JP2011079381A - 船舶における摩擦抵抗低減装置 - Google Patents

船舶における摩擦抵抗低減装置 Download PDF

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Abstract

【課題】微小気泡を発生させる過程そのものが海水の水圧の影響を受けず、自然な吸引により空気を海水に混入でき、かつ構造が簡素で、設置コスト及び運用コストが低廉な船舶における摩擦抵抗低減装置を提供する。
【解決手段】喫水線WL以下の船首31に設けた海水の取水口111と、前記取水口111より後方かつ喫水線WL以下の船底33に設けた海水及び微小気泡の噴出口131とを結ぶ送水管1に、軸線が喫水線WLより上になる迂回送水管12を設けて、エジェクター21を前記迂回送水管12に設けた船舶3における摩擦抵抗低減装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶における摩擦抵抗低減装置に関する。
以前より、船舶の喫水線以下における船舷及び船底の接水面と海水との間に発生する摩擦抵抗を低減させる手段として、主として船底を微小気泡(マイクロバブル)で覆うことが有効であることが知られており、気泡発生装置又は摩擦抵抗低減装置(以下、摩擦抵抗低減装置により代表)として種々提案されている。こうした摩擦抵抗低減装置は、いかに大量の微小気泡を発生させ、広く船底を覆うことができるかに重点が置かれるが、船舶における占有面積を小さくしたり、別途動力源を要しないように構成したりすることが検討されている。
特許文献1は、加圧空気を船舷から斜め後方に向けて船速より遅く吹き出させて微小気泡を発生させる船体摩擦抵抗低減方法を開示している。船舷から加圧空気を吹き出すための具体的な加圧空気送給手段は不明であり、図示されていない(特許文献1[0012][0013])。特許文献2又は特許文献3は、気水混相流体又は気泡水混合流体を噴出させる船体摩擦抵抗低減装置を開示している。特許文献2における気水混相流体は剪断方式により(特許文献2[0012])、特許文献3における気泡水混合流体は加圧気体を微少孔から海水に噴出させ、かつ剪断する方法により(特許文献2[請求項19][請求項20])それぞれ生成する。また、特許文献4又は特許文献5は、船底に形成した負圧個所まで空気を誘導し、微小気泡を発生させる摩擦抵抗低減船を提案している。負圧箇所までの空気の誘導は、別途動力源を要することなく、自然吸引によるとしている(例えば特許文献4[0016][0017])。
特開平11-227674号公報 特開2008-018781号公報 特開平07-156859号公報 特開2002-079986号公報 特開2002-068073号公報
特許文献1、特許文献2又は特許文献3が開示する摩擦抵抗低減方法は、微小気泡を発生させるために別途動力源が必要になる問題があった。これに対して、特許文献4又は特許文献5が開示する摩擦抵抗低減船における方法は、微小気泡を発生させるために別途動力源を要しないとしている。しかし、船底が喫水線から10m〜20mにも及ぶ大型船舶(例えばタンカー等)では、船底まで空気を自然吸引により導くことが困難で、結局コンプレッサー等の動力源が必要になると考えられる。
そこで、船舶における摩擦抵抗低減装置につき、第一の課題として、海水に対して加圧空気を吹き出すことにより微小気泡を発生させるのではなく、船舶の推進力自体を利用することによって微小気泡を発生させることを目的とし、第二の課題として、微小気泡を発生させる過程そのものが海水の水圧の影響を受けないようにし、必要十分な微小気泡を船底に送ることを目的にとし、第三の課題として、構造が簡素で、設置コスト及び運用コストが低廉になることを目的として、検討した。
検討の結果開発したものが、喫水線以下の船首に設けた海水の取水口と、前記取水口より後方かつ喫水線以下の船舷(以下、単に船舷と表記)又は船底に設けた海水及び微小気泡の噴出口とを結ぶ送水管に、軸線が喫水線より上になる迂回送水管を設け、エジェクターからなる気泡発生部を前記迂回送水管に設けた船舶における摩擦抵抗低減装置である。本発明の摩擦抵抗低減装置は、船舶の前進により、送水管の取水口から自然に流入する海水を、軸線が喫水線より上になる迂回送水管に送り込むことにより、大気圧下で海水に空気を混入させる、すなわち気泡発生部を構成するエジェクターにおける海水の水圧の影響を受けないようにし、大気圧下の空気を大量に吸引させて海水に混入させて、船舷又は船底を覆うために必要十分な微小気泡を発生させる。
