JP2011083693A - 揮発性有機化合物吸着分解材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来の金属担持法において、担体の細孔特性によって金属の担持をより効率的に行い、また揮発性有機化合物の除去性能の高い吸着分解材を提供することを目的とする。
【解決手段】BET比表面積800m/g以上2000m/g以下であり、平均細孔径が10〜19Å、全細孔容積が0.4cm/g以上1.0cm/g以下である活性炭素繊維を担体とし、金属触媒を担持した揮発性有機化合物吸着分解材。
【選択図】なし

Description

本発明は、BET比表面積が800m/g以上2000m/g以下であり、平均細孔径が10〜19Å、全細孔容積が0.4cm/g以上1.0cm/g以下である活性炭素繊維に金属触媒を担持してなり、揮発性有機化合物の除去性能に優れていることを特徴とする吸着分解材に関する。
従来、建物の室内や自動車の車内等でのタバコ臭の主成分であるアセトアルデヒド、あるいいは、シックハウス症候群の原因物質として知られているホルムアルデヒド等の除去を目的として、様々な吸着材の検討がなされている。
活性炭は、揮発性有機化合物等を吸着する材料として知られているが、低分子で極性の大きな有機化合物(例えばアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等)を除去することは困難である。そこで、活性炭にアミン類を担持させて吸着性能を高めたものが知られている(特許文献1参照)。
しかし、上述のアミン類を担持する技術は、担持アミン類の状態が不安定であることから、熱的および経時的な化学変化による失活がおこりやすく、長期的に高い除去性能を保持することは困難であるという問題がある。
一方、揮発性有機化合物の除去を目的として、酸化触媒を用いる方法が近年注目されている。前記酸化触媒として、例えば、金属触媒の代表的な金属である、白金を担持した活性炭やアルミナが知られている(特許文献2、非特許文献1参照)。白金の担持方法としては、含浸法、イオン交換法、共沈法、高温高圧法、超臨界法等の様々な方法が検討されている。
しかし、上述の酸化触媒では、常温で揮発性有機化合物を除去するには十分な性能が得られていない。また、金属触媒を担持する担体の特性、特に細孔特性による金属触媒担持への影響、および揮発性有機化合物除去性能への影響については解明されていないのが現状である。
特開昭56−53744号公報 特開2006−68591号公報
Applied Catalysis B: Environmental, Vol. 8, pp. 405-415(1996)
本発明は、従来の金属触媒担持法において、担体の細孔特性によって金属触媒の担持をより効率的に行い、また揮発性有機化合物の除去性能の高い吸着分解材を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は以下の構成からなる。
1.BET比表面積が800m/g以上2000m/g以下であり、平均細孔径が10〜19Å、全細孔容積が0.4cm/g以上1.0cm/g以下である活性炭素繊維に金属触媒を担持してなる揮発性有機化合物吸着分解材。
2.金属触媒の担持量が0.5〜10重量%である上記1に記載の揮発性有機化合物吸着分解材。
本発明により、吸着除去が困難である低分子の揮発性有機化合物の除去性能を向上させることができる。さらに担体にポリアクリロニトリル(以下、「PAN」という)系活性炭素繊維を用いることで、より高い除去性能が得られる。
以下、本発明を詳述する。
本発明において、担体は活性炭素繊維であり、繊維径は100μm以下が好ましい。100μm以下の繊維状であることで、粒状の担体に比べ、ガスの接触効率が高くなる。また、フィルター用途で用いる場合にそのままの形状で用いることが可能であるという利点がある。繊維径の下限は特に定めないが、製造可能な範囲としては、0.05μm以上である。
