JP2011069361A - 回転機械の先端クリアランス制御機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】漏出流を低減し、先端渦サイズ並びにタービン効率を改善する主流への貫通を最小限にするための先端クリアランス制御機構を提供すること。
【解決手段】先端クリアランス制御機構は、回転シュラウドの配置及びシュラウド形状、歯の種々の形状及び回転シュラウド上の位置、並びに1以上の歯の種々の形状及び固定シュラウド上の位置、或いは同程度の先端クリアランス制御を提供するケーシング壁構成を含む。漏出流の低減は、これらの構成部品がどのように共に組み付けられるかによって決まり、回転シュラウドと固定シュラウドとの間のクリアランスを定義する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、全体的にタービンエンジンに関し、より具体的には、タービンエンジンのタービンブレードにおける先端クリアランス制御機構に関する。
タービン段は、アニュラスにおいて固定ベーンの1つの列とこれに続く回転ブレードの1つの列とからなる。流れは、ベーンにおいて部分的に膨張され、回転ブレードに配向され、ここでさらに膨張されて必要な出力を発生する。機械的作動上の安全性を確保するために、回転ブレードの先端とタービンエンジンのケーシングの外側アニュラス壁との間には、最小限の物理的クリアランス要件がある。このクリアランスは、ロータ動特性並びにロータ及びケーシングの熱挙動に基づいて変わる。物理的クリアランスの減少は、信頼性上の問題を引き起こすことになる。
タービンブレードは、ガス又は蒸気などの作動流体からの熱エネルギーをロータが回転する機械的仕事に変換するよう設計された一連の段における回転する翼形部型構成部品である。クリアランス区域から出る高エネルギー流は、段性能において20%の損失、すなわち出力低下を占めることになる。タービンの性能は、ブレード先端の外側縁部をシールして、作動流体がブレード先端とタービンの外側ケーシングとの間のギャップに漏出するのを阻止することによって向上させることができる。タービンブレード先端とタービンケーシング間のギャップをシールするための一般的な方法は、ブレード先端シュラウドによるものである。シュラウドがよりタービン性能を向上させるだけでなく、特に半径方向長さが大きなタービンブレードにおいて振動ダンパーとしても機能する。シュラウドは、固有周波数を高める機構として働き、その結果、固有周波数でのブレードの共鳴時間が長くなることに起因する故障が最小限に抑えられる。
図1には、典型的なタービンブレードの一部が、シュラウド(タービンバケットカバー又は先端カバーとも呼ばれる)と共に図示されている。タービンブレード10は、翼形部セクション11及びシュラウド12を含む。シュラウド12は、翼形部11に一体的に製造することができる。翼形部はさらに、シュラウド12とほぼ垂直に延びる前縁15及び後縁16を含む。シュラウド12は、ある厚みを有し、隣接するタービンブレードが存在するときに連結構成を生成するよう切断できる側壁17を有する。連結機構は、2つの軸受面に沿って存在し、ここで隣接するタービンブレード(図示せず)がシュラウド12に接触する。この連結機構は、軸受面13でのタービンブレードシュラウド12の連結機構であり、振動減衰手段並びにタービンガス通路内の作動流体をシールする手段を提供する。典型的なタービンブレードシュラウドの追加機能は、ナイフエッジ先端シール(ロータ歯又は歯シールとも呼ばれる)14とすることができる。ブレードシュラウドのサイズに応じて、1以上の先端シールを利用することができる。これらのシールは、互いに平行で、通常はエンジン軸線18に垂直にわたり、シュラウド12から外向きに延びている。これらのシールの目的は、タービンケーシング(図示せず)のシュラウドブロックを係合し、ブレード先端周りの漏出をさらに最小限にし、バケット先端がケーシングを摩擦する場合の機械的衝撃を低減することである。先端漏出は、他の場合には主流路に流れてタービンブレード上で仕事をするはずの作動流体を分流する。先端漏出はさらに、渦サイズ及び強度の増大をもたらす可能性があり、ブレードから下流側の主蒸気流路を突き抜けて、背圧を上昇させ、これにより段効率を低下させる場合がある。しかしながら、先端シールとケーシングシュラウド間のクリアランスは、熱膨張及び回転非対称に対処するために設ける必要がある。完全に覆われたタービンブレード先端は、先端渦サイズ、強度、及び先端漏出が低減されることに起因して、未被覆バケット先端よりも優れた空力性能を有する。
