JP2011109067A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することのできる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板の主面上に形成した樹脂絶縁層を、バイトを用いた切削加工により一部除去する切削工程を備えた半導体装置の製造方法であり、切削工程として、表面に金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削する工程を含む。そして、金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削する際に、バイトの先端部及び該先端部の周辺部分に沿った樹脂絶縁層内の応力分布において、極大値の90%の幅が1.3μm以下となるように切削する。
【選択図】図7

Description

この発明は、半導体基板の主面上に形成した樹脂絶縁層を、バイトを用いた切削加工により一部除去する切削工程を備えた半導体装置の製造方法に関するものである。
従来、半導体基板の主面上に形成した樹脂絶縁層を、バイトを用いた切削加工により一部除去する切削工程を備えた半導体装置の製造方法として、例えば特許文献1〜3の技術が開示されている。
特許文献1に記載の半導体装置では、半導体素子の構成された半導体基板の一面上に下地電極が形成され、この下地電極を覆うように、半導体基板の一面上にポリイミドからなる保護膜(樹脂絶縁層に相当)が形成されている。保護膜には、下地電極における金属電極との接続部位を露出させるように開口部が形成されており、下地電極における接続部位の表面上及び保護膜における開口部の壁面上に、金属膜をパターニングしてなる金属電極が形成されている。そして、このような半導体装置を得るために、特許文献1では、下地電極における接続部位の表面上及び保護膜の表面上(上面上及び開口部の壁面上)に金属膜を形成し、半導体基板の厚み方向において、保護膜の上面と下地電極の接続部位の表面との間に設定される切削面にて保護膜を切削することで、金属膜をパターニングするようにしている。
特許文献2では、半導体基板の表面に、所定のバンプパターンを有するレジストマスク(樹脂絶縁層に相当)を形成し、レジストマスクの各バンプパターンを埋めるようにAuからなるバンプを形成する。次いで、バンプ及びレジストマスクの表層を、バイトを用いて切削加工し、バンプ及びレジストマスクの表面が連続して平坦となるようにする。そして、レジストマスクを灰化処理等により除去することで、半導体基板の表面上に、高さが均一で、その上面が一様に平坦化されてなる複数のバンプを形成するようにしている。
特許文献3では、半導体基板上に樹脂層(樹脂絶縁層に相当)を形成した後、樹脂層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、バイトを用いて樹脂層の表層部を切削加工する。すなわち、意図的に、切削面に凹凸を形成する。そして、樹脂層の切削面にシード層を形成し、次いでシード層上にめっき膜を形成する。これにより、樹脂層とシード層との密着性を確保するようにしている。
ところで、金属膜と樹脂絶縁層とでは剛性が大きく異なるため、樹脂絶縁層に金属膜が積層された部分を切削する場合、樹脂絶縁層のみを切削加工するよりも、バイトの先端近傍において樹脂絶縁層に作用する引張応力が高くなる。これにより、金属膜の下地である樹脂絶縁層の切削面がむしれやすくなる。すなわち、樹脂絶縁膜の切削面に亀裂が生じやすくなる。
これに対し、特許文献4では、すくい面の先端に、当該すくい面の最先端部よりバイトの送り方向側に向かって形成されている第1の刃部と、最先端部よりもバイトの送り方向の反対側に向かって形成されている第2の刃部とを備えたバイトを用いる。そして、保護膜(樹脂絶縁層に相当)上に金属膜が積層された部分を第1の刃部により切削し、バイトの送り方向においてバイトが所定ピッチだけ移動した後に、第1の刃部の切削により露出した保護膜の部分を第2の刃部により切削するようにしている。
特開2006−186304号公報 国際公開第2004/061935号 特開2006−148062号公報 特開2008−218823号公報
特許文献1,2では、バイトによる切削加工の条件について特に言及されていない。したがって、切削時に、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じる恐れがある。このように亀裂が生じると、設計段階での冷熱耐久試験や実使用下での温度変化などで樹脂絶縁層に生じる応力が作用して亀裂が成長し、樹脂絶縁層が所望の電気絶縁性を確保することができなくなる。すなわち、亀裂が生じると電気的な絶縁信頼性が低下してしまう。樹脂絶縁層に亀裂が生じると、例えば特許文献1の構成では、下地電極や半導体素子の電気絶縁性を確保できなくなる恐れがある。
特許文献3では、上記のごとく、樹脂絶縁層の表面における十点平均粗さが0.5〜5μmとなるように、バイトを用いて樹脂絶縁層の表層部を切削加工する。このように、樹脂絶縁層の表面に凹凸を意図的に形成するため、切削時に、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じる恐れがある。また、切削面が粗いため、樹脂絶縁層の厚さが面内でばらつき、部分的に所望の電気絶縁性を確保できない恐れがある。
特許文献4によれば、第2の刃部にて切削しない場合(第1の刃部のみで切削する場合)よりも、樹脂絶縁層の表面粗さを小さくすることが可能であるものの、加工条件によっては、バイトにおける第2の刃部にて樹脂絶縁層のみを切削する際に、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じる恐れがある。
本発明は上記問題点に鑑み、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することのできる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
樹脂は、応力−ひずみ曲線で知られているように、ひずみ(変形量)を増していくと、分子を構成している原子の結合角の変化、回転、化学結合の伸びなどにより、先ず弾性変形が起こる。そして、さらにひずみを増していくと、分子鎖の絡み合いがほどけて分子鎖のずれが生じ、マクロ的には粘性流動が起こる。このとき、樹脂は塑性変形していくが、応力に大きな変化は見られない。そして、この塑性変形領域でさらにひずみを増していき、応力が破断強度(切断強度、破壊応力ともいう)に達すると、樹脂に破断が生じる。この破断に至ったときのひずみ(樹脂が破断する直前における最大の変形量)が所謂伸びである。この伸びは、元の長さに対する比率として表される。
表面が外部に露出する樹脂絶縁層の部分を、バイトを用いてを切削する際に生じる亀裂は、切削抵抗などにより、樹脂絶縁層の亀裂する箇所に応力(引張応力)が生じ、この応力が、上記した破断強度を超えることで生じるものと考えられる。そこで、本発明者は、亀裂の原因となる引張応力を抑制すべく、鋭意検討を行った。以下に示す発明は、上記検討の結果得られた知見に基づくものである。
上記目的を達成する為に請求項1〜13に記載の発明は、半導体基板の主面上に形成した樹脂絶縁層を、バイトを用いた切削加工により一部除去する切削工程を備えた半導体装置の製造方法であり、切削工程として、表面に金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削する工程を含む。
そして、請求項1に記載の発明は、金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削する際に、バイトの先端部及び該先端部の周辺部分に沿った樹脂絶縁層内の応力分布において、極大値の90%の幅が1.3μm以下となるように切削することを特徴とする。なお、以下において、樹脂絶縁層におけるバイトの先端部及び該先端部の周辺部分に沿った部分を先端部近傍に沿った樹脂絶縁層と示す。
本発明者が確認した結果、金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削する際に、バイトの先端部近傍に沿った樹脂絶縁層内部の応力分布において、応力の極大値の90%に相当する部分の幅が1.3μmを超えると、切削面に亀裂が生じることが明らかとなった。このように幅が広いのは、バイトの先端部(刃先)で樹脂絶縁層が引き伸ばされてひずみが大きくなり、これにより、樹脂絶縁層内において、塑性変形領域(引張応力の部分)が先端部近傍に広い範囲で分布するためであると考えられる。したがって、破断強度を超える部分で亀裂が生じる。一方、極大値の90%の幅が1.3μm以下の場合、切削面の亀裂を抑制できることが明らかとなった。このように幅が狭いのは、引き伸ばしによるひずみが小さくなり、ひいては、塑性変形領域を先端部付近の狭い範囲に集中させることができるためであると考えられる。
以上から、本発明によれば、バイトを用いて金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削する際に、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じるのを抑制することができる。すなわち、切削加工後の樹脂絶縁層において、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
なお、極大値の90%における幅の下限は、後述する先端部の曲率半径の下限や切り込み量の下限などの製造限界により決定され、現状1.1μm程度である。この点を考慮すると、極大値の90%の幅が1.1μm以上1.3μm以下の範囲内となるように切削すれば良い。
以下、より具体的な構成例について説明する。本発明者は、下記の3つのパラメータ(バイトの先端部における切削方向の曲率半径、樹脂絶縁層の伸び、切り込み量)に着目した。
請求項2に記載の発明では、先端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされたバイトを用い、伸びが0%よりも大きく80%以下の樹脂絶縁層を、0.5μm以上12μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする。
本発明者が確認した結果、先端部において切削方向の曲率半径が0.25μmを超えると、上記極大値の90%における幅が1.3μmよりも大きくなり、樹脂絶縁層を切削する際に、切削面に亀裂が生じることが明らかとなった。これは、曲率半径が大きいことで、バイトの先端(刃先)で樹脂絶縁層が引き伸ばされてひずみが大きくなり、これにより、樹脂絶縁層内において、塑性変形領域(引張応力の部分)が先端部近傍に広い範囲で分布する。そして、破断強度を超える部分で亀裂が生じるものと考えられる。一方、先端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下の場合、切削面の亀裂を抑制できることが明らかとなった。これは、曲率半径が小さいことで、引き伸ばしによるひずみが小さくなり、ひいては、塑性変形領域を先端部付近の狭い範囲に集中させることができるためであると考えられる。なお、先端部の曲率半径の下限は、製製造限界から現状0.03μm程度である。この点を考慮すると、先端部において切削方向の曲率半径が0.03μm以上0.25μm以下とされたバイトを用いれば良い。この曲率半径の下限については、請求項1に従属し、曲率半径を規定する他の発明においても同様である。
