JP2011060559A - リチウムイオン二次電池用電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】充放電サイクルによる抵抗の上昇が抑制されるリチウムイオン二次電池用電極を提供する。
【解決手段】集電体3と、集電体表面に形成されてなる活物質5、図示しない導電助剤、および結着剤を含む活物質層4とを有する。該結着剤は、熱硬化性樹脂6a(例えばポリイミド)、および熱可塑性樹脂7(例えばポリフッ化ビニリデン)、または未硬化部分を有する熱硬化性樹脂を含む事を特徴とし、該電極の充電時のシート抵抗値は、2×104mΩ・cm2以下である。
【選択図】図1
【解決手段】集電体3と、集電体表面に形成されてなる活物質5、図示しない導電助剤、および結着剤を含む活物質層4とを有する。該結着剤は、熱硬化性樹脂6a(例えばポリイミド)、および熱可塑性樹脂7(例えばポリフッ化ビニリデン)、または未硬化部分を有する熱硬化性樹脂を含む事を特徴とし、該電極の充電時のシート抵抗値は、2×104mΩ・cm2以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池用電極に関する。特に、本発明は、充放電を繰り返すことによる抵抗の上昇を抑制するための改良に関する。
近年、地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用リチウムイオン二次電池と比較して極めて高い出力特性、および高いエネルギー密度を発揮することが求められている。したがって、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
リチウムイオン二次電池は、一般に、結着剤を用いて正極活物質等を集電体の表面に塗布した正極と、結着剤を用いて負極活物質等を集電体の表面に塗布した負極とが、電解質を含む電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
かようなリチウムイオン二次電池の活物質としては、負極活物質を例に挙げると、炭素・黒鉛系負極材料や、リチウムと合金化しうるケイ素(Si)やスズ(Sn)等の合金系負極材料が用いられうる。特に、合金系負極材料は、炭素・黒鉛系負極材料と比較して高いエネルギー密度を達成可能であり、車両用電池の候補として期待されている。
上記合金系負極材料は、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う膨張・収縮が大きく、例えば、リチウムイオンを吸蔵した場合の体積膨張は、黒鉛では約1.2倍であるのに対し、ケイ素系負極材料では約4倍にも達する。このように負極活物質が大きく膨張・収縮すると、充放電を繰り返すうちに、活物質同士の接触が弱まったり、活物質層(電極層)の変形によって集電体との密着性が低下したりする。その結果、活物質層の割れや微粉化、または集電体からの剥離等が起こという問題が以前から指摘されていた。なお、かような問題を有する電極は、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を低下させる原因となりうる。
そこで、特許文献1では、活物質の結着剤として弾性率が500〜3000MPaであるポリイミド樹脂を使用した非水電解質二次電池を提案している。該文献によると、活物質および結着剤を含む電極材料と集電体との結着力、あるいは電極材料バルクの結着力に優れるため、サイクル寿命特性に優れた非水電解質二次電池を提供することができる、としている。
しかしながら、特許文献1で結着剤として用いているポリイミド樹脂は、結着力が大きく柔軟性が低いため、活物質の膨張・収縮によって活物質層中に局所的な変形が起こる。このため、充放電を繰り返すことによって、活物質と導電助剤との接触、活物質どうしの接触、または活物質層と集電体との接触が弱まり、電極内の導電ネットワークが切断されうる。この結果、充放電を繰り返すうちに電極の抵抗が上昇するという問題点を有していた。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、抵抗の上昇を抑制することができるリチウムイオン二次電池用電極を提供することを目的とする。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、集電体と、集電体表面に形成されてなり、活物質、導電助剤、および結着剤を含む活物質層とを有する。該結着剤は、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂、または未硬化部分を有する熱硬化性樹脂を含む。そして、該電極の充電時のシート抵抗値は、2×104mΩ・cm2以下である。
本発明によると、熱硬化性樹脂を含む結着剤中に熱可塑性樹脂を有する、または結着材である熱硬化性樹脂が未硬化部分を有することにより、結着剤に柔軟性が付与され、活物質が膨張・収縮した際の活物質層の局所的な変形を抑えることができる。これにより、活物質層中の構成部材同士の接触または活物質層と集電体との接触の劣化が防止され、活物質層中の導電ネットワークが維持される。よって、充放電を繰り返すことによる電極の抵抗の上昇を抑制することが可能となる。
以下、本発明の好ましい形態を説明する。本形態は、集電体と、集電体表面に形成されてなり、活物質、導電助剤、および結着剤を含む活物質層とを有するリチウムイオン二次電池用電極に関する。該結着剤は、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂、または未硬化部分を有する熱硬化性樹脂を含む。そして、該電極の充電時のシート抵抗値は、2×104mΩ・cm2以下である。
以下、図面を参照しながら、本形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<電極>
図1は本発明の一実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用電極を模式的に表した断面図である。図1Aは活物質が収縮しているときの電極の様子を表す。図1Bは活物質が膨張しているときの電極の様子を表す。
図1は本発明の一実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用電極を模式的に表した断面図である。図1Aは活物質が収縮しているときの電極の様子を表す。図1Bは活物質が膨張しているときの電極の様子を表す。
図1の電極(1A、1B)は、銅箔からなる集電体3の一方の面に活物質層4が形成されてなる。活物質層4は、負極活物質としての一酸化ケイ素(SiO)5、熱硬化性樹脂であるポリイミド6a、熱可塑性樹脂であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)7、および導電助剤としてのアセチレンブラック(図示せず)がほぼ共存しながら電極層内に均一に分散されてなる。ここで、ポリイミド6aおよびポリフッ化ビニリデン7は活物質層の構成部材同士、あるいは活物質層の構成部材と集電体とを結着させるための結着剤としての役割を有する。
該結着剤のうち、ポリイミド6aは各部材と面で接触しているため、強固な結着力を有する。このため、一酸化ケイ素5が膨張・収縮した場合であっても、隣り合う一酸化ケイ素5同士の結合、一酸化ケイ素5と導電助剤との接触、または一酸化ケイ素5もしくは導電助剤と集電体3との接触を維持することができる。しかしながら、従来のようにポリイミドのみを結着剤として用いると、結着力が強固であるがゆえに、活物質層の局所的な変形が大きくなる可能性があった。また、導電助剤がポリイミド側に偏在し、活物質層中の導電ネットワークが切断されてしまうという問題点を有していた。