シュラウドの目的は、流路内の作動流体をシールすること、並びに振動抑制手段を提供することであるが、シュラウドには欠点もある。シュラウド概念の欠点は、タービンブレードにシュラウド重量が付加されることである。作動中、タービンブレードはエンジン軸線周りにディスク上で回転する。典型的な産業上の応用は、最大3600回転/分のディスク速度を含む。ブレードは、ブレード根元とディスクとの間の連結遮断によってディスク内に保持される。タービンブレードが回転すると、遠心力によりブレードがこの取り付け点においてタービンディスクに外向きに荷重を加えるようになる。ディスク及びひいてはブレード根元への荷重の量は、ブレードの重さの関数である。すなわち、ブレードが重くなるほど、所与の毎分回転数においてより大きな荷重及び応力がブレード及びディスク間の境界面に見られる。ブレード根元及びディスクへの過剰な荷重は、各構成部品の寿命全体を短縮する可能性がある。シュラウドに対する別の欠点は、ブレードシュラウドのクリープ巻き上げである。シュラウドの厚みに応じて、シュラウド縁部が端部において巻き上がり、シュラウド及びブレード先端間のフィレットに過酷な撓み応力を生じる可能性がある。シュラウド巻き上げは、ガス圧力荷重並びに遠心荷重によるシュラウドの縁部に加わる曲げ荷重に起因する。シュラウドの巻き上げは、ビームの自由端部での荷重にキンした片持ちビームの撓みと似ている。この巻き上げ現象に対する産業上の公知の調整は、シュラウドの断面厚みを均一に増大させて、より剛性のあるシュラウド及びより強い巻き上げ耐性をもたらすことである。単にシュラウド厚みを均一に増大させることの不利点は、この追加材料によりシュラウドに付加される重量の追加である。
上述のように、先端カバーがタービンケーシング壁を摩擦するのを阻止し、先端漏出をさらに低減するために、1つ又は複数のタービン歯を先端カバーの上部に配置することができる。幾つかの応用では、根元歯は、ケーシングシュラウドから懸下され且つロータ歯と一体化されるステータ歯を伴うことができる。
米国特許第7,255,531号公報
従って、タービンブレードの先端漏出を制限しながら、同時に段子効率を高めることが望ましい。
本発明の第1の態様によれば、低圧蒸気タービンの段のための回転機械先端クリアランス制御機構が提供される。クリアランス制御機構は、外側半径方向先端上に配置されたロータブレードシュラウドを有する翼形部を含むロータブレードを提供する。ロータ歯は、ロータブレードシュラウド上に半径方向外向きに突出し、該ロータ歯は翼形部の翼弦に対してほぼ中心に配置される。ケーシングシュラウドは、ロータブレードシュラウドから半径方向外向きに配置することができる。少なくとも1つのステータ歯は、ケーシングシュラウド上に設けられる。ステータ歯は、半径方向内向きに突出し、ロータ歯に対して軸方向に配置することができる。クリアランス区域は、ロータブレードとケーシングシュラウドとの間に形成することができ、漏出流を制限して段効率を高めるよう適合される。
本発明の別の態様は、ロータブレードのロータブレードシュラウドとケーシングシュラウドとの間で低圧蒸気タービンの段のロータブレード用の先端クリアランス制御機構を可能にする方法を提供する。本方法は、先端シュラウドの形状を選択する段階と、ロータ歯形状を選択する段階と、ロータ歯の数を選択する段階と、ステータ歯形状を選択する段階と、ステータ歯の数を選択する段階と、を含む。
本発明のこれら及び他の目的並びに利点は、同じ参照符号が図面全体を通じて同じ要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによってより深く理解されるであろう。
