JP2011063496A - アナタース型超微粒子酸化チタン、アナタース型超微粒子酸化チタンを含有する分散体、及び該酸化チタンの製造方法 - Google Patents

アナタース型超微粒子酸化チタン、アナタース型超微粒子酸化チタンを含有する分散体、及び該酸化チタンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度で、かつ結晶性の均一なアナタース型超微粒子酸化チタンを提供すること。
【解決手段】TiCl及び/又はTiOClを含む水性溶液に、カルボン酸またはカルボン酸塩を添加して混合する混合工程と、得られた混合物中のTiCl及び/又はTiOClを加水分解し、アナタース型微粒子酸化チタンを含有する分散体を調製する加水分解工程とを含むアナタース型微粒子酸化チタンの製造方法であって、前記水性溶液におけるTiイオン濃度は2.5mol/L以下であり、前記加水分解工程において、加水分解により発生する塩酸成分を、塩基で中和しながら加水分解を行う方法により、結晶子径が1〜50nmであり、(粒子の比表面積球相当径/結晶子径)で表される値が0.85〜1.15であり、粒子のアスペクト比が1〜3である、アナタース型微粒子酸化チタンを提供する。
【選択図】 図13

Description

本発明は、アナタース型超微粒子酸化チタン、アナタース型超微粒子酸化チタンを含有する分散体、及び該酸化チタンの製造方法に関する。
酸化チタン(二酸化チタン:TiO)は、白色顔料や紫外線散乱剤などの原料として広く使用されている物質である。酸化チタンは、アナタース(アナターゼ:Anatase)型、ルチル(Rutile)型、ブルカイト(Brookite)型の3種の結晶形態を採り得ることが知られているが、なかでもアナタース型酸化チタンは、触媒、光触媒、電子材料などの原料として工業的に有用な物質である。
また酸化チタンは、チタン酸バリウムの原料の一つとして知られている。チタン酸バリウムは高い比誘電率を持つことから、積層セラミックコンデンサ(MLCC)などの誘電体材料として用いられている。
MLCC用途のチタン酸バリウムは、酸化チタンと炭酸バリウムを固相反応させて得られるものが一般的である。この際、電子材料においては、不純物が存在すると電子材料の性能が大きく変化することから、チタン酸バリウムの原料である酸化チタンは高純度であることが求められている。
さらに酸化チタンの結晶形は均質であることが望まれている。酸化チタンの結晶形には主にアナタース型、ブルカイト型、ルチル型の3種類が知られており、さらに非晶質のものもある。このうち、固相反応においては、非晶質型の酸化チタンが最も反応しやすく、アナタース型、ブルカイト型、ルチル型の順に反応性は低下することが知られている。一般的な固相法用チタン酸バリウムには、工業的に製造されているアナタース型またはルチル型酸化チタンが使用されるが、ブルカイト型酸化チタンや非晶質酸化チタンの工業的使用例はほとんど知られていない。これは非晶質では反応性が高すぎて、得られるチタン酸バリウムの粒子径や形状が非均質になり易いこと、ブルカイト型は比較的不安定であることから工業的に生産されていないことが理由である。工業的に製造されているアナタース型とルチル型をどのように使い分けるかは、所望のチタン酸バリウムの粒子径などによって決められるが、原料の酸化チタンに複数の結晶形が混在する場合、その反応性の違いから、得られるチタン酸バリウムは粒径が不均質なものとなる。このため、MLCC用の酸化チタンとしては、結晶性が高く、複数の結晶が混在しない単相が望まれている。
さらにMLCCの微細化に対応するよう、固相反応の原料として用いる酸化チタンも微細でかつ粒径の均一なものが求められている。加えて、MLCCの微細化にともない微細なチタン酸バリウムを固相法で得るためには、固相反応の焼成温度を制御してチタン酸バリウムの過度な粒子成長を抑制しなければならない。このための酸化チタンはルチル型よりも、ルチル型に比較して反応性が高いアナタース型であって、微細でかつ粒径の均一なものが求められている。
このように、上述のような技術分野においては、高純度で、結晶性が均質な微粒子酸化チタン、なかでもバリウムに対する反応性が高く、工業的にも有用なアナタース型酸化チタンに対するニーズが存在する。しかしながら、従来の方法では高純度かつ均質な結晶性を有するアナタース型微粒子酸化チタンを得ることは困難であった。
従来のアナタース型酸化チタンの製造方法には、液相法と気相法とがある。まず、液相法では硫酸イオン等の他のイオン性物質が必然的に含まれることから、高純度である、という点からは気相法の方が優れている。しかしながら、気相法ではルチル型の発生を抑制することは困難であり、アナタース型を単相として得ようとしても、ルチル型とアナタース型の混相しか得られないという問題があった。
例えば特許文献1においては、ハロゲン化チタンを含有するガス及び酸化性ガスを反応させる気相法の一例が開示されている。この方法においては、加熱温度、加熱時間を制御しながら原料のガスの反応を行った後、脱ハロゲンを行う。これにより、ルチル型の少ない、超微粒子酸化チタンを得ることができる。しかしながらこの方法においてもルチル型の生成の抑制には限界があり、ルチル型の発生を完全に排除し、実質的にアナタース単相からなる生成物を得ることはできなかった。