このように、本発明の摩擦抵抗低減装置は、船舶の前進によって取水口から海水を送水管に流入させ、前記海水の減圧によって空気を海水に吸引させて微小気泡を発生させた後、そのまま海水と微小気泡とを噴出口から噴出させるだけなので、微小気泡の発生に空気を加圧するための別途動力源を必要としない(第一の課題を解決)。また、海水の水圧の影響を受けないようにして海水に大量の空気を混入させることにより微小気泡を発生させるので、必要十分な微小気泡を船舷又は船底に送ることができる(第二の課題を解決)。そして、本発明の摩擦抵抗低減装置は、取水口と噴出口とを結ぶ送水管の途中に迂回送水管を設け、エジェクターからなる気泡発生部を前記迂回送水管に設けるだけの簡素な構成であり、設置コスト及び運用コストも低廉になる(第三の課題を解決)。
送水管の軸線は、送水管断面の重心を通る線を意味し、通常送水管が円形管で構成されることから、円形断面の中心を通る線となる。迂回送水管は、前記軸線が喫水線より上であればよいが、迂回送水管全体が喫水線より上になることが好ましい。取水口は、送水管に海水を取り込む開口で、いわゆる船首、すなわち船舶の前進によって海水が自然に流入できる船舶正面(船舶を正面から見て視認できる範囲)に設けることを基本とするが、海水の流入が可能であれば船舷又は船底に設けてもよい。噴出口は、気泡発生部で発生させた微小気泡と共に海水を噴出する開口で、取水口より後方の船舷又は船底に設けられる。噴出口は、噴出した微小気泡がより広く船舷又は船底を覆うことができるように、できるだけ船首に近い船舷又は船底が好ましい。
具体的な気泡発生部は、空気流入口を外部に開放した空気流入管を迂回送水管に差し込み、前記空気流入管の空気流出口を迂回送水管中に開放したエジェクターからなる構成を例示できる。このエジェクターは、迂回送水管を基準にして、前記迂回送水管に空気流入管を挿入する構造であることから、内嵌構成のエジェクターと呼ぶことができる。この内嵌構成のエジェクターからなる気泡発生部は、迂回送水管の内面と空気流入管の外面との隙間から海水を放水し、空気流入管の空気流出口近傍に減圧領域を形成することにより空気を吸引し、海水中に微小気泡を発生させる。
内嵌構成のエジェクターからなる気泡発生部における迂回送水管及び空気流入管は、いずれも断面円形の相似な管により構成し、同軸に配置する(少なくとも迂回送水管の断面と空気流出口の端面とを同軸にする)と、迂回送水管の内面と空気流入管の外面との隙間(海水が通過)が周方向均一に形成され、前記隙間から放出される海水の圧力が周方向均等になるので好ましい。このほか、内嵌構成のエジェクターからなる気泡発生部において、吸引させる空気の量(発生させる微小気泡の量)を調整するため、空気流入管に断面積を加減する調整弁を設けてもよい。
具体的な気泡発生部は、空気流入口を外部に開放し、空気流出口を後部送水管に連結した空気流入管に迂回送水管を差し込み、前記迂回送水管の放水口を空気流入管中に開放したエジェクターからなる構成にしてもよい。このエジェクターは、迂回送水管を基準にして、空気流入管に前記迂回送水管を挿入することから、外嵌構成のエジェクターと呼ぶことができる。外嵌構成のエジェクターからなる気泡発生部は、迂回送水管の放水口から空気流入管に海水を放水し、海水が接する空気流入管の内面近傍に減圧領域を形成することにより空気を吸引し、海水中に微小気泡を発生させる。
上述同様、外嵌構成のエジェクターからなる気泡発生部における迂回送水管及び空気流入管は、いずれも断面円形の相似な管により構成し、同軸に配置する(少なくとも空気流入管の断面と放水口の端面とを同軸にする)と、迂回送水管の外面と空気流入管の内面との隙間(空気が流入)が周方向均一に形成され、前記隙間から吸引される空気の量が周方向均等になるので好ましい。外嵌構成のエジェクターからなる気泡発生部においても、上述同様、吸引させる空気の量(発生させる微小気泡の量)を調整するため、空気流入管に断面積を加減する調整弁を設けてもよい。
内嵌構成のエジェクターや外嵌構成のエジェクターは、それぞれ個別に単数又は複数用いて気泡発生部を構成する。それぞれエジェクターを複数用いる場合、単純に直列に並べるだけでなく、同軸にしてもよい。複数の同種エジェクターを同軸とした構成は、例えば迂回送水管に第1空気流入管を外嵌し(第1エジェクター)、更に前記第1空気流入管に第2空気流入管を外嵌した(第2エジェクター)構成である。更に、内嵌構成のエジェクターと外嵌構成のエジェクターとは、両者を組み合わせて気泡発生部を構成することもできる。複数の異種エジェクターを直列とした構成は、例えば上流側に内嵌構成の気泡発生部を配し(第1エジェクター)、下流側に外嵌構成の気泡発生部を配した(第2エジェクター)構成である。また、複数の異種エジェクターを同軸とした構成は、例えば第1空気流入管に迂回送水管を外嵌し(第1エジェクター)、更に前記迂回送水管に第2空気流入管を外嵌した構成(第2エジェクター)である。
