JP2011076813A - 走査透過電子顕微鏡および走査透過像観察方法 - Google Patents

走査透過電子顕微鏡および走査透過像観察方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、正確かつ迅速に結晶性試料の方位合せを行うことに関する。
【解決手段】本発明は、走査透過像と電子線回折像を用いた結晶方位合せにおいて、走査透過像における試料の結晶配列方向と、電子線回折像の方向を一致させることに関する。例えば、走査透過像の試料の結晶配列方向に連動して、電子線回折像を撮影するTVカメラの受光面を直接あるいは間接的に回転させる。また、例えば、複数の投射レンズに通電する電流を変化させ、電磁レンズの作用によって電子線回折像の方向を変化させる。本発明によれば、STEMの光軸に対して試料の結晶方位を合わせる際、試料を傾斜させるべき方向を電子線回折像の形状から直接判断することができるため、正確かつ迅速な結晶方位合せが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、走査透過電子顕微鏡に関する。
シリコン単基板上に組み上げられている半導体デバイスでは、絶縁膜の厚さを正確に測定するために、単結晶基板の方位を観察するべき方位の基準として用いている。観察方位を定めない場合には、絶縁膜を斜めから観察することになり、正確な膜厚測定が不可能となるためである。また、多結晶の試料においては、結晶界面の構造を正確に把握するために方位合せを行う。方位合せを行わない場合には、結晶界面が重なって観察されてしまうことがあり、誤った結果を導く可能性があるからである。このため、走査透過電子顕微鏡(STEM Scanning Transmission Electron Microscope)によって結晶性試料の走査透過像を観察する場合、STEMの光軸に対して結晶方位を合わせる必要がある。
尚、結晶性試料とは、試料の一部あるいは全てが規則正しい配列を持っている試料である。例えば、単結晶,複数の微結晶の複合体である多結晶,準結晶である。また、元素単体あるいは複数の元素からなる化合物も結晶性試料に含まれる。
STEM像を用いて結晶方位を合わせる場合には、格子縞が観察できるだけの高倍率の画像を使用しなければならないが、結晶方位が合っていないときや、顕微鏡の調整に不備があるときには格子縞が得られないことがあり、最終的な結晶方位の良否判定が難しい。一方、電子線回折像は、走査透過像の倍率に依存せず、回折斑点の明るさのバランスや菊池線の位置などから結晶方位を容易に得ることができる。このため、STEMによる結晶性試料の観察においては、電子線回折像を用いて結晶方位を合わせている。この方法には、試料を複数の方向に傾斜して行う方法と、電子線を光軸に対して傾ける方法があるが、後者は、基準となる電子光学軸からの電子線傾斜による収差の導入と、傾斜可能な角度に制限があるため、一般には用いられていない。
具体的には、STEMによる結晶性試料の観察においては、走査透過像を表示装置上で見ながら結晶性試料の観察領域を探し、結晶性試料の下部に形成される回折像を記録している。記録には、写真フィルムやTVカメラが用いられる。そして、観察領域の電子線回折像を観察しながら、結晶性試料を搭載したホルダを物理的に傾斜させ、STEMの光軸に対して結晶方位を合わせている。
J.C.H. Spence and J.M. Zuo著「Electron microdiffraction」Springer.