本発明において、活性炭素繊維のBET比表面積は800m/g以上で2000m/g以下である。BET比表面積が800m/g未満であれば、金属触媒を高度に分散担持することができず、結果として十分な触媒活性を示さない。好ましくは、1000m/g以上である。また、BET比表面積が2000m/gより大きければ、賦活収率も非常に低く、またフィルター用途で用いるために十分な強度が得られない。好ましくは、1800m/g以下、より好ましくは1500m/g以下である。また、BET比表面積が800m/g未満の場合、BET比表面積が小さすぎて、担持された金属触媒によって細孔が閉塞されやすくなるため、ガスの吸着分解に適さない。
本発明において、活性炭素繊維の平均細孔径が10〜19Åである。好ましくは14〜19Åである。細孔径が19Åより大きいと担体自体の吸着能が低くなるため、揮発性有機化合物の吸着が起こりにくくなる。また、細孔径が10Åより小さいと、細孔のvan der Waals力はより強く働くが、細孔容積が減少し、揮発性有機化合物の吸着容量が低くなる。金属触媒には化学吸着能があり、金属触媒の分解能に対して、担体の吸着能は、一見無関係に思われるが、吸着サイトに出入りする揮発性有機化合物を金属触媒で分解する方がより高い除去性能が得られる。
さらに、細孔径が19Åより大きいと、金属触媒を担持する際に、細孔のvan der Waals力が弱くなるため、担体の吸着能が低くなり、金属触媒溶液の吸着が起こりにくくなり、理論量どおりに担持できなくなる。また、細孔径が10Åより小さいと、細孔容積が減少することで、金属触媒溶液が細孔内に理論量どおりに取り込まれなくなり、高分散担持が行えなくなる。
本発明において、活性炭素繊維の全細孔容積は0.4cm/g以上1.0cm/g以下である。好ましくは0.4cm/g以上0.8cm/g以下である。細孔容積が0.4cm/g未満であると、担体の吸着容量が低く、揮発性有機化合物の吸着が起こりにくくなる。また、細孔容積が1.0cm/gより大きいと、賦活収率も非常に低く、またフィルター用途で用いるために十分な強度が得られない。
本発明において、金属触媒は特に限定されないが、マンガンや鉄などの金属酸化物、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金等の貴金属を用いることができる。
前記金属触媒の活性炭への担持状態は特に定めるわけではなく、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、金属錯体等のいずれでもよい。
本発明における金属触媒の担持量は吸着分解材の重量に対して0.5重量%〜10重量%であることが好ましい。より好ましくは0.5重量%〜7重量%である。金属触媒の担持量が0.5重量%未満であれば、十分な除去性能を実現することができず、また、10重量%より多ければ、担持金属触媒による活性炭の細孔閉塞が生じ、十分な除去性能を実現することができなくなるからである。
本発明において、担体として用いられる活性炭素繊維の原料は特に限定しないが、フェノール樹脂やPAN系樹脂を用いることが出来る。特に、担体にPAN系活性炭素繊維を用いることで、より高い除去性能を得ることが出来る。これは、含有N原子の持つ非共有電子対によって、金属の担持やガスの吸着、分解に効率的に働いていると推測される。
金属触媒の担持方法については、スケールアップが容易である平衡吸着法が好ましい。平衡吸着法を用いる際には、あらかじめ前処理として、担体を煮沸処理することが好ましい。煮沸処理を行うことで、細孔内に金属含有溶液を取り込みやすくなり、より担持が行いやすくなる。還元方法に関しては特に定めないが、不活性ガス流通下での高温焼成による還元、水素化ホウ素ナトリウムなどによる液相還元等を用いることができる。また、担持量についても限定しないが、ガスの除去能は同じ担体を用いた場合、担持量を増すと高くなると考えられる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。実施例中に示した特性は以下の方法で測定した。
(BET比表面積)
試料30mgを採取し、120℃、12時間真空乾燥して秤量し、自動比表面積装置ジェミニ2375(マイクロメリティックス社製)を使用して測定した。液体窒素の沸点(−195.8℃)における窒素ガスの吸着量を相対圧が0.02〜0.95の範囲で測定し、試料の吸着等温線を作成した。相対圧0.02〜0.15の範囲での結果をもとに、BET法により重量あたりのBET比表面積[m/g]を求めた。また、相対圧0.95での結果より全細孔容積[cm/g]を算出した。さらに、平均細孔径(単位:[Å])に関しては、上記の全細孔容積(単位:[cm/g])をBET比表面積(単位:[m/g])で割り、40000倍することで求めた。
