JP2011071178A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に、酸化剤によるモノマーの重合反応、洗浄、そして乾燥を1回以上繰り返す化学酸化重合による導電高分子層と、その表面にポリマー塗布による導電高分子層とを設ける固体電解コンデンサの製造方法において、重合膜の導電パスにダメージを与えずに製造または実装が可能で、その上の層であるポリマー塗布による導電高分子層との濡れ性や密着性の改善が可能で、それによりコンデンサとしてのESR特性に優れた固体電解コンデンサの製造方法を提供するものである。
【解決手段】化学酸化重合における上記洗浄液として、あるいはポリマー塗布による導電高分子層を設ける前にその表面に浸漬処理する浸漬処理液として、ジメチルスルホキシドを含有する液を使用する固体電解コンデンサの製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関する。特に、固体電解コンデンサの導電高分子層の製造方法に関する。
固体電解コンデンサ、たとえば焼結タイプのコンデンサは、陽極用リードの一端を埋め込んだ、タンタルまたはニオブなどを多孔質焼結体にして表面積を拡大した焼結体素子の表面に化成工程による酸化被膜を設け、その表面に、二酸化マンガンまたはポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子からなる固体電解質層を形成させ、その表面に、導電ペーストによる陰極層を順次設け、焼結体素子の最外層の陰極層に導電ペーストによる導電性接着剤を介して陰極端子板に接続するとともに、溶接等により陽極用リードに陽極端子板を接続している。そしてコンデンサ素子等を絶縁樹脂等からなる外装によるモールド金型成形などの方法により被覆し、陽極端子板及び陰極端子板は外装から引き出している。
ところで、導電性高分子層の製造方法には、導電性高分子となるモノマーに、酸化剤とドーパントを加え、弁作用金属の誘電体酸化皮膜上で重合反応させて導電性高分子層を形成する化学酸化重合工法がある。この方法は、多孔質焼結体内部への浸透性は良好であるが、膜厚が厚くできにくいため、その化学酸化重合により形成された高分子層を下地として電解重合工法により厚く高分子層を形成する方法等がある。また、電解重合工法より膜作成が簡素化できる、ポリマー化した導電性高分子溶液を多孔質体に含浸させ、乾燥・塗膜化することで弁作用金属の誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を形成する方法もある。
しかしながら、ポリマー化した分子量の大きい導電性高分子溶液を用いると、多孔質焼結体内部への導電性高分子溶液の浸透性は低く、細孔径の小さい焼結体ほど多孔質焼結体内部に導電性高分子の膜が形成されにくい。このため、特許文献1のように、まず、化学酸化重合工法により、導電性高分子となるモノマーに、酸化剤とドーパントを加え、弁作用金属の誘電体酸化皮膜上で反応させて導電性高分子層を形成する。次に、ポリマー化した導電性高分子溶液を多孔質体に含浸させ、乾燥・塗膜化することで弁作用金属の誘電体酸化皮膜上に導電性高分子層を積層する方法が提案されている。
特開2005−252213公報
酸化剤と有機化合物であるモノマーを含浸し、重合していく化学酸化重合方法は、酸化剤と未反応のモノマーが化学酸化重合膜中に残留しやすく、等価直列抵抗(ESR)や漏れ電流(LC)などの特性を低下させたり、重合膜の表面に析出して、その上の層であるポリマー塗布による第2導電性高分子層との濡れ性や密着性に悪影響を及ぼしてしまう恐れがある。
本発明は、上記問題を解決するものであり、等価直列抵抗(ESR)や漏れ電流(LC)など特性の低下を改善し、その上の層であるポリマー塗布による第2導電性高分子層との濡れ性や密着性の改善が可能で、それによりコンデンサとしてのESR特性に優れた固体電解コンデンサの製造方法を提供するものである。
本発明は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に、酸化剤によるモノマーの重合反応、洗浄、そして乾燥を1回以上繰り返す化学酸化重合による第1導電性高分子層と、その表面にポリマー塗布による第2導電性高分子層とを設ける固体電解コンデンサの製造方法において、化学酸化重合における上記洗浄液、あるいはポリマー塗布による導電性高分子層を設ける前に化学酸化重合による第1導電性高分子層の表面を浸漬処理する浸漬処理液として、ジメチルスルホキシドを含有する液を使用する固体電解コンデンサの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、酸化剤とモノマーとの両方の溶解性に優れたジメチルスルホキシドを、化学酸化重合における上記洗浄液、あるいはポリマー塗布による第2導電性高分子層を設ける前に化学酸化重合による第1導電性高分子層の表面を浸漬処理する浸漬処理液として使用することにより、化学酸化重合による第1導電性高分子層の層内もしくは層間、またはその表面に設けたポリマー塗布による第2導電性高分子層との層間の密着性、濡れ性が改善され、それによりコンデンサとしてのESR特性に優れた固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
