JP2011079491A - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートポンプユニットと電気式のヒータユニットとを含む空調装置と外部電源とを用いて蓄電装置の過充電を抑制しながら車室内の事前暖房を効率よく実行する。
【解決手段】プレ空調の実行に際して外気温度Toaが熱源切換温度Trefを上回っており電気式のヒータユニットの作動条件が成立していないときには、空調装置による電力消費に許容される使用許可電力Wacが電力指令値Wchgと目標放電電力Wtagとバッテリからの放電に許容される第1の変動幅である値W1との和に設定され(S120,S190)、外気温度Toaが熱源切換温度Tref以下であってヒータユニットの作動条件が成立しているときには、使用許可電力Wacが電力指令値Wchgと目標放電電力Wtagと値W1よりも大きい第2の変動幅としての値W2との和に設定される(S130,S190)。
【選択図】図3

Description

本発明は、走行用の動力を出力可能な電動機と、当該電動機と電力をやり取り可能であると共に外部電源からの電力により充電可能な蓄電装置とを含む車両およびその制御方法に関する。
従来、ヒートポンプによる暖房を行うヒートポンプ暖房装置と、温水による熱を利用して暖房を行うヒータ暖房装置とを含む自動車用空調装置として、外気温度が所定温度以下であるときにはヒートポンプ暖房装置を停止させると共にヒータ暖房装置のみを運転し、外気温度が所定温度より高いときには、ヒートポンプ暖房装置を運転すると共にヒータ暖房装置を停止させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、従来、 コンプレッサ、メインコンデンサ、サブコンデンサ、膨張弁および車内側熱交換器を有するヒートポンプサイクルを備えた電気自動車用空調装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この空調装置は、車内側熱交換器の下流側にサブコンデンサと共に配置されて通過する空気を加熱する電気ヒータを含み、除湿暖房時に外気導入モードが選択されている場合、外気センサの検出温度が所定の閾値以下であれば電気ヒータへの通電が行われる。更に、送風ダクト内に収容された室内熱交換器および室外熱交換器と、室内熱交換器より下流側の送風ダクト内に配置された電気ヒータとを含むヒートポンプ式空調装置も知られている(例えば、特許文献3参照)。この空調装置では、暖房運転時に電気ヒータ付近の空気温度が所定温度以下であって、デフモードと外気導入モードと送風モードとが選択されると共にかつ外気温度が所定温度以下であるときにのみ電気ヒータへの通電が可能となる。また、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁、ダクト内エバポレータ、およびダクト外エバポレータを備えた電気自動車用空調装置も知られている(例えば、特許文献4参照)。この空調装置では、ダクト内エバポレータの上流側近傍に一対の発熱体としての電気式ヒータが配置されており、当該電気式ヒータは、ダクト内に導入される空気の温度に応じて発熱するように制御される。
特開平10−100652号公報 特開平08−268035号公報 特開平05−004511号公報 特開平05−254334号公報
ところで、近年では、家庭用電源といった外部電源からの電力により充電可能な蓄電装置を備えた、いわゆるプラグイン方式のハイブリッド自動車や電気自動車の開発が進められている。この種の車両に上述のようなヒートポンプユニットと電気式ヒータとを含む空調装置を搭載すれば、車両の走行開始前に、外部電源からの電力を空調装置側に供給してヒートポンプユニットや電気式ヒータにより事前に車室内を暖房する事前暖房(プレ空調)を実行することができる。ただし、車両走行中に蓄電装置からの電力を用いて車室内の空気調和を可能とすると共に外部電源からの蓄電装置の充電を可能とする関係から、外部電源からの電力を空調装置側に供給して事前暖房を実行する際には、空調装置は蓄電装置と外部電源との双方に接続されることになる。このため、例えば蓄電装置が外部電源からの電力により充分に充電された後の事前暖房の実行に際して外部電源から電力が空調装置側に供給されると、ヒートポンプユニットの圧縮機や電気式ヒータによる電力消費によっては、余剰電力が蓄電装置に入力されてしまい、当該蓄電装置の過充電を招くおそれがある。また、一般にヒートポンプユニットの圧縮機はインバータ等を介して駆動制御されるのに対して、一般に電気式ヒータはリレー等を介してオンオフ制御される。このため、外部電源からの電力を電気式ヒータに供給して事前暖房を実行する際には、電気式ヒータによる消費電力がステップ状に変化することから特に充電装置からの電力が最大値付近にあるときに制御ハンチングを生じて蓄電装置の過充電を招いたり効率を悪化させたりするおそれもある。
そこで、本発明による車両およびその制御方法は、ヒートポンプユニットと電気式のヒータユニットとを含む空調装置と外部電源とを用いて蓄電装置の過充電を抑制しながら車室内の事前暖房を効率よく実行することを主目的とする。
本発明の車両およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明による車両は、
走行用の動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置とを含む車両であって、
前記蓄電装置と外部電源とに接続されて該外部電源からの電力による前記蓄電装置の充電に用いられる充電装置と、
前記充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方からの電力により駆動される圧縮機を有すると共にヒートポンプにより車室内に熱を供給可能なヒートポンプユニットと、前記充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方からの電力により前記車室内の暖房に用いられる熱を発生する少なくとも一つのヒータ素子を有するヒータユニットとを含む空調装置と、
前記蓄電装置に前記充電装置を介して前記外部電源が接続された状態で所定の事前暖房要求に応じて前記車室内を暖房する事前暖房を実行するに際して、前記充電装置から前記空調装置側に供給される電力の指令値である電力指令値を前記蓄電装置から前記空調装置側に供給される電力が所定の目標電力となるように設定する電力指令設定手段と、
前記事前暖房の実行に際して所定のヒータ作動条件が成立していないときには、前記空調装置による電力消費に許容される使用許可電力を前記指令電力設定手段により設定された電力指令値と前記目標電力と前記蓄電装置からの放電に許容される第1の変動幅との和に設定し、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立しているときには、前記使用許可電力を前記指令電力設定手段により設定された電力指令値と前記目標電力と前記第1の変動幅よりも大きい第2の変動幅との和に設定する許容電力設定手段と、
前記事前暖房の実行に際して前記指令電力設定手段により設定された電力指令値に応じた電力を出力するように前記充電装置を制御する電力制御手段と、
前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立していないときには、前記許容電力設定手段により設定された使用許可電力の範囲内の電力消費により前記車室内を暖房するように前記ヒートポンプユニットを制御し、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立しているときには、前記許容電力設定手段により設定された使用許可電力の範囲内の電力消費により前記車室内を暖房するように前記ヒータユニットを制御する空調制御手段と、