しかしながら、本形態では、図1Aおよび図1Bに示すように、ポリイミド6aに加えてポリフッ化ビニリデン7を結着剤として用いる。ポリフッ化ビニリデン7は各部材と線で接触するため、ポリイミド6aと比較して柔軟性に富み、充放電による一酸化ケイ素5の膨張・収縮に追従できる。これにより、活物質層4の変形を防止することができる。また、ポリフッ化ビニリデン7とともに導電助剤が電解質層4中に均一に分散されるため、導電助剤が少量であっても導電ネットワークが維持される。この結果、充放電を繰り返すことによる電極の抵抗の上昇を抑制することが可能となる。
図2は本発明の他の一実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用電極を模式的に表した断面図である。図2Aは活物質が収縮しているときの電極の様子を表す。図2Bは活物質が膨張しているときの電極の様子を表す。
図2の電極(2A、2B)は、銅箔からなる集電体3の一方の面に活物質層4が形成されてなる。活物質層4は、負極活物質としての一酸化ケイ素(SiO)5、結着剤である未硬化部分を有するポリイミド6b、および導電助剤としてのアセチレンブラック(図示せず)が均一に分散されてなる。
図2に示すように、本形態では、結着剤であるポリイミド6bが未硬化部分を有することにより、結着剤に柔軟性が付与される。したがって、図2Aおよび図2Bに示すように充放電による一酸化ケイ素5の膨張・収縮にポリイミド6bが追従することができ、図1の形態と同様に、活物質層4の変形が防止される。また、導電助剤が少量であっても導電ネットワークが維持される。よって、充放電を繰り返すことによる電極の抵抗の上昇を抑制することが可能となる。以下、本形態の電極を構成する各部材について説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみに制限されない。
[集電体]
集電体は導電性材料から構成され、その一方の面または両面に活物質層が配置される。集電体を構成する材料に特に制限はなく、例えば、金属や、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に導電性フィラーが添加された導電性を有する樹脂が採用されうる。
集電体は導電性材料から構成され、その一方の面または両面に活物質層が配置される。集電体を構成する材料に特に制限はなく、例えば、金属や、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に導電性フィラーが添加された導電性を有する樹脂が採用されうる。
金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位の観点からは、アルミニウム、ステンレス鋼、および銅が好ましい。
また、導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、およびポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、およびKからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はないが、アセチレンブラック、バルカン、ブラックパール、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、5〜35質量%程度である。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。例えば、高エネルギー密度が要求される大型の電池に用いられるのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。集電体の厚さについても特に制限はないが、通常は1〜100μm程度である。
[活物質層]
活物質層は活物質、導電助剤、および結着剤を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含みうる。活物質は、可逆的にリチウムイオンを挿入および脱離することによって、電気エネルギーを生み出す。活物質層は、集電体の一方の面に形成されてもよいし、集電体の両面に形成されてもよい。
活物質層は活物質、導電助剤、および結着剤を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含みうる。活物質は、可逆的にリチウムイオンを挿入および脱離することによって、電気エネルギーを生み出す。活物質層は、集電体の一方の面に形成されてもよいし、集電体の両面に形成されてもよい。
(正極活物質)
正極活物質層は正極活物質を含む。正極活物質は、放電時にリチウムイオンを吸蔵し、充電時にリチウムイオンを放出する組成を有する。好ましい一例としては、遷移金属とリチウムとの複合酸化物であるリチウム−遷移金属複合酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoO2などのLi・Co系複合酸化物、LiNiO2などのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn2O4などのLi・Mn系複合酸化物、LiFeO2などのLi・Fe系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したものなどが使用できる。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル特性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することが可能である。この他、前記正極活物質としては、LiFePO4などの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V2O5、MnO2、TiS2、MoS2、MoO3などの遷移金属酸化物や硫化物;PbO2、AgO、NiOOHなど、を用いることもできる。上記正極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
正極活物質層は正極活物質を含む。正極活物質は、放電時にリチウムイオンを吸蔵し、充電時にリチウムイオンを放出する組成を有する。好ましい一例としては、遷移金属とリチウムとの複合酸化物であるリチウム−遷移金属複合酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoO2などのLi・Co系複合酸化物、LiNiO2などのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn2O4などのLi・Mn系複合酸化物、LiFeO2などのLi・Fe系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したものなどが使用できる。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル特性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することが可能である。この他、前記正極活物質としては、LiFePO4などの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V2O5、MnO2、TiS2、MoS2、MoO3などの遷移金属酸化物や硫化物;PbO2、AgO、NiOOHなど、を用いることもできる。上記正極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