タービンブレードの従来技術のシュラウドを示す図。 ステータ歯の数及び配置並びにロータ歯の数及び配置を変化させた、ロータ先端シュラウド構成の複数の配置の図。 複数のステータ歯構造体の図。 複数のステータ歯構造体の図。 ステータ歯をケーシングの一体化部分として形成することができる、種々の例示的な先端クリアランス制御構成を示す図。 ロータブレードシュラウド上に本発明のクリアランス機構を組み込んだタービンブレードを示す図。 本発明の先端クリアランス制御機構におけるロータシュラウド及びケーシングシュラウドの構成部品の幾何学的パラメータを示す図。 低圧蒸気タービンの大型ブレード用のロータブレードシュラウドの上面の平面図。 ロータブレードシュラウドの後端上の典型的な位置に配置された単一の従来ロータ歯を越える漏出流を示す図。 低圧タービンの最終段ブレード上のクリアランス機構の好ましい実施形態に対する漏出流制御を示す図。 低圧タービンの最後から2番目のロータブレードシュラウドの後端上の典型的な位置に配置された単一の従来ロータ歯を越える漏出流を示す図。 低圧タービンの最後から2番目のクリアランス機構の好ましい実施形態に対する漏出流を示す図。 低圧蒸気タービンのロータブレード用のクリアランス機構を形成するための方法500のフローチャート。
本発明の以下の実施形態は、バケット先端漏出流の低減、ロータトルク仕事の増大、先端渦により引き起こされる混合損失の最小化、タービン性能の改善、及び先端カバー重量の低減を含む、多くの利点を有する。
本発明は、漏出流を低減し、先端渦サイズ並びにタービン効率を改善する主流への貫通を最小限にするための先端クリアランス制御機構を備えた回転機械に関する。先端クリアランス機構は、回転シュラウドの配置及びシュラウド形状、歯の種々の形状及び回転シュラウド上の位置、並びに1以上の歯の種々の形状及び固定シュラウド上の位置又は同程度の先端クリアランス制御を提供するケーシング壁構成を含む。漏出流の低減は、これらの構成部品がどのように共に組み付けられるかによって決まり、回転シュラウドと固定シュラウドとの間のクリアランスを定義する。
図2、2B、2C、及び2Dは、回転機械用の本発明の先端クリアランス制御機構を設定するよう考慮することができる種々の例示的な本発明の構成を示している。
図2Aは、ステータ歯の数及び配置並びにロータ歯の数及び配置を変化させた、ロータ先端シュラウド構成の複数の例示的な本発明の配置を示す。ロータ先端シュラウド構成は、高度がほぼ下流側の側部と組み合わされる上流側の側部上のスロープを備えた上面を含むことができる。ロータ先端シュラウドは、1つの段部で隔てられた高度がほぼ下流側の側部と上流側の側部上にあるスロープを備えた上面を含むことができる。
図2Bは、複数の例示的な本発明のステータ歯構造を示す。ステータ歯50は、漏出流に対してほぼ下流方向のクリアランス通路への延長部を含む。
ステータ歯50の上流面51は、固定シュラウド45の上流面52に円滑に一体化されるよう曲線輪郭にすることができる。下流面53は平坦とすることができる。ステータ歯55は、固定シュラウド45に垂直なクリアランス通路に延びるほぼ一定の厚みの第1の断面56と、漏出流に対して下流方向のクリアランス通路にさらに延びるほぼ先細の断面57とを含むことができる。ステータ歯60は、固定シュラウド45に垂直なクリアランス通路に延びるほぼ一定の厚みの第1の断面61と、漏出流に対して上流方向のクリアランス通路にさらに延びるほぼ先細の断面62とを含むことができる。ステータ歯65は、固定シュラウド45に垂直なクリアランス通路に延びるほぼ一定の厚みの第1の断面66と、クリアランス通路にさらに延びるほぼ先細の断面62とを含むことができ、該先細は漏出流に対して上流側に設けられる。上面68は、ステータ歯67上に設けることができる。ステータ歯70は、クリアランス通路内に延びる一定厚みの第1の断面71を含み、第1の断面から延びて縁部73上の両側に先細になった第2の断面72を備える。
図2Cは、本発明の複数の例示的なロータ歯構造を示している。ロータ歯80は、ほぼ湾曲した上流面81と、漏出流に対してほぼ平坦な下流面82とを含むことができる。ロータ歯80は、漏出流に対してほぼ上流側方向でクリアランス通路内に延びることができる。ロータ歯80は、ロータシュラウド83の上流側部上の第1の面84から、及びロータシュラウド83上の異なる高度の下流面86から延びることができる。ロータ歯85は、ロータシュラウド83に対して垂直にクリアランス通路内に延びることができる。ロータ歯85は、一定厚みの第1の断面87と、先細厚みを有する外側断面88とを含むことができ、該先細は、漏出流に対し下流側側部89上に設けられ、上面89で終端する。
