JP2000123774A - 走査透過電子顕微鏡 - Google Patents

走査透過電子顕微鏡

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JP2000123774A JP10293438A JP29343898A JP2000123774A JP 2000123774 A JP2000123774 A JP 2000123774A JP 10293438 A JP10293438 A JP 10293438A JP 29343898 A JP29343898 A JP 29343898A JP 2000123774 A JP2000123774 A JP 2000123774A
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武夫 上野
Shigeto Isagozawa
成人 砂子沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次元検出器を必要とせず簡単な構成で走査
透過像と電子線回折像を観察・記録する。 【解決手段】 制御部16によって対物レンズ4の励磁
電流を切り替えることができるようにし、対物レンズ4
を強励磁として試料6の走査透過像を表示するモード
と、対物レンズ4を弱励磁として電子線回折像を表示す
るモードを切り替える。走査透過像と電子線回折像は、
CRT9上に同時に表示することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査透過電子顕微
鏡に関し、特に簡単な構成で試料の走査透過像と電子線
回折像の観察・記録が可能な走査透過電子顕微鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】走査透過電子顕微鏡(STEM:Scanni
ng Transmission Electron Microscope)によって結晶
性試料の走査透過像を観察する場合、STEMの光軸に
対して結晶方位を合わせるために電子線回折像の観察が
行われる。試料の方位合わせ以外にも電子線回折像は、
結晶の配向性評価、膜の成長状態の評価、試料の関心部
分がアモルファスか結晶性かの評価のため等に用いられ
る。
【0003】STEMを用いて電子線回折像を観察する
方法として、従来、2つの方法が知られている。一つ
は、J. M. Cowley, Ultramicroscopy 4, pp.435-450, "
Coherent interference in convergent-beam electron
diffraction and shadow imaging" に記載のように、S
TEM像をCRT上で見ながら、電子線プローブを回折
図形を得たい領域に止め、このとき試料の下部に形成さ
れる回折像を記録する方法である。記録には、写真フィ
ルム、TVカメラなどが用いられる。
【0004】もう一つの方法は、ビームロッキング法と
よばれる方法で、試料の一点に0.1mrad程度の開
き角をもつ電子線を角度を変えて入射させ、試料下方の
光軸上におかれた0.1mrad程度の開き角をもつ検
出器をおき、電子線のロッキングに同期させて検出強度
をCRT上に表示する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の方
法の場合、走査透過像と電子線回折像の観察や記録は全
く別個の手段によって行わなければならないため、操作
が煩雑になる。また、走査透過像と電子線回折像を別個
に記録した場合、走査透過像に対応する電子線回折像を
取り違えてしまう可能性があった。さらに、電子線回折
像の検出にフィルムやTVカメラなどの二次元検出器を
使用する方法では、フィルムを装填するためのカメラ室
やTVカメラシステムなど複雑な構成が必要になるとい
う問題があった。
【0006】また、第1の方法でも第2の方法でも、走
査透過像観察時の電子線入射方向と電子線回折像観察時
の方位が必ずしも一致しない。すなわち、いずれの従来
法も電子線回折像の観察時には、試料上の一点での電子
線回折像を見ているだけであり、走査透過像の観察領域
全体の平均的な電子線回折像を見ているわけではない。
従って、例えば試料が歪みを有するような場合に、たま
たまその歪んでいる部分に電子線を照射して得た電子線
