JP2011059282A - 光スキャナおよび画像形成装置 - Google Patents

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安志 溝口
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Abstract

【課題】簡単な構成で、迷光が被投影面に照射されるのを防止することのできる光スキャナおよび画像形成装置を提供すること。
【解決手段】光スキャナ1は、光反射部211を備える可動板21と、光透過性を有する光透過窓32を備え、可動板21を回動可能に収容するパッケージ3とを有している。また、光スキャナ1は、光透過窓32から入射する入射光のうち、光透過窓32により反射された光が、光反射部211により反射された光の走査領域に侵入することを防止する遮蔽部53を有し、遮蔽部53は、壁状をなし、可動板21の平面視にて、入射光が光透過窓32を通過する領域と、出射光が光透過窓32を通過する領域との間に設けられており、入射光側の側壁および出射光側の側壁が、それぞれ、非駆動状態の可動板21の厚さ方向に対して、入射光側に傾いている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光スキャナおよび画像形成装置に関する。
例えば、スクリーンや壁面等の被投影面に光を走査して所望の画像を描画(表示)するための光スキャナとして、捩り振動子で構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、上面が反射面である可動部と、可動部を支持する枠体と、可動部を枠体に対して回動可能とするように可動部と枠体とを連結する一対の軸とを有する光偏向器が開示されている。また、特許文献1では、埃の付着等を防止するために、前述した光偏向器を下蓋と光透過窓とで構成された気密性を有するパッケージに収容している。このような光スキャナは、可動部を回動させ、図示しない光源から射出された光(レーザービーム)を光反射面で反射し、反射したレーザービームをスクリーン等の被投影面に走査することにより、被投影面に所望の画像を描画する。
ここで、光源から出射された光は、光反射面で反射される前に光透過窓を通過する。前記光が光反射窓を通過する際、光の一部が光反射窓の上面または下面で反射され、反射された光(以下「迷光」とも言う)が被投影面に照射されることがある。迷光は、光反射面によって走査されないため、被投影面の所定の位置に留まる性質を有しており、これにより、被投影面に描画された画像の画質が低下する。
そこで、従来から、光透過窓の表面に反射防止膜を形成することにより、迷光の発生を防止する技術が用いられている。しかしながら、フルカラー画像を描画する場合には、赤、青、緑の3色の光を用いることが一般的であり、これら3つの光全てについて反射を防止することのできる反射防止膜を設計することは、非常に難しく、また非常に高価な構成となってしまう。また、光透過窓の表面に反射防止膜を形成しても、迷光の発生(すなわち、光透過窓での光の反射)を完全に防止することは困難である。
そこで、特許文献1に記載の光スキャナでは、光透過窓を可動部(光反射面)に対して傾斜させ、迷光が被投影面に照射されないようにしている。しかしながら、可動部(光反射面)に対して傾いた光透過窓を設ける構成とすることにより、光スキャナの構成が複雑化するという問題がある。
特開2005−250307号公報
本発明の目的は、簡単な構成で、迷光が被投影面に照射されるのを防止することのできる光スキャナおよび画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光スキャナは、光反射性を有する光反射部を備える板状の可動板と、
光透過性を有する光透過窓を備え、前記可動板を回動可能に収容するパッケージとを有し、
前記可動板を回動させることにより、前記光透過窓から入射した光を前記光反射部により反射し、反射した光を走査するとともに前記光透過窓から出射するように構成された光スキャナであって、
前記光透過窓から入射する入射光のうち、前記光透過窓により反射された光が、前記光反射部により反射された光の走査領域に侵入することを防止する遮蔽部を有し、
前記遮蔽部は、壁状をなし、前記可動板の平面視にて、前記入射光が前記光透過窓を通過する領域と、前記出射光が前記光透過窓を通過する領域との間に設けられており、前記入射光側の側壁および前記出射光側の側壁が、それぞれ、非駆動状態の前記可動板の厚さ方向に対して、前記入射光側に傾いていることを特徴とする。
これにより、簡単な構成で、迷光が被投影面に照射されるのを防止することのできる光スキャナを提供することができる。
本発明の光スキャナでは、前記遮蔽部は、前記可動板の回動中心軸Xと平行な方向に延在することが好ましい。
これにより、光を直線的に走査することができる。そのため、光スキャナによれば、被投影面への所望の画像の描画をより簡単に行うことができる。
本発明の光スキャナでは、前記遮蔽部は、前記可動板の回動中心軸Xに対して直交する方向に延在することが好ましい。
これにより、非駆動状態の可動板の平面視にて、光を回動中心軸に対して対称的に走査することができる。そのため、光スキャナによれば、被投影面への所望の画像の描画をより簡単に行うことができる。
本発明の光スキャナでは、前記遮蔽部の側壁のうち、少なくとも前記入射光側の側壁には、光吸収性を有する光吸収膜が設けられていることが好ましい。
これにより、遮蔽部によりその進路を妨げられた光(迷光)が光吸収膜により吸収されるため、迷光の不本意な反射等を確実に防止することができる。
本発明の光スキャナでは、前記遮蔽部は、シリコンを主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、遮蔽部を簡単かつ高精度に形成することができる。