図2Dは、ケーシング選択肢90の種々の例示的な先端クリアランス制御構成を示し、ここでステータ歯は、回転機械のケーシングの一体化部分として形成することができる。ロータ先端シュラウド85を有するロータブレード10は、回転機械用のケーシング92の溝付き区域91内に1以上のロータ歯80を含むことができる。ケーシング92の内側壁75は、ロータ先端を通過する漏出流94の外側境界を定めることができる。ケーシングの物理的構成に応じて、ステータ歯を物理的に形成することができ、或いは、個別のステータ歯の代わりに漏出流に対する障害物を設けることもできる。例証として、ケーシング92の溝91の段部の相対高さは、ロータ歯(複数の歯)80と共にクリアランス制御を可能にすることができる。図2Dでは、溝91の第1の段部93は、漏出流94に対する第1の抵抗を提供し、ケーシング壁レイアウト96内のロータ歯80に対して前方にある第1のステータ歯95を機能的に再現することができる。溝91の第2の段部97は、ロータ歯80に対して後方の第2のステータ歯98を再現する抵抗として機能することができ、個別の第2のステータ歯は、凹状のケーシング壁99と共に形成することができる。
本発明において、回転ブレードは、歯と共にシュラウドを含むことができ、該シュラウドは、タービンのケーシング壁に取り付けられたシュラウド上に位置する固定歯のセットの間に配置される。流れがクリアランス通路を通過すると、有効クリアランスを縮小し、クリアランス流の低減を生じさせる渦が形成される。
図3は、低圧タービンの段における本発明の先端クリアランス制御機構のロータブレード構成部品の1つの実施形態を示している。ロータブレード110は、ブレードシュラウドのスロープ付き正圧側上面120と、比較的平面の負圧側上面121とを提供するスロープ付きロータブレードシュラウド112を含む。ブレードシュラウド112は、タービンエンジンにおいてブレード110の翼形部111に取り付けることができる。翼形部110は、根元130と、先端131と、前縁190と、後縁191と、正圧側面133と、負圧側面134とを含むことができる。根元セクション130のダブテール構成135は、タービンエンジン(図示せず)のロータホイールに翼形部111を係合する。ブレードシュラウド112は、先端端部131にて翼形部111と一体化して形成することができる。ロータブレードシュラウド112は、ブレード(図4A、4B)の軸方向翼弦に対して位置付けられた根元歯145を含む。
図4Aは、本発明の先端クリアランス制御機構におけるロータシュラウド及びケーシングシュラウドの構成部品の幾何学的パラメータを示す。入口キャビティ115は、ロータブレード110の先端端部にて蒸気入口経路113を提供する。先端クリアランス制御機構100は、ロータ歯145、前方ステータ歯140、及び後方ステータ歯150を含む。ロータ歯145は、図4Bに示すようにブレード翼形部の軸方向翼弦ラインに対して厚み146及び高さ147並びに位置148を有することができる。前方ステータ歯140は、ロータ歯145に対して厚み141及び高さ142並びに軸方向位置143を有することができる。後方ステータ歯150は、ロータ歯145に対して厚み151及び高さ152並びに軸方向位置153を有することができる。ロータシュラウド112及びケーシングシュラウド116上の歯は、半径方向に対して角度の付いた前方/後方向きα149を含むことができる。この配置は、ロータシュラウド側壁の正圧側から距離156にて配置された段部155をさらに含み、段高さ157は、ロータシュラウドの残りの上面の下方にある。
図4Bは、低圧蒸気タービンの大型ロータブレード110におけるロータシュラウド112の上面180の平面図を示す。ロータブレードの翼形部11及び翼形部の軸方向翼弦185の平面図が仮想線で示される。軸方向翼弦185は、ロータブレードの前縁190と後縁191との間を横断する。ロータ歯145の位置は、前縁と後縁との間の百分率距離で指定することができる(例えば、50%翼弦長195、40%翼弦長196)。
