する機能を有する。眼底Efからの反射光束は、ハルトマン板32によって複数の分割光束に分割され、各分割光束は、エリアセンサ31の受光面上に集光される。エリアセンサ31は、複数の分割光束を受光して光電変換することにより、ハルトマン板32によって分割された複数の分割光束を受光し、各分割光束の受光光量に応じた受光信号S4を出力する。このエリアセンサ31からの受光信号S4に基づいて波面収差が求められる。この波面収差の変化(エリアセンサ31の受光面上の各輝点の理想波面に対する移動量)に基づき、解析する(エリアセンサ31で得られた光束の傾き角度に基づいてゼルニケ解析を行う)ことにより、被検眼Eの光学特性(屈折状態や収差量等)を演算することができる。このため、受光光学系30は、被検眼Eの瞳孔径内の光学特定の分布を測定可能な測定光学系として機能する。その受光信号S4は制御演算部11(図2参照)に出力される。このエリアセンサ31は、実施例1では、エリアCCDが用いられている。なお、エリアセンサ31は、CMOSセンサ等を用いてもよい。
受光光学系30に用いられるハルトマン板32は、光束を複数の分割光束に分割する部材であり、実施例1では、光軸と直交する面内に配された複数のマイクロフレネルレンズ等のマイクロレンズが用いられている。
(光学系移動手段40の構成)
光学系移動手段40は、測定光源21の移動のための光源移動手段41と、センサユニット36の移動のためのセンサ移動手段42と、後述する視標ユニット87の移動のための視標移動手段43と、を有する。光源移動手段41は、測定光源21を測定照明系20の測定光軸に沿って移動させる機能を有する。センサ移動手段42は、センサユニット36を、受光光学系30の測定光軸に沿って移動させる機能を有する。視標移動手段43については、後述する。
この光源移動手段41とセンサ移動手段42とは、被検眼Eの屈折度数に応じて、測定光源21と被検眼Eの網膜(眼底)Efとエリアセンサ31(その受光面)とが略共役な位置関係となるように、それぞれ駆動される。このような移動の方法としては、あらかじめ「0」ディオプタ(以下、「0」Dと記載する)の被検眼Eを測定した時のエリアセンサ31上の輝点の間隔を記憶し、実際に測定する被検眼Eを測定した際のエリアセンサ31上の輝点間隔が、記憶している間隔と略一致する位置まで移動すればよい。実施例1では、測定光源21の移動量とセンサユニット36の移動量とが等しくなるように、測定照明系20および受光光学系30が光学的に構成され、測定光源21とセンサユニット36とがリンクされており、光源移動手段41とセンサ移動手段42とが単一の駆動源(例えばモータ)で駆動される単一の光学系移動手段40として構成とされている。また、後述するように、視標移動手段43も単一の光学系移動手段40として構成とされている。この光学系移動手段40は、駆動部14(図2参照)からの移動制御信号S3によって駆動制御される。
(前眼部照明系50の構成)
前眼部照明系50は、前眼部(角膜)Ecを所定パターンの照明光によって照明する役割を有し、被検眼Eの角膜Ecの曲率の測定と、被検眼Eと装置の距離を一定に保つZアライメントと、に用いられる。前眼部照明系50は、プラチドリングパターン51と、光源LED52と、コリメータレンズ53と、を有する。プラチドリングパターン51は、図3に示すように、光を透過する多重のリングパターン54,55,56と一対の開口57とを有する。リングパターン54,55,56は、対物レンズ26を取り囲む(対物レンズ26の光軸を中心とする)同心状とされている。一対の開口57は、リングパターン55の中心を通る(対物レンズ26の光軸に直交する)直線上であってリングパターン55上に設けられており、リングパターン55の直径寸法と両開口57の中心位置の間隔とが等しい設定とされている。プラチドリングパターン51は、裏面に配置されたLED(図示せず)により照明されて、リングパターン54,55,56を透過した光束により、被検眼Eの角膜Ecをリング状の発光パターンで照明する。このプラチドリングパターン51の裏面に設けられたLEDは、制御演算部11(図2参照)からの制御信号S6によって制御される。
光源LED52は、各開口57に対応して、プラチドリングパターン51の裏面側(被検眼Eから見て対物レンズ26側)に設けられている。コリメータレンズ53は、焦点位置が対応する光源LED52の出射位置となるように光源LED52とプラチドリングパターン51との間に設けられており、光源LED52から出射されプラチドリングパターン51の裏面に向かう光束を平行光束とする。この各平行光束は、対応する開口57を通過して、被検眼Eの角膜Ecを照明する。この光源LED52は、制御演算部11(図2参照)からの制御信号S2によって制御される。
この前眼部照明系50は、プラチドリングパターン51により、そのリングパターン54,55,56を透過したリング状の発光パターンとして角膜Ecを照明するとともに、光源LED52からの平行光束で角膜Ecを照明する。これらの光束は、角膜Ec(その表面)で反射され、この反射された光束(以下、観察光束という)が対物レンズ26およびダイクロイックミラー25を透過し、後述するアライメント観察光学系60を経てそのエリアセンサ61上にプラチドリングパターン51のリングパターン54,55,56によるリング状の投影像54´,55´,56´を形成するとともに、一対の開口57を通過した各光源LED52による一対の輝点像57´を形成する(図4および図5参照)。なお、実施例1では、エリアセンサ61上には、リング状の投影像54´,55´,56´、および一対の輝点像57´の他に、後述するXYアライメント用の輝点像71´も形成される(図4および図5参照)。このエリアセンサ61上に結像する投影像54´,55´,56´のリング径は、被検眼Eの角膜Ecの曲率に依存することから、エリアセンサ61からの受光信号(エリアセンサ61上でのリング径)に基づいて、角膜Ecの曲率を測定することができる。また、プラチドリングパターン51におけるリング(リングパターン54,55,56)の本数を多くしたり当該リングの間隔を密としたりすることにより、角膜Ecの曲率だけではなく、角膜Ecの詳細な形状を測定することができる。
