JP2011093296A - 成型加工用金属蒸着転写シート及びそれを使用した加飾方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一方の面に耐熱滑性層を有する基材シートの反対側の面に、少なくとも剥離層、金属蒸着層、耐熱性層をこの順序に積層した成型加工用金属蒸着転写シートの構成とした。また上記金属蒸着転写シートを用いて、任意の絵柄を溶融転写により形成された別の転写箔に、蒸着層を任意のパターンで熱転写して、金属薄膜転写箔を用意し、該金属薄膜転写箔を射出成型の型に挿入して、さらに溶融樹脂を射出して、成型加工を行ない、また該成型加工と同時に、成型品の表面に装飾を加える加飾方法とした。
【選択図】 図1
Description
図1に本発明の成型加工用金属蒸着転写シートである一つの実施形態を示す。基材シート2の一方の面に、耐熱滑性層3が設けられ、該基材シート2の反対面に、剥離層4、金属蒸着層5、耐熱性層6をこの順序に積層した構成の成型加工用金属蒸着転写シート1である。図1で、剥離層4と金属蒸着層5との間に、耐熱性層を設けることができ、成型時に負荷される熱圧による金属蒸着層へのダメージをより少なくすることができる。この場合では、金属蒸着層を上下から耐熱性層で挟み込む構成となる。また、図4に示すように、基材シート2の耐熱滑性層3の設けられた面と反対面に、剥離層4、金属蒸着層5、耐熱性層6、接着層22の構成にして、金属蒸着転写シートの転写される層の最表面に、接着層22を設けることにより、金属蒸着転写シートから転写される蒸着層13と被転写体(別の転写箔)との密着性を向上させることができる。また、金属蒸着転写シートの熱転写記録における搬送性等で、静電気によるトラブル、転写シートのシワ等防止するために、金属蒸着転写シートの転写面側の最表面に、帯電防止層を設けることができる。
成型加工用金属蒸着転写シート1の熱転写は、耐熱滑性層側からサーマルヘッド等の熱源を用いて加熱によって行われ、基材シート2と剥離層4との界面で剥離し、蒸着層13が被転写体に転写する。蒸着層13は、図1では剥離層4、金属蒸着層5、耐熱性層6からなる層であるが、さらに他の耐熱性層や密着層等、公知の様々な機能層を含む層であっても良い。
(基材シート)
本発明の成型加工用金属蒸着転写シートを構成する基材シート2としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、3〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルムが使用できる。
本発明の成型加工用金属蒸着転写シートは、基材シートの裏面、すなわち、金属蒸着層等の転写層の設けてある面と反対面に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、耐熱滑性層3を設ける。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
剥離層4は、金属蒸着転写シートの部分蒸着層として、被転写体(転写箔)に転写された金属蒸着層の上の保護層となると同時に、表面の金属光沢に影響を与えないような材料で形成する。剥離層が金属蒸着層と、転写される成型品との密着性を向上させる働きがある。剥離層の材料は、熱可塑性樹脂あるいは硬化型樹脂のいずれでもよい。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン等、及びこれらの樹脂群の共重合体等を含有する塗工液を、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して、形成することかできる。剥離層の塗布量は、乾燥状態で0.01〜3g/m2程度である。
これは、特定樹脂のジカルボン酸基が、樹脂成型品表面との接着性を高める機能を有しているために発現した効果であると考えられる。また、剥離層におけるカルボン酸を共重合させた塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、組み合わせて使用する樹脂は、アクリル樹脂が表面保護層の機能が高く、好ましい。
金属蒸着層5は、金属蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の方法で形成できる。金属蒸着層を形成する金属としては、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、金、銀、スズ、亜鉛、黄銅、ステンレス等の金属、合金、金属酸化物等である。厚みは通常200〜800Å、好ましくは400〜600Åである。
上記の金属蒸着層の成型時の熱圧によるダメージを少なくするために、耐熱性層6を設ける。この耐熱性層6は、金属蒸着転写シートの基材シート側から、剥離層/金属蒸着層/耐熱性層の順に積層された層の表面層であるが、剥離層と金属蒸着層との間に、設けることが出来る耐熱性層についても、使用される材料など共通しているので、まとめて説明する。耐熱性層を構成する樹脂は、剥離層で説明した二液反応型樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が挙げられる。特に、二液反応型樹脂がサーマルヘッド加熱による転写感度が高く好ましい。