本発明の1つの実施形態によれば、回転機械先端クリアランス制御機構200は、低圧タービンの段に設けられる。段は、低圧タービンの最終段とすることができる。さらに、段は、複流低圧蒸気タービンの何れかの端部にある段とすることができる。回転機械先端クリアランス制御機構は、翼形部の外側半径方向先端上に配置されたロータブレードシュラウドを翼形部を含むロータブレードに備えることができる。ロータ歯は、ロータブレードシュラウド上で半径方向外向きに突出することができる。ロータ歯は、翼形部の軸方向翼弦に対してほぼ中心に配置することができる。さらに、ケーシングシュラウドは、ロータブレードシュラウドから半径方向外向きに配置することができる。ケーシングシュラウド上の前方ステータ歯は、半径方向内向きに突出し、ロータ歯に対して半径方向前方に配置される。後方ステータ歯は、ケーシングシュラウド上に設けることができ、後方ステータ歯は、半径方向内向きに突出し、ロータ歯に対して後方に配置される。クリアランス区域は、ロータブレードシュラウドとケーシングシュラウドとの間に形成される。クリアランス区域は、漏出流の制限及び段効率の向上に適応する。
ロータ歯は、ブレードの翼形部における軸方向翼弦長さの約40%〜50%に配置することができる。好ましくは、ロータ歯は、軸方向翼弦長さの約50%に設定することができる。ロータ歯高さは、約0.19インチ〜約0.35インチの範囲に及ぶことができる。好ましくは、ロータ歯高さは、約0.35インチに設定することができる。ロータ歯厚みは約0.13インチとすることができる。前方ステータ歯は、約0.6インチ〜約0.825インチだけロータ歯軸線から前方に配置することができる。好ましくは、前方ステータ歯は、ロータ歯軸線から前方に約0.8インチに位置付けることができる。前方ステータ歯高さは、約0.3インチ〜約0.8インチの大きさにすることができる。前方ステータ歯高さは、好ましくは約0.6インチの大きさにすることができる。後方ステータ歯は、ロータ歯軸線の後方に約0.3インチ〜約1.2インチに配置することができる。後方ステータ歯は、好ましくはロータ歯の後方に約0.8インチに位置付けることができる。後方ステータ歯は約0.2インチの高さを含むことができる。
シュラウドの上面180は、ロータブレードの側壁の正圧側面とロータ歯との間で半径方向外向きに傾斜することができる。負圧側面上の上面180は、本質的に平面とすることができる。第1の実施例において、約1.02インチだけシュラウド側壁の正圧側面の後方にあるシュラウドの上面において0.16インチ上昇した段部を設けることができる。好ましい構成において、ロータブレードシュラウド上面には段部は設けられない。
さらに、前方ステータ歯の歯、ロータ歯、及び後方ステータ歯は、鋸歯外側縁部を含むことができ、ここで歯の正圧側面の高さは、歯の負圧側面の高さよりもクリアランス区域内にさらに延びる。別の実施形態において、ロータ歯は、ロータホイールから外向き半径に対して前向き又は後向きの角度を含むことができるが、好ましい実施形態は、ロータブレードシュラウドから半径方向外向きに突出するロータ歯を提供する。
図5Aは、ロータブレードシュラウドの後端上の通常位置に配置された単一の従来のロータ歯を越える漏出流を示している。入口キャビティ115からの先端漏出流170は、ベースラインロータブレードシュラウド174の上面173とケーシングシュラウド175との間の広いクリアランススペース172に入る。漏出流170は、ロータ歯178の先端177とケーシングシュラウド175との間の1つのクリアランススペース176によってのみ制限される。
図5Bは、先端クリアランス制御機構200の好ましい実施形態における漏出流を示す。クリアランス機構200は、ロータブレードシュラウド240の前方端部241に近接したケーシングシュラウド175上に位置付けられる前方ステータ歯210と、ロータブレードシュラウド上の軸方向翼弦185(図4B)に対してほぼ中心に配置されたロータ歯220と、ロータブレードシュラウドの後端242にほぼ近接して配置された後方ステータ歯230とを含む。好ましい実施形態における特定の位置決めは、図4A及び4Bのパラメータに関して上記で説明してきた。