ここで、エリアセンサ61上に結像する投影像54´,55´,56´のリング径は、被検眼Eに対する装置本体の作動距離(角膜頂点から対物レンズ26までの光学距離)、すなわち被検眼Eに対する測定照明系20、受光光学系30およびアライメント観察光学系60の光軸方向の位置の影響を受けることから、当該距離(位置関係)を一定に保つ必要があり、これをZアライメントという。このZアライメントは、角膜Ecの形状の測定のみならず、波面収差の測定の際にも必要である。Zアライメントは、以下のように行う。
前眼部照明系50は、上述したように、リング状の発光パターンに加えて一対の光源LED52による輝点として角膜Ecを照明する。この光束は、角膜Ec(その表面)で反射され、この反射された観察光束が対物レンズ26およびダイクロイックミラー25を透過し、後述するアライメント観察光学系60を経て、そのエリアセンサ61上に、リング状の投影像54´,55´,56´に加えて一対の光源LED52による一対の輝点像57´を形成する(図4参照)。上述したように、プラチドリングパターン51では、一対の開口57がリングパターン55上に設けられ、リングパターン55の直径寸法と両開口57の中心位置の間隔とが等しく設定されている。また、前眼部照明系50では、角膜Ecに対する照明方向が対物レンズ26の光軸方向に対して傾斜されているとともに、その光軸方向で見たプラチドリングパターン51の裏面に設けられたLEDの出射位置と光源LED52の出射位置とが異なって設定されている。このため、前眼部照明系50によりエリアセンサ61(その受光面)上に形成される像で見ると、Zアライメントが合致している場合、リング状の投影像55´の直径寸法RLと一対の輝点像57´の中心位置の間隔DLとが等しくなる(図4参照)。また、前眼部照明系50によりエリアセンサ61(その受光面)上に形成される像で見ると、Zアライメントの変化に拘らず、一対の輝点像57´の中心位置の間隔DLが変化することはないが、Zアライメントの変化に応じて、リング状の投影像55´の直径寸法RLが変化する。このことから、エリアセンサ61(その受光面)上では、Zアライメントが合致していない場合、リング状の投影像55´の直径寸法RLと一対の輝点像57´の中心位置の間隔DLとに差異が生じる(図5参照)。このため、前眼部照明系50によりエリアセンサ61(その受光面)上に形成されるリング状の投影像55´の直径寸法RLと、一対の輝点像57´の中心位置の間隔DLとが等しくなるように、被検眼Eに対する装置の位置を前後させることにより、被検眼Eと装置との距離を一定に保つZアライメントを実行することができる。
(アライメント観察光学系60の構成)
アライメント観察光学系60は、前眼部照明系50から照射された照明光束でかつ被検眼Eの前眼部Ecにおいて反射された観察光束を用いて前眼部Ecを観察する役割を有する。このアライメント観察光学系60は、エリアセンサ61と、レンズ62と、レンズ63と、ハーフミラー64と、を有する。また、アライメント観察光学系60は、上述したように、被検眼Eからダイクロイックミラー25までの光学系が測定照明系20の光学系と共通とされている。ハーフミラー64は、ダイクロイックミラー25とレンズ63との間に配設され、角膜Ecにおいて反射された観察光束をエリアセンサ61に向けて透過し、後述するXYアライメント光学系70から出射された調整光束を対物レンズ26へ向けて反射する。対物レンズ62は、反射光束を集光光束に変換してエリアセンサ61に導く。エリアセンサ61は、例えばCCDによって構成されている。このエリアセンサ61(CCD)の受光面には、上述したように、前眼部照明系50によるリング状の投影像54´,55´,56´、および一対の輝点像57´と、後述するXYアライメント光学系70によるXYアライメント用の輝点像71´と、が形成される。このエリアセンサ61は、受光信号S7を制御演算部11(図2参照)に送信する。
(XYアライメント光学系70の構成)
XYアライメント光学系70は、被検眼EのXY方向(被検眼Eの近傍における測定照明系20および受光光学系30等の光軸と垂直な面内)のアライメント調整を行う役割を果たす。XYアライメント光学系70は、アライメント光源71と、レンズ72と、反射鏡73と、を有する。また、XYアライメント光学系70は、上述したように、被検眼Eからハーフミラー64までの光学系はアライメント観察光学系60と共通とされている。アライメント光源71は、制御演算部11(図2参照)からの制御信号S5によって制御される。XYアライメント光学系70では、アライメント光源71から出射しレンズ72を経て反射鏡73で反射した光束を、ハーフミラー64で反射させることにより、ダイクロイックミラー25および対物レンズ26を経て、被検眼Eの角膜Ecを照明させる。ここで、エリアセンサ61が、角膜Ecの曲率によってできる虚像(プルキンエ像)と略共役となるように配置されており、XYアライメント光学系70から角膜Ecを照明することにより、その角膜Ec(その表面)で反射された光束(以下、調整光束という)は、対物レンズ26およびダイクロイックミラー25を透過し、アライメント観察光学系60を経てそのエリアセンサ61上に集光したXYアライメント用の輝点像71´を形成する(図4参照)。このXYアライメント光学系70では、図4に示すように、被検眼Eの角膜頂点がアライメント観察光学系60の光軸と一致しているとき、XYアライメント用の輝点像71´が、エリアセンサ61(その受光面)上の中心に位置するように設定されている。ここで、XYアライメント用の輝点像71´は、被検眼Eの角膜頂点がアライメント観察光学系60の光軸と直交する平面内で移動すると、その移動量に応じてエリアセンサ61(その受光面)上を移動する。このことから、XYアライメント用の輝点像71´がエリアセンサ61(その受光面)上の中心に位置するように、被検眼Eに対して装置本体を移動させることにより、XYアライメントを実行することができる。
