JP2011058059A - 高周波焼入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の装置で円筒状ワークの内面に設けられた環状溝を位置精度よく均一に焼入処理することができる高周波焼入装置を提供する。
【解決手段】支柱10と、下治具11Aと、高周波加熱コイル12と、シールドリング13と、噴射孔20a,23aとを備え、下治具11Aとシールドリング13との間に冷却液が流通可能な間隙S2が形成されている。下治具11Aは、外輪Wを位置決めし得る。高周波加熱コイル12は、円形の加熱導体12aが支柱10の外面に備えられ、外輪Wの内面に同心状に対向している。シールドリング13は、外輪W内面の下側に対向し、磁束を下側の切欠き部dに広がらないように遮蔽する。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒状のワークの内面に設けられた環状溝を高周波加熱すると共に冷却液で冷却することで焼入れする高周波焼入装置に関する。
従来、自動車のステアリング系統に使用される筒状のワークには、ハブベアリングのように内面に多数のボールが嵌合する環状溝が設けられ、環状溝が焼入処理されるものがある。このような筒状のワークでは、環状溝部以外の部位が加熱されることを防止しつつ、環状溝部が熱処理されている。
例えば、特許文献1の図3に示す加熱装置では、筒状ワークの加熱を行うときは、筒状ワークの内面の上下端の切欠き部(切欠き孔)に受台を兼ねたコンセントリングを被せ、加熱導体に高周波電流を通して環状溝であるU溝の内面を加熱していた。
特許文献1の図1に示す加熱装置では、筒状ワークを受台に載せて位置決めし、ねじ軸に支持された一対のコンセントリングを加熱導体の軸心方向両端側に配置し、加熱導体に高周波電流を通して環状溝であるU溝の内面を加熱していた。
このような加熱装置では、コンセントリングを使用せずに加熱を行うと、加熱導体から発生する磁束が筒状ワークの軸心方向両端側へ広がり、その結果、加熱範囲が段差部である切欠き部との境界部に達する。特に、端部では所謂端部効果により過剰に加熱される。そうなると、応力の集中する境界部に硬度差が生じ、この部分で応力集中により割れが生じやすくなる。
ところが、コンセントリングを使用すると、磁束が加熱導体の両端側へ広がるのを防ぐことができるため、切欠き部との境界部に加熱範囲が及ばないようにすることができ、切欠き部との境界部に硬度差が生じるのを回避して境界部の応力集中によって発生する割れを防ぐことができる。
特開平8−176651号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、筒状ワークの環状溝を高周波加熱するものであり、焼入れするためには、筒状ワークを冷却液で冷却することが必要で、単一の装置で高周波加熱及び焼入れを完結させることができない。そのため、複数の筒状ワークを焼入処理する場合などに、冷却速度等の種々の条件を安定させ難く、筒状ワークの環状溝における品質にばらつきが生じ易かった。
しかも、筒状ワークを受台に載置することで所定位置に位置決めして高周波加熱を行うため、筒状ワークの受台の表面に異物などが存在すると、筒状ワークと加熱導体及びコンセントリングとの相対位置にずれが生じ、精度よく所望の範囲だけを焼入れすることができず、得られる製品の品質がばらつくこともあった。
本発明は、上記問題点に鑑み案出されたもので、単一の装置で円筒状ワークの内面に設けられた環状溝を位置精度よく、しかも均一に焼入処理することができる高周波焼入装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、環状溝を内面に有する筒状ワークの該環状溝を焼入れする高周波焼入装置であり、上部が筒状ワーク内に挿入可能に立設された支柱と、支柱の外周囲に位置決め配置され、上側内縁に環状凹部を有し、環状凹部に筒状ワークの下端を収容して載置することで、筒状ワークを支柱と同心状に且つ所定高さに支持する下治具と、下治具に支持された筒状ワークの環状溝に対向するように、支柱に設けられた高周波加熱コイルと、下治具に支持された筒状ワークの内面に冷却液を噴射するように支柱の外周面に開口した複数の噴射孔と、下治具に支持された筒状ワークの環状溝より下方の内面と対向するように、支柱の外周面に位置決め装着され、筒状ワークより導電性の高い材料からなるシールドリングとを備え、下治具とシールドリングとの間に冷却液が流通可能な間隙を設けている。