正極活物質の平均粒子径は、特に制限されないが、正極活物質の高容量化、反応性、サイクル耐久性の観点からは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。このような範囲であれば、二次電池は、高出力条件下での充放電時における電池の内部抵抗の増大が抑制され、充分な電流を取り出しうる。なお、正極活物質が2次粒子である場合には該2次粒子を構成する1次粒子の平均粒子径が10nm〜1μmの範囲であるのが望ましいといえるが、本発明では、必ずしも上記範囲に制限されるものではない。ただし、製造方法にもよるが、正極活物質が凝集、塊状などにより2次粒子化したものでなくても良いことはいうまでもない。かかる正極活物質の粒径および1次粒子の粒径は、レーザー回折法を用いて得られたメディアン径を使用できる。なお、正極活物質の形状は、その種類や製造方法等によって取り得る形状が異なり、例えば、球状(粉末状)、板状、針状、柱状、角状などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、いずれの形状であれ問題なく使用できる。好ましくは、充放電特性などの電池特性を向上し得る最適の形状を適宜選択するのが望ましい。
(負極活物質)
負極活物質層は負極活物質を含む。負極活物質は、放電時にリチウムイオンを放出し、充電時にリチウムイオンを吸蔵できる組成を有する。負極活物質は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるものであれば特に制限されないが、負極活物質の例としては、SiやSnなどの金属、あるいはTiO、Ti2O3、TiO2、もしくはSiO2、SiO、SnO2などの金属酸化物、Li4/3Ti5/3O4もしくはLi7MnNなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、Li−Pb系合金、Li−Al系合金、Li、または天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、もしくはハードカーボンなどの炭素系材料などが好ましく挙げられる。上記負極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
負極活物質層は負極活物質を含む。負極活物質は、放電時にリチウムイオンを放出し、充電時にリチウムイオンを吸蔵できる組成を有する。負極活物質は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるものであれば特に制限されないが、負極活物質の例としては、SiやSnなどの金属、あるいはTiO、Ti2O3、TiO2、もしくはSiO2、SiO、SnO2などの金属酸化物、Li4/3Ti5/3O4もしくはLi7MnNなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、Li−Pb系合金、Li−Al系合金、Li、または天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、もしくはハードカーボンなどの炭素系材料などが好ましく挙げられる。上記負極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
負極活物質は、リチウムと合金化する元素を含むことが好ましい。リチウムと合金化する元素を用いることにより、高いエネルギー密度を有する高容量および優れた出力特性の電池を得ることが可能となる。リチウムと合金化する元素としては、以下に制限されることはないが、具体的には、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等が挙げられる。
上記負極活物質のうち、炭素系材料、またはSi、Ge、Sn、Pb、Al、In、およびZnからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素を含むことが好ましく、炭素系材料、またはSiもしくはSnの元素を含むことがより好ましい。これらの負極活物質は、容量およびエネルギー密度に優れた電池を構成できる反面、充放電時の活物質の膨張・収縮による体積変化も大きく、活物質層の変形や、導電ネットワークの切断が起こりやすいという問題点も有している。そこで、本発明の電極にこれらの負極活物質を用いることによって、抵抗の上昇を抑制するという本発明の効果がより顕著なものとなる。
なお、負極活物質の粒子径や形状は、特に制限されず、上述の正極活物質と同様の形態を取りうるので、ここでは詳細な説明を省略する。
上記活物質は、その表面が炭素材料で被覆された形態であることが好ましい。かような形態によれば、活物質表面の導電性である炭素材料同士の間や炭素材料と導電助剤との間に結着剤によって強固な導電ネットワークが構築されうる。これにより、膨張・収縮の大きい活物質を使用した場合であっても電極内の導電パスを確保することができ、充放電を繰り返した場合であっても抵抗の上昇を抑制することができる。さらに好ましくは、電極の導電ネットワークを確保し、かつ、電極のエネルギー密度を向上させる観点から、高容量のリチウムと合金化する材料を導電性の炭素材料で被覆した形態を用いる。この場合の炭素材料の被覆量は、活物質(粒子)の粒子径に応じて、活物質同士または活物質と導電助剤との間の電気的接触が良好となる量を使用すればよい。好ましくは、被覆された活物質の全質量に対して、2〜20質量%程度とする。なお、本発明において「被覆」とは、活物質の全面が炭素材料に覆われている形態に加えて、活物質の表面の一部に炭素材料が存在(付着)している形態をも含むものとする。
(結着剤)
結着剤は、活物質に含まれる構成部材同士または活物質層と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。
結着剤は、活物質に含まれる構成部材同士または活物質層と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。
本発明の一形態(図1に示す形態)においては、結着剤は、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を必須に含む。加熱することにより硬化反応を起こす熱硬化性樹脂は一般に強固な結着力を有する。一方、熱可塑性樹脂は加熱により溶融し、一般に熱硬化性樹脂と比較して柔軟性に富む。よって、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを組み合わせて結着剤とすることによって、優れた結着力と柔軟性を兼ね備えた結着剤とすることができる。したがって、かような結着剤を含む活物質層は、充放電によって活物質が膨張・収縮をした場合であっても、活物質層の局所的な変形を効果的に抑制できる。これにより、活物質層中の構成部材同士の接触または活物質層と集電体との接触の劣化が防止され、活物質層層中の導電ネットワークを維持できる。よって、充放電を繰り返すことによる電極の抵抗の上昇を抑制することが可能となる。