本発明の光スキャナでは、前記遮蔽部の前記入射光側の側壁および前記出射光側の側壁は、それぞれ、面方位<111>面で構成されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単に、入射光側に傾斜する遮蔽部を形成することができる。
本発明の光スキャナでは、前記遮蔽部は、前記光透過窓の前記可動板と反対側の面上に設けられていることが好ましい。
これにより、遮蔽部の大型化を招くことなく、より確実に、遮蔽部により光(迷光)を遮蔽することができる。また、例えば、光スキャナの製造時において、可動板をパッケージに収容した後に、遮蔽部を光透過窓に接合すれば光スキャナを製造することができるため、光スキャナの製造方法の簡易化を図ることができる。
本発明の光スキャナでは、前記遮蔽部は、前記パッケージの一部を構成していることが好ましい。
これにより、光スキャナの製造コストを低減することができる。
本発明の光スキャナでは、板状をなし、所定距離離間した一対の貫通孔が形成された基板を有し、
前記遮蔽部は、前記基板の前記一対の貫通孔の間に位置する領域で構成されていることが好ましい。
これにより、遮蔽部を簡単に形成することができる。
本発明の光スキャナでは、前記一対の貫通孔のうちの一方は、その横断面積が前記基板の一方の面側から他方の面側に向けて漸減するテーパ状をなしており、他方の貫通孔は、その横断面積が前記基板の前記一方の面側から前記他方の面側に向けて漸増するテーパ状をなしていることが好ましい。
これにより、所定方向に傾いた遮蔽部を、より簡単に、また厚さを薄く形成することができる。
本発明の光スキャナでは、前記光透過窓は、板状をなし、前記可動板の非駆動状態にて、前記可動板と平行であることが好ましい。
これにより、光スキャナの構成を簡単なものとすることができる。また、例えば、前述した従来技術のように可動板に対して光透過窓を傾けなくてもよいため、光スキャナの製造の簡易化を図ることもできる。
本発明の画像形成装置は、光反射性を有する光反射部を備える板状の可動板と、
光透過性を有する光透過窓を備え、前記可動板を回動可能に収容するパッケージとを有し、
前記可動板を回動させることにより、前記光透過窓から入射した光を前記光反射部により反射し、反射した光を走査するとともに前記光透過窓から出射するように構成された光スキャナを有する画像形成装置であって、
前記光透過窓から入射する入射光のうち、前記光透過窓により反射された光が、前記光反射部により反射された光の走査領域に侵入することを防止する遮蔽部を有し、
前記遮蔽部は、壁状をなし、前記可動板の平面視にて、前記入射光が前記光透過窓を通過する領域と、前記出射光が前記光透過窓を通過する領域との間に設けられており、前記入射光側の側壁および前記出射光側の側壁が、それぞれ、非駆動状態の前記可動板の厚さ方向に対して、前記入射光側に傾いている光スキャナを備えることを特徴とする。
これにより、簡単な構成で、迷光が被投影面に照射されるのを防止することのできる光スキャナを備えた画像形成装置を提供することができる。
本発明の光スキャナの第1実施形態を示す平面図である。 図1に示す光スキャナが備える基体を示す平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1中のB−B線断面図である。 図1に示す光スキャナの駆動を示す断面図である。 図1に示す光スキャナが有する遮蔽部の機能を説明する断面図である。 図1に示す光スキャナの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す光スキャナの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す光スキャナの製造方法を説明する断面図である。 図1に示す光スキャナの製造方法を説明する断面図である。 本発明の光スキャナの第2実施形態を示す部分断面平面図である。 図11に示す光スキャナにより走査される光の光路を示す平面図である。 本発明の光スキャナの第3実施形態を示す断面図である。 本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
以下、本発明の光スキャナおよび画像形成装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の光スキャナの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の光スキャナの第1実施形態を示す部分断面斜視図、図2は、図1に示す光スキャナが備える基体を示す平面図、図3は、図1中のA−A線断面図、図4は、図1中のB−B線断面図、図5は、図1に示す光スキャナの駆動を示す断面図、図6は、図1に示す光スキャナが有する遮蔽部の機能を説明する断面図、図7ないし図10は、それぞれ、図1に示す光スキャナの製造方法を説明する断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1、図3〜図10中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すように、光スキャナ1は、振動系を有する基体2と、基体2を収容するパッケージ3と、振動系を振動させる駆動手段4と、入射光用孔51および反射光用孔52が形成された迷光遮蔽部材5とを有している。また、図2に示すように、基体2は、光反射部211が設けられた可動板21と、可動板21を支持する支持部22と、可動板21と支持部22とを連結する一対の連結部23、24とを有している。このような構成の光スキャナ1は、駆動手段4によって、連結部23、24をねじり変形させつつ、可動板21を回動させ、光反射部211によって反射した光をスクリーン等の被投影面に走査することにより、被投影面に所望の画像を描画するように構成されている。
まず、基体2について説明する。
図2に示すように、支持部22は、外形および内形がともに略四角形の枠状をなしている。このような支持部22は、可動板21を支持する機能を有している。なお、支持部22の形状としては、可動板21を支持することができれば特に限定されず、例えば、枠状の支持部22の一部が内外を連通するように欠損していてもよいし、支持部22が可動板21を介して対向するように一対設けられていてもよい。