上記構成によれば、支柱の所定位置に高周波加熱コイルや冷却液の噴射孔が設けられており、筒状ワークを支柱と同心状に且つ所定高さに支持する下治具が支柱の外周囲の所定位置に配置されると共に、下治具に支持された筒状ワークの環状溝より下方の内面と対向するシールドリングが支柱の外周面の所定位置に装着されているので、下治具に筒状ワークを支持させた状態で高周波加熱コイルにより加熱すれば、シールドリングにより筒状ワークの所定範囲を超えた下方側の加熱を精度よく防止しつつ、環状溝を加熱することができ、加えて、噴射孔から冷却液を噴射すれば加熱された環状溝を冷却することができる。そのため、単一の装置で筒状ワークの内面に設けられた環状溝を焼入れすることが可能である。
その際、下治具とシールドリングとを別々に位置決めできるので、下治具に支持された筒状ワークに対してシールドリングを適切な位置に配置でき、精度よく環状溝を加熱することができる。
しかも、下治具とシールドリングとの間に冷却液が流通可能な間隙が設けられているので、下治具の環状凹部に異物が載置堆積することを防止でき、多数の筒状ワークを繰り返し精度良く下治具に支持させることが可能である。
さらに、加熱後に筒状ワークを移動させることなく、噴射孔から噴出される冷却液により冷却することができるため、多数の筒状ワークを繰り返し冷却しても、毎回同等の条件で冷却でき、各筒状ワークの環状溝を均一に焼入れすることができる。
本発明の高周波焼入装置では、下治具とシールドリングとの間の間隙は、噴射孔から噴射された冷却液を筒状ワークと支柱との間に滞留させて流下可能に形成されていれば好適である。
このようにすれば、加熱後に各噴射孔から噴射された冷却液が、それぞれ筒状ワークの対応する位置だけに接触して冷却するだけではなく、筒状ワークの内面の広い範囲に接触して全体を均一に冷却することが可能である。そのため、環状溝をより均一に焼入処理することが可能である。
本発明によれば、支柱の外周囲に位置決め配置されて筒状ワークを支柱と同心状に且つ所定高さに支持する下治具と、下治具に支持された筒状ワークの環状溝に対向するように設けられた高周波加熱コイルと、下治具に支持された筒状ワークの環状溝に冷却液を噴射する複数の噴射孔と、下治具に支持された筒状ワークの環状溝より下方の内面と対向するように配置されて、筒状ワークより導電性の高い材料からなるシールドリングとを備え、下治具とシールドリングとの間に冷却液が流通可能な間隙が設けられているので、単一の装置で円筒状ワークの内面に設けられた環状溝を位置精度よく、しかも均一に焼入処理することができる高周波焼入装置を提供することができる。
本発明による第1の実施形態に係る高周波焼入装置の要部を示す縦断面図である。 図1に示す高周波焼入装置の要部を示す分解斜視図である。 図1に示す高周波焼入装置の処理対象の筒状ワークを示す断面図である。 第2の実施形態に係る高周波焼入装置の要部を示す縦断面図である。 図4の高周波焼入装置の要部を示す分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る高周波焼入装置について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、実施形態に係る高周波焼入装置の処理対象である筒状ワークは、環状溝を内面に有する鋼材からなるものである。この実施形態は、図3に示すような自動車のステアリング系統に使用されるハブベアリングの外輪Wに適用した例である。
ハブベアリングの外輪Wは、二列の環状溝(レース面)a,bを有し、一方の端部側の外周側に複数の取付用フランジcを備えており、二列の環状溝a,bを挟む両側に切欠き部d,eを有している。このハブベアリングの外輪Wでは、取付用フランジcを有する側の切欠き部dについて、加熱及び焼入処理が施されないようにして、二列の環状溝a,bと両環状溝a,bの間の領域について加熱及び焼入処理が施されることが望まれるものである。
この実施形態に係る高周波焼入装置1Aは、図1、図2に示すように、外輪W内に上部が挿入可能な支柱10と、支柱10の外周囲に位置決め配置され、上側内縁に環状凹部11dを有し、環状凹部11dに外輪Wの下端を収容して載置することで、外輪Wを支柱10と同心状に且つ所定高さに支持する下治具11Aと、下治具11Aに支持された外輪Wの環状溝a,bに対向するように、支柱10に設けられた高周波加熱コイル12と、下治具11Aに支持された外輪Wの環状溝a,bより下方の内面と対向するように、支柱10の外周囲に位置決め装着されたシールドリング13とを備えている。なお、下治具11Aとシールドリング13とは別部材により構成され、両者の間には所定の間隙S2が設けられている。