本発明の金属蒸着転写シートでは、剥離層と金属蒸着層、又は、耐熱性層と金属蒸着層との間に、密着層を設けることができ、金属蒸着層との密着性を向上させ、得られる表面装飾を有した成型品の表面に転写された層と、成型品との密着性を高めることができ、好ましく行なわれる。密着層は、ガラス転移温度が60〜100℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などの如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。また、密着層にはタルク、シリカ等の無機化合物の微粒子を皮膜の透明性に影響がでないように、添加して、箔切れを向上させることができる。
本発明では、金属蒸着転写シートの耐熱滑性層を有する基材シートの反対側の面に、積層された最上層の耐熱性層の上に、さらに接着層を設けることができる。この接着層は、従来公知の感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50〜100℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、紫外線吸収性樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などの如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。接着剤層は、上記の感熱接着剤を汎用溶剤に、溶解ないし分散して塗布液を調製し、耐熱性層の表面に、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコートなどの方法で塗布量が(乾燥基準)0.2〜5g/m2程度になるように塗布および乾燥して形成する。
本発明の成型品表面への加飾方法は、上記の成型加工用金属蒸着転写シートを用いて、基材シート上に、少なくとも、離型層、ハードコート層、接着層を、この順に積層した転写箔7に、蒸着層13を任意のパターンで熱転写し、但し、該転写箔7には、基材シートに熱溶融転写性色材層を設けた熱転写シートを用いて、任意の絵柄を、熱転写して予め形成しておき、該絵柄の少なくとも一部の上、及び転写箔7の転写層14上に、前記蒸着層13が熱転写されている金属薄膜転写箔を用意し、該金属薄膜転写箔を射出成型の金型に挿入して、さらに溶融樹脂を射出して、成型加工を行ない、また該成型加工と同時に、成型品の表面に装飾を加える方法である。
(実施例1)
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの基材シートの一方の面に、グラビアコーターを用い、下記耐熱滑性層用塗工液を固形分換算で0.3g/m2の割合で、塗布、乾燥させ、耐熱滑性層を形成した。
・ポリメチルメタクリレート(BR−85 三菱レイヨン(株)製) 11.1部
・メラミンアルデヒド縮合物(エポスターS、日本触媒(株)製) 2.9部
・ポリエステル樹脂(エリーテルUE−3200、ユニチカ(株)製) 0.3部
・ジンクステアリルホスフェート(LBT−1830、堺化学社製) 5.7部
・トルエン 0.6部
・メチルエチルケトン 79.2部
・アクリル樹脂(ダイヤナールBR83、三菱レイヨン(株)製) 13.50部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 1.50部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製)
・ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績(株)製) 0.09部
・アモルフォスシリカ 3.00部
・メチルエチルケトン 70.09部
・トルエン 18.12部
<耐熱性層用塗工液>
・アクリル系樹脂(アクリル樹脂/メタクリル酸メチル=97/3) 1.25部
・トリレンジイソシアネート 1.875部
・メチルエチルケトン 0.2部
・トルエン 1.8部
・アクリル樹脂(ダイヤナールBR83、三菱レイヨン(株)製) 20部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
上記の実施例1で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、金属蒸着層と接着層との間にある耐熱性層の塗布量を、1.0g/m2から2.45g/m2に変更した。その他は実施例1と同様にして、実施例2の金属蒸着転写シートを作製した。尚、実施例2の金属蒸着転写シートの層構成は、接着層/耐熱性層/金属蒸着層/耐熱性層/剥離層/基材シート/耐熱滑性層である。
上記の実施例1で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、剥離層と金属蒸着層との間にある耐熱性層を設けない条件で、その他は実施例1と同様にして、実施例3の金属蒸着転写シートを作製した。尚、実施例3の金属蒸着転写シートの層構成は、接着層/耐熱性層/金属蒸着層/剥離層/基材シート/耐熱滑性層である。