図2に示すように、支持部22の内側には、板状の可動板21が設けられている。可動板21は、その平面視にて長方形をなしている。なお、可動板21の平面視形状としては、特に限定されず、略円形であってもよいし、その他の多角形であってもよいし、異形状であってもよい。
このような可動板21の上面には、光反射性を有する光反射部211が設けられている。反対に、可動板21の下面には、永久磁石41が設けられている。
各連結部23、24は、長手形状をなしており、弾性変形可能である。このような連結部23、24は、可動板21を支持部22に対して回動可能とするように、可動板21と支持部22とを連結している。一対の連結部23、24は、同軸的に設けられており、この軸を回動中心軸Xとして、可動板21が支持部22に対して回動する。
このような基体2は、シリコンを主材料として構成されており、可動板21、支持部22および連結部23、24が一体的に形成されている。このように、基体2をシリコンを主材料として構成することにより、優れた振動特性を有する基体2が得られる。また、シリコンを主材料として構成することにより、高精度な加工が可能となり、より確実に、所望の形状(所望の振動特性)を有する基体2を得ることができる。
次いで、パッケージ3について説明する。
パッケージ3は、基体2を収容する機能を有する。図3および図4に示すように、このようなパッケージ3は、上面に開放する凹部311を有する箱状の本体31と、凹部311の開口を覆う(塞ぐ)ように設けられた光透過窓32とで構成されている。
本体31に形成された凹部311は、本体31の上面の縁部を除く中央部に開放する第1の凹部311aと、第1の凹部の底面の縁部を除く中央部に開放する第2の凹部311bとで構成されている。すなわち、凹部311は、その深さ方向の途中に段差部311cを有している。この段差部311cに基体2の支持部22を固定(接合)することにより、パッケージ3内に基体2を可動板21が回動可能な状態で固定、収容する。
このような本体31は、例えば、各種ガラス材料やシリコンを主材料として構成されている。また、本体31は、例えば、LTCC(低温焼結セラミックス)で構成されていてもよい。
光透過窓32は、板状をなしており、本体31の凹部311の開口を覆うように本体31の上面に接合されている。これにより、パッケージ3内を気密的に封止することができる(すなわち、気密的な内部空間Sを画成することができる)。
また、光透過窓32は、可動板21の非駆動状態にて、可動板21(基体2)と平行となるように設けられている。このように、光透過窓32を可動板21に対して平行とすることにより、光スキャナ1の構成を簡単なものとすることができる。また、例えば、前述した従来技術のように可動板21に対して光透過窓32を傾けなくてもよいため、光スキャナ1の製造の簡易化でき、低コスト化を図ることもできる。
このような光透過窓32は、光スキャナ1の外部に設置された光源(例えば、図6に示す後述する光源500)から出射された光を、パッケージ3内の光反射部211へ導くため、および光反射部211で反射された光をパッケージ3外へ導くために、光透過性を有するもの、すなわち実質的に無色透明とされる。
このような光透過窓32の構成材料としては、特に限定されないが、各種ガラス材料、例えば、石英ガラス、パイレックスガラス(「パイレックス」は登録商標)、テンパックスガラスが挙げられる。
本体31と光透過窓32の接合方法としては、特に限定されず、例えば接着剤を介して本体31と光透過窓32とを接合してもよい。また、例えば、本体31がシリコンで構成されており、光透過窓32がガラス材料で構成されている場合には、これらを陽極接合により接合してもよい。また、本体31がLTCC(低温焼成セラミックス)で構成され、光透過窓32がカラス材料で構成されている場合には、シリコンを主材料として構成された接合層を介してこれらを陽極接合により接合してもよい。陽極接合によって本体31と光透過窓32とを接合することにより、機械的強度の優れたパッケージ3を得ることができる。
次いで、駆動手段4について説明する。
図1、図3および図4に示すように、駆動手段4は、可動板21に設けられた永久磁石41と、永久磁石41に作用する磁界を発生するコイル42とを有している。すなわち、光スキャナ1は、ムービングマグネット型の電磁駆動型光スキャナである。このような駆動手段4によれば、連結部23、24に比較的大きなトルクを与えることができるため、可動板21を安定して(すなわち、所望の振幅および周波数で)回動させることができる。
永久磁石41は、可動板21の下面に例えば接着剤を介して固定されている。また、永久磁石41は、長手形状をなしており、回動中心軸Xに対して直交する方向に延在するように設けられている。このような永久磁石41は、長手方向に磁化しており、長手方向の一方側がS極、他方側がN極となっている。永久磁石41を回動中心軸Xに対して直交する方向に延在するように設けることにより、永久磁石41の両端部を回動中心軸Xから離れたところに位置させることができる。そのため、コイル42が発生する磁界の作用により、可動板21により大きなトルクを与えることができる。
このような永久磁石41としては、特に限定されず、例えば、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ボンド磁石などの、硬磁性体を着磁したものを好適に用いることができる。
コイル42は、パッケージ3の本体31に形成された第2の凹部311bの底面に、可動板21と対向するように設けられている。これにより、コイル42が発生する磁界を永久磁石41に効果的に作用させることができる。このコイル42は、図示しない電源に電気的に接続されており、電源から交番電圧が印加されるようになっている。
このような駆動手段4によって、次のように可動板21が回動する。
