JP2011052603A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動スクロールを固定スクロールに押し付ける押付機構を備えたスクロール圧縮機において、如何なる運転条件においても、離反力に対して押付力が不足することを回避する。
【解決手段】スクロール圧縮機1は、押付機構75と逆流阻止機構35とを備えている。押付機構75は、可動側鏡板部71の背面に臨む背圧室53と、吐出ポート64が連通する直前の状態と吐出ポート64が連通している状態の圧縮室23を背圧室53に連通させるための背圧導入通路80とを有している。逆流阻止機構35は、背圧導入通路80の冷媒が圧縮室23から背圧室53へ流れることを許容して、背圧室53から圧縮室23へ戻ることを阻止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける機構を備えたスクロール圧縮機に関するものである。
従来より、流体を圧縮する圧縮機として、スクロール圧縮機が知られている。スクロール圧縮機では、固定スクロールと可動スクロールとが噛み合わされることによって、固定スクロールと可動スクロールとの間に圧縮室が形成されている。圧縮室は、可動スクロールの偏心回転運動に伴って外側から中心部へ向かって移動してゆくときに、その容積が徐々に小さくなってゆく。流体は、圧縮室の容積が小さくなってゆく過程で圧縮される。
ここで、スクロール圧縮機では、可動スクロールを固定スクロールから引き離そうとする離反力として、圧縮室の流体の圧力が可動スクロールに作用する。このため、可動スクロールには、固定スクロールに押し付ける押付力を付与する必要がある。特許文献1には、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける機構を備えたスクロール圧縮機が開示されている。このスクロール圧縮機では、可動スクロールの鏡板に背圧孔が形成され、その可動スクロールの鏡板の背面に臨むように背圧室が形成されている。背圧孔は、流体を圧縮する過程にある圧縮室に開口している。背圧室には、中間圧の流体が導入される。
特開昭58−122386号公報
ところで、スクロール圧縮機は、吸入ポートから閉じきられた時点の圧縮室の容積(押し退け容積)に対する、吐出ポートが連通する状態に変化した時点の圧縮室の容積(吐き出し容積)の比率が一定である。
従って、スクロール圧縮機では、吸入側の流体の圧力と吐出側の流体の圧力(以下、「吐出圧」という。)との差が大きい高差圧の運転条件の場合に、吐出ポートが連通する直前の圧縮室の内圧が吐出圧よりも低くなる圧縮不足が生じる。圧縮不足が生じると、吐出ポートが連通した後に、吐出ポートの外側から圧縮室へ流体が逆流し、圧縮室の内圧が急激に上昇して吐出圧になる。
このため、流体を圧縮する過程にある圧縮室から背圧室に流体を導入する従来のスクロール圧縮機では、圧縮不足が生じる場合に、圧縮室の内圧のピーク値と、背圧室が連通する圧縮室の内圧との差が拡大する。従って、離反力として作用する圧縮室の内圧のピーク値と、押付力として作用する背圧室の内圧との差が拡大するので、離反力に対して押付力が不足するおそれがある。
そこで、圧縮不足が生じる場合の押付力の不足を回避するために、吐出圧の流体を背圧室に導入することが考えられる。圧縮不足が生じる場合は、吐出圧が圧縮室の内圧のピーク値になるので、その吐出圧の流体を背圧室に導入することで、離反力に対して押付力が不足することを回避することが可能である。
しかし、スクロール圧縮機では、吸入側の流体の圧力と吐出側の流体の圧力との差が小さい低差圧の運転条件の場合に、吐出ポートが連通する直前の圧縮室の内圧が吐出圧に比べて高くなる過圧縮が生じる。過圧縮が生じると、吐出ポートが連通した後に、圧縮室の内圧が急激に低下して吐出圧になる。
このため、吐出圧の流体を背圧室に導入する場合は、過圧縮が生じると、離反力として作用する吐出ポートが連通する直前の圧縮室の内圧が、押付力として作用する背圧室の内圧よりも高くなり、離反力に対して押付力が不足するおそれがある。
このように、高差圧の運転条件の場合と低差圧の運転条件とのどちらかで、離反力に対して押付力が不足するおそれがある。そして、押付力が不足すると、可動スクロールが傾いて圧縮室から流体が漏れ、圧縮効率が低下してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける押付機構を備えたスクロール圧縮機において、如何なる運転条件においても、離反力に対して押付力が不足することを回避することにある。