一方、液相法を工業的な方法に適用するのも限界があった。液相法のうち、硫酸チタニルを原料として用いる方法では生成物の酸化チタン中に硫酸根が残留し、その除去が困難である。またアルコキシドを用いる方法は、単分散状の微細な酸化チタンであって、アナタース型の比率の高いものを得る方法として優れた方法であるが、チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物は高価であることから、コスト面から工業的には不向きである。
そこで、廉価でかつ硫酸根を含まない、液相法による酸化チタンの製造方法として、四塩化チタンの加水分解または中和反応を利用する製造方法が検討されてきた。例えば特許文献2には、四塩化チタンを中和又は加水分解して沈殿物を得、次いで該沈殿物を鉱酸及び/又はその塩に接触させた後、100〜800℃の温度で焼成する方法が開示されている。しかし、当該製造方法では焼成を必要とするため、結果的に得られる二酸化チタンの粒径は大きく、微細MLCC用途には不向きであった。粒径の大きなものでも物理的に粉砕して微細粒子とすることはできるが、物理的粉砕を行うことで製造方法が煩雑化し、リードタイムが長くなるという課題があった。その結果、生産性が低下し、粉砕時に異物混入のリスクが生じる可能性が高くなることから、改善の余地があった。
特許文献3では、塩化チタン、アルコール類(ROH)(R:C2n+1、nが2以上)、および水を出発原料として加水分解時に超音波を照射させる方法が示されている。しかし、50nm以下の粒子を得るためには非イオン界面活性剤を添加しなければならず、得られる粒子の純度の点で問題があった。
特許文献4では、チタン塩などの金属塩とアンモニアの中和反応により得られる金属塩中和物スラリーを乾燥する際にアンモニウム塩を特定量存在させることで、分散性に優れた金属酸化物を得る方法が示されている。しかし、得られた酸化チタン粒子はアナタース型に加えブルカイト型も含んでおり、実質的にアナタース型単相からなる酸化チタンを得た例は記載されていない。
特開2003−327232号公報 特開平8−81223号公報 特開2005−289674号公報 特開2008−273815号公報
以上のように、四塩化チタンを出発原料とするアナタース型酸化チタンの従来の製造方法においては、実質的にアナタース型単相からなる酸化チタンを得ることは困難であった。また、高純度で、かつ微細な粒子を得る、という点でも問題があった。
上記現状を踏まえ、本願発明においては、高純度で、かつ結晶性の均一なアナタース型超微粒子酸化チタンを提供することを目的とする。
本発明者らは、四塩化チタン水溶液から酸化チタンを合成する際、カルボン酸またはその塩、及び塩基の働きにより、結晶の均質性の高い、すなわちルチル型、ブルカイト型結晶を実質的に含まない、アナタース型超微粒子酸化チタンが効率よく得られることを見出した。
すなわち本発明の第一の態様は、結晶子径が1〜50nmであり、(比表面積球相当径/結晶子径)で表される値が0.85〜1.15であり、粒子のアスペクト比が1〜3である、アナタース型微粒子酸化チタンに関する(本願明細書において、比表面積球相当径はBET法によって求められる値(nm)を、結晶子径はX線回折パターンにおけるアナタース型結晶酸化チタンの(101)面の回折ピークより求めた値(nm)をそれぞれ意味する)。
本発明の第二の態様は、結晶子径が1〜50nmであり、(粒子の比表面積球相当径/結晶子径)で表される値が0.85〜1.15であり、粒子のアスペクト比が1〜3である、アナタース型微粒子酸化チタン10〜100質量部と、分散媒100質量部とを含有する酸化チタン分散体に関する。
本発明の第三の態様は、TiCl及び/又はTiOClを含む水性溶液に、カルボン酸またはカルボン酸塩を添加して混合する混合工程と、得られた混合物中のTiCl及び/又はTiOClを加水分解し、アナタース型微粒子酸化チタンを含有する分散体を調製する加水分解工程と、を含む、アナタース型微粒子酸化チタンの製造方法であって、上記水性溶液におけるTi濃度は2.5mol/L以下であり、上記加水分解工程において、加水分解により発生する塩酸成分を、塩基で中和しながら加水分解を行う、方法に関する。
好ましい実施形態においては、上記塩基は、アンモニア及び/又はアンモニア水である。
好ましい実施形態においては、上記カルボン酸塩は、カルボン酸のアンモニウム塩であり、より好ましくは酢酸アンモニウムである。
別の好ましい実施形態においては、上記加水分解工程の後、さらに、ソルボサーマル反応による結晶化工程を含んでもよい。
本発明は、比表面積から算出した比表面積換算径と、X線回折パターンにおけるアナタース型結晶酸化チタンの(101)面の回折ピークより求めた結晶子径と、BET法によって求められる比表面積球相当径とがほぼ同じである、高結晶アナタース型酸化チタンを提供するものである。また本発明の製造方法においては、出発原料を四塩化チタン(TiCl)及び/又は塩化チタニル(TiOCl)とする事により、硫酸根などの不純物を含まない高純度な酸化チタンを得る事ができる。さらに焼成工程を含まない事より、従来品に見られるような焼結粒子が無く、微細な粒子が得られるために、粉砕工程が不要となる利点を有する。
