JP2015098773A - 樹脂サッシの防火構造 - Google Patents

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慎吾 宮田
大塚 健二
Kenji Otsuka
健二 大塚
岡田 和廣
Kazuhiro Okada
和廣 岡田
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Abstract

【課題】取り扱いやすく防火性に優れる樹脂サッシの防火構造を提供する。
【解決手段】長手方向に中空部11aを有する樹脂枠材11と、耐火性を有する板材20と、を有する樹脂サッシの防火構造100であって、熱膨張性耐火材料15が、樹脂枠材11の中空部11aに注入され、樹脂枠材11が、耐火性を有する板材20の表面を支持するための板材支持部30を有し、固定部材50が、支持部材40を貫通し、樹脂枠材11の中空部11aに挿入された不燃補強材80に連結されて支持部材40および樹脂枠材11を固定している。
【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂サッシの防火構造に関する。
従来、住宅等の構造物の開口部等に設置される建築部材として、サッシが使用されている。
住宅等の構造物の内部または外部で火災が発生した場合にはこの火災による延焼を防ぐ必要がある。火災の炎等がサッシを貫通して延焼することがないように、サッシの耐火性を高めることが重要な課題となる。
この課題に関連して、サッシの耐火性を高める技術が提案されている。
具体的には、合成樹脂からなる枠材と耐火性のある板材とを備えたサッシについて、そのサッシに使用される枠材の長手方向に複数の中空部が設けられていて、この中空部に断面形状が略コ字状または角パイプ状の金属製部材が挿入され、前記金属製部材に平板状の熱膨張性耐火材が張り合わされている樹脂サッシの防火構造が提案されている(特許文献1)。
この樹脂サッシの防火構造であれば、前記金属製部材が枠材の内部に挿入されていることから火災等の熱に前記樹脂サッシの防火構造がさらされた場合であっても樹脂サッシの防火構造に含まれるガラス等の耐火性を有する板材を支持することができる。また前記枠材の内部に挿入されている熱膨張性耐火材が火災等の熱により膨張して熱膨張残渣を形成することから、前記ガラス等の耐火性を有する板材と、壁等との隙間が閉塞されることから耐火性に優れるとされる。
しかしこの従来の樹脂サッシの防火構造の場合は、枠材の内部に前記金属製部材を設置しなければならないことから単位時間当たりの樹脂サッシの生産性に劣る問題があった。
これに対し、前記金属製部材を使用しない樹脂サッシの防火構造も提案されている(特許文献2)。
具体的には合成樹脂からなる枠材と耐火性のある板材とを備えたサッシについて、そのサッシに使用される枠材の長手方向に複数の中空部が設けられていて、この中空部に流動性のある熱膨張性耐火材料を注入して固化させた樹脂サッシの防火構造が提案されている。
この樹脂サッシの防火構造であれば、金属製部材を使用しないことから樹脂サッシの生産性に優れ、樹脂サッシも軽量であることから取り扱い易く、先の従来の樹脂サッシの防火構造に見られるような問題は生じない。
特開2004−156625号公報 特開2012−202087号公報
しかし本発明者らが検討したところ、合成樹脂からなる枠材の内部の中空部に流動性のある熱膨張性耐火材料を注入して固化させて得られる樹脂サッシの防火構造の場合は、前記樹脂サッシの防火構造が火災等の熱にさらされた場合には、耐火性のある板材が火災等の熱により反る場合のあることを発見した。
前記耐火性のある板材に反りが生じると、前記耐火性のある板材と前記樹脂枠材との間に隙間が生じ、その隙間から火災等の炎、煙等が前記樹脂サッシの防火構造を通過する問題があった。
本発明の目的は、取り扱いやすく防火性に優れる樹脂サッシの防火構造を提供することにある。
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討した結果、長手方向に中空部を有する樹脂枠材の中空部に不燃補強材が挿入されると共に熱膨張性耐火材料が注入され、
前記中空部を有する樹脂枠材により形成される開口部に耐火性を有する板材が設置され、
前記不燃補強材が、前記耐火性を有する板材の側面に対して略垂直である部分と略平行である部分とを有し、
前記不燃補強材に含まれる前記耐火性を有する板材の側面に対して略垂直である部分と、前記中空部を有する樹脂枠材のうち前記略垂直である部分と対向する最外面との間に、熱膨張性耐火材料が注入されている樹脂サッシの防火構造が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]長手方向に中空部を有する樹脂枠材と、
前記樹脂枠材の中空部に注入された熱膨張性耐火材料と、
前記樹脂枠材の中空部に挿入された不燃補強材と、
前記樹脂枠材により形成される開口部に設置された耐火性を有する板材と、
前記耐火性を有する板材を支持する支持部材と、
前記支持部材と前記不燃補強材とを固定する固定部材と、
を有する樹脂サッシの防火構造であって、
前記不燃補強材が、前記耐火性を有する板材の側面に対して略垂直である部分と略平行である部分とを有し、
前記不燃補強材に含まれる前記耐火性を有する板材の側面に対して略平行である部分と、前記支持部材とが、前記固定部材により固定され、
前記不燃補強材に含まれる前記耐火性を有する板材の側面に対して略垂直である部分と、前記中空部を有する樹脂枠材のうち前記略垂直である部分と対向する最外面との間に、熱膨張性耐火材料が注入されていることを特徴とする、樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[2]前記不燃補強材の長手方向に対する略垂直断面の形状が、T字状、L字状、H字状、および多角筒から一部を取り除いた形状からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、上記[1]に記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[3]前記樹脂枠材の中空部に熱膨張性耐火材料が注入されて、前記耐火性を有する板材表面と平行な面に沿って、前記耐火性を有する板材と共に隙間なく防火面を形成している、上記[1]または[2]に記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[4]前記不燃補強材が、前記樹脂枠材の下框の中空部に挿入され、
前記不燃補強材が、前記樹脂枠材の縦框の中空部および前記樹脂枠材の上框の中空部からなる群より選ばれる少なくとも一つに挿入されている、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[5]前記不燃補強材が、金属材料および無機材料の少なくとも一つからなる、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[6]前記熱膨張性耐火材料の熱膨張倍率が、600℃×30分間の加熱条件下に、1倍より大きく5倍以下の範囲である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[7]前記支持部材が、断面コ字状の金属部材および無機部材の少なくとも一つからなる、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[8]前記熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材の中空部に注入される前の前記熱膨張性耐火材料の25℃における粘度が、1000〜100000 mPa・sの範囲であり、
前記熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材の中空部に注入された後に、25℃において前記樹脂枠材の中空部で流動性を失う、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[9]前記熱膨張性耐火材料が、反応硬化性樹脂成分、熱膨張成分および無機充填材を少なくとも含む、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[10]前記熱膨張性耐火材料に含まれる反応硬化性樹脂成分が、ウレタン樹脂フォーム、イソシアヌレート樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォーム、フェノール樹脂フォーム、尿素樹脂フォーム、不飽和ポリエステル樹脂フォーム、アルキド樹脂フォーム、メラミン樹脂フォーム、ジアリルフタレート樹脂フォームおよびシリコーン樹脂フォームからなる群から選ばれる少なくとも一つである、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[11]前記固定部材が、前記支持材を貫通している、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[12]固定部材が、前記支持部材および前記樹脂枠材を貫通して、前記支持部材の前記耐火性を有する板材の側面と対向する面と前記樹脂枠材の外周面とを固定している、上記[1]〜[11]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
また本発明の一つは、
[13]前記樹脂サッシが、固定樹脂サッシ、引き違い樹脂サッシ、開き樹脂サッシ、縦滑り樹脂サッシおよび横滑り樹脂サッシからなる群より選ばれる少なくとも一つである、上記[1]〜[12]のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造を提供するものである。
本発明に係る樹脂サッシの防火構造は、熱膨張性耐火材料が中空部に注入されている樹脂枠材を使用することから、生産し易く取り扱い易い。
また不燃補強材が前記樹脂枠材の長手方向の中空部に挿入されていて、この不燃補強材に固定部材が前記支持部材を貫通して連結されて、前記支持部材および前記樹脂枠材を固定している。
本発明の場合は、前記不燃補強材が、前記耐火性を有する板材の側面に対して略平行である部分を有することから、この略平行である部分に対して簡単に前記固定部材を取りつけることができる。
このため本発明に係る樹脂サッシの防火構造が火災等の炎にさらされた場合でも、前記樹脂枠材と前記耐火性を有する板材との間に隙間が生じることを防ぐことができることから、本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
また本発明に係る樹脂サッシの防火構造は、前記不燃補強材に含まれる前記耐火性を有する板材の側面に対して略垂直である部分と、前記中空部を有する樹脂枠材のうち前記略垂直である部分と対向する最外面との間に、熱膨張性耐火材料が注入されている。
このため前記樹脂枠材の内面と、前記不燃補強材のうち前記略垂直である部分との間には熱膨張性耐火材料が注入されていて、前記不燃補強材の存在により前記樹脂枠材の防火性が低下することを防止できる。
また本発明に係る樹脂サッシの防火構造は、前記樹脂枠材の中空部に熱膨張性耐火材料が注入されて、前記耐火性を有する板材表面と平行な面に沿って、前記耐火性を有する板材と共に隙間なく防火面を形成している。
このため、前記樹脂サッシの一方の面で火災が生じたとしても、前記樹脂サッシの前記耐火性を有する板材表面と平行な面に沿って火災の炎を食い止めることができるから、火災が生じた際でも延焼の被害を軽減することができる。
また本発明に係る樹脂サッシの防火構造は、前記不燃補強材が、前記樹脂枠材の下框の中空部に挿入されてる。
このため、前記樹脂サッシの重量が大きくなった場合でも、前記樹脂枠材の下框が火災時に変形して隙間が生じることを防止することができる。
さらに前記不燃補強材は、前記樹脂枠材の縦框の中空部および前記樹脂枠材の上框の中空部からなる群より選ばれる少なくとも一つに挿入されていることから、前記樹脂枠材の縦框および上框が火災時に変形することを防止することができる。