まず、前記電源によりコイル42に交番電圧を印加する。これにより、コイル42の上側(可動板21側)がN極、下側がS極となる第1の磁界が発生した状態と、コイル42の上側がS極、下側がN極となる第2の磁界が発生した状態とが、交互にかつ周期的に発生する。
第1の電界では、図5(a)に示すように、永久磁石41のN極側がコイル42に引きつけられ、反対にS極側がコイル42から遠ざかるように、可動板21が回動中心軸Xを中心に反時計回りに回動する(第1の状態)。反対に、第2の電界では、図5(b)に示すように、永久磁石41のS極側がコイル42に引きつけられ、反対にN極側がコイル42から遠ざかるように、可動板21が回動中心軸Xを中心に時計回りに回動する(第2の状態)。このような第1の状態と第2の状態とが交互に繰り返され、可動板21が回動中心軸Xを中心に回動する。
次いで、迷光遮蔽部材5について説明する。
光源から出射された光が光透過窓32を透過する際、光の一部が光透過窓32の上面32aまたは下面32bによって反射され、反射された光(以下、この光を「迷光」とも言う)が投影面に照射される問題がある。迷光遮蔽部材5は、このような迷光の光路を遮断し、迷光が投影面に照射されるのを防止する機能を有している。そのため、このような迷光遮蔽部材5を有する光スキャナ1によれば、被投影面に、画像品質の低下を招くことなく所望の画像を描画することができる。
図1、図3および図4に示すように、迷光遮蔽部材5は、パッケージ3の外側に設けられている。より具体的には、迷光遮蔽部材5は、光透過窓32の上面32aに設けられている。このような迷光遮蔽部材5は、板状をなしている。また、迷光遮蔽部材5には、その厚さ方向に貫通する2つの貫通孔、すなわち入射光用孔51および反射光用孔52が形成されている。入射光用孔51および反射光用孔52が形成されていることにより、これら孔51、52の間に、これらの孔51、52を仕切る遮蔽壁(遮蔽部)53が形成されている。
本実施形態では、迷光遮蔽部材5は、シリコンを主材料として構成されている。これにより、後述するように、入射光用孔51および反射光用孔52(すなわち、遮蔽壁53)を簡単かつ高精度に形成することができる。
入射光用孔51および反射光用孔52は、可動板21の上方に位置しており、回動中心軸Xに対して直交する方向に所定距離離間して(すなわち入射光用孔51および反射光用孔52が連通することなく)並設されている。これら孔51、52のうち、入射光用孔51は、光源から出射された光を光透過窓32を介して基体2の光反射部211へ導くための孔であり、反射光用孔52は、光反射部211によって反射された光を光透過窓32を介してパッケージ3の外部に導くための孔である。入射光用孔51および反射光用孔52の平面視した開口サイズは、限定されるものではないが、入射光用孔51のほうが反射光用孔52よりも小さく形成されていてもよい。
入射光用孔51は、横断面形状が矩形(正方形または長方形)をなしている。また、入射光用孔51は、その横断面積が迷光遮蔽部材5の上面5aから下面5bに向けて漸増するテーパ状をなしている。言い換えれば、入射光用孔51は、開口形状が矩形の下部開口512と、迷光遮蔽部材5の平面視にて下部開口512に含まれるよう(下部開口512の縁部を除く中央部に位置するよう)に形成され、開口形状が矩形の上部開口511と、迷光遮蔽部材5の厚さ方向に対して傾斜し、下部開口512と上部開口511とを連結する4つの側面とで構成されている。
一方の反射光用孔52は、横断面形状が矩形をなし、その横断面積が迷光遮蔽部材5の上面5aから下面5bに向けて漸減するテーパ状をなしている。言い換えれば、反射光用孔52は、開口形状が矩形の上部開口521と、迷光遮蔽部材5の平面視にて上部開口521に含まれるよう(上部開口521の縁部を除く中央部に位置するよう)に形成され、開口形状が矩形の下部開口522と、迷光遮蔽部材5の厚さ方向に対して傾斜し、上部開口521と下部開口522とを連結する4つの側面とで構成されている。
すなわち、入射光用孔51と反射光用孔52は、互いに反対方向のテーパ形状をなす貫通孔である。これら入射光用孔51および反射光用孔52の間には、これら孔51、52を仕切るように遮蔽壁(遮蔽部)53が形成されている。
この遮蔽壁53の一方の側壁531は、入射光用孔51の反射光用孔52側の側面で構成され、他方の側壁532は、反射光用孔52の入射光用孔51側の面で構成されている。すなわち、遮蔽壁53は、その両側壁531、532が、それぞれ、迷光遮蔽部材5の厚さ方向に対して入射光用孔51側に傾斜している。また、このような遮蔽壁53は、光反射部211に向けて入射する入射光と、光反射部211により反射された反射光との間に位置していると言える。
ここで、前述したように、迷光遮蔽部材5は、シリコンを主材料として構成されているが、さらに、入射光用孔51および反射光用孔52の各側面(すなわち遮蔽壁53の両側壁531、532)は、面方位<111>面で構成されている。これにより、後述するように、例えば面方位<100>面のシリコンウエハをKOH水溶液等のエッチング液を用いて異方性エッチングすることにより、比較的簡単に、迷光遮蔽部材5の厚さ方向に対して傾斜する側面を有する入射光用孔51および反射光用孔52(すなわち、遮蔽壁53)を形成することができる。このようにシリコンの結晶性を利用して構造体を形成することで高精度にかつ用意に薄い遮蔽壁53を形成できる。
本実施形態では、遮蔽壁53の側壁531には、光吸収性を有する光吸収膜6が設けられている。これにより、後述するように、遮蔽壁53によりその進路を妨げられた迷光L’が光吸収膜6により吸収される。そのため、迷光L’の不本意な反射等を確実に防止することができる。このような光吸収膜6は、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を含む金属、合金、酸化物または窒化物により構成されていることが好ましい。これにより、比較的簡単に、優れた光吸収性を有する光吸収膜6を形成することができる。