実施例1で得られた粉末の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた粉末の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られた粉末の透過型電子顕微鏡写真である。 比較例3で得られた粉末の透過型電子顕微鏡写真である。 比較例4で得られた粉末の透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1〜3および比較例3〜4で得られた粉末のX線回折チャートである。 比較例1で得られた粉末の結晶形を見やすくするため500℃、1時間焼成して得られた粉末、および実施例1で得られた粉末を500℃、1時間焼成して得られた粉末のX線回折チャートである。 比較例2で得られた粉末および実施例1で得られた粉末のX線回折チャートである。 実施例2で得られた粉末の分散前後の粒度分布グラフである。 比較例3で得られた粉末の分散前後の粒度分布グラフである。 比較例4で得られた粉末の分散前後の粒度分布グラフである。 実施例4で得られた粉末の分散前後の粒度分布グラフである。 実施例5、6及び比較例5のX線回折チャートであり、一番下が実施例5、中央が実施例6、一番上が比較例5のチャートである。
以下に本発明を詳述する。
(アナタース型超微粒子酸化チタン)
本発明の第一の態様にかかるアナタース型超微粒子酸化チタンは、結晶子径が1〜50nmであり、かつ(比表面積球相当径/結晶子径)で表される値が0.85〜1.15であるという特徴を有する。
結晶子とは、通常、結晶物質を構成する顕微鏡的レベルでの小さな単結晶を意味する。また本願明細書において、結晶子径は、アナタース型超微粒子酸化チタンのX線回折パターンにおける(101)の回折ピークの半値幅から求めた値である。本願発明のアナタース型超微粒子酸化チタンの結晶子径の下限は1nm、好ましくは3nm、より好ましくは4nmである。また結晶子径の上限は50nm、好ましくは30nm、より好ましくは20nmである。
(比表面積相当径/結晶子径)で表される値は粉末を構成する一次粒子の結晶性の高さの指標となる値である。比表面積相当径は、以下に示すように比表面積と粒子の真比重から、各粒子が真球状であると想定して算出される幾何学的粒子径である。一方、結晶子径は既に述べたようにX線回折チャートの回折ピークの半値幅から計算された単結晶の大きさを示し、非晶質部分は結晶子径には含まれない。従って、この(比表面積相当径/結晶子径)値が1に近いほど、幾何学的粒子径と単結晶の大きさが近づいている、すなわち高結晶性であることを意味する。
なお、通常は、比表面積相当径は結晶子径より大きい、すなわち(比表面積相当径/結晶子径)値は1より大きいことが多いが、比表面積相当径は、各粒子が真球状であると想定して算出されているため、粒子形状が真球でない場合は、実際の粒子形状との相違が影響し、(比表面積相当径/結晶子径)値が1より小さくなることもありうる。
本願明細書において「比表面積球相当径」は、BET法によって求められる比表面積と同一の表面積を有する球の直径に相当する。すなわち、比表面積球相当径Dは、
D=[6/(Sg×ρ)]×1000
(D:比表面積換算径[nm]、Sg:比表面積[m/g]、ρ:粒子の真比重[g/cm])
の関係式に基づき求めることができる。
特に限定されないが、アナタース型超微粒子酸化チタンのBET法による比表面積の下限は、好ましくは50m/g、より好ましくは70m/gである。また上限についても特に限定されないが、好ましくは500m/g、より好ましくは400m/gである。比表面積が大きいほど粒子は微細であることを示す。
上記BET法による比表面積を測定する方法は特に制限されないが、公知の各種BET比表面積測定装置により簡便に測定することができる。特に限定されないが、比表面積測定装置の例としてはMountech(マウンテック)社製Macsorb(マックソーブ)が挙げられる。
本発明のアナタース型超微粒子酸化チタンにおいては、(比表面積球相当径/結晶子径)で表される値が0.85〜1.15である。すなわち、比表面積球相当径と結晶子径はほぼ一致する。上記(比表面積球相当径/結晶子径)で表される値の下限は、0.90が好ましく、0.95がより好ましい。一方、上限は1.10が好ましく、1.05がより好ましい。
さらに、本願発明のアナタース型超微粒子酸化チタンは、粒子のアスペクト比(長径/短径)が1〜3である。ここでアスペクト比とは、写真などにより平面上に投影した粒子像を長方形で囲んだ時の最小長方形(通常、外接長方形と呼ばれる)の長辺と、短辺の長さの比(長辺/短辺)をいう。アスペクト比が1に近づくほど、粒子は真球に近いことを意味する。
上記アスペクト比の下限は、好ましくは1である。また上限は、好ましくは2.5、より好ましくは2である。
上記アスペクト比は、例えば粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、平面上に投影した粒子像の外接長方形を決定し、その長辺と短辺の長さの比(長辺/短辺)として求めることができる。
特に限定されないが、上記アナタース型微粒子酸化チタンの(平均FERET径/比表面積球相当径)で表される値が1〜10であるのが好ましい。
本願明細書における「平均FERET径」とは、透過型電子顕微鏡(TEM)写真の10万倍の視野での一定方向径(粒子をはさむ一定方向の二本の平行線の間隔)で定義される粒子径(nm)であって、TEM写真内の重なっていない独立した粒子100個のFERET径を測定して平均値を求めたものである。
平均FERET径は、粒子が全く凝集していない場合には一次粒子の径を意味するが、粒子が凝集している径においては、凝集体である二次粒子の径を表す。一方、比表面積球相当径は、一次粒子の径を反映したものである。従って(平均FERET径/比表面積球相当径)が小さいほど、一次粒子の凝集性が低いことを意味する。本発明のアナタース型微粒子酸化チタンにおいては、(平均FERET径/比表面積球相当径)の値の下限は1である。上限は好ましくは5、より好ましくは3、さらに好ましくは2、特に好ましくは1.5である。