また前記熱膨張性耐火材料の熱膨張倍率が、600℃×30分間の加熱条件下に、1倍より大きく5倍以下の範囲の場合には、本発明に係る樹脂サッシの防火構造が火災等の炎にさらされた場合でも前記樹脂枠材があった場所に、比較的強度に優れた前記熱膨張性耐火材料による熱膨張残渣が形成される。形成された熱膨張残渣は比較的強度を有することから、前記樹脂サッシの防火構造から熱膨張残渣が剥離脱落することを防ぐことができる。また前記熱膨張残渣により前記耐火性を有する板材を支持することができることから、前記樹脂枠材と前記耐火性を有する板材との間に隙間が生じることを防止できる。このため本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
また前記支持部材として断面コ字状の金属部材および無機部材の少なくとも一方を使用することにより、前記樹脂サッシの防火構造が火災等の炎にさらされた場合でも前記支持部材は前記耐火性を有する板材を保持することができる。このため本発明に係る樹脂サッシの防火構造は防火性に優れる。
また前記樹脂枠材の中空部に注入される前の前記熱膨張性耐火材料の25℃における粘度が、1000〜100000 mPa・sの範囲であり、前記樹脂枠材の中空部に注入された後に、25℃において前記樹脂枠材の中空部で流動性を失う前記樹脂枠材の中空部に前記熱膨張性耐火材料を注入することにより本発明に係る樹脂サッシの防火構造を得ることができるから、本発明に係る樹脂サッシの防火構造は取り扱い易い。
図1は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第一の実施形態を例示するた めの模式正面図である。 図2は、熱膨張性耐火材料を注入する前の図1のA−A線に沿う要部断面図 である。 図3は、熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部拡大断 面図である。 図4は、第一の実施形態に使用する不燃補強材の構造を説明するための模式 断面図である。 図5は、本発明に使用できる不燃補強材の変形例を例示した模式断面図であ る。 図6は、不燃補強材と熱膨張性耐火材料との関係を説明するための模式要部 断面図である。 図7は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第二の実施形態を例示するた めの模式正面図である。 図8は、熱膨張性耐火材料を注入する前の図1のA−A線に沿う要部断面図 である。 図9は熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部拡大断面 図である。 図10は、不燃補強材と熱膨張性耐火材料との関係を説明するための模式 要部断面図である。 図11は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第三の実施形態を例示す るための模式正面図である。 図12は、第三の実施形態に使用される樹脂サッシの動作状態を説明する ための模式図である。 図13は、熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部拡 大断面図である。 図14は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第四の実施形態を例示す るための模式正面図である。 図15は、熱膨張性耐火材料を注入する前の図13のA−A線に沿う要部 断面図である。 図16は熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部拡大 断面図である。 図17は、実施例6に係る樹脂サッシの防火構造の模式要部断面図である 。 図18は、実施例1に係る樹脂サッシの防火構造の構造を説明するための 模式正面図である。 図19は、実施例1に係る樹脂サッシの防火構造の図18のA−A線に沿 う要部拡大断面図である。 図20は、実施例2に係る樹脂サッシの防火構造の構造を説明するための 模式正面図である。 図21は、実施例2に係る樹脂サッシの防火構造の図20のA−A線に沿 う要部拡大断面図である。 図22は、本発明の実施例3に係る樹脂サッシの防火構造の構造を説明す るための模式正面図である。 図23は、実施例3に係る樹脂サッシの防火構造の図22のA−A線に沿 う要部拡大断面図である。 図24は、本発明の実施例4に係る樹脂サッシの防火構造の構造を説明す るための模式正面図である。 図25は、実施例4に係る樹脂サッシの防火構造の図24のA−A線に沿 う要部拡大断面図である。 図26は、実施例5に係る樹脂サッシの防火構造の要部拡大断面図である 。 図27は、比較例1に係る樹脂サッシの防火構造の要部拡大断面図である 。 図28は、比較例2に係る樹脂サッシの防火構造の要部拡大断面図である 。
本発明は樹脂サッシの防火構造に関するものであるが、最初に本発明に使用する樹脂サッシについて説明する。
本発明に使用する樹脂サッシとしては、例えば、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商業施設、公共施設等の建築物、客船、輸送船、連絡船等の船舶等の構造物(以下、「住宅等の構造物」という。)の開口部に設置されるものが挙げられる。
一例を示すとすれば、例えば、引き違い樹脂サッシ、開き樹脂サッシ、縦滑り樹脂サッシまたは横滑り樹脂サッシ等の開閉窓、固定樹脂サッシ等の固定窓等に使用されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用される樹脂サッシは、樹脂枠材の中空部に熱膨張性耐火材料が注入されてなるものであるが、本発明に係る第一の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第一の実施形態を例示するための模式正面図である。また図2は、熱膨張性耐火材料を注入する前の図1のA−A線に沿う要部断面図であり、図3は熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部拡大断面図である。
図1〜3において、第一の実施形態に使用する樹脂サッシは住宅等の構造物1に形成された矩形の開口部に固定されるものであって、枠としての樹脂枠材10と、その内部に耐火性を有する板材20とを備えている。
前記樹脂枠材10等の内部の中空部に熱膨張性耐火材料を注入することにより、第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100が得られる。
前記樹脂枠材10は左右の縦枠11,12と上下の上枠13,下枠14とから構成され、各枠11〜14に囲まれた内部が開口部となっている。
一方、前記耐火性を有する板材20は前記の開口部を閉塞するものである。
前記樹脂枠材10を構成する縦横の枠としての各枠11〜14は合成樹脂により形成されている。また、前記耐火性を有する板材20は耐火性を有するものであれば特に限定はなく、例えば、無機材、金属材等により形成されているものを使用することができる。
前記各枠11〜14に使用される合成樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等の塩素含有樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等が挙げられる。
前記合成樹脂は、耐久性、難燃性の観点から硬質塩化ビニルを使用することが好ましい。
硬質塩化ビニル等の合成樹脂を用いて押出成形や射出成形等によって各枠体を成形することができる。
前記合成樹脂は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記耐火性を有する板材20に使用される無機材としては、例えば、ガラス、石膏、セラミック、セメント、ケイ酸カルシウム、パーライト等が挙げられる。
また前記耐火性を有する板材20に使用される金属材としては、例えば、アルミニウム材、ステンレス材、鋼材、合金材等を挙げることができる。
前記無機材および金属材は、それぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
まず前記樹脂枠材10を構成する縦枠11,12から詳細に説明する。
前記縦枠11,12は硬質塩化ビニルを押出成形して得られた長尺材を切断して形成したものであり、長手方向に沿って貫通する中空部を有している。
前記縦枠11,12は、断面形状が大きい矩形の中空部11a,12aと、小幅の中空部11b,12bとを備えている。
また前記縦枠11,12には、前記耐火性を有する板材20の表面21と側面22とのうち、前記耐火性を有する板材20の表面21を支持するための板材支持部30,31がそれぞれ設置されている。
前記板材支持部30,31は、それぞれ前記縦枠11,12と一体的に成形されている。
また前記板材支持部30,31は、それぞれ中空部11b,12bを備えている。
前記板材支持部30,31は、前記耐火性を有する板材20の表面21と平行に設置されていて、前記板材支持部30,31等のパッキン設置部11c,12cに設置された合成樹脂製パッキン32,33が前記耐火性を有する板材20の表面21を支持している。
前記合成樹脂製パッキン32,33は市販されていることから、これらの市販品を適宜選択して使用することができる。
また、前記樹脂枠材10を構成する上枠13,下枠14も、図示していないが同様の構造を有する。
図3に例示されるように、前記中空部11a,11bの中空部の全てに熱膨張性耐火材料15が注入された後に、前記中空部11a,11b内部で熱膨張性耐火材料15が流動性を失っている。前記中空部12a,12bの場合も同様である。
なお、図示していないが、上枠13,下枠14にも長手方向に貫通する中空部内に、同様に熱膨張性耐火材料15が注入された後に、前記上枠13,下枠14の中空部の内部で熱膨張性耐火材料15が流動性を失っている。
また前記縦枠体11,12についての構造は前記上枠13,下枠14と同様であり、以下の説明の場合も同様である。
このように、前記樹脂枠材10の中空部には、前記熱膨張性耐火材料15が板材20の表面と平行な面に沿う方向に注入され、中空部の内壁面に接して流動性を失っている。
これらの熱膨張性耐火材料15は耐火性を有する板材20の表面と平行な面に沿って配置され、前記耐火性を有する板材20と共に耐火面を形成している。
このように形成された耐火面は、前記耐火性を有する板材20と垂直な方向の前記樹脂枠材10の内部にあって前記耐火性を有する板材20に沿うほぼ全面を埋め尽くしている。
室外側、あるいは室内側の正面、すなわち、前記耐火性を有する板材20に沿う方向と直角な方向から第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100を見ると、中央の前記耐火性を有する板材20の外周を前記縦枠11,12および上枠13,下枠14の中空部の正面には熱膨張性耐火材料15が位置していて、全ての熱膨張性耐火材料15が板材20の面に沿って注入されて耐火面が形成されている。
なお、前記耐火性を有する板材20と前記樹脂枠材10の最外面との間に熱膨張性耐火テープを適宜貼着することができる。このことから、火災等の炎、煙等が前記樹脂サッシの防火構造100を通過することを防止できる。
前記熱膨張性耐火材料15を前記樹脂枠材10の中空部に注入する際には、例えば、前記樹脂枠材10の中空部を減圧しながら前記樹脂枠材10の中空部に熱膨張性耐火材料15を注入することができる。
また前記樹脂枠材10の中空部へピストンとシリンダー等を備えた加圧注入手段により前記熱膨張性耐火材料15を圧力を加えながら注入することもできる。
なお熱膨張性耐火材料15の組成については後述する。
また前記縦枠11,12の中空部には、前記耐火性を有する板材20の側面22を支持するための支持部材40を貫通した固定部材50が設置されている。前記支持部材40は断面が略コ字状である。
図2および図3に例示される前記支持部材40は、第一の実施形態の場合は金属材からなるものであるが、前記支持部材40は金属材と無機材の少なくとも一方を使用することができる。前記金属材と無機材の具体例については、先に説明した前記耐火性を有する板材20に使用されるものと同様のものを使用することができる。