本願発明者が結晶性試料の走査透過像観察について鋭意検討した結果、次のような知見を得るに至った。
走査透過像と電子線回折像の観察や記録は全く別個の手段によって行われるため、走査透過像で観察している実際の試料の結晶配列方向と、電子線回折像の方向は必ずしも一致しない。結晶方位を合わせるために試料をどの方向へ傾斜させれば良いかを電子線回折像から直接的に判断することができない。そこで、走査透過像におけるX軸またはY軸を中心に試料を傾斜させた場合に電子線回折像において結晶方位が変化する方向を、電子線回折像の周囲等にマーカーを用いて表示するなどしている。尚、マーカーの位置、すなわち、試料を傾斜した際における電子線回折像の変化方向は、予め試料をX軸またはY軸を中心に傾斜させながら電子線回折像を観察することで決められる。
しかしながら、結晶方位合せでは、試料を傾斜した際、往々にして観察視野が移動する。このため、電子線回折像が試料の所望領域のものであるかを走査透過像で確認しては、電子線回折像にて結晶方位合せを行うといった操作を何度も繰り返す必要がある。電子線回折像の形状だけでなく、マーカーの位置を常に意識しながら試料を傾斜させるべき方向を判断して操作する必要があるため、結晶方位合せに時間を要すると共に、操作を誤ることも多かった。
本発明の目的は、正確かつ迅速に結晶性試料の方位合せを行うことに関する。
本発明は、走査透過像と電子線回折像を用いた結晶方位合せにおいて、走査透過像における試料の結晶配列方向と、電子線回折像の方向を一致させることに関する。例えば、走査透過像の試料の結晶配列方向に連動して、電子線回折像を撮影するTVカメラの受光面を直接あるいは間接的に回転させる。また、例えば、複数の投射レンズに通電する電流を変化させ、電磁レンズの作用によって電子線回折像の方向を変化させる。
本発明によれば、STEMの光軸に対して試料の結晶方位を合わせる際、試料を傾斜させるべき方向を電子線回折像の形状から直接判断することができるため、正確かつ迅速な結晶方位合せが可能となる。
実施例1における走査透過電子顕微鏡の概略機能ブロック図。 実施例2における走査透過電子顕微鏡の概略機能ブロック図。 走査透過電子顕微鏡の走査機構の原理図。 結晶方位合わせのフローチャート。 シリコンデバイスの走査透過像を示す図。 試料の結晶配列方向と方向が異なる、方位のずれが大きい電子線回折像を示す図。 試料の結晶配列方向と方向が異なる、方位のずれが小さい電子線回折像を示す図。 試料の結晶配列方向と方向が異なる、方位の合った電子線回折像を示す図。 試料の結晶配列方向と方向が一致した、方位のずれが大きい電子線回折像を示す図。 試料の結晶配列方向と方向が一致した、方位のずれが小さい電子線回折像を示す図。 試料の結晶配列方向と方向が一致した、方位の合った電子線回折像を示す図。 実施例1における回転データテーブルを示す図。 実施例2における回転データテーブルを示す図。
実施例では、電子線を発生させる電子源と、試料を保持する試料台と、電子線を試料上に走査する走査器と、試料を透過した電子線を検出する検出器と、試料から回折された電子線を検出するTVカメラと、走査透過像および電子線回折像を表示する表示部と、を備え、TVカメラに入射する電子線の方向を制御し、電子線回折像の方向を、走査透過像における試料の結晶配列方向と一致させる走査透過電子顕微鏡を開示する。
また、実施例では、TVカメラの受光面を直接あるいは間接的に回転させるTVカメラ回転機構を備える走査透過電子顕微鏡を開示する。
また、実施例では、試料を透過した電子線をTVカメラへ集束させる1以上の投射レンズと、観察条件とTVカメラの回転角度情報を記録した回転データテーブルと、備える走査透過電子顕微鏡を開示する。
また、実施例では、試料を透過した電子線をTVカメラへ集束させる複数の投射レンズを複数備え、投射レンズに通電する電流を変化させ、TVカメラに入射する電子線の方向を制御する走査透過電子顕微鏡を開示する。
また、実施例では、観察条件毎に投射レンズの電流情報を記録した回転データテーブルを有する走査透過電子顕微鏡を開示する。
また、実施例では、試料台に保持した試料上に電子線を走査し、試料を透過した電子線を検出器により検出し、試料から回折された電子線をTVカメラにより検出し、TVカメラに入射する電子線の方向を制御し、電子線回折像の方向を、走査透過像における試料の結晶配列方向と一致させ、走査透過像および電子線回折像を表示部に表示する、走査透過像観察方法を開示する。
また、実施例では、TVカメラ回転機構によりTVカメラの受光面を直接あるいは間接的に回転させる走査透過像観察方法を開示する。
また、実施例では、1以上の投射レンズにより試料を透過した電子線をTVカメラへ集束させ、観察条件とTVカメラの回転角度情報を記録した回転データテーブルに基づいてTVカメラ回転機構を制御する走査透過像観察方法を開示する。