第1の発明は、固定スクロール(60)と、上記固定スクロール(60)に噛み合わされて、該固定スクロール(60)と共に圧縮室(23)を形成する可動スクロール(70)とを備え、上記可動スクロール(70)を駆動することによって上記圧縮室(23)内の流体を圧縮するスクロール圧縮機(1)を対象とする。そして、このスクロール圧縮機(1)は、上記固定スクロール(60)に吐出ポート(64)が形成される一方、上記可動スクロール(70)の可動側鏡板部(71)の背面に臨む背圧室(53)と、上記吐出ポート(64)が連通する直前の状態と該吐出ポート(64)が連通している状態の圧縮室(23)を上記背圧室(53)に連通させるための背圧導入通路(80)とを有して、上記背圧室(53)の内圧によって上記可動スクロール(70)を上記固定スクロール(60)に押し付ける押付機構(75)と、上記背圧導入通路(80)の流体が上記圧縮室(23)から上記背圧室(53)へ流れることを許容して、上記背圧室(53)から上記圧縮室(23)へ戻ることを阻止する逆流阻止機構(35)とを備えている。
第1の発明では、押付機構(75)の背圧導入通路(80)が、吐出ポート(64)が連通する直前の状態と、吐出ポート(64)が連通している状態との圧縮室(23)に連通する。このため、可動スクロール(70)の回転に伴って、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)に背圧導入通路(80)が連通する状態と、吐出ポート(64)が連通している圧縮室(23)に背圧導入通路(80)が連通する状態とが、交互に表れる。
ここで、低差圧の運転条件で過圧縮が生じる場合には、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)の内圧が吐出圧よりも高くなる一方で、吐出ポート(64)が連通している状態の圧縮室(23)の内圧が吐出圧になる。つまり、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)の内圧の方が、吐出ポート(64)が連通している状態の圧縮室(23)の内圧よりも高くなる。背圧導入通路(80)は、可動スクロール(70)の回転に伴って、内圧が高い状態の圧縮室(23)と、内圧が低い状態の圧縮室(23)とに交互に連通する。
一方、高差圧の運転条件で圧縮不足が生じる場合には、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)の内圧が吐出圧よりも低くなる一方で、吐出ポート(64)が連通している状態の圧縮室(23)の内圧が吐出圧になる。つまり、吐出ポート(64)が連通している状態の圧縮室(23)の内圧の方が、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)の内圧よりも高くなる。背圧導入通路(80)は、過圧縮が生じる場合と同様に、可動スクロール(70)の回転に伴って、内圧が高い状態の圧縮室(23)と、内圧が低い状態の圧縮室(23)とに交互に連通する。
ここで、背圧導入通路(80)では、流体が背圧室(53)から圧縮室(23)に戻ることが、逆流阻止機構(35)によって阻止される。従って、背圧導入通路(80)が内圧が高い状態の圧縮室(23)に連通するときに、その圧縮室(23)から背圧室(53)に流体が導入され、背圧導入通路(80)が内圧が低い状態の圧縮室(23)に連通するときに、背圧室(53)の流体が圧縮室(23)に戻ることが逆流阻止機構(35)によって阻止される。背圧導入通路(80)が内圧が低い状態の圧縮室(23)に連通するときに、背圧室(53)の流体が圧縮室(23)に戻ることが原因で背圧室(53)の内圧が減少することはない。背圧室(53)の内圧は、内圧が高い状態の圧縮室(23)に近づくように調節される。
このため、過圧縮が生じる場合は、背圧室(53)の内圧が、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)の内圧に近づくように調節される。一方、圧縮不足が生じる場合は、背圧室(53)の内圧が、吐出ポート(64)が連通している状態の圧縮室(23)の内圧に近づくように調節される。この第1の発明では、過圧縮が生じる場合であっても、圧縮不足が生じる場合であっても、圧縮室(23)での流体の圧力変化における最高圧力に近づくように、背圧室(53)の内圧が調節される。そして、最終的に、背圧室(53)の内圧が、圧縮室(23)での流体の圧力変化における最高圧力に近い又は等しい圧力に保持される。
なお、「吐出ポート(64)が連通する直前」とは、圧縮室(23)における流体の閉じ込みが完了した時点から、圧縮室(23)に吐出ポート(64)が連通する時点まで行われる1回の圧縮行程のうち、吐出ポート(64)が圧縮室(23)に連通する時点のすぐ前の時間帯であり、圧縮行程の終盤を意味している。「吐出ポート(64)が連通する直前の状態の圧縮室(23)」では、過圧縮が生じる場合に過圧縮状態になる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記固定スクロール(60)及び上記可動スクロール(70)を収容するケーシング(10)内には、流体を吸入する過程の圧縮室(23)に連通する吸入側空間(24)が形成される一方、上記背圧室(53)の内圧と上記吸入側空間(24)の圧力との差が所定の差圧基準値以上になると、該背圧室(53)を該吸入側空間(24)に連通させる背圧低減機構(26)を備えている。