次いで、このような迷光遮蔽部材5の機能について、詳細に説明する。
図6に示すように、可動板21の回動時(光スキャナ1の駆動時)に、光源500が光Lを光透過窓32の平面視にて回動中心軸Xに対して直交する方向へ出射する。この光Lは、光透過窓32を透過して光反射部211に到達し、光反射部211により反射され、再び光透過窓32を透過して被投影面100に走査される(以下では、走査された光Lが通過する領域を「走査領域T」ともいう)。光Lが、光反射部211へ向けて光透過窓32を透過する際、その一部が光透過窓32の上面32aまたは下面32bで反射され迷光L’となる。迷光L’は、走査領域T(被投影面100)の方向に進もうとするが、迷光L’の光路の途中(すなわち迷光L’の光路を遮るよう)に遮蔽壁53が形成されているため、この遮蔽壁53にぶつかり、遮蔽壁53の側壁531に設けられた光吸収膜6によって、迷光L’が吸収される。これにより、迷光L’が、被投影面100(光Lの走査領域)に照射されることを確実に防止することができる。その結果、光スキャナ1によれば、迷光遮蔽部材5(遮蔽壁53)を設けるだけという簡単な構成で、被投影面100に画像品質の低下を招くことなく所望の画像を描画することができる。
また、光スキャナ1では、遮蔽壁53が入射光用孔51側へ傾いているため、遮蔽壁53の高さを抑えつつ、より確実に迷光L’を遮断することができる。これにより、光スキャナ1の小型化を図ることができる。
また、光スキャナ1では、遮蔽壁53の側壁531、532がともに光透過窓32の厚さ方向に対して同じ方向に傾いているため(側壁531、532が平行であるため)、遮蔽壁53の厚さ(側壁531、532の離間距離)を薄くすることができる。ここで、光透過窓32に対する光Lの入射角等にもよるが、遮蔽壁53の厚さが厚いほど、迷光遮蔽部材5と可動板21(光反射部211)との離間距離を広げなければ、光Lを入射光用孔51から入射し、光反射部211により反射し、反射光用孔52から出射させることができない。この点、光スキャナ1では、前述したように、遮蔽壁53の厚さを薄くすることができるため、迷光遮蔽部材5と可動板21(光反射部211)との離間距離をより短くすることができる。そのため、光スキャナ1の小型化を図ることができる。なお、遮蔽壁53の厚さとしては、特に限定されないが、100μm以上500μm以下程度であるのが好ましい。
また、前述したように、光スキャナ1では、板状をなす迷光遮蔽部材5に一対の貫通孔(すなわち、入射光用孔51および反射光用孔52)を形成し、これら孔51、52の間に位置し、孔51、52を仕切る領域(壁部)を遮蔽壁53としている。このような構成とすることにより、遮蔽壁53を簡単に形成することができる。
特に、本実施形態では、入射光用孔51を、その横断面積が迷光遮蔽部材5の上面5aから下面5bに向けて漸増するテーパ状をなす孔とし、反射光用孔52を、その横断面積が迷光遮蔽部材5の上面5aから下面5bに向けて漸減するテーパ状をなす孔としたことにより、所定方向に傾いた遮蔽壁53を、より簡単に形成することができる。
また、前述したように、光スキャナ1では、遮蔽壁53(迷光遮蔽部材5)が、光透過窓32の上面32aに設けられている。これにより、遮蔽壁53の形成位置が、迷光L’が発生する場所のすぐ近傍となる。そのため、遮蔽壁53の大型化を招くことなく、より確実に、遮蔽壁53により迷光L’を遮蔽することができる。また、例えば、光スキャナ1の製造時において、基体2をパッケージ3に収容した後に、迷光遮蔽部材5を光透過窓32の上面32aに接合すれば光スキャナ1を製造することができるため、光スキャナ1の製造方法の簡易化を図ることができる。
また、前述したように、光スキャナ1では、入射光用孔51および反射光用孔52が回動中心軸Xに対して直交する方向に並んで形成されている。すなわち、遮蔽壁53が、回動中心軸Xと平行な方向に延在している。そのため、光Lが光透過窓32を透過して光反射部211に到達し、光反射部211により反射され、再び光透過窓32を透過して被投影面100に走査されるためには、光透過窓32を透過して光反射部211に到達させる際の光Lの光路を、光透過窓32の平面視にて回動中心軸Xに対して直交する方向とする必要がある。このように、光透過窓32の平面視にて回動中心軸Xに対して直交する方向の光Lを光スキャナ1で走査した場合、光Lを直線的に走査することができる。そのため、光スキャナ1によれば、被投影面100への所望の画像の描画を、より簡単に行うことができる。
以上のような光スキャナ1は、例えば、次のようにして製造することができる。以下、図7ないし図10に基づいて、光スキャナ1の製造方法について説明するが、図7、図8および図10は、それぞれ、図3に対応する断面で示されており、図9は、図4に対応する断面で示されている。
[基体2の製造]
図7(a)に示すように、まず、基体2を得るためのシリコン基板200を用意する。そして、図7(b)に示すように、シリコン基板200の上面に、可動板21、支持部22および各連結部23、24の平面視形状に対応する形状をなすマスクM1を形成する。次いで、マスクM1を介して、シリコン基板200をエッチングし、その後、マスクM1を除去する。これにより、図7(c)に示すように、可動板21、支持部22および各連結部23、24が一体的に形成された基板が得られる。マスクM1としては、レジスト、窒化膜、酸化膜などを用いることができる。
なお、エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、以下の各工程におけるエッチングにおいても、同様の方法を用いることができる。
次に、図7(d)に示すように、可動板21の上面に、金属膜を形成し、光反射部211を形成する。これにより、基体2が得られる。金属膜の形成方法としては、特に限定されず、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、金属箔の接合等が挙げられる。