を備えるものである。
この車両では、蓄電装置に充電装置を介して外部電源が接続された状態での事前暖房の実行に際して、蓄電装置から空調装置側に供給される電力が所定の目標電力となるように充電装置から空調装置側に供給される電力の指令値である電力指令値が設定される。また、事前暖房の実行に際して所定のヒータ作動条件が成立していないときには、空調装置による電力消費に許容される使用許可電力が上記電力指令値と上記目標電力と蓄電装置からの放電に許容される第1の変動幅との和に設定される。これに対して、事前暖房の実行に際してヒータ作動条件が成立しているときには、使用許可電力が上記電力指令値と上記目標電力と上記第1の変動幅よりも大きい第2の変動幅との和に設定される。そして、電力指令値に応じた電力を出力するように充電装置が制御されると共に、事前暖房の実行に際してヒータ作動条件が成立していないときには、使用許可電力の範囲内の電力消費により車室内を暖房するようにヒートポンプユニットが制御され、事前暖房の実行に際してヒータ作動条件が成立しているときには、使用許可電力の範囲内の電力消費により車室内を暖房するようにヒータユニットが制御される。
このように、蓄電装置に充電装置を介して外部電源が接続された状態での事前暖房の実行に際して充電装置に対する電力指令値を蓄電装置から空調装置側に供給される電力が所定の目標電力となるように設定して当該蓄電装置から空調装置への放電を許容すれば、蓄電割合の若干の低下を招くものの、事前暖房の実行中に充電装置からの電力により蓄電装置が充電されてしまうことを良好に抑制することができる。また、この車両では、ヒータユニットによる事前暖房の実行時に、第1の変動幅よりも大きい第2の変動幅を用いて空調装置による電力消費に許容される使用許可電力をヒートポンプユニットによる事前暖房の実行時に比べて大きくしている。これにより、ヒータユニットによる事前暖房の実行時にはヒートポンプユニットによる事前暖房の実行時よりも蓄電装置からの放電が許容されることになるので、蓄電割合の若干の低下を招くものの、ヒータユニットによる事前暖房の実行時に使用許可電力のハンチングを抑制すると共にヒータユニットによる電力消費の変動を抑えて、それにより蓄電装置の過充電を抑制すると共にヒータユニットによる事前暖房を効率よく実行することができる。従って、この車両では、ヒートポンプユニットと電気式のヒータユニットとを含む空調装置と外部電源とを用いて蓄電装置の過充電を抑制しながら車室内の事前暖房を効率よく実行することが可能となる。
また、前記車両は、前記蓄電装置の電圧および電流に基づいて該蓄電装置の放電電力を取得する放電電力取得手段と、前記放電電力取得手段により取得される放電電力の所定の低周波成分を制御用放電電力として抽出する抽出手段とを更に備えてもよく、前記電力指令設定手段は、前記抽出手段により抽出された制御用放電電力が前記目標電力となるように前記電力指令値を設定するものであってもよい。このように、蓄電装置の電圧および電流から得られる放電電力の所定の低周波成分である制御用放電電力と目標電力とに基づいて電力指令値を設定すれば、制御用放電電力と目標電力との大きな乖離が抑制されることから充電装置に対する電力指令値や空調装置の使用許可電力の変動を抑制することが可能となり、それにより使用許可電力のハンチングや蓄電装置の放電電力のハンチングを抑制して車室内の事前暖房を効率よく実行することができる。
そして、前記車両は、外気温度あるいは外気温度に応じて変化する温度を取得する温度取得手段を更に備えてもよく、前記ヒータ作動条件は、前記温度取得手段により取得された温度が所定温度以下であるときに成立してもよい。これにより、外気温度等に応じてヒートポンプユニットとヒータユニットとをより適正に使い分けしながら車室内の事前暖房を効率よく実行することが可能となる。
更に、前記ヒータユニットは、前記ヒータ素子を複数有すると共に、前記充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方から給電される前記ヒータ素子の数を変更するためのスイッチング手段を含むものであってもよい。これにより、ヒータユニットによる事前暖房性能を向上させることができる。
そして、前記車両は、走行用の動力を出力可能な内燃機関と、動力を入出力可能な第2の電動機と、前記内燃機関の出力軸と前記第2の電動機の回転軸と駆動輪に連結される駆動軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する動力分配手段とを更に備えてもよく、前記電動機は、前記駆動軸または該駆動軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能であってもよい。
本発明による車両の制御方法は、
走行用の動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置と、該蓄電装置と外部電源とに接続されて該外部電源からの電力による前記蓄電装置の充電に用いられる充電装置と、該充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方からの電力により駆動される圧縮機を有すると共にヒートポンプにより車室内に熱を供給可能なヒートポンプユニットと、前記充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方からの電力により前記車室内の暖房に用いられる熱を発生する少なくとも一つのヒータ素子を有するヒータユニットとを含む空調装置とを備えた車両の制御方法であって、
(a)前記蓄電装置に前記充電装置を介して前記外部電源が接続された状態で所定の事前暖房要求に応じて前記車室内を暖房する事前暖房を実行するに際して、前記充電装置から前記空調装置側に供給される電力の指令値である電力指令値を前記蓄電装置から前記空調装置側に供給される電力が所定の目標電力となるように設定するステップと、
(b)前記事前暖房の実行に際して所定のヒータ作動条件が成立していないときには、前記空調装置による電力消費に許容される使用許可電力を前記指令電力設定手段により設定された電力指令値と前記目標電力と前記蓄電装置からの放電に許容される第1の変動幅との和に設定し、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立しているときには、前記使用許可電力を前記指令電力設定手段により設定された電力指令値と前記目標電力と前記第1の変動幅よりも大きい第2の変動幅との和に設定するステップと、
(c)前記事前暖房の実行に際してステップ(a)にて設定された電力指令値に応じた電力を出力するように前記充電装置を制御すると共に、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立していないときには、ステップ(b)にて設定された使用許可電力の範囲内の電力消費により前記車室内を暖房するように前記ヒートポンプユニットを制御し、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立しているときには、ステップ(b)にて設定された使用許可電力の範囲内の電力消費により前記車室内を暖房するように前記ヒータユニットを制御するステップと、
を含むものである。