第2の発明では、背圧低減機構(26)が、背圧室(53)の内圧が吸入側空間(24)の圧力よりも所定の差圧基準値以上高くなる場合に、背圧室(53)から吸入側空間(24)へ流体を流出させる。つまり、背圧室(53)の内圧が吸入側空間(24)の圧力よりも所定の差圧基準値以上高くなる場合に、背圧低減機構(26)が背圧室(53)の内圧を低下させる。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記固定スクロール(60)には、上記吐出ポート(64)が連通する直前に上記背圧導入通路(80)が連通する圧縮室(23)から圧縮過程の流体を逃がすためのリリーフポート(67)が、上記背圧導入通路(80)よりも後に該圧縮室(23)に連通するように形成されている。
第3の発明では、吐出ポート(64)が連通する直前に背圧導入通路(80)が連通する圧縮室(23)(以下、「連通対象の圧縮室(23)」という。)に対して、リリーフポート(67)が設けられている。リリーフポート(67)は、連通対象の圧縮室(23)で過圧縮が生じる場合に、連通対象の圧縮室(23)から流体を流出させることによって、連通対象の圧縮室(23)の内圧を低下させる。連通対象の圧縮室(23)では、背圧導入通路(80)が連通した後に、リリーフポート(67)が連通する。従って、リリーフポート(67)によって圧力が低下する前の連通対象の圧縮室(23)から背圧室(53)に流体が導入される。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1つの発明において、上記圧縮室(23)としては、上記固定スクロール(60)の固定側ラップ(62)の内側面と上記可動スクロール(70)の可動側ラップ(72)の外側面との間の第1圧縮室(23a)と、該固定側ラップ(62)の外側面と該可動側ラップ(72)の内側面との間の第2圧縮室(23b)とが形成される一方、上記可動スクロール(70)及び上記固定スクロール(60)は、上記第1圧縮室(23a)の圧縮比と上記第2圧縮室(23b)の圧縮比とが互い相違するように構成され、上記背圧導入通路(80)は、上記第1圧縮室(23a)と第2圧縮室(23b)のうち圧縮比が大きい方の圧縮室(23a)だけに、該圧縮室(23a)に上記吐出ポート(64)が連通する直前に連通する。
第4の発明では、可動スクロール(70)及び固定スクロール(60)が、例えば、可動側ラップ(72)の長さと固定側ラップ(62)との長さが互いに相違することで、第1圧縮室(23a)の圧縮比と第2圧縮室(23b)の圧縮比とが互い相違するように構成されている。背圧導入通路(80)は、第1圧縮室(23a)と第2圧縮室(23b)のうち圧縮比が大きい方の圧縮室(23a)だけに、吐出ポート(64)が連通する直前に連通する。このため、過圧縮が生じる場合に、背圧室(53)の内圧は、第1圧縮室(23a)の最高圧力と第2圧縮室(23b)の最高圧力のうち高い方に合わせて調節される。
第5の発明は、上記第1乃至第3の何れか1つの発明において、上記圧縮室(23)としては、上記固定スクロール(60)の固定側ラップ(62)の内側面と上記可動スクロール(70)の可動側ラップ(72)の外側面との間の第1圧縮室(23a)と、該固定側ラップ(62)の外側面と該可動側ラップ(72)の内側面との間の第2圧縮室(23b)とが形成される一方、上記背圧導入通路(80)は、上記吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)に連通する第1入口(91)と、上記吐出ポート(64)が連通する直前の第2圧縮室(23b)に連通する第2入口(92)とを備えている。
第5の発明では、背圧導入通路(80)が第1入口(91)と第2入口(92)とを備えている。第1入口(91)は、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)に連通する。第2入口(92)は、吐出ポート(64)が連通する直前の第2圧縮室(23b)に連通する。このため、背圧室(53)が、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)と吐出ポート(64)が連通する直前の第2圧縮室(23b)との両方に連通する。