前記支持部材40は断面が略コ字状であるために、前記支持部材40の内部に前記耐火性を有する板材20の側面22を、前記支持部材40のうち、前記側面22と対向する面41側へ挿入することができる。
このようにして、前記支持部材40により、前記耐火性を有する板材20を支持することができる。
また本発明に係る樹脂サッシの防火構造は、図3に示されるように、不燃補強材80が、前記樹脂枠材10の中空部に挿入されている。
前記固定部材50が、前記支持部材40を貫通し、前記樹脂枠材10の縦枠11の中空部11aに挿入された不燃補強材80に連結されて前記支持部材40および前記樹脂枠材10を固定している。
同様に前記構造物1側から縦枠11,12に固定部材51,51が設置されていて、前記縦枠11と前記不燃補強材80とが連結されている。
図4は、第一の実施形態に使用する不燃補強材の構造を説明するための模式断面図である。また図5は、本発明に使用できる不燃補強材の変形例を例示した模式断面図である。
図4および図5に示される断面は、前記中空部を有する樹脂枠材10の長手方向に対する垂直断面に対応する。
本発明に使用する前記不燃補強材80は、前記耐火性を有する板材20の側面22に対して略垂直である部分81と略平行である部分82,83とを有する。
このように前記耐火性を有する板材20の側面22に対して略平行である部分82,83を利用して、前記固定部材50を前記略平行である部分82,83に簡単に取りつけることができる。
ここで、略平行とは、対向する面同士が平行である場合と、前記対向する面の双方の垂線を基準として、一方の垂線が他方の垂線に対して−5度〜5度の範囲で交わる場合との両方を含む。
また略垂直とは、面同士が垂直である場合と、各面の垂線が互いに85度〜95度の範囲で交わる場合との両方を含む。
また本発明に使用できる不燃補強材の形状は、図4に例示した断面がコ字状のものに限定されず、例えば図5の(a)〜(c)のぞれぞれに示されるように、T字状、L字状、H字状等であってもよい。
また(d)〜(f)のそれぞれに示されるように、多角筒から一部を取り除いた形状等であってもよい。
前記不燃補強材80は不燃材からなるものであるが、かかる不燃材としては、例えば、金属材料、無機材料等を挙げることができる。
前記不燃補強材80に使用される金属材としては、例えば、アルミニウム材、ステンレス材、鋼材、合金材等を挙げることができる。
また前記不燃補強材80に使用される無機材としては、例えば、ガラス、石膏、セラミック、セメント、ケイ酸カルシウム、パーライト等が挙げられる。
前記無機材および金属材は、それぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
図6は、前記樹脂枠材10の縦枠11の中空部11aに挿入された不燃補強材80と前記中空部11aに注入された熱膨張性耐火材料15との関係を説明するための模式要部断面図である。
図6における一点破線B−Bは、前記不燃補強材80に含まれる前記耐火性を有する板材20の側面22に対して略垂直である部分81を示したものである。
また図6における一点破線C−Cは、前記樹脂枠材10の最外面を示すものである。
本発明においては、前記不燃補強材80に含まれる前記耐火性を有する板材20の側面22に対して略垂直である部分81と、前記中空部を有する樹脂枠材10のうち前記略垂直である部分81と対向する最外面11dとの間に、熱膨張性耐火材料15が注入されていることが必要である。
第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100の場合は、図6に示されるように、前記一点破線B−Bと前記一点破線C−Cとの間に熱膨張性耐火材料15が注入されている。
この関係は、前記樹脂枠材10に含まれる全ての中空部について同様である。
前記樹脂枠材10の中空部と、前記不燃補強材80のうち前記略垂直である部分81との間には熱膨張性耐火材料15が注入されていることから、前記樹脂枠材10の防火性が低下することを防止できる。
前記縦枠11,12の構造について説明したが、前記上枠13,下枠14の場合も同様である。
次に本発明に係る第二の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図7は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第二の実施形態を例示するための模式正面図である。また図8は、熱膨張性耐火材料を注入する前の図1のA−A線に沿う要部断面図であり、図9は熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部拡大断面図である。
図7〜9において、第二の実施形態に使用される樹脂サッシは住宅等の構造物1に形成された矩形の開口部に、開閉可能に取りつけられるものであって、開き樹脂サッシとなっている。
第二の実施形態に使用される開き樹脂サッシは、前記構造物1に形成された矩形の開口部に設置された枠202にヒンジ203等を使用して開閉可能に連結され、障子としての樹脂枠材210と、その内部に耐火性を有する板材220とを備えている。
また前記樹脂枠材210にはドアノブ等の開閉装置204が設置されている。
前記樹脂枠材210等の内部の中空部に熱膨張性耐火材料を注入することにより、第二の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造200が得られる。
図7に示される枠202は、先に説明した第一の実施形態に係る樹脂サッシの場合と同様、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂製のものを使用することができる。また合成樹脂製のものを使用する場合には、前記枠202の中空部には熱膨張性耐火材料を注入することが好ましい。
図7に示される枠202は、アルミニウム製の金属製を使用することもできる。金属製のものは前記構造物1に形成された矩形の開口部に合わせた形状の市販品を適宜選択して使用することができる。
また前記枠202の開口部に設置される樹脂枠材210は左右の縦框211,212と上下の上框213,下框214とから構成され、各框211〜214に囲まれた内部が開口部となっている。
一方、前記耐火性を有する板材220は前記の開口部を閉塞するものである。
前記樹脂枠材210を構成する縦横の障子としての各框211〜214は合成樹脂により形成されている。また、前記耐火性を有する板材220は耐火性を有するものであれば特に限定はなく、例えば、無機材、金属材等により形成されているものを使用することができる。
前記各框211〜214に使用される合成樹脂および前記耐火性を有する板材20に使用される材料については、第一の実施形態の場合と同様である。
まず前記樹脂枠材210を構成する縦框211,212から詳細に説明する。
前記縦框211,212は硬質塩化ビニルを押出成形して得られた長尺材を切断して形成したものであり、長手方向に沿って貫通する中空部を有している。
前記縦框211,212は、断面形状が大きい矩形の中空部211a,212aと、小幅の中空部211c,212cとを備えている。
また前記縦框211,212には、前記耐火性を有する板材220の表面221と側面222とのうち、前記耐火性を有する板材220の表面221を支持するための板材支持部230,231がそれぞれ設置されている。
前記板材支持部230,231は、それぞれ前記縦框211,212と一体的に成形されている。
また前記板材支持部230,231は、それぞれ中空部211b,212bを備えている。
前記板材支持部230,231は、前記耐火性を有する板材220の表面221と平行に設置されていて、前記板材支持部230,231等のパッキン設置部211d,211e,212d,212eに設置された合成樹脂製パッキン232が前記耐火性を有する板材220の表面221を支持している。
前記合成樹脂製パッキン232は市販されていることから、これらの市販品を適宜選択して使用することができる。
また、前記樹脂枠材210を構成する上框213,下框214も、図示していないが同様の構造を有する。
図9に例示されるように、前記中空部211a,211b,211cの中空部の全てに熱膨張性耐火材料215が注入された後に、前記中空部211a,211b、211c内部で熱膨張性耐火材料215が流動性を失っている。前記中空部212a,212b,212cの場合も同様である。
なお、図示していないが、上框213,下框214にも長手方向に貫通する中空部内に、同様に熱膨張性耐火材料215が注入された後に、前記上框213,下框214の中空部の内部で熱膨張性耐火材料215が流動性を失っている。
また前記縦框211,212についての構造は前記上框213,下框214と同様であり、以下の説明の場合も同様である。
第一の実施形態の場合と同様、前記樹脂枠材210の中空部には、前記熱膨張性耐火材料215が板材220の表面と平行な面に沿う方向に注入され、中空部の内壁面に接して流動性を失っている。
これらの熱膨張性耐火材料215は耐火性を有する板材220の表面と平行な面に沿って配置され、前記耐火性を有する板材220と共に耐火面を形成している。
このように形成された耐火面は、前記耐火性を有する板材220と垂直な方向の前記樹脂枠材10の内部にあって前記耐火性を有する板材220に沿うほぼ全面を埋め尽くしている。
また前記縦框211,212の中空部には、前記耐火性を有する板材220の側面222を支持するための支持部材240を貫通した固定部材250が設置されている。前記支持部材240は断面が略コ字状である。
図8および図9に例示される前記支持部材240は、第一の実施形態の場合は金属材からなるものであるが、前記支持部材240は金属材と無機材の少なくとも一方を使用することができる。前記金属材と無機材の具体例については、先に説明した前記耐火性を有する板材220に使用されるものと同様のものを使用することができる。
前記支持部材240は断面が略コ字状であるために、前記支持部材240の内部に前記耐火性を有する板材220の側面222を、前記支持部材240のうち、前記側面222と対向する面241側へ挿入することができる。
このようにして、前記支持部材240により、前記耐火性を有する板材220を支持することができる。
また本発明に係る樹脂サッシの防火構造は、図9に示されるように、不燃補強材280が、前記樹脂枠材210の中空部に挿入されている。
前記固定部材が、前記支持部材240を貫通し、前記樹脂枠材210の縦框211の中空部211aに挿入された不燃補強材280に連結されて前記支持部材240および前記樹脂枠材210を固定している。
図10は、前記樹脂枠材210の縦框211の中空部211aに挿入された不燃補強材280と前記中空部211aに注入された熱膨張性耐火材料215との関係を説明するための模式要部断面図である。
第二の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造200の場合は、第一の実施形態の場合と同様、図10に示されるように、前記一点破線B−Bと前記一点破線C−Cとの間に熱膨張性耐火材料15が注入されている。
この関係は、前記樹脂枠材210に含まれる全ての中空部について同様である。
このため前記樹脂枠材210の中空部と、前記不燃補強材280のうち前記略垂直である部分281との間には熱膨張性耐火材料215が注入されていることから、前記不燃補強材280の存在により前記樹脂枠材210の防火性が低下することを防止できる。
前記縦框211,212の構造について説明したが、前記上框213,下框214の場合も同様である。
次に本発明に係る第三の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図11は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第三の実施形態を例示するための模式正面図である。また図12は第三の実施形態に使用される樹脂サッシの動作状態を説明するための模式図である。また図13は熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部拡大断面図である。