回折像をもとに試料の方位合わせをすると、走査透過像
を観察すべき領域全体ではなくその歪んでいる局所部分
に方位が合わされてしまい、望む走査透過像を得ること
ができないことがある。
【0007】そして、電子線回折像の観察のみで方位合
わせ等のために試料を傾斜した場合、視野が移動してし
まい、合わせたつもりの結晶方位が観察目的の領域と異
なる領域のものであることがある。場合によっては、観
察視野を見失うという問題もある。それを防ぐために
は、短い間隔で何度も走査透過像観察と電子線回折像観
察を繰り返さなければならず、観察に時間を要した。
【0008】本発明の目的は、二次元検出器を必要とせ
ず簡単な構成で、走査透過像と電子線回折像の観察・記
録が可能な走査透過電子顕微鏡を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、同時に走査透過像と電子線
回折像の観察・記録が可能な走査透過電子顕微鏡を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、走
査透過電子顕微鏡に、試料の電子線走査領域全体の電子
線回折像を表示できる機能を付加することによって達成
される。この機能は、走査透過像取得時と電子線回折像
取得時とで対物レンズの励磁電流を切り替える機構によ
って実現できる。また、本発明の他の目的は、電子線の
走査と対物レンズの励磁電流の切り替えを連動させる機
構、例えば、一走査ごとに対物レンズの励磁電流を切り
替える機構と、電子線検出器で検出した信号から構成さ
れる試料の走査透過像と電子線回折像を一個あるいは複
数個の表示装置上に表示、記録する機構を設けることに
より達成される。
【0010】すなわち、本発明は、試料上に収束する電
子線で試料を走査し、試料を透過した電子線による試料
の走査透過像を表示する走査透過電子顕微鏡において、
走査透過像表示時に比較して光軸方向下流側で収束する
電子線、すなわち試料の下方で収束する電子線によって
試料を走査し、試料で回折された電子線による試料の電
子線回折像を表示する機能を有することを特徴とする。
【0011】本発明は、また、収束した電子線によって
試料を走査し、試料の走査透過像を表示する走査透過電
子顕微鏡において、試料の電子線回折像が対物レンズの
後焦点面に形成されるように、収束した電子線によって
試料を走査し、試料の電子線回折像を表示する機能を有
することを特徴とする。本発明は、また、収束した電子
線によって試料を走査し、試料を透過した電子線による
試料の走査透過像を表示する走査透過電子顕微鏡におい
て、試料に照射する電子線の照射角を切り替える手段を
備え、試料の走査透過像を表示する機能と、走査透過像
に相当する試料領域の電子線回折像を表示する機能とを
有することを特徴とする。
【0012】本発明は、また、電子銃と、電子銃から放
出された電子線を収束する収束レンズと、試料を透過し
た電子線を結像させる対物レンズと、電子線を走査する
走査手段と、試料を透過した電子線を検出する検出手段
と、検出手段の出力に基づいて像を表示する表示手段と
を含む走査透過電子顕微鏡において、対物レンズの励磁
電流を切り換える対物レンズ制御手段を備え、対物レン
ズ制御手段によって対物レンズを弱励磁にした状態で電
子線を走査することにより検出手段で試料から回折され
た電子線を検出し、表示手段に試料の電子線回折像を表
示する機能を有することを特徴とする。対物レンズ制御
手段が、対物レンズの後焦点面に試料の電子線回折像が
形成されるように対物レンズを走査透過像観察時と比較
して弱励磁にするとき、試料の電子線回折像が得られ
る。
【0013】また、本発明による走査透過電子顕微鏡
は、試料の走査透過像と電子線回折像を同時に表示する
機能を有することを特徴とする。走査透過像と電子線回
折像とは、1つの表示装置の別々の領域に個々に、ある
いは同じ領域に重ねあわせて表示してもよいし、別々の
表示装置に分離して表示するようにしてもよい。
【0014】試料の走査透過像と電子線回折像を1つの
表示装置に表示する場合には、走査透過像と電子線回折
像の表示を交互に行うようにすると好都合である。これ
は、例えば2つのフィールドで1つのフレーム画像を構
成する飛越し走査の場合に、交互にくるフィールドを順
番に走査透過像と電子線回折像に割り当てることによっ