第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1つの発明において、主軸部(41)と、該主軸部(41)に対して偏心して上記可動スクロール(70)に係合する偏心部(42)とを有する駆動軸(40)を備え、上記背圧導入通路(80)は、上記可動スクロール(70)に形成される一方、上記逆流阻止機構(35)は、上記背圧導入通路(80)における流体の流通を阻止する状態から許容する状態に切り換わる場合に所定の第1方向に移動する弁部材(36)を備え、上記背圧導入通路(80)が連通している圧縮室(23)に上記吐出ポート(64)が連通する状態に変化する時点では、上記駆動軸(40)の軸方向から見て、上記第1方向と、上記主軸部(41)の軸心から上記偏心部(42)の軸心へ向かう直線の向きである第2方向とのなす角度が、該駆動軸(40)の回転方向を正とした場合に、−90°以上90°以下になっている。
第6の発明では、背圧導入通路(80)が連通する連通対象の圧縮室(23)に吐出ポート(64)が連通しない状態から連通する状態に変化する時点、つまり、過圧縮が生じる場合に連通対象の圧縮室(23)の内圧が最高圧力になる時点において、第1方向と第2方向とのなす角度が、駆動軸(40)の回転方向を正とした場合に、−90°以上90°以下になっている。従って、上記時点では、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさがゼロ以上になる。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記第1方向と上記第2方向とのなす角度が、上記駆動軸(40)の回転方向を正とした場合において0°以上90°以下になっている。
第7の発明では、過圧縮が生じる場合に連通対象の圧縮室(23)の内圧が最高圧力になる時点において、第1方向と第2方向とのなす角度が、駆動軸(40)の回転方向を正とした場合に、0°以上90°以下になっている。ここで、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが最大となるのは、第1方向と第2方向とのなす角度が0°になるときである。この第7の発明では、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが最大となるのが、上記時点の以前となるようにしている。
本発明では、過圧縮が生じる場合であっても、圧縮不足が生じる場合であっても、流体の圧力変化において最高圧力になる圧縮室(23)に背圧導入通路(80)が連通すると共に、背圧室(53)の内圧が減少することが逆流阻止機構(35)によって阻止されるので、圧縮室(23)での流体の圧力変化における最高圧力に近い又は等しい圧力に背圧室(53)の内圧が保持される。離反力は、流体の圧力変化において最高圧力になるときに最大になる。本発明では、何れの場合においても、背圧室(53)の内圧が、離反力が最大になるときに合わせて調節されている。従って、如何なる運転条件であっても、離反力に対して押付力が不足することを回避することができる。そして、押付力不足によって可動スクロール(70)が傾くことが原因で、圧縮室(23)から流体が漏れて圧縮効率が低下することを回避することができる。
また、上記第2の発明では、背圧室(53)の内圧が吸入側空間(24)の圧力よりも所定の差圧基準値以上高くなる場合に、背圧低減機構(26)が背圧室(53)の内圧を低下させる。ここで、上述したように、過圧縮が生じる場合であっても、圧縮不足が生じる場合であっても、背圧室(53)の内圧は、流体の圧力変化において最高圧力になる圧縮室(23)に近い又は等しい圧力に保持される。つまり、背圧室(53)の内圧と最高圧力になる圧縮室(23)の内圧との差は、過圧縮が生じる場合と圧縮不足が生じる場合とで、それほど変わらない。ところが、圧縮不足が生じる場合は、圧縮室(23)の最高圧力が、吐出ポート(64)が連通した後の流体の逆流によって、吐出ポート(64)が連通する直前よりも高くなる。このため、背圧低減機構(26)がない場合には、背圧室(53)の内圧と流体を吸入する過程の圧縮室(23)の内圧との差が、過圧縮が生じる場合に比べて大きくなる。従って、押付力と離反力との差が、圧縮不足が生じる場合の方が過圧縮が生じる場合よりも大きくなるので、圧縮不足が生じる場合にスラスト損失が過大になるおそれがある。
このようなことを鑑みて、この第2の発明では、背圧室(53)の内圧が吸入側空間(24)の圧力よりも所定の差圧基準値以上高くなる場合には、背圧低減機構(26)が背圧室(53)の内圧を低下させる。従って、圧縮不足が生じる場合に、背圧室(53)の内圧と流体を吸入する過程の圧縮室(23)の内圧との差を小さくすることができる。従って、圧縮不足が生じる場合に、スラスト損失が過大になることを抑制することができる。
また、上記第3の発明では、リリーフポート(67)が背圧導入通路(80)よりも後に連通対象の圧縮室(23)に連通するので、リリーフポート(67)によって圧力が低下する前の連通対象の圧縮室(23)から背圧室(53)に流体が導入される。このため、過圧縮が生じる場合に、圧力の高い流体を背圧室(53)に導入して押付力を確保しつつ、過圧縮の度合いを低減させることができる。