(白金担持量)
白金担持前に担体を120℃、2時間真空乾燥した後、秤量し、担持前の乾燥重量(WA)とした。白金担持処理後、100℃の乾燥機で1時間乾燥させた後、120℃で2時間真空乾燥させ、秤量し、白金担持体の乾燥重量(WB)とした。WBからWAを差し引いた重量を白金金属の重量とし、その重量をWBで割り返す((WB−WA)/WB)ことで、実測の白金担持量とした。また、担持を行う際に加えた白金塩と担持前の担体乾燥重量をもとに、理論担持量とした。
(アセトアルデヒド除去性能の測定方法)
30mgの吸着分解材を、内径14mmφ、長さ90mmのバイオカラムに入れた。アセトアルデヒド110ppmを含む25℃、50RH%の空気5Lをテドラーバックに捕集した。前述のバイオカラム内のサンプルに対し、このガスを1.2L/minで循環させた。試料の雰囲気温度は25℃とした。出口のガスを一定時間ごとにサンプリングし、デュアルガスモニターにてアセトアルデヒド濃度を測定し、除去率を算出した。
<実施例1>
内径70mmφ、有効長30cmの管状炉を用いて、繊維径24μmのフェノール繊維を、5L/minでの窒素流動下で昇温速度5℃/minで900℃まで昇温し、2時間保持させた状態で純水を0.6mL/minで供給し続けて、賦活処理を行い、さらに、500℃、5分間空気中で酸化処理を行った。その結果、繊維径18μm、BET比表面積1370m/g、平均細孔径17.5Å、全細孔容積0.60cm/gの活性炭素繊維を得た。次に、塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)350mgを10mLの純水に溶解させて、塩化白金(IV)酸水溶液を調製した。上記の活性炭素繊維2.4g(乾燥重量)を純水200mL中で20分間煮沸し、その後、この活性炭素繊維を純水200mL中で撹拌しながら、上記塩化白金(IV)酸水溶液を0.5mL/minの速度で滴下した。滴下終了後さらに12時間撹拌した。その後、吸引ろ過をして、ろ液が中性になるまで活性炭素繊維を純水で洗浄した。さらに、得られた活性炭素繊維を純水200mL中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)130mgを添加し、1.5時間撹拌しながら、還元処理を施した。その後、吸引ろ過をし、ろ液が中性になるまで、活性炭を純水で水洗した後、100℃で1時間乾燥させ、さらに、120℃で2時間真空乾燥させ、吸着分解材(理論担持量5.1重量%)を得た。
<実施例2>
塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)26mgを4mLの純水に溶解させて、塩化白金(IV)酸水溶液を調製した。続いて、実施例1で用いたものと同じ活性炭素繊維1.0g(乾燥重量)を純水80mL中で20分間煮沸した。その後、この活性炭素繊維を純水80mL中で撹拌しながら、上記塩化白金(IV)酸水溶液を0.5mL/minの速度で滴下した。滴下終了後さらに12時間撹拌した。その後、吸引ろ過をして、ろ液が中性になるまで活性炭素繊維を純水で洗浄した。さらに、得られた活性炭素繊維を純水80mL中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)13mgを添加し、1.5時間撹拌しながら、還元処理を施した。その後、吸引ろ過をし、ろ液が中性になるまで、活性炭を純水で水洗した後、100℃で1時間乾燥させ、さらに、120℃で2時間真空乾燥させ、吸着分解材(理論担持量1.0重量%)を得た。
<実施例3>