本発明の摩擦抵抗低減装置は、船舶の前進により取水口から海水を自然に流入させ、微小気泡を発生させるが、船舶が停止状態にあると前記海水の流入が期待できない。そこで、船舶が前進し始める停止状態から海水の流入を促すため、送水管は、取水口と迂回送水管とを結ぶ前部送水管に送水ポンプを設けるとよい。この送水ポンプは、軸線が喫水線より上になる迂回送水管を含む送水管全体に海水を充満させるもので、船舶が一定の速度に達し、取水口から自然な海水の永続的な流入が確保された段階で停止させることを基本とするが、通常航行に際して使用し続けてもかまわない。この場合、送水ポンプはエジェクターを備えた一種のジェットポンプとして機能し、船舶の推進を助ける働きを有する。
本発明の船舶における摩擦抵抗低減装置は、空気を加圧して海水に混入して微小気泡を発生させるのではなく、軸線が喫水線より上にある迂回送水管に海水を流すことにより、気泡発生部を構成するエジェクターにおける海水の水圧の影響を受けないようにし、大気圧下の空気を大量に吸引させて海水に混入して大量の微小気泡を発生させる。これにより、船舷又は船底に設けた噴出口から海水及び微小気泡を噴出させ、船舷又は船底を広く覆うに足りる微小気泡を確保でき、微小気泡による船舶の摩擦抵抗低減効果をもたらすことができる。
また、本発明の船舶における摩擦抵抗低減装置は、取水口から取入れた海水を送水管に流して噴出口から噴出させるまでの間に、海水の水圧の影響を受けないようにして大量の微小気泡を発生させ、船舷又は船底に噴出させることができる。これは、船舶推進のための動力源以外、コンプレッサー等の動力源を別途要しないことを意味し、摩擦抵抗低減装置の簡素化、設置コスト及び運用コストの低減をもたらす。このようにして、本発明の船舶における摩擦抵抗低減装置は、設置コスト及び運用コストを低減し、上述のよりよい摩擦抵抗低減効果を鑑みた場合、高い費用対効果を実現する。
本発明の船舶における摩擦抵抗低減装置の一例を表す断面図である。 本例の摩擦抵抗低減装置を表す正面図である。 本例の摩擦抵抗低減装置における気泡発生部(内嵌構成)を表す部分拡大断面図である。 別例の摩擦抵抗低減装置における気泡発生部(外嵌構成)を表す図3相当部分拡大断面図である。 更に別例の摩擦抵抗低減装置における気泡発生部(直列方式)を表す図3相当部分拡大断面図である。 更に別例の摩擦抵抗低減装置における気泡発生部(同軸方式)を表す図3相当部分拡大断面図である。
本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。本発明の摩擦抵抗低減装置は、図1及び図2に見られるように、喫水線WL以下の船首31に設けた海水の取水口111と、前記取水口111より後方かつ喫水線WL以下の船底33に設けた海水W及び微小気泡B(後掲図3参照)の噴出口131とを結ぶ送水管1に、軸線が喫水線WLより上になる迂回送水管12を設け、エジェクター21からなる気泡発生部2を前記迂回送水管12に設けた構成である。本例の摩擦抵抗低減装置は、船舶3を左右半割し、左舷及び右舷にそれぞれ1基ずつ配している。このため、取水口111及び噴出口131は、それぞれ左右1箇所ずつ設けられている。以下では左舷の摩擦抵抗低減装置を例に説明する。
取水口111は、より多くの海水Wが流入できるように、前方に向けて拡げたラッパ状にする。本例は、船舶3の前進によって海水Wが自然に流入できる船舶正面に取水口111を設けているが、必要十分な海水Wの流入が期待できれば、舷側32又は船底33に設けてもよい。また、摩擦抵抗低減装置単位で取水口111を設けたため、例えば摩擦抵抗低減装置が複数になれば取水口111を複数設ける。しかし、摩擦抵抗低減装置に対して複数の取水口111を設けてもよい。このほか、気泡発生部2を構成するエジェクター21における隙間214の目詰まりを避けるため、取水口111にフィルターを設けるとよい。
前部送水管11は、取水口111から、軸線が喫水線WLより上になる迂回送水管12に至る部分である。しかし、前部送水管11及び迂回送水管12は切れ目なく連結されることから、便宜上、送水管1のうち気泡発生部2から前半部分を前部送水管11としてもよい。本例は、取水口111から絞られた前部送水管11の内部に送水ポンプ112を設けている。送水ポンプ112は、本発明に必須の構成要素ではない。しかし、船舶3が停止している段階は迂回送水管12が空になり、海水が流れない。このため、船舶3が前進をし始める段階や、船舶3の低速航行時に送水管1への海水Wの流入が不十分な段階に、送水ポンプ112により前記迂回送水管12へ海水Wを送り込むようにしている。
