JP2011056527A - はんだ接合剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のはんだ接合剤組成物は、鉛フリーはんだ粉末及びフラックスを含有するはんだ接合剤組成物であって、前記フラックスは、熱硬化性樹脂を含有し、前記鉛フリーはんだ粉末は、第一のはんだ粉末と、前記第一のはんだ粉末よりも融点が高い第二のはんだ粉末とを含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末である。ただし、はんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合、鉛の量は、100ppm以下であることが好ましい。
2元系合金:融点180℃以下のSn―Bi系(42Sn/58Bi(融点:139℃)等)、融点180℃以下のSn―In系、融点180℃以下のSn―Zn系
3元系合金:融点180℃以下のSn―Ag―Bi系(42Sn/57Bi/1Ag(融点:138℃)等)、融点180℃以下のSn―Cu―Bi系、融点180℃以下のSn―Ag―In系、融点180℃以下のSn―Cu―In系、融点180℃以下のSn―Zn―Bi系、融点180℃以下のSn―Bi―In系、融点180℃以下のSn―Zn―In系
その他:融点180℃以下のSn―Ag―Cu―Bi系、融点180℃以下のSn―Ag―Cu―In系、融点180℃以下のSn―Ag―In―Bi系、融点180℃以下のSn―Ag―Zn―In系、融点180℃以下のSn―Zn―In―Bi系、融点180℃以下のSn―Ag―Cu―Sb―Bi系
純金属:Li(融点:181℃)、Se(融点:221℃)、Sn(融点:232℃)、Bi(融点:272℃)、Tl(融点:304℃)、Zn(融点:420℃)、Te(融点:450℃)、Sb(融点:631℃)
2元系合金:融点180℃以上のSn―Ag系(96.5Sn/3.5Ag(融点:221℃)等)、融点180℃以上のSn―Zn系(91Sn/9Zn(融点:198℃)等)、融点180℃以上のSn―Sb系(95Sn/5Sb(融点:240℃)等)、融点180℃以上のSn―Cu系(99.25Sn/0.75Cu(融点:227℃)等)、融点180℃以上のSn―Ni系
3元系合金:融点180℃以上のSn―Ag―Cu系(96.5Sn/3.0Ag/0.5Cu(融点:217℃)、98.3Sn/1.0Ag/0.7Cu(融点:224℃)、99Sn/0.3Ag/0.7Cu(融点:227℃)等)、融点180℃以上のSn―Zn―Bi系(89Sn/8Zn/3Bi(融点:190℃)等)、融点180℃以上のSn―Ag―Bi系、融点180℃以上のSn―Ag―Ni系、融点180℃以上のSn―Ag―Sb系、融点180℃以上のSn―Cu―Sb系
その他:融点180℃以上のSn―Ag―Cu―Bi系、融点180℃以上のSn―Ag―Cu―In系、融点180℃以上のSn―Ag―In―Bi系、融点180℃以上のSn―Ag―Cu―Sb―Bi系
本発明で用いられるフラックスは、熱硬化性樹脂を含有する限りにおいて特に限定されず、従来のはんだ接合剤組成物で使用されている配合のものを使用できる。例えば、熱硬化性樹脂、活性剤、チクソ剤、硬化剤等を含有するフラックスが使用できる。
本発明で用いられるフラックスは、接合信頼性の観点から熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等を例示でき、硬化速度、高ガラス転移温度の確保及びせん断強度の観点からエポキシ樹脂が好ましい。なお、熱硬化性樹脂とは、加熱することによって硬化する樹脂であり、例えば、比較的低分子の物質が加熱により高分子の3次元架橋構造(網状構造)となる樹脂である。よって、ロジン系樹脂のように空気中に放置するだけで硬化する樹脂とは明確に異なる。
活性剤は、金属表面に存在する酸化物、硫化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、炭酸塩等を還元して金属を清浄化する成分である。
チクソ剤としては、従来から使用されている水添ヒマシ油、脂肪酸アマイド類などが使用できる。
硬化剤は、上述した熱硬化性樹脂の硬化剤(硬化促進剤)として用いられる成分であり、各種の硬化剤が使用できる。例えば潜在性硬化剤としては、ノバキュアHX-3722、HX-3721、HX-3748、HX-3088、HX-3613、HX-3921HP、HX-3941HP(旭化成エポキシ社製、商品名)、脂肪族ポリアミン系としては、フジキュアFXR-1020、FXR-1030、FXR-1050、FXR-1080(富士化成工業社製、商品名)、エポキシ樹脂アミンアダクト系としては、アミキュアPN-23、MY-24、VDH、UDH、PN-31、PN-40(味の素ファインテクノ社製、商品名)、EH-3615S、EH-3293S、EH-3366S、EH-3842、EH-3670S、EH-3636AS(旭電化工業社製、商品名)等が挙げられる。また、イミダゾール系硬化剤(イミダゾール化合物)としては、2MZA、2PZ、C11Z、C17Z、2E4MZ、2P4MZ、2P4MHZ、C11Z-CNS、2PZ-CNZ(四国化成工業社製、商品名)等が挙げられる。なかでも、イミダゾール化合物(特に水酸基を有するイミダゾール化合物)を用いると、熱硬化性樹脂の硬化反応が急激に進むことが無く、応力の発生を防止できるので、好ましい。