内径70mmφ、有効長30cmの管状炉を用いて、PAN系耐炎化繊維を、5L/minでの窒素流動下で昇温速度5℃/minで850℃まで昇温し、2.5時間保持させた状態で純水を0.6mL/minで供給し続けて、繊維径10μm、BET比表面積1270m/g、平均細孔径18.3Å、全細孔容積0.58cm/gの活性炭素繊維を得た。次に、塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)44mgを5mLの純水に溶解させて、塩化白金(IV)酸水溶液を調製した。上記の活性炭素繊維0.3g(乾燥重量)を純水35mL中で20分間煮沸し、その後、この活性炭素繊維を純水35mL中で撹拌しながら、上記塩化白金(IV)酸水溶液を0.5mL/minの速度で滴下した。滴下終了後さらに12時間撹拌した。その後、吸引ろ過をして、ろ液が中性になるまで活性炭素繊維を純水で洗浄した。さらに、得られた活性炭素繊維を純水50mL中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)22mgを添加し、1.5時間撹拌しながら、還元処理を施した。その後、吸引ろ過をし、ろ液が中性になるまで、活性炭を純水で水洗した後、100℃で1時間乾燥させ、さらに120℃で2時間真空乾燥させ、吸着分解材(理論担持量5.3重量%)を得た。
<実施例4>
アクリロニトリルとメタクリル酸のモル比が96:4の変性PAN樹脂をN、N−ジメチルアセトアミドに溶解させた溶液から荷電紡糸法によって繊維集合体シートを作成した。この繊維集合体シートを、基材から剥離させ、内径70mmφ、有効長30cmの管状炉を用いて、空気雰囲気中で昇温速度5℃/minで300℃まで昇温し、1時間保持させ、耐炎化繊維集合体シートを得た。さらに、この耐炎化繊維のシートに対し、昇温速度5℃/minで850℃まで昇温し、2時間保持させた状態で純水を0.6mL/minで供給し続けて、繊維径300nm、BET比表面積1290m/g、平均細孔径18.3Å、全細孔容積0.59cm/gの活性炭素繊維を得た。次に、塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)43mgを5mLの純水に溶解させて、塩化白金(IV)酸水溶液を調製した。上記の活性炭素繊維0.3g(乾燥重量)を純水35mL中で20分間煮沸し、その後、この活性炭素繊維を純水35mL中で撹拌しながら、上記塩化白金(IV)酸水溶液を0.5mL/minの速度で滴下した。滴下終了後さらに12時間撹拌した。その後、吸引ろ過をして、ろ液が中性になるまで活性炭素繊維を純水で洗浄した。さらに、得られた活性炭素繊維を純水50mL中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)22mgを添加し、1.5時間撹拌しながら、還元処理を施した。その後、吸引ろ過をし、ろ液が中性になるまで、活性炭を純水で水洗した後、100℃で1時間乾燥させ、さらに、120℃で2時間真空乾燥させ、吸着分解材(理論担持量5.4重量%)を得た。
<比較例1>
塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)330mgを10mLの純水に溶解させて、塩化白金(IV)酸水溶液を調製した。続いて粒径250−500μm、BET比表面積1430m/g、平均細孔径18.7Å、全細孔容積0.67cm/gの活性炭2.3g(乾燥重量)を純水200mL中で20分間煮沸した。その後、この活性炭を純水200mL中で撹拌しながら、上記塩化白金(IV)酸水溶液を0.5mL/minの速度で滴下した。滴下終了後さらに12時間撹拌した。その後、吸引ろ過をして、ろ液が中性になるまで活性炭を純水で洗浄した。さらに、得られた活性炭を純水200mL中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)120mgを添加し、1.5時間撹拌しながら、還元処理を施した。その後、吸引ろ過をし、ろ液が中性になるまで、活性炭を純水で水洗した後、100℃で1時間乾燥させ、さらに、120℃で2時間真空乾燥させ、吸着分解材(理論担持量5.3重量%)を得た。
<比較例2>
塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)350mgを10mLの純水に溶解させて、塩化白金(IV)酸水溶液を調製した。続いて粒径250−500μm、BET比表面積1250m/g、平均細孔径25.6Å、全細孔容積0.80cm/gの活性炭2.5g(乾燥重量)を純水200mL中で20分間煮沸した。その後、この活性炭を純水200mL中で振とうしながら、上記塩化白金(IV)酸水溶液を0.5mL/minの速度で滴下した。滴下終了後さらに12時間振とうした。その後、吸引ろ過をして、ろ液が中性になるまで活性炭を純水で洗浄した。さらに、得られた活性炭を純水50mL中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)130mgを添加し、1.5時間撹拌しながら、還元処理を施した。その後、吸引ろ過をし、ろ液が中性になるまで、活性炭素繊維を純水で水洗した後、100℃で1時間乾燥させ、さらに、120℃で2時間真空乾燥させ、吸着分解材(理論担持量5.3重量%)を得た。