送水管1は、通常、前部送水管11、迂回送水管12及び後部送水管13を断面円形の鋼管により構成する。これに対し、取水口111は、既述したように、より多くの海水Wが流入できるように、前方に向けて拡げたラッパ状にする。この場合、取水口111は、垂直方向又は水平方向に扁平にしてもよい(図2では水平に扁平な楕円形にしている)。同様に、噴出口131も、垂直方向又は水平方向に扁平に拡げることができる。しかし、垂直方向に扁平な噴出口131は、船底33に不要な突起物を形成することになり、好ましくない。また、船舶の摩擦抵抗を低減する目的から、微小気泡Bが広く船底33を覆うように、噴出口131は水平方向に扁平に形成し(図2参照)、微小気泡Bを水平に拡げながら噴出できるようにすることが好ましい。
後部送水管13は、軸線が喫水線WLより上になる迂回送水管12から噴出口13に至る部分である。しかし、迂回送水管12及び後部送水管13は切れ目なく連結されることから、便宜上、送水管1のうち気泡発生部2から後半部分を後部送水管13としてもよい。本例の後部送水管13は、微小気泡Bと海水Wとの混合流を円滑に噴出口131にまで導くため、気泡発生部2から噴出口131に至るまでに急激な曲がり角を形成せず、連続かつなだらかな下り勾配を持った傾斜管としている。この場合、後部送水管13の傾斜角度α(図1参照)は40度〜70度、好ましくは50度〜60度である。
本発明の摩擦抵抗低減装置の主要部は、迂回送水管12に設けられる気泡発生部2にある。本例は、単独のエジェクター21での気泡発生部2を構成するため、気泡発生部2=エジェクター21となっている。しかし、例えば複数のエジェクター21,22を直列に組み合わせた場合、前記エジェクター21,22を含む全体が気泡発生部2となる(後掲図5参照)。また、迂回送水管12と複数の空気流入管231,235とを同軸に重ね合わせて気泡発生部2を構成することもできる(後掲図6参照)。具体的な気泡発生部2の構成は、本発明を適用する船舶3の大小や、摩擦抵抗低減装置の設置自由度(船舶3内に余裕があるか否か等)により適宜選択する。
本例の気泡発生部2は、図3に見られるように、空気流入口212を甲板34(図1及び図2参照)から上方に突出した空気流入管211を迂回送水管12の上流側(図3中左方)から下流側(図3中右方)に向けて差し込み、前記空気流入管211の空気流出口213を迂回送水管12中に開放したエジェクター21からなる内嵌構成である。エジェクター21が単数であるため、エジェクター21=気泡発生部2である。本例の気泡発生部2は、断面円形である迂回送水管12の内面に対し、空気流出口213に向けてラッパ状に拡げた断面円形の空気流入管211の外面を半径方向内側から近づけて、海水Wの流路を絞り込んだ隙間214を形成している。これにより、隙間214から海水Wを放水すると、空気流入管211の空気流出口213近傍に減圧領域215が形成される。本例の気泡発生部2は、前記減圧領域215により、空気流出口213から空気Aを吸引し、海水W中に微小気泡Bを発生させる。
気泡発生部2は、図4に見られるように、上述同様、空気流入口222を甲板34(図1及び図2参照)から上方に突出した空気流入管221を後部送水管13に連結し、前記空気流入管221の上流側(図3中左方)から下流側(図3中右方)に向けて迂回送水管12を差し込み、前記迂回送水管12の放水口121を空気流入管221中に開放したエジェクター22からなる外嵌構成にしてもよい。この別例の気泡発生部2は、断面円形である迂回送水管12の放水口121が、同じく断面円形である空気流入管221の内面に対して絞りこんでいる。これにより、放水口121から空気流入管221に海水Wを放水すると、前記放水口121から下流における空気流入管211の内面と海水Wとに挟まれる空気流入管221の内面近傍に減圧領域225が形成される。この別例の気泡発生部2は、前記減圧領域225により、迂回送水管12の外面と空気流入管221の内面との隙間224から空気Aを吸引し、海水W中に微小気泡Bを発生させる。隙間224を通過する空気Aの量は、調整弁226を開閉して空気流入管221の断面積を加減することにより調整する。
更に、気泡発生部2は、図5に見られるように、前段の内嵌構成のエジェクター21(図3参照)と、後段の外嵌構成のエジェクター22(図4参照)とを直列に並べて構成してもよい。図示は省略するが、前段及び後段とも内嵌構成のエジェクター21としたり、前段及び後段とも外嵌構成のエジェクター22としたりしてもよい。この別例の気泡発生部2は、前段の内嵌構成のエジェクター21が主(第1エジェクター)であり、後段の外嵌構成のエジェクター22が副(第2エジェクター)である。すなわち、外嵌構成のエジェクター22は、内嵌構成のエジェクター21が発生させる微小気泡Bが少ない場合に足りない量を補うだけ微小気泡Bを発生させる。このため、外嵌構成のエジェクター22に空気Aを供給する空気流入管221は、調整弁226を設けている。