上記の実施例1で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、金属蒸着層と接着層との間にある耐熱性層の塗布量を、1.0g/m2から2.45g/m2に変更した。さらに剥離層と金属蒸着層との間にある耐熱性層を設けない条件で、その他は実施例1と同様にして、実施例4の金属蒸着転写シートを作製した。尚、実施例4の金属蒸着転写シートの層構成は、接着層/耐熱性層/金属蒸着層/剥離層/基材シート/耐熱滑性層である。
上記の実施例4で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、剥離層用塗工液を下記組成のものに変更して、固形分換算で塗布量が0.4g/m2となるように塗布、乾燥して剥離層を形成した。その他は、実施例4と同様にして、実施例5の金属蒸着転写シートを作製した。
・アクリル樹脂(ダイヤナールBR83、三菱レイヨン(株)製) 50.00部
・ジカルボン酸を共重合させた塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 50.00部
(VMCA、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸=81/17/2、Dow Chemical社製)
・メチルエチルケトン 100.00部
・トルエン 100.00部
上記の実施例4で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、剥離層用塗工液を下記組成のものに変更して、固形分換算で塗布量が0.4g/m2となるように塗布、乾燥して剥離層を形成した。その他は、実施例4と同様にして、実施例6の金属蒸着転写シートを作製した。
・アクリル樹脂(ダイヤナールBR83、三菱レイヨン(株)製) 30.00部
・ジカルボン酸を共重合させた塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 20.00部
(ソルバインM5、塩化ビニル/酢酸ビニル/ジカルボン酸=85/14/1、日信化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 100.00部
・トルエン 100.00部
上記の実施例4で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、剥離層用塗工液を下記組成のものに変更して、固形分換算で塗布量が0.4g/m2となるように塗布、乾燥して剥離層を形成した。その他は、実施例4と同様にして、実施例7の金属蒸着転写シートを作製した。
・アクリル樹脂(ダイヤナールBR83、三菱レイヨン(株)製) 50.00部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 50.00部
(ソルバインCL、塩化ビニル/酢酸ビニル=86/14、日信化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 100.00部
・トルエン 100.00部
上記の実施例4で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、剥離層用塗工液を下記組成のものに変更して、固形分換算で塗布量が0.4g/m2となるように塗布、乾燥して剥離層を形成した。その他は、実施例4と同様にして、実施例8の金属蒸着転写シートを作製した。
・アクリル樹脂(ダイヤナールBR83、三菱レイヨン(株)製) 80.00部
・ジカルボン酸を共重合させた塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 20.00部
(ソルバインM5、塩化ビニル/酢酸ビニル/ジカルボン酸=85/14/1、日信化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 100.00部
・トルエン 100.00部
上記の実施例1で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、剥離層と金属蒸着層との間にある耐熱性層を設けない条件で、かつ剥離層と金属蒸着層との間に、下記組成の密着層用塗工液を用いて、固形分換算で塗布量が0.5g/m2となるように塗布、乾燥して密着層を形成して、実施例9の成型加工用金属蒸着転写シートを作製した。尚、実施例9の金属蒸着転写シートの層構成は、接着層/耐熱性層/金属蒸着層/密着層/剥離層/基材シート/耐熱滑性層である。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 100.00部
(ソルバインCL、塩化ビニル/酢酸ビニル=86/14、日信化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 100.00部
・トルエン 100.00部