また、樹脂絶縁層の伸びが80%を超えると、樹脂絶縁層を切削する際に、切削面に亀裂が生じることが明らかとなった。これは、樹脂絶縁層の伸びが大きいため、ひずみを増加させても容易に破断せずに伸び、伸びている間は上記のごとく応力がさほど増加しないため、塑性変形領域が、先端部近傍に広い範囲で分布する。そして、破断強度を超える部分で亀裂が生じるものと考えられる。一方、樹脂絶縁層として伸びが80%以下のものを用いると、切削面の亀裂を抑制できることが明らかとなった。これは、樹脂絶縁層の伸びが小さいため、先端部で容易に破断に至るとともに、先端部の周辺の樹脂の変形も小さい状態で切削が進むため、塑性変形領域を先端部付近の狭い範囲に集中させることができることによるものと考えられる。
また、樹脂絶縁層は、切削時の背分力(バイトを下方向に押し付ける力)により弾性変形してその厚さ方向に縮むが、切り込み量(切り込み深さともいう)を0.5μm未満とすると、樹脂絶縁層の厚さが薄すぎて先端部が樹脂絶縁層に噛みこまず、安定した切り込み量で切削を行うことができなくなる。一方、切り込み量を12μmより大きくすると、上記極大値の90%における幅が1.3μmよりも大きくなり、樹脂絶縁層を切削する際に、切削面に亀裂が生じることが明らかとなった。これに対し、切り込み量を0.5μm以上12μm未満とすると、安定した切り込み量で切削できるとともに、亀裂の発生を抑制することができる。
請求項3に記載の発明では、伸びが0%よりも大きく80%以下の樹脂絶縁層を、0.5μm以上12μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項4に記載の発明では、先端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされたバイトを用い、伸びが0%よりも大きく80%以下の樹脂絶縁層を切削することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項5に記載の発明では、端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされたバイトを用い、樹脂絶縁層を0.5μm以上12μm以下の切り込み量で切削加工することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項6に記載の発明では、先端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされたバイトを用い、樹脂絶縁層を切削加工することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項7に記載の発明では、伸びが0%よりも大きく80%以下の樹脂絶縁層を切削加工することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項8に記載の発明では、樹脂絶縁層を、0.5μm以上12μm以下の切り込み量で切削加工することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項9に記載のように、樹脂絶縁層を、0.5μm以上7μm未満の切り込み量で切削加工することが好ましい。切り込み量を7μm以上とすると、切り屑に塑性変形の痕跡が認められたことから、切削時において、塑性変形領域が、先端部近傍に広い範囲で分布するものと考えられる。そして、破断強度を超える部分で亀裂が生じるものと考えられる。これに対し、切り込み量を0.5μm以上7μm未満とすると、安定した切り込み量で切削できるとともに、切屑にも塑性変形の痕跡が認められないことから、亀裂の発生を抑制することができる。
請求項10に記載のように、バイトと、樹脂絶縁層及び金属膜が形成された半導体基板との相対速度を、5m/s以上として切削することが好ましい。相対速度が5m/s未満と遅い場合、樹脂絶縁層の粘性を無視できなくなり、切削に与える速度の影響が大きいが、本発明のように、5m/s以上とすると、粘性をほぼ無視できるため、切削に与える速度の影響を低減することができる。
請求項11に記載のように、バイトのすくい角を、0度又は負の角度とすることが好ましい。このように伏せる側にバイトを倒すようにすると、バイトのすくい角を正の角度とする場合に比べて、樹脂絶縁層内において、先端部の周辺に圧縮応力場を作り、引張応力を相殺することができる。また、引張応力の範囲(塑性変形領域)も小さくなる。したがって、上記した発明の効果と相俟って、切削面に亀裂が生じるのを抑制することができる。
上記した発明は、請求項12に記載のように、半導体素子が構成された半導体基板の主面上に、半導体素子と電気的に接続される下地電極を形成する工程と、下地電極を覆うように半導体基板の主面上に樹脂絶縁層を形成するとともに、下地電極の接続部位が露出するように、樹脂絶縁層に開口部を形成する工程と、樹脂絶縁層の表面及び開口部から臨む下地電極の接続部位の表面を覆うように金属膜を形成する工程と、を備え、金属膜の形成後に切削工程を行い、金属膜のうち、開口部の内部に形成された部分のみを残して金属電極とする製造方法に好適である。
これによれば、金属膜をパターニングして金属電極を形成するに際し、バイトを用いた切削加工により、樹脂絶縁層の表層部分及び該表層部分上に位置する金属膜を一括除去できるので、製造工程を簡素化することができる。また、金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削する際に、切削面に亀裂が生じるのを抑制することができる。そして、樹脂絶縁層により、金属電極との電気的な接続部位を除いて、下地電極及び半導体素子を絶縁保護することができる。
また、請求項13に記載のように、半導体基板の主面上に配置された絶縁膜の表面上に配線を形成する工程と、配線を覆うように、絶縁膜の表面上に樹脂絶縁層を形成するとともに、配線の接続部位が露出するように、樹脂絶縁層に開口部を形成する工程と、樹脂絶縁層の表面及び開口部から臨む配線の接続部位の表面を覆うように金属膜を形成する工程と、を備え、金属膜の形成後に切削工程を行い、金属膜のうち、開口部の内部に形成された部分のみを残して接続部とする方法にも好適である。
この場合も、樹脂絶縁層の表層部分及び該表層部分上に位置する金属膜を一括除去できるので、製造工程を簡素化することができる。また、金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削する際に、切削面に亀裂が生じるのを抑制することができる。そして、樹脂絶縁層により、金属膜との電気的な接続部位を除いて、配線を絶縁保護することができる。
次に、上記目的を達成する為に請求項14〜28に記載の発明は、半導体基板の主面上に形成した樹脂絶縁層を、バイトを用いた切削加工により一部除去する切削工程を備えた半導体装置の製造方法であり、切削工程として、表面が外部に露出する樹脂絶縁層の部分を切削する工程を含む。
そして、請求項14に記載の発明は、金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削する際に、バイトの先端部及び該先端の周辺部分に沿った樹脂絶縁層内の応力分布において、極大値の90%の幅が0.06μm以下となるように切削することを特徴とする。
本発明者が確認した結果、外部に露出する樹脂絶縁層の部分を切削する際に、バイトの先端部及び該先端部の周辺部分に沿った樹脂絶縁層内の応力分布において、極大値の90%の幅が0.06μmを超えると、切削面に亀裂が生じることが明らかとなった。このように幅が広いのは、バイトの先端部(刃先)で樹脂絶縁層が引き伸ばされてひずみが大きくなり、これにより、樹脂絶縁層内において、塑性変形領域(引張応力の部分)が先端部近傍に広い範囲で分布するためであると考えられる。したがって、破断強度を超える部分で亀裂が生じる。一方、極大値の90%の幅が0.06μm以下の場合、切削面の亀裂を抑制できることが明らかとなった。このように幅が狭いのは、引き伸ばしによるひずみが小さくなり、ひいては、塑性変形領域を先端部付近の狭い範囲に集中させることができるためであると考えられる。
以上から、本発明によれば、バイトを用いて外部に露出する樹脂絶縁層の部分を切削する際に、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じるのを抑制することができる。すなわち、切削加工後の樹脂絶縁層において、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
なお、極大値の90%における幅の下限は、後述する先端部の曲率半径の下限や切り込み量の下限などの製造限界により決定され、現状0.04μm程度である。この点を考慮すると、極大値の90%の幅が0.04μm以上0.06μm以下の範囲内となるように切削すれば良い。
また、請求項15に記載の発明では、先端部において切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされたバイトを用い、伸びが0%よりも大きく90%以下の樹脂絶縁層を、0.5μm以上15μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする。
本発明者が確認した結果、バイトの先端部において切削方向の曲率半径が0.35μmを超えると、上記極大値の90%における幅が1.3μmよりも大きくなり、樹脂絶縁層を切削する際に、切削面に亀裂が生じることが明らかとなった。これは、曲率半径が大きいことで、バイトの先端(刃先)で樹脂絶縁層が引き伸ばされてひずみが大きくなり、これにより、樹脂絶縁層内において、塑性変形領域(引張応力の部分)が先端部近傍に広い範囲で分布する。そして、破断強度を超える部分で亀裂が生じるものと考えられる。一方、先端部において切削方向の曲率半径が0.35μm以下の場合、切削面の亀裂を抑制できることが明らかとなった。これは、曲率半径が小さいことで、引き伸ばしによるひずみが小さくなり、ひいては、塑性変形領域を先端部付近の狭い範囲に集中させることができるためであると考えられる。なお、先端部の曲率半径の下限は、製製造限界から現状0.03μm程度である。この点を考慮すると、先端部において切削方向の曲率半径が0.03μm以上0.35μm以下とされたバイトを用いれば良い。この曲率半径の下限については、請求項14に従属し、曲率半径を規定する他の発明においても同様である。