このほか、気泡発生部2は、図6に見られるように、内側のエジェクター21(図3参照)と、外側の外嵌構成のエジェクター22(図4参照)とを同軸に構成してもよい。図示は省略するが、内側及び外側とも内嵌構成のエジェクター21としたり、内側及び外側とも外嵌構成のエジェクター22としたりしてもよい。この別例の気泡発生部2は、内側の内嵌構成のエジェクター21が主(第1エジェクター)であり、外側の外嵌構成のエジェクター22が副(第2エジェクター)である。このため、上述同様の理由から、外嵌構成のエジェクター22に空気Aを供給する空気流入管221は、調整弁226を設けている。
1 送水管
11 前部送水管
12 迂回送水管
13 後部送水管
2 気泡発生部
21 エジェクター
22 エジェクター
3 船舶
A 空気
B 微小気泡
W 海水
WL 喫水線
本発明は、船舶における摩擦抵抗低減装置に関する。
以前より、船舶の喫水線以下における船舷及び船底の接水面と海水との間に発生する摩擦抵抗を低減させる手段として、主として船底を微小気泡(マイクロバブル)で覆うことが有効であることが知られており、気泡発生装置又は摩擦抵抗低減装置(以下、摩擦抵抗低減装置により代表)として種々提案されている。こうした摩擦抵抗低減装置は、いかに大量の微小気泡を発生させ、広く船底を覆うことができるかに重点が置かれるが、船舶における占有面積を小さくしたり、別途動力源を要しないように構成したりすることが検討されている。
特許文献1は、加圧空気を船舷から斜め後方に向けて船速より遅く吹き出させて微小気泡を発生させる船体摩擦抵抗低減方法を開示している。船舷から加圧空気を吹き出すための具体的な加圧空気送給手段は不明であり、図示されていない(特許文献1[0012][0013])。特許文献2又は特許文献3は、気水混相流体又は気泡水混合流体を噴出させる船体摩擦抵抗低減装置を開示している。特許文献2における気水混相流体は剪断方式により(特許文献2[0012])、特許文献3における気泡水混合流体は加圧気体を微少孔から海水に噴出させ、かつ剪断する方法により(特許文献2[請求項19][請求項20])それぞれ生成する。また、特許文献4又は特許文献5は、船底に形成した負圧個所まで空気を誘導し、微小気泡を発生させる摩擦抵抗低減船を提案している。負圧箇所までの空気の誘導は、別途動力源を要することなく、自然吸引によるとしている(例えば特許文献4[0016][0017])。
特開平11-227674号公報 特開2008-018781号公報 特開平07-156859号公報 特開2002-079986号公報 特開2002-068073号公報
特許文献1、特許文献2又は特許文献3が開示する摩擦抵抗低減方法は、微小気泡を発生させるために別途動力源が必要になる問題があった。これに対して、特許文献4又は特許文献5が開示する摩擦抵抗低減船における方法は、微小気泡を発生させるために別途動力源を要しないとしている。しかし、船底が喫水線から10m〜20mにも及ぶ大型船舶(例えばタンカー等)では、船底まで空気を自然吸引により導くことが困難で、結局コンプレッサー等の動力源が必要になると考えられる。
そこで、船舶における摩擦抵抗低減装置につき、第一の課題として、海水に対して加圧空気を吹き出すことにより微小気泡を発生させるのではなく、船舶の推進力自体を利用することによって微小気泡を発生させることを目的とし、第二の課題として、微小気泡を発生させる過程そのものが海水の水圧の影響を受けないようにし、必要十分な微小気泡を船底に送ることを目的にとし、第三の課題として、構造が簡素で、設置コスト及び運用コストが低廉になることを目的として、検討した。
検討の結果開発したものが、喫水線以下の船首に設けた海水の取水口と、前記取水口より後方かつ喫水線以下の船舷(以下、単に船舷と表記)又は船底に設けた海水及び微小気泡の噴出口とを結ぶ送水管に、軸線が喫水線より上になる迂回送水管を設け、エジェクターを前記迂回送水管に設けた船舶における摩擦抵抗低減装置である。本発明の摩擦抵抗低減装置は、船舶の前進により、送水管の取水口から自然に流入する海水を、軸線が喫水線より上になる迂回送水管に送り込むことにより、大気圧下で海水に空気を混入させる、すなわちエジェクターにおける海水の水圧の影響を受けないようにし、大気圧下の空気を大量に吸引させて海水に混入させて、船舷又は船底を覆うために必要十分な微小気泡を発生させる。