て実行される。すなわち、1つのフィールドを試料の走
査透過像を取得するモードで電子線走査したなら、次の
フィールドは試料の電子線回折像を取得するモードに切
り替えて電子線走査を行う。また、走査線を一本走査す
る度に、走査透過像の表示と電子線回折像の表示を切り
替えるようにすることで2つの像を重ね合わせて表示す
ることもできる。試料の方位合わせなどのために試料を
傾斜しながら走査透過像と電子線回折像を観察する場合
に、2つの像を時間遅れなく観察するためには、試料面
上を走査する走査速度は10フレーム/秒以上であるの
が好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明による走査透過電
子顕微鏡の一例の基本構成図である。この走査透過電子
顕微鏡は、電子銃1、収束レンズ2、収束レンズ可動絞
り3、対物レンズ4、入射電子線5を試料6面上で走査
させる走査コイル7、走査回路8及びCRT等の表示装
置9による走査像観察装置10、投射レンズ11、絞り
12、検出器13を備える。それぞれのレンズにはレン
ズ電源15が接続され、レンズ電流15にはレンズ電流
を切り替えるための制御部16が接続されている。制御
部16は、走査回路8にも接続されている。
【0016】電子銃1から発生した電子線5は、収束レ
ンズ2により収束され、さらに強励磁の対物レンズ4の
前磁場により、試料6面上で収束される。細く絞られた
電子線プローブ5は走査コイル7によって試料6面上を
走査する。このとき試料6の各点から下方に透過あるい
は散乱された電子線17は、対物レンズ4、投射レンズ
11によって検出器13に集光される。投射レンズ11
と絞り12は、検出器13に入射する透過電子17の角
度範囲を制限する。検出器13に入った電子線17は、
時系列の電気信号に変換される。増幅器14で増幅され
たこの信号強度を走査コイル7の励磁と同期させてCR
T9に入力することにより、CRT9上に試料の走査透
過像が表示される。
【0017】電子線回折像を表示する場合は、制御部1
6により、対物レンズ4を弱励磁にするようレンズ電源
15を制御する。入射電子線5は、弱励磁の対物レンズ
4の前磁場により試料面上で一点に収束せず、ある広が
りをもって試料に入射する。試料に入射した電子線は、
対物レンズ4の後磁場の後焦点面に電子線回折像を形成
する。換言すると、対物レンズ4の後磁場の後焦点面に
試料の電子線回折像が形成されるように、対物レンズ4
の励磁電流を強励磁から弱励磁に変更する。
【0018】対物レンズ4が弱励磁の場合、試料6への
電子線の入射角は、走査領域の中心からの距離にしたが
って増加する。そのため、入射電子線5の走査と同期し
た形で、電子線入射角が変化し、電子線回折像の各スポ
ットが検出器13に入り、CRT9上に電子線回折像が
表示される。図2及び図3により、対物レンズの励磁状
態を変更することにより切り替えられる走査透過像観察
モードと電子線回折像観察モードについて説明する。図
2は試料を走査する電子線が光軸中心付近にあるときの
各観察モードの光線図、図3は試料を走査する電子線が
光軸中心から離れた位置にあるときの各観察モードの光
線図である。
【0019】最初に、図2(a)に示した走査透過像観
察時の光線図と、図2(b)に示した電子線回折像観察
時の光線図を参照する。実線は透過電子線の光路を表
し、点線は回折した電子線の光路を表す。図2(a)に
示すように、走査透過像観察時には、入射電子線5は、
強励磁の対物レンズ4の前磁場により大きな照射角αで
収束され、試料6面上で電子線プローブを形成する。試
料6を透過した電子線17は、対物レンズ4の後磁場及
び投射レンズ11により集光され、その一部が検出器1
3に入射する。試料6が結晶性の場合、入射電子線5の
一部は試料で回折され、対物レンズ4の後磁場によっ
て、対物レンズ4の後焦点面18に、広がりを持ったデ
イスク状の回折スポットが形成される。図の場合、試料
6で回折された電子線19は検出器13に入射しない。
【0020】一方、図2(b)に示すように、電子線回
折像観察時は、対物レンズ4の電流値を弱励磁側に変化
させることにより、試料6面上に入射する電子線5をプ
ローブ状ではなく、試料6面上で広がったスポット状と
して走査させる。試料6が結晶性の場合、対物レンズ4
の後磁場によって、やはり対物レンズ4の後焦点面18