また、樹脂絶縁層の伸びが90%を超えると、樹脂絶縁層を切削する際に、切削面に亀裂が生じることが明らかとなった。これは、樹脂絶縁層の伸びが大きいため、ひずみを増加させても容易に破断せずに伸び、伸びている間は上記のごとく応力がさほど増加しないため、塑性変形領域が、先端部近傍に広い範囲で分布する。そして、破断強度を超える部分で亀裂が生じるものと考えられる。一方、樹脂絶縁層として伸びが90%以下のものを用いると、切削面の亀裂を抑制できることが明らかとなった。これは、樹脂絶縁層の伸びが小さいため、バイトの先端部で容易に破断に至るとともに、先端部周辺の樹脂の変形も小さい状態で切削が進むため、塑性変形領域を先端部付近の狭い範囲に集中させることができることによるものと考えられる。
また、樹脂絶縁層は、切削時の背分力(バイトを下方向に押し付ける力)により弾性変形してその厚さ方向に縮むが、切り込み量(切り込み深さともいう)を0.5μm未満とすると、樹脂絶縁層の厚さが薄すぎてバイトの先端部が樹脂絶縁層に噛みこまず、安定した切り込み量で切削を行うことができなくなる。一方、切り込み量を15μmより大きくすると、上記極大値の90%における幅が1.3μmよりも大きくなり、樹脂絶縁層を切削する際に、切削面に亀裂が生じることが明らかとなった。これに対し、切り込み量を0.5μm以上15μm未満とすると、安定した切り込み量で切削できるとともに、亀裂の発生を抑制することができる。
請求16に記載の発明では、伸びが0%よりも大きく90%以下の樹脂絶縁層を、0.5μm以上15μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項17に記載の発明では、先端部において切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされたバイトを用い、伸びが0%よりも大きく90%以下の樹脂絶縁層を切削することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項18に記載の発明では、端部において切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされたバイトを用い、樹脂絶縁層を0.5μm以上15μm以下の切り込み量で切削加工することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項19に記載の発明では、先端部において切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされたバイトを用い、樹脂絶縁層を切削加工することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項20に記載の発明では、伸びが0%よりも大きく90%以下の樹脂絶縁層を切削加工することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項21に記載の発明では、樹脂絶縁層を、0.5μm以上15μm以下の切り込み量で切削加工することを特徴とする。これによれば、上記したように、樹脂絶縁層の切削面に亀裂が生じて、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
請求項22に記載のように、樹脂絶縁層を、0.5μm以上8μm未満の切り込み量で切削加工することが好ましい。切り込み量を8μm以上とすると、切り屑に塑性変形の痕跡が認められたことから、切削時において、塑性変形領域が、先端部近傍に分布するものと考えられる。そして、破断強度を超える部分で亀裂が生じるものと考えられる。これに対し、切り込み量を0.5μm以上8μm未満とすると、安定した切り込み量で切削できるとともに、切屑にも塑性変形の痕跡が認められないことから、亀裂の発生を抑制することができる。
請求項23及び請求項24に記載の発明の作用効果は、それぞれ請求項10,11に記載の発明の作用効果と同じであるので、その記載を省略する。
請求項25に記載のように、切削工程として、表面が外部に露出する樹脂絶縁層の部分を切削する前に、バイトを用いて、樹脂絶縁層の表層部分とともに該表層部分上に位置する金属膜を除去する工程を含むことが好ましい。
樹脂絶縁層の表層部分とともに金属膜を除去する切削では、先端部近傍において樹脂絶縁層に作用する引張応力が高くなり、樹脂絶縁層の切削面がむしれやすくなる。これに対し、本発明では、樹脂絶縁層の表層部分及び金属膜を除去する切削後、露出した樹脂絶縁層の部分、すなわち表面が外部に露出する樹脂絶縁層の部分を切削加工する。したがって、樹脂絶縁層の切削面にむしれが生じても、むしれた部分を除去するとともに、上記した効果により、切削面に亀裂が生じるのを抑制することができる。
その際、例えば請求項26に記載のように、切削工程では、樹脂絶縁層上に金属膜が積層された部分をバイトにより切削し、バイトの送り方向においてバイトが所定ピッチだけ移動した後に、上記切削により露出した樹脂絶縁層の部分をバイトにより切削すると良い。
上記以外にも、バイトにより樹脂絶縁層上に金属膜が積層された部分全域を切削した後、同一のバイトにより、露出した樹脂絶縁層の部分全域を研削する方法を採用することができるが、この方法に比べて、本発明は切削工程を簡素化(時間を短縮)することができる。
上記した発明は、請求項27に記載のように、半導体素子が構成された半導体基板の主面上に、半導体素子と電気的に接続される下地電極を形成する工程と、下地電極を覆うように半導体基板の主面上に樹脂絶縁層を形成するとともに、下地電極の接続部位が露出するように、樹脂絶縁層に開口部を形成する工程と、樹脂絶縁層の表面及び開口部から臨む下地電極の接続部位の表面を覆うように金属膜を形成する工程と、を備え、金属膜の形成後に切削工程を行い、金属膜のうち、開口部の内部に形成された部分のみを残して金属電極とする製造方法に好適である。
これによれば、金属膜をパターニングして金属電極を形成するに際し、バイトを用いた切削加工により、樹脂絶縁層の表層部分及び該表層部分上に位置する金属膜を一括除去できるので、製造工程を簡素化することができる。また、表面が外部に露出する樹脂絶縁層の部分を切削することで、切削面に亀裂が生じるのを抑制することができる。そして、樹脂絶縁層により、金属電極との電気的な接続部位を除いて、下地電極及び半導体素子を絶縁保護することができる。
また、請求項28に記載のように、半導体基板の主面上に配置された絶縁膜の表面上に配線を形成する工程と、配線を覆うように、絶縁膜の表面上に樹脂絶縁層を形成するとともに、配線の接続部位が露出するように、樹脂絶縁層に開口部を形成する工程と、樹脂絶縁層の表面及び開口部から臨む配線の接続部位の表面を覆うように金属膜を形成する工程と、を備え、金属膜の形成後に切削工程を行い、金属膜のうち、開口部の内部に形成された部分のみを残して接続部とする方法にも好適である。
この場合も、樹脂絶縁層の表層部分及び該表層部分上に位置する金属膜を一括除去できるので、製造工程を簡素化することができる。また、露出する樹脂絶縁層の部分を切削することで、切削面に亀裂が生じるのを抑制することができる。そして、樹脂絶縁層により、金属膜との電気的な接続部位を除いて、配線を絶縁保護することができる。
なお、請求項27又は請求項28に記載の発明では、バイトを用いた切削加工により、樹脂絶縁層に開口部を形成しても良い。この場合も、露出する樹脂絶縁層の部分を切削するため、開口部の壁面(切削面)において、亀裂が生じるのを抑制することができる。
第1実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。 図1に示す半導体装置の製造方法を示す工程別の断面図であり、(a)は開口部を有する樹脂絶縁層の形成工程、(b)は金属膜の形成工程、(c)は切削工程を示している。 樹脂の応力−ひずみ曲線を示す図である。 樹脂を切削した際に生じる主な亀裂を示す図であり、(a)は刃先後方型の亀裂(b)は刃先前方型の亀裂である。 切削中の先端部近傍における樹脂絶縁層内部の応力分布・応力方向の解析結果を示す図である。 切削中の先端部近傍における樹脂絶縁層内部の応力値を解析する際の、測定位置を示す図である。 応力値の解析結果を示す図である。 図7の結果を簡素化した図であり、(a)は亀裂の生じなかった樹脂A、(b)は亀裂の生じた樹脂Bを示している。 樹脂の伸びと極大値の90%の幅との関係を示す図である。 切り込み量を説明するための断面図である。 切り込み量と極大値の90%の幅との関係を示す図である。 切り込み量の違いによる切り屑の外観を示す平面図であり、(a)は切り込み量7μm以上、(b)は切り込み量7μm未満である。 先端部の曲率半径を説明するための断面図である。 先端部の曲率半径と極大値の90%の幅との関係を示す図である。 半導体装置の変形例を示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程別の断面図であり、切削工程として、(a)は第1の切削工程、(b)は第2の切削工程を示している。 樹脂の伸びと極大値の90%の幅との関係を示す図である。 樹脂絶縁層として試した樹脂の一例について、機械物性と外観評価結果を示す表である。 切り込み量と極大値の90%の幅との関係を示す図である。 先端部の曲率半径と極大値の90%の幅との関係を示す図である。 バイトによる金属膜及び樹脂絶縁層の切削状態を示す断面図である。 バイトをピッチ送りしたときの、ピッチと樹脂絶縁層の切削状態を示す図である。 切削工程の変形例を示す断面図である。 バイトのすくい角を説明するための断面図である。 半導体装置の変形例を示す断面図である。
以下、図面を参酌して説明する。なお、実施形態や変形例などについては、同一構成の部分に、同一の符号を付与して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。図2は、図1に示す半導体装置の製造方法を示す工程別の断面図であり、(a)は開口部を有する樹脂絶縁層の形成工程、(b)は金属膜の形成工程、(c)は切削工程を示している。なお、各図では、説明のために一部を拡大し、一部を省略して示している。また、図2(b),(c)に示す符号Xは、バイトによる切削面を示している。位置を分かりやすくするため、図2(b)にも切削面Xを示している。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、1)バイトの先端部及び該先端部の周辺部分に沿う樹脂絶縁層内の応力分布において、極大値の90%における幅が1.3μm以下となるように、表面に金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削することを特徴とする。なお、バイトの先端部近傍とは、先端部(刃先)とともに該先端部の周辺部分を含む部分である。さらには、上記1)を満たすように、2)伸びが0%よりも大きく80%以下の樹脂絶縁層を採用し、3)先端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされたバイトを用いて、4)0.5μm以上12μm以下の切り込み量で、表面に金属膜が積層された樹脂絶縁層の部分を切削することを特徴とする。これら特徴部分を除く、半導体装置の構造及び製造方法(図1及び図2参照)は、本出願人による特開2008−218823号公報に示されるものと基本的に同じであるので、詳細な説明は割愛する。