また、上記第4の発明では、過圧縮が生じる場合に、第1圧縮室(23a)の最高圧力と第2圧縮室(23b)の最高圧力のうち高い方に合わせて、背圧室(53)の内圧が調節される。このため、大きな押付力が得られるので、離反力に対して押付力が不足することを確実に回避することができる。
また、上記第5の発明では、背圧室(53)が、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)と吐出ポート(64)が連通する直前の第2圧縮室(23b)との両方に連通するようにしている。このため、背圧室(53)が第1圧縮室(23a)と第2圧縮室(23b)の一方だけに連通する場合に比べて、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)に背圧室(53)が連通している時間が長くなる。従って、過圧縮が生じる場合に、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)の流体が背圧室(53)に導入されやすくなるので、背圧室(53)の内圧をより確実に安定して昇圧させることができる。
また、上記第6の発明では、過圧縮が生じる場合に連通対象の圧縮室(23)の内圧が最高圧力になる時点において、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが、ゼロ以上になるようにしている。ここで、上記時点において弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが負の値になる場合には、圧縮室(23)側から弁部材(36)に作用する力と、背圧室(53)側から弁部材(36)に作用する力との差が、遠心力の第1方向とは逆方向の成分の大きさよりも大きくならなければ、弁部材(36)が流体の流通を許容する位置へ移動しない。このため、上記時点において、圧縮室(23)側から弁部材(36)に作用する力と、背圧室(53)側から弁部材(36)に作用する力との差が小さい場合には、連通対象の圧縮室(23)の流体が背圧室(53)へ導入されない。これに対して、この第6の発明では、上記時点において、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさがゼロ以上になるので、圧縮室(23)側から弁部材(36)に作用する力と、背圧室(53)側から弁部材(36)に作用する力との差が小さくても、弁部材(36)が流体の流通を許容する位置へ移動する。従って、背圧室(53)の内圧をより高い圧力に昇圧することができる。
また、上記第7の発明では、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが最大となるのが、連通対象の圧縮室(23)の内圧が最高圧力になる時点の以前になるようにしている。ここで、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが最大となるのが、上記時点よりも後になる場合は、その時点の後に、弁部材(36)が流体の流通を阻止する位置に速やかに戻らないおそれがある。従って、過圧縮が生じる場合に、吐出ポート(64)が連通して圧力が低下した連通対象の圧縮室(23)に背圧室(53)が連通する時間が長くなるおそれがあり、背圧室(53)の圧力が低下するおそれがある。これに対して、この第7の発明では、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが最大となるのが、上記時点の以前であるため、その時点の後に、弁部材(36)が流体の流通を阻止する位置に速やかに戻りやすくなる。従って、過圧縮が生じる場合に、吐出ポート(64)が連通して圧力が低下した連通対象の圧縮室(23)に背圧室(53)が連通する時間が長くなることを回避することができるので、背圧室(53)の圧力が低下することを抑制することができる。
実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 実施形態に係る圧縮機構の横断面図である。 実施形態に係るスクロール圧縮機の要部の縦断面図である。 実施形態に係る圧縮機構の動作を示す横断面図である。 実施形態に係る可動側鏡板部の横断面図であり、(A)は第1方向と第2方向のなす角度が0°の場合の横断面図であり、(B)は第1方向と第2方向のなす角度が90に近い値の場合の横断面図である。 実施形態に係る圧縮室の圧力の変化を表す図表である。 実施形態の変形例1に係るスクロール圧縮機の要部の縦断面図である。 実施形態の変形例2に係るスクロール圧縮機の要部の縦断面図である。 実施形態の変形例2に圧縮機構の動作を示す横断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明に係るスクロール圧縮機(1)である。本実施形態のスクロール圧縮機(1)は、例えば、冷房運転と暖房運転とを行う空気調和装置の冷媒回路に接続され、蒸発器で蒸発した低圧冷媒を冷凍サイクルの高圧圧力にまで昇圧する。この空気調和装置では、室外熱交換器で冷媒が熱交換を行う室外空気の温度に応じて、冷凍サイクルの高圧圧力と冷凍サイクルの低圧圧力の差である高低差圧が変化し、それに伴って、スクロール圧縮機(1)では、吸入する冷媒の圧力と吐出する冷媒の圧力との差が変化する。