本発明の微粒子酸化チタンは、アナタース型の微粒子酸化チタンである。本願明細書において、「アナタース型」の酸化チタンとは、実質的にアナタース型単相からなる酸化チタンであることを意味する。酸化チタン中のアナタース型の割合は、銅管球を持つX線回折装置での分析においてアナタース型酸化チタン粉末の回折ピーク(面指数101)のピーク高さIとルチル型酸化チタン粉末の回折ピーク(面指数110)のピーク高さI、及びブルカイトの回折ピーク(面指数121)のピーク高さIを比較することにより決定することができる。本願明細書において、「実質的にアナタース型単相からなる」と表記した場合、あるいは、単に「アナタース型」と表記した場合には、微粒子酸化チタン中のIに対するIの割合が10%以下であり、かつIに対するIの割合が5%以下であることをいう。
上記Iに対するIの割合は、5%以下であるのが好ましく、1%以下であるのがより好ましい。上記微粒子酸化チタンとしては、ルチル型に対応する回折ピークが検出限界以下の、ルチル型結晶をほぼ含まない微粒子酸化チタンであるのが更に好ましい。また上記Iに対するIの割合は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。上記微粒子酸化チタンとしては、ブルカイト型に対応する回折ピークが検出限界以下の、ブルカイト型結晶をほぼ含まない微粒子酸化チタンであるのが更に好ましい。
さらに、本発明のアナタース型超微粒子酸化チタンは、Ti以外の金属不純物を実質的に含まないよう調製することもできる。例えばFe、Al、Naなどの金属不純物を含む場合には、コンデンサなどの電子材料として使用する際に物性に悪影響を及ぼすおそれがある。本発明においては、後述するように、例えばチタン源としてTiCl及び/又はTiOClを用い、カルボン酸またはカルボン酸塩としてアンモニウム塩を、塩基としてアンモニア及び/又はアンモニア水を用いれば、Ti以外の金属不純物を実質的に含まない酸化チタンを得ることができる。
また特に限定されないが、アナタース型超微粒子酸化チタン中のClの含有量が10,000ppm未満であるのが好ましい。
(アナタース型超微粒子酸化チタン含有分散体)
本発明の第二の態様にかかる酸化チタン含有分散体は、結晶子径が1〜50nmであり、(粒子の比表面積球相当径/結晶子径)で表される値が0.85〜1.15であり、粒子のアスペクト比が1〜3である、アナタース型微粒子酸化チタン10〜100質量部と、分散媒100質量部とを含有する酸化チタン含有分散体である。本発明の分散体には、スラリーなどの懸濁液(サスぺンジョン)、乳液(エマルション)、ゾルなどが含まれる。
上記アナタース型微粒子酸化チタンの結晶子径は、アナタース型超微粒子酸化チタンのX線回折パターンにおける(101)の回折ピークの半値幅から求めた値である。上記結晶子径は1〜50nmであり、好ましくは3〜30nmであり、より好ましくは4〜20nmである。
上述の通り、「比表面積球相当径」は、BET法によって求められる比表面積と同一の表面積を有する球の直径に相当する。具体的な求め方は上述の通りである。
特に限定されないが、アナタース型超微粒子酸化チタンのBET法による比表面積の下限は、好ましくは50m/g、より好ましくは70m/gである。また上限についても特に限定されないが、好ましくは500m/g、より好ましくは400m/gである。比表面積が大きいほど粒子は微細であることを示す。
上記BET法による比表面積を測定する方法は特に制限されないが、公知の各種BET比表面積測定装置により簡便に測定することができる。特に限定されないが、比表面積測定装置の例としてはMountech(マウンテック)社製Macsorb(マックソーブ)が挙げられる。
本発明のアナタース型超微粒子酸化チタンにおいては,(比表面積球相当径/結晶子径)で表される値が0.85〜1.15である。上記(比表面積球相当径(nm)/結晶子径(nm))で表される値の下限は、0.90が好ましく、0.95がより好ましい。一方、上限は1.10が好ましく、1.05がより好ましい。
さらに、本願発明のアナタース型超微粒子酸化チタンは、粒子のアスペクト比(長径/短径)が1〜3である。上記アスペクト比の下限は、好ましくは1である。また上限は、好ましくは2.5、より好ましくは2である。本願明細書におけるアスペクト比の定義は上述した通りである。
特に限定されないが、上記アナタース型微粒子酸化チタンの(平均FERET径/比表面積球相当径)で表される値が1〜10であるのが好ましい。「平均FERET径」の定義については上述した通りである。本発明の分散体に含まれるアナタース型微粒子酸化チタンの、(平均FERET径/比表面積球相当径)の値の下限は1である。上限は好ましくは5、より好ましくは3、さらに好ましくは2、特に好ましくは1.5である。
本発明の分散体が含有する微粒子酸化チタンは、アナタース型の微粒子酸化チタンである。本願明細書において、「アナタース型」の酸化チタンとは、実質的にアナタース型からなる酸化チタンであることを意味する。本発明において、「実質的にアナタース型からなる」と表記した場合、あるいは、単に「アナタース型」と表記した場合には、上記Iに対するIの割合が10%以下であり、かつIに対するIの割合が5%以下であることをいう。
アナタースの比率を決定する方法については上述した通りである。