先ず、半導体装置の概略構成について説明する。図1に示すように、半導体装置10は、シリコン等からなり、素子が構成された半導体基板11と、素子の電極であり、半導体基板11の主面11a上に形成された下地電極12と、主面11aと下地電極12の一部とを覆う樹脂絶縁層13と、樹脂絶縁層13に形成された開口部13aを介して下地電極12の接続部位12aと接続された金属電極14と、を有している。
半導体基板11に構成される素子(半導体素子)としては、特に限定されるものではない。本実施形態では、シリコンからなる半導体基板11に対し、パワートランジスタ素子として、厚み方向に電流が流れる縦型のIGBTが構成されている。なお、パワートランジスタ素子としては、IGBT以外にも、例えば縦型のMOSFETがある。これらゲートを有するパワートランジスタ素子は、例えば負荷を駆動するためのインバータを構成するパワーデバイスとして用いられる。そして、このような半導体基板11を備える半導体装置10は、所謂パワーカードとして用いられる。なお、縦型の素子だけでなく、LDMOSトランジスタ素子やバイポーラトランジスタ素子などの横型の素子を採用しても良い。
下地電極12は、素子と電気的に接続される電極のうち、素子と接続される部分である。本実施形態では、シリコンからなる半導体基板11に対し、Al、Al−Si,Al−Si−CuなどのAl合金などのAl系材料を用いて形成されている。また、半導体基板11に構成されたIGBTのエミッタやゲートと接続されている。なお、図1に示す下地電極12は全てエミッタと接続されたものである。以下においても、エミッタと接続されたもののみを例示する。本実施形態では、パワートランジスタ素子であるIGBTに対して大電流を流すため、面内方向に電流を均一化させながら膜厚方向に電流を流すように、下地電極の厚さが数μm程度(例えば5μm)となっている。
樹脂絶縁層13は、伸びが0%よりも大きく80%以下であって、下地電極12の表面のうちの接続部位12aを除く部位と、半導体基板11の主面11aとを被覆して、下地電極12や、半導体基板11に構成された素子の電気絶縁性(絶縁耐圧)を確保できるものであれば採用することができる。なお、伸びが0%よりも大きく80%以下の樹脂絶縁層13を採用する根拠については後述する。この樹脂絶縁層13には、下地電極12の接続部位12aの表面を露出させる開口部13aが形成されている。そして、樹脂絶縁層13の上面13bに対して、開口部13aから臨む下地電極12の接続部位12aの表面が引っ込むように段差が形成されている。この樹脂絶縁層13の上面13bが、樹脂絶縁層13が切削加工された後の切削面であり、切削面13bには亀裂(乃至むしれ)が生じていない。なお、本実施形態では、樹脂絶縁層13として、例えば厚さ数μm〜20μmのポリイミド系樹脂を採用している。
金属電極14は、素子と電気的に接続される電極のうち、はんだやワイヤなどの部材により他の部材(装置)と電気的に接続される部分である。本実施形態では、金属電極14が、開口部13a内のみに形成されており、下地電極12の接続部位12aと樹脂絶縁層13の開口部13aの壁面とを覆って形成されている。また、金属電極14の上面14aは、樹脂絶縁層13の切削面13bと同一平面をなすように面一の位置関係となっている。また、金属電極14が、下地電極12側からTi膜/Ni膜/Au膜の順に積層して形成されている。なお、金属電極14の膜構成としては、上記例に限定されるものではなく、例えば下地電極12側からNi膜/Au膜の順に積層した構成としても良いし、単層の金属膜でも良い。さらには、Ni膜の代わりに、NiV膜を用いても良い。
次に、半導体装置10の製造方法(金属電極14の形成方法)について説明する。まず、図2(a)に示すように、図示しない素子が構成された半導体基板11を準備する。本実施形態では、IGBTが形成されるとともに、主面11aの裏面上に裏面側の電極(コレクタ電極)が形成された半導体基板11(シリコンウェハ)を準備する。このように、主面側の電極(下地電極12及び金属電極14)を形成する前に、IGBTの裏面側の領域(コレクタ領域)や裏面側の電極を先に形成するのは、金属電極14を形成する際に、その構成材料(Au)により、ウェハの露出された裏面側の部位が汚染されるのを防ぐためである。
次いで、準備した半導体基板11の主面11aに、スパッタ法などによりAl−Si膜を成膜し、ホトリソグラフィー法によりパターニングして、下地電極12を形成する。また、下地電極12を覆うように、半導体基板11の主面11a全面に、スピンコート法などにより、伸びが0%よりも大きく80%以下(例えば60%)のポリイミド系樹脂からなる厚さ10μmの樹脂絶縁層13を形成する。そして、下地電極12の接続部位12aが露出するように、樹脂絶縁層13の所定部位に開口部13aを形成する。本実施形態では、ホトリソグラフィー法により、樹脂絶縁層13の表面13c側から下地電極12に向けて開口する開口部13aを形成する。このように、樹脂絶縁層13として樹脂系材料を用いることにより、厚さがある下地電極12を適切に覆うことができる。また、開口部13aが形成された状態で、樹脂絶縁層13の表面13cに対して下地電極12の接続部位12aが引っ込むような段差が形成される。
開口部13aの形成後、スパッタ法などを用い、図2(b)に示すように、下地電極12の接続部位12a、樹脂絶縁層13の表面13c、及び樹脂絶縁層13の開口部壁面を覆うように、金属膜15を形成する。本実施形態では、Ti膜/NiV膜/Au膜を順に積層して金属膜15が形成されている。なお、NiV膜のVは、はんだに対するバリア層として機能する。
金属膜15の形成後、図2(c)に示すように、バイト30を用い、所定の切削面Xにて、半導体基板11の主面11a全面を切削する。本実施形態では、バイト30として、先端部(刃先)における切削方向の曲率半径(後述する図13参照)が0.25μm以下とされた剣バイトを用いた。そして、バイト30による樹脂絶縁層13の切り込み量を0.5μm以上12μm以下の範囲内で設定した。なお、バイト30の曲率半径と切り込み量の根拠については後述する。また、バイト30と半導体装置10との相対速度は5m/s以上(例えば20m/s)、切削加工のピッチP(図4参照)は70μmに設定した。ピッチPは、スピンドルの回転数とワークの送り速度により制御することができる。例えば、スピンドルの回転数を2000rpm、ワークの送り速度を2.3mm/sに設定することにより、ピッチPを約70μmとすることができる。また、バイト30の金属膜15に対する高さ精度は0.1μm以下とした。さらに、所謂潤滑油として、炭酸水(純水に二酸化炭素をを溶かしたもの)を用いることで、静電気によるデバイス特性のズレの抑制、切削による温度上昇の抑制、切り屑の除去などを図った。
この切削加工では、図2(b)及び図2(c)に示すように、バイト30による切削面Xを、半導体基板11の厚さ方向において、樹脂絶縁層13の表面13cと下地電極12の表面(接続部位12a)で設定する。そして、樹脂絶縁層13の表面13c上に位置する金属膜15を、切削面X上に位置する樹脂絶縁層13の部分とともに除去し、開口部13aの内部にのみ金属膜15を残すようにパターニングして金属電極14を形成する。つまり、金属電極14が、開口部13aから露出する下地電極12の接続部位12a及び樹脂絶縁層13の開口部壁面を覆って形成されるようにする。なお、詳細は割愛するが、この切削工程では、本出願人が先に出願した特開2009−49356号公報に示されるうねりの抑制方法を採用する(表面形状測定装置と圧電アクチュエータを備える変形装置とを用いる)ため、半導体基板11のうねりを抑制し、これにより所望の位置を切削面として切削加工することができる。
次に、本実施形態において採用した、上記1)〜4)の特徴点の根拠について説明する。図3は、樹脂の応力−ひずみ曲線を示す図である。図3は、後述する樹脂A(PIX3400)の実測値である。図4は、樹脂を切削した際に生じる主な亀裂を示す図であり、(a)は刃先後方型の亀裂(b)は刃先前方型の亀裂である。図4(a),(b)では、樹脂絶縁層13内に生じる引張応力を実線矢印にて、バイト30の切削方向を白抜き矢印で示している。
図3に示すように、樹脂は、ひずみ(変形量)を増していくと、分子を構成している原子の結合角の変化、回転、化学結合の伸びなどにより、先ず弾性変形が起こる。この弾性変形領域(例えば図3のひずみ5%まで)では、図3に示すように、ひずみに応じて応力がほぼ直線的に増加する。そして、さらにひずみを増していくと、分子鎖の絡み合いがほどけて分子鎖のずれが生じ、マクロ的には粘性流動が起こる。このとき、樹脂は塑性変形していくが、応力に大きな変化は見られない。そして、この塑性変形領域でさらにひずみを増していき、応力が破断強度(切断強度、破壊応力ともいう)に達すると、樹脂に破断が生じる。この破断に至ったときのひずみ(樹脂が破断する直前における最大の変形量)が所謂伸びである。この伸びは、元の長さに対する比率として表される。このように、応力が破断強度を超えると破断(すなわち亀裂)が生じることとなる。
一方、表面13cに金属膜15が積層された樹脂絶縁層13の部分を、バイト30を用いて切削する際に切削面13bに生じる亀裂としては、主に、図4(a)に示す刃先後方型の亀裂13dと、図4(b)に示す刃先前方型の亀裂13dに基づくものがある。図4(a)に示す亀裂13dは、切削抵抗などによって、バイト30の先端部30aの直後の樹脂絶縁層13の内部に引張応力が生じ、この応力が破断強度を超えることで生じるものと考えられる。このように、刃先後方型の亀裂13dは、切削面13bに生じる。
図4(b)に示す亀裂13dは、バイト30の先端部30aの前方の樹脂絶縁層13の内部に引張応力が生じ、この応力が破断強度を超えることで刃先前方に亀裂が進展して生じるものと考えられる。そして、この前方進展型の亀裂13dが、バイト30による切削によっても取りきれないと、切削面13bに亀裂13dに基づく亀裂が残ることとなる。いずれにせよ、樹脂絶縁層13の切削面13bに生じる亀裂は、樹脂絶縁層13の内部に生じた引張応力が破断強度を超えることで生じるものと考えられる。なお、図4(a),(b)に示す符号13eは切り屑を示しており、符号30bはバイト30のすくい面を示している。
そこで、本発明者は、樹脂絶縁層13内の応力分布及び切削時に樹脂絶縁層13内の応力に影響を及ぼす3つのパラメータ(樹脂絶縁層13の伸び、樹脂絶縁層13の切り込み量、バイト30の先端部30aにおける切削方向の曲率半径)に着目し、鋭意検討を行った。なお、この検討では、DISCO製切削装置DFS−8910、バイト30としてダイヤモンドバイト30を用いて、厚さ23μmの樹脂絶縁層13を、表面13c上にNiからなる厚さ3.5μmの金属膜15が積層された状態で、表面13c側から切削加工した。
先ず、樹脂絶縁層13内の応力分布について説明する。本発明者は、切削時の外力の実測と、樹脂物性実測と、CAEによる解析とを用いて、切削中の先端部30a近傍の樹脂内部の応力分布と応力方向を解析した。図5は、切削中の先端部近傍における樹脂絶縁層内部の応力分布・応力方向の解析結果を示す図である。図5中の白抜き矢印は、バイト30の切削方向を示している。図6は、切削中の先端部近傍における樹脂絶縁層内部の応力値を解析する際の、測定位置を示す図である。図7は、応力値の解析結果を示す図である。なお、図5及び図7では、切削時の外力の実測と、樹脂物性実測(応力−ひずみ曲線測定)と、CAEによる応力・ひずみ分布解析とを用いた。図8は、図7の結果を簡素化した図であり、(a)は亀裂の生じなかった樹脂A、(b)は亀裂の生じた樹脂Bを示している。