図11〜13において、第三の実施形態に使用される樹脂サッシは住宅等の構造物1に形成された矩形の開口部に、開閉可能に取りつけられるものであって、縦滑り樹脂サッシとなっている。
先の第二の実施形態に使用される開き樹脂サッシは、前記構造物1に形成された矩形の開口部に設置された枠2にヒンジ等を使用して開閉可能に連結され、障子としての樹脂枠材210と、その内部に耐火性を有する板材220とを備えているものであった。
これに対し、第三の実施形態に使用される縦滑り樹脂サッシは、前記構造物1に形成された矩形の開口部に設置された枠302に対してスライド可能に連結さている点が異なる。障子としての樹脂枠材310と、その内部に耐火性を有する板材320とを備える点は第二の実施形態の場合と同様である。
図12に示されるように、枠302の下面には基板プレート360が設置されている。前記基板プレート360には前記基板プレートと水平方向に可動できる可動アーム362と可動アーム361とが互いに水平方向に回転可能に接続さている。
また前記可動アーム362の一端は、前記基板プレート360に、前記基板プレート360の開口部363の長手方向に可動できるように連結されている。
また前記可動アーム362の他端は、第三の実施形態に使用される下框314にヒンジ364により水平方向に回転可能に接続されていて、第三の実施形態に使用される開き樹脂サッシは、前記構造物1に形成された矩形の開口部に設置された枠302に対してスライド可能に開閉することができる。
この構造は枠302の上面と上框313の場合も同様である。
第三の実施形態に使用される樹脂サッシと枠302との連結構造に特に限定はなく、公知の縦滑り出し窓の構造と同様の構造を採用することができる。
前記樹脂枠材310等の内部の中空部に熱膨張性耐火材料を注入することにより、第三の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造300が得られる。
前記障子としての樹脂枠材310と、その内部に耐火性を有する板材320とを備える縦滑り樹脂サッシの構造は、先に説明した第二の実施形態の場合と同様である。
なお、第三の実施形態に使用される樹脂サッシの場合は縦滑り樹脂サッシを例に挙げたが、第三の実施形態に使用される樹脂サッシの変形例として横滑り樹脂サッシを使用することもできる。
かかる横滑り樹脂サッシの構造に限定はなく、公知の横滑り出し窓の構造と同様の構造を採用することができる。
次に本発明に係る第四の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図14は、本発明に係る樹脂サッシの防火構造の第四の実施形態を例示するための模式正面図である。また図15は、熱膨張性耐火材料を注入する前の図13のA−A線に沿う要部断面図であり、図16は熱膨張性耐火材料を注入した後の図1のA−A線に沿う要部拡大断面図である。
図14〜16において、第四の実施形態に使用される樹脂サッシは住宅等の構造物1に形成された矩形の開口部に、開閉可能に取りつけられるものであって、引き違い樹脂サッシとなっている。
第四の実施形態に使用される引き違い樹脂サッシは、前記構造物1に形成された矩形の開口部に設置された枠402に引き違い可能に設置され、二組の障子としての樹脂枠材410,410と、その内部に耐火性を有する板材420,420とをそれぞれ備えている。
前記樹脂枠材410,410等の内部の中空部に熱膨張性耐火材料を注入することにより、第四の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造400が得られる。
図14に示される枠402は、合成樹脂製のものを使用することが好ましく、先に説明した第一の実施形態に係る樹脂サッシの場合と同様、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂製のものを使用することがより好ましい。
また合成樹脂製のものを使用する場合には、中空部には熱膨張性耐火材料を注入することが好ましい。
図14に示される枠402として、アルミニウム製の金属製のものを使用することもできる。前記金属製のものは、前記構造物1に形成された矩形の開口部に合わせた形状の市販品を適宜選択して使用することができる。
前記樹脂枠材410は左右の縦框411,412と上下の上框413,下框414とから構成され、各框411〜414に囲まれた内部が開口部となっている。
一方、前記耐火性を有する板材420,420は前記開口部を閉塞するものである。
前記樹脂枠材410,410を構成する縦横の障子としての各框411〜414は合成樹脂により形成されている。また、前記耐火性を有する板材420は耐火性を有するものであれば特に限定はなく、例えば、無機材、金属材等により形成されているものを使用することができる。
第四の実施形態に使用される二組の引き違い樹脂サッシを使用することにより、前記構造物1に形成された矩形の開口部に設置された枠402の内部を水平方向にそれぞれの引き違い樹脂サッシは独立してスライドが可能である。
前記引き違い樹脂サッシをそれぞれを前記枠402の内部で左右に閉じた場合には、前記二組の引き違い樹脂サッシのそれぞれの縦框412,412が、前記耐火性を有する板材420表面に対して垂直方向に相互に重なり合い、前記構造物1に形成された矩形の開口部を密閉することができる。
前記各框411〜414に使用される合成樹脂および前記耐火性を有する板材420,420に使用される材料については、第一の実施形態の場合と同様である。
まず前記樹脂枠材410を構成する縦框411,412から詳細に説明する。
実施例1の場合と同様、前記縦框411,412は硬質塩化ビニルを押出成形して得られた長尺材を切断して形成したものであり、長手方向に沿って貫通する中空部を有している。
前記縦框411は、断面形状が大きい矩形の中空部411aと、小幅の中空部411b,411cとを備えている。前記縦框412の場合も同様である。
また、前記樹脂枠材410を構成する上框413,下框414も、図示していないが同様の構造を有する。
図16に例示されるように、前記中空部411a,411b,411cの中空部の全てに熱膨張性耐火材料415が注入された後に、前記中空部411a,411b,411c内部で熱膨張性耐火材料415が流動性を失っている。前記中空部412a,411b,412cの場合も同様である。
なお、図示していないが、前記縦框412,上框413,下框414にも長手方向に貫通する中空部内に、同様に熱膨張性耐火材料415が注入された後に、前記縦框412,前記上框413,下框414の中空部の内部で熱膨張性耐火材料415が流動性を失っている。
また前記縦框411,412についての構造は前記上框413,下框414と同様であり、以下の説明の場合も同様である。
第一の実施形態の場合と同様、前記樹脂枠材410の中空部には、前記熱膨張性耐火材料415が板材420の表面と平行な面に沿う方向に注入され、中空部の内壁面に接して流動性を失っている。
これらの熱膨張性耐火材料415は耐火性を有する板材420の表面と平行な面に沿って配置され、前記耐火性を有する板材420と共に耐火面を形成している。
このように形成された耐火面は、前記耐火性を有する板材420と垂直な方向の前記樹脂枠材10の内部にあって前記耐火性を有する板材420に沿うほぼ全面を埋め尽くしている。
また前記縦框411,412の中空部には、前記耐火性を有する板材420の側面422を支持するための支持部材440を貫通した固定部材450が設置されている。前記支持部材440は断面が略コ字状である。
図14および図15に例示される前記支持部材440は、第一の実施形態の場合は金属材からなるものであるが、前記支持部材440は金属材と無機材の少なくとも一方を使用することができる。前記金属材と無機材の具体例については、先に説明した前記耐火性を有する板材420に使用されるものと同様のものを使用することができる。
前記支持部材440は断面が略コ字状であるために、前記支持部材440の内部に前記耐火性を有する板材420の側面422を、前記支持部材440のうち、前記側面422と対向する面441側へ挿入することができる。
このようにして、前記支持部材440により、前記耐火性を有する板材420を支持することができる。
また本発明に係る樹脂サッシの防火構造は、図16に示されるように、不燃補強材480が、前記樹脂枠材410の中空部に挿入されている。
前記固定部材が、前記支持部材440を貫通し、前記樹脂枠材410の縦框411の中空部411aに挿入された不燃補強材480に連結されて前記支持部材440および前記樹脂枠材410を固定している。
図17は、前記樹脂枠材410の縦框411の中空部411aに挿入された不燃補強材480と前記中空部411aに注入された熱膨張性耐火材料415との関係を説明するための模式要部断面図である。
第四の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造200の場合も、第一の実施形態の場合と同様、図17に示されるように、前記一点破線B−Bと前記一点破線C−Cとの間に熱膨張性耐火材料415が注入されている。
この関係は、前記樹脂枠材410に含まれる全ての中空部について同様である。
このため前記樹脂枠材410の中空部と、前記不燃補強材480のうち前記略垂直である部分481との間には熱膨張性耐火材料415が注入されていることから、前記不燃補強材480の存在により前記樹脂枠材210の防火性が低下することを防止できる。
前記縦框411の構造について説明したが、前記縦框412,前記上框413,および下框414の場合も同様である。
次に本発明に使用する熱膨張性耐火材料について説明する。
前記熱膨張性耐火材料としては、例えば、具体的には反応硬化性樹脂成分、熱膨張成分、無機充填材等を含む樹脂組成物からなるもの等を挙げることができる。
前記熱膨張性耐火材料の各成分のうち、まず前記反応硬化性樹脂成分について説明する。
前記反応硬化性樹脂成分としては、例えば、時間の経過と共に前記反応硬化性樹脂成分に含まれる構成成分の反応が進むことにより粘度が増大し、当初は流動性があるが時間の経過と共に流動性を失うものであれば特に限定はない。
前記反応硬化性樹脂成分としては、具体例を挙げるとするなら、例えば、ウレタン樹脂、イソシアヌレート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記ウレタン樹脂としては、例えば、主剤としてのポリイソシアネート化合物、硬化剤としてのポリオール化合物、触媒等を含むものが挙げられる。
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記ウレタン樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネート等であれば好ましい。
前記ウレタン樹脂の硬化剤であるポリオール化合物としては、例えば、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。
前記芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
前記脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。
前記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
前記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで前記多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。
また前記多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
また前記ヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
前記ポリマーポリオールとしては、例えば、前記芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステル系ポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、または、これらの水素添加物等が挙げられる