に電子線回折像が結像される。しかし、試料6に対する
電子線5の照射角α′が図2(a)の場合の照射角αと
比較して小さいため、回折スポットはより直径の小さな
スポットとなる。図の場合、メインスポット21は光軸
上に位置し、検出器13に投影される。一方、回折スポ
ット22は光軸から離れた位置にあり、試料で回折され
た電子線19は検出器13に入射しない。
【0021】次に、電子線走査プローブの位置が光軸中
心より離れた位置での、走査透過像観察時の光線図であ
る図3(a)、及び電子線回折像観察時の光線図である
図3(b)を参照する。対物レンズ4を強励磁とした走
査透過像観察時には、図3(a)に示すように、電子線
走査プローブの位置が光軸中心より離れた位置でも、対
物レンズ4の後焦点面18のメインスポット及び回折ス
ポットは常に同じ位置にある。その結果、試料を走査す
る電子線5が光軸中心付近にある図2(a)の場合と同
様に、試料6を透過した電子線17の一部は検出器13
に入射するが、試料で回折された電子線19は検出器1
3に入射しない。
【0022】一方、対物レンズ4を弱励磁とした電子線
回折像観察時には、図3(b)に示すように、試料6に
入射する電子線5の入射角は光軸中心からの距離によっ
て大きく変化し、メインスポット31は対物レンズ4の
後焦点面18で光軸上から外れ、代わって回折スポット
32が後焦点面18で光軸上に位置する。その結果、図
3(b)の状態では、試料を透過した電子線17は検出
器13に入射せず、試料によって回折された電子線19
が検出器13に入射する。
【0023】以上の説明から理解されるように、対物レ
ンズ4を強励磁とした走査透過像観察モードにおいて
は、試料6を電子線5で走査するとき、検出器13には
常に試料6を透過した電子線17が入射し、電子線走査
と同期して走査される図1のCRT9上には試料6の走
査透過像が観察される。試料6で回折された電子線19
は検出器13に入射しない。一方、対物レンズ4を弱励
磁とした電子線回折像観察モードにおいては、対物レン
ズ4の後焦点面18に試料6によって回折された電子線
19による回折スポット32が形成され、光軸上に位置
する回折スポット32の回折電子線19が検出器13に
入射する。電子線5が試料6を走査するとき、試料6上
の電子線照射位置に応じて次々と回折角の異なる回折電
子線が光軸上に回折スポットを形成するため、走査回路
8(図1)からの走査信号に従って走査されるCRT9
上には試料6の電子線走査領域全体としての電子線回折
像が表示される。
【0024】図4に、図1に示した走査透過電子顕微鏡
による走査透過像と電子線回折像の一例を示す。図4
(a)は、図3(a)に対応する極低倍の、すなわち走
査範囲を絞り12よりも大きくした場合の走査透過像の
一例である。また、図4(b)は、図3(b)に対応す
る電子線回折像の一例である。前述のように、制御部1
6によって対物レンズ4の励磁電流を切り替えて試料5
を電子線走査することにより、走査透過像と電子線回折
像の表示切り替えを行うことが出来る。
【0025】図4は、試料の電子線走査領域の走査透過
像と電子線回折像を表示装置上に切り替え表示する例で
あるが、表示装置の同じ画面上に試料の走査透過像と、
その同じ試料領域の電子線回折像とを同時に表示するこ
ともできる。試料の走査透過像と電子線回折像を同じC
RT9上に同時に表示するためには、電子線5の走査と
対物レンズ4の励磁電流の切り替えを連動させる。
【0026】例えば、2つのフィールドで1つのフレー
ム画像を構成する飛越し走査の場合に、フレームを構成
する一方のフィールドを走査透過像取得モード(対物レ
ンズ強励磁)で電子線走査し、他方のフィールドを電子
線回折像取得モード(対物レンズ弱励磁)で電子線走査
することで、走査透過像と電子線回折像が重なり合った
画像が得られる。また、飛び越し走査をしない場合に
は、走査回路8の信号に同期して、レンズ電流制御部1
6が電子線5の一回の走査ごとに対物レンズ4の励磁電
流を変えるようにレンズ電源15を制御し、走査透過像
取得モードと電子線回折像取得モードの切り替えを行う
ことで、CRT9上に試料の同一領域の走査透過像と電
子線回折像が重ね合わされた画像が表示される。走査が
例えば10フレーム/秒以上の速さで行われることによ
り、CRT9上には、走査透過像と電子線回折像が表示