本発明に係る固体電解コンデンサを示している。
本発明に述べる誘電体酸化皮膜は、金属表面を陽極酸化などによって誘電体膜となる酸化膜を形成するものである。
本発明に述べる弁作用金属は、タンタルやニオブまたはアルミニウムなどの金属または合金をさし、固体電解コンデンサ用としては、表面積を拡大したもので、粉体状にして焼結したり、箔状のものをエッチングしたりして、多孔質体化したものである。
本発明に述べる化学酸化重合による第1導電性高分子層は、化学酸化重合法により形成した層である。
具体的には、たとえば、酸化剤、ドーパント、モノマーを混合し、重合が進行している溶液に浸漬させる方法と、モノマーとドーパントと酸化剤とを次の2種類の溶液に分けて、弁作用金属の多孔質体を交互に浸漬して重合させる方法とを採用できる。2種類の分け方は、a)モノマーとドーパントとを溶解した溶液及び酸化剤を溶解した溶液,b)モノマーを溶解した溶液及び酸化剤とドーパントとを溶解した溶液、c)モノマーとドーパントとを溶解した溶液及び酸化剤とドーパントとを溶解した溶液の3通りとする。浸漬した弁作用金属は、空気中に放置・乾燥中に重合が完了し、固体電解質が、弁作用金属の多孔質体表面に定着する。このような重合工程の操作は1回以上、好ましくは3回〜20回繰り返すことによって緻密で層状の導電性高分子層を容易に形成することができる。
モノマーは、アセチレンやパラフェニレン、ピロール、p−フェニレンビニレン、アニリン、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、フラン、またはこれらの置換誘導体の重合性化合物が選択できる。
ドーパントは、高分子の膜に導電性を付与するもので、高分子の膜中に添加される。例えば、ドーパントを付与する物質としては、スルホン酸化合物やカルボン酸化合物、リン酸化合物、硫酸等を用いる。特にスルホン酸化合物としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、スルホンイソフタル酸やスルホコハク酸、メタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホサリチル酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸及びその誘導体、カンファースルホン酸、スルホン酢酸、ジフェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸及びその誘導体、アントラキノンスルホン酸及びその誘導体等の酸を用いる。この酸化合物の濃度は0.05〜1.0mol/L程度にする。また、ドーパントを付与する物質として用いる塩化合物には、前記の酸化合物のアンモニウム塩やナトリウム塩、カリウム塩を用いる。すなわち、スルホン酸化合物の場合には、アンモニウム塩としてスルホイソフタル酸アンモニウムやスルホコハク酸アンモニウム、メタンスルホン酸アンモニウム、フェノールスルホン酸アンモニウム、スルホサリチル酸アンモニウム、ベンゼンスルホン酸アンモニウム、ベンゼンジスルホン酸アンモニウム、アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム及びその誘導体、カンファースルホン酸アンモニウム、スルホン酢酸アンモニウム、ジフェノールスルホン酸アンモニウム等の塩を用いる。そしてナトリウム塩としては、スルホイソフタル酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、メタンスルホン酸ナトリウム、フェノールスルホン酸ナトリウム、スルホサリチル酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンジスルホン酸ナトリウム,アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びその誘導体、カンファースルホン酸ナトリウム、スルホン酢酸ナトリウム、ジフェノールスルホン酸ナトリウム等の塩を用いる。さらに、カリウム塩としては、スルホイソフタル酸カリウムやスルホコハク酸カリウム、メタンスルホン酸カリウム、フェノールスルホン酸カリウム、スルホサリチル酸カリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンジスルホン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム及びその誘導体、カンファースルホン酸カリウム、スルホン酢酸カリウム、スルホアニリン、ジフェノールスルホン酸カリウム等の塩を用いる。そしてこれらのアンモニウム塩やナトリウム塩、カリウム塩の化合物の濃度も0.05〜1.00mol/L程度にする。また塩化合物の溶解度を高めて液中の濃度を下げるために塩酸や硫酸等を添加してもよい。これらの化合物は単独で、又は二種以上混合して用いることができる。