この方法によれば、ヒートポンプユニットと電気式のヒータユニットとを含む空調装置と外部電源とを用いて蓄電装置の過充電を抑制しながら車室内の事前暖房を効率よく実行することが可能となる。
本発明の実施例に係る車両であるハイブリッド自動車20の概略構成図である。 ハイブリッド自動車20に搭載された空調装置90の概略構成図である。 実施例の電源管理ECU65により実行されるプレ空調時電力制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 プレ空調が実行されるときに空調装置90による消費電力や使用許可電力Wac、充電装置60の出力電力、バッテリ50の放電電力が変化する様子を例示するタイムチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る車両であるハイブリッド自動車20の概略構成図である。同図に示すハイブリッド自動車20は、エンジン22と、エンジン22の出力軸であるクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに連結された減速ギヤ35と、この減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、モータMG1およびMG2と電力をやり取り可能なバッテリ50と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70等とを備えるものである。
エンジン22は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24による燃料噴射量や点火時期、吸入空気量等の制御を受ける。エンジンECU24には、エンジン22に対して設けられて当該エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号が入力される。そして、エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号や上記センサからの信号等に基づいてエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31と噛合すると共にリングギヤ32と噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを有し、これら3つの要素が互いに差動回転できるように構成されたシングルピニオン式遊星歯車機構である。かかる動力分配統合機構30の第1要素であるキャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、第2要素であるサンギヤ31にはモータMG1の回転軸が、第3要素であるリングギヤ32には駆動軸としてのリングギヤ軸32aと減速ギヤ35とを介してモータMG2の回転軸がそれぞれ連結されている。動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ列37およびデファレンシャルギヤ38を介して最終的に駆動輪である車輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびMG2は、何れも発電機として作動すると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介して二次電池であるバッテリ50と電力のやり取りを行う。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の何れか一方により発電される電力を他方のモータで消費できるようになっている。従って、バッテリ50は、モータMG1,MG2の何れかから生じた電力や不足する電力により充放電され、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとることにすれば、バッテリ50は充放電されないことになる。モータMG1,MG2は、何れもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号等が出力される。また、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンを実行し、モータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。更に、モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
バッテリ50は、リチウムイオン二次電池あるいはニッケル水素二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理される。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からのバッテリ温度Tb、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ55(図2参照)からの端子間電圧Vb、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた電流センサ56(図2参照)からの充放電電流Ib等が入力される。また、バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70に出力する。更に、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合(残容量)SOCを算出したり、当該蓄電割合SOCに基づいてバッテリ50の充放電要求パワーPb*を算出したり、蓄電割合SOCとバッテリ温度Tbとに基づいてバッテリ50の充電に許容される電力である許容充電電力としての入力制限Winとバッテリ50の放電に許容される電力である許容放電電力としての出力制限Woutとを算出したりする。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定すると共に、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定可能である。そして、電力ライン54には、DC/DCコンバータ57を介して各種補機に電力を供給する補機バッテリ58が接続されている。補機バッテリ58は、例えば定格出力電圧12Vの鉛蓄電池として構成される。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74や、データを一時的に記憶するRAM76、図示しない入出力ポートおよび通信ポート等を備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量(アクセル操作量)を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS、車速センサ87からの車速V等が入力ポートを介して入力される。そして、ハイブリッドECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52等と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52等と各種制御信号やデータのやり取りを行う。
更に、実施例のハイブリッド自動車20は、図示しない車室内を空気調和(冷暖房)する空調装置90を搭載する。図2は、空調装置90の概略構成図である。同図に示すように、空調装置90は、ハイブリッド自動車20の車室内に調和空気を導くための空気通路を画成する空調ダクト91や、この空調ダクト91内で空気流を発生させるブロワ92、冷媒を介して車室内の熱を外部に移動させることにより車室内を冷房すると共に冷媒を介して外部の熱を車室内に移動させて車室内を暖房することができるヒートポンプユニット93、主として車室内の暖房時に空調ダクト91内を流通する空気を加熱するための温水式のヒータコア98、同様に空調ダクト91内を流通する空気を加熱可能な電気式のヒータユニット150、空調装置90全体を制御する空調用電子制御ユニット(以下、「空調ECU」という)100等を含む。