される。
【0027】図5は、走査透過像と電子線回折像の表示
方法の他の例を示す図である。前記のようにして走査透
過像と電子線回折像を重ねると、CRT9の中心部に電
子線回折像が重ねて表示され。図5は、走査透過像と電
子線回折像の表示の切り替えの際に、CRT9の表示領
域を変え、電子線回折像の表示位置をCRT9画面のコ
ーナー部分に移し、かつ表示する大きさを小さくして表
示するようにしたものである。
【0028】図6は、走査透過像と電子線回折像の表示
方法の他の例を示す図である。この例では、CRT9の
表示画面を2分割し、左右に分割された表示領域に走査
透過像と電子線回折像を表示するようにしたものであ
る。図7は、本発明による走査透過電子顕微鏡の他の例
の基本構成図である。図7において、図1と同じ機能部
分には図1と同じ番号を付して示す。図7に示した走査
透過電子顕微鏡が図1に示した走査透過電子顕微鏡と異
なるのは、走査像観察装置10に2個のCRT9a,9
bを用意した点である。上に示した実施例では、同一の
CRT9画面に走査透過像と電子線回折像を表示するよ
うになっているが、図7に示すようにCRTを2個用意
すると、一方のCRT9aに走査透過像を表示し、他方
のCRT9bに電子線回折像を別個に表示するようにで
きる。
【0029】結晶性試料の方位合わせの際には、まず走
査透過像により試料の観察領域を探し、その観察領域の
電子線回折像を観察しながら試料を傾斜させて方位合わ
せを行う。この方位合わせの際に試料を傾斜すると往々
にして観察視野が移動する。従来の走査透過電子顕微鏡
は、電子線回折像の観察時に、その電子線回折像が試料
の所望領域のものであるかどうかを確認することはでき
なかった。また、従来の走査透過電子顕微鏡による電子
線回折像は、試料上の微小なスポット領域の電子線回折
像であった。一方、本発明の走査透過電子顕微鏡による
と、走査透過像を観察しながら、その同じ試料領域の電
子線回折像を同時に観察することが可能である。また、
その電子線回折像は、試料の微小なスポット領域のもの
ではなく、試料の走査透過像を観察している領域と同じ
領域の全体についてのものである。本発明の走査透過電
子顕微鏡では、これらの特徴により、従来の走査透過電
子顕微鏡に比較して格段に向上した操作性が得られる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成で試料の走
査透過電子顕微鏡像と電子線回折像の観察、記録を行う
ことができ、また、走査透過電子顕微鏡像と電子線回折
像の同時表示が可能である。そして、試料傾斜時にも視
野観察が可能なため、視野を失うことなく容易に試料の
結晶方位合わせを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走査透過電子顕微鏡の一例の基本
構成図。
【図2】試料を走査する電子線が光軸中心付近にあると
きの2つの各観察モードの光線図。
【図3】試料を走査する電子線が光軸中心から離れた位
置にあるときの2つの観察モードの光線図。
【図4】本発明の走査透過電子顕微鏡による走査透過像
と電子線回折像の一例を示す電子顕微鏡写真。
【図5】本発明の走査透過電子顕微鏡による走査透過像
と電子線回折像の表示方法の他の例を示す電子顕微鏡写
真。
【図6】本発明の走査透過電子顕微鏡による走査透過像
と電子線回折像の表示方法の他の例を示す電子顕微鏡写
真。
【図7】本発明による走査透過電子顕微鏡の他の例の基
本構成図。
【符号の説明】
1…電子銃、2…収束レンズ、3…収束レンズ可動絞
り、4…対物レンズ、5…入射電子線、6…試料、7…
走査コイル、8…走査回路、9…CRT、10…走査像
観察装置、11…投射レンズ、12…絞り、13…検出
器、14…増幅器、15…レンズ電源、16…レンズ電
流制御部、17…試料を透過した電子線、18…対物レ
ンズの後焦点面、19…試料で回折された電子線、21
…メインスポット、22…回折スポット、31…メイン