(固視光学系80の構成)
固視光学系80は、例えば、被検眼Eに、固視や雲霧のための視標を投影する役割を有する。固視光学系80は、被検眼Eに固視チャート像を投影する光学系であり、光源81と、レンズ82と、固視チャート83と、レンズ84と、レンズ85と、反射鏡86と、を有する。また、固視光学系80は、上述したように、被検眼Eからダイクロイックミラー24までの光学系は測定照明系20と共通とされている。反射鏡86は、光源81から出射され、レンズ82、固視チャート83、レンズ84およびレンズ85を透過した光束(以下、固視光束という)を、測定照明系20における測定光源21からの照明光束の光軸の方向、および受光光学系30におけるエリアセンサ31に向かう反射光束の光軸の方向と一致させる役割を有する。光源81は、可視領域の波長の光(以下、単に可視光という)を出射する光源であり、タングステンランプやLEDが用いられている。また、光源81は、光量が可変とされている。この可変な範囲としては、少なくとも、固視チャート像を観察させる被検眼Eに対して、夜間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量から昼間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量までを含むものとされている。このため、固視光学系80(その光源81)は、測定光学系の光軸に沿って可視光により被検眼Eを照明する可視光照明手段として機能する。この実施例1では、光源81は、夜間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量と昼間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量の2段階の明るさに切り換え可能な設定とされ、入力部12の光量切換スイッチ12aへの操作に応じた制御演算部11(図2参照)からの制御信号S8によって制御される。
固視チャート83は、風景や放射線のパターンからなり、光源81から出射された光束により後方から照明される。この固視光学系80では、光源81から出射され固視チャート83を透過した可視光(以下、固視光束という)を、レンズ84およびレンズ85を透過させ、反射鏡86により反射させ、ダイクロイックミラー24を透過させ、ダイクロイックミラー25で反射して対物レンズ26を経て被検眼Eに入射させることにより、その網膜(眼底)Efに固視チャート83を投影させ、被検眼Eにその固視チャート像を観察させる。これにより、被検眼Eの視線を固視チャート83に固定することができる。なお、実施例1では、固視チャート83として、図6に示すような、地平線83aに向かって直線状に延びる道路83bが描かれた風景が利用されている。
この固視光学系80における光源81、レンズ82および固視チャート83からなる視標ユニット87は、視標移動手段43により、固視光学系80の固視光軸に沿って移動可能とされている。視標移動手段43は、網膜(眼底)Ef上に固視チャート83の像を形成できる位置(ピントの合う位置)まで、固視光学系80を移動させるように駆動される。また、視標移動手段43は、被検眼Eの度数を測定する場面では、被検眼Eの調節の影響をなくすために、ピントが合わなくなる位置まで移動する雲霧を行う。なお、視標移動手段43は、実施例1では、測定光源21とセンサユニット36とがリンクされ、センサ移動手段42および光源移動手段41と単一の光学系移動手段40として構成されており、単一の駆動源(例えばモータ)で駆動される。このため、視標ユニット87は、視標移動手段43すなわち光学系移動手段40への移動制御信号S3によって駆動制御される。
(電気回路の構成)
上述したように、眼科装置10は、図2に示すように、電気制御系として、制御演算部11と、入力部12と、表示部13と、駆動部14とを備える。
制御演算部11には、受光光学系30のエリアセンサ31からの受光信号S4と、アライメント観察光学系60のエリアセンサ61からの受光信号S7と、が入力される。また、制御演算部11には、入力部12からの操作信号が入力される。この制御演算部11は、入力情報処理部11aと、駆動制御部11bと、解析処理部11cと、画像表示制御部11dと、記憶部11eと、を有する。
入力情報処理部11aは、入力される受光信号S4、受光信号S7、および入力部12からの操作信号を適宜処理して駆動制御部11b、解析処理部11c、画像表示制御部11d、および記憶部11eへと送信する。