この高周波焼入装置1Aでは、更に各高周波加熱コイル12を挟むように環状の第1〜第4コア14,15,16,17が設けられ、支柱10と第1コア14との間及び第2コア15と第3コア16との間にそれぞれスペーサ22,23が配置され、頂部にキャップ20が配置されている。キャップ20とスペーサ23とに、下治具11Aに支持された外輪Wの環状溝a,bに冷却液を噴射するように、支柱10の外周面に開口した複数の噴射孔20a,23aが設けられている。
次に、高周波焼入装置1Aの構成を分説する。
支柱10は、絶縁物からなる中空の円柱であり、上部に高周波加熱コイル12、第1〜第4コア14,15,16,17及びスペーサ22,23が同心に所定高さに位置決めして固定可能に構成されている。
高周波加熱コイル12は、外輪Wの環状溝a,bに対応する位置に配置され、それぞれ環状溝a,bに対応する形状及び直径で形成された二巻の加熱導体12aと、各加熱導体12aに通電すると共に冷却液を流通させるための図示しないリード導体とが、一本の銅管で成形されてなる。例えば一本の銅管を、直管として立ち上げ(リード導体の形成)、上端で外側に曲げてのち一周し、内側に曲げてのち立ち上げ外側に曲げてのち一周し内側に曲げ(二巻状の加熱導体12aの形成)、直管として立ち下げた(リード導体の形成)形状である。
第1〜第4コア14,15,16,17は、耐熱性・断熱性・非導電性を有する材料からなり加熱導体12aを密着保持する。
スペーサ22,23は、耐熱性材料により形成され、例えば加熱導体12aの高さを調整する役目を果たしている。スペーサ23には、外周面に放射方向に開口する複数の噴射孔23aを有し、支柱10内に設けられた図示しない流路から冷却液が供給されることで、噴射孔23aから焼入用の冷却液が外輪Wの内面aとbの中間に噴射するようになっている。
キャップ20は、例えば、絶縁性を有する耐熱性樹脂により形成されており、放射方向に開口する複数の噴射孔20aを外周面に有し、支柱10内に設けられた図示しない流路から冷却液が供給されることで、噴射孔20aからの焼入用の冷却液が外輪Wの内面aに噴射するようになっている。
この装置では、例えば第1〜第4コア14,15,16,17とスペーサ22,23と加熱導体12aとキャップ20は、支柱10の上部に固定されることで、内側の空間が密閉されており、この支柱10の内部に焼入用の冷却液を供給することで噴射孔20a,23aへ流れるように形成されていてもよい。
下治具11Aは、架台18に位置決め載置される円環板状の銅製或いはステンレス製のベースプレート11aと、ベースプレート11aの上面の内径側部分に載置された円環板状のセラミック製の受承プレート11bと、ベースプレート11aの上面の外径側部分に載置されかつ受承プレート11bを押え付けて固定されたステンレス製のリングブロック11cとからなる。
この下治具11Aでは、受承プレートの上面とリングブロック11cの内面とにより外輪Wを支持するための環状凹部11dが構成されており、受承プレート11bで外輪Wを受承し、リングブロック11cで外輪Wの下端外面を嵌合することで、外輪Wを支柱10の中心軸に対し同心となるように位置決めして支持可能となっている。
架台18及び下治具11Aは、図示しない駆動手段により、支柱10に対して支柱10の中心軸を中心に相対回転可能に構成されている。
シールドリング13は、外輪Wより導電性が高く磁束を遮断する材料からなり、例えば銅製の円筒である。シールドリング13はねじ孔(不図示)を有し、高周波加熱コイル12を取り付ける前に支柱10の上部に嵌合され、周方向に配設された複数のねじ孔に螺合したねじで締め付け固定されている。このシールドリング13は、下治具11A上に載置された外輪Wの内面の下側の切欠き部dに対して離間して対向して装着されている。支柱10にねじを締め付ける構成であるので、高さ調整自在である。
このようなシールドリング13が、高周波加熱コイル12からの距離を精度よく調整して支柱10に装着されることで、加熱導体12aから発生する磁束が下側の切欠き部dに広がらないように遮蔽することが可能となっている。なお、シールドリング13の高さの微調整を容易にするために、この実施の形態ではロックリング19が下側に備えられていてもよい。
シールドリング13の外径は、下治具11Aのベースプレート11a内径よりも例えば2mm小さく設定されており、両者の間に間隙S2が形成されている。この間隙S2により、噴射孔20a,23aから外輪Wの内面に噴射された冷却液の流下量を調整している。すなわち、間隙S2は、噴射孔20a,23aから外輪Wの内面に噴射した焼入用の冷却液を、外輪Wの内面aに対応する空間内に滞留させて円滑に流下する流通量となるように設定されている。この実施の形態では、噴射孔20a,23aから噴射されて滞留した冷却液の液面が、環状溝aと環状溝bとの間に位置するように間隙S2の間隔が設定されている。