結着剤として使用される熱硬化性樹脂は、加熱することにより硬化反応を起こす樹脂であれば、特に制限なく使用することができる。なお、本明細書において、「熱硬化性樹脂」とは、硬化反応が完結した樹脂のみならず、硬化反応が未完結な未硬化部分を含む樹脂をも含む概念である。また、「未硬化部分」とは、加熱することによりさらに硬化反応を起こすことが可能な官能基を含む前駆体部分をいう。前駆体は、単量体であってもよいし、一部硬化反応が完結していないプレポリマー(モノマーの重合または縮合反応を適当な所で止めた中間生成物)であってもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド(PI)、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂、およびポリウレタン(PUR)などが挙げられる。このうち、融点が高く耐熱性に優れる点および強固な結着力を有する観点から、ポリイミド(PI)を用いることがより好ましい。これらの熱硬化性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、結着剤として使用されうる熱可塑性樹脂は、加熱することにより溶融する性質を有する樹脂であれば、特に制限なく使用することができる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ酢酸ビニル、ポリ
塩化ビニル(PVC)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレ
ン(PP)およびポリアクリロニトリル(PAN)などが挙げられる。このうち、均一分散が可能であり、製造の際にはスラリーを容易に調製できる観点から、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
塩化ビニル(PVC)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレ
ン(PP)およびポリアクリロニトリル(PAN)などが挙げられる。このうち、均一分散が可能であり、製造の際にはスラリーを容易に調製できる観点から、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、上記の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のほかにも、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのゴム系材料や、セルロース樹脂などの繊維系材料が適宜添加されてもよい。
本形態のように結着剤が熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含む場合における、それぞれの樹脂の含有量は、使用する樹脂の種類や、電極のサイズ、または電極に含まれる構成部材の材料により適宜調節することが可能である。好ましい形態としては、熱可塑性樹脂の質量比が、熱硬化性樹脂の全質量1に対して、0.3〜2.5であることが好ましく、0.5〜2.0であることがより好ましく、0.5〜1.5であることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の含有量をかような範囲とすることによって、優れた結着力と柔軟性を兼ね備えた結着剤とすることができ、活物質層に良好な導電ネットワークを形成することができる。
また、本発明の他の形態(図2に示す形態)においては、結着剤は、未硬化部分を含む熱硬化性樹脂を必須に含む。このように、熱硬化性樹脂が未硬化部分を含むことにより、強固な結着力を有する熱硬化性樹脂に柔軟性を付与することができる。
未硬化部分を含む熱可塑性樹脂としては、上述の熱可塑性樹脂と同様の樹脂が使用されうる。好ましくは、加熱条件により硬化反応を容易に制御することができるという点から、ポリイミド(PI)を用いることが好ましい。
(導電助剤)
導電助剤とは、活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック、およびケッチェンブラックなどのカーボンブラック、カーボンナノファイバー、およびカーボンナノチューブなどの気相成長炭素繊維、活性炭、ならびにグラファイトといった炭素材料が挙げられる。電子伝導剤の平均粒子径は、一般的には1〜500nmであり、好ましくは5〜200nmであり、より好ましくは10〜100nmである。
導電助剤とは、活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック、およびケッチェンブラックなどのカーボンブラック、カーボンナノファイバー、およびカーボンナノチューブなどの気相成長炭素繊維、活性炭、ならびにグラファイトといった炭素材料が挙げられる。電子伝導剤の平均粒子径は、一般的には1〜500nmであり、好ましくは5〜200nmであり、より好ましくは10〜100nmである。
導電助剤の含有量は、活物質層中に含まれる、活物質、導電助剤、および結着剤の総質量に対して、5質量%以下であることが好ましい。本形態の電極は、上述のように柔軟性が付与された結着剤を用いて形成されるために、導電助剤の活物質層中での偏在を防ぐことができる。よって、従来の電極では10質量%程度の導電助剤を使用する必要があったところ、本発明においては導電助剤の5質量%以下とした場合であっても、電極の抵抗を低く抑えることが可能となる。
また、本形態の電極は、電極の断面積に対して、導電助剤が10〜20面積%を占めるように分散されてなることが好ましい。かような範囲の面積を導電助剤が占めることによって、活物質が膨張した場合であっても、良好な導電ネットワークを維持することができる。なお、これらの面積は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた電極の断面の拡大画像を解析することによって求めることができる。
本形態の電極は、上述のように、優れた結着力および柔軟性を有する結着剤により、充放電を繰り返した場合であっても、活物質層に含まれる構成部材同士の接触、または活物質層と集電体との接触が良好に保たれる。よって、電極中の導電ネットワークが維持され、電極の抵抗の上昇を抑制することができる。具体的には、本形態の電極の充電時のシート抵抗値が、2×104mΩ・cm2以下であることが好ましい。なお、電極のシート抵抗値は、後述の実施例で用いられる4端子法により測定することができる。
<電極の製造方法>
以下、本形態の電極の好ましい製造方法として、熱硬化性樹脂としてポリイミドを含む場合の製造方法を説明する。本形態にかかる電極の製造方法は、活物質、導電助剤、およびポリアミック酸を含む活物質スラリーを調製する工程と、活物質スラリーを集電体の一方の面に塗布し、加熱することによりポリアミック酸をイミド化する工程と、を含む。
以下、本形態の電極の好ましい製造方法として、熱硬化性樹脂としてポリイミドを含む場合の製造方法を説明する。本形態にかかる電極の製造方法は、活物質、導電助剤、およびポリアミック酸を含む活物質スラリーを調製する工程と、活物質スラリーを集電体の一方の面に塗布し、加熱することによりポリアミック酸をイミド化する工程と、を含む。