上記Iに対するIの割合は、5%以下であるのが好ましくは、1%以下であるのがより好ましい。上記微粒子酸化チタンとしては、ルチル型に対応するピークが検出限界以下の、ルチル型結晶をほぼ含まない微粒子酸化チタンであるのが更に好ましい。また上記Iに対するIの割合は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。上記微粒子酸化チタンとしては、ブルカイト型に対応するピークが検出限界以下の、ブルカイト型結晶をほぼ含まない微粒子酸化チタンであるのが更に好ましい。
本発明の分散体の分散媒は、特に限定されないが、代表的な分散媒は水である。水は水のみ単独で用いてもよいが、水以外に水溶性の有機溶媒を含んでいてもよい。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類やエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのポリオール類、アセトンなどが挙げられる。
分散媒が水を含む場合、溶媒中の水と有機溶媒の比率は、50質量%以上が水であるのが好ましく、70質量%以上が水であるのが好ましく、90質量%以上が水であるのが好ましい。
さらに本発明の分散体は、蒸留、限外濾過法などの公知の方法により、水系の分散媒を有機溶媒に置換することも可能である。このような有機溶媒としては、アルコール類、グリコール類、エステル類、ケトン類、窒素化合物類、芳香族類などの溶媒を使用することができ、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、などの有機溶媒を例示することができる。また、ポリエチレングリコール、シリコーンオイルなどの高分子化合物を分散媒として用いることもできる。
本発明の分散体は、分散媒100質量部に対し、上記アナタース型微粒子酸化チタン10〜100質量部含む。アナタース型微粒子酸化チタンの量の下限は、分散媒100質量部に対し、好ましくは20質量部であり、より好ましくは30質量部である。また上限は好ましくは75質量部であり、より好ましくは50質量部である。
アナタース型微粒子酸化チタンが10質量部未満の場合、工業的な固相法操作における実用性に乏しく、100質量部を超えると、粘度が高くなり、バリウム源との均一混合と解砕が困難となる。
さらに本発明の分散体は、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリカルボン酸類やその塩類(例えばポリカルボン酸アンモニウム等)等の界面活性剤又は分散剤、エチレングリコール等の分散安定剤や他の慣用の添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤を使用する場合、その量は、概ね分散体総重量の0.1〜10質量%である。
本発明の分散体はそのまま、または適当な固形分濃度へ調節した後、または溶媒置換を行った後バインダーと混合することができる。バインダーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリグリセリンなどの水溶性高分子バインダーが挙げられる。このような水溶性高分子バインダーは、分散体の沈降防止を目的としたり、あるいはハンドリング性の向上を目的として、分散体の粘度を調整するために用いたりすることもできる。
本発明の分散体は、上記アナタース型微粒子酸化チタンの粉末を分散させることにより調製することもでき、また、酸化チタンの調製時に得られる湿潤ケーキを水に再度分散させてスラリーとすることにより分散体を得ることもできる。いずれの方法によっても、分散後はほぼ同等の粒径分布を有する酸化チタン含有分散体を得ることができる。
分散体の製造方法としては特に限定されないが、例えば上記アナタース型微粒子酸化チタンの粉末、あるいは該酸化チタンを含有する湿潤ケーキ等を、上記分散媒、及び必要に応じて適当な界面活性剤や安定化剤、粉砕用ビーズ(ジルコニアビーズなど)等と共に混合することにより、所望の分散体を得ることができる。混合装置としては特に制限はないが、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の公知の各種混合装置を適宜用いることができる。
(アナタース型超微粒子酸化チタンの製造方法)
次に本発明の第三の態様に係るアナタース型微粒子酸化チタンの製造方法を説明する。
本発明の製造方法は、TiCl及び/又はTiOClを含む水性溶液に、カルボン酸またはカルボン酸塩を添加して混合する混合工程と、
得られた混合物中のTiCl及び/又はTiOClを加水分解し、アナタース型微粒子酸化チタンを含有する分散体を調製する加水分解工程とを含む製造方法である。
混合工程においては、まずTiCl及び/又はTiOClを含む水性溶液を出発原料とすることを特徴とする。TiCl及びTiOClはいずれも比較的廉価で、かつ、硫酸チタニルを出発原料として用いる従来法と比較して、除去の困難な硫酸イオンを含まない、という利点を有する。特に得られたアナタース型微粒子酸化チタンを、コンデンサなどの電子材料に適用する場合には有利である。
水性溶液に含まれる溶媒としては、水、及び水と水溶性の有機溶媒の混合物を用いることができる。水溶性の有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類やエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのポリオール類などが挙げられる。溶媒中の水と有機溶媒の比率は、50質量%以上が水であるのが好ましく、70質量%以上が水であるのが好ましく、90質量%以上が水であるのが好ましい。