また、ドーピング溶液は、例えばドーパントあるいはドーパントと酸化剤とを有機溶媒もしくは水溶媒に溶解した組成にする。液中のドーパントや酸化剤の濃度は0.01〜1モル/Lの範囲が好ましい。
そして有機溶媒は、例えば、アルコール系やグリコール系、エーテル系、ケトン系あるいはこれ等に水を加えたものを使用する。アルコール系の溶媒には、メタノールやエタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等を用いる。グリコール系の溶媒は、エチレングリコールやジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等を用いる。エーテル系の溶媒は、メチルセロソルブやエチルセロソルブ、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジグライム、トリグライム、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を用いる。ケトン系の溶媒はアセトン等を用いる。
酸化剤としては、具体的には、例えばFeClやFeClO、Fe(有機酸アニオン)塩等のFe(III)系化合物類、または無水塩化アルミニウム/塩化第一銅、アルカリ金属過硫酸塩類、過硫酸アンモニウム塩類、過酸化物類、過マンガン酸カリウム等のマンガン類、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、テトラシアノ−1,4−ベンゾキノン等のキノン類、よう素、臭素等のハロゲン類、過酸、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸等のスルホン酸、オゾン等及びこれら複数の酸化剤の組み合わせが挙げられる。
これらの中で、前記Fe(有機酸アニオン)塩を形成する有機酸アニオンの基本化合物としては、有機スルホン酸または有機カルボン酸、有機リン酸、有機ホウ酸等が挙げられる。有機スルホン酸の具体例としては、ベンゼンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、α−スルホ−ナフタレン、β−スルホ−ナフタレン、ナフタレンジスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸(アルキル基としてはブチル、トリイソプロピル、ジ−t−ブチル等)等が使用される。
一方、有機カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、シュウ酸等が挙げられる。さらに本発明においては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸ポリ−α−メチルスルホン酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリリン酸等の高分子電解質アニオンも使用される。なお、これら有機スルホン酸または有機カルボン酸は単なる例示であり、これらに限定されるものではない。また、前記アニオンの対カチオンとしては、H、Na、K等のアルカリ金属イオン、または水素原子やテトラメチル基、テトラエチル基、テトラブチル基、テトラフェニル基等で置換されたアンモニウムイオン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。前記の酸化剤のうち、特に好ましいのは、3価のFe系化合物類、または塩化第一銅系、過硫酸アルカリ塩類、過硫酸アンモニウム塩類酸類、キノン類を含む酸化剤である。
本発明に述べるポリマー塗布による第2導電性高分子層は、導電性ポリマーを主体としたペーストを塗布後固化した層である。導電性ポリマーを主体としたペーストとしては、たとえば、導電性ポリマー溶液ペーストや導電性ポリマーの分散液を用いる。
導電性ポリマー溶液ペーストは、主に導電性ポリマーとバインダと溶剤とからなり、その他必要に応じて添加される添加剤とからなる。導電性ポリマーとしては、ポリアニリンやポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン等の導電性のポリマーで、溶剤に溶解可能な状態のものが選択される。
バインダとしては、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、セルロースや、それらのエラストマー等があげられる。
添加剤としては、たとえば、架橋剤、流動調整剤があげられる。
架橋剤としては、例えば官能性シラン、例えば、テトラアルコキシシシランなどの官能性シランや架橋性ポリマーなどがあげられる。