次に、図7(e)に示すように、可動板21の下面に、接着剤を介して永久磁石41を固定する。なお、可動板21の下面に、接着剤を介して硬磁性体を固定し、その後、この硬磁性体を着磁することにより、永久磁石41としてもよい。
[パッケージ3の製造]
図8(a)に示すように、まず、本体31を得るためのシリコン基板300を用意し、シリコン基板300の上面に、第1の凹部311aの平面視形状に対応する形状をなす酸化膜マスクM2を形成する。次いで、図8(b)に示すように、シリコン基板300の上面および第1の凹部311aの表面(側面および底面)に、第2の凹部311bの平面視形状に対応する形状をなすレジストマスクM3を形成する。次いで、レジストマスクM3を介して、シリコン基板300をエッチングし、その後、レジストマスクM3を除去する。次いで、酸化膜マスクM2を介して、シリコン基板300をエッチングし、その後、酸化膜マスクM2を除去する。これにより、図8(c)に示すように、凹部311が形成された本体31が得られる。次いで、図8(d)に示すように、凹部311(第2の凹部311b)の底面にコイル42を設ける。
一方、光透過窓32は、石英ガラス、テンパックスガラス、パイレックスガラス等のガラスで構成された板状の部材を所定のサイズに加工することにより得られる。
[迷光遮蔽部材5の製造]
図9(a)に示すように、まず、ウエハ面が<100>面のシリコンウエハ(シリコン基板)400を用意する。そして、図9(b)に示すように、シリコンウエハ400の上面に、反射光用孔52の上部開口521の形状に対応する形状をなす窒化膜マスクM4を形成するとともに、シリコンウエハ400の下面に、入射光用孔51の下部開口512の形状に対応する形状をなす窒化膜マスクM5を形成する。次いで、窒化膜マスクM4、M5を介して、KOH水溶液等を用いたウェットエッチング(異方性エッチング)により、シリコンウエハ400をエッチングする。その後、窒化膜マスクM4、M5を除去する。次いで、入射光用孔51の反射光用孔52側の側面に、クロム等の金属膜を形成し、光吸収膜6を形成する。これにより、これにより、図9(c)に示すように、入射光用孔51、反射光用孔52および遮蔽壁53が形成された迷光遮蔽部材5が得られる。金属膜の形成方法としては、特に限定されず、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、金属箔の接合等が挙げられる。
ここで、面方位<111>方向のエッチング速度が面方位<100>方向や面方位<110>方向のエッチング速度に比べてはるかに遅いため、エッチングが進行して面方位<111>面が露出すると、あたかもエッチングが停止したように振舞う。このような異方性エッチングの性質を利用することにより、上述したようなテーパ状の入射光用孔51および反射光用孔52を簡単に形成することができる。また、遮蔽壁53の厚さは窒化膜マスクM4、M5のアライメント精度で決定できるため、高精度に薄い構造体として形成できる。
[各部の組み付け]
図10(a)に示すように、基体2の支持部22を、パッケージ3の本体31の段差部311cに固定(接合)する。支持部22の段差部311cへの固定は、例えば、接着剤を用いて行うことができる。次いで、図10(b)に示すように、本体31の上部開口を覆うように、光透過窓32と本体31とを接合する。光透過窓32と本体31との接合は、例えば陽極接合により行うことができる。これにより、本体31と光透過窓32とが接合され、パッケージ3の内部に、気密性を有する内部空間Sが形成される。
なお、本工程を、例えば、減圧下で行うことにより、内部空間Sを減圧状態とすることができ、また、希ガス雰囲気下で行うことにより、内部空間Sを希ガス充填状態とすることができる。どのような環境下(雰囲気下)で本工程を行うかは、光スキャナ1に求められる特性に応じて、適宜選択することができる。
次いで、図10(c)に示すように、光透過窓32の上面に、迷光遮蔽部材5を接合する。迷光遮蔽部材5と光透過窓32との接合方法としては、特に限定されず、例えば陽極接合により接合することができる。
以上の工程により、光スキャナ1が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明の光スキャナの第2実施形態について説明する。
図11は、本発明の光スキャナの第2実施形態を示す部分断面平面図、図12は、図11に示す光スキャナにより走査される光の光路を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図11中の紙面手前側を「上」と言う。
以下、第2実施形態の光スキャナについて、前述した実施形態の光スキャナとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる光スキャナ1Aは、迷光遮蔽部材5に形成された入射光用孔51および反射光用孔52の配置が異なる以外は、前述した第1実施形態の光スキャナとほぼ同様である。なお、図11にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図11に示すように、入射光用孔51および反射光用孔52は、可動板21の上方に位置しており、回動中心軸Xと平行な方向に所定距離離間して並設されている。すなわち、遮蔽壁53は、光透過窓32の平面視にて、回動中心軸Xに対して直交する方向に延在するように設けられている。