混合工程において用いる水性溶液中のTi濃度(Ti原子換算のモル濃度)は水性溶液1Lあたり2.5mol以下(2.5mol/L以下)である。特に限定されないが、下限は0.1mol/Lであるのが好ましく、0.2mol/Lであるのがより好ましい。上限は0.6mol/Lであるのが好ましい。Ti濃度が低すぎると生産性が低下するため好ましくなく、2.5mol/Lを超えるとルチルが混在しやすくなり、例えばアナタース型に対するルチル型の比(X線回折チャートの回折ピークから求められる比)が10%を超える場合があるため好ましくない。
混合工程においては、TiCl及び/又はTiOClを含む水性溶液に、カルボン酸またはカルボン酸塩を添加して混合する。カルボン酸またはカルボン酸塩を用いることにより、ルチル型結晶の発生を効率よく抑制することができる。
上記カルボン酸の例としては、特に限定されないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのモノカルボン酸や、シュウ酸、マロン酸、コハク酸などのジカルボン酸などが挙げられる。中でも、好ましい媒体である水に可溶なカルボン酸が好ましく、ギ酸、酢酸、シュウ酸がより好ましく、酢酸がより好ましい。
上記カルボン酸塩の例としては、特に限定されないが、上記カルボン酸として例示したカルボン酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
特に限定されないが、アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられ、アルカリ土類金属塩としては、マグネシウム塩、カルシウム塩が挙げられる。
上記カルボン酸塩の中でも特にアンモニウム塩が好ましい。アンモニウム塩を用いることにより、チタン以外の金属の混入を避けることができ、かつアンモニウム塩は、除去が比較的容易である点で好ましい。また、アンモニウム塩の中でも水への溶解性が高く、ルチル型結晶の生成が効率よく抑制できる点で酢酸アンモニウムが好ましい。
カルボン酸またはカルボン酸塩の添加量は特に限定されないが、TiCl及び/又はTiOCl1モルあたりに対する添加量の下限は好ましくは0.1モルであり、より好ましくは0.5モルである。また上限は好ましくは10モルであり、より好ましくは2モルである。上記添加量が少なすぎるとルチル(ブルカイト)生成の抑制効果が不十分な場合があり、逆に多すぎても効果が飽和するため、経済性の観点から好ましくない。
次に加水分解工程について説明する。加水分解工程は、上述の混合工程において得られた混合物中のTiCl及び/又はTiOClを加水分解し、アナタース型微粒子酸化チタンを析出させることにより、結果としてアナタース型微粒子酸化チタンを含有する分散体を得るための工程である。
加水分解を行う条件については特に限定はないが、加熱条件下で行うのが反応を促進する上で好ましい。加熱温度は、加水分解が起こりうる温度である限り特に限定はないが、常圧(1気圧)下で加熱する場合、好ましくは50℃以上100℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下、特に好ましくは90℃以上100℃以下である。加熱時間は特に制限はないが、加熱時の最高温度での保持時間の下限は30分であるのが好ましく、60分であるのがより好ましい。上記保持時間の上限についても特に制限はないが360分であるのが好ましく、120分であるのがより好ましい。
加水分解工程においては、TiCl及び/又はTiOClの加水分解により発生する塩酸成分を、塩基で中和しながら加水分解を行うことを特徴とする。
上記塩基については特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、及びアンモニア(又はアンモニア水)などが挙げられる。なかでもアンモニア及び/又はアンモニア水が好ましい。弱塩基性のアンモニアを用いた場合、pHの急激な上昇を抑制でき、その結果、ルチル型やブルカイト型結晶の発生を効率よく抑制することができる。
加水分解工程においては、TiCl及び/又はTiOClの加水分解により発生する塩酸成分のみを、塩基で選択的に中和するのが好ましい。この操作により、反応溶液中の遊離塩酸濃度の上昇を抑制しながら加水分解を行うことができる。
塩基の添加速度は、加水分解の進行速度に合わせて適宜調整される。塩基の添加速度が速すぎるとブルカイト型が、逆に遅すぎるとルチル型が副生するおそれがあることから、加水分解の進行中は過度の酸過剰あるいは塩基過剰条件にならないよう、添加速度を反応の進行度合に合わせて適宜調整するのが好ましく、一定速度で添加するのがより好ましい。添加速度の調整は、例えば反応液のpHを確認するなどの方法や、あるいは定速で塩基を添加できる装置などを用いる方法により実施できる。
本発明の製造方法においては、さらに、上記加水分解工程の後、ソルボサーマル反応による結晶化工程を含むこともできる。ソルボサーマル反応を行うことにより結晶化を促進し、結晶子径、粒径のより大きな粒子を得ることができる。
ソルボサーマル反応とは、中〜高程度の圧力(通常、1atm〜10,000atm(0.10〜1,000MPa))と中〜高程度の温度(通常100℃〜1000℃)の下で行われる反応であり、水を溶媒として使用する場合は特に「水熱反応(hydrothermal reaction)」と呼ばれる。この工程を経ることにより、粒子の結晶構造及び形状の制御を図ることができる。