図5に示す樹脂AはPIX3400(日立化成デュポン製ポリイミド、図18参照)、樹脂BはHD8820(日立化成デュポン製ポリイミド、図18参照)である。図5では、樹脂A,Bについて、切削面のSEM画像(拡大画像)とともに、樹脂絶縁層13(樹脂)内の応力分布の解析結果、樹脂絶縁層13(樹脂)内の応力方向の解析結果を示している。図5に示すように、切削面に亀裂が確認されない樹脂Aでは、刃先に集中して引張応力が生じているのに対し、切削面に亀裂(むしれ)の確認された樹脂Bでは、先端部30a(刃先)近傍の広い範囲に引張応力が生じている。
図7は、図6に示す1〜40までの各メッシュ位置と、該位置での樹脂絶縁層13内の最大主応力値との関係を示している。すなわち、バイト30の先端部30aにおける刃先に沿った樹脂絶縁層13内の応力分布を示している。なお、メッシュ20〜22が、バイト30の先端部30a(R部)に対応している。図7に実線で示すように、樹脂Aでは、刃先(バイト30の先端部30a)において最大主応力値が極大となっており、刃先前方と刃先後方では、刃先よりも応力値が大きく減少している。そして、極大値の90%の値を示す部分の幅(図中の矢印箇所の幅)が、1.3μm以下と狭くなっている。
一方、樹脂Bでは、図7に破線で示すように、樹脂Aよりも刃先前方側で最大主応力値が極大となっており、樹脂Aと比較すると、広い範囲で最大主応力値が高い値を示している。そして、極大値の90%の値を示す部分の幅(図中の矢印箇所の幅)が、1.3μmよりも広くなっている。
したがって、樹脂Aでは、図8(a)に示すように、バイト30の刃先(先端部30a)に対応する部分のみで引張応力が破断強度を超えるため、樹脂絶縁層13の切削面13bに亀裂が生じないものと考えられる。一方、樹脂Bでは、図8(b)に示すように、バイト30の刃先(先端部30a)に対応する部分だけでなく、その周囲、すなわち刃先前方や刃先後方に対応する部分でも破断強度に近い引張応力が生じており、これにより例えば刃先前方に亀裂13dが生じるものと考えられる。
なお、樹脂A,B以外の樹脂についても、金属膜15が積層された樹脂絶縁層13の部分を切削する際に、バイト30の先端部30a近傍に沿った樹脂絶縁層13内の応力分布において、極大値の90%の幅が1.3μmを超えたものでは、切削面13bに亀裂13dが確認された。また、バイト30による樹脂絶縁層13の切り込み量やバイト30の先端部30aにおける切削方向の曲率半径を変化させた場合においても、バイト30の先端部30a近傍に沿った樹脂絶縁層13内の応力分布において、極大値の90%の幅が1.3μmを超えると、切削面13bに亀裂13dが確認された。
以上より、応力分布における極大値の90%の部分の幅と亀裂13dとの関係は次のように考えることができる。極大値の90%の幅が1.3μmを超えると、バイト30の先端部30a(刃先)で樹脂絶縁層13が引き伸ばされてひずみが大きくなり、これにより、樹脂絶縁層13内において、塑性変形領域(引張応力の部分)が先端部30a近傍に広い範囲で分布することとなる。したがって、破断強度を超える部分で亀裂13dが生じる。一方、極大値の90%の幅が1.3μm以下の場合、引き伸ばしによるひずみが小さくなり、ひいては、塑性変形領域を先端部30a付近の狭い範囲に集中させることができる。したがって、切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができる。
本実施形態では、バイト30の先端部30a近傍に沿った樹脂絶縁層13内の応力分布において、極大値の90%の幅が1.3μm以下となるように切削するため、金属膜15が積層された樹脂絶縁層13の部分を切削する際に、樹脂絶縁層13の切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができる。すなわち、切削加工後の樹脂絶縁層13において、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
なお、極大値の90%における幅の下限は、バイト30の先端部30aの曲率半径の下限や切り込み量の下限などの製造限界により決定され、現状1.1μm程度である。この点を考慮すると、極大値の90%の幅が1.1μm以上1.3μm以下の範囲内となるように切削することと良い。
次に、樹脂絶縁層13の伸びと亀裂13dとの関係は次のように考えることができる。図9は、樹脂の伸びと極大値の90%の幅との関係のシミュレーション結果を示す図であり、2本の破線のうち、上側が上限1.3μm、下側が下限1.1μmを示している。図9に示すように、伸びが80%で極大値の90%の幅が1.3μmであり、樹脂の伸びが80%以下においては、伸びに対して極大値の90%の幅がほぼ一定である。一方、伸びが80%を超えると、極大値の90%の幅が伸びに応じて広くなり、極大値の90%の幅も1.3μmを超える値となった。
このように、樹脂絶縁層13の伸びが80%を超えると、伸びが大きいため、ひずみを増加させても容易に破断せずに伸びる。この伸びている間は上記(図3の応力−ひずみ曲線参照)のごとく応力がさほど増加しないため、塑性変形領域が、先端部30a近傍に広い範囲で分布することとなる。そして、破断強度を超える部分(刃先後方や、図8(b)に示した刃先前方)で亀裂13dが生じるものと考えられる。一方、樹脂絶縁層13(を構成する樹脂)として伸びが0%よりも大きく80%以下のものを用いると、樹脂絶縁層13の伸びが小さいため、塑性変形領域が広範囲で存在することなくバイト30の先端部30aで容易に破断に至る。また、先端部30aの周辺(刃先前方や刃先後方)の樹脂の変形も小さい状態で切削が進むため、切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができるものと考えられる。
なお、図示しないが、本発明者は、伸びが異なる種々の樹脂について、走査型電子顕微鏡(SEM)により、切削面13bの亀裂(むしれ)の有無を評価した。その結果、伸びが80%以下の樹脂については切削面13bに亀裂13dが確認されず、伸びが80%を超える樹脂については切削面13bに亀裂13dが生じることが確認された。
次に、バイト30による樹脂絶縁層13の切り込み量tについて説明する。図10は、切り込み量を説明するための断面図である。図10に示す白抜き矢印は、バイト30の切削方向を示している。図11は、切り込み量と極大値の90%の幅との関係のシミュレーション結果を示す図であり、2本の破線のうち、上側が上限1.3μm、下側が下限1.1μmを示している。図12は、切り込み量の違いによる切り屑の外観を示す平面図であり、(a)は切り込み量7μm以上、(b)は切り込み量7μm未満である。
本発明者が確認した結果、図10に示す切り込み量tを、0.5μm以上12μm以下とすることが好ましいことが判明した。樹脂絶縁層13は、切削時の背分力(バイト30を下方向に押し付ける力)により弾性変形してその厚さ方向に縮む。このため、切り込み量tを0.5μm未満とすると、樹脂絶縁層13の厚さが薄すぎてバイトの先端部30aが樹脂絶縁層13に噛みこまず、安定した切り込み量で切削を行うことができなかった。これに対し、切り込み量tを0.5μm以上とすると、図10に示すように、安定した切り込み量で切削を行うことができた。
図9に示すように、切り込み量が12μmで極大値の90%の幅が1.3μmであり、切り込み量が12μm以下においては、極大値の90%の幅が1.3μm以下(1.1μm以上)である。一方、切り込み量が12μmを超えると、切り込み量の変化量に対する極大値の90%の幅の変化量が大きくなり、極大値の90%の幅も1.3μmを超える値となった。
このように、切り込み量が12μmを超えると、切削部分(切り屑13e)の剛性が高くなり、塑性変形領域が、切り屑13e側だけでなく、先端部30a近傍に広い範囲で分布することとなる。そして、破断強度を超える部分(刃先後方や、図8(b)に示した刃先前方)で亀裂13dが生じるものと考えられる。一方、切り込み量を12μm以下とすると、塑性変形領域が広範囲で存在することなくバイト30の先端部30aで容易に破断に至る。また、先端部30aの周辺(刃先前方や刃先後方)の樹脂の変形も小さい状態で切削が進むため、切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができるものと考えられる。
なお、切り込み量tを7μm以上とすると、図12(a)に示すように、切り屑13eに塑性変形の痕跡(表面に波状)が認められた。一方、切り込み量tを7μm未満とすると、図12(b)に示すように、切り屑13eに塑性変形の痕跡(表面に波状)は認められなかった。したがって、切り込み量tが7μm以上12μm以下においては、図3に示す樹脂の応力−ひずみ曲線から、弾性変形領域と塑性変形領域とが混在する領域(例えば図3においてひずみ5%〜10%までの領域)であるものと考えられる。したがって、より好ましくは、切り込み量tを、0.5μm以上7μm未満とすると良い。
次に、バイト30の先端部30aにおける切削方向の曲率半径について説明する。図13は、バイト30の先端部30aの曲率半径を説明するための断面図であり、白抜き矢印は、バイト30の切削方向を示している。図14は、バイトの先端部における切削方向の曲率半径と極大値の90%の幅との関係のシミュレーション結果を示す図であり、2本の破線のうち、上側が上限1.3μm、下側が下限1.1μmを示している。図13に示すバイト30において、先端部30aの曲率半径を0.25μmとすると、図14に示すように、極大値の90%の幅が1.3μmとなり、曲率半径を0.25μm以下とすると、極大値の90%の幅が1.3μm以下となる。一方、曲率半径が0.25μmを超えると、曲率半径の変化量に対する極大値の90%の幅の変化量が大きくなり、極大値の90%の幅も1.3μmを超える値となった。
また、バイト30の先端部30aにおいて切削方向の曲率半径が0.25μmを超えると、切削面13bに亀裂13dが生じた。これは、曲率半径が大きいことで、先端部30aで樹脂絶縁層13が引き伸ばされてひずみが大きくなり、樹脂絶縁層13内において、塑性変形領域(引張応力の部分)が先端部30a近傍に広い範囲で分布する。そして、破断強度を超える部分で亀裂13dが生じるものと考えられる。これに対し、曲率半径を0.25μm以下とすると、切削面13bに亀裂13dが生じなかった。これは、曲率半径が小さいことで、引き伸ばしによるひずみが小さくなり、ひいては、塑性変形領域を先端部30a付近の狭い範囲に集中させることができるためであると考えられる。
なお、曲率半径が小さいほど、樹脂絶縁層13におけるひずみを小さくすることができるが、反面、バイト30の強度が低下することとなる。したがって、製造限界から、実質的には曲率半径が0.03μm以上0.25μm以下のバイト30を用いると良い。