また、実施例では、複数の投射レンズにより試料を透過した電子線をTVカメラへ集束させ、投射レンズに通電する電流を変化させ、TVカメラに入射する前記電子線の方向を制御する走査透過像観察方法を開示する。
また、実施例では、観察条件毎に投射レンズの電流情報を記録した回転データテーブルに基づいて、投射レンズに通電する電流を変化させる走査透過像観察方法を開示する。
以下、上記及びその他の新規な特徴及び効果について、図面を参酌して説明する。尚、各実施例は適宜組み合わせることが可能であり、当該組み合わせ形態も明細書は開示している。
図1は、本実施例における走査透過電子顕微鏡の概略機能ブロック図である。電子線源(荷電粒子線源)1から放出されて加速電極2で加速された電子線(荷電粒子線)3は、第一集束電磁レンズ4と第二集束電磁レンズ5及び対物電磁レンズ9の前磁場を経由して試料台10に保持された試料11に照射される。電子線3が試料11に照射されると、試料11と電子線3との相互作用によって、試料の情報を有する二次電子8,前方散乱電子12,透過電子13が発生する。試料に照射される電子線3は、電子線光軸に対し対称に配置された走査コイル6により試料上を走査する。電子線の走査と画面における走査の同期を取ることにより、表示装置62上に試料拡大像が形成される。試料から発生した二次電子8は、蛍光体18を発光させる。この発光は光電子増倍管19により検出され、微小電流増幅器32により増幅されて、ADC46によりデータバスに取り込まれる。尚、二次電子の検出器として蛍光体と光電子増倍管を用いたが、マルチチャネルプレートなどの半導体検出器を用いてもよい。前方散乱電子12は、投射レンズ68を経由して前方散乱電子検出器14にて検出される。透過電子13は、投射レンズ68を経由して透過電子検出器15にて検出される。尚、前方散乱電子検出器14及び透過電子検出器15は、蛍光体と光電子増倍管の組み合わせで構成しても、半導体検出器で構成してもよい。電子線回折像は、TVカメラヘッド16を介してTVカメラ17にて撮影され、表示装置62上に表示される。この時、透過電子検出器15は、電子線(荷電粒子線)3光軸中心から十分離れた位置まで移動される。尚、TVカメラには、CCDやハーピコンカメラなどの高感度,高S/N、及び高直線性の特徴を持った検出器を用い、電子線回折像強度の定量的な記録を行うことが望ましい。
電子線源1や加速電極2は、加速電圧や電子線の引き出し電圧、並びにフィラメント電流などの指令を、マイクロプロセッサ50からデータバスを経由してDAC36,37に送信し、それをアナログ信号に変換して荷電粒子線源電源20および加速用高圧電源21を設定することによって駆動される。第一集束電磁レンズ4,第二集束電磁レンズ5、及び対物電磁レンズ9は、マイクロプロセッサ50がレンズ電流の条件を設定し、それを受けたDAC38,39,43が各レンズの励磁電源を設定することにより、電磁レンズに対して電流が与えられる。試料11の位置は、オペレータがロータリーエンコーダ59を用いて試料台10を操作するか、データ保存装置51に予め記録された試料位置駆動パターンに従い試料台10を駆動することにより設定される。
電子線の試料上における走査量は、電子線に作用させる電場あるいは磁場の大きさを走査機構にて制御することによって、任意に変化させることが可能である。例えば、二次電子による試料拡大像(二次電子像)は、走査コイル6に印加する電流の大きさを変化させ、試料上における電子線3の走査範囲を変えることにより、拡大倍率を変えることが可能である。試料上における電子線の走査領域を狭くすれば二次電子像の拡大倍率は大きくなり、電子線の走査領域を広くすれば拡大倍率は小さくなる。
図3は、電子線の走査機構を示した原理図である。電子線3は、電子線光軸63上に沿って移動する。電子線光軸上にX,Y対称に上方走査コイル64及び下方走査コイル65が配置される。試料に対して垂直に電子線を印加するため走査コイルは、上下2段に配置される。上方走査コイル64と下方走査コイル65に鋸波形の印加をし、対物電磁レンズ9の光軸上の前焦点位置に電子線が到達することにより、試料に垂直に電子線が入射される。電子線が試料と相互作用することにより、二次電子8や前方散乱電子12、並びに透過電子13が得られる。これら二次電子8,前方散乱電子12、及び透過電子13と、走査波形とを同期させることにより、試料拡大像が形成される。試料拡大像の倍率は、X及びY走査コイルに印加する走査波形の電圧に依存する。
図4のフローチャートを用いて、結晶性試料の方位を、走査透過像と電子線回折像により正確かつ迅速に合わせる方法について説明する。
ステップS102にて、任意の結晶性試料を試料台に搭載し、電子線装置に挿入する。本実施例では、試料としてシリコンデバイスを用いることとする。図5にシリコンデバイスを撮影した走査透過像を示す。α,βは、試料の結晶配列方向を示す。