本実施形態のスクロール圧縮機(1)は、図1に示すように、縦長で密閉容器状のケーシング(10)を備えている。ケーシング(10)の内部には、下から上へ向かって、電動機(30)と圧縮機構(20)とが配置されている。また、ケーシング(10)の内部には、上下に延びる駆動軸(40)が設けられている。
ケーシング(10)は、縦長の円筒状に形成された胴部(11)と、その胴部(11)の上端に溶接により気密に接合された上部鏡板(12)と、その胴部(11)の下端に溶接により気密に接合された下部鏡板(13)とを有している。また、ケーシング(10)の胴部(11)には、ケーシング(10)の空間を上下に区画するハウジング(50)が圧入固定されている。
また、ケーシング(10)には、胴部(11)を貫通する吸入管(14)と、上部鏡板(12)を貫通する吐出管(15)とが設けられている。また、ケーシング(10)の内部空間の下端部は、潤滑油を貯留する低圧油溜まり部(16)となっている。この低圧油溜まり部(16)に貯留された潤滑油には、ケーシング(10)内に吸入された吸入冷媒の圧力である吸入圧力が作用している。
ハウジング(50)は、略円盤状をしていて、中央部が陥没すると共に、その中央部に貫通孔(51)が形成されている。この貫通孔(51)には、駆動軸(40)を回転自在に支持する上部軸受部(17)が設けられている。また、ケーシング(10)の下部には、駆動軸(40)を回転自在に支持する下部軸受部(18)が設けられている。
電動機(30)は、いわゆるブラシレスDCモータにより構成され、ハウジング(50)の下方に配置されている。電動機(30)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。ステータ(31)は、固定子鉄心と、その固定子鉄心に装着されたコイルとを有し、略筒状に形成されている。ステータ(31)は、ケーシング(10)の胴部(11)に固定されている。ステータ(31)は、胴部(11)に取り付けられた給電端子(図示省略)に電気的に接続されている。一方、ロータ(32)は、回転子鉄心と、その回転子鉄心に埋設された永久磁石とを有している。ロータ(32)は、駆動軸(40)の主軸部(41)に連結され、ステータ(31)の内側に配置されている。電動機(30)を作動させると、ロータ(32)が回転し、それに伴って、駆動軸(40)も回転する。
駆動軸(40)は、主軸部(41)と偏心部(42)とを備えている。主軸部(41)は、略円柱状の部材であって、ケーシング(10)内の上部軸受部(17)と下部軸受部(18)とによって、その軸心(X)周りに回転自在に支持されている。主軸部(41)は、その上端部がやや大径に形成されている。一方、偏心部(42)は、主軸部(41)よりも小径の円柱状に形成され、主軸部(41)の上端面に立設されている。偏心部(42)は、その軸心が主軸部(41)の軸心(X)に対して偏心している。また、駆動軸(40)には、主軸部(41)に設けられたカウンタウェイト(43)と、主軸部(41)の下端に設けられた給油ポンプ(44)とが設けられている。
カウンタウェイト(43)は、偏心部(42)の近傍において、主軸部(41)の軸心(X)に対して偏心部(42)とは反対側に偏心した状態で主軸部(41)に設けられている。このカウンタウェイト(43)は、可動スクロール(70)や偏心部(42)等と動的バランスを取るために設けられている。
給油ポンプ(44)は、ケーシング(10)の下部の低圧油溜まり部(16)に浸漬しており、その低圧油溜まり部(16)に貯留する潤滑油を駆動軸(40)の回転に伴って汲み上げるように構成されている。
また、駆動軸(40)には、その軸心に沿って延びる給油路(図示省略)が形成されている。この給油路は、主軸部(41)のうち上部及び下部軸受部(17,18)で支持されている部分や偏心部(42)等の各摺動部分へ分岐している。すなわち、給油ポンプ(44)によって汲み上げられた潤滑油は、給油路を介して各摺動部分へ供給される。
圧縮機構(20)は、ハウジング(50)の上方に配置されている。圧縮機構(20)は、図1及び図2に示すように、固定スクロール(60)と可動スクロール(70)とを備えている。
固定スクロール(60)は、略円板状の固定側鏡板部(61)と、渦巻き状の固定側ラップ(62)と、固定側ラップ(62)の外側に形成された外縁部(63)とを備えている。固定側ラップ(62)は、固定側鏡板部(61)の前面(図1における下面)に立設されている。