<比較例3>
内径70mmφ、有効長30cmの管状炉を用いて、繊維径24μmのフェノール繊維を窒素流動下で、5℃/minで900℃まで昇温し、900℃で1時間保持させて炭化処理を行った。この結果、繊維径20μm、BET比表面積530m/g、平均細孔径17.4Å、全細孔容積0.23cm/gの活性炭素繊維を得た。次に、塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)320mgを10mLの純水に溶解させて、塩化白金(IV)酸水溶液を調製した。上記の活性炭素繊維2.2g(乾燥重量)を純水200mL中で20分間煮沸し、その後、この活性炭素繊維を純水200mL中で撹拌しながら、上記塩化白金(IV)酸水溶液を0.5mL/minの速度で滴下した。滴下終了後さらに12時間撹拌した。その後、吸引ろ過をして、ろ液が中性になるまで活性炭素繊維を純水で洗浄した。さらに、得られた炭素繊維を純水200mL中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)120mgを添加し、1.5時間撹拌しながら、還元処理を施した。その後、吸引ろ過をし、ろ液が中性になるまで、活性炭を純水で水洗した後、100℃で1時間乾燥させ、さらに、120℃で2時間真空乾燥させ、吸着分解材(理論担持量5.2重量%)を得た。
<比較例4>
内径70mmφ、有効長30cmの管状炉を用いて、PAN系耐炎化繊維を、窒素流動下で昇温速度5℃/minで850℃まで昇温し、1時間保持し、繊維径10μm(BET比表面積、平均細孔径、全細孔容積は、Nでの吸着測定不可のため、データなし)の炭素繊維を得た。次に、塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)230mgを10mLの純水に溶解させて、塩化白金(IV)酸水溶液を調製した。上記の炭素繊維1.6g(乾燥重量)を純水120mL中で20分間煮沸し、その後、この炭素繊維を純水120mL中で撹拌しながら、上記塩化白金(IV)酸水溶液を0.5mL/minの速度で滴下した。滴下終了後さらに12時間撹拌した。その後、吸引ろ過をして、ろ液が中性になるまで炭素繊維を純水で洗浄した。さらに、得られた炭素繊維を純水120mL中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)90mgを添加し、1.5時間撹拌しながら、還元処理を施した。その後、吸引ろ過をし、ろ液が中性になるまで、活性炭を純水で水洗した後、100℃で1時間乾燥させ、さらに120℃で2時間真空乾燥させ、吸着分解材(理論担持量5.1重量%)を得た。
実施例1〜4、比較例1〜4で得られた吸着分解材に関して、触媒担持前後のBET比表面積、理論白金担持量、実測白金担持量、およびアセトアルデヒド除去性能を測定した。
Figure 2011083693
本発明の揮発性有機化合物吸着分解材は、常温において揮発性有機化合物を除去することが可能であり、かつ担体の細孔特性によって白金の担持量が異なり、また白金担持量が同等であっても担体によって常温での揮発性有機化合物の除去性能に差が生じるという点から、建物の室内や自動車の車内などにおけるタバコ臭の除去、空気清浄機や脱臭剤等の幅広い用途分野に利用する際の新しい知見を提供し、産業界に寄与すること、大である。

Claims (2)

  1. BET比表面積が800m/g以上2000m/g以下であり、平均細孔径が10〜19Å、全細孔容積が0.4cm/g以上1.0cm/g以下である活性炭素繊維に金属触媒を担持してなる揮発性有機化合物吸着分解材。
  2. 金属触媒の担持量が0.5〜10重量%である請求項1に記載の揮発性有機化合物吸着分解材。
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