このような光スキャナ1Aでは、遮蔽壁53が回動中心軸Xに対して直交する方向に延在している。そのため、光Lが光透過窓32を透過して光反射部211に到達し、光反射部211により反射され、再び光透過窓32を透過して被投影面100に走査されるためには、図12に示すように、光透過窓32を透過して光反射部211に到達させる際の光Lの光路を、光透過窓32の平面視にて回動中心軸Xと平行な方向とする必要がある。このように、光透過窓32の平面視にて回動中心軸Xと平行な方向の光Lを光スキャナ1で走査した場合、光透過窓32の平面視にて、光Lを回動中心軸Xに対して対称的に走査することができる。そのため、光スキャナ1によれば、各種補正を簡単に行うことができ、被投影面100への所望の画像の描画をより簡単に行うことができる。また、このような構成では、反射光用孔52の回動中心軸Xと平行な方向における長さを、例えば第1実施形態の反射光用孔52よりも短くすることができる。そのため、光スキャナ1の小型化をよりいっそう図ることができる。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の光スキャナの第3実施形態について説明する。
図13は、本発明の光スキャナの第3実施形態を示す断面図である。
以下、第3実施形態の光スキャナについて、前述した実施形態の光スキャナとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態にかかる光スキャナ1Bは、パッケージの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態の光スキャナ1とほぼ同様である。なお、図13にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図13に示すように、本実施形態の光スキャナ1Bでは、迷光遮蔽部材5がパッケージ3の一部を構成している。言い換えれば、パッケージ3の内部空間Sを画成するのに、迷光遮蔽部材5の一部(下面5b)が用いられている。以下、このことについて詳細に説明する。
光透過窓32は、迷光遮蔽部材5の下面5bに接合されている。より具体的には、光透過窓32は、迷光遮蔽部材5の下面5bの縁部を除くように、かつ入射光用孔51の下部開口512および反射光用孔52の下部開口522を覆う(塞ぐ)ように設けられている。光透過窓32と迷光遮蔽部材5の接合方法としては、特に限定されないが、例えば、光透過窓32がガラス材料を主材料として構成され、迷光遮蔽部材5がシリコンを主材料として構成されている場合には、陽極接合により接合することが好ましい。陽極接合によれば、これら部材をより強固に接合することができる。また、光透過窓32と迷光遮蔽部材5とを直接接合することができるため(すなわち、光透過窓32と迷光遮蔽部材5との間に接着剤層等の別部材が介在しないため)、光Lの不本意な吸収、屈折等を防止することができる。
光透過窓32が接合された迷光遮蔽部材5は、その下面5bの縁部において、本体31の上面と接合している。このように、パッケージ3は、本体31、光透過窓32および迷光遮蔽部材5で構成されており、これらによって内部空間Sが画成されている。迷光遮蔽部材5と本体31との接合方法としては、特に限定されないが、例えば、本体31がLTCCで構成され、迷光遮蔽部材5がシリコンを主材料として構成されている場合には、陽極接合により接合することが好ましい。陽極接合によれば、迷光遮蔽部材5と本体31とをより強固に接合することができる。
本実施形態のように、迷光遮蔽部材5をパッケージ3の一部に用いることにより、例えば光透過窓32の大きさを前述した第1実施形態と比べて小さくすることができる等、各部の大きさを無駄のないものとすることができる。その結果、光スキャナ1の製造コストを低減することができる。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上説明したような光スキャナは、例えば、プロジェクタ、レーザープリンタ、イメージング用ディスプレイ、バーコードリーダー、走査型共焦点顕微鏡などの画像形成装置に好適に適用することができる。その結果、優れた描画特性を有する画像形成装置を提供することができる。
具体的に、図14に示すようなプロジェクタ9について説明する。なお、説明の便宜上、スクリーンSCの長手方向を「横方向」といい、長手方向に直角な方向を「縦方向」という。
プロジェクタ9は、レーザーなどの光を照出する光源装置91と、クロスダイクロイックプリズム92と、1対の本発明の光スキャナ93、94(例えば、光スキャナ1と同様の構成の光スキャナ)と、固定ミラー95とを有している。
光源装置91は、赤色光を照出する赤色光源装置911と、青色光を照出する青色光源装置912と、緑色光を照出する緑色光源装置913とを備えている。
クロスダイクロイックプリズム92は、4つの直角プリズムを貼り合わせて構成され、赤色光源装置911、青色光源装置912、緑色光源装置913のそれぞれから照出された光を合成する光学素子である。
このようなプロジェクタ9は、赤色光源装置911、青色光源装置912、緑色光源装置913のそれぞれから、図示しないホストコンピュータからの画像情報に基づいて照出された光をクロスダイクロイックプリズム92で合成し、この合成された光が、光スキャナ93、94によって走査され、さらに固定ミラー95によって反射され、スクリーンSC上でカラー画像を形成するように構成されている。
ここで、光スキャナ93、94の光走査について具体的に説明する。
まず、クロスダイクロイックプリズム92で合成された光は、光スキャナ93によって横方向に走査される(主走査)。そして、この横方向に走査された光は、光スキャナ94によってさらに縦方向に走査される(副走査)。これにより、2次元カラー画像をスクリーンSC上に形成することができる。このような光スキャナ93、94として本発明の光スキャナを用いることで、極めて優れた描画特性を発揮することができる。
ただし、プロジェクタ9としては、光スキャナにより光を走査し、対象物に画像を形成するように構成されていれば、これに限定されず、例えば、固定ミラー95を省略してもよい。
以上、本発明の光スキャナおよび画像形成装置について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の光スキャナおよび画像形成装置では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、例えば、本発明の光スキャナおよび画像形成装置では、前述した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、入射光用孔の反射光用孔側の側面に光吸収膜を形成した形態について説明したが、これに限定されず、例えば、入射光用孔の全ての側面に光吸収膜を形成してもよく、さらに、反射光用孔の側面にも形成してもよい。また、このような光吸収膜は、省略してもよい。