ステップS103にて、走査透過電子顕微鏡の倍率を、電子線回折像が観察可能な倍率M0に設定し、走査コイルに印加する電圧を決定する。
ステップS104にて、電子線の加速電圧,試料への電子線照射量,照射範囲,照射位置および照射角度等、ステップS102にて挿入した試料の拡大像、および、電子線回折像を得るために必要な測定条件を設定する。
ステップS105において、ステップS102にて挿入した試料の走査透過像と電子線回折像の観察を開始すると共に、実際の試料の結晶配列方向と、電子線回折像の方向を一致させる。つまり、図5と図6のα,βの関係を、図5と図9のα,βの関係になるようにする。
結晶方位合せは、まず、上方走査コイル64及び下方走査コイル65により電子線(荷電粒子線)3にて試料上を走査し、走査透過像を観察しながら大体の結晶方位を合わせる。その後、試料上の微小なスポット領域に電子線(荷電粒子線)3を照射し、電子線回折像を観察しながら正確な結晶方位合せ行う。
ステップS106にて、走査透過像を見ながらロータリーエンコーダ59を用いて試料台10を駆動するなどして、試料11の観察領域を決める。
ステップS107にて、電子線回折像から結晶方位を合わせる。図9,図10,図11を例に、結晶方位の合わせ方を説明する。結晶方位があっていない場合、図9,図10に示すような状態となる。この状態から、回折図形が等方的になるように試料を傾斜させて結晶方位を合わせる。図9,図10では、α方向へ試料を傾斜させることにより、結晶方位を合わせることができる。図11に結晶方位が合った状態を示す。
ステップS108にて、電子線回折像が試料の所望領域のものかを確認する。試料を傾斜させると、往々にして観察視野が移動するため、結晶方位を合わせた後、再度、走査透過像を確認し、電子線回折像が試料の所望領域のものかを確認する。電子線回折像が試料の所望領域のものでない場合は、ステップS106に戻り、再度、走査透過像にて観察領域の調整を行う。電子線回折像が試料の所望領域のものである場合は、結晶方位合せ完了となる。
本実施例では、単一の投射レンズ68で構成された走査透過電子顕微鏡において、電子線回折像を撮影するTVカメラの受光面を直接あるいは間接的に回転させることにより、実際の試料の結晶配列方向と、電子線回折像の方向を一致させる。より具体的には、TVカメラヘッド16をモータ駆動により回転させる。TVカメラヘッド16の回転角度は、試料をX軸またはY軸を中心に傾斜させながら、電子線回折像において結晶方位が変化する方向を観察することにより決められる。ここでは、試料の方位合せを行う度に、電子線回折像の方向を観察して、TVカメラヘッド16の回転角度を決めたが、事前に電子線回折像の方向を観察しておき、TVカメラヘッド16の回転角度を予め決めておく方法もある。その場合は、TVカメラヘッド16の回転角度情報を回転データテーブル54に保管するなどして、試料の方位合せを行う際に、回転データテーブル54の情報を基に、TVカメラヘッド16を回転させれば良い。
電子線回折像の方向は、投射レンズ68の作用によっても変化するため、回転データテーブル54に保管するカメラヘッドの回転角度情報は、観察条件毎にすると良い。図12に、本実施例における回転データテーブル54の例を示す。
本実施例によれば、実際の試料の結晶配列方向と、電子線回折像の方向が一致しているため、結晶方位を合わせるには試料をどの方向へ傾斜させれば良いかを、電子線回折像の形状から直接判断でき、正確かつ迅速に結晶方位を合わせることができる。また、電子光学条件の組み合わせが限定されないため、カメラ長、すなわち電子線回折像の拡大倍率を自由に選択できる。
本実施例は、複数の投射レンズを備えた走査透過電子顕微鏡において、各投射レンズに通電する電流を変化させることにより、実際の試料の結晶配列方向と電子線回折像の方向を一致させている。以下、実施例1との相違点を中心に説明する。
図2は、本実施例における走査透過電子顕微鏡の概略機能ブロック図である。本実施例では、複数の投射レンズ、ここでは第一投射レンズ69と第二投射レンズ70で構成された走査透過電子顕微鏡において、第一投射レンズ69および第二投射レンズ70の条件、すなわち各投射レンズに通電する電流を変化させ、電磁レンズの作用によって電子線回折像の方向を変化させている。第一投射レンズ69および第二投射レンズ70の条件は、実施例1と同様に、試料をX軸またはY軸を中心に傾斜させながら、電子線回折像において結晶方位が変化する方向を観察することにより決められる。試料の方位合せを行う際は、観察条件毎に各投射レンズ条件を記録した回転データテーブル54の情報を基に、第一投射レンズ69および第二投射レンズ70の条件を変更すれば良い。図13に、本実施例における回転データテーブル54を示す。