結着剤として、熱硬化性樹脂であるポリイミドおよび熱可塑性樹脂であるポリフッ化ビニリデンを含む電極の場合の活物質スラリーの調製方法の一例は、以下のとおりである。まず、ポリアミック酸(ポリイミドの前駆体)を粘度調整溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させたポリアミック酸溶液を調製する。これとは別に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させたPVDF溶液を調製する。さらに、PVDF溶液に導電助剤を添加し、十分に分散させる。このように予め導電助剤をPVDF溶液に分散させると、後述の加熱工程において、PVDFが溶融して活物質層中に導電助剤およびPVDFが均一に分散される。その後、上記ポリアミック酸溶液に導電助剤を分散させたPVDF溶液を加えながら攪拌し、導電助剤と結着剤が含まれた混合液を調製する。そして、該混合溶液に活物質を少しずつ加えながら混合することにより活物質スラリーを得る。このように、導電助剤と結着剤とを含む混合溶液を予め調製し、その後、該混合溶液に活物質を添加して混合することによって、リチウムイオン二次電池用電極を製造する。このような実施形態により、熱硬化性樹脂を含む結着剤中に熱可塑性樹脂を有する二次電池用電極が製造できる。このような電極は、結着剤に柔軟性が付与され、活物質が膨張・収縮した際の活物質層の局所的な変形を抑えることができる。したがって、導電助剤および結着剤を確実に活物質に結着させることができ、良好な導電ネットワークを構築することが可能となる。
次に、結着剤として未硬化部分を有する熱硬化性樹脂を含む場合の活物質スラリーの調製方法について説明する。まず、ポリアミック酸(ポリイミドの前駆体)を粘度調整溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させたポリアミック酸溶液を調製する。さらに、該ポリアミック酸溶液に導電助剤を添加し、十分に分散させる。そして、導電助剤を分散させたポリアミック酸溶液に活物質を少しずつ加えながら混合することにより活物質スラリーを得る。
上述の粘度調整溶媒は、特に制限はなく、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)の他にも、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどが挙げられる。また、活物質、導電助剤、および結着剤などの各成分を混合・分散する順序も特に制限されない。これらの全ての成分を同時に混合・分散してもよいし、上述のように成分毎に段階的に混合・分散するようにしてもよい。
次に、上記で作成した活物質スラリーを集電体の一方の面に塗布する。塗布する方法は、特に制限はなく、ダイコーター法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法などの従来公知の方法を適宜採用することができる。
その後、活物質スラリーを塗布した集電体を加熱することにより溶媒除去を目的とした乾燥し電極とする。その後さらに加熱することで、結着剤として含まれるポリアミック酸をイミド化する。加熱手段は特に制限されず、電極の製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、真空乾燥機の使用による加熱処理が例示される。
イミド化の為の加熱温度は、ポリアミック酸がイミド化可能な温度であれば特に制限はなく、結着剤の材料や、スラリーの塗布量などによって適宜設定することができるが、好ましくは100〜400℃であり、より好ましくは150〜350℃である。また、イミド化の為の加熱時間は結着剤の材料や、スラリーの塗布量などに応じて適宜設定すればよいが、好ましくは1分〜20時間、より好ましくは5分〜10時間程度である。
また、ポリアミック酸をイミド化するための加熱の前に、活物質スラリー中に含まれる溶媒成分を除去するために、120℃程度の温度で集電体に塗布した活物質スラリーを乾燥させる工程を別途行ってもよい。
特に、上述の図2で示す形態のように、結着剤として未硬化部分を有する熱硬化性樹脂を含む活物質スラリーを調整し、リチウムイオン二次電池用電極を製造する場合、加熱温度は150〜350℃であり、200〜300℃であることが好ましい。また、加熱時間は3〜10時間であり、4〜8時間であることがより好ましい。このような実施形態をとることで、結着材である熱硬化性樹脂が未硬化部分を有する二次電池用電極が製造できる。このような電極は、結着剤に柔軟性が付与され、活物質が膨張・収縮した際の活物質層の局所的な変形を抑えることができる。これにより、活物質層中の構成部材同士の接触または活物質層と集電体との接触の劣化が防止され、活物質層中の導電ネットワークが維持される。図2で示す形態において加熱温度を150℃未満、または加熱時間を3時間未満とすると、未硬化部分の割合が過度に大きくなり、所望のシート抵抗値を得られない虞がある。一方、加熱温度を350℃以上、加熱時間を10時間以上とすると、未硬化部分の割合が過度に小さくなるために、活物質の膨張・収縮にポリイミドが追従できなくなる虞がある。このため、活物質層の構成部材同士の接触が劣化し、所望のシート抵抗値が得られない虞がある。
なお、結着剤としてPVDFなどの熱可塑性樹脂を含む場合には、該加熱工程により熱可塑性樹脂が溶融し、活物質層中に均一に分散されうる。
その後、必要に応じて、プレス処理を行うことにより、集電体上に活物質層が形成され
た電極が得られる。プレス手段については、特に限定されず、従来公知の手段が適宜採用
されうる。プレス手段の一例を挙げると、カレンダーロール、平板プレスなどが挙げられ
る。
た電極が得られる。プレス手段については、特に限定されず、従来公知の手段が適宜採用
されうる。プレス手段の一例を挙げると、カレンダーロール、平板プレスなどが挙げられ
る。
<二次電池>
図3は、本形態に係る双極型でない積層型のリチウムイオン二次電池(以下、単に「リチウムイオン電池」とも称する)の全体構造を模式的に表した断面概略図である。
図3は、本形態に係る双極型でない積層型のリチウムイオン二次電池(以下、単に「リチウムイオン電池」とも称する)の全体構造を模式的に表した断面概略図である。
図3に示すように、本実施形態のリチウムイオン電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素17が、電池外装材であるラミネートフィルム22の内部に封止された構造を有する。詳しくは、高分子−金属複合ラミネートフィルムを電池外装材として用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、発電要素17を収納し密封した構成を有している。
発電要素17は、正極集電体11の両面(発電要素の最下層用および最上層用は片面のみ)に正極活物質層12が配置された正極と、電解質層13と、負極集電体14の両面に負極活物質層15が配置された負極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの正極活物質層12とこれに隣接する負極活物質層15とが、電解質層13を介して対向するようにして、正極、電解質層13、負極がこの順に積層されている。
これにより、隣接する正極、電解質層13および負極は、1つの単電池層16を構成する。したがって、本実施形態のリチウムイオン電池10は、単電池層16が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層16の外周には、隣接する正極集電体11と負極集電体14との間を絶縁するためのシール部(絶縁層)が設けられていてもよい。発電要素17の両最外層に位置する最外層正極集電体11aには、いずれも片面のみに正極活物質層12が配置されている。なお、図3とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素17の両最外層に最外層負極集電体が位置するようにし、該最外層負極集電体の片面のみに負極活物質層が配置されているようにしてもよい。