固定スクロール(60)は、ハウジング(50)にボルトで締結固定されている。なお、外縁部(63)の上側の外周面は、上部鏡板(12)の内周面に密着している。これにより、ケーシング(10)内が、圧縮機構(20)の吐出冷媒で満たされた上側の高圧空間(22)と、圧縮機構(20)の吸入冷媒で満たされた下側の低圧空間(21)とに区画される。高圧空間(22)には吐出管(15)が開口し、低圧空間(21)には吸入管(14)が開口している。
可動スクロール(70)は、略円板状の可動側鏡板部(71)と、渦巻き状の可動側ラップ(72)と、筒状のボス部(73)とを備えている。可動スクロール(70)は、オルダム継手(52)を介して、ハウジング(50)の上面に載置されている。なお、オルダム継手(52)は、偏心回転運動中の可動スクロール(70)が自転することを阻止する。
可動側ラップ(72)は、可動側鏡板部(71)の前面(図1における上面)に立設されている。可動側ラップ(72)は、固定側ラップ(62)に噛み合わされている。本実施形態のスクロール圧縮機(1)は、可動側ラップ(72)と固定側ラップ(62)とが非対称に形成された非対称渦巻き構造になっている。固定側ラップ(62)の巻き数(渦巻きの長さ)は、可動側ラップ(72)の巻き数よりも、略半周分の巻き数だけ多くなっている。なお、固定側ラップ(62)の巻数は、固定側ラップ(62)の渦巻きが後述する吸入ポート(25)の外側の位置まで延びているものとして数えている。
また、ボス部(73)は、可動側鏡板部(71)の背面(図1における下面)に立設されている。ボス部(73)には、駆動軸(40)の偏心部(42)が挿入されている。
圧縮機構(20)では、図2に示すように、固定側ラップ(62)と可動側ラップ(72)との間に、複数の圧縮室(23)が形成されている。複数の圧縮室(23)は、固定側ラップ(62)の内面と可動側ラップ(72)の外面との間の第1圧縮室(23a)と、固定側ラップ(62)の外面と可動側ラップ(72)の内面との間の第2圧縮室(23b)とから構成されている。圧縮機構(20)は、第1圧縮室(23a)の圧縮比の方が第2圧縮室(23b)の圧縮比よりも大きくなるように構成されている。第1圧縮室(23a)には、可動側ラップ(72)の外端の外側から冷媒が流入し、第2圧縮室(23b)には、可動側ラップ(72)の外端の内側から冷媒が流入する。
また、圧縮機構(20)では、固定スクロール(60)に吸入ポート(25)が形成されている。吸入ポート(25)は、固定側ラップ(62)の最外周部の近傍に開口するように、外縁部(63)に形成されている。吸入ポート(25)は、図示しない連通ポートを通じて、低圧空間(21)に連通している。吸入ポート(25)は、可動スクロール(70)の偏心回転運動に伴って、第1圧縮室(23a)と第2圧縮室(23b)のそれぞれに間欠的に連通する。
また、固定スクロール(60)には吐出ポート(64)が形成されている。吐出ポート(64)は、固定側鏡板部(61)の中央部に形成された貫通孔により構成されている。吐出ポート(64)の入口は、可動スクロール(70)の偏心回転運動に伴って、第1圧縮室(23a)と第2圧縮室(23b)のそれぞれに間欠的に連通する。吐出ポート(64)の出口は、固定スクロール(60)の上側の吐出室(65)に開口している。
また、固定側鏡板部(61)には、第1圧縮室(23a)から圧縮過程の冷媒を逃がすためのリリーフポート(67)が設けられている。リリーフポート(67)は、一端が圧縮行程中の第1圧縮室(23a)に開口し、他端が高圧空間(22)に開口している。また、固定側鏡板部(61)には、リリーフポート(67)を開閉するリリーフバルブ(68)が設けられている。リリーフバルブ(68)は、リード弁と弁押さえにより構成されている。本実施形態では、リリーフポート(67)が、後述する背圧導入孔(80)よりも後に、第1圧縮室(23a)に連通するように形成されている。
本実施形態では、可動スクロール(70)を固定スクロール(60)に押し付けるための押付機構(75)が設けられている。押付機構(75)は、可動側鏡板部(71)の背面に臨む背圧室(53)と、背圧室(53)に第1圧縮室(23a)の冷媒を導入するための背圧導入通路(80)とを備えている。押付機構(75)は、背圧導入通路(80)を通じて背圧室(53)に導入した冷媒によって可動スクロール(70)を固定スクロール(60)に押し付けるように、構成されている。
具体的に、背圧室(53)は、図3に示すように、ハウジング(50)の上面に形成された環状の溝部(55)に配置された内側シールリング(56)及び外側シールリング(57)によって形成されている。外側シールリング(57)は、内側シールリング(56)よりも大径に形成されている。内側シールリング(56)及び外側シールリング(57)の高さは、溝部(55)の深さよりも大きい値に設定されている。内側シールリング(56)及び外側シールリング(57)は、可動側鏡板部(71)の背面と溝部(55)の底面とによって挟まれている。背圧室(53)は、内側が内側シールリング(56)によって区画され、外側が外側シールリング(57)によって区画され、上側が可動側鏡板部(71)の背面によって区画され、下側が溝部(55)の底面によって区画されている。背圧室(53)は環状の空間になっている。