また、前述した実施形態では、光透過窓の上面および下面には、何の膜も形成されていない形態について説明したが、これに限定されず、例えば、光透過窓の上面および下面の少なくとも一方の面に反射防止膜を形成してもよい。なお、前述したように、反射防止膜を形成しても、迷光の発生を完全に防止することはできず、この場合にも、遮蔽部の機能が発揮されることとなる。
1、1A、1B……光スキャナ 2……基体 21……可動板 211……光反射部 22……支持部 23、24……連結部 3……パッケージ 31……本体 311……凹部 311a……第1の凹部 311b……第2の凹部 311c……段差部 32……光透過窓 32a……上面 32b……下面 4……駆動手段 41……永久磁石 42……コイル 5……迷光遮蔽部材 5a……上面 5b……下面 51……入射光用孔 511……上部開口 512……下部開口 52……反射光用孔 521……上部開口 522……下部開口 53……遮蔽壁 531、532……側壁 500……光源 6……光吸収膜 9……プロジェクタ 91……光源装置 911……赤色光源装置 912……青色光源装置 913……緑色光源装置 92……クロスダイクロイックプリズム 93、94……光スキャナ 95……固定ミラー 100……被投影面 200、300……シリコン基板 400……シリコンウエハ L……光 L’……迷光 M1……マスク M2……酸化膜マスク M3……レジストマスク M4、M5……窒化膜マスク S……内部空間 SC……スクリーン X……回動中心軸

Claims (12)

  1. 光反射性を有する光反射部を備える板状の可動板と、
    光透過性を有する光透過窓を備え、前記可動板を回動可能に収容するパッケージとを有し、
    前記可動板を回動させることにより、前記光透過窓から入射した光を前記光反射部により反射し、反射した光を走査するとともに前記光透過窓から出射するように構成された光スキャナであって、
    前記光透過窓から入射する入射光のうち、前記光透過窓により反射された光が、前記光反射部により反射された光の走査領域に侵入することを防止する遮蔽部を有し、
    前記遮蔽部は、壁状をなし、前記可動板の平面視にて、前記入射光が前記光透過窓を通過する領域と、前記出射光が前記光透過窓を通過する領域との間に設けられており、前記入射光側の側壁および前記出射光側の側壁が、それぞれ、非駆動状態の前記可動板の厚さ方向に対して、前記入射光側に傾いていることを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記遮蔽部は、前記可動板の回動中心軸Xと平行な方向に延在する請求項1に記載の光スキャナ。
  3. 前記遮蔽部は、前記可動板の回動中心軸Xに対して直交する方向に延在する請求項1に記載の光スキャナ。
  4. 前記遮蔽部の側壁のうち、少なくとも前記入射光側の側壁には、光吸収性を有する光吸収膜が設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の光スキャナ。
  5. 前記遮蔽部は、シリコンを主材料として構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の光スキャナ。
  6. 前記遮蔽部の前記入射光側の側壁および前記出射光側の側壁は、それぞれ、面方位<111>面で構成されている請求項5に記載の光スキャナ。
  7. 前記遮蔽部は、前記光透過窓の前記可動板と反対側の面上に設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の光スキャナ。
  8. 前記遮蔽部は、前記パッケージの一部を構成している請求項1ないし7のいずれかに記載の光スキャナ。
  9. 板状をなし、所定距離離間した一対の貫通孔が形成された基板を有し、
    前記遮蔽部は、前記基板の前記一対の貫通孔の間に位置する領域で構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の光スキャナ。
  10. 前記一対の貫通孔のうちの一方は、その横断面積が前記基板の一方の面側から他方の面側に向けて漸減するテーパ状をなしており、他方の貫通孔は、その横断面積が前記基板の前記一方の面側から前記他方の面側に向けて漸増するテーパ状をなしている請求項9に記載の光スキャナ。
  11. 前記光透過窓は、板状をなし、前記可動板の非駆動状態にて、前記可動板と平行である請求項1ないし10のいずれかに記載の光スキャナ。
  12. 光反射性を有する光反射部を備える板状の可動板と、
    光透過性を有する光透過窓を備え、前記可動板を回動可能に収容するパッケージとを有し、
    前記可動板を回動させることにより、前記光透過窓から入射した光を前記光反射部により反射し、反射した光を走査するとともに前記光透過窓から出射するように構成された光スキャナを有する画像形成装置であって、
    前記光透過窓から入射する入射光のうち、前記光透過窓により反射された光が、前記光反射部により反射された光の走査領域に侵入することを防止する遮蔽部を有し、
    前記遮蔽部は、壁状をなし、前記可動板の平面視にて、前記入射光が前記光透過窓を通過する領域と、前記出射光が前記光透過窓を通過する領域との間に設けられており、前記入射光側の側壁および前記出射光側の側壁が、それぞれ、非駆動状態の前記可動板の厚さ方向に対して、前記入射光側に傾いている光スキャナを備えることを特徴とする画像形成装置。
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