ビスフェノールA型熱硬化性樹脂(DIC株式会社製、EPICLON860)85質量%、チクソ剤(日本化成株式会社製、スリパークスZHH)2質量%、活性剤(アジピン酸)5質量%、界面活性剤(ビックケミージャパン株式会社製、BYK361N)2質量%、消泡剤(共栄社化学株式会社製、フローレンAC303)1質量%、さらに硬化剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(2P4MHZ)5質量%を同じ容器に計量し、らいかい機を用いて混合し、フラックスを得た。得られたフラックスと、42Sn/58Biはんだ粉末と、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末とを、フラックス:42Sn/58Biはんだ粉末:96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末=20:8:72の比率で計量し、これらを混練機にて2時間混合することで、はんだ接合剤組成物を調製した。このはんだ接合剤組成物を用いて、後述する各種物性評価を行った。実施例1の成分配合および評価結果を表1に記載した。なお、表1において、はんだ成分(2種類のはんだ粉末の混合物)の融解開始温度は、示差走査熱量計(セイコーインスツルメント社製、EXSTAR6000)を用い、測定温度範囲を30〜600℃として測定した。測定の際は、吸熱量が1.5J/g以上あるものを測定対象物由来のピークとし、それ未満のピークは、分析精度の観点から除外した。以下の例においても同様に測定した。
実施例1の調製方法のうち、フラックスと、42Sn/58Biはんだ粉末と、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末とを、フラックス:42Sn/58Biはんだ粉末:96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末=20:20:60の比率で用いたこと以外は、実施例1と同様にしてはんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
実施例1の調製方法のうち、フラックスと、42Sn/58Biはんだ粉末と、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末とを、フラックス:42Sn/58Biはんだ粉末:96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末=20:40:40の比率で用いたこと以外は、実施例1と同様にしてはんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
実施例1の調製方法のうち、硬化剤2P4MHZの代わりに脂肪族ポリアミン系硬化剤FXR−1030(富士化成工業社製、商品名)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてはんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
実施例1の調製方法のうち、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末を使用せずに、フラックスと42Sn/58Biはんだ粉末とを、フラックス:42Sn/58Biはんだ粉末=20:80の比率で用いたこと以外は、実施例1と同様にしてはんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
比較例1の調製方法のうち、42Sn/58Biはんだ粉末の代わりに91.05Sn/2.7Ag/5.8Bi/0.45Cuはんだ粉末を用いたこと以外は、比較例1と同様にしてはんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
ロジン系樹脂(ハリマ化成社製、ハリフェノール512)50質量%、チクソ剤(新日本理化株式会社製、ゲルオールD)8質量%、活性剤(アジピン酸)5質量%、界面活性剤(ビックケミージャパン株式会社製、BYK361N)1質量%、及び溶剤(ヘキシルジグリコール)36質量%を同じ容器に計量し、らいかい機を用いて混合し、フラックスを得た。得られたフラックスと42Sn/58Biはんだ粉末とを、フラックス:42Sn/58Biはんだ粉末=10:90の比率で計量し、これらを混練機にて2時間混合することで、はんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
比較例3のフラックスの調製方法において、成分配合比を表1に示す値としたこと以外は、比較例3と同様にしてフラックスを調製した。得られたフラックスと、42Sn/58Biはんだ粉末と、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末とを、フラックス:42Sn/58Biはんだ粉末:96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末=10:45:45の比率で計量し、これらを混練機にて2時間混合することで、はんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