以上の結果を受けて、本実施形態では、バイト30の先端部30a及び先端部30aの周辺部分に沿った樹脂絶縁層13内の応力分布において、極大値の90%における幅が1.3μm以下となるように、表面13cに金属膜15が積層された樹脂絶縁層13の部分を切削する。より具体的には、先端部30aにおいて切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされたバイト30を用い、伸びが0%よりも大きく80%以下の樹脂絶縁層13を、0.5μm以上12μm以下の切り込み量tで切削加工する。したがって、切削面13bに亀裂13dが生じるのをより効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、先端部30aにおいて切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされたバイト30を用い、伸びが0%よりも大きく80%以下の樹脂絶縁層13を、0.5μm以上12μm以下の切り込み量tで切削加工する例を示した。しかしながら、2)伸びが0%よりも大きく80%以下の樹脂絶縁層13、3)先端部30aにおいて切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされたバイト30、4)0.5μm以上12μm以下の切り込み量、の3つの条件のうち、少なくとも1つを満たして切削加工を行っても良い。例えば2)〜4)のいずれか1つを満たして切削加工を行っても良い。これによれば、いずれの条件も満たさない場合に比べて、切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができる。また、2)〜4)のうちの2つを満たして切削加工を行っても良い。これによれば、2)〜4)のいずれか1つを満たして切削加工を行う場合よりも、切削面13bに亀裂13dが生じるのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、バイト30と半導体装置10との相対速度を5m/s以上(例えば20m/s)とする。相対速度が5m/s未満と遅い場合、樹脂絶縁層13の粘性を無視できなくなり、切削に与える速度の影響が大きい。これに対し、相対速度を5m/s以上とすると、粘性をほぼ無視できるため、切削に与える速度の影響を低減することができる。なお、相対速度の上限は、装置限界によって決定される。例えば40m/sが装置限界の場合、相対速度を5m/s以上40m/s以下の範囲内で設定すれば良い。
本実施形態では、半導体基板11の主面11a及び下地電極12を覆う樹脂絶縁層13を切削加工する例を示した。しかしながら、切削加工される樹脂絶縁層13は、上記例に限定されるものではなく、半導体装置10を構成するものであれば良い。例えば、図15に示すように、絶縁膜16の表面16a上に形成された配線17を被覆する樹脂絶縁層13にも、上記した製造方法を適用することができる。特に、IGBTなどのパワートランジスタ素子が構成された半導体装置10では、配線17の厚みも数μm程度と厚いため、樹脂絶縁層13を適用することが好ましい。図15では、半導体基板11の主面11a上に絶縁膜16が配置され、絶縁膜16の表面16a上に、配線17が形成されている。この配線17は、絶縁膜16に形成されたコンタクト(図示略)などを介して、半導体基板10の素子と電気的に接続されている。そして、絶縁膜16の表面16a上には、配線17を覆うように樹脂絶縁層13が形成されている。この樹脂絶縁層13には、配線17の接続部位17aが露出するように開口部13aが設けられ、開口部13a内には、金属膜をパターニングしてなる接続部18が形成されている。図15に示す例では、配線17が最上層の配線となっており、接続部18が外部接続用のパッドとなっている。この接続部18は、金属電極14同様、樹脂絶縁膜13の表面を覆うように形成した金属膜を、開口部の内部に形成された部分のみを残すことで形成されている。図15に示す半導体装置10は、下地電極12を配線17、金属電極14を接続部18に置き換えた構造となっており、上記した製造方法を適用することができる。図15は、半導体装置の変形例を示す断面図である。
(第2実施形態)
本実施形態では、5)バイト30の先端部30a及び先端部30aの周辺部分に沿った樹脂絶縁層13内の応力分布において、極大値の90%における幅が0.06μm以下となるように、表面13cが露出する樹脂絶縁層13の部分を切削することを特徴とする。さらには、上記5)を満たすように、6)伸びが0%よりも大きく90%以下の樹脂絶縁層13を採用し、7)先端部30aにおいて切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされたバイト30を用いて、8)0.5μm以上15μm以下の切り込み量で、表面13cが露出する樹脂絶縁層13の部分を切削することを特徴とする。
図16は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程別の断面図であり、切削工程として、(a)は第1の切削工程、(b)は第2の切削工程を示している。
図16(a)に示すように、バイト30により、樹脂絶縁層13上に金属膜15が積層された部分を、所定の切削面X1で切削することで、表面13c上に金属膜15が積層された樹脂絶縁層13の表層部分を、金属膜15ごと除去する。このとき、切削面X1は、樹脂絶縁層13の表面13cと下地電極12の接続部位12aとの間で設定される。この切削により、外部に露出した樹脂絶縁層13の表面13fと、金属膜15の上面15aとが面一となる。この第1の切削工程では、上記したように、樹脂絶縁層13の表面13c上に積層された金属膜15が切り屑の変形を拘束するため、樹脂絶縁層13に、むしられた領域(亀裂)が生じる恐れがある。
次に、金属膜15の除去により、表面13fが露出した樹脂絶縁層13の部分及び開口部13a内に位置する金属膜15を、図16(b)に示す所定の切削面X2(上記した切削面Xに相当)で切削する。この切削により、第1の切削工程でむしられた領域(亀裂)が生じたとしても、このむしられた領域を除去し、図1に示す半導体装置10を得ることができる。この方法では、切削面X1,X2間の距離(換言すれば樹脂絶縁層の表面13c3と表面13c間の距離)が、樹脂絶縁層13の切り込み量tとなる。
このように、第2の切削工程では、表面が外部に露出する樹脂絶縁層13の部分を切削する。
そこで、本発明者は、樹脂絶縁層13内の応力分布及び切削時に樹脂絶縁層13内の応力に影響を及ぼす3つのパラメータ(樹脂絶縁層13の伸び、樹脂絶縁層13の切り込み量、バイト30の先端部30aにおける切削方向の曲率半径)に着目し、第1実施形態同様に、鋭意検討を行った。
その結果、図示は省略するが、応力分布における極大値の90%の部分の幅と亀裂13dとの関係は次のように考えることができる。極大値の90%の幅が0.06μmを超えると、バイト30の先端部30a(刃先)で樹脂絶縁層13が引き伸ばされてひずみが大きくなり、これにより、樹脂絶縁層13内において、塑性変形領域(引張応力の部分)が先端部30a近傍に広い範囲で分布することとなる。したがって、破断強度を超える部分で亀裂13dが生じる。一方、極大値の90%の幅が0.06μm以下の場合、引き伸ばしによるひずみが小さくなり、ひいては、塑性変形領域を先端部30a付近の狭い範囲に集中させることができる。したがって、切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができる。
本実施形態では、バイト30の先端部30a近傍に沿った樹脂絶縁層13内の応力分布において、極大値の90%の幅が0.06μm以下となるように切削するため、表面が外部に露出された樹脂絶縁層13の部分を切削する際に、樹脂絶縁層13の切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができる。すなわち、切削加工後の樹脂絶縁層13において、絶縁信頼性が低下するのを抑制することができる。
なお、極大値の90%における幅の下限は、バイト30の先端部30aの曲率半径の下限や切り込み量の下限などの製造限界により決定され、現状0.04μm程度である。この点を考慮すると、極大値の90%の幅が0.04μm以上0.06μm以下の範囲内となるように切削することと良い。
また、樹脂絶縁層13の伸びと亀裂13dとの関係は次のように考えることができる。図17は、樹脂の伸びと極大値の90%の幅との関係のシミュレーション結果を示す図であり、2本の破線のうち、上側が上限0.06μm、下側が下限0.04μmを示している。図17に示すように、伸びが90%で極大値の90%の幅が0.06μmであり、樹脂の伸びが90%以下においては、伸びに対して極大値の90%の幅がほぼ一定である。一方、伸びが90%を超えると、極大値の90%の幅が伸びに応じて広くなり、極大値の90%の幅も0.06μmを超える値となった。
このように、樹脂絶縁層13の伸びが90%を超えると、伸びが大きいため、ひずみを増加させても容易に破断せずに伸びる。この伸びている間は上記(図3の応力−ひずみ曲線参照)のごとく応力がさほど増加しないため、塑性変形領域が、バイト30の先端部30a近傍に広い範囲で分布することとなる。そして、破断強度を超える部分(刃先後方や、図8(b)に示した刃先前方)で亀裂13dが生じるものと考えられる。一方、樹脂絶縁層13(を構成する樹脂)として伸びが0%よりも大きく90%以下のものを用いると、樹脂絶縁層13の伸びが小さいため、塑性変形領域が広範囲で存在することなくバイト30の先端部30aで容易に破断に至る。また、先端部30aの周辺(刃先前方や刃先後方)の樹脂の変形も小さい状態で切削が進むため、切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができるものと考えられる。
なお、図18は、樹脂絶縁層として試した樹脂の一例について、機械物性と外観評価結果を示す表である。図18に示す5種類の樹脂は、いずれもポリイミドであり、PIX3400,HD4110,HD8820,PIX5878が日立化成デュポン製、SP483が東レ製である。伸び及び破断強度は、それぞれの実測値を示している。RzはJISでいう十点平均粗さで、山谷3点の平均値である。また、外観は、走査型電子顕微鏡(SEM)による切削面の画像を示しており、この画像にて亀裂(むしれ)の有無を評価した。
図18に示すように、伸びが小さいもの(PIX3400、SP483、HD4110)は、Rzが小さく(100nm〜150nm程度)、SEM画像でも亀裂が確認されなかった。一方、伸びが大きいもの(HD8820、PIX5878)は、Rzが大きく(450nm以上)、SEM画像でも亀裂(むしれ)が確認された。そして、図示しない結果を合わせると、伸びが90%以下の樹脂について、切削面に亀裂が確認されなかった。すなわち、伸びが90%以下の樹脂について、樹脂絶縁層13の構成材料として良好な結果が得られた。
次に、バイト30による樹脂絶縁層13の切り込み量tについて説明する。図19は、切り込み量と極大値の90%の幅との関係のシミュレーション結果を示す図であり、2本の破線のうち、上側が上限0.06μm、下側が下限0.04μmを示している。