このように、本発明の摩擦抵抗低減装置は、船舶の前進によって取水口から海水を送水管に流入させ、前記海水の減圧によって空気を海水に吸引させて微小気泡を発生させた後、そのまま海水と微小気泡とを噴出口から噴出させるだけなので、微小気泡の発生に空気を加圧するための別途動力源を必要としない(第一の課題を解決)。また、海水の水圧の影響を受けないようにして海水に大量の空気を混入させることにより微小気泡を発生させるので、必要十分な微小気泡を船舷又は船底に送ることができる(第二の課題を解決)。そして、本発明の摩擦抵抗低減装置は、取水口と噴出口とを結ぶ送水管の途中に迂回送水管を設け、エジェクターを前記迂回送水管に設けるだけの簡素な構成であり、設置コスト及び運用コストも低廉になる(第三の課題を解決)。
送水管の軸線は、送水管断面の重心を通る線を意味し、通常送水管が円形管で構成されることから、円形断面の中心を通る線となる。迂回送水管は、前記軸線が喫水線より上であればよいが、迂回送水管全体が喫水線より上になることが好ましい。取水口は、送水管に海水を取り込む開口で、いわゆる船首、すなわち船舶の前進によって海水が自然に流入できる船舶正面(船舶を正面から見て視認できる範囲)に設けることを基本とするが、海水の流入が可能であれば船舷又は船底に設けてもよい。噴出口は、エジェクターで発生させた微小気泡と共に海水を噴出する開口で、取水口より後方の船舷又は船底に設けられる。噴出口は、噴出した微小気泡がより広く船舷又は船底を覆うことができるように、できるだけ船首に近い船舷又は船底が好ましい。
具体的なエジェクター、空気流入口を外部に開放した空気流入管を迂回送水管に差し込み、前記空気流入管の空気流出口を迂回送水管中に開放したエジェクターからなる構成を例示できる。このエジェクターは、迂回送水管を基準にして、前記迂回送水管に空気流入管を挿入する構造であることから、内嵌構成のエジェクターと呼ぶことができる。この内嵌構成のエジェクターは、迂回送水管の内面と空気流入管の外面との隙間から海水を放水し、空気流入管の空気流出口近傍に減圧領域を形成することにより空気を吸引し、海水中に微小気泡を発生させる。
内嵌構成のエジェクターにおける迂回送水管及び空気流入管は、いずれも断面円形の相似な管により構成し、同軸に配置する(少なくとも迂回送水管の断面と空気流出口の端面とを同軸にする)と、迂回送水管の内面と空気流入管の外面との隙間(海水が通過)が周方向均一に形成され、前記隙間から放出される海水の圧力が周方向均等になるので好ましい。このほか、内嵌構成のエジェクターにおいて、吸引させる空気の量(発生させる微小気泡の量)を調整するため、空気流入管に断面積を加減する調整弁を設けてもよい。
具体的なエジェクターは、空気流入口を外部に開放し、空気流出口を後部送水管に連結した空気流入管に迂回送水管を差し込み、前記迂回送水管の放水口を空気流入管中に開放したエジェクターからなる構成にしてもよい。このエジェクターは、迂回送水管を基準にして、空気流入管に前記迂回送水管を挿入することから、外嵌構成のエジェクターと呼ぶことができる。外嵌構成のエジェクターは、迂回送水管の放水口から空気流入管に海水を放水し、海水が接する空気流入管の内面近傍に減圧領域を形成することにより空気を吸引し、海水中に微小気泡を発生させる。
上述同様、外嵌構成のエジェクターにおける迂回送水管及び空気流入管は、いずれも断面円形の相似な管により構成し、同軸に配置する(少なくとも空気流入管の断面と放水口の端面とを同軸にする)と、迂回送水管の外面と空気流入管の内面との隙間(空気が流入)が周方向均一に形成され、前記隙間から吸引される空気の量が周方向均等になるので好ましい。外嵌構成のエジェクターにおいても、上述同様、吸引させる空気の量(発生させる微小気泡の量)を調整するため、空気流入管に断面積を加減する調整弁を設けてもよい。
本発明の摩擦抵抗低減装置は、船舶の前進により取水口から海水を自然に流入させ、微小気泡を発生させるが、船舶が停止状態にあると前記海水の流入が期待できない。そこで、船舶が前進し始める停止状態から海水の流入を促すため、送水管は、取水口と迂回送水管とを結ぶ前部送水管に送水ポンプを設けるとよい。この送水ポンプは、軸線が喫水線より上になる迂回送水管を含む送水管全体に海水を充満させるもので、船舶が一定の速度に達し、取水口から自然な海水の永続的な流入が確保された段階で停止させることを基本とするが、通常航行に際して使用し続けてもかまわない。この場合、送水ポンプはエジェクターを備えた一種のジェットポンプとして機能し、船舶の推進を助ける働きを有する。
本発明の船舶における摩擦抵抗低減装置は、空気を加圧して海水に混入して微小気泡を発生させるのではなく、軸線が喫水線より上にある迂回送水管に海水を流すことにより、エジェクターにおける海水の水圧の影響を受けないようにし、大気圧下の空気を大量に吸引させて海水に混入して大量の微小気泡を発生させる。これにより、船舷又は船底に設けた噴出口から海水及び微小気泡を噴出させ、船舷又は船底を広く覆うに足りる微小気泡を確保でき、微小気泡による船舶の摩擦抵抗低減効果をもたらすことができる。