比較例4の調製方法において、フラックスと、42Sn/58Biはんだ粉末と、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末とを、フラックス:42Sn/58Biはんだ粉末:96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末=10:9:81の比率で用いたこと以外は、比較例4と同様にしてはんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
比較例3のフラックスの調製方法において、成分配合比を表1に示す値としたこと以外は、比較例3と同様にしてフラックスを調製した。得られたフラックスと、63Sn/37Pbはんだ粉末とを、フラックス:63Sn/37Pbはんだ粉末=10:90の比率で計量し、これらを混練機にて2時間混合することで、はんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
比較例3のフラックスの調製方法において、成分配合比を表1に示す値としたこと以外は、比較例3と同様にしてフラックスを調製した。得られたフラックスと、96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末とを、フラックス:96.5Sn/3.0Ag/0.5Cuはんだ粉末=10:90の比率で計量し、これらを混練機にて2時間混合することで、はんだ接合剤組成物を調製し、後述する各種物性評価を行った。
ガラスエポキシ基板上に形成された銅箔ランド(導体寸法:0.85×0.55mm、導体間隔:0.85mm)に、得られたはんだ接合剤組成物を、厚み150μmtのメタルマスクを用いてメタルスキージで印刷し、Snめっきされた1608CRチップを上記銅箔ランドの印刷膜上に載置した。そして、各種はんだに合わせたリフロー条件(図1〜図3)にて加熱して試験片を作製した。得られた試験片について外観検査を行い、図4A〜Cに示す判定基準にて判定を行った。即ち、はんだ5が良好なフィレット形状を示す場合を○(図4A)、フィレットの表面に未溶融のはんだ5が存在する場合を△(図4B)、はんだ5が溶融せずにはんだボールの状態で存在する場合を×(図4C)とした。なお、図4において、参照符号1はガラスエポキシ基板、参照符号2は銅箔ランド、参照符号3は1608CRチップ、参照符号4はフラックスである。
ガラスエポキシ基板上に形成されたQFP(Quad Flat Package)用ランド(0.8mmピッチ)に、得られたはんだ接合剤組成物を、厚み200μmtのメタルマスクを用いてメタルスキージで印刷し、各種はんだに合わせたリフロー条件(図1〜図3)にて加熱して試験片を作製した。得られた試験片について残渣膜中に発生したはんだボールをカウントして、1ピン間(1ランド間)当たりの平均はんだボール数を算出した。
ガラスエポキシ基板上に形成された銅箔ランド(導体寸法:0.85×0.55mm、導体間隔: 0.85mm)に、得られたはんだ接合剤組成物を、厚み150μmtのメタルマスクを用いてメタルスキージで印刷し、Snめっきされた1608CRチップを上記銅箔ランド(10個)の印刷膜上に1つずつ載置した。そして、各種はんだに合わせたリフロー条件(図1〜図3)にて加熱して試験片を作製した。得られた試験片について、引張り試験機(SHIMADZU社製EZ-L)を用いて、5mm/minの条件でチップのせん断強度を測定した。なお、表1の結果は、せん断強度を測定した10個のチップの平均値である。
(3)のせん断強度測定と同様の方法で作製した試験片について、ESPEC社製冷熱衝撃試験器(TSA-71H-W)により冷熱衝撃試験を行った後に、(3)のせん断強度測定と同様の方法でせん断強度を測定した。上記冷熱衝撃試験は、−60℃で30分間さらした後150℃で30分間さらす処理を1サイクルとして、500サイクル行った。なお、表1の結果は、せん断強度を測定した10個のチップの平均値である。
(2)のピン間ボール試験で用いた試験片について、ESPEC社製冷熱衝撃試験器(TSA-71H-W)により冷熱衝撃試験を行った後に、各ランド間における絶縁抵抗を印加電圧:100Vの条件にて測定し、絶縁抵抗の平均値を算出した。上記冷熱衝撃試験は、−60℃で30分間さらした後150℃で30分間さらす処理を1サイクルとして、500サイクル行った。
2 銅箔ランド
3 1608CRチップ
4 フラックス
5 はんだ
Claims (6)
- 鉛フリーはんだ粉末及びフラックスを含有するはんだ接合剤組成物であって、
前記フラックスは、熱硬化性樹脂を含有し、
前記鉛フリーはんだ粉末は、第一のはんだ粉末と、前記第一のはんだ粉末よりも融点が高い第二のはんだ粉末とを含有する、はんだ接合剤組成物。 - 前記鉛フリーはんだ粉末中の前記第一のはんだ粉末の含有量が10〜50質量%であり、前記鉛フリーはんだ粉末中の前記第二のはんだ粉末の含有量が50〜90質量%である、請求項1記載のはんだ接合剤組成物。
- 前記フラックスは、活性剤、チクソ剤及び硬化剤を更に含有する、請求項1又は2記載のはんだ接合剤組成物。
- 前記硬化剤は、イミダゾール化合物である、請求項3記載のはんだ接合剤組成物。
- 前記フラックス中の前記イミダゾール化合物の含有量が2〜5質量%である、請求項4記載のはんだ接合剤組成物。
- 前記第一及び第二のはんだ粉末は、Sn、Cu、Ag、Bi、Sb、In及びZnからなる群より選ばれる一種以上の金属を含有する、請求項1〜5のいずれか1項記載のはんだ接合剤組成物。
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