駆動制御部11bは、入力情報処理部11aからの信号(入力部12からの操作信号等)に基づいて、測定照明系20の測定光源21を駆動制御(点灯および消灯)したり、光学系移動手段40を駆動制御したり、前眼部照明系50のプラチドリングパターン51と光源LED52、XYアライメント光学系70のアライメント光源71、固視光学系80の光源81、および駆動部14を駆動制御する。また、駆動制御部11bは、解析処理部11cの演算結果に応じた信号に基づいて制御を行う。すなわち、測定照明系20の測定光源21、前眼部照明系50のプラチドリングパターン51と光源LED52、XYアライメント光学系70のアライメント光源71、固視光学系80の光源81に制御信号S1,S2,S5,S6,S8を送信して制御したり、駆動部14を駆動して制御信号S3を光学系移動手段40へと送信させる。さらに、駆動制御部11bは、眼科装置10の機能を発揮させるための諸制御を行う。ついで、記憶部11eに格納した制御用プログラムを用いて測定光源21から射出される光の光量の調整等に関して自動制御を行っても良い。
解析処理部11cは、入力情報処理部11aからの信号(受光光学系30からの受光信号S4、およびアライメント観察光学系60からの受光信号S7)に基づいて被検眼Eの波面収差、屈折力等を演算する。また、解析処理部11cは、測定された波面収差およびその他の測定データから被検眼Eに関する種々の光学特性、例えば、点像分布係数(PSF)、被検眼の伝達特性を示すMTF(Modulation Transfer Function)、瞳孔径寸法、コントラスト感度等を演算する。このため、解析処理部11cは、瞳孔径寸法計測手段として機能する。さらに、解析処理部11cは、これら演算結果に応じた信号又は他の信号・データを、光学系および電気制御系の制御を行う駆動制御部11bと、画像表示制御部11dと、記憶部11eとに適宜出力する。
画像表示制御部11dは、入力情報処理部11aからの信号(受光光学系30からの受光信号S4およびアライメント観察光学系60からの受光信号S7等)に基づいて、被検眼Eの前眼部Ecの画像または波面を示す画像等を表示させるための信号を表示部13へと出力する。また、画像表示制御部11dは、測定結果、演算結果、解析結果や操作者がデータを入力、指示するためのウインドウ等を表示させるための信号を表示部13へと出力する。
記憶部11eは、被検眼Eに関するデータ、波面収差の演算に用いるデータ、測定における設定データ等を格納する。すなわち、入力情報処理部11aや駆動制御部11bや解析処理部11cから送信された情報を適宜格納し、当該格納した情報を、入力情報処理部11aや駆動制御部11bや解析処理部11cや画像表示制御部11dからの求めに応じて適宜引き出させる。また、記憶部11eは、測定を自動的に行う場合等の制御用プログラムを記憶する。
入力部12は、操作者が、所定の設定、指示、データ等の各種入力信号を入力するための、スイッチ、ボタン、キーボード等である。ここでは、表示部13に表示されたボタン、アイコン、位置、領域等を支持するためのポインティングデバイス等も含むものとする。入力部12は、自らに為された操作に応じた操作信号を制御演算部11に出力する。入力部12は、実施例1では、光量切換スイッチ12aと測定開始スイッチ12bとを有する。光量切換スイッチ12aは、光源81の光量を、設定された夜間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量と昼間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量との2段階の明るさに切り換えるためのものであり、測定開始スイッチ12bは、各種測定を実行させるためのものである。
表示部13は、測定結果、演算結果、解析結果や操作者がデータを入力、指示するためのウインドウ、被検眼Eの画像等を表示する。表示部13は、制御演算部11の制御下で、適宜表示を行う。
駆動部14は、例えば、制御演算部11に入力されたエリアセンサ31からの受光信号S4に基づいて、測定照明系20の測定光源21(光源移動手段41)、受光光学系30のセンサユニット36(センサ移動手段42)、および固視光学系80の視標ユニット87(視標移動手段43)を一体的に光軸方向に移動させる光学系移動手段40を駆動する。この駆動部14は、光学系移動手段40に対して移動制御信号S3を出力することにより、当該光学系移動手段40を駆動する。
(波面収差の測定の概要)
この眼科装置10では、波面収差の測定を行う際、図1に示すように、固視光学系80の光源81を点灯し、被検眼Eに固視チャート像を観察させる。この状態において、XYアライメントにより被検眼Eの角膜頂点と装置本体の測定光軸(対物レンズ26の光軸)とを一致させるとともに、Zアライメントにより被検眼Eの角膜頂点から装置本体までの距離を一定に保つ。その後、測定照明系20の測定光源21を光学系移動手段40により基準位置に移動して、その測定光源21を点灯する。このとき、受光光学系30のセンサユニット36および固視光学系80の視標ユニット87も光学系移動手段40により一体的に移動されることから、基準位置とされる。この基準位置において、被検眼Eの屈折状態の仮測定を行い、この仮測定の結果に基づいて被検眼Eの屈折力を打ち消す位置に、測定照明系20の測定光源21、受光光学系30のセンサユニット36および固視光学系80の視標ユニット87を移動させ、その位置で再度被検眼Eの屈折状態を測定する。この再度の測定の結果、受光光学系30のセンサユニット36が被検眼Eの屈折力を略打ち消す位置となっていた場合、固視光学系80の視標ユニット87をプラス側へと移動して固視チャート像を雲霧させる。この状態で、被検眼Eの屈折状態および収差の測定を行う。