空調ダクト91は、例えば車室内の前方側に配置され、ブロワ92の近傍に位置するように形成された外気吸込口および内気吸込口や、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口等を有する。そして、外気吸込口および内気吸込口の近傍には内外気切替ダンパ91aが配置され、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口に対しては吹出口切替ダンパ91b,91c,91dが配置されている。ブロワ92は、空調ダクト91と一体化されたスクロールケースや当該ケース内に回転自在に配置された遠心ファン、この遠心ファンを回転駆動するブロワモータ等を含む遠心式送風機として構成されており、補機バッテリ58からの電力により駆動される。ヒートポンプユニット93は、空調ダクト91内に配置された第1熱交換器94や、冷媒と大気との熱交換を可能とする第2熱交換器95、第1熱交換器94または第2熱交換器95からの冷媒ガスを吸入・圧縮する圧縮機96、第1熱交換器94と第2熱交換器95との間に配置された膨張弁97、冷媒の流通方向を切り替えるための図示しない四方弁等を含む。実施例において圧縮機96は、インバータを介して電力ライン54(バッテリ50)に接続されるモータにより駆動される電動インバータコンプレッサとして構成されている。ヒータコア98は、第1熱交換器94の下流側で空気通路を部分的に塞ぐように空調ダクト91内に配置されており、エンジン22を冷却したエンジン冷却水の供給を受けて当該エンジン冷却水を熱源として第1熱交換器94側からの空気を加熱する。また、第1熱交換器94とヒータコア98との間には、エアミックスダンパ99が配置されている。ヒータユニット150は、例えば互いに並列に接続された複数のPTC(Positive Temperature Coefficient)素子(ヒータ素子)を有するものであり、インテグレーションリレー(以下、単に「リレー」という)151を介して電力ライン54(バッテリ50)に接続される。リレー151は、電力ライン54から電力の供給を受けるPTCヒータの数を変更するためのスイッチング手段として機能する。
空調ECU100は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。そして、空調ECU100には、車室内のインストルメントパネル等に設けられた空調オンオフスイッチ101からの空調オンオフ信号や、空調設定スイッチ102からの設定温度信号、車室内の温度が設定温度に保たれるようにする自動空調制御の実行を選択するためオート空調スイッチ103からの自動空調指令信号、外気温度を検出する外気温度センサ104からの外気温度Toa、更には図示しないセンサからの車室内温度や日射量等が入力される。空調ECU100は、これらの入力信号に基づいて各ダンパ91a〜91d、ブロワ92、圧縮機96のインバータ、エアミックスダンパ99、リレー151等を制御する。そして、空調ECU100も、ハイブリッドECU70等と通信しており、必要に応じて空調装置90の状態に関するデータや、暖房を実行する際のエンジン運転要求等をハイブリッドECU70に送信したり、制御に必要なデータをハイブリッドECU70等とやり取りする。
また、実施例のハイブリッド自動車20は、いわゆるプラグイン方式のハイブリッド車両として構成されており、家庭用電源(AC100V)といった外部電源200の外部電源側コネクタ201に接続される車両側コネクタ61、車両側コネクタ61と電力ライン54との接続および当該接続の解除を実行可能な充電用リレー62、外部電源200からの交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータ63、およびAC/DCコンバータ63からの直流電力の電圧を変換してバッテリ50側に供給するDC/DCコンバータ64を含む充電装置60と、充電装置60すなわち充電用リレー62やAC/DCコンバータ63、DC/DCコンバータ64を制御する電源管理用電子制御ユニット(以下、「電源管理ECU」という)65とを備える。電源管理ECU65は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されると共にハイブリッドECU70やバッテリECU52、空調ECU100等と通信しており、ハイブリッドECU70やバッテリECU52、空調ECU100等との間で必要に応じて各種データをやり取りする。
このように、実施例のハイブリッド自動車20は、プラグイン方式のハイブリッド車両として構成されていることから、走行開始前に予め外部電源200からの電力によりバッテリ50を充電しておくことができる。すなわち、システム停止状態で外部電源側コネクタ201と車両側コネクタ61とが接続されると、電源管理ECU65により充電用リレー62がオンされ、電源管理ECU65によるAC/DCコンバータ63やDC/DCコンバータ64の制御により、外部電源200からの電力によりバッテリ50が予め定められた目標蓄電割合(実施例では、例えば80%)まで充電される。このようにしてバッテリ50が目標蓄電割合まで充電された後に走行が開始された場合、ハイブリッド自動車20は、基本的に、所定のエンジン始動条件が成立するまでモータ運転モードのもとでモータMG2のみからの動力により走行し、モータMG2のみからの動力により比較的長い距離を走行することができる。
また、実施例の電源管理ECU65には、図示しない受信機により受信されて当該受信機から送信されるリモートコントロールキーに含まれるプレ空調スイッチ105からのプレ空調指令信号が入力される。プレ空調スイッチ105は、ハイブリッド自動車20のシステム起動に先立って車室内を冷房または暖房するプレ空調の実行を指示するためのものである。電源管理ECU65は、プレ空調スイッチ105からのプレ空調指令信号(事前空調要求)を受信すると、プレ空調の実行が禁止されている場合を除き、空調ECU100との協働により例えば車室内温度が空調ECU100の図示しない不揮発性メモリに記憶されている設定温度になるまでプレ空調用の制御を実行する。そして、実施例におけるプレ空調の実行に際して外部電源側コネクタ201と車両側コネクタ61とが接続されていない場合には、バッテリ50や補機バッテリ58からの電力により空調装置90が作動させられる。また、プレ空調の実行に際して外部電源側コネクタ201と車両側コネクタ61とが接続されている場合には、バッテリ50から空調装置90側への放電を許容しつつ主に外部電源200に接続された充電装置60からの電力や補機バッテリ58からの電力により空調装置90が作動させられる。