次に、高周波焼入装置1Aの組付手順を説明する。
高周波焼入装置1Aは、円筒容器状の支柱10に銅製の円筒状のシールドリング13を被嵌固定し、銅管よりなる高周波加熱コイル12の二本のリード導体を支柱10内に収容し下端を外方へ導出し、二巻の加熱導体12aの下側、中間及び上側を密封して支え断熱するための第1〜第4コア14,15,16,17、スペーサ22,23を取り付け、頂部にキャップ20を配置し、キャップ20と加熱導体12aと第1〜第4コア14〜17とスペーサ22,23を同心状に固定する。一方、支柱10の外周囲に、架台18を設置すると共に架台18に下治具11Aを位置決め載置し、下治具11Aを支柱10と同心に位置決め載置する。
その際、支柱10の下部外面において、噴射孔20a,23aへ冷却液を供給可能に支柱10内に設けられた流路に焼入用冷却液供給源(不図示)を接続し、二本の加熱導体12aと連続するリード導体の外端に導体冷却液供給源(不図示)を接続し、かつ、高周波電源(不図示)を接続する。
次に、高周波焼入装置1Aを用いて外輪Wの環状溝a,bを加熱して焼入処理する方法を説明する。
まず、外輪Wを下治具11Aに載置し、外輪Wを高周波加熱コイル12及びシールドリング13に対して正確に位置決めする。この状態で、二巻きの加熱導体12aが外輪Wの内面a,bに対応し、シールドリング13の上端が外輪Wの内面下側の切欠き部dの上端に対応する。
高周波電源を入れると、高周波加熱コイル12に高周波電流が通電される。高周波電流の磁束で外輪Wの内面(レース面)a,bが所定の焼入温度に加熱される。シールドリング13の働きで外輪Wの内面下側の切欠き部dには高周波電流の磁束が到達しないので、切欠き部dは焼入温度に加熱されない。
その後、高周波加熱コイル12への高周波電流を遮断し、直後に図示しない焼入用冷却液供給源を稼動する。すると、噴射孔20a,23aより冷却液が噴射され、外輪Wの内面を急冷する。
このとき、冷却液の間隙S2が、噴射孔20a、23aから外輪Wの内面に噴射した焼入用冷却液の流下量を絞っているので、冷却液が外輪Wの内面aに対応する空間内に滞留して円滑に流下するから、外輪Wの内面aに対する冷却が効果的に行われる。従って、外輪Wの内面a,bは、高周波加熱によりオーステナイト化され、急冷されて、マルテンサイト組織になり、外輪Wの断面図に示すクロスハッチング部分について焼入れが行われる。
なお、冷却時には外輪Wの外側に設けられた図示しない冷却手段により、外輪Wの外表面に冷却液を噴射して冷却を行うことも可能である。
冷却完了後、冷却液の供給を停止し、外輪Wを下治具11Aから取り外し、次の外輪Wを下治具11Aの環状凹部11dに嵌合して載置し、再度上記のような加熱及び冷却を繰り返すことで、複数の外輪Wの焼入処理を行う。ここでは、下治具11Aとシールドリング13との間に間隙S2を有するので、外輪Wの内面a,bの焼入れによる表面の剥離カス等の異物が受承プレート11b上に存在しても間隙S2から排出できるため、堆積することがなく、外輪Wを毎回位置決め高さを正しく保持して熱処理を行うことができる。
以上のような高周波焼入装置1Aによれば、支柱10の所定位置に高周波加熱コイル12と冷却液の噴射孔23aが設けられており、この支柱10の外周囲に、外輪Wを支柱10と同心状に且つ所定高さに支持する下治具11Aと、下治具11Aに支持された外輪Wの環状溝a,bより下方の内面と対向するシールドリング13とが位置決めされて設けられているので、下治具11Aに外輪Wを支持させた状態で高周波加熱コイル12により加熱すれば環状溝a,bを加熱することができ、噴射孔23aから冷却液を噴射すれば加熱された環状溝a,bを冷却することができる。そのため、単一の装置で外輪Wの内面に設けられた環状溝a,bを焼入処理することができる。その際、加熱後に外輪Wを移動させたり、別の冷却装置を用いて冷却させたりする必要がないため、多数の外輪Wを繰り返し同様の条件で冷却処理でき、環状溝a,bを均一に焼入処理することができる。
その際、下治具11Aとシールドリング13とを別々に位置決めできるので、下治具11Aに支持された外輪Wに対してシールドリング13を精度よく適切な位置に配置でき、精度よく環状溝a,bを加熱することができる。
しかも、下治具11Aとシールドリング13との間に冷却液が流通可能な間隙S2が設けられているので、下治具11Aの環状凹部11dに異物が存在しても容易に間隙S2から排出させることができ、異物が環状凹部11dに堆積することを防止できる。そのため、複数の外輪Wを繰り返し精度良く下治具に支持させることが可能である。