2段のレンズを用いた場合の回転補正としては、第一投影レンズ69と第二投影レンズ70のレンズ極性を反対にしておき、第一投影レンズ69による電子線回折像の回転と、第二投影レンズ70による電子線回折像の回転を、ちょうど同じ角度で逆回転となるように組み合わせる。また、第一投影レンズ69と第二投影レンズ70のレンズ極性が同極性の場合でも、片方を励磁増加、もう一方を励磁減少とすれば、回転補正は可能となる。
本実施例によれば、カメラの回転機構やその制御が不要となるため、装置構成を簡略化できる。
1 荷電粒子線源
2 加速電極
3 荷電粒子線
4 第一集束電磁レンズ
5 第二集束電磁レンズ
6 走査コイル
7 偏向コイル
8 二次電子
9 対物電磁レンズ
10 試料台
11 試料
12 前方散乱電子
13 透過電子
14 前方散乱電子検出器
15 透過電子検出器
16 TVカメラヘッド
17 TVカメラ
18 蛍光体
19 光電子増倍管
20 荷電粒子線源電源
21 加速用高圧電源
22 試料駆動装置
23 TVカメラヘッド駆動装置
24,25 電圧安定装置
26〜28,71〜73 電磁レンズ電源
29〜31 コイル電源
32〜35 微小電流増幅器
36〜45,74〜76 デジタル−アナログ変換器(DAC)
46〜49 アナログ−デジタル変換器(ADC)
50 マイクロプロセッサ
51 データ保存装置
53 偏向系制御部
54 回転データテーブル
55 倍率コンパレータ
56,57 インターフェース
58,59 ロータリーエンコーダ
60 キーボード
61 表示装置ドライバー
62 表示装置
63 電子線光軸
64 上方走査コイル
65 下方走査コイル
66 X走査コイル
67 Y走査コイル
68 投射レンズ
69 第一投射レンズ
70 第二投射レンズ

Claims (10)

  1. 電子線を発生させる電子源と、
    試料を保持する試料台と、
    前記電子線を試料上に走査する走査器と、
    試料を透過した電子線を検出する検出器と、
    試料から回折された電子線を検出するTVカメラと、
    走査透過像および電子線回折像を表示する表示部と、を備えた走査透過電子顕微鏡において、
    前記TVカメラに入射する前記電子線の方向を制御し、前記電子線回折像の方向を、前記走査透過像における試料の結晶配列方向と一致させることを特徴とする走査透過電子顕微鏡。
  2. 請求項1記載の走査透過電子顕微鏡において、
    前記TVカメラの受光面を直接あるいは間接的に回転させるTVカメラ回転機構を備えることを特徴とする走査透過電子顕微鏡。
  3. 請求項2記載の走査透過電子顕微鏡において、
    試料を透過した電子線を前記TVカメラへ集束させる1以上の投射レンズと、観察条件と前記TVカメラの回転角度情報を記録した回転データテーブルと、備えることを特徴とする走査透過電子顕微鏡。
  4. 請求項1記載の走査透過電子顕微鏡において、
    試料を透過した電子線を前記TVカメラへ集束させる複数の投射レンズを複数備え、当該投射レンズに通電する電流を変化させ、前記TVカメラに入射する前記電子線の方向を制御することを特徴とする走査透過電子顕微鏡。
  5. 請求項4記載の走査透過電子顕微鏡において、
    観察条件毎に前記投射レンズの電流情報を記録した回転データテーブルを有することを特徴とする走査透過電子顕微鏡。
  6. 試料台に保持した試料上に電子線を走査し、
    試料を透過した電子線を検出器により検出し、
    試料から回折された電子線をTVカメラにより検出し、
    走査透過像および電子線回折像を表示部に表示する、走査透過像観察方法において、
    前記TVカメラに入射する前記電子線の方向を制御し、前記電子線回折像の方向を、前記走査透過像における試料の結晶配列方向と一致させることを特徴とする走査透過像観察方法。
  7. 請求項6記載の走査透過像観察方法において、
    TVカメラ回転機構により前記TVカメラの受光面を直接あるいは間接的に回転させることを特徴とする走査透過像観察方法。
  8. 請求項7記載の走査透過像観察方法において、
    1以上の投射レンズにより試料を透過した電子線を前記TVカメラへ集束させ、観察条件と前記TVカメラの回転角度情報を記録した回転データテーブルに基づいて前記TVカメラ回転機構を制御することを特徴とする走査透過像観察方法。
  9. 請求項6記載の走査透過像観察方法において、
    複数の投射レンズにより試料を透過した電子線を前記TVカメラへ集束させ、当該投射レンズに通電する電流を変化させ、前記TVカメラに入射する前記電子線の方向を制御することを特徴とする走査透過像観察方法。
  10. 請求項9記載の走査透過像観察方法において、
    観察条件毎に前記投射レンズの電流情報を記録した回転データテーブルに基づいて、前記投射レンズに通電する電流を変化させることを特徴とする走査透過像観察方法。
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