この測定では、測定照明系20において、測定光源21から出射されレンズ22を透過した光束を、偏光ビームスプリッタ23、ダイクロイックミラー24およびダイクロイックミラー25で反射して対物レンズ26の光軸上へと導き、その対物レンズ26を経て被検眼Eの眼底Efを照明する。これを照明光束Liとすると、図8および図9に示すように、極めて小さな径の光束として対物レンズ26を経て被検眼Eへと入射し、眼底Efの微小な領域(スポット光)を照明する。すると、眼底Efでは、照明光束Liが反射され、その反射された光束のうち瞳孔Ep(虹彩Eiの内方)を通過した光束が、対物レンズ26へ向かう。これを反射光束Lrとすると、反射光束Lrは、図1に示すように、対物レンズ26を経て受光光学系30へと導かれる。すなわち、反射光束Lrは、受光光学系30において、対物レンズ26を経てダイクロイックミラー24およびダイクロイックミラー25で反射され、偏光ビームスプリッタ23を透過して反射鏡35で反射され、レンズ33、レンズ34およびハルトマン板32へ向かい、このハルトマン板32を経て複数の分割光束に分割されてエリアセンサ31の受光面上に集光される。エリアセンサ31は、各分割光束を受光して光電変換することにより、各分割光束の受光光量に応じた受光信号S4を制御演算部11へと出力する。制御演算部11は、解析処理部11cにおいて受光信号S4により取得したデータから波面収差を得ることができ、この波面収差の変化(エリアセンサ31の受光面上の各輝点の理想波面に対する移動量)に基づき解析することにより、被検眼Eの光学特性(屈折状態や収差量等)を演算することができる。ここで、この演算された屈折状態は、図8および図9に示すように、被検眼Eにおける反射光束Lrが透過した領域(図8でハッチを付した領域(符号Ar)および図9でハッチを付した領域(符号Ae)参照)での実際の光学的な要素の総てを包含したものとなる。
(従来技術の問題点)
被検眼では、昼間の環境下(明所)(以下では、単に「昼間の」ともいう)と夜間の環境下(暗所)(以下では、単に「夜間の」ともいう)とでは瞳孔径が変化することから、それぞれの環境下でのより正確な屈折状態を得るために、それぞれの瞳孔径での屈折状態を測定することが求められている。ここで、上述したように、波面収差の測定においては、被検眼Eにおける反射光束Lrが透過した領域(図8の符号Arおよび図9の符号Ae参照)での実際の光学的な要素の総てを包含した屈折状態を得ることができることから、従来では、以下のように、昼間と夜間との被検眼の屈折状態を測定している。
先ず、図9に示すように、被検眼Eの瞳孔Epを大きく開かせた状態(散瞳)で(図7(a)の符号瞳孔Ep1参照)、その被検眼Eに照明光束Liを照射し、その反射光束Lrの受光結果に基づいて波面解析を行うことにより、被検眼Eにおいて、大きく開かれた瞳孔Ep1に対して反射光束Lrが透過した領域Aeでの実際の光学的な要素の総てを包含した屈折状態を演算する。例えば、このときの屈折状態を夜間における屈折状態とする。
次に、図7(b)に示すように、大きく開かれた瞳孔Ep1に対する反射光束Lrの受光結果のうち、昼間における縮小した推定瞳孔Ep2に相当する領域のみの受光結果に基づいて波面解析を行うことにより、推定瞳孔Ep2に対する屈折状態を演算する。これは、実際に被検眼Eにおいて、瞳孔Ep1に対して反射光束Lrが透過した領域Aeから、推定瞳孔Ep2に対応する領域(推定瞳孔Ep2に対して反射光束が透過した領域)を切り出したこととなるので、実際に推定瞳孔Ep2の状態での被検眼Eからの反射光束の受光結果に基づいて波面解析を行った場合と同様の解析結果(屈折状態)を得ることができるものと考えられる。ここで、昼間における縮小した推定瞳孔Ep2は、昼間における瞳孔Epの径寸法dを予め取得し、大きく開かれた瞳孔Ep1の中心位置cを中心とする径寸法dの円と推定することにより、求めることができる。この径寸法dは、昼間と見なせる明るさ(昼間の環境下)での被検眼Eの測定結果を用いてもよく、昼間の環境下における瞳孔の平均的な径寸法を用いてもよい。
ところが、実際の被検眼では、瞳孔が大きく開かされたり小さく萎められたりする際、瞳孔の中心位置が変位したり瞳孔の形状が変化したりする。これは、例えば、図7(b)に示すように、被検眼Eにおいて、瞳孔が略円形で大きく開かれた状態(図7(a)の符号Ep1参照)における中心位置が符号cで示す位置であったとして、実際に瞳孔が縮小すると符号Ep3で示すように、瞳孔が略円形から歪むとともに、その中心位置c´も中心位置cから変位する。このため、上記した従来の方法では、演算した屈折状態は、実際の昼間において縮小した瞳孔における屈折状態とは異なるものとなってしまう。ここで、上記したような瞳孔の中心位置の変位や瞳孔の形状の変化の態様は、被検眼毎に異なることから、推定結果としての昼間における縮小した推定瞳孔Ep2を、実際の昼間における縮小した瞳孔Ep3に合致させることは困難である。
また、実際には同じ明るさであっても、瞳孔は周期的に大きくなったり小さくなったりを繰り返している。しかし、従来では、夜間の明るさになるよう照明光束Liを暗くしたときと、昼間の明るさになるよう照明光束Liを明るくしたときにそれぞれ一度ずつ測定するだけであるので、ベストな瞳孔径寸法を測定できない。
(本願発明の眼科装置の作用)
本願発明の眼科装置10では、上述したように、被検眼Eに固視チャート像を観察させるために可視光を出射する固視光学系80の光源81が、入力部12の光量切換スイッチ12aへの操作に基づく制御演算部11の制御下において光量が可変とされており、被検眼Eに対して、夜間と同等の明るさで照射することができ、かつ昼間と同等の明るさで照射することができる。
このため、眼科装置10では、光量切換スイッチ12aへの操作により、固視光学系80の光源81を夜間の環境下と同等の明るさで被検眼Eを照射する光量として、被検眼Eを照明しつつ、例えば、測定開始スイッチ12bの操作で波面収差の測定を行うことにより、図9に示すように、被検眼Eの瞳孔Epを大きく開かせた状態(図7(a)の符号Ep1参照)に対して反射光束Lrが透過した領域Aeでの実際の光学的な要素の総てを包含した屈折状態を演算することができる。