本発明において、ソルボサーマル反応時の温度は特に限定されないが、150℃〜300℃であるのが好ましい。より好ましくは150℃〜250℃である。
また、ソルボサーマル反応を行う時間についても特に限定されないが、好ましくは1〜72時間、より好ましくは1〜8時間、さらに好ましくは2〜5時間である。
ソルボサーマル反応を行う際の圧力は、特に限定されないが、通常0.10〜4.0MPaである。このような圧力下での反応は、オートクレーブ等の耐圧容器中で行うことができる。
またソルボサーマル反応による結晶化工程は、上記加水分解工程を兼ねていてもよい。すなわち、ソルボサーマル反応によりTiCl及び/又はTiOClの加水分解と同時に結晶化を促進させるよう条件を調節することも可能である。
上記工程を経ることにより、アナタース型微粒子酸化チタンを、沈殿物として、あるいはアナタース型微粒子酸化チタンが分散された分散体として得ることができる。
アナタース型微粒子酸化チタンを沈殿物として得た場合には、必要に応じて、公知の方法に基づき濾過、中和、洗浄、乾燥などの後処理を行うことにより、アナタース型微粒子酸化チタンを粉末として得ることができる。乾燥は、微細な粉末を得ることができるスプレードライ法やフリーズドライ法を用いるのが好ましい。
アナタース型微粒子酸化チタンが分散された分散体については、そのまま使用することもでき、また公知の方法、例えば上述のスプレードライ法やフリーズドライ法に従って分散体から酸化チタン粒子を回収することもできる。
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお下記実施例・比較例において、特に断りの無い限り、「%」は「質量%」を意味する。
(実施例1)
四塩化チタン(大阪チタニウムテクノロジーズ社製)を純水にて34.5g/L(TiO換算、Ti濃度として0.43mol/Lに相当)の濃度まで希釈した(希釈時はできるだけ液温が上がらないように制御した)。得られた四塩化チタン水溶液200mlに酢酸アンモニウムを6.65g添加した。この液を攪拌しながら加熱し、液温が70℃に到達した時点で12.5%アンモニア水50.8gを2.9g/minで添加した。その後、更に溶媒の沸点まで加熱し、沸騰状態にて90分間保持した。得られた沈殿物を濾過して分離し、純水にて水洗し、ケーキを得た。このケーキをリパルプし、スプレードライにて乾燥させ酸化チタンの粉末を得た。得られた粉末を透過型電子顕微鏡(JEN−1200II,JEOL製)で観察し、X線回折装置(UltimaIII,リガク製)により固体粒子の結晶構造および結晶子径、BET法比表面積測定装置(Macsorb,Mountech製)にて比表面積を評価した。その結果を表1および図1、図6(図7、図8)に示す。なお、図7に関しては、測定を行う際、結晶形を見やすくするため、酸化チタンの粉末を500℃、1時間、粉末を焼成する前処理を行い、処理後の粉末を用いてX線回折装置にて測定を行った。
(実施例2)
実施例1で得られた水洗後のケーキを100g(固形分)/L(スラリー)(TiO換算、Ti濃度として1.25mol/Lに相当)の濃度でリパルプし、得られたスラリーをオートクレーブに移し、200℃で2時間(200℃に至るまでの昇温時間90分)攪拌しながら加熱した。得られた沈殿物を濾過し、濾過後に得られた湿潤ケーキをスプレードライにて乾燥することにより酸化チタンの粉末を得た。得られた粉末の評価結果を表1および図2、図6に示す。
(実施例3)
オートクレーブでの加熱温度を300℃で2時間(300℃に至るまでの昇温時間120分)とすること以外は、実施例2と同様の方法で行い、酸化チタンの粉末を得た。得られた粉末の評価結果を表1および図3、図6に示す。
(比較例1)
四塩化チタン水溶液に酢酸アンモニウムを添加しないこと以外は実施例1と同様の方法で行い、酸化チタンの粉末を得た。得られた粉末の評価結果を表1および図7に示す。なお、図7に関しては、測定を行う際、結晶形を見やすくするため、酸化チタンの粉末を500℃、1時間、粉末を焼成する前処理を行い、処理後の粉末を用いてX線回折装置にて測定を行った。
(比較例2)
加水分解時、アンモニア水を加えないことおよび濾過の前にアンモニアにてpH7に中和させたこと以外は実施例1と同様の方法で行い、酸化チタンの粉末を得た。得られた粉末の評価結果を表1および図8に示す。
(比較例3)
実施例1で得られた粉末を400℃で焼成し、酸化チタンの粉末を得た。得られた粉末の評価結果を表1および図4、図6に示す。
(比較例4)
実施例1で得られた粉末を520℃で焼成し、酸化チタンの粉末を得た。得られた粉末の評価結果を表1および図5、図6に示す。
Figure 2011063496
(分散体の調製と粒度分布の評価)
得られた粉末の分散性の評価として実施例2および比較例3、比較例4で得られた粉末をボールミルにて簡易的な分散を行い、分散体を得た。条件として、得られた粉末:分散媒(3%ポリカルボン酸アンモニウム水溶液):φ0.5mmジルコニアビーズ=1:2:4(質量比)にて、卓上型ボールミル(V−1ML,Irie Shokai)を用いて簡易分散を行った。分散前後の粒度分布を測定した結果を図9〜図11に示す。粒度分布はレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−750,HORIBA社製)を用いて測定した。
図9〜図11に示す粒度分布より、粒子径制御として焼成工程を用いると、粒子融着が起こり、分散性が悪くなる事がわかる。
(実施例4)