第1実施形態同様、切り込み量tを0.5μm未満とすると、樹脂絶縁層13の厚さが薄すぎてバイトの先端部30aが樹脂絶縁層13に噛みこまず、安定した切り込み量で切削を行うことができなかった。これに対し、切り込み量tを0.5μm以上とすると、図10に示すように、安定した切り込み量で切削を行うことができた。
また、図19に示すように、切り込み量が15μmで極大値の90%の幅が0.06μmであり、切り込み量が15μm以下においては、極大値の90%の幅が0.06μm以下(0.04μm以上)である。一方、切り込み量が15μmを超えると、切り込み量の変化量に対する極大値の90%の幅の変化量が大きくなり、極大値の90%の幅も0.06μmを超える値となった。
このように、切り込み量が15μmを超えると、切削部分(切り屑13e)の剛性が高くなり、塑性変形領域が、切り屑13e側だけでなく、バイト30の先端部30a近傍に広い範囲で分布することとなる。そして、破断強度を超える部分で亀裂13dが生じるものと考えられる。一方、切り込み量を15μm以下とすると、塑性変形領域が広範囲で存在することなくバイト30の先端部30aで容易に破断に至る。また、先端部30aの周辺(刃先前方や刃先後方)の樹脂の変形も小さい状態で切削が進むため、切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができるものと考えられる。
なお、図示しないが、切り込み量tを8μm以上とすると、切り屑13eに塑性変形の痕跡(表面に波状)が認められた。一方、切り込み量tを8μm未満とすると、切り屑13eに塑性変形の痕跡(表面に波状)は認められなかった。したがって、第1実施形態同様、切り込み量tが8μm以上15μm以下においては、図3に示す樹脂の応力−ひずみ曲線から、弾性変形領域と塑性変形領域とが混在する領域(例えば図3においてひずみ5%〜10%までの領域)であるものと考えられる。したがって、より好ましくは、切り込み量tを、0.5μm以上8μm未満とすると良い。
次に、バイト30の先端部30aにおける切削方向の曲率半径について説明する。図20は、バイトの先端部における切削方向の曲率半径と極大値の90%の幅との関係のシミュレーション結果を示す図であり、2本の破線のうち、上側が上限0.06μm、下側が下限0.04μmを示している。図20に示すように、先端部30aの曲率半径を0.35μmとすると、極大値の90%の幅が0.06μmとなり、曲率半径を0.35μm以下とすると、極大値の90%の幅が0.06μm以下となる。一方、曲率半径が0.35μmを超えると、曲率半径の変化量に対する極大値の90%の幅の変化量が大きくなり、極大値の90%の幅も0.06μmを超える値となった。
また、バイト30の先端部30aにおいて切削方向の曲率半径が0.35μmを超えると、切削面13bに亀裂13dが生じた。これは、曲率半径が大きいことで、先端部30aで樹脂絶縁層13が引き伸ばされてひずみが大きくなり、樹脂絶縁層13内において、塑性変形領域(引張応力の部分)が先端部30a近傍に広い範囲で分布する。そして、破断強度を超える部分で亀裂13dが生じるものと考えられる。これに対し、曲率半径を0.35μm以下とすると、切削面13bに亀裂13dが生じなかった。これは、曲率半径が小さいことで、引き伸ばしによるひずみが小さくなり、ひいては、塑性変形領域を先端部30a付近の狭い範囲に集中させることができるためであると考えられる。
なお、曲率半径の下限については、第1実施形態同様、製造限界により0.03μm程度である。したがって、実質的には曲率半径が0.03μm以上0.35μm以下のバイト30を用いると良い。
以上の結果を受けて、本実施形態では、バイト30の先端部30a及び先端部30aの周辺部分に沿った樹脂絶縁層13内の応力分布において、極大値の90%における幅が0.06μm以下となるように、表面が外部に露出された樹脂絶縁層13の部分を切削する。より具体的には、先端部30aにおいて切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされたバイト30を用い、伸びが0%よりも大きく90%以下の樹脂絶縁層13を、0.5μm以上15μm以下の切り込み量tで切削加工する。したがって、切削面13bに亀裂13dが生じるのをより効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、先端部30aにおいて切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされたバイト30を用い、伸びが0%よりも大きく90%以下の樹脂絶縁層13を、0.5μm以上15μm以下の切り込み量tで切削加工する例を示した。しかしながら、6)伸びが0%よりも大きく90%以下の樹脂絶縁層13、7)先端部30aにおいて切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされたバイト30、8)0.5μm以上15μm以下の切り込み量、の3つの条件のうち、少なくとも1つを満たして切削加工を行っても良い。例えば6)〜8)のいずれか1つを満たして切削加工を行っても良い。これによれば、いずれの条件も満たさない場合に比べて、切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができる。また、6)〜8)のうちの2つを満たして切削加工を行っても良い。これによれば、6)〜8)のいずれか1つを満たして切削加工を行う場合よりも、切削面13bに亀裂13dが生じるのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態に示す製造方法により、第1実施形形態の図15に示す半導体装置10を製造することもできる。
また、上記した第1の切削工程と第2の切削工程を有する製造方法とは別の製造方法により、表面が外部に露出された樹脂絶縁層13の部分を切削して、半導体装置10を形成することもできる。図21は、バイトによる金属膜及び樹脂絶縁層の切削状態を示す断面図である。図22は、バイトをピッチ送りしたときの、ピッチと樹脂絶縁層の切削状態を示す図である。
図21に示すバイト30は、すくい面30bの先端に、当該すくい面30bの最先端部30cよりバイト30のピッチ送り方向(図21に示す白抜き矢印方向)に向かって形成されている第1の刃部と、最先端部30cよりもピッチ送り方向の反対側に向かって形成されている第2の刃部とを備えている。換言すれば、バイト30が、第1の刃部と第2の刃部が連続する曲率半径Rの円弧を形成する形状に形成されている。そして、第1実施形態で示した切削面X(図2(b)参照)にて、樹脂絶縁層13上に金属膜15が積層された部分を、バイト30により切削する。このとき、切削された金属膜15及び樹脂絶縁層13の断面は、図21に示すように、バイト30の曲率半径Rの円弧の一部で切り取られた形状となる。
図22に示すように、n回目の切削では、バイト30におけるピッチ送り方向先端側の第1の刃部での切削により、点13c1より左側に金属膜15が残っている状態となり、樹脂絶縁層13のうち、点13c1よりも右側の部分であってn回目の切削による切削面(図22に示す実線の円弧)よりも下の部分が、外部に露出した状態となる。換言すれば、第1の刃部での切削により、表面が外部に露出された樹脂絶縁層13の部分が生じる。
次いで、図22に示すように、バイト30を所定ピッチPだけ移動させてn+1回目の切削を行う。このとき、バイト30の第1の刃部での切削により、点13c2より左側に金属膜15が残っている状態となり、樹脂絶縁層13のうち、点13c2よりも右側の部分であってn+1回目の切削による切削面(図22に示す破線の円弧)よりも下の部分が、外部に露出した状態となる。また、n回目の切削により、表面が外部に露出した樹脂絶縁層13の部分は、n+1回目の切削によりほぼ全域が切り取られる。このn+1回目の切削では、樹脂絶縁層13の表面13c上に積層された金属膜15が切り屑の変形を拘束するため、樹脂絶縁層13に、むしられた領域(換言すれば亀裂)が生じやすい。この亀裂は、点13c1から下ろした垂線とn+1回目の切削面(刃線円弧)との交点を点13gすると、交点13gと点13c2とを結ぶ円弧13g−13c2の部分に生じる。
この円弧13g−13c2は、図22に示すように、バイト30を所定ピッチPだけ移動させたn+2回目の切削により、再度切削加工することができる。なお、n+2回目の切削面は、図中一点鎖線の円弧にて示している。このようなバイト30とピッチPの設定については、上記した特開2008−218823号公報に詳細に示されているので、その記載を割愛する。なお、ピッチ送り方向とは、バイト30による切削方向に対して垂直な方向であり、図21では、紙面に対して垂直な方向が切削方向となる。
このように、バイト30を用い、所定ピッチP移動させての切削を、ピッチ送り方向において繰り返すことで、図1に示す半導体装置10を得ることができる。本実施形態では、バイト30により、樹脂絶縁層13上に金属膜15が積層された部分を切削して、第1の刃部により、表面が露出された樹脂絶縁層13を作り、上記バイト30をピッチ送り方向に移動させて切削することにより、露出した樹脂絶縁層13の部分を除去する。したがって、切削工程を簡素化(時間を短縮)することができる。
また、本実施形態では、金属膜15をパターニングして金属電極14(接続部18)を形成すべく、樹脂絶縁層13を切削加工する例を示した。しかしながら、例えば図23に示すように、バイト30を用いた切削加工により、樹脂絶縁層13に開口部13aを形成する際にも適用することができる。この場合も、表面が露出する樹脂絶縁層13の部分を切削するため、開口部13aの壁面(切削面)において、亀裂13dが生じるのを抑制することができる。図23は、切削工程の変形例を示す断面図である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態では、バイト30のすくい角については特に言及しなかった。しかしながら、図24に示すように、バイト30のすくい角αを、0度又は負の角度(例えば−15度程度まで)とすることが好ましい。すくい角とは、バイト30のすくい面30bと、切削面13bに垂直な面13h(図24中の破線)とのなす角であり、図24では負の角度としている。このように伏せる側にバイト30を倒すようにすると、バイト30のすくい角αを正の角度とする場合に比べて、樹脂絶縁層13内において、バイト30の先端部30aの周辺に圧縮応力場を作り、引張応力を相殺することができる。また、引張応力の範囲(塑性変形領域)も小さくなる。したがって、上記した効果と相俟って、切削面13bに亀裂13dが生じるのを抑制することができる。図24は、バイトのすくい角を説明するための断面図である。
本実施形態では、樹脂絶縁層13を構成する樹脂としてポリイミドの例を示した。しかしながら、半導体装置10において電気絶縁性の確保に好適であり、表面に金属膜15を有する場合には伸びが80%以下、表面が外部に露出された場合には伸びが90%以下、のものであれば採用することができる。