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動輪である車輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*が計算され、この要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御モードとしては、エンジン22の運転を停止して要求トルクTr*に基づくトルクをリングギヤ軸32aに出力するようにモータMG2を駆動制御するモータ運転モードや、要求トルクTr*に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力されるパワーのすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モード、要求トルクTr*とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力されるパワーの全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード等がある。なお、モータ運転モードのもとでの走行中にエンジン始動条件が成立したときには、エンジン22をクランキングするようにモータMG1を駆動制御すると共にクランキングに伴ってリングギヤ軸32aに作用する駆動トルクに対する反力としてのトルクをキャンセルしつつ要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにモータMG2を駆動制御することにより、エンジン22が始動される。
次に、図3および図4を参照しながら、上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20におけるプレ空調、特に外部電源側コネクタ201と車両側コネクタ61とが接続された状態でプレ空調が実行されるときの動作について説明する。図3は、実施例の電源管理ECU65により実行されるプレ空調時電力制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。電源管理ECU65は、外部電源側コネクタ201と車両側コネクタ61とが接続された状態でプレ空調スイッチ105からのプレ空調指令信号を受信すると、車室内温度が設定温度になるまで図3のルーチンを所定時間ごとに繰り返し実行する。そして、電源管理ECU65によるプレ空調時電力制御ルーチンの実行に並行して空調ECU100により車室内温度を設定温度にするための空調装置90すなわちヒートポンプユニット93またはヒータユニット150の制御が実行されることになる。また、図4は、プレ空調が実行されるときに空調装置90による消費電力等が変化する様子を例示するタイムチャートである。
図3のルーチンの開始に際して、電源管理ECU65のCPUは、外気温度Toaやバッテリ50の制御用放電電力Wbといった制御に必要なデータを入力する(ステップS100)。外気温度Toaは、外気温度センサ104により検出されるものであってエンジンECU24から通信により入力される。また、制御用放電電力Wbは、バッテリECU52から通信により入力される。ここで、バッテリECU52は、図示しないローパスフィルタを有しており、当該ローパスフィルタにより電圧センサ55からの端子間電圧Vbと電流センサ56からの充放電電流Ibとを乗じて得られる放電電力の所定の低周波成分を制御用放電電力Wbとして抽出し、抽出した制御用放電電力Wbを電源管理ECU65に送信する。ステップS100の入力処理の後、入力した外気温度Toaが熱源切換温度Trefを上回っているか否かを判定する(ステップS110)。熱源切換温度Trefは、プレ空調により車室内を空気調和(特に暖房)する際の熱源をヒートポンプユニット93とヒータユニット150との間で切り換えるための閾値であり、実施例では、例えば、−2℃程度の値とされる。すなわち、実施例のハイブリッド自動車20におけるプレ空調の実行に際して、外気温度Toaが熱源切換温度Trefを上回っているときには、ヒートポンプユニット93が空調用の熱源(冷房時には冷熱発生源)として利用され、外気温度Toaが熱源切換温度Tref以下であるときには、ヒータユニット150が暖房用の熱源として利用される。
外気温度Toaが熱源切換温度Trefを上回っておりヒートポンプユニット93が空調用の熱源として利用される場合には、プレ空調の実行時におけるバッテリ50からの放電に許容される許容変動幅ΔWを第1の値W1(実施例では、例えば50W)に設定する(ステップS120)。また、外気温度Toaが熱源切換温度Tref以下であってヒータユニット150が空調用の熱源として利用される場合には、プレ空調の実行時におけるバッテリ50からの放電に許容される許容変動幅ΔWを第1の値W1よりも大きい第2の値W2(実施例では、例えば300W)に設定する(ステップS130)。実施例において、第2の値W2は、1体のPTC素子の消費電力すなわちヒータユニット150の電力制御における最小単位(LSB)と同一とされる。
ステップS120またはS130の処理の後、所定のフラグFが値0であるか否かを判定する(ステップS140)。フラグFは、プレ空調の終了時に値0にリセットされるものであり、本ルーチンの開始直後には値0に設定されている。ステップS140にてフラグFが値0であると判断された場合には、ステップS100にて入力した制御用放電電力Wbが予め定められたバッテリ50の目標放電電力Wtag(実施例では、例えば150W)を上回っているか否かを判定する(ステップS150)。そして、制御用放電電力Wbが目標放電電力Wtag以下である場合には、プレ空調に際して空調装置90による電力消費に許容される使用許可電力Wacを予め定められた一定の値W0(W0>Wtag、実施例では、例えば850W)に設定して空調ECU100に送信し(ステップS160)、再度ステップS100以降の処理を実行する。
電源管理ECU65からの使用許可電力Wacを受け取った空調ECU100は、外気温度Toaに応じてヒートポンプユニット93およびヒータユニット150の何れか一方を空調用の熱源として選択し、使用許可電力Wacの範囲内の電力消費により車室内の温度が設定温度になるようにブロワ92やヒートポンプユニット93またはヒータユニット150等を制御する。すなわち、プレ空調の実行に際して、空調ECU100は、外気温度Toaが熱源切換温度Trefを上回っているときには、車室内温度と設定温度との偏差と使用許可電力Wacとに基づいて圧縮機96のインバータに対するスイッチング信号を生成し、当該スイッチング信号に従って圧縮機96のインバータを制御する。また、空調ECU100は、外気温度Toaが熱源切換温度Tref以下であるときには、車室内温度と設定温度との偏差と使用許可電力Wacとに基づいてヒータユニット150のPTC素子の使用数を定め、定めた使用数のPTC素子に電力が供給されるようにリレー151を制御する。
図3のルーチンが実行されると共にステップS150にて制御用放電電力Wbが目標放電電力Wtag以下であると判断される間、使用許可電力Wacは一定の値W0に設定され、電源管理ECU65によるAC/DCコンバータ63やDC/DCコンバータ64の制御すなわち外部電源200側からの空調装置90への電力供給は実行されない。従って、ステップS150にて制御用放電電力Wbが目標放電電力Wtag以下であると判断される間、空調装置90は、バッテリ50からの電力(機器によっては補機バッテリ58からの電力)を消費して作動する。