また、光量切換スイッチ12aへの操作により、固視光学系80の光源81を昼間の環境下と同等の明るさで被検眼Eを照射する光量として、被検眼Eを照明しつつ、例えば、測定開始スイッチ12bの操作で波面収差の測定を行うことにより、図8に示すように、被検眼Eの瞳孔を縮小させた状態(図7(b)の符号Ep3参照)に対して反射光束Lrが透過した領域Arでの実際の光学的な要素の総てを包含した屈折状態を演算することができる。ここで、上述したように、大きく開かれた瞳孔Ep1と縮小した瞳孔Ep3とでは、中心位置(図7(b)の符号cおよび符号c´参照)が互いにズレているが、波面収差の測定の際には固視光学系80による固視チャート像の観察により被検眼Eの固視方向を調整していることから、被検眼Eでは眼球が回旋点を中心に旋回されて中心位置(図7(b)の符号cおよび符号c´参照)が測定光軸上に位置されることとなるので、当該測定光軸を変更しなくても波面収差を適切に測定することができる(図8参照)。
このように、本願発明の眼科装置10では、固視光学系80の光源81の光量を意図的に変更しつつ波面収差の測定を行うことにより、詳細には、夜間の環境下の明るさの可視光で被検眼Eを照明しつつ波面収差の測定を行うとともに昼間の環境下の明るさの可視光で被検眼Eを照明しつつ波面収差の測定を行うことにより、夜間の明るさに対応する大きく開かれた瞳孔Ep1(図7(a)参照)に対して反射光束Lrが透過した領域Ae(図9参照)での実際の光学的な要素の総てを包含した屈折状態を演算することができるとともに、実際の昼間の明るさに対応する縮小した瞳孔Ep3(図7(b)参照)に対して反射光束Lrが透過した領域Ar(図8参照)での実際の光学的な要素の総てを包含した屈折状態を演算することができる。このため、瞳孔Epが大きく開かされたり小さく萎められたりすることに伴う瞳孔Epの中心位置の変位や瞳孔Epの形状の変化に拘らず、異なる明るさの環境下における実際の被検眼Eの屈折状態をそれぞれ適切に測定することができる。特に、実施例1では、夜間の環境下での実際の被検眼Eの屈折状態と、昼間の環境下での実際の被検眼Eの屈折状態と、を適切に測定することができるので、夜間での使用を目的とする最適な眼鏡やコンタクトレンズと、昼間での使用を目的とする最適な眼鏡やコンタクトレンズと、のそれぞれの適切な処方に大きく貢献することができる。
加えて、本願発明の眼科装置10では、夜間の環境下の明るさの可視光で被検眼Eを照明しつつ波面収差の測定を行った際、解析処理部11cがアライメント観察光学系60からの受光信号S7に基づいて大きく開かれた瞳孔Ep1の中心位置c(図7(a)参照)を演算するとともに、昼間の環境下の明るさの可視光で被検眼Eを照明しつつ波面収差の測定を行った際、解析処理部11cがアライメント観察光学系60からの受光信号S7に基づいて縮小した瞳孔Ep3の中心位置c´(図7(b)参照)を演算する。この演算結果は、適宜記憶部11eに格納するとともに、画像表示制御部11dの制御下で表示部13に適宜表示させることができる。また、眼科装置10では、アライメント観察光学系60のエリアセンサ61からの受光信号S7を解析処理部11cが解析することにより、被検眼Eの瞳孔Epの形状を取得することができ、画像表示制御部11dの制御下で表示部13に適宜表示させることができる。このため、眼科装置10では、瞳孔Epが大きく開いたり小さく縮んだりした瞳孔Epの中心位置や形状の情報を取得することができる。
さらに、本願発明の眼科装置10では、夜間の明るさになるよう照明光束Liを暗くしたときに測定開始スイッチ12bが操作されると、解析処理部11cは、エリアセンサ31から瞳孔径寸法に関するデータを複数回(ここでは3回)に分けて取り込む。また、昼間の明るさになるよう照明光束Liを明るくしたときに測定開始スイッチ12bが操作されると、解析処理部11cは、エリアセンサ31から瞳孔径寸法に関するデータを複数回(ここでは3回)に分けて取り込む。解析処理部11cが取り込んだ瞳孔径寸法に関するデータは、一旦記憶部11eに記憶される。
図10は、解析処理部11cが、瞳孔径寸法に関するデータをエリアセンサ31から取り込む様子を説明した図である。解析処理部11cは、照明光束Liを暗くしたときに取り込んで記憶部11eに記憶した瞳孔径寸法のうちから、最大の瞳孔径寸法を求める。すなわち、照明光束Liを暗くした際の瞳孔径寸法は、同図に示すように変動しており、例えば、解析処理部11cがエリアセンサ31から取り込んだ瞳孔径寸法が、1回目100%、2回目95%、3回目93%であったとすると、最大の瞳孔径寸法は100%となる。解析処理部11cによって求められた最大の瞳孔径寸法100%は、表示部13に表示される。
また、解析処理部11cは、照明光束Liを明るくしたときに取り込んで記憶部11eに記憶した瞳孔径寸法のうちから、最小の瞳孔径寸法を求める。すなわち、照明光束Liを明るくした際の瞳孔径寸法は、図10に示すように変動しており、解析処理部11cがエリアセンサ31から取り込んだ瞳孔径寸法が、1回目33%、2回目29%、3回目25%であったとすると、最小の瞳孔径寸法は25%となる。解析処理部11cによって求められた最小の瞳孔径寸法25%は、表示部13に表示される。
なお、上記した実施例1では、照明光束Liを暗くしたときと明るくしたときに、解析処理部11cが瞳孔径寸法をそれぞれ3回ずつ取り込んでいたが、それぞれ4回以上ずつ取り込んでもよい。