また、本実施形態では、金属電極14が、開口部13a内のみに位置し、且つ、その表面に凹部を有する例(図1参照)を示したが、金属電極14の配置は、上記例に限定されるものではない。例えばその表面に凹部を有さず、平坦なものを採用することができる。この場合も、本実施形態同様、樹脂絶縁層13の表面13c上に位置する金属膜15を、樹脂絶縁層13の表層部分とともに切削により除去することで形成できるので、製造工程を簡素化することができる。また、図25に示すように、金属電極14が、樹脂絶縁層13の表面13cにおける開口部13aの周囲にも存在する半導体装置10の製造にも適用することができる。このような半導体装置10は、樹脂絶縁層13のうち、図25に示す樹脂絶縁層13の切削面13bに対応する表面13cの部分(図25では図示せず)のみを切削加工することで形成することができる。このような構成の半導体装置10は、本実施形態に示した構成に比べて、金属電極14とはんだなどの接続部材との接触面積を増やすことができる反面、金属電極14の部分では切削加工を行わないため、加工時間が長くなる。図25は、半導体装置の変形例を示す断面図である。
10・・・半導体装置
11・・・半導体基板
11a・・・主面
12・・・下地電極
13・・・樹脂絶縁層
13a・・・開口部
13b・・・上面
13c・・・表面
14・・・金属電極
15・・・金属膜
30・・・バイト

Claims (28)

  1. 半導体基板の主面上に形成した樹脂絶縁層を、バイトを用いた切削加工により一部除去する切削工程を備えた半導体装置の製造方法であって、
    前記切削工程として、表面に金属膜が積層された前記樹脂絶縁層の部分を切削する工程を含み、
    金属膜が積層された前記樹脂絶縁層の部分を切削する際に、前記バイトの先端部及び該先端部の周辺部分に沿った前記樹脂絶縁層内の応力分布において、極大値の90%の幅が1.3μm以下となるように切削することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 先端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされた前記バイトを用い、伸びが0%よりも大きく80%以下の前記樹脂絶縁層を、0.5μm以上12μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 伸びが0%よりも大きく80%以下の前記樹脂絶縁層を、0.5μm以上12μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 先端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされた前記バイトを用い、伸びが0%よりも大きく80%以下の前記樹脂絶縁層を切削することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 先端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされた前記バイトを用い、前記樹脂絶縁層を0.5μm以上12μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 先端部において切削方向の曲率半径が0.25μm以下とされた前記バイトを用い、前記樹脂絶縁層を切削することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 伸びが0%よりも大きく80%以下の前記樹脂絶縁層を切削することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記樹脂絶縁層を、0.5μm以上12μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記樹脂絶縁層を、0.5μm以上7μm未満の切り込み量で切削することを特徴とする請求項2,3,5,8いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記バイトと前記半導体基板との相対速度を、5m/s以上とすることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記バイトのすくい角を、0度又は負の角度とすることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 半導体素子が構成された前記半導体基板の主面上に、前記半導体素子と電気的に接続される下地電極を形成する工程と、
    前記下地電極を覆うように前記半導体基板の主面上に前記樹脂絶縁層を形成するとともに、前記下地電極の接続部位が露出するように、前記樹脂絶縁層に開口部を形成する工程と、
    前記樹脂絶縁層の表面及び開口部から臨む前記下地電極の接続部位の表面を覆うように前記金属膜を形成する工程と、を備え、
    前記金属膜の形成後、前記切削工程を行い、前記金属膜のうち、前記開口部の内部に形成された部分のみを残して金属電極とすることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記半導体基板の主面上に配置された絶縁膜の表面上に配線を形成する工程と、
    前記配線を覆うように、前記絶縁膜の表面上に前記樹脂絶縁層を形成するとともに、前記配線の接続部位が露出するように、前記樹脂絶縁層に開口部を形成する工程と、
    前記樹脂絶縁層の表面及び開口部から臨む前記配線の接続部位の表面を覆うように前記金属膜を形成する工程と、を備え、
    前記金属膜の形成後、前記切削工程を行い、前記金属膜のうち、前記開口部の内部に形成された部分のみを残して接続部とすることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 半導体基板の主面上に形成した樹脂絶縁層を、バイトを用いた切削加工により一部除去する切削工程を備えた半導体装置の製造方法であって、
    前記切削工程として、表面が外部に露出する前記樹脂絶縁層の部分を切削する工程を含み、
    前記バイトの先端部及び該先端部の周辺部分に沿った前記樹脂絶縁層内の応力分布において、極大値の90%の幅が0.06μm以下となるように切削することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 先端部において切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされた前記バイトを用い、伸びが0%よりも大きく90%以下の前記樹脂絶縁層を、0.5μm以上15μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 伸びが0%よりも大きく90%以下の前記樹脂絶縁層を、0.5μm以上15μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 先端部において切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされた前記バイトを用い、伸びが0%よりも大きく90%以下の前記樹脂絶縁層を切削することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 先端部において切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされた前記バイトを用い、前記樹脂絶縁層を0.5μm以上15μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  19. 先端部において切削方向の曲率半径が0.35μm以下とされた前記バイトを用い、前記樹脂絶縁層を切削することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  20. 伸びが0%よりも大きく90%以下の前記樹脂絶縁層を切削することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  21. 前記樹脂絶縁層を、0.5μm以上15μm以下の切り込み量で切削することを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  22. 前記樹脂絶縁層を、0.5μm以上8μm未満の切り込み量で切削することを特徴とする請求項15,16,18,21いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  23. 前記バイトと前記半導体基板との相対速度を、5m/s以上とすることを特徴とする請求項14〜22いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  24. 前記バイトのすくい角を、0度又は負の角度とすることを特徴とする請求項14〜23いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  25. 前記切削工程として、表面が外部に露出する前記樹脂絶縁層の部分を切削する前に、前記バイトを用いて、前記樹脂絶縁層の表層部分とともに該表層部分上に位置する金属膜を除去する工程を含むことを特徴とする請求項14〜24いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  26. 前記切削工程では、前記樹脂絶縁層上に前記金属膜が積層された部分を前記バイトにより切削し、前記バイトの送り方向において前記バイトが所定ピッチだけ移動した後に、前記切削により露出した前記樹脂絶縁層の部分を前記バイトにより切削することを特徴とする請求項25に記載の半導体装置の製造方法。
  27. 半導体素子が構成された前記半導体基板の主面上に、前記半導体素子と電気的に接続される下地電極を形成する工程と、
    前記下地電極を覆うように前記半導体基板の主面上に前記樹脂絶縁層を形成するとともに、前記下地電極の接続部位が露出するように、前記樹脂絶縁層に開口部を形成する工程と、
    前記樹脂絶縁層の表面及び開口部から臨む前記下地電極の接続部位の表面を覆うように前記金属膜を形成する工程と、を備え、
    前記金属膜の形成後、前記切削工程を行い、前記金属膜のうち、前記開口部の内部に形成された部分のみを残して金属電極とすることを特徴とする請求項25又は請求項26に記載の半導体装置の製造方法。
  28. 前記半導体基板の主面上に配置された絶縁膜の表面上に配線を形成する工程と、
    前記配線を覆うように、前記絶縁膜の表面上に前記樹脂絶縁層を形成するとともに、前記配線の接続部位が露出するように、前記樹脂絶縁層に開口部を形成する工程と、
    前記樹脂絶縁層の表面及び開口部から臨む前記配線の接続部位の表面を覆うように前記金属膜を形成する工程と、を備え、
    前記金属膜の形成後、前記切削工程を行い、前記金属膜のうち、前記開口部の内部に形成された部分のみを残して接続部とすることを特徴とする請求項25又は請求項26に記載の半導体装置の製造方法。
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