流動調整剤としては、合成石英、熔融石英、二酸化マンガン、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、ガラス粉等の無機酸化物フィラー、窒化ケイ素や窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の無機酸化物フィラー、炭化ケイ素や炭化ホウ素等の炭化物フィラー等や、カーボン、非溶剤性導電性ポリマー等の導電フィラーなどがあげられ、分散剤を添加して用いられる。
このフィラーの平均粒子径は0.1μmから50μmの範囲がよく、特に0.5μmから10μmの範囲が好ましい。この平均粒子径が0.1μmより小さいと、配合量が少ない場合には、導電性ポリマーの溶液の流動性が改善され難くなる。また、導電性ポリマー溶液中のフィラーの配合量は、導電性ポリマーに対して体積比で0.01%から30%の範囲が好ましい。特に、無機フィラーは導電性ポリマーに比べると導電率が一桁〜数桁程度低いため、その配合量が上記の範囲を越えると固体電解コンデンサのインピーダンス特性が劣化し易くなる。
溶剤としては、水または有機溶剤を用いる。有機溶剤としては、例えば、ケトン類やエステル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、ニトリル類、セルソルブ類、含チッ素化合物等を用いられる。
導電性ポリマ−の分散液は、主に導電性ポリマー粒子とバインダと分散剤と溶剤からなり、その他必要に応じて添加される添加剤とからなる。それらの材料は、上記導電性ポリマ−溶液ペースト用の材料からも選択できる。バインダと分散剤とは兼用される場合もある。
溶剤としては、上記有機溶剤のほか、特に水またはアルコール、またはその混合物を使用する。
導電性ポリマー粒子は、上記導電性ポリマーの溶剤に不溶な状態のものが選択される。
分散剤は、ポリビニルアルコールなどの上記バインダのほか、アルキルグリコキシド、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等の界面活性剤などを用いられる。
ポリマー塗布による第2導電性高分子層は、化学酸化重合から形成される層に比べ、ペースト剤の添加により、層自体の可塑性、強靱性などの物性のほか、その前後の層との接着性を改善しやすくなる。
本発明に述べるジメチルスルホキシドを含有する液は、ジメチルスルホキシド単独液、または溶剤に溶かした液をさす。溶剤としては、水または有機溶剤を用いる。有機溶剤としては、例えば、ケトン類やエステル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、ニトリル類、セルソルブ類、含チッ素化合物等を用いる。
そして、化学酸化重合における上記洗浄液として、あるいはポリマー塗布による導電性高分子層を設ける前に化学酸化重合による第1導電性高分子層の表面を浸漬処理する浸漬処理液として、ジメチルスルホキシドを含有する液を使用する。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る固体電解コンデンサを示している。
陽極用リード1は、タンタル、ニオブまたはアルミニウム等の弁作用金属の、直径が0.1mmから0.5mm程度の線状や、厚さ0.1mmから0.5mm程度の短冊薄板状からなる。
コンデンサ素子2は、陽極用リード1の一端を埋め込んで、タンタルやニオブまたはアルミニウム等の弁作用金属の、平均粒径1μm程度の微粉末に、アクリルやカンファー等のバインダを混合した粉末をプレス加圧成形し、次いで真空中において焼結して形成した海綿状の多孔質方体の陽極体3と、この陽極体3に陽極酸化皮膜(図示せず)と、導電性高分子層4の固体電解質層と、陰極集電体層5とを順次設けたものからなる。
陽極体3は、成形した海綿状の焼結体で、陽極用リード1の一端を埋め込んで、弁作用金属の微粉末に、アクリル系樹脂やカンファー等のバインダを混合した粉末をプレス加圧成形し、次いで真空中において焼結して形成した多孔質体化した焼結体である。
導電性高分子層4は、誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に設けた、酸化剤とモノマーとの重合、洗浄、そして乾燥を1回以上繰り返す化学酸化重合による第1導電性高分子層4aと、その第1導電性高分子層4aの表面に設けた導電性ポリマ−溶液ペーストまたは導電性ポリマ−の分散液ペーストを塗布した第2導電性高分子層4bとからなっている。
6は、陰極端子板で、導電性接着剤やはんだ等の接続体7によりめっき層の陰極集電体層5に接続される。
8は、陽極端子板で、抵抗溶接やレーザ溶接等の溶接や導電性接着剤により陽極用リード1に接続される。
9は、外装で、エポキシ樹脂等の封止樹脂等でコンデンサ素子2等を封止する。陰極端子板6と陽極端子板8は、図1ではこの外装9の横から下に向かって露呈させている。
定格10V,100μFのタンタルチップ型固体電解コンデンサの製造方法について述べる。弁作用金属として、タンタルの微粉末を用い、これにアクリル樹脂をバインダとして加えた微粉末を、タンタル製の陽極用リード線の一端を埋め込んだ状態にして、プレス機により圧縮成形する。そしてこの成形体を真空中で加熱処理し、焼結して、幅3mm、厚さ1.5mm、長さ4mmの直方体形状の多孔質体化した焼結体を形成した。