流れが回転ブレード領域に入ってくると、流れの一部はキャビティ115に流入し、ロータブレードシュラウド240とケーシングシュラウド175との間のクリアランス領域を通過しようとする。前方ステータ歯210が存在する場合、漏出流270の一部を分流する、入口キャビティ115内の第1の渦261形成が存在する。前方ステータ歯210の前方位置はまた、ロータブレードシュラウド240の上面243上への下向きの漏出流270をもたらす。次に、この漏出流270は、ロータ歯220の前面221に通り、ここで上向きに移動し、ロータブレードシュラウド240とケーシングシュラウド175との間に第2の渦262を形成する。この第2の渦262により、漏出流がロータ歯220の前面221上に「押し付ける」ようにして、高速流にロータ歯縁部223を越えて急旋回させるようにする。流れが制御ギャップを越えて急旋回するので、有効流れ面積の減少が、ロータ歯220を越える漏出の減少をもたらす結果となる。同様に、ロータ歯縁部を通過する漏出流170は、後方ステータ歯230の前方縁部231に押し付けられ、これにより半径方向内向きに押し込まれて第3の渦263を生成する。第3の渦263は後方ステータ歯の前面に先端漏出流を押し付け、後方ステータ歯の鋭い縁部232を越える通過をより困難にし、更なる漏出流を制限する。
図6Aは、最後から2番目の低圧タービンブレードにおけるロータブレードシュラウドの後端上の典型的位置に配置された単一の従来のロータ歯を通過する漏出流を示している。ベースラインクリアランス機構は、歯を備えない傾斜ロータブレード374を提供する。複数のナイフエッジ376は、ケーシングシュラウド375から突出している。入口キャビティ115からの漏出流370は、ベースラインロータブレードシュラウド374の上面373とケーシングシュラウド375との間の広いクリアランススペース372に流入する。漏出流370は、ロータブレードシュラウド374の上面373とナイフエッジ376との間のクリアランススペース372によってのみ制限される。
図6Bは、低圧タービンの最後から2番目の段におけるクリアランス機構の好ましい実施形態に対する漏出流を示している。クリアランス機構400は、ロータブレードシュラウド440上の軸方向翼弦(図4A及び4B)に対してほぼ中心に配置されるロータ歯420と、ロータブレードシュラウドの後端442にほぼ近接して配置された後方ステータ歯440とを含む。好ましい実施形態の特定の位置決めは、図4A及び4Bに関して上記で説明した。
流れが回転ブレード領域に入ってくると、流れの一部はキャビティに流入し、ロータブレードシュラウド440の上面473とケーシングシュラウド475との間の領域472を通過しようとする。その結果、漏出流470は、ロータ歯420の前面421を過ぎて、ロータ歯の先端422とケーシングシュラウド475との間の制限クリアランス480を通過する。ロータ歯縁部422を越えて通過した漏出流470は、後方ステータ歯430の前面に押し付けられ、これにより半径方向内向きに押し込まれて渦460を生成する。渦460はさらに、後方ステータ歯430の前面431に漏出流470を押し付け、後方ステータ歯430の鋭い縁部432を越える通過をより困難にし、更なる先端漏出流を制限する。
先端漏出流は、低圧タービンにおける主要な損失源の1つである。先端漏出流の低減は、タービン性能向上に正比例することができる。本発明のクリアランス機構は、従来技術ベースの事例よりも先端クリアランス流を50%低減する。本発明の先端クリアランス機構は、最終段効率を約0.5%、最後から2番目の段効率を約0.6%改善させ、結果として低圧タービンの全体効率を約0.25%改善させることになる。
本発明の別の態様において、ロータブレードの先端シュラウドとケーシングシュラウドとの間の低圧蒸気タービンのロータブレード用の先端クリアランス制御機構のための方法が提供される。図7は、低圧蒸気タービンのロータブレード用のクリアランス機構を形成する方法500のフローチャートを示す。本方法は、ステップ505における先端シュラウドの形状を選択する段階と、ステップ510におけるロータ歯形状を選択する段階と、ステップ515におけるロータ歯の数を選択する段階と、ステップ530におけるステータ歯形状を選択する段階と、ステップ540においけるステータ歯の数を選択する段階とを含む。