また、本発明の船舶における摩擦抵抗低減装置は、取水口から取入れた海水を送水管に流して噴出口から噴出させるまでの間に、海水の水圧の影響を受けないようにして大量の微小気泡を発生させ、船舷又は船底に噴出させることができる。これは、船舶推進のための動力源以外、コンプレッサー等の動力源を別途要しないことを意味し、摩擦抵抗低減装置の簡素化、設置コスト及び運用コストの低減をもたらす。このようにして、本発明の船舶における摩擦抵抗低減装置は、設置コスト及び運用コストを低減し、上述のよりよい摩擦抵抗低減効果を鑑みた場合、高い費用対効果を実現する。
本発明の船舶における摩擦抵抗低減装置の一例を表す断面図である。 本例の摩擦抵抗低減装置を表す正面図である。 本例の摩擦抵抗低減装置におけるエジェクター(内嵌構成)を表す部分拡大断面図である。 別例の摩擦抵抗低減装置におけるエジェクター(外嵌構成)を表す図3相当部分拡大断面図である。
本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。本発明の摩擦抵抗低減装置は、図1及び図2に見られるように、喫水線WL以下の船首31に設けた海水の取水口111と、前記取水口111より後方かつ喫水線WL以下の船底33に設けた海水W及び微小気泡B(後掲図3参照)の噴出口131とを結ぶ送水管1に、軸線が喫水線WLより上になる迂回送水管12を設け、エジェクター21を前記迂回送水管12に設けた構成である。本例の摩擦抵抗低減装置は、船舶3を左右半割し、左舷及び右舷にそれぞれ1基ずつ配している。このため、取水口111及び噴出口131は、それぞれ左右1箇所ずつ設けられている。以下では左舷の摩擦抵抗低減装置を例に説明する。
取水口111は、より多くの海水Wが流入できるように、前方に向けて拡げたラッパ状にする。本例は、船舶3の前進によって海水Wが自然に流入できる船舶正面に取水口111を設けているが、必要十分な海水Wの流入が期待できれば、舷側32又は船底33に設けてもよい。また、摩擦抵抗低減装置単位で取水口111を設けたため、例えば摩擦抵抗低減装置が複数になれば取水口111を複数設ける。しかし、摩擦抵抗低減装置に対して複数の取水口111を設けてもよい。このほか、エジェクター21における隙間214の目詰まりを避けるため、取水口111にフィルターを設けるとよい。
前部送水管11は、取水口111から、軸線が喫水線WLより上になる迂回送水管12に至る部分である。しかし、前部送水管11及び迂回送水管12は切れ目なく連結されることから、便宜上、送水管1のうちエジェクター21から前半部分を前部送水管11としてもよい。本例は、取水口111から絞られた前部送水管11の内部に送水ポンプ112を設けている。送水ポンプ112は、本発明に必須の構成要素ではない。しかし、船舶3が停止している段階は迂回送水管12が空になり、海水が流れない。このため、船舶3が前進をし始める段階や、船舶3の低速航行時に送水管1への海水Wの流入が不十分な段階に、送水ポンプ112により前記迂回送水管12へ海水Wを送り込むようにしている。
送水管1は、通常、前部送水管11、迂回送水管12及び後部送水管13を断面円形の鋼管により構成する。これに対し、取水口111は、既述したように、より多くの海水Wが流入できるように、前方に向けて拡げたラッパ状にする。この場合、取水口111は、垂直方向又は水平方向に扁平にしてもよい(図2では水平に扁平な楕円形にしている)。同様に、噴出口131も、垂直方向又は水平方向に扁平に拡げることができる。しかし、垂直方向に扁平な噴出口131は、船底33に不要な突起物を形成することになり、好ましくない。また、船舶の摩擦抵抗を低減する目的から、微小気泡Bが広く船底33を覆うように、噴出口131は水平方向に扁平に形成し(図2参照)、微小気泡Bを水平に拡げながら噴出できるようにすることが好ましい。
後部送水管13は、軸線が喫水線WLより上になる迂回送水管12から噴出口13に至る部分である。しかし、迂回送水管12及び後部送水管13は切れ目なく連結されることから、便宜上、送水管1のうちエジェクター21から後半部分を後部送水管13としてもよい。本例の後部送水管13は、微小気泡Bと海水Wとの混合流を円滑に噴出口131にまで導くため、エジェクター21から噴出口131に至るまでに急激な曲がり角を形成せず、連続かつなだらかな下り勾配を持った傾斜管としている。この場合、後部送水管13の傾斜角度α(図1参照)は40度〜70度、好ましくは50度〜60度である。