本発明におけるイソシアネートインデックス〔(イソシアネート基のモル数)/(水を含めた全活性水素基のモル数)×100〕は、通常50〜500の範囲である。好ましくは60〜450の範囲であり、更に好ましくは70〜400の範囲である。
イソシアネートインデックスが50未満の場合は、得られた硬質ポリウレタンフォームが十分な難燃性や機械強度を有しないことがあり、500を超える場合は、得られる硬質ポリウレタンフォームの脆性が高くなり、接着強度が低下する傾向にある。
前記ウレタン樹脂の触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル,N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等のアミノ系触媒等が挙げられる。
次にイソシアヌレート樹脂としては、例えば、先に説明したポリウレタン樹脂を用いて、ポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進したもの等を挙げることができる。
イソシアヌレート環の生成を促進するためには、例えば、触媒として、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の芳香族化合物、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、カルボン酸の4級アンモニウム塩等を使用すればよい。
イソシアヌレート樹脂の主剤と硬化剤については先のポリウレタン樹脂の場合と同様である。
次に前記エポキシ樹脂としては例えば、主剤としてのエポキシ基を持つモノマーと硬化剤とを反応させて得られる樹脂等を挙げることができる。
前記エポキシ基を持つモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型として、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、トリメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−ビスフェノールA、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のモノマーが挙げられる。
また、グリシジルエステル型として、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等のモノマーが挙げられる。
更に多官能のグリシジルエーテル型として、フェノールノボラック型、オルトクレゾール型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン、フェノール型等のモノマーが挙げられる。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
また、前記硬化剤としては、例えば、重付加型硬化剤、触媒型硬化剤等が挙げられる。
前記重付加型硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が挙げられる。
前記触媒型硬化剤としては、例えば三級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が挙げられる。
これらエポキシ樹脂の硬化方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
なお、前記樹脂成分の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調整のため、二種以上の樹脂成分を混合したものを使用することができる。
次に前記フェノール樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂組成物等が挙げられる。
前記レゾール型フェノール樹脂組成物は、例えば、主剤としてのレゾール型フェノール樹脂、硬化剤等を含むものである。
前記フェノール樹脂の主剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシン等のフェノール類およびその変性物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等のアルデヒド類とを、触媒量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリの存在下に反応させて得られるものがあげられるが、これに限定されるものではない。
フェノール類等とアルデヒド類の混合割合は特に限定はないが、モル比で通常1.0:1.5〜1.0:3.0の範囲である。前記混合割合は、1.0:1.8〜1.0:2.5の範囲であれば好ましい。
前記フェノール樹脂の硬化剤としては、例えば、硫酸、リン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
次に尿素樹脂としては、例えば、主剤としての尿素、硬化剤としてのホルムアルデヒド、触媒としての塩基性化合物、酸性化合物を含む組成物等が挙げられる。
前記尿素とホルムアルデヒド等は重合反応により尿素樹脂を形成する。
次に不飽和ポリエステル樹脂としては、主剤としての不飽和多塩基酸、硬化剤としてのポリオール化合物、触媒等を含む組成物等が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の主剤としては、具体的には、例えば、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤としては、具体的には、例えば、先に説明したウレタン樹脂に使用するポリオール化合物等が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、必要に応じて無水フタル酸、イソフタル酸等の飽和多塩基酸を併用することもできる。
さらに前記不飽和ポリエステル樹脂の主剤と重合するスチレン、ビニルトルエン、メチルメタクリレート等の架橋用ビニルモノマーを添加することができる。
前記不飽和ポリエステル樹脂の触媒としては、具体的には、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン等の有機過酸化物等が挙げられる。
次にアルキド樹脂としては、例えば、主剤としての多塩基酸、硬化剤としてのポリオール化合物、油脂等を含む組成物等が挙げられる。
前記アルキド樹脂の主剤としては、具体的には、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、アジピン酸等が挙げられる。
前記アルキド樹脂の硬化剤としては、具体的には、例えば、先に説明したウレタン樹脂に使用するポリオール化合物等が挙げられる。
前記油脂としては、例えば、大豆油、ヤシ油、アマニ油等を挙げることができる。
次にメラミン樹脂としては、例えば、主剤としてのメラミン、硬化剤としてのホルムアルデヒド等を含む組成物等が挙げられる。
必要に応じて、前記組成物にベンゾグアナミン等を添加することもできる。
次にジアリルフタレート樹脂としては、例えば、主剤としての無水フタル酸等の多塩基酸、硬化剤としてのアリルアルコール等、架橋剤等を含む組成物等が挙げられる。
前記架橋剤としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
次にシリコーン樹脂としては、例えば、主剤としてジアルキルシリルジクロリド、ジアルキルシリルジオール等、反応抑制剤としてトリアルキルシリルクロリド、トリアルキルシリルジオール等、硬化剤として塩化白金酸等の白金化合物を含む組成物等を挙げることができる。
前記ジアルキルシリルジクロリドとしては、具体的には、例えば、ジメチルシリルジクロリド、ジエチルシリルジクロリド、ジプロピルシリルジクロリド等が挙げられる。
前記ジアルキルシリルジオールとしては、具体的には、例えば、ジメチルシリルジオール、ジエチルシリルジオール、ジプロピルシリルジオール等が挙げられる。
前記トリアルキルシリルクロリドとしては、具体的には、例えば、トリメチルシリルクロリド、トリエチルシリルクロリド、トリプロピルシリルクロリド等が挙げられる。
前記トリアルキルシリルジオールとしては、具体的には、例えば、トリメチルシリルオール、トリエチルシリルオール、トリプロピルシリルオール等が挙げられる。
前記反応抑制剤は、ポリシロキサン主鎖の末端に結合し、反応を制御してポリシロキサン主鎖の重合度を制御する役割を果たす。
本発明に使用する反応硬化性樹脂成分は、火災等の熱にさらされた場合でも容易に溶融することを防止するために、熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。
本発明に使用する反応硬化性樹脂成分は、取り扱い性の面からエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等であることがより好ましい。
本発明に使用する反応硬化性樹脂成分は、主剤と硬化剤等とを予め予備的に反応させて使用することもできる。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火材料に含まれる前記反応硬化性樹脂成分の主剤、硬化剤、触媒等はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する前記熱膨張性耐火材料に含まれる前記反応硬化性樹脂成分に対し、発泡剤、整泡剤を併用することにより、前記熱膨張性耐火材料を発泡した状態で硬化させることができる。
前記発泡剤としては、例えば、水、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、
ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、
トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物、CHF、CH、CHF等のハイドロフルオロカーボン、
トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物、
ジクロロモノフルオロエタン、(例えば、HCFC141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン))等のハイドロクロロフルオロカーボン化合物、
ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
前記反応硬化性樹脂成分に対する発泡剤の使用量は、使用する前記反応硬化性樹脂成分により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、前記反応硬化性樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の範囲であり、0.3〜10重量部の範囲であれば好ましい。
前記整泡剤としては、例えば、有機ケイ素系界面活性剤等が挙げられる。
前記反応硬化性樹脂成分に対する整泡剤の使用量は、使用する前記反応硬化性樹脂成分により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、前記樹脂成分100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲であれば好ましい。
前記発泡剤、整泡剤はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する前記反応硬化性樹脂成分は、前記熱膨張性耐火材料を発泡した状態で硬化させるため、発泡する機能を有することが好ましく、具体的には、ウレタン樹脂フォーム、イソシアヌレート樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォーム、フェノール樹脂フォーム、尿素樹脂フォーム、不飽和ポリエステル樹脂フォーム、アルキド樹脂フォーム、メラミン樹脂フォーム、ジアリルフタレート樹脂フォーム、シリコーン樹脂フォーム等の一種もしくは二種以上を使用することが好ましい。