正極集電体11および負極集電体14には、各電極(正極および負極)と導通される正極集電板18および負極集電板19がそれぞれ取り付けられ、ラミネートフィルム22の端部に挟まれるようにラミネートフィルム22の外部に導出される構造を有している。正極集電板18および負極集電板19は、必要に応じて正極端子リード20および負極端子リード21を介して、各電極の正極集電体11および負極集電体14に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。ただし、正極集電体11が延長されて正極集電板18とされ、ラミネートフィルム22から導出されていてもよい。同様に、負極集電体14が延長されて負極集電板19とされ、同様に電池外装材22から導出される構造としてもよい。
なお、二次電池の他の形態としては、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され、他方の面に負極活物質層が形成されてなる双極型電極が、電解質層を介して積層された双極型二次電池が挙げられる。上記リチウムイオン二次電池10と該双極型二次電池とは双方の電池内の電気的な接続形態(電極構造)が異なることを除いては、基本的には同様である。
以下、本形態のリチウムイオン二次電池を構成する部材について簡単に説明するが、下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態も同様に採用されうる。
[電解質層]
電解質層は、正極活物質層と負極活物質層との間の空間的な隔壁(スペーサ)として機能する。また、これと併せて、充放電時における正負極間でのリチウムイオンの移動媒体である電解質を保持する機能をも有する。
電解質層は、正極活物質層と負極活物質層との間の空間的な隔壁(スペーサ)として機能する。また、これと併せて、充放電時における正負極間でのリチウムイオンの移動媒体である電解質を保持する機能をも有する。
電解質層を構成する電解質に特に制限はなく、液体電解質、ならびに高分子ゲル電解質および高分子固体電解質などのポリマー電解質が適宜用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート類が挙げられる。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)2、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiSO3CF3などの電極の活物質層に添加されうる化合物を同様に用いることができる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない高分子固体電解質に分類される。
ゲル電解質は、リチウムイオン伝導性を有するマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。リチウムイオン伝導性を有するマトリックスポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体などが挙げられる。かようなマトリックスポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンやポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素、ガラス繊維などからなる微多孔膜が挙げられる。
高分子固体電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が高分子固体電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
高分子ゲル電解質や高分子固体電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発揮しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合などの重合処理を施せばよい。なお、上記電解質は、電極の活物質層中に含まれていてもよい。
[集電板]
リチウムイオン二次電池においては、電池外部に電流を取り出す目的で、集電体に電気的に接続された集電板(正極集電板および負極集電板)が外装材であるラミネートフィルムの外部に取り出されている。
リチウムイオン二次電池においては、電池外部に電流を取り出す目的で、集電体に電気的に接続された集電板(正極集電板および負極集電板)が外装材であるラミネートフィルムの外部に取り出されている。
集電板を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板と負極集電板とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[正極端子および負極端子リード]
図3に示すリチウムイオン電池10においては、正極端子リード20および負極端子リード21をそれぞれ介して、集電体は集電板と電気的に接続されている。
図3に示すリチウムイオン電池10においては、正極端子リード20および負極端子リード21をそれぞれ介して、集電体は集電板と電気的に接続されている。
正極および負極端子リードの材料は、公知のリチウムイオン電池で用いられるリードを用いることができる。なお、電池外装材から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
[外装材]
外装材としては、従来公知の金属缶ケースを用いることができる。そのほか、図3に示すようなラミネートフィルム22を外装材として用いて、発電要素17をパックしてもよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロンがこの順に積層されてなる3層構造として構成されうる。
外装材としては、従来公知の金属缶ケースを用いることができる。そのほか、図3に示すようなラミネートフィルム22を外装材として用いて、発電要素17をパックしてもよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロンがこの順に積層されてなる3層構造として構成されうる。
上記リチウムイオン二次電池に上述の本形態の電極を用いることによって、サイクル特性に優れた電池を製造することができる。
本発明の作用効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
1.結着剤に含まれる樹脂の種類および配合比の影響
<負極の作製>
[実施例1]
負極活物質として一酸化ケイ素(SiO、高純度化学研究所社製)を85質量%、導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製)を5質量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液(宇部興産社製のU−ワニス−A)を1:1(固形分換算)の割合で混合した混合溶液を10質量%(固形分換算)、およびスラリー粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量混合し、負極活物質スラリーを調製した。
<負極の作製>
[実施例1]