本方法はさらに、ロータ歯高さを設定するステップ520と、ロータ先端シュラウド上にロータ歯を位置付けるステップ525とを含む。本方法はまた、ステータ歯の高さをサイズ決定するステップ545と、ステータシュラウド上にステータ歯を位置付けるステップ550とを含むことができる。本方法はさらに、ステップ560において、少なくとも1つのステータを回転機械のケーシングの内壁の一体化部分として形成する段階を含むことができる。
先端シュラウドの形状を選択するための方法はさらに、傾斜上流側上面及び高度下流側上面、間に段部を備えた傾斜上流側上面及び高度下流側上面、並びに傾斜上流側上面及び傾斜下流側上面のうちの1つから形状を選択する段階を含む。
ロータ歯形状を選択するステップは、ロータシュラウドの上面に対して角度付きロータ歯及び垂直なロータ歯のうちの1つからロータ歯形状を選択する段階を含む。ロータ歯形状を選択するステップは、1又は2つのロータ歯を備えた構成を選択する段階を含むことができる。
ステータ歯形状を選択するステップは、角度付きステータ歯、垂直ステータ歯、上流向き及び下流向きの一方に延びる先細外側端部の1つを有する複合ステータ歯、並びに縁部の1つ及び上面の1つの一方に先細になった外側端部を有する垂直ステータ歯の1つからステータ歯形状を選択する段階を含むことができる。
本発明の種々の実施形態について説明してきたが、要素の種々の組み合わせ、変型形態、又は改善形態を実施することができ、さらにこれらが本発明の範囲内にあることは、本明細書から理解されるであろう。
110 ロータブレード
111 翼形部
112 ロータブレードシュラウド
120 正圧側上面
121 負圧側上面
130 根元
131 先端
133 正圧側面
134 負圧側面
135 ダブテール構成
190 前縁
191 後縁

Claims (22)

  1. 低圧蒸気タービンの段のための回転機械先端クリアランス制御機構であって、
    外側半径方向先端上に配置されたロータブレードシュラウドを有する翼形部を含むロータブレードと、
    前記ロータブレードシュラウド上に半径方向外向きに突出し、前記翼形部の翼弦に対してほぼ中心に配置されたロータ歯と、
    前記ロータブレードシュラウドから半径方向外向きに配置されたシュラウドを含む回転機械のケーシングと、
    半径方向内向きに突出するケーシングシュラウド上に配置された少なくとも1つのステータ歯と、
    ロータブレードとケーシングシュラウドとの間に形成され、漏出流を制限して段効率を高めるよう適合されたクリアランス区域と
    を含む回転機械先端クリアランス制御機構。
  2. 前記ロータ歯が、翼形部翼弦長の約40%〜約50%の範囲に配置される、請求項1記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  3. 前記ロータ歯高さが、約0.19インチ〜約0.35インチを含む、請求項2記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  4. 前記少なくとも1つのステータ歯が、約0.6インチ〜約0.825インチの範囲でロータ歯軸線に対して前方に配置された前方ステータ歯と、約0.5インチ〜約1.0インチの範囲でロータ歯軸線に対して後方に配置された後方ステータ歯とを含む、請求項3記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  5. 前記ロータブレードシュラウドが、前記ロータ歯の正圧側面上に外向きの傾斜上側表面と、前記ロータ歯の負圧側面上に実質的に平面の上側表面とを含む、請求項1記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  6. 前記ロータブレードが、低圧タービン用の最終段ロータブレードを含み、前記ロータ歯が翼形部翼弦長の約50%にて配置され、前記ロータ歯高さが約0.35インチであり、前記少なくとも1つのステータ歯が、約0.8インチだけロータ歯軸線から前方に配置された前方ステータ歯と、約0.8インチだけロータ歯軸線から後方に配置された後方ステータ歯とを含み、前記前方ステータ歯高さが約0.6インチであり、前記後方ステータ歯が約0.2インチであり、前記ロータブレードシュラウドが、前記ロータ歯の正圧側面上に傾斜上側表面と、前記ロータ歯の負圧側面上に実質的に平面の上側表面と、を含む、請求項1記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  7. 