前記熱膨張性耐火材料を発泡した状態で硬化させることにより、硬化した前記熱膨張性耐火材料に気泡の断熱効果を付与することができ、構造物の開口部等に設置される扉、サッシ等の、熱膨張性耐火材料が注入された建築部材の断熱性を高めることができる。
次に前記熱膨張性耐火材料の各成分のうち、熱膨張成分について説明する。
前記熱膨張成分は加熱時に膨張するものであるが、かかる熱膨張成分として具体例を挙げるとすれは、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等の無機膨張成分、熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品等を挙げることができる。
前記熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
前記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
前記アルカリ金属化合物および前記アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。
粒度が20メッシュ以上であると、分散性が向上するため樹脂成分等との混練が容易になる。また、粒度が200メッシュ以下であると、黒鉛の膨張度が大きいため十分な耐火断熱層が得られ易くなる。
上記中和された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCAR CARBON社製の「GRAFGUARD#160」、「GRAFGUARD#220」、東ソー社製の「GREP−EG」等が挙げられる。
前記熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品としては、例えば、市販の熱膨張性耐火シート等を粉砕したもの等を挙げることができる。
かかる成形体粉砕品に使用する熱膨張性耐火シート等の具体例としては、例えば、積水化学工業社製のフィブロック(登録商標。エポキシ樹脂、ゴム樹脂等の樹脂成分、熱膨張性黒鉛等の熱膨張成分、リン化合物、無機充填材等を含む熱膨張性樹脂組成物の成形体)、住友スリーエム社のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料化学社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)等が挙げられる。
市販の熱膨張性耐火シート等を裁断機等により細かく切断する等の方法、市販の熱膨張性耐火シート等を粉砕ロールに通して粉砕する等の方法により、熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品を得ることができる。
前記熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品は、5〜20メッシュの範囲のものが好ましい。
前記熱膨張性樹脂組成物の成形体粉砕品の粒度が5メッシュ以上であると、分散性が向上するため樹脂成分等との混練が容易になる。また、粒度が20メッシュ以下であると、黒鉛の膨張度が大きいため十分な耐火断熱層が得られ易くなる。
次に先の熱膨張性耐火材料の各成分のうち、前記無機充填材について説明する。
前記無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、バーミキュライト、カオリン、マイカ、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン化合物、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記無機充填材は骨材的役割を果たして、加熱後に生成する膨張断熱層強度の向上や熱容量の増大に寄与する。
このため、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機物が好ましく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び周期律表IIbの金属炭酸塩又はこれらと前記含水無機物との混合物が好ましい。
また、本発明に使用する熱膨張性耐火材料に対し、難燃剤としてリン化合物を添加することもできる。
前記リン化合物は、難燃性を向上させるため、または窒素化合物、アルコール類等と組み合わせて熱膨張性機能を発現するために用いられる。
前記リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩、
ポリリン酸アンモニウム類、
下記化学式1で表される化合物等が挙げられる。
これらのリン化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらのうち、耐火性の観点から、赤リン、下記の化学式で表される化合物、及び、ポリリン酸アンモニウム類が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
Figure 2015098773
上記化学式中、R1及びR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
前記化学式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。
ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、難燃性、安全性、コスト、取扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。
市販品としては、例えば、クラリアント社製の「商品名:EXOLIT AP422」及び「商品名:EXOLIT AP462」等が挙げられる。
前記リン化合物は、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩と反応して、金属炭酸塩の膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。
また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
前記窒素化合物としては、特に限定はないが、メラミン系化合物等であれば好ましい。また前記アルコール類としては、特に限定はないが、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等であれば好ましい。
本発明に使用する無機充填材が粒状の場合には、その粒径としては、0.5〜200μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは、1〜50μmの範囲のものである。
無機充填材の添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、粒径0.5μm以上では二次凝集を防ぐことができ、分散性が良好となる。
また、無機充填材の添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることによって樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、上記範囲の中でも粒径の大きいものが好ましい。
なお、粒径が200μm以下の場合には、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下することを抑制することができる。
前記無機充填材の中でも、特に骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果を付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物が好ましい。
前記含水無機物及び金属炭酸塩を併用することは、燃焼残渣の強度向上や熱容量増大に大きく寄与すると考えられる。
前記無機充填材の中で、特に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、燃焼残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで燃焼残渣の強度が向上する点で好ましい。
また、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広くなり、より効果的な温度上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ましい。
前記含水無機物の粒径は、小さくなると嵩が大きくなって高充填化が困難となるので、脱水効果を高めるために高充填するには粒径の大きなものが好ましい。
具体的には、粒径が18μmでは、1.5μmの粒径に比べて充填限界量が約1.5倍程度向上することが知られている。
さらに、粒径の大きいものと小さいものとを組み合わせることによって、より高充填化が可能となる。
前記含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「商品名:ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「商品名:ハイジライトH−31」(昭和電工社製)等が挙げられる。
前記炭酸カルシウムの市販品としては、例えば、粒径1.8μmの「商品名:ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「商品名:BF300」(備北粉化社製)等が挙げられる。
冒頭に説明したとおり、本発明に使用する熱膨張性耐火材料としては、上記に説明した反応硬化性樹脂樹脂成分、熱膨張成分、無機充填材等を含む樹脂組成物、さらに上述のリン化合物を含むもの等を挙げることができるが、次にこれらの配合について説明する。
前記熱膨張性耐火材料は、反応硬化性樹脂成分100重量部に対し、前記反応硬化性熱膨張成分を5〜100重量部および前記無機充填材を10〜200重量部の範囲で含むものが好ましい。
また、前記反応硬化性熱膨張成分および前記無機充填材の合計は、20〜300重量部の範囲が好ましい。
かかる熱膨張性耐火材料は火災等の熱によって膨張し熱膨張残渣を形成する。この配合によれば、前記熱膨張性耐材料は火災等の熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する熱膨張残渣を形成することもでき、安定した耐火性能を達成することができる。
前記反応硬化性熱膨成分の量が10重量部以上であると、必要な膨張倍率が得られることから、十分な耐火、防火性能が得られる。
一方、前記熱膨張成分の量が150重量部以下であると、前記熱膨張性耐火材料の25℃における流動性を確保することができる。
また前記無機充填材の量が50重量部以上であると、燃焼後の熱膨張残渣の体積減少が少なく、耐火断熱のための熱膨張残渣が得られる。
さらに可燃物の比率が増加するため、難燃性が低下することがある。
一方、無機充填材の量が300重量部以下であると、前記熱膨張性耐火材料の25℃における流動性を確保することができる。
前記熱膨張性耐火材料における熱膨張成分および無機充填材の合計量は、60重量部以上では燃焼後の熱膨張残渣量が不足せず十分な耐火性能が得られやすく、450重量部以下では機械的物性の低下が小さく、実際の使用に適する。
さらに本発明に使用する前記熱膨張性耐火材料は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
本発明に使用する熱膨張性耐火材料の25℃における粘度は、建築部材中空部に注入される前の値を基準として、1000〜100000 mPa・sの範囲であることが好ましい。
前記粘度が1000mPa・s以上であれば、樹脂枠材中空部の狭い隙間でも前記熱膨張性耐火材料を容易に充填することができる。また樹脂枠材中空部に前記熱膨張性耐火材料を注入するための圧力、注入機器の押圧等が必要以上に高くなることがなく、容易に注入を行うことができる。
また前記粘度が100000 mPa・s以下であれば、樹脂枠材中空部に前記熱膨張性耐火材料を注入する際に空気を巻き込みにくく所望の充填量を注入することが容易となる。また注入の際に熱膨張性耐火材料の各成分が分離しにくく、不均一となることを防止することができるため、前記樹脂枠材中空部で前記熱膨張性耐火材料の組成を均一に保つことができ、所望の耐火性能を発揮することができる。