一方、ステップS140にてフラグFが値0であると判断されると共にステップS150にて制御用放電電力Wbが目標放電電力Wtagを上回っていると判断された場合には、フラグFを値1に設定した上で(ステップS170)、充電装置60からの電力が空調装置90側に供給されるように、ステップS100にて入力した制御用放電電力Wbと目標放電電力Wtagとに基づいて充電装置60から空調装置90側に供給される電力の指令値である電力指令値Wchgを次式(1)に従って設定する(ステップS180)。式(1)は、制御用放電電力Wbと目標放電電力Wtagとの偏差を打ち消すためのフィードバック制御における関係式であり、式(1)中、右辺の“Kp”は比例項のゲインであり、右辺の“Ki”は積分項のゲインである。これにより、ステップS180において、電力指令値Wchgは、バッテリ50から空調装置90側に供給される電力が目標放電電力Wtagとなるように設定(フィードバック制御)される。そして、実施例において、ゲイン“Kp”および“Ki”は、バッテリ50に充電装置60を介して外部電源200が接続された状態でのプレ空調の実行に際して、バッテリ50からの放電電力が目標放電電力Wtagを中心とした比較的狭い範囲(Wtag−W1〜Wtag+W1の範囲)に収まるようにする値として実験・解析を経て定められる。このように、バッテリ50に充電装置60を介して外部電源200が接続された状態でのプレ空調の実行に際して充電装置60に対する電力指令値Wchgをバッテリ50から空調装置90側に供給される電力が目標放電電力Wtagとなるように設定して当該バッテリ50から空調装置90への放電を許容すれば、蓄電割合SOCの若干の低下を招くものの、プレ空調の実行中に充電装置60からの電力によりバッテリ50が充電されてしまうことを良好に抑制することができる。
Wchg =前回Wchg + Kp・(Wtag-Wb) + Ki・∫(Wtag-Wb)・dt …(1)
ステップS180にて電力指令値Wchgを設定したならば、設定した電力指令値Wchgと目標放電電力WtagとステップS120またはS130にて設定した許容変動幅ΔWとの和をプレ空調に際して空調装置90による電力消費に許容される使用許可電力Wacとして設定する(ステップS190)。これにより、プレ空調の実行開始後に制御用放電電力Wb(バッテリ50の放電電力)が目標放電電力Wtagを一旦超えた後に外気温度Toaが熱源切換温度Trefを上回っておりヒータユニット150の作動条件が成立していないときには、空調装置90による電力消費に許容される使用許可電力Wacが電力指令値Wchgと目標放電電力Wtagとバッテリ50からの放電に許容される第1の変動幅である値W1との和に設定される。これに対して、外気温度Toaが熱源切換温度Tref以下であってヒータユニット150の作動条件が成立しているときには、使用許可電力Wacが電力指令値Wchgと目標放電電力Wtagと第1の変動幅である値W1よりも大きい第2の変動幅としての値W2との和に設定されることになる。
ステップS190の処理の後、充電装置60からステップS180にて設定した電力指令値Wchgに応じた電力が出力されるように充電用リレー62やAC/DCコンバータ63、DC/DCコンバータ64等を制御し(ステップS200)、再度ステップS100以降の処理を実行する。この場合も、電源管理ECU65からの使用許可電力Wacを受け取った空調ECU100は、外気温度Toaに応じてヒートポンプユニット93およびヒータユニット150の何れか一方を空調用の熱源として選択し、使用許可電力Wacの範囲内の電力消費により車室内の温度が設定温度になるようにブロワ92やヒートポンプユニット93またはヒータユニット150等を制御する。そして、ステップS180およびS200の処理が実行されると、充電装置60から電力指令値Wchgに応じた電力が空調装置90側に出力されることから、空調装置90は、充電装置60およびバッテリ50(機器によっては補機バッテリ58からの電力)からの電力を消費して作動する。なお、ステップS150にてフラグFが値1に設定されると、その後の本ルーチンの実行に際してステップS140にて否定判断がなされることから、ステップS150およびS170の処理はスキップされる。
以上説明したように、実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50に充電装置60を介して外部電源200が接続された状態でのプレ空調の実行に際して、バッテリ50から空調装置90側に供給される電力が目標放電電力Wtagとなるように充電装置60から空調装置90側に供給される電力の指令値である電力指令値Wchgが設定される(ステップS180)。また、プレ空調の実行に際して外気温度Toaが熱源切換温度Trefを上回っておりヒータユニット150の作動条件が成立していないときには、空調装置90による電力消費に許容される使用許可電力Wacが電力指令値Wchgと目標放電電力Wtagとバッテリ50からの放電に許容される第1の変動幅である値W1との和に設定される(ステップS120,S190)。これに対して、外気温度Toaが熱源切換温度Tref以下であってヒータユニット150の作動条件が成立しているときには、使用許可電力Wacが電力指令値Wchgと目標放電電力Wtagと第1の変動幅である値W1よりも大きい第2の変動幅としての値W2との和に設定される(ステップS130,S190)。そして、電力指令値Wchgに応じた電力を出力するように充電装置60が制御されると共に(ステップS200)、プレ空調の実行に際してヒータユニット150の作動条件が成立していないときには、使用許可電力Wacの範囲内の電力消費により車室内の温度が設定温度になるようにブロワ92やヒートポンプユニット93等が制御され、プレ空調の実行に際してヒータユニット150の作動条件が成立しているときには、使用許可電力Wacの範囲内の電力消費により車室内の温度が設定温度になるようにブロワ92やヒータユニット150等が制御される。
このように、バッテリ50に充電装置60を介して外部電源200が接続された状態でのプレ空調の実行に際して充電装置60に対する電力指令値Wchgをバッテリ50から空調装置90側に供給される電力が所定の目標放電電力Wtagとなるように設定して当該バッテリ50から空調装置90への放電を許容すれば、蓄電割合SOCの若干の低下を招くものの、プレ空調の実行中に充電装置60からの電力によりバッテリ50が充電されてしまうことを良好に抑制することができる。また、上記実施例では、ヒータユニット150によるプレ空調の実行時に、第1の変動幅である値W1よりも大きい第2の変動幅としての値W2を用いて空調装置90による電力消費に許容される使用許可電力Wacをヒートポンプユニット93によるプレ空調の実行時に比べて大きくしている(ステップS120,S130およびS190)。これにより、ヒータユニット150によるプレ空調の実行時にはヒートポンプユニット93によるプレ空調の実行時よりもバッテリ50からの放電が許容されることになる(図4参照)。従って、ヒータユニット150によるプレ空調の実行に際して特に充電装置60からの電力が最大値付近にあるときに、図4における太い一点鎖線および二点鎖線で示すように、使用許可電力Wacのハンチング(図4における細い一点鎖線参照)を抑制すると共にヒータユニット150による電力消費の変動(図4における細い二点鎖線参照)を抑えて、それによりバッテリ50の過充電を抑制すると共にヒータユニット150によるプレ空調を効率よく実行することができる。この結果、実施例のハイブリッド自動車20では、ヒートポンプユニット93と電気式のヒータユニット150とを含む空調装置90と外部電源200とを用いてバッテリ50の過充電を抑制しながら車室内のプレ空調を効率よく実行することが可能となる。