負極活物質として一酸化ケイ素(SiO、高純度化学研究所社製)を85質量%、導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製)を5質量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液(宇部興産社製のU−ワニス−A)を1:1(固形分換算)の割合で混合した混合溶液を10質量%(固形分換算)、およびスラリー粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量混合し、負極活物質スラリーを調製した。
各成分を混合する順番は以下の通りである。まず、結着剤をNMPに溶解し、これにアセチレンブラックを少量ずつホモジナイザーを用いて混合してカーボンインクを調製した。該混合物を攪拌しながら、活物質を投入し、最後にNMPを適量加えてスラリー濃度を調整することによって、負極活物質スラリーを得た。
このようにして得られた負極活物質スラリーを、負極集電体としての圧延銅箔(厚さ15μm)の一方の面に塗布後、乾燥した。この塗布・乾燥工程は、120℃に加熱した自走式コーターを用いて行った。そして、該積層体を、真空乾燥機を用いて200℃で5時間加熱処理し、負極活物質層中のポリアミック酸を、イミド化した。その後、ロールプレスにより負極活物質層の厚みが40μmとなるように成形し、負極を完成させた。
[実施例2]
結着剤としてポリアミック酸溶液のみを10質量%(固形分換算)用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
結着剤としてポリアミック酸溶液のみを10質量%(固形分換算)用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
[実施例3]
結着剤としてPVDFおよびポリアミック酸溶液を7:10(固形分換算)の割合で混合した混合溶液を10質量%(固形分換算)用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
結着剤としてPVDFおよびポリアミック酸溶液を7:10(固形分換算)の割合で混合した混合溶液を10質量%(固形分換算)用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
[比較例1]
結着剤としてPVDFのみを10質量%用いたこと、および200℃での加熱処理(イミド化工程)を行わなかったことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
結着剤としてPVDFのみを10質量%用いたこと、および200℃での加熱処理(イミド化工程)を行わなかったことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
[比較例2]
200℃での加熱処理(イミド化工程)を行わなかったことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
200℃での加熱処理(イミド化工程)を行わなかったことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
[比較例3]
結着剤としてPVDFのみを10質量%用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
結着剤としてPVDFのみを10質量%用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で負極を作製した。
<評価用コインセルの作製>
上記で作製した負極を直径16mmの円盤形状に切り出し、積層用の負極とした。正極として、金属リチウムを直径16mmの円盤形状に打ち抜いたものを用いた。この負極をセパレータ(樹脂系セパレータ、材質:PE、厚さ:20μm)を介して、正極と対向させるように積層してコインセル容器内に入れ、電解液を注入し、上蓋をすることにより評価用コインセルを作製した。なお、電解液としては、1.0M LiPF6をエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合溶媒(体積比1:1)に溶解した溶液を用いた。
上記で作製した負極を直径16mmの円盤形状に切り出し、積層用の負極とした。正極として、金属リチウムを直径16mmの円盤形状に打ち抜いたものを用いた。この負極をセパレータ(樹脂系セパレータ、材質:PE、厚さ:20μm)を介して、正極と対向させるように積層してコインセル容器内に入れ、電解液を注入し、上蓋をすることにより評価用コインセルを作製した。なお、電解液としては、1.0M LiPF6をエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合溶媒(体積比1:1)に溶解した溶液を用いた。
<充放電サイクル試験>
上記の方法で作製した各評価用コインセルについて、25℃の雰囲気下、定電流定電圧方式(CCCV、電流:0.5C、電圧:0.02V)で3時間充電し、5分間休止させた。その後、定電流(CC、電流:0.5C)でセル電圧2.5Vまで放電させ、放電後5分間休止させた。この充放電過程を1サイクルとし、40サイクルの充放電サイクル試験を行い、1サイクル後の放電容量に対する40サイクル後の放電容量の割合(=容量維持率[%])を求めた。結果を表1に示す。
上記の方法で作製した各評価用コインセルについて、25℃の雰囲気下、定電流定電圧方式(CCCV、電流:0.5C、電圧:0.02V)で3時間充電し、5分間休止させた。その後、定電流(CC、電流:0.5C)でセル電圧2.5Vまで放電させ、放電後5分間休止させた。この充放電過程を1サイクルとし、40サイクルの充放電サイクル試験を行い、1サイクル後の放電容量に対する40サイクル後の放電容量の割合(=容量維持率[%])を求めた。結果を表1に示す。
<シート抵抗値の測定>
上記で作製した電極を直径16mmの円盤形状に切り出し、一軸加圧可能なハイパワージャッキを用いて、端子のついた金属冶具(材質:金箔、比抵抗値:0.1〜1.0mΩcm)を介して、円盤形状に切り出した電極試片を挟んだ。そして、室温において、100〜1000kg/cm2の荷重をかけながら、充電時および放電時のシート抵抗値を4端子法で測定した。得られた結果のうち、100kg/cm2荷重時の値をシート抵抗値とした。なお、測定装置としては、アルバック理工(株)製のTER−2000SSを用いた。結果を表1に示す。
上記で作製した電極を直径16mmの円盤形状に切り出し、一軸加圧可能なハイパワージャッキを用いて、端子のついた金属冶具(材質:金箔、比抵抗値:0.1〜1.0mΩcm)を介して、円盤形状に切り出した電極試片を挟んだ。そして、室温において、100〜1000kg/cm2の荷重をかけながら、充電時および放電時のシート抵抗値を4端子法で測定した。得られた結果のうち、100kg/cm2荷重時の値をシート抵抗値とした。なお、測定装置としては、アルバック理工(株)製のTER−2000SSを用いた。結果を表1に示す。
表1の結果より、充電時のシート抵抗値は、実施例1〜3ではいずれも2.0×104mΩ・cm2以下であり、比較例と比べて電極の抵抗が著しく低減されたことが示された。
また、40サイクル後の放電容量維持率は、実施例1〜3では70.0%以上と極めて高く、サイクル特性に優れることが示された。
なお、比較例3は、充放電サイクル試験による電極の歪みが大きく、試験途中で集電体から活物質層が剥がれてしまった。
2.ポリイミドの加熱条件による影響