背圧導入通路(80)は、可動側鏡板部(71)の前面から背面に亘って延びる1つの背圧導入孔(80)により構成されている。背圧導入孔(80)は、全長に亘って円形の断面になっている。背圧導入孔(80)は、入口部分(81)と中間部分(82)と出口部分(83)とを備えている。入口部分(81)は、可動側鏡板部(71)の前面から下方向(可動側鏡板部(71)の厚さ方向)に延びている。中間部分(82)は、入口部分(81)の下端から外側に真っ直ぐ延びている。出口部分(83)は、中間部分(82)の外端から下方向に真っ直ぐ延びている。背圧導入孔(80)では、中間部分(82)の途中から内径が大きくなっている。中間部分(82)は、小径領域(82a)と大径領域(82b)とを備えている。
背圧導入孔(80)の入口は、可動側ラップ(72)における渦巻きの内周側端部の近傍に開口している。背圧導入孔(80)の入口は、図4(B)に示すように、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)に連通すると共に、図4(C)に示すように、吐出ポート(64)が連通している状態の第1圧縮室(23a)に連通するように、その位置が決定されている。つまり、背圧導入孔(80)の入口は、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)の内圧が高圧空間(22)の圧力である吐出圧よりも高くなる過圧縮が生じる場合に、内圧が吐出圧よりも高くなっている過圧縮状態の第1圧縮室(23a)に連通すると共に、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)の内圧が吐出圧よりも低くなる圧縮不足が生じる場合に、内圧が吐出圧に昇圧された状態の第1圧縮室(23a)に連通する。
また、本実施形態では、背圧導入孔(80)の冷媒が第1圧縮室(23a)から背圧室(53)へ流れることを許容して、背圧室(53)から第1圧縮室(23a)へ冷媒が戻ることを阻止する逆流阻止機構(35)が設けられている。逆流阻止機構(35)は、逆止弁により構成され、背圧導入孔(80)に設けられている。逆流阻止機構(35)は、ボール状の弁部材(36)と、弾性バネにより構成された弾性部材(37)とを備えている。
弁部材(36)は、背圧導入孔(80)の中間部分(82)の大径領域(82b)に設けられている。弁部材(36)の直径は、大径領域(82b)の直径よりも小さくなっている。弁部材(36)は、弾性部材(37)によって、大径領域(82b)の入口側の壁面の弁座(38)に押し付けられている。
逆流阻止機構(35)は、第1圧縮室(23a)の内圧が背圧室(53)の内圧を超えて弾性部材(37)が縮むと、それに伴って弁部材(36)が弁座(38)から離れて、第1圧縮室(23a)から背圧室(53)への冷媒の流入を許容する開状態になる。また、逆流阻止機構(35)は、第1圧縮室(23a)の内圧が背圧室(53)の内圧以下である場合には、弁部材(36)が弾性部材(37)によって弁座(38)に押し付けられて、背圧室(53)から第1圧縮室(23a)への冷媒の流入を禁止する閉状態になる。
また、本実施形態では、図5(A)に示すように、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点(第1圧縮室(23a)に吐出ポート(64)が連通しない状態から連通する状態に変化する時点)において、駆動軸(40)の軸方向から見て、閉状態から開状態へ切り換わる場合に弁部材(36)が移動する向き(以下、「第1方向」という。)と、主軸部(41)の軸心(A)から偏心部(42)の軸心(B)へ向かう直線の向き(以下、「第2方向」という。)とが一致するように、背圧導入孔(80)が形成されている。つまり、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点では、駆動軸(40)の軸方向から見て、第1方向と第2方向のなす角度が0°になっている。
具体的に、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点では、背圧導入孔(80)の中間部分(82)の延伸方向が、可動スクロール(70)の偏心方向に一致している。そして、背圧導入孔(80)では、その入口部分(81)が内側に、その出口部分(83)側が外側に位置している。
このような構成により、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点では、弁部材(36)に作用する遠心力の方向が、第1方向と一致する。つまり、過圧縮が生じる場合に、第1圧縮室(23a)の内圧が最高圧力になる時点では、弁部材(36)に作用する遠