また、実施例のハイブリッド自動車20は、バッテリ50の端子間電圧Vbおよび充放電電流Ibに基づいてバッテリ50の放電電力を取得するバッテリECU52が当該放電電力の所定の低周波成分を制御用放電電力Wbとして抽出するローパスフィルタを有しており、バッテリ50に充電装置60を介して外部電源200が接続された状態でのプレ空調の実行に際しては、当該ローパスフィルタにより抽出された制御用放電電力Wbが目標放電電力Wtagとなるように電力指令値Wchgが設定される(ステップS180)。このように、バッテリ50の端子間電圧Vbおよび充放電電流Ibから得られる放電電力の所定の低周波成分である制御用放電電力Wbと目標放電電力Wtagとに基づいて電力指令値Wchgを設定すれば、制御用放電電力Wbと目標放電電力Wtagとの大きな乖離が抑制されることから充電装置60に対する電力指令値Wchgや空調装置90の使用許可電力Wacの変動を抑制することが可能となり、それにより、特に充電装置60からの電力が最大値付近にあるときに使用許可電力Wacのハンチングやバッテリ50の放電電力のハンチング(図4参照)を抑制して車室内のプレ空調を効率よく実行することができる。
そして、上記実施例では、外気温度センサ104により取得された温度が熱源切換温度Tref以下であるときにヒータユニット150を用いてプレ空調を実行することにしている。これにより、外気温度Toaに応じてヒートポンプユニット93とヒータユニット150とをより適正に使い分けしながら車室内のプレ空調を効率よく実行することが可能となる。なお、外気温度Toaの代わりに、車室内温度やエンジン22の冷却水温度等に応じてプレ空調により車室内を空気調和する際の熱源をヒートポンプユニット93とヒータユニット150との間で切り換えてもよい。更に、ヒータ素子を複数有すると共に充電装置60およびバッテリ50の少なくとも何れか一方から給電されるヒータ素子の数を変更するためのリレー151を含むヒータユニット150を採用すれば、ヒータユニット150によるプレ空調性能を向上させることができる。
なお、上記実施例のハイブリッド自動車20において、減速ギヤ35の代わりに、例えばHi,Loの2段の変速段あるいは3段以上の変速段を有したモータMG2の回転数を変速してリングギヤ軸32aに伝達する変速機が採用されてもよい。また、実施例のハイブリッド自動車20は、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸に出力するものであるが、モータMG2の動力は、リングギヤ軸32aに接続された車軸(車輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸に出力されてもよい。更に、本発明による車両は、ハイブリッド自動車20に限られるものではなく、走行用の動力を出力可能な電動機を備えた電気自動車であってもよいことはいうまでもない。
ここで、上記実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明しておく。すなわち、上記実施例等では、走行用の動力を出力可能なモータMG2が「電動機」に相当し、モータMG1およびMG2と電力をやり取り可能なバッテリ50が「蓄電装置」に相当し、バッテリ50と外部電源200とに接続されて外部電源200からの電力によるバッテリ50の充電に用いられる充電装置60が「充電装置」に相当し、充電装置60およびバッテリ50の少なくとも何れか一方からの電力により駆動される圧縮機96を有すると共にヒートポンプにより車室内に熱を供給可能なヒートポンプユニット93と、充電装置60およびバッテリ50の少なくとも何れか一方からの電力により車室内の暖房に用いられる熱を発生する少なくとも一つのヒータ素子を有するヒータユニット150とを含む空調装置90が「空調装置」に相当し、図3のステップS180の処理を実行する電源管理ECU65が「電力指令設定手段」に相当し、図3のステップS120,S130およびS190の処理を実行する電源管理ECU65が「許容電力設定手段」に相当し、図2のステップS200の処理を実行する電源管理ECU65が「電力制御手段」に相当し、プレ空調の実行に際してヒータユニット150の作動条件が成立していないときには、使用許可電力Wacの範囲内の電力消費により車室内を暖房するようにヒートポンプユニット93を制御し、プレ空調の実行に際してヒータユニット150の作動条件が成立しているときには、使用許可電力Wacの範囲内の電力消費により車室内を暖房するようにヒータユニット150を制御する空調ECU100が「空調制御手段」に相当する。また、端子間電圧Vbおよび充放電電流Ibに基づいてバッテリ50の放電電力を取得すると共に当該放電電力の所定の低周波成分を制御用放電電力Wbとして抽出するバッテリECU52が「放電電力取得手段」および「抽出手段」に相当し、外気温度センサ104が「温度取得手段」に相当し、リレー151が「スイッチング手段」に相当し、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「第2の電動機」に相当し、動力分配統合機構30が「動力分配手段」に相当する。
ただし、「電動機」や「発電用電動機」は、モータMG1,MG2のような同期発電電動機に限られず、誘導電動機といったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「蓄電装置」は、電動機と電力をやり取り可能なものであれば如何なる形式のものであっても構わない。「電力指令設定手段」は、蓄電装置に充電装置を介して外部電源が接続された状態での事前暖房の実行に際して、充電装置への電力指令値を蓄電装置から空調装置側に供給される電力が所定の目標電力となるように設定するものであれば、電源管理ECU65以外の他の如何なる形式のものであっても構わない。「許容電力設定手段」は、 事前暖房の実行に際してヒータ作動条件が成立していないときに空調装置の使用許可電力を電力指令値と目標電力と蓄電装置からの放電に許容される第1の変動幅との和に設定し、事前暖房の実行に際してヒータ作動条件が成立しているときに使用許可電力を電力指令値と目標電力と第1の変動幅よりも大きい第2の変動幅との和に設定するものであれば、電源管理ECU65以外の他の如何なる形式のものであっても構わない。
「電力制御手段」は、事前暖房の実行に際して電力指令値に応じた電力を出力するように充電装置を制御するものであれば、電源管理ECU65以外の他の如何なる形式のものであっても構わない。「空調制御手段」は、事前暖房の実行に際してヒータ作動条件が成立していないときに使用許可電力の範囲内の電力消費により車室内を暖房するようにヒートポンプユニットを制御すると共に、事前暖房の実行に際してヒータ作動条件が成立しているときに使用許可電力の範囲内の電力消費により車室内を暖房するようにヒータユニットを制御するものであれば、電源管理ECU65以外の他の如何なる形式のものであっても構わない。何れにしても、これら実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行われるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、車両の製造産業等において利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51,温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、55 電圧センサ、56 電流センサ、57 DC/DCコンバータ、58 補機バッテリ、60 充電装置、61 車両側コネクタ、62 充電用リレー、63 AC/DCコンバータ、64 DC/DCコンバータ、65 電源管理用電子制御ユニット(電源管理ECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルストロークセンサ、87 車速センサ、90 空調装置、91 空調ダクト、91a 内外気切替ダンパ、91b,91c,91d 吹出口切替ダンパ、92 ブロワ、93 ヒートポンプユニット、94 第1熱交換器、95 第2熱交換器、96 圧縮機、97 膨張弁、98 ヒータコア、99 エアミックスダンパ、100 空調用電子制御ユニット(空調ECU)、101 空調オンオフスイッチ、102 空調設定スイッチ、103 オート空調スイッチ、104 外気温度センサ、105 プレ空調スイッチ、150 ヒータユニット、151 リレー、200 外部電源、201 外部電源側コネクタ、MG1,MG2 モータ。