前記粘度は2000から60000 mPa・sの範囲であればより好ましく、3000〜40000 mPa・sの範囲であればさらに好ましい。
前記熱膨張性耐火材料の粘度の調整は、本発明に使用する熱膨張性耐火材料の反応硬化性樹脂成分の種類等を選択することにより調整することができる。液状の反応硬化性樹脂成分のうち、25℃における粘度が低いものを選択することにより25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を小さくすることができる。また逆に液状の反応硬化性樹脂成分のうち、25℃における粘度が高いものを選択することにより25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を大きくすることができる。
また前記熱膨張性耐火材料の粘度の調整は、前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分、無機充填材の重量割合を変動させることによっても行うことができる。
例えば、前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分、無機充填材等の重量割合を減少させると、25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を小さくすることができる。加えて、25℃の温度で液状の無機充填材を適宜選択することにより、粘度を小さくすることもできる。
また逆に前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張成分、無機充填材等の重量割合を増加させると、25℃における熱膨張性耐火材料の粘度を大きくすることができる。
前記熱膨張性耐火材料の熱膨張開始温度および熱膨張倍率は、前記熱膨張性耐火材料に含まれる熱膨張性黒鉛の熱膨張開始温度および熱膨張倍率をそれぞれ調整することにより変化させることができる。
熱膨張開始温度および熱膨張倍率の異なる熱膨張性黒鉛は市販されていることから、目的とする熱膨張開始温度および熱膨張倍率の熱膨張性黒鉛を選択することにより、所望の熱膨張開始温度および熱膨張倍率を持つ前記熱膨張性耐火材料が得られる。
次に前記熱膨張性耐火材料の製造方法について説明する。
前記熱膨張性耐火材料の製造方法に特に限定はないが、例えば、前記熱膨張性耐火材料を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方法、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法、また前記熱膨張性耐火材料に含まれる反応硬化性樹脂成分に25℃の温度において固体である成分が含まれる場合には、前記熱膨張性耐火材料を加熱下に溶融させる等の方法により前記樹脂組成物を得ることができる。
前記熱膨張性耐火材料は、前記熱膨張性耐火材料の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を用いて混練することにより得ることができる。
また、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性官能基をもつ主剤と硬化剤とをそれぞれ別々に充填材等と共に混練しておき、注入直前にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練して得ることもできる。
さらに触媒を除く前記熱膨張性耐火材料の成分と、触媒とを注入直前に同様に混練して得ることもできる。
以上説明した方法により、本発明に使用する前記熱膨張性耐火材料を得ることができる。
以上の様に得られた前記熱膨張性耐火材料は25℃の温度において流動性を有するため、前記樹脂枠材の中空部に注入することができる。
ここで流動性を有する、とは前記熱膨張性耐火材料を静置したときに一定形状を有しない場合をいい、流動性を有しない、とは前記熱膨張性耐火材料を静置したときに一定形状を有する場合をいう。
前記熱膨張性耐火材料は、火災時などの高温にさらされた際にその膨張層により断熱し、かつその膨張層の強度があるものであれば特に限定されないが、600℃×30分間の加熱条件下で加熱した後の体積膨張率が1倍より大きく5倍以下の範囲であれば好ましい。
前記体積膨張率が1倍を下回ると、膨張体積が前記樹脂成分の焼失部分を十分に埋めきれず防火性能が低下することがある。また5倍を超えると、膨張層の強度が下がり、火炎の貫通を防止する効果が低下することがある。より好ましくは、体積膨張率が1.2〜5倍の範囲であり、さらに好ましくは1.3〜4倍の範囲である。
前記膨張層が自立するためには、前記膨張層は強度の大きいことが必要であり、その強度としては、圧縮試験器にて0.25cmの圧子を用いて、前記膨張層のサンプルを0.1m/sの圧縮速度で測定した場合の破断点応力が0.05kgf/cm以上であれば好ましい。破断点応力が0.05kgf/cmを下回ると、断熱膨張層が自立できなくなり防火性能が低下することがある。より好ましくは、0.1kgf/cm以上である。
次に本発明について図面に基づき実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[固定樹脂サッシの防火構造500]
実施例1では樹脂サッシの防火構造500を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。なお実施例1に係る樹脂サッシの防火構造500の構造は先に説明した第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100の場合と同様であり、下記図面について参照符号が先の図面1〜3と同じものについては第一の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造100と同じであるため説明を省略する。
図18は、本発明の実施例1に係る樹脂サッシの防火構造500の構造を説明するための模式正面図である。また図19は、実施例1に係る樹脂サッシの防火構造500の図18のA−A線に沿う要部拡大断面図である。
図18に示される通り、ガラスからなる耐火性を有する板材520が、長手方向に沿って内部に中空部が形成されている硬質塩化ビニルからなる樹脂枠材510により支持されている。
また住宅等の構造物の開口部を耐火試験用に再現するために、前記耐火性を有する板材520および前記樹脂枠材510の周囲に隙間なくケイ酸カルシウム板504が取り囲んでいる。
また前記樹脂サッシの防火構造500に使用される樹脂枠材510の内部に長手方向に沿って複数の中空部が設けられている。
次に表1に示した配合に従い、熱膨張性耐火材料15をA成分とB成分とに分けて、それぞれの成分を遊星式攪拌機を用いて攪拌した。
具体的には前記熱膨張性耐火材料としてポリウレタン樹脂を使用した。A成分の樹脂成分としてポリウレタン樹脂の硬化剤としてポリエーテルポリオールを用い、B成分の樹脂成分としてポリウレタン樹脂の主剤としてポリイソシアネート化合物を用いた。
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物と硬化剤であるポリエーテルポリオールとを、イソシアネートインデックス〔(イソシアネート基のモル数)/(水を含めた全活性水素基のモル数)×100〕が105となる様に調整した。
次にA成分とB成分との粘度を測定した。粘度測定にはB型回転式粘度計(ビスコテック社製)を用いて25℃における粘度を測定した。測定の際のB型回転式粘度計の回転数は、A液が30rpmとし、R2のスピンドルを使用し、B液が20rpmとし、R6のスピンドルを使用した。
得られたA成分とB成分とのそれぞれの粘度を、A成分とB成分との重量比の割合で加算して全体粘度を得た。この値を表1に示す。
次に図18および図19に示される様に、長手方向に沿って内部に中空部が形成されている硬質塩化ビニルからなる樹脂枠材510の中空部のうち、前記中空部の内部に、前記樹脂枠材510の全周に渡って前記A成分とB成分とを上記の混合比を維持して注入した。
注入された熱膨張性耐火材料15は、中空部の内部で発泡しながら硬化して流動性を失い、ウレタン樹脂フォームを形成した。
Figure 2015098773
前記熱膨張性耐火材料15の熱膨張開始温度は210℃であった。
本発明における熱膨張開始温度は文字通り熱により膨張を開始する温度であり、注意深く試験片を加熱すると前記試験片が膨張を開始するのを確認することができる。この膨張を肉眼により確認できる温度が熱膨張開始温度である。
また前記熱膨張性耐火材料15の熱膨張倍率は、600℃×30分間の加熱条件下に1.5であった。
本発明における熱膨張倍率は、加熱前と加熱後の試験片の体積変化により算出することができる。
前記試験片を電気炉にて600℃で30分間加熱し、加熱前の試験片の体積と加熱後の試験片の体積の変化を百分率により表したものが熱膨張倍率である。
図18において、破線にて囲まれる部分X,Y,Zに示される樹脂枠材510の中空部の長手方向に不燃補強材80が挿入されている。
前記破線にて囲まれる部分X,Y,Z以外の樹脂枠材510の中空部の長手方向には前記不燃補強材80は挿入されず、前記熱膨張性耐火材料15のみが注入されている。
前記不燃補強材80は第一の実施形態の場合と同様、断面がコ字状である。また前記不燃補強材80は金属材料からなる。
先に説明した図6に示されるように、前記一点破線B−Bと前記一点破線C−Cとの間に熱膨張性耐火材料15が注入されている。
この関係は、前記樹脂枠材510に含まれる全ての中空部について同様である。
図18に示される通り、前記不燃補強材80は下枠14の中空部に挿入されることが必要である。前記不燃補強材80は前記下枠14の中空部の全部もしくは一部に設置することが好ましく、前記下枠14の中空部の長手方向を基準として、80〜100%の内部に前記不燃補強材80が設置されていることが好ましい。
また縦枠11および12の中空部に挿入される前記不燃補強材80は、前記縦枠11および12の中空部の全部もしくは一部に設置することが好ましく、前記枠11および12の中空部の長手方向を基準として、10〜500%の内部に前記不燃補強材80がそれぞれ設置されていることが好ましく、前記縦枠11および12の中空部の中央部の断面に前記不燃補強材80が存在することがより好ましい。
前記樹脂枠材510の中空部と、前記不燃補強材80のうち前記耐火性を有する板材520の側面に対して前記略垂直である部分581との間には熱膨張性耐火材料15が注入されていることから、前記樹脂枠材10の防火性が低下することを防止できる。
[耐火試験]
前記耐火補強建築部材200に対してISO834の条件に従い、耐火試験を実施した。耐火試験は炎が前記耐火補強建築部材200を貫通するまで実施した。
この耐火試験の結果、加熱面と反対側の面から20分間以上炎の漏出が認められなかった場合を○、20分間未満で炎の漏出が認められた場合を×とした。この結果を表2に記載した。
前記耐火試験を開始と共に加熱面側の熱膨張性耐火材料15が膨張し、熱膨張残渣を形成した。前記耐火試験を開始してから20分経過後も、実施例1の耐火補強建築部材200では炎の漏出が認められなかった。
[熱膨張残渣の自立性試験]
耐火試験実施後に前記熱膨張性耐火材料15からそれぞれ得られる熱膨張残渣を回収し、それぞれの熱膨張残渣の自立性について観察した。
熱膨張残渣が自重で崩れず一定の形状を保持する場合を○とし、熱膨張残渣が自重で崩れてしまう場合を×とした。この結果を表2に記載した。
[開き樹脂サッシの防火構造600]
実施例2では樹脂サッシの防火構造600を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。なお実施例2に係る樹脂サッシの防火構造600の構造は先に説明した第二の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造200の場合と同様であり、下記図面について参照符号が先の図面7〜9と同じものについては第二の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造200と同じであるため説明を省略する。