前記ロータ歯が、翼形部翼弦長の約50%に配置される、請求項3記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  8. 前記少なくとも1つのステータ歯が、前記ロータ歯に対して約0.5インチ〜約0.7インチだけ前方に配置された前方ステータ歯と、約1.1インチ〜約1.5インチの範囲で前記ロータ歯軸線から後方に配置された後方ステータ歯のうちの少なくとも1つを含む、請求項7記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  9. 前記後方ステータ歯高さが約0.2インチである、請求項7記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  10. 前記ロータブレードシュラウドが、前記ロータ歯の正圧側面上に外向きの傾斜上側表面と、前記ロータ歯の負圧側面上に外向きの傾斜上側表面とを含む、請求項12記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  11. 前記ロータブレードが、低圧タービン用の最後から2番目の段ロータブレードを含み、前記ロータ歯が翼形部翼弦長の約50%にて配置され、前記ロータ歯高さが約0.35インチであり、前記後方ステータ歯が前記ロータ歯軸線の約0.95インチ後方に配置され、前記後方ステータ歯高さが0.2インチであり、前記ロータブレードシュラウドが、前記ロータ歯の正圧側面上に傾斜上側表面と、前記ロータ歯の負圧側面上に傾斜上側表面とを含む、請求項3記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  12. 前記少なくとも1つのステータ歯が、回転機械のケーシングの一体化部分として形成される、請求項1記載の回転機械先端クリアランス制御機構。
  13. 先端漏出を低減して段効率を改善するよう適合された回転機械を先端クリアランス制御する方法であって、
    先端シュラウドの形状を選択する段階と、
    ロータ歯形状を選択する段階と、
    ロータ歯の数を選択する段階と、
    ステータ歯形状を選択する段階と、
    ステータ歯の数を選択する段階と
    を含む方法。
  14. 先端シュラウドの形状を選択する前記段階が、傾斜上流側上面及び高度下流側上面、間に段部を備えた傾斜上流側上面及び高度下流側上面、傾斜上流側上面及び傾斜下流側上面のうちの1つから形状を選択する段階を含む、請求項13記載の方法。
  15. ロータ歯形状を選択する前記段階が、ロータシュラウドの上面に対して角度付きロータ歯及び垂直なロータ歯のうちの1つからロータ歯形状を選択する段階を含む、請求項13記載の方法。
  16. ロータ歯形状を選択する前記段階が、1又は2つのロータ歯を備えた構成を選択する段階を含む、請求項13記載の方法。
  17. ステータ歯形状を選択する前記段階が、角度付きステータ歯、垂直ステータ歯、上流向き及び下流向きの一方に延びる先細外側端部の1つを有する複合ステータ歯、並びに縁部の1つ及び上面の1つに先細になった外側端部を有する垂直ステータ歯の1つからステータ歯形状を選択する段階を含む、請求項13記載の方法。
  18. 前記ステータ歯の高さの大きさを決定する段階をさらに含む、請求項13記載の方法。
  19. 前記ステータシュラウド上のステータ歯を位置付ける段階をさらに含む、請求項13記載の方法。
  20. 前記先端シュラウド上のロータ歯を位置付ける段階をさらに含む、請求項13記載の方法。
  21. 前記ロータ歯高さを設定する段階をさらに含む、請求項13記載の方法。
  22. 少なくとも1つのステータ歯回転機械のケーシングの一体化部分として形成する段階をさらに含む、請求項13記載の方法。
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