Claims (6)

  1. 走行用の動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置とを含む車両であって、
    前記蓄電装置と外部電源とに接続されて該外部電源からの電力による前記蓄電装置の充電に用いられる充電装置と、
    前記充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方からの電力により駆動される圧縮機を有すると共にヒートポンプにより車室内に熱を供給可能なヒートポンプユニットと、前記充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方からの電力により前記車室内の暖房に用いられる熱を発生する少なくとも一つのヒータ素子を有するヒータユニットとを含む空調装置と、
    前記蓄電装置に前記充電装置を介して前記外部電源が接続された状態で所定の事前暖房要求に応じて前記車室内を暖房する事前暖房を実行するに際して、前記充電装置から前記空調装置側に供給される電力の指令値である電力指令値を前記蓄電装置から前記空調装置側に供給される電力が所定の目標電力となるように設定する電力指令設定手段と、
    前記事前暖房の実行に際して所定のヒータ作動条件が成立していないときには、前記空調装置による電力消費に許容される使用許可電力を前記指令電力設定手段により設定された電力指令値と前記目標電力と前記蓄電装置からの放電に許容される第1の変動幅との和に設定し、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立しているときには、前記使用許可電力を前記指令電力設定手段により設定された電力指令値と前記目標電力と前記第1の変動幅よりも大きい第2の変動幅との和に設定する許容電力設定手段と、
    前記事前暖房の実行に際して前記指令電力設定手段により設定された電力指令値に応じた電力を出力するように前記充電装置を制御する電力制御手段と、
    前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立していないときには、前記許容電力設定手段により設定された使用許可電力の範囲内の電力消費により前記車室内を暖房するように前記ヒートポンプユニットを制御し、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立しているときには、前記許容電力設定手段により設定された使用許可電力の範囲内の電力消費により前記車室内を暖房するように前記ヒータユニットを制御する空調制御手段と、
    を備える車両。
  2. 請求項1に記載の車両において、
    前記蓄電装置の電圧および電流に基づいて該蓄電装置の放電電力を取得する放電電力取得手段と、
    前記放電電力取得手段により取得される放電電力の所定の低周波成分を制御用放電電力として抽出する抽出手段とを更に備え、
    前記電力指令設定手段は、前記抽出手段により抽出された制御用放電電力が前記目標電力となるように前記電力指令値を設定する車両。
  3. 請求項1または2に記載の車両において、
    外気温度あるいは外気温度に応じて変化する温度を取得する温度取得手段を更に備え、
    前記ヒータ作動条件は、前記温度取得手段により取得された温度が所定温度以下であるときに成立する車両。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の車両において、
    前記ヒータユニットは、前記ヒータ素子を複数有すると共に、前記充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方から給電される前記ヒータ素子の数を変更するためのスイッチング手段を含む車両。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の車両において、
    走行用の動力を出力可能な内燃機関と、
    動力を入出力可能な第2の電動機と、
    前記内燃機関の出力軸と前記第2の電動機の回転軸と駆動輪に連結される駆動軸との3軸に接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する動力分配手段とを更に備え、
    前記電動機は、前記駆動軸または該駆動軸とは異なる他の車軸に動力を入出力可能である車両。
  6. 走行用の動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置と、該蓄電装置と外部電源とに接続されて該外部電源からの電力による前記蓄電装置の充電に用いられる充電装置と、該充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方からの電力により駆動される圧縮機を有すると共にヒートポンプにより車室内に熱を供給可能なヒートポンプユニットと、前記充電装置および前記蓄電装置の少なくとも何れか一方からの電力により前記車室内の暖房に用いられる熱を発生する少なくとも一つのヒータ素子を有するヒータユニットとを含む空調装置とを備えた車両の制御方法であって、
    (a)前記蓄電装置に前記充電装置を介して前記外部電源が接続された状態で所定の事前暖房要求に応じて前記車室内を暖房する事前暖房を実行するに際して、前記充電装置から前記空調装置側に供給される電力の指令値である電力指令値を前記蓄電装置から前記空調装置側に供給される電力が所定の目標電力となるように設定するステップと、
    (b)前記事前暖房の実行に際して所定のヒータ作動条件が成立していないときには、前記空調装置による電力消費に許容される使用許可電力を前記指令電力設定手段により設定された電力指令値と前記目標電力と前記蓄電装置からの放電に許容される第1の変動幅との和に設定し、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立しているときには、前記使用許可電力を前記指令電力設定手段により設定された電力指令値と前記目標電力と前記第1の変動幅よりも大きい第2の変動幅との和に設定するステップと、
    (c)前記事前暖房の実行に際してステップ(a)にて設定された電力指令値に応じた電力を出力するように前記充電装置を制御すると共に、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立していないときには、ステップ(b)にて設定された使用許可電力の範囲内の電力消費により前記車室内を暖房するように前記ヒートポンプユニットを制御し、前記事前暖房の実行に際して前記ヒータ作動条件が成立しているときには、ステップ(b)にて設定された使用許可電力の範囲内の電力消費により前記車室内を暖房するように前記ヒータユニットを制御するステップと、
    を含む車両の制御方法。
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