上記の実施例9で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、実施例9で使用した密着層用塗工液で、固形分換算で塗布量が0.6g/m2となるように塗布、乾燥して密着層を形成した。その他は、実施例9と同様にして、実施例10の金属蒸着転写シートを作製した。
上記の実施例9で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、実施例9で使用した密着層用塗工液で、固形分換算で塗布量が0.1g/m2となるように塗布、乾燥して密着層を形成した。その他は、実施例9と同様にして、実施例11の金属蒸着転写シートを作製した。
上記の実施例9で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、実施例9で使用した密着層用塗工液で、固形分換算で塗布量が0.05g/m2となるように塗布、乾燥して密着層を形成した。その他は、実施例9と同様にして、実施例12の金属蒸着転写シートを作製した。
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの基材シートの一方の面に、実施例1と同様にして、固形分換算で塗布量が0.3g/m2の耐熱滑性層を形成した。その基材シートの耐熱滑性層を設けた面と反対側に、実施例1で使用した剥離層用塗工液を用いて、固形分換算で塗布量が0.4g/m2となるように塗布、乾燥して剥離層を形成した。その剥離層の上に、アルミニウムを真空蒸着法により、300Åの厚さの金属蒸着層を形成した。その金属蒸着層の上に、実施例1で使用した接着層用塗工液を用いて、固形分換算で塗布量が0.42g/m2となるように塗布、乾燥して接着層を形成して、比較例1の金属蒸着転写シートを作製した。尚、比較例1の金属蒸着転写シートの層構成は、接着層/金属蒸着層/剥離層/基材シート/耐熱滑性層である。
上記の実施例1で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、剥離層と金属蒸着層との間の耐熱性層の塗布量を、1.0g/m2から1.3g/m2に変更した。また、金属蒸着層と接着層との間にある耐熱性層を設けない条件で、その他は実施例1と同様にして、比較例2の金属蒸着転写シートを作製した。
上記の実施例4で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、剥離層用塗工液を下記組成のものに変更して、固形分換算で塗布量が0.4g/m2となるように塗布、乾燥して剥離層を形成した。その他は、実施例4と同様にして、比較例3の金属蒸着転写シートを作製した。
・アクリル樹脂(ダイヤナールBR83、三菱レイヨン(株)製) 100.00部
・メチルエチルケトン 100.00部
・トルエン 100.00部
上記の実施例4で作製した成型加工用金属蒸着転写シートにおいて、剥離層用塗工液を下記組成のものに変更して、固形分換算で塗布量が0.4g/m2となるように塗布、乾燥して剥離層を形成した。その他は、実施例4と同様にして、比較例4の金属蒸着転写シートを作製した。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 100.00部
(ソルバインCL、塩化ビニル/酢酸ビニル=86/14、日信化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 100.00部
・トルエン 100.00部
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの基材シートの一方の面に、エポキシ−メラミン樹脂を乾燥状態で、塗布量が0.5g/m2で設け、離型層を形成し、その離型層の上に、ウレタンアクリレートの紫外線硬化型樹脂により、ハードコート層を塗布量が5g/m2で設け、さらにハードコート層の上に、アクリル樹脂によりアンカー層を塗布量が0.5g/m2で設け、さらにアンカー層の上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂により、接着層を塗布量が1g/m2で設けて、転写箔を作製した。但し、その転写箔の接着層の上に、基材シートにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各熱溶融転写性色材層を単一層で設けたモノカラーの熱転写シートを複数用いて、サーマルヘッド加熱により、ロゴマークの絵柄を、熱転写して形成しておく。
(印画適性)
印画速度:1ms/Line(42mm/sec)
サーマルヘッド:KCE−162−24PAG6(京セラ製、平均抵抗値3606Ω)
ヘッド圧:4〜10kg
解像度:600dpi
印加エネルギー:0.07mJ/dot
以下の条件の転写箔に対して、図3の1)及び2)に示すように、ベタパターンで上記印画条件により、印画して、金属蒸着転写シートと転写箔とが貼り付き等の問題がなく印画できるかどうか調べた。また、その際に、i)転写箔に蒸着層が正常に転写するか、ii)転写箔から層が剥がれて、金属蒸着転写シート側にとられる不具合が生じないか(すなわち、箔もちが良好か)を調べた。