図20は、本発明の実施例2に係る樹脂サッシの防火構造600の構造を説明するための模式正面図である。また図21は、実施例2に係る樹脂サッシの防火構造600の図20のA−A線に沿う要部拡大断面図である。
図20に示される通り、実施例1の場合と比較して枠602を使用したこと、
ガラスからなる耐火性を有する板材620が、長手方向に沿って内部に中空部が形成されている硬質塩化ビニルからなる樹脂枠材610により支持されていて、
前記耐火性を有する板材620と前記樹脂枠材610とを含む開き樹脂サッシがヒンジ603により開閉可能に連結されていること、
障子としての全部の樹脂枠材610の長手方向の中空部に、不燃補強材280が挿入されている点が異なる。
実施例1の場合と全く同様の耐火試験と自立性試験を実施した。
結果を表2に示す。
[縦滑り樹脂サッシの防火構造700]
実施例3では樹脂サッシの防火構造700を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。なお実施例3に係る樹脂サッシの防火構造700の構造は先に説明した第三の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造300の場合と同様であり、下記図面について参照符号が先の図面11〜13と同じものについては第三の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造300と同じであるため説明を省略する。
図22は、本発明の実施例3に係る樹脂サッシの防火構造700の構造を説明するための模式正面図である。また図23は、実施例3に係る樹脂サッシの防火構造700の図22のA−A線に沿う要部拡大断面図である。
図22に示される通り、実施例2の場合と比較して、ガラスからなる耐火性を有する板材720が、長手方向に沿って内部に中空部が形成されている硬質塩化ビニルからなる樹脂枠材710により支持されていて、
前記耐火性を有する板材720と前記樹脂枠材710とを含む開き樹脂サッシが可動アーム763によりスライド可能に連結されている点が異なる。
実施例2の場合と全く同様の耐火試験と自立性試験を実施した。
結果を表2に示す。
[引き違い樹脂サッシの防火構造800]
実施例4では樹脂サッシの防火構造800を作製して耐火試験を実施した。この試験およびその結果について説明する。なお実施例4に係る樹脂サッシの防火構造800の構造は先に説明した第四の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造400の場合と同様であり、下記図面について参照符号が先の図面14〜16と同じものについては第四の実施形態に係る樹脂サッシの防火構造400と同じであるため説明を省略する。
図24は、本発明の実施例4に係る樹脂サッシの防火構造800の構造を説明するための模式正面図である。また図25は、実施例4に係る樹脂サッシの防火構造800の図24のA−A線に沿う要部拡大断面図である。
図24に示される通り、実施例4に使用される引き違い樹脂サッシは、枠802に引き違い可能に設置され、二組の障子としての樹脂枠材810,810と、その内部に耐火性を有する板材820,820とをそれぞれ備えている。
実施例2の場合と全く同様の耐火試験と自立性試験を実施した。
結果を表2に示す。
[引き違い樹脂サッシの防火構造800a]
実施例5に係る引き違い樹脂サッシの防火構造800aは実施例4に係る引き違い樹脂サッシの防火構造800の変形例である。
図26は、実施例5に係る樹脂サッシの防火構造800aの要部拡大断面図である。
実施例4の場合は、不燃補強材880が前記耐火性を有する板材820の表面と垂直方向に断面コ字状の開口部が設置されていた。
これに対して実施例5の場合は、不燃補強材880aが前記耐火性を有する板材820の表面と水平方向に、前記耐火性を有する板材820と反対側に断面コ字状の開口部が設置されている点が異なる。それ以外は実施例4の場合と同様である。
実施例4の場合と全く同様の耐火試験と自立性試験を実施した。
結果を表2に示す。
[比較例1]
[引き違い樹脂サッシの防火構造800b]
比較例1に係る引き違い樹脂サッシの防火構造800bは実施例4に係る引き違い樹脂サッシの防火構造800の変形例である。
図27は、比較例1に係る樹脂サッシの防火構造800bの要部拡大断面図である。
実施例4の場合は、不燃補強材880が前記耐火性を有する板材820の表面と垂直方向に断面コ字状の開口部が設置されていた。
これに対して比較例1の場合は、不燃補強材880bの断面コ字状の開口部が前記耐火性を有する板材820の方向に設置されていて、前記不燃補強材880bと前記耐火性を有する板材820とが連結されていない点が異なる。
実施例4の場合と全く同様の耐火試験と自立性試験を実施した。
結果を表2に示す。
比較例1の場合は耐火試験中に前記耐火性を有する板材820がたわみ、炎の漏出が観察された。
[比較例2]
[引き違い樹脂サッシの防火構造800c]
比較例2に係る引き違い樹脂サッシの防火構造800cは実施例4に係る引き違い樹脂サッシの防火構造800の変形例である。
図28は、比較例2に係る樹脂サッシの防火構造800cの要部拡大断面図である。
実施例4の場合は、不燃補強材880が前記耐火性を有する板材820の表面と垂直方向に断面コ字状の開口部が設置されていた。
これに対して比較例2の場合は、実施例4の場合と比較して、不燃補強材880cの断面コ字状の開口部が180度反対方向に設置されている。
また前記不燃補強材880cと、前記中空部を有する樹脂枠材810の最外面811dとの間に、熱膨張性耐火材料15が注入されていない点が異なる。
さらに比較例2の場合は、前記不燃補強材880cと前記耐火性を有する板材820とが連結されていない点が異なる。
結果を表2に示す。
比較例2の場合は耐火試験中に前記耐火性を有する板材820がたわみ、炎の漏出が観察された。
Figure 2015098773
1 構造物
10,210,310,410,510,610,710,810 樹脂枠材
11,12 縦枠
211,212,311,312,411,412,511,512,611,612 縦框
11a,11b,12a,12b,211a,211b,211c,212a,212b,212c,411a,411b,411c,412a,412b,412c 中空部
11c,12c パッキン設置部
11d 最外面
13 上枠
14 下枠
15,215,315,415 熱膨張性耐火材料
20,220,320,420,520,620,720,820 耐火性を有する板材
21,221 板材の表面
22,222 板材の側面
30,31,230,231,331,431 板材支持部
32,33,232,233,235 パッキン
40,240,440 支持部材
41,441 支持部材の面
50,51 固定部材
80,280,880,880a,880b 不燃補強材
81,581 不燃補強材の略垂直である部分
82,83 不燃補強材の略平行である部分
100,200,300,400,500,600,700,800 樹脂サッシの防火構造
202,302,402 枠
203,364,603 ヒンジ
204 開閉装置
213,313,413,513,613 上框
214,314,414,514,614 下框
504 ケイ酸カルシウム板
360 基板プレート
361,362 可動アーム
A 耐火面

Claims (13)

  1. 長手方向に中空部を有する樹脂枠材と、
    前記樹脂枠材の中空部に注入された熱膨張性耐火材料と、
    前記樹脂枠材の中空部に挿入された不燃補強材と、
    前記樹脂枠材により形成される開口部に設置された耐火性を有する板材と、
    前記耐火性を有する板材を支持する支持部材と、
    前記支持部材と前記不燃補強材とを固定する固定部材と、
    を有する樹脂サッシの防火構造であって、
    前記不燃補強材が、前記耐火性を有する板材の側面に対して略垂直である部分と略平行である部分とを有し、
    前記不燃補強材に含まれる前記耐火性を有する板材の側面に対して略平行である部分と、前記支持部材とが、前記固定部材により固定され、
    前記不燃補強材に含まれる前記耐火性を有する板材の側面に対して略垂直である部分と、前記中空部を有する樹脂枠材のうち前記略垂直である部分と対向する最外面との間に、熱膨張性耐火材料が注入されていることを特徴とする、樹脂サッシの防火構造。
  2. 前記不燃補強材の長手方向に対する略垂直断面の形状が、T字状、L字状、H字状、および多角筒から一部を取り除いた形状からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、請求項1に記載の樹脂サッシの防火構造。
  3. 前記樹脂枠材の中空部に熱膨張性耐火材料が注入されて、前記耐火性を有する板材表面と平行な面に沿って、前記耐火性を有する板材と共に隙間なく防火面を形成している、請求項1または2に記載の樹脂サッシの防火構造。
  4. 前記不燃補強材が、前記樹脂枠材の下框の中空部に挿入され、
    前記不燃補強材が、前記樹脂枠材の縦框の中空部および前記樹脂枠材の上框の中空部からなる群より選ばれる少なくとも一つに挿入されている、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  5. 前記不燃補強材が、金属材料および無機材料の少なくとも一つからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  6. 前記熱膨張性耐火材料の熱膨張倍率が、600℃×30分間の加熱条件下に、1倍より大きく5倍以下の範囲である、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  7. 前記支持部材が、断面コ字状の金属部材および無機部材の少なくとも一つからなる、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  8. 前記熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材の中空部に注入される前の前記熱膨張性耐火材料の25℃における粘度が、1000〜100000 mPa・sの範囲であり、
    前記熱膨張性耐火材料が、前記樹脂枠材の中空部に注入された後に、25℃において前記樹脂枠材の中空部で流動性を失う、請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  9. 前記熱膨張性耐火材料が、反応硬化性樹脂成分、熱膨張成分および無機充填材を少なくとも含む、請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  10. 前記熱膨張性耐火材料に含まれる反応硬化性樹脂成分が、ウレタン樹脂フォーム、イソシアヌレート樹脂フォーム、エポキシ樹脂フォーム、フェノール樹脂フォーム、尿素樹脂
    フォーム、不飽和ポリエステル樹脂フォーム、アルキド樹脂フォーム、メラミン樹脂フォーム、ジアリルフタレート樹脂フォームおよびシリコーン樹脂フォームからなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  11. 前記固定部材が、前記支持材を貫通している、請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  12. 固定部材が、前記支持部材および前記樹脂枠材を貫通して、前記支持部材の前記耐火性を有する板材の側面と対向する面と前記樹脂枠材の外周面とを固定している、請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
  13. 前記樹脂サッシが、固定樹脂サッシ、引き違い樹脂サッシ、開き樹脂サッシ、縦滑り樹脂サッシおよび横滑り樹脂サッシからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂サッシの防火構造。
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