<負極の作製>
[実施例4]
負極活物質および導電助剤として黒鉛90質量%、結着剤としてポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液(宇部興産(株)製のU−ワニス−A、ポリイミドとして10質量%に相当)を10質量%、およびスラリー粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量混合し、負極活物質スラリーを調製した。
<負極の作製>
[実施例4]
負極活物質および導電助剤として黒鉛90質量%、結着剤としてポリイミド前駆体であるポリアミック酸溶液(宇部興産(株)製のU−ワニス−A、ポリイミドとして10質量%に相当)を10質量%、およびスラリー粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量混合し、負極活物質スラリーを調製した。
各成分を混合する順番は以下の通りである。まず、結着剤をNMPに溶解し、これに黒鉛を少量ずつ、ホモジナイザーを用いて混合することにより、負極活物質スラリーを得た。
このようにして得られた負極活物質スラリーを、負極集電体としての圧延銅箔(厚さ15μm)の一方の面に塗布後、乾燥した。この塗布・乾燥工程は、120℃に加熱した自走式コーターを用いて行った。そして、該積層体を、真空乾燥機を用いて200℃で5時間加熱処理して負極活物質層中のポリアミック酸をイミド化することによって負極を完成させた。
[比較例4]
真空乾燥機を用いた加熱処理を行わなかったことを除いては、実施例4と同様の方法で負極を作製した。
真空乾燥機を用いた加熱処理を行わなかったことを除いては、実施例4と同様の方法で負極を作製した。
[比較例5]
真空乾燥機を用いて200℃で2時間加熱処理を行ったことを除いては、実施例4と同様の方法で負極を作製した。
真空乾燥機を用いて200℃で2時間加熱処理を行ったことを除いては、実施例4と同様の方法で負極を作製した。
<シート抵抗値の測定>
上記で作製した電極を直径16mmの円盤形状に切り出し、一軸加圧可能なハイパワージャッキに、端子のついた金属冶具(材質:金箔、比抵抗値:0.1〜1.0mΩcm)を介して、円盤形状に切り出した電極試片を挟んだ。そして、室温において、0〜200kg/cm2における各荷重時の充電時のシート抵抗値を2端子法で測定した。なお、測定装置としては、アルバック理工(株)製のTER−2000SSを用いた。結果を図4に示す。
上記で作製した電極を直径16mmの円盤形状に切り出し、一軸加圧可能なハイパワージャッキに、端子のついた金属冶具(材質:金箔、比抵抗値:0.1〜1.0mΩcm)を介して、円盤形状に切り出した電極試片を挟んだ。そして、室温において、0〜200kg/cm2における各荷重時の充電時のシート抵抗値を2端子法で測定した。なお、測定装置としては、アルバック理工(株)製のTER−2000SSを用いた。結果を図4に示す。
図4のグラフより、0〜2000kg/cm2の範囲全てにわたって、5時間の加熱処理を行った実施例4は、2時間の加熱処理を行った比較例4または加熱処理を行わなかった比較例5よりも低いシート抵抗値を示した。該結果は、実施例4の活物質層中に良好な導電ネットワークが形成されていることによるものと考えられた。なお、比較例4および5は、荷重が大きくなるにつれてシート抵抗値が低減した。これは、比較例4および5の電極において、導電ネットワークを形成するためにプレス処理が必要なことを意味する。
1A、1B、2A、2B 電極、
3 集電体、
4 活物質層、
5 SiO、
6a ポリイミド、
6b 未硬化部分を有するポリイミド、
7 ポリフッ化ビニリデン、
10 リチウムイオン電池、
11 正極集電体、
11a 最外層正極集電体、
12 正極活物質層、
13 電解質層、
14 負極集電体、
15 負極活物質層、
16 単電池層、
17 発電要素、
18 正極集電板、
19 負極集電板、
20 正極端子リード、
21 負極端子リード、
22 ラミネートフィルム。
3 集電体、
4 活物質層、
5 SiO、
6a ポリイミド、
6b 未硬化部分を有するポリイミド、
7 ポリフッ化ビニリデン、
10 リチウムイオン電池、
11 正極集電体、
11a 最外層正極集電体、
12 正極活物質層、
13 電解質層、
14 負極集電体、
15 負極活物質層、
16 単電池層、
17 発電要素、
18 正極集電板、
19 負極集電板、
20 正極端子リード、
21 負極端子リード、
22 ラミネートフィルム。
Claims (11)
- 集電体と、
集電体表面に形成されてなり、活物質、導電助剤、および結着剤を含む活物質層と、を有するリチウムイオン二次電池用電極であって、
前記結着剤が、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含み、
該電極の充電時のシート抵抗値が2×104mΩ・cm2以下である、リチウムイオン二次電池用電極。 - 集電体と、
集電体表面に形成されてなり、活物質、導電助剤、および結着剤を含む活物質層と、を有するリチウムイオン二次電池用電極であって、
前記結着剤が、未硬化部分を有する熱硬化性樹脂を含み、
該電極の充電時のシート抵抗値が2×104mΩ・cm2以下である、リチウムイオン二次電池用電極。 - 前記熱可塑性樹脂の質量比が、前記熱硬化性樹脂の全質量1に対して、0.3〜2.5である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
- 前記熱硬化性樹脂がポリイミドを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
- 前記熱可塑性樹脂がポリフッ化ビニリデンを含む、請求項1、3、または4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
- 前記導電助剤の含有量が、前記活物質、前記導電助剤、および前記結着剤の総質量に対して5質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
- 前記活物質が、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極と、
電解質層と、が積層されてなる発電要素を有する、リチウムイオン二次電池。 - 活物質、導電助剤、およびポリアミック酸を含む活物質スラリーを調製する工程と、
前記活物質スラリーを集電体の一方の面に塗布し、加熱温度150〜350℃、加熱時間3〜10時間で加熱することにより前記ポリアミック酸をイミド化する工程と、を含む、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法。 - 前記活物質スラリーが、さらに熱可塑性樹脂を含む、請求項9に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリフッ化ビニリデンを含む、請求項10に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
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-
2009
- 2009-09-09 JP JP2009208618A patent/JP2011060559A/ja active Pending
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