さらに、加熱後に外輪Wを移動させることなく、噴射孔20aから噴出される冷却液により冷却することができるため、多数の外輪Wを繰り返し冷却しても、毎回同等の条件で冷却することができ、各外輪Wの環状溝a,bを均一に焼入れすることができる。
(第2の実施形態)
図4、図5に示すように、この実施形態に係る高周波焼入装置1Bは、支柱10と、下治具11Bと、高周波加熱コイル12と、シールドリング13と、第1〜第4コア14,15,16,17と、スペーサ22,23と、キャップ20と、噴射孔20a,23aと、を有する構成である。図1、図2に示す高周波焼入装置1Aとの相違点は、下治具11Bの構成と取り付けかたである。
以下、相違点を説明し、同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
下治具11Bは、ボス部11eを有する銅製或いはステンレス製のベースプレート11a’と、ベースプレート11a’の上面の内径側部分に載置された円環板状のセラミック製の受承プレート11b’と、ベースプレート11a’の上面の外径側部分に載置されかつ受承プレート11b’を押え付けて固定されたステンレス製のリングブロック11c’とからなる。
下治具11Bは、ベースプレート11a’のボス部11e’に螺設されているねじ26をシールドリング13の外面に締め付けることで支柱10側に固定されている。この実施形態では、ベースプレート11a’にボス部11e’があるので、冷却液を流下する間隙S3が非環状に周方向に複数配設されている。この間隙S3も、噴射孔20a,23aから外輪Wの内面に噴射した焼入用冷却液が、外輪Wの内面aに対応する空間内に保持して円滑に流下する流通量となるように設定されている。これにより、外輪Wの内面a,bに対する冷却が効果的に行われる。
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態の例示に限定されるものでなく、特許請求の範囲の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
上記実施形態の例示は、自動車のステアリング系統に使用されるハブベアリングに適用する場合を示したものであるが、本発明は、焼入面が二列の環状溝(レース面)を有していることに限定されない。上記の実施形態では、自動車のステアリング系統に使用されるハブベアリングに適用する場合を示したものであるので、取付用フランジを下側にし該下側となる磁束の切欠き部への広がりを遮蔽するシールドリングを使用し、上側となる切欠き部への磁束の広がりを遮蔽するシールドリングが付設されていない。上側となる切欠き部への磁束の広がりを遮蔽する必要があるならば、シールドリングを付設すれば良く、設計変更程度で上側にもシールドリングを付設することができる。本発明は、このような変形を含むものである。
1A,1B 高周波焼入装置
10 支柱
11A,11B 下治具
S2,S3 間隙
12 高周波加熱コイル
12a 加熱導体
13 シールドリング
14,15,16,17 第1〜第4コア
W 外輪(筒状ワーク)
20 キャップ
20a 噴射孔
22,23 スペーサ
23a 噴射孔

Claims (3)

  1. 環状溝を内面に有する筒状ワークの該環状溝を焼入れする高周波焼入装置であり、
    上部が上記筒状ワーク内に挿入可能に立設された支柱と、
    上記支柱の外周囲に位置決め配置され、上側内縁に環状凹部を有し、該環状凹部に上記筒状ワークの下端を収容して載置することで、上記筒状ワークを上記支柱と同心状に且つ所定高さに支持する下治具と、
    上記下治具に支持された上記筒状ワークの上記環状溝に対向するように、上記支柱に設けられた高周波加熱コイルと、
    上記下治具に支持された上記筒状ワークの上記内面に冷却液を噴射するように上記支柱の外周面に開口した複数の噴射孔と
    上記下治具に支持された上記筒状ワークの上記環状溝より下方の内面と対向するように、上記支柱の外周面に位置決め装着され、上記筒状ワークより導電性の高い材料からなるシールドリングとを備え、
    上記下治具と上記シールドリングとの間に上記冷却液が流通可能な間隙を設けた、高周波焼入装置。
  2. 前記間隙は、前記噴射孔から噴射された前記冷却液を、前記筒状ワークと前記支柱との間に滞留させて流下可能に形成されている、請求項1に記載の高周波焼入装置。
  3. 前記筒状ワークは、ハブベアリングの外輪である、請求項1又は2に記載の高周波焼入装置。
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