また、実施例1では、光源81の光量を、夜間の環境下の明るさの可視光で被検眼Eを照明するものと、昼間の環境下の明るさの可視光で被検眼Eを照明するものとを含む、4段階の明るさに切り換え可能な構成(光量切換スイッチ12aへの操作)とされていたが、意図的に異なる2つ以上の値(瞳孔径寸法の変化に起因して実質的な被検眼Eの光学特性の変化が生じ得る観点で異なる値)に切り換えるものであれば、異なる明るさの環境下における実際の被検眼Eの屈折状態をそれぞれ測定することができるので、上記した実施例1に限定されるものではない。
[実施例1の変形例1]
次に、実施例1の変形例1の眼科装置101について説明する。この変形例1の眼科装置101(図11参照)は、制御演算部111の画像表示制御部111dによる表示部131への表示制御の内容が異なること、およびそれに伴って入力部121の構成が異なることを除くと、その基本的な構成は実施例1の眼科装置10と同様であるので、同一機能部分には実施例1と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、図11は、変形例1の眼科装置101の電気制御系を示す図2と同様の説明図である。また、図12は、表示部131に瞳孔径の大きさ寸法(瞳孔の直径寸法であり、以下、瞳孔径寸法Pdという)をリアルタイムで表示させる一例を示す説明図であり、図13は、表示部131に瞳孔径寸法Pdをリアルタイムで表示させる他の例を示す説明図である。
眼科装置101では、図11に示すように、入力部121に、光量切換スイッチ12aと測定開始スイッチ12bとに加えて、光量調整スイッチ12cが設けられている。この光量調整スイッチ12cは、光源81の光量を連続的に変化させるための操作スイッチである。このため、光量調整スイッチ12cは、可視光照明手段の光量の調整のための調整操作部として機能する。
この変形例1においても、解析処理部111cは、夜間の明るさにおいてエリアセンサ31から取り込んだ複数の瞳孔径寸法のうち最大の瞳孔径寸法を求めるとともに、昼間の明るさにおいてエリアセンサ31から取り込んだ複数の瞳孔径寸法のうち最小の瞳孔径寸法を求めるようにする。
眼科装置101では、制御演算部111の画像表示制御部111dが表示部131に、図12に示すように、被検眼Eの画像をリアルタイムで(即時的に)表示させるとともに、その画像に重ねて瞳孔径寸法Pdを表示させる。この瞳孔径寸法Pdは、アライメント観察光学系60のエリアセンサ61からの受光信号S7を、解析処理部111cが解析することにより、演算することができ、この演算結果に基づいて画像表示制御部111dが表示部131に表示させる。
この眼科装置101では、検者は、波面収差の測定を行う際、固視光学系80の光源81で被検眼Eを照明し、表示部131を見つつ入力部121の光量調整スイッチ12cを操作することにより、被検眼Eの瞳孔Epの径寸法(瞳孔径寸法Pd)を調節することができるとともに、所望の瞳孔径寸法Pdとなった時点で測定開始スイッチ12bを操作することにより、所望の瞳孔径寸法Pdとした被検眼Eに対して反射光束が透過した領域での実際の光学的な要素の総てを包含した屈折状態を演算することができる。
また、被検眼Eに固視チャート像を観察させて、表示部131を見つつ入力部121の光量調整スイッチ12cを操作することにより、被検眼Eの瞳孔Epの径寸法(瞳孔径寸法Pd)を調節することができるので、実施例1と同様の瞳孔Epの中心位置の演算機能を利用することにより、所望の瞳孔径寸法Pdである際の瞳孔Epの中心位置を測定することができる。
なお、この変形例1では、アライメント観察光学系60のエリアセンサ61からの受光信号S7に基づいて瞳孔径寸法Pdを演算するとともに、その受光信号S7に基づく被検眼Eの画像に瞳孔径寸法Pdを重ねて表示させるものであったが、検者に容易に認識させるべく瞳孔径寸法Pdの情報を表示部13に表示させるものであればよく、変形例1に限定されるものではない。例えば、受光光学系30のエリアセンサ31からの受光信号S4に基づいて瞳孔径寸法Pdを演算するとともに、図13に示すように、受光信号S4に基づくハルトマン像に瞳孔径寸法Pdを重ねて表示させるものであってもよい。これは、眼科装置101の光学系では、受光光学系30のハルトマン板32と被検眼Eの瞳孔Epとが共役な位置関係とされていることから、瞳孔径寸法Pdとハルトマン板32を経た分割光束によりエリアセンサ31上に投影されるハルトマン像(点像)の範囲とには、被検眼Eの度数に拘らず一定の相関関係があることから、ハルトマン像の外接円から瞳孔径寸法Pdを求めることができることによる。
[実施例1の変形例2]
次に、実施例1の変形例2の眼科装置について説明する。この変形例2の眼科装置102(図14参照)は、制御演算部112の制御下で自動的に波面収差の測定を実行する例である。この変形例2の眼科装置102は、その基本的な構成は実施例1の眼科装置10と同様であるので、同一機能部分には実施例1と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、図14は、変形例2の眼科装置102の電気制御系を示す図2と同様の説明図である。
眼科装置102では、図14に示すように、入力部122に、光量切換スイッチ12aと測定開始スイッチ12bと光量調整スイッチ12cとに加えて、瞳孔径設定スイッチ12dが設けられている。この瞳孔径設定スイッチ12dは、制御演算部112の制御下での自動的な波面収差の測定の実行のための基準となる瞳孔径寸法Pd(図12および図13参照)を入力するための操作スイッチである。瞳孔径設定スイッチ12dへの操作により設定された瞳孔径設定値は、制御演算部112の入力情報処理部112aにより適宜処理されて記憶部112eに格納される。
眼科装置102では、制御演算部112に、入力情報処理部112aと駆動制御部112bと解析処理部112cと画像表示制御部112dと記憶部112eとに加えて、判断処理部112fが設けられている。