(粉体乾燥の有無による分散性の比較)
実施例2と同様の方法で得られた湿潤ケーキを、スプレードライ乾燥することなく、そのままボールミルにて簡易的な分散を行い、分散体とした。分散条件として、湿潤ケーキ中の固形分:分散媒(3%ポリカルボン酸アンモニウム水溶液):φ0.5mmジルコニアビーズ=1:2:4(質量比)となるように湿潤ケーキの量を調整し、その混合物を、卓上型ボールミル(V−1ML,Irie Shokai)を用いて簡易分散を行った。分散前後の粒度分布を測定した。粒度分布はレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−750,HORIBA社製)を用いて測定した。なお、湿潤ケーキ中の固形分は以下のように調整した。まず得られた湿潤ケーキの一部を別途乾燥し、乾燥後に得られる酸化チタンの量を測定することにより、湿潤ケーキの単位質量あたりに含まれる固形分(酸化チタン)の量を算出して求めた。その単位質量あたりに含まれる固形分の量に基づき、湿潤ケーキ中の固形分が所定の量となるよう湿潤ケーキの量を計りとった。
実施例4で得られた分散前後の粒度分布のチャートを図12に示す。実施例2の分散後の粒度分布(図9)と、実施例4の分散後の粒度分布を比較しても顕著な差は見られない。このことから、分散体は、湿潤ケーキを乾燥せずにそのまま分散して調製しても、湿潤ケーキを一旦乾燥させて粉末状とした後、分散させて調製しても、いずれの経路によっても同等の粒度分布を有する分散体を調製できることが分かる。
(実施例5〜6、比較例5)
(Ti濃度と、生成物の結晶型との関連についての検討)
チタン濃度と、結晶型の比(アナタース型:ルチル型)の関係を以下のようにして調べた。
下記表2に従ってTiCl水溶液濃度を調整し、またその濃度に応じて使用する酢酸アンモニウム量、アンモニア水量を調整した以外は実施例1と同様に酸化チタンを調製した。
次に得られた酸化チタンの結晶性を評価した。評価においては、測定を容易にするために、まず各実施例・比較例で得られた酸化チタンを500℃で1時間焼成して測定用の試料を調製し、それぞれの試料についてX線回折装置にて測定を行った。実施例5、6及び比較例のX線回折チャートを図13に示す。図13に示された3つのチャートは、一番下が1.25mol/l四塩化チタン溶液を用いた場合(実施例5)、真ん中が2.5mol/L四塩化チタン溶液を用いた場合(実施例6)、一番上が3.6mol/L四塩化チタン溶液を用いた場合(比較例5)にそれぞれ対応している。また、X線回折チャートから求められるアナタース型酸化チタン粉末の回折ピーク(面指数101)のピーク高さIに対するルチル型酸化チタン粉末の回折ピーク(面指数110)のピーク高さIの割合:[I/I]×100(%)を表2に示す。
Figure 2011063496
図13及び表2に記載の結果が示すように、混合工程に水性溶液中のTi濃度が2.5mol/L以下である場合、Iに対するIの割合が10%以下である。すなわち、Ti濃度が2.5mol/L以下である場合には、ルチル型の生成を、アナタース型の1割以下の量に抑制することができる。また図13を見る限り、ブルカイト型に相当するピークは見られず、ブルカイト型は発生していないことがわかる。さらに実施例1のようにTiClの濃度を低くすることで、実質的にルチル型を含まない、アナタース単相の酸化チタンを得ることができる。
一方、比較例5に示すように、TiClの濃度を高くすると、劇的にルチル型の発生量が増加することが分かる。すなわち、所望のアナタース型超微粒子酸化チタンを得るためには、混合工程におけるTi濃度が高くなりすぎないよう制御することが重要である。

Claims (8)

  1. 結晶子径が1〜50nmであり、
    (粒子の比表面積球相当径/結晶子径)で表される値が0.85〜1.15であり、
    粒子のアスペクト比が1〜3である、
    アナタース型微粒子酸化チタン。
  2. 結晶子径が1〜50nmであり、
    (粒子の比表面積球相当径/結晶子径)で表される値が0.85〜1.15であり、
    粒子のアスペクト比が1〜3である、アナタース型微粒子酸化チタン10〜100質量部と、
    分散媒100質量部と
    を含有する
    酸化チタン含有分散体。
  3. 前記分散媒は、水を含むものである請求項2記載の分散体。
  4. TiCl及び/又はTiOClを含む水性溶液に、カルボン酸またはカルボン酸塩を添加して混合する混合工程と、
    得られた混合物中のTiCl及び/又はTiOClを加水分解し、アナタース型微粒子酸化チタンを含有する分散体を調製する加水分解工程と、
    を含む、アナタース型微粒子酸化チタンの製造方法であって、
    前記水性溶液におけるTi濃度は2.5mol/L以下であり、
    前記加水分解工程において、加水分解により発生する塩酸成分を、塩基で中和しながら加水分解を行う、
    方法。
  5. 前記塩基は、アンモニア及び/又はアンモニア水である、請求項4記載の方法。
  6. 前記カルボン酸塩は、カルボン酸のアンモニウム塩である、請求項4または5記載の方法。
  7. 前記カルボン酸のアンモニウム塩は、酢酸アンモニウムである請求項6記載の方法。
  8. さらに、ソルボサーマル反応による結晶化工程を含む請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
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