次に、焼結体を希リン酸液中に浸漬し、直流電圧30Vを印加して、誘電体皮膜を形成した。誘電体皮膜を形成後、0.1mol/Lのチオフェンモノマーのメタノール水溶液と、酸化剤溶液である0.1mol/Lのドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄のメタノール水溶液を準備した。
次に、陽極体を酸化剤溶液に含浸し室温で20分乾燥した。その後にチオフェンモノマー溶液に含浸し室温で60分保持して化学酸化重合した後に、水洗・乾燥を行った。そしてこの一連の操作を10回繰り返して、陽極体の内部表面に化学酸化重合した第1導電性高分子層を設けた。第1導電性高分子層を形成した後、濃度が0.1mol/Lのジメチルスルホキシドの水溶液中に20〜30分間浸漬する。浸漬後、温度110℃で30分間程度乾燥する。
次に、乾燥後、第2導電性高分子層を主に導電性ポリマーとバインダと溶剤からなる導電性ポリマ−溶液ペーストにより形成する。すなわち、導電性ポリマーとしてチオフェンポリマー粉末:20質量%、バインダとしてポリビニルアルコール:1質量%のn−メチル−2−ピロリドンに溶解したものを使用し、前記の化学酸化重合した第1導電性高分子層の表面に導電性ポリマ−の塗布を2度繰り返した。その後加熱乾燥した。
次に、厚さ0.1mmのリードフレームの陰極端子部に素子の陰極集電体層を銀導電性ペーストにより接続するとともに、リードフレームの陽極端子部に陽極用リード線を溶接して、焼結体をリードフレームに取り付けた。素子をリードフレームに取り付け後、エポキシ樹脂を用いてトランスファーモールド法により外装を形成した。外装を形成後、エージング処理を行い、リードフレームを切断除去し、陰極端子及び陽極端子をフォーミングし、チップ型の固体電解コンデンサとした。
第1導電性高分子層の作成において、誘電体皮膜を形成後、0.1mol/Lのチオフェンモノマーのメタノール水溶液と、酸化剤溶液である0.1mol/Lのドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄のメタノール水溶液を準備した。
次に、陽極体を酸化剤溶液に含浸し室温で20分乾燥した。その後にチオフェンモノマー溶液に含浸し室温で60分保持して化学酸化重合した後に、洗浄・乾燥を行った。洗浄は、濃度が0.1mol/Lのジメチルスルホキシドの水溶液中に10分間浸漬し洗浄した。洗浄後、温度110℃で30分間程度乾燥する。そしてこの一連の操作を10回繰り返して、焼結体表面に化学酸化重合した第1導電性高分子層を設けた。それ以外は実施例1と同様におこなった。
第2導電性高分子層の作成において、導電性ポリマ−の分散液ペースト層を形成する方法として、3,4−エチレンジオキシチオフェン:0.1mol/L、ポリスチレンスルホン酸、ドーパンであるナフタレンスルホン酸:0.1mol/Lと酸化剤である過硫酸アンモニウム:0.05mol/Lを水溶媒中で化学酸化重合させ、不用物を除去して導電性ポリマーの分散液を得た。次に、この導電性ポリマー分散液を使用して、化学酸化重合した第1導電性高分子層の表面に導電性ポリマ−の塗布を行う以外実施例1と同様に行った。
第1導電性高分子層の作成として実施例2の方法とし、第2導電性高分子層の作成として実施例3の方法とし、それ以外は実施例1と同様におこなった。
(比較例1−4)
ジメチルスルホキシドを含有する液を使用しない以外は各実施例と同様におこなった。
以上、実施例および比較例のESRと漏れ電流を測定し(n=20)、表1の結果を得た。
ESRの測定は100kHzで、漏れ電流の測定は、10Vで、5分間印加したときの値とした。
以上の結果より、ジメチルスルホキシドを含有する液を使用する本発明は、そうしない場合と比べて、漏れ電流の増加を抑えながら、ESRを低下させることができる。
Figure 2011071178
1…陽極用リード、2…コンデンサ素子、3…陽極体、4…導電性高分子層、4a…第1導電性高分子層、4b…第2導電性高分子層、5…陰極集電体層、6…陰極端子板、7…接続体、8…陽極端子板、9…外装。

Claims (1)

  1. 誘電体酸化皮膜が形成された弁作用金属表面に、酸化剤によるモノマーの重合反応、洗浄、そして乾燥を1回以上繰り返す化学酸化重合による第1導電性高分子層と、その表面にポリマー塗布による第2導電性高分子層とを設ける固体電解コンデンサの製造方法において、化学酸化重合における上記洗浄液として、あるいはポリマー塗布による導電性高分子層を設ける前に化学酸化重合による第1導電性高分子層の表面を浸漬処理する浸漬処理液として、ジメチルスルホキシドを含有する液を使用する固体電解コンデンサの製造方法。
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