この判断処理部112fは、記憶部112eに格納された瞳孔径設定値と、解析処理部112cがアライメント観察光学系60のエリアセンサ61からの受光信号S7に基づいて演算した現状の瞳孔径寸法の情報を取得可能と、を取得して、瞳孔径設定値と現状の瞳孔径寸法との比較結果に応じた信号を駆動制御部112bに送信する。この比較結果とは、瞳孔径設定値よりも現状の瞳孔径寸法が小さい場合と、瞳孔径設定値よりも現状の瞳孔径寸法が大きい場合と、瞳孔径設定値と現状の瞳孔径寸法とが等しいと、の3種類である。
判断処理部112fからの信号を受けた駆動制御部112bは、瞳孔径設定値よりも現状の瞳孔径寸法が小さい場合、光源81の光量を低減させる制御信号S8を光源81へと送信し、瞳孔径設定値よりも現状の瞳孔径寸法が大きい場合、光源81の光量を増加させる制御信号S8を光源81へと送信し、瞳孔径設定値と現状の瞳孔径寸法とが等しい場合、波面収差の測定を実行させる。
この変形例2においても、解析処理部112cは、夜間の明るさにおいてエリアセンサ31から取り込んだ複数の瞳孔径寸法のうち最大の瞳孔径寸法を求めるとともに、昼間の明るさにおいてエリアセンサ31から取り込んだ複数の瞳孔径寸法のうち最小の瞳孔径寸法を求めるようにする。
この眼科装置102では、検者は、波面収差の測定を行う際、入力部122の瞳孔径設定スイッチ12dを操作して所望の瞳孔径を設定することにより、所望の瞳孔径とした被検眼Eに対して反射光束が透過した領域での実際の光学的な要素の総てを包含した屈折状態を演算することができる。
また、入力部122の瞳孔径設定スイッチ12dを操作して所望の瞳孔径寸法を設定し、被検眼Eに固視チャート像を観察させることにより、被検眼Eの瞳孔Epの径寸法を設定した値とすることができるので、実施例1と同様の瞳孔Epの中心位置の演算機能を利用することにより、所望の瞳孔径寸法である瞳孔Epの中心位置を測定することができる。
なお、上記した実施例1では、被検眼Eの瞳孔径内の光学特性の分布を測定する測定光学系として波面収差を測定する受光光学系30が用いられていたが、被検眼Eの眼底Efをスポット光で照明し、眼底Efにより反射されて被検眼Eの瞳孔Epを通過した光束を受光することにより、被検眼Eの光学特性の分布を測定するものであればよく、実施例1の構成に限定されるものではない。
また、上記した実施例1では、可視光照明手段として固視光学系80(その光源81)を利用していたが、測定光学系の光軸に沿って可視光により被検眼Eを照明するものであれば、固視光学系80とは別に設ける構成であってもよく、実施例1の構成に限定されるものではない。
10,101,102 眼科装置
11c,111c,112c (瞳孔径寸法計測手段としての)解析処理部
11e,111e,112e 記憶部
12b 測定開始スイッチ
12c (調整操作部としての)光量調整スイッチ
13 表示部
30 (測定光学系としての)受光光学系
80 (可視光照明手段としての)固視光学系
E 被検眼

Claims (5)

  1. 可視光により被検眼を照明する可視光照明手段と、前記被検眼の瞳孔径内の光学特性の分布を測定可能な測定光学系と、前記可視光照明手段で前記被検眼を照明したときの前記測定光学系からの測定結果を取り込んで当該被検眼の瞳孔径寸法を計測する瞳孔径寸法計測手段と、前記瞳孔径寸法計測手段における計測結果を表示する表示部とを備えた眼科装置であって、
    前記可視光照明手段は、前記被検眼に対して、夜間の環境下と同等の明るさを照射する機能と、昼間の環境下と同等の明るさを照射する機能とを有し、
    前記測定光学系は、前記可視光照明手段により夜間の環境下と同等の明るさを照射されたときの前記被検眼の光学特性の分布を複数回連続的に測定可能であるとともに、前記可視光照明手段により昼間の環境下と同等の明るさを照射されたときの前記被検眼の光学特性の分布を複数回連続的に測定可能であり、
    前記瞳孔径寸法計測手段は、前記測定光学系で測定した前記被検眼の光学特性の分布から、夜間の環境下と同等の明るさにおける前記被検眼の複数の瞳孔径寸法のうち最大の瞳孔径寸法と、昼間の環境下と同等の明るさにおける前記被検眼の複数の瞳孔径寸法のうち最小の瞳孔径寸法とを求めることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記可視光照明手段は、前記被検眼に対して、夜間の環境下と同等の明るさを少なくとも3回連続的に照射するとともに、昼間の環境下と同等の明るさを少なくとも3回連続的に照射することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記可視光照明手段は、前記被検眼に固視チャートを投影する固視光学系であることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科装置。
  4. 前記可視光照明手段では、前記被検眼に対して夜間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量と、該被検眼に対して昼間の環境下と同等の明るさを照射することのできる光量とを含み、意図的に異なる2つ以上の予め設定された値で、光量が切り換え可能とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼科装置。
  5. 前記可視光照明手段の光量の調整のための調整操作部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼科装置。
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