○:貼り付き等の問題がなく、良好に転写でき、箔持ちも良好である。
△:箔持ちが悪い、あるいは蒸着層13の一部が転写箔7に転写されない部分が少し生じ、転写性が少し劣る。
×:貼り付きが生じ、転写できない、あるいは蒸着層13のほとんどの部分が転写箔7に転写されず、転写不良である。
上記の印画適性の調査で、作成した蒸着層を有する金属薄膜転写箔を、図3に示すように、射出成型の金型に挿入して、さらにABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂)の溶融樹脂を射出して、成型加工を行なった。但し、その金属薄膜転写箔は、蒸着層の表面が、成型樹脂側(ゲート側)になるように、射出成型の金型に挿入される。成型加工を実施し、冷却後、型開きして、成型品を金型から取り出し、金属薄膜転写箔の基材シートを成型品から剥がして、除去して、蒸着層等が表面に転写された成型品を得た。その得られた成型品の表面外観を目視にて観察し、評価した。尚、成型時に、金型に高温の樹脂を流し込むため、溶融樹脂等による圧力と熱によって、金属蒸着層が流れて(変形して)、表面の外観に異常が発生しやすい現象がある。
その評価の判断基準は、以下の通りである。
○:金属蒸着層が流れずに、外観に問題がなく、良好である。
×:金属蒸着層が流れて、表面に樹脂が見える異常が発生し、不良である。
上記の成型加工適性を調べた際に、作製した表面装飾を有した成型品の表面に転写された層と、成型品との密着性を、表面装飾を有する成型品表面に、セロハンテープを指で1往復擦って、貼り付けた後に、すぐにセロハンテープを180°剥離して、テープ側に層が取られていないか、目視にて観察し、密着性を調べた。
その評価の判断基準は、以下の通りである。
○:成型品の表面に転写された層から、テープ側に取られるものが全く無く、密着性が高く良好である。
△:成型品の表面に転写された層から、テープ側に少し取られるものがあり。密着性が少し劣る。
×:成型品の表面に転写された層から、テープ側に多くのものが取られ、密着性に問題がある。
2 基材シート
3 耐熱滑性層
4 剥離層
5 金属蒸着層
6 耐熱性層
7 転写箔
7´ 金属薄膜転写箔
8 基材シート
9 離型層
10 ハードコート層
11 アンカー層
12 接着層
13 (部分)蒸着層
14 転写層
15 絵柄層
16 サーマルヘッド
17 成型の金型
18 ゲート
19 キャビティ面
20 成型品
21 溶融樹脂
22 接着層
Claims (7)
- 一方の面に耐熱滑性層を有する基材シートの反対側の面に、少なくとも剥離層、金属蒸着層、耐熱性層をこの順序に積層したことを特徴とする成型加工用金属蒸着転写シート。
- 前記の一方の面に耐熱滑性層を有する基材シートの反対側の面に、積層された剥離層と金属蒸着層との間に、耐熱性層を設けたことを特徴とする請求項1に記載する成型加工用金属蒸着転写シート。
- 前記の一方の面に耐熱滑性層を有する基材シートの反対側の面に、積層された最上層の耐熱性層の上に、さらに接着層を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載する成型加工用金属蒸着転写シート。
- 前記の剥離層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及びアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載する成型加工用金属蒸着転写シート。
- 前記の剥離層は、ジカルボン酸を共重合させた塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を剥離層全体の樹脂に対し、質量比が30%以上60%以下の割合で含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載する成型加工用金属蒸着転写シート。
- 前記の剥離層と金属蒸着層との間に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有する密着層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載する成型加工用金属蒸着転写シート。
- 上記請求項1〜6のいずれかに記載される成型加工用金属蒸着転写シートを用いて、基材シート上に、少なくとも、離型層、ハードコート層、接着層を、この順に積層した転写箔に、蒸着層を任意のパターンで熱転写し、但し、該転写箔には、基材シートに熱溶融転写性色材層を設けた熱転写シートを用いて、任意の絵柄を、熱転写して予め形成しておき、該絵柄の少なくとも一部の上、及び転写箔の転写層上に、前記蒸着層が熱転写されている金属薄膜転写箔を用意し、該金属薄膜転写箔を射出成型の金型に挿入して、さらに溶融樹脂を射出して、成型加工を行ない、また該成型加工と同時に、成型品の表面に装飾を加えることを特徴とする加飾方法。
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