本例のエジェクター21は、図3に見られるように、空気流入口212を甲板34(図1及び図2参照)から上方に突出した空気流入管211を迂回送水管12の上流側(図3中左方)から下流側(図3中右方)に向けて差し込み、前記空気流入管211の空気流出口213を迂回送水管12中に開放した内嵌構成である。本例のエジェクター21は、断面円形である迂回送水管12の内面に対し、空気流出口213に向けてラッパ状に拡げた断面円形の空気流入管211の外面を半径方向内側から近づけて、海水Wの流路を絞り込んだ隙間214を形成している。これにより、隙間214から海水Wを放水すると、空気流入管211の空気流出口213近傍に減圧領域215が形成される。本例のエジェクター21は、前記減圧領域215により、空気流出口213から空気Aを吸引し、海水W中に微小気泡Bを発生させる。
エジェクター21は、図4に見られるように、上述同様、空気流入口222を甲板34(図1及び図2参照)から上方に突出した空気流入管221を後部送水管13に連結し、前記空気流入管221の上流側(図3中左方)から下流側(図3中右方)に向けて迂回送水管12を差し込み、前記迂回送水管12の放水口121を空気流入管221中に開放した外嵌構成にしてもよい。この別例のエジェクター21は、断面円形である迂回送水管12の放水口121が、同じく断面円形である空気流入管221の内面に対して絞りこんでいる。これにより、放水口121から空気流入管221に海水Wを放水すると、前記放水口121から下流における空気流入管211の内面と海水Wとに挟まれる空気流入管221の内面近傍に減圧領域225が形成される。この別例のエジェクター21は、前記減圧領域225により、迂回送水管12の外面と空気流入管221の内面との隙間224から空気Aを吸引し、海水W中に微小気泡Bを発生させる。隙間224を通過する空気Aの量は、調整弁226を開閉して空気流入管221の断面積を加減することにより調整する。
1 送水管
11 前部送水管
12 迂回送水管
13 後部送水管
21 エジェクター
22 エジェクター
3 船舶
A 空気
B 微小気泡
W 海水
WL 喫水線
本発明の摩擦抵抗低減装置は、船舶の前進により取水口から海水を自然に流入させ、微小気泡を発生させるが、船舶が停止状態にあると前記海水の流入が期待できない。そこで、船舶が前進し始める停止状態から海水の流入を促すため、例えば取水口と迂回送水管とを結ぶ前部送水管に送水ポンプを設けるとよい。この送水ポンプは、軸線が喫水線より上になる迂回送水管を含む送水管全体に海水を充満させるもので、船舶が一定の速度に達し、取水口から自然な海水の永続的な流入が確保された段階で停止させることを基本とするが、通常航行に際して使用し続けてもかまわない。この場合、送水ポンプはエジェクターを備えた一種のジェットポンプとして機能し、船舶の推進を助ける働きを有する。
前部送水管11は、取水口111から、軸線が喫水線WLより上になる迂回送水管12に至る部分である。しかし、前部送水管11及び迂回送水管12は切れ目なく連結されることから、便宜上、送水管1のうちエジェクター21から前半部分を前部送水管11としてもよい。本例は、取水口111から絞られた前部送水管11に送水ポンプ112を設けている。送水ポンプ112は、本発明に必須の構成要素ではない。しかし、船舶3が停止している段階は迂回送水管12が空になり、海水が流れない。このため、船舶3が前進をし始める段階や、船舶3の低速航行時に送水管1への海水Wの流入が不十分な段階に、送水ポンプ112により前記迂回送水管12へ海水Wを送り込むようにしている。

Claims (4)

  1. 喫水線以下の船首に設けた海水の取水口と、前記取水口より後方かつ喫水線以下の船舷又は船底に設けた海水及び微小気泡の噴出口とを結ぶ送水管に、軸線が喫水線より上になる迂回送水管を設け、エジェクターからなる気泡発生部を前記迂回送水管に設けた船舶における摩擦抵抗低減装置。
  2. 気泡発生部は、空気流入口を外部に開放した空気流入管を迂回送水管に差し込み、前記空気流入管の空気流出口を迂回送水管中に開放して構成されたエジェクターからなる請求項1記載の船舶における摩擦抵抗低減装置。
  3. 気泡発生部は、空気流入口を外部に開放し、空気流出口を後部送水管に連結した空気流入管に迂回送水管を差し込み、前記迂回送水管の放水口を空気流入管中に開放して構成されたエジェクターからなる請求項1記載の船舶における摩擦抵抗低減装置。
  4. 送水管は、取水口と迂回送水管とを結ぶ前部送水管に送水ポンプを設けた請求項1〜3いずれか記載の船舶における摩擦抵抗低減装置。
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