スポット、32…回折スポット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 隆仁 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 今野 充 茨城県ひたちなか市堀口字長久保832番地 2 日立計測エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 上野 武夫 茨城県ひたちなか市堀口字長久保832番地 2 日立計測エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 砂子沢 成人 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内 Fターム(参考) 5C033 DE02 SS01 SS03 SS07 UU06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料上に収束する電子線で試料を走査
    し、試料を透過した電子線による試料の走査透過像を表
    示する走査透過電子顕微鏡において、 試料の下方で収束する電子線によって試料を走査し、試
    料で回折された電子線による試料の電子線回折像を表示
    する機能を有することを特徴とする走査透過電子顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】 収束した電子線によって試料を走査し、
    試料の走査透過像を表示する走査透過電子顕微鏡におい
    て、 試料の電子線回折像が対物レンズの後焦点面に形成され
    るように、収束した電子線によって試料を走査し、試料
    の電子線回折像を表示する機能を有することを特徴とす
    る走査透過電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 収束した電子線によって試料を走査し、
    試料を透過した電子線による試料の走査透過像を表示す
    る走査透過電子顕微鏡において、 試料に照射する電子線の照射角を切り替える手段を備
    え、試料の走査透過像を表示する機能と、前記走査透過
    像に相当する試料領域の電子線回折像を表示する機能と
    を有することを特徴とする走査透過電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】 電子銃と、前記電子銃から放出された電
    子線を収束する収束レンズと、試料を透過した電子線を
    結像させる対物レンズと、電子線を走査する走査手段
    と、試料を透過した電子線を検出する検出手段と、前記
    検出手段の出力に基づいて像を表示する表示手段とを含
    む走査透過電子顕微鏡において、 前記対物レンズの励磁電流を切り換える対物レンズ制御
    手段を備え、前記対物レンズ制御手段によって前記対物
    レンズを弱励磁にした状態で電子線を走査することによ
    り前記検出手段で試料から回折された電子線を検出し、
    前記表示手段に試料の電子線回折像を表示する機能を有
    することを特徴とする走査透過電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の走査透過電子顕微鏡にお
    いて、前記対物レンズ制御手段は、電子線回折像観察時
    には前記対物レンズの後焦点面に試料の電子線回折像が
    形成されるように前記対物レンズを走査像観察時と比較
    して弱励磁にすることを特徴とする走査透過電子顕微
    鏡。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の走査
    透過電子顕微鏡において、試料の走査透過像と電子線回
    折像を同時に表示する機能を有することを特徴とする走
    査透過電子顕微鏡。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項記載の走査
    透過電子顕微鏡において、走査透過像と電子線回折像の
    表示を交互に行う機能を有することを特徴とする走査透
    過電子顕微鏡。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項記載の走査
    透過電子顕微鏡において、走査線を一本走査する度に、
    走査透過像の表示と電子線回折像の表示を切り替えるこ
    とを特徴とする走査透過電子顕微鏡。
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