JP2011063783A - 防火用膨張性樹脂組成物 - Google Patents

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栄治 三木
Junichiro Wake
淳一郎 和気
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Abstract

【課題】施工時の取り扱いが容易で、複雑な形状の貫通部や隙間に完全に充填でき、液状で反応型でありながら施工時や火災時に不快ガスや有毒ガスを発生することがなく、かつ、電気機器の接点障害を起こすガスを発生しない防火用膨張性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ベース樹脂として、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンの分子構造により構成される液状のエチレン・プロピレンゴムに、無機系膨張剤および/または有機系膨張剤が配合された防火用膨張性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は防火用膨張性樹脂組成物に関し、更に詳しくは、防火区画体の貫通部の閉塞材料として有用な、液状でもパテ状でも使用することができる防火用膨張性樹脂組成物に関する。
工場やオフィスビルなどの建築では、互いの居住空間を画分する壁や床などの防火区画体に貫通孔を穿設し、その貫通孔にポリ塩化ビニルパイプやポリエチレンパイプのような可燃性の樹脂パイプが挿通される。また、空調設備の配管や各種電線ケーブルなども挿通されている。
しかし、ある居住空間で火災が発生するとその熱や炎で前記樹脂パイプ、空調設備の配管の発泡断熱材、電線ケーブルの被覆などが燃焼したり溶融したりして消失してしまうため、前記貫通孔が炎道になってここから隣室へと延焼が及んでしまう。そのため従来は、不燃材である例えば、スレートパイプで樹脂パイプなどの外側が被覆されたいわゆる耐火二層管を前記貫通孔に挿通し、その耐火二層管と貫通孔との間隙をモルタルやロックウールなどで閉塞する防火工法が施工されている。
しかしながら、この耐火二層管は相当な重量物であり、運搬時や施工時における作業性が悪い。また、一旦火災が発生した場合には、内管である樹脂パイプなどが蒸し焼き状態になって有害ガスが発生し、また貫通孔の完全閉塞が期待できないことも相侯って、隣室へ有害ガスなどが流入することもある。
このようなことから、最近では、樹脂パイプや空調装置の配管などの外側を、加熱されると発泡して体積が増加する耐熱性の膨張性組成物で被覆し、それを防火区画体の貫通孔に挿通した構造を採用することもある。この構造の場合は、ある居住空間で火災が発生してその炎熱が防火区画体の貫通部に達すると、前記膨張性組成物は加熱されて膨張し、そのときに貫通孔壁面との間で発生する圧力で、軟化している樹脂パイプや空調装置の配管の発泡断熱材などを押しつぶして貫通孔全体を閉塞して延焼を防止する。
このような働きをする耐熱性の膨張性組成物としては、従来からプラスチック、固形ゴムをベース樹脂としたパテ状組成物(例えば、特許文献1参照)、あるいは液状ウレタンゴム、液状シリコーンゴムをベース樹脂とした反応型液状組成物が用いられている(例えば、特許文献2参照)。そして、その添加剤として熱膨張性の黒鉛、ポリリン酸アンモニウム、ひる石のような無機系膨張剤や、アゾジカルボンアミドに代表される酸アミド系化合物のような有機系膨張剤を配合したものがある。また、固形のエチレン・プロピレンゴムをベース樹脂とし、これに型崩れ防止剤として、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などを配合したものもある(例えば、特許文献3参照)。
従来から提供されているこのような熱膨張性組成物で、パテ状固形組成物を用いた場合は、施工時にパイプ貫通部の形状に合わせて作業者が手作業によりパテ状固形組成物を充填する必要があり、施工に熟練した技術を必要とし、多大な作業時間を要する。また、パテ状固形組成物は流動性が極めて低いため、貫通部の細部にまで組成物を充填させることが出来ないという欠点があった。
また、これらの欠点を解決するために使用される液状組成物においては、液状ウレタン樹脂を用いた場合は、硬化剤として用いられるイソシアネートが未反応状態として残った時に、イソシアネートは人体に有害な成分であるため環境衛生上好ましくなく、施工時の取り扱いには注意する必要がある。さらに、ウレタン樹脂の場合は、燃焼時にシアン系ガスを発生する可能性があり、火災時に人体に対して有毒なガスの発生を伴う問題がある。
一方、液状シリコーンゴムを用いた場合は、シリコーンゴムに含まれる低分子量シロキサン成分の揮発により、電気機器の接点部に障害を起こす可能性があり好ましくない。
特開2002−294078号公報 特開平07−070428号公報 特許第3133683号公報
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、その目的は、施工時の取り扱いが容易で、複雑な形状の貫通部や隙間に完全に充填でき、液状で反応型でありながら施工時や火災時に不快ガスや有毒ガスを発生することがなく、かつ、電気機器の接点障害を起こすガスを発生することが無い防火用膨張性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、エチレンとプロピレンの系に5−ビニル−2−ノルボルネンを分子構造中にもつ液状のエチレン・プロピレンゴムをベース樹脂とする組成物が、その目的に適合することを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
(1)ベース樹脂として、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンの分子構造により構成される液状のエチレン・プロピレンゴムに、無機系膨張剤および/または有機系膨張剤が配合されてなることを特徴とする防火用膨張性樹脂組成物、
(2)架橋剤を配合されてなる物質と、触媒を配合されてなる物質との二種の液状配合物から構成されることを特徴とする(1)に記載の防火用膨張製樹脂組成物、
(3)さらに、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリエーテルイミド樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の型崩れ防止用樹脂が配合されてなることを特徴とする(1)または(2)に記載の防火用膨張性樹脂組成物、
(4)さらに、ポリアクリロニトリル繊維およびポリエステル繊維の有機系繊維から選ばれる少なくとも1種の型崩れ防止用繊維が配合されてなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の防火用膨張性樹脂組成物、
(5)前記無機系膨張剤として膨張性黒鉛が配合され、前記型崩れ防止用樹脂としてポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂およびポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種が配合され、型崩れ防止用繊維としてポリアクリロニトリル繊維が配合されてなることを特徴とする(4)に記載の防火用膨張性樹脂組成物、および
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の組成物において、ベースの液状EPDMに配合される無機系膨張剤、有機系膨張剤および/または型崩れ防止用樹脂の沈降防止用として無機充填材及び/または有機充填材が配合されてなる防火用膨張性樹脂組成物、
を提供するものである。
本発明の液状EPDMをベースとした熱膨張性防火組成物は、一液タイプおよび二液タイプいずれも反応を開始し硬化が進むまでの間は適当な粘度を持った液状であるため、防火の必要な貫通部の複雑な形状やケーブル間の隙間にも追従し、密閉することができる。このため、実際の火災時に燃焼して膨張するまでの間も、気密性を保ち煙が広がるのを防ぐ効果もあり、燃焼しても膨張により、焼き落ちた間隙を埋め延焼を防ぐ。
また、施工時に液状である特長を持ちながら、ベースの樹脂が液状EPDMであることから、実際の火災で燃焼したときに、同じく施工時に液状であるウレタン系樹脂をベースとした組成物のように毒性の高いシアン系のガスを発生するようなことがない。また、同じく施工時に液状であるシリコーンゴム系の組成物が発生する低分子量のシロキサンのようなガスを発生することがほぼ無いため、電気機器の接点障害を引き起こす可能性が極めて小さい。
型崩れ防止用樹脂や型崩れ防止用繊維を配合した組成物は、膨張後も膨張層がなかなか崩落せずさらに防火機能を持続する。また、沈降防止用の充填剤を配合したものは保存性がより良好であり、施工時の取り扱いもさらに容易である。
本発明の防火用の膨張性樹脂組成物の好ましい実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ベース樹脂としてエチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンの分子構造により構成されるものである。すなわち、ベース樹脂としては、エチレンとプロピレンの共重合体に、側鎖を形成する第3成分として二重結合を有する5−ビニル−2−ノルボルネンを導入したエチレン−プロピレンターポリマーである液状のエチレン・プロピレンゴム(以下、液状EPDMという)を用いる。
一般に、液状エチレン・プロピレンゴムには付加反応により架橋反応を行うものと縮合反応により架橋を行う2種類のポリマーがあり、用途によりいずれのポリマーも使用されているが、防火用膨張性組成物には5−ビニル−2−ノルボルネンを有する付加反応型のものが、外気中の湿気等により架橋反応が開始、進行する縮合型のものに比べ、混合後の架橋反応が樹脂全体で進行し深部硬化性が良好であるので好都合である。
本発明で採用するベース樹脂のエチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネン重合体は、固有粘度[η]約0.05〜0.5dl/gを持ち、粘度は約10〜850Pa・sであり、流動性に極めて優れている。またジエン含量は約4〜10wt%である。
本発明の防火用膨張性樹脂組成物は、二液型のものが好ましい。用いる付加反応型の三元共重合体はエチレン・プロピレン共重合体の側鎖にビニル基を有したもので、これに架橋剤としてSiH基含有化合物を加えた(A)液、同じく架橋反応を促進するための触媒として白金系触媒および/または、架橋反応を遅延させ、架橋速度の制御を行うための架橋遅延剤を添加した(B)液の2種類の液状混合物を用いる。これら(A)液及び(B)液の2種類を混合することにより一定の時間をかけて架橋反応が起こり、液状EPDMの機械的物性は向上する。
なお、架橋剤であるSiH基含有化合物には、例えば、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン等を挙げることができ、架橋遅延剤としては、例えば含窒素化合物やリン系化合物、不飽和アルコール類等がある。
2種類の液状EPDMである(A)液、(B)液の混合物は、混合直後は流動性を持った液状物であるため、施工時にはこれを貫通孔の隙間に流し込むことにより貫通孔の細部にまで十分に充填することが可能となり、固形物であるパテを充填するような特殊な充填技術を必要としない。
2液の混合方法は、2液を1つの容器に入れ、棒又はへら状の混合器具や攪拌羽根を用いた攪拌方法、1つの袋を2室に分離した袋の2室にそれぞれ(A)液、(B)液を封入し、使用時に2室の区画部分を除去することによって2液が混合可能な状態とし、これを手で揉むなどして攪拌混合する方法、あるいは2液用コーキングカートリッジにそれぞれ(A)液、(B)液を入れて、注入することでスタティックミキサーなどにより混合する方法等がある。
また、一液型の場合は、外気または液が接触する面に存在する水分により架橋反応が進行するため、施工時は密閉性のある保管容器、カートリッジ等から取り出して使用すればよい。
上記、液状EPDM含有の防火用組成物には、火災が発生した際に組成物が膨張するための膨張剤が配合されている。防火性能は配合されている膨張剤によって成される。燃焼時にケーブル被覆等が燃え落ちると、その空間を膨張剤が膨張して埋めることにより延焼を防止する。
膨張剤は無機系および有機系のいずれであってもよく、また両者が一緒に配合されていてもよい。
膨張剤の配合量は、液状EPDM100質量部に対し、20〜100質量部、好ましくは30〜50質量部である。その配合量が多すぎると粘度の上昇により施工時の混合が困難となり、少なすぎると十分な膨張性が得られず所望の性能を満たさなくなる。
膨張剤として無機系のものを使用する場合は、比較的低温(約200〜500℃)で膨張を開始するホウ砂又は熱膨張黒鉛を必須成分として含ませ、これにさらに比較的高温(約500〜1000℃)で膨張する熱膨張黒鉛又はひる石やパーライトを組み合わせると、火災発生時に比較的早期の低温段階から高温段階に至る全過程で樹脂組成物は膨張動作を持続して膨張層が形成され続けるので、貫通孔の閉塞を確保し続けることができて好適である。
有機系膨張剤を使用する場合は、アゾジカルボンアミド、アゾジアミノベンゼン、N,N´−ジニトロソ−N,N´−ジメチルテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどを好適例として挙げることができる。これらは、それぞれ単独で用いても良いし、また2種以上を混合して用いても良い。
これら有機系膨張剤は、いずれも分解温度が100〜200℃程度であり、また高い発泡倍率を示し、更に分解速度も大きいので、上記した温度域において樹脂組成物を短時間で膨張させることができる。そのため、樹脂組成物が樹脂パイプやケーブルの被覆層、配管の発泡断熱材などを短時間で集中的に押しつぶす力をより高めて、貫通部の閉塞が効率的に行われるようになる。
本発明の膨張性樹脂組成物は、上記した各成分の他に、火災発生時に膨張性組成物が炎熱により崩落せず、その防火機能を発揮するために、型崩れ防止剤を同時に含有しても良い。ここでいう型崩れ防止剤とは、樹脂組成物が炎熱を受けたときに膨張して形成される膨張層の経時的な崩落現象を防止する機能、すなわち、膨張層の形状保持性を高める作用を示すものである。
型崩れ防止剤の配合量は、液状EPDM100質量部に対し、0〜60質量部、好ましくは20〜40質量部である。その配合量が多すぎると粘度の上昇により施工時の混合が困難になったり、形状保持の作用が強すぎて膨張倍率を下げて性能を満たさなくなる。
型崩れ防止剤としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリエーテルケトン樹脂(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、ポリサルホン樹脂(PSF)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で用いても良いし、また2種以上を混合して用いても良い。
これらのうち、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)は、型崩れ防止能が著しく優れていて好適である。
これらの樹脂は、いずれも燃焼時に加熱されると所定の温度で溶融し、溶融後燃焼後の膨張層の骨格部分を被覆し、炭化することでその膨張層を固め、その形状の保持を確保せしめる。
さらに、型崩れ防止をより効果的にするためにポリアクリロニトリル繊維、ポリエステル繊維などの有機系の繊維を配合することも可能である。その配合量は、液状EPDM100質量部に対し、0〜60質量部が好ましい。燃焼後の灰の固さ等の観点からポリアクリロニトリル繊維がより好ましい。
また、本発明の組成物では、組成物全体ができるだけ均一な組成となるように、上記型崩れ防止剤も含め、無機系および有機系膨張剤の沈降、分離を防止し、均一に分散させるために、液状EPDMの粘度を上昇させるための添加剤として無機および有機充填材を添加するのが好ましい。
無機充填材としては、クレー、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カーボン、スズ酸亜鉛などがあげられ、適宜ステアリン酸処理などの表面処理を施されたものでも良い。
有機充填材としては、型崩れ防止材として挙げた樹脂を使用できるほか、特に限定はされない。
このような充填材の配合量は、適宜決めることができるが、液状EPDM100質量部に対し、1〜20質量部程度が好ましい。
沈降を防止しつつ取り扱い時の流動性を保つため、これら無機及び有機充填材の粒径はできる限り小さい方がよく、2μm以下が好ましい。例えば、沈降防止用途に特化した充填材としてはヒュームドシリカなどがあげられる。適度な粒径の無機系充填材を適量加えることで沈降に影響する低せん断における粘度を大きく上昇させる一方、混合や流し込みなど施工時の取り扱い時のような比較的高せん断における粘度の上昇を抑えて作業の良好性を保つことができる。
沈降を防止するには低せん断(1[1/s]以下)側での粘度が高く、降伏値が大きいことが必要である。充填材の種類にもよるが、実施に当たっては、降伏値は4[Pa]程度が必要とされ、それより小さい降伏値の場合は沈降が起こりやすくなるため長期の保管には適さない。
また同様に型崩れ防止剤、無機系および有機系膨張剤の沈降を防止するために、ウレア変性ポリアマイドなどのレオロジーコントロール剤を使用し、適度な粘性を与えることができる。
さらに、本発明の組成物には上記配合成分の他に、可塑剤、熱老化防止剤、難燃剤、難燃助剤などを配合してその特性を適宜調整することができ、また必要に応じてパテ状でも使用できる。
次に、本発明の防火用膨張性樹脂組成物について、実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
(実施例1〜3)
実施例1〜3で使用する材料は下記のとおりである。
a.液状EPDM:エチレン−プロピレン−5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体
b.架橋剤:分子中に3個以上のSi−H基を持つハイドロジェンポリシロキサン
c.触媒:Pt(0)−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3%溶液
d.膨張黒鉛(低温膨張性):約250℃で膨張
(高温膨張性):約500℃で膨張
e.ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE):粉砕して平均粒径200μmにしたもの
f.水酸化アルミニウム:平均粒径85μm(大粒径)および1.2μm(小粒径)にしたもの
g.スズ酸亜鉛
原材料を下記表1に示した量(質量部)で攪拌機付き容器もしくは適当な攪拌性能を持った装置内にて架橋剤組成部分(A液)と触媒組成部分(B液)とをそれぞれ混合調製し、次いでさらに両者を混合し、実施例1〜3の防火用膨張性樹脂組成物を得た。なお、膨張黒鉛や充填材は樹脂中で沈降、浮上するなどして分離を起こしやすいので、これらを防ぐために実施例2、3では小粒径の水酸化アルミニウムを少量添加した。
得られた実施例の各組成物の施工性、隙間への充填性、燃焼時の型崩れ性、延焼防止性能、低分子量シロキサンによる接点障害、燃焼時のシアン系ガスの発生状況及び膨張倍率について、下記に示す仕様で評価した。そして、得られた結果を下記の表1に示す。
a.施工性
若干の熟練や慣れを必要としないで施工できたので「○」とした。
b.隙間への充填性
組成物が液状であるため従来のようなパテ状の組成では充填することが困難な間隙や穴を埋めることができ、気密性を高めることができたので、「○」とした。
c.燃焼時の型崩れ性
内径φ29mm、高さ100mmの銅管底部に硬化したサンプルを10mmの高さで詰めた後、450℃で30分経過後の灰を目視及び手で触って確認した。これとは別に自由に膨張させた場合についても同様に確認した。
この確認方法で崩れにくく、後記する延焼防止性能の試験で貫通部の閉塞を保っていたので「○」とした。なお、水酸化アルミニウムとスズ酸亜鉛を含む実施例2、3は難燃性を上げ、燃焼後の灰を崩れにくくする効果ももつことが分かった。
d.延焼防止性能
実際の施工後の耐火壁貫通部を模擬した状態で行った。
貫通部は厚さ100mmの軽量気泡コンクリート板(通称ALC板)にφ50〜160mmの穴を開け、発泡被覆有り/無しの樹脂管(ポリブテン管)、発泡被覆つき銅管、ケーブルを貫通させ、得られた各樹脂組成物で貫通部の隙間を充填し、その後にISO834の加熱曲線(温度の例として5分:576℃、30分:842℃、60分:945℃)に従う加熱履歴で1時間の燃焼試験を行い、燃焼面とは反対側への延焼を調べた。1時間の間、貫通部を通じて延焼が起こらなかったので「○」とした。
e.接点障害
液状シリコーン樹脂では樹脂中に含まれる低分子量シロキサンにより接点障害を引き起こす可能性があり、問題となる場合がある。実施例においては液状EPDMをベースの樹脂としているため、これらの問題は生じない。
f.燃焼時のシアン系ガスの発生
ウレタン系樹脂の防火剤は、実際の火災時の燃焼ではシアン系のガスを発生する可能性があるが、本実施例のものはその恐れはない。
g.膨張倍率
内径φ29mm、高さ100mmの銅管底部に硬化したサンプルを10mmの高さで詰めた後、450℃で30分経過後の高さを測定し、その倍率を求めた。
実用上は5倍以上の膨張率があれば十分である。
Figure 2011063783

Claims (6)

  1. ベース樹脂として、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンの分子構造により構成される液状のエチレン・プロピレンゴムに、無機系膨張剤および/または有機系膨張剤が配合されてなることを特徴とする防火用膨張性樹脂組成物。
  2. 架橋剤を配合されてなる物質と、触媒を配合されてなる物質との二種の液状配合物から構成されることを特徴とする請求項1に記載の防火用膨張性樹脂組成物。
  3. ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリエーテルイミド樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の型崩れ防止用樹脂が配合されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の防火用膨張性樹脂組成物。
  4. ポリアクリロニトリル繊維およびポリエステル繊維の有機系繊維から選ばれる少なくとも1種の型崩れ防止用繊維が配合されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防火用膨張性樹脂組成物。
  5. 前記無機系膨張剤として膨張性黒鉛が配合され、前記型崩れ防止用樹脂としてポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂およびポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種が配合され、型崩れ防止用繊維としてポリアクリロニトリル繊維が配合されてなることを特徴とする請求項4に記載の防火用膨張性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物において、ベース樹脂の液状エチレン・プロピレンゴムに配合される無機系膨張剤、有機系膨張剤および/または型崩れ防止用樹脂の沈降防止用として無機充填材及び/または有機充填材が配合されてなることを特徴とする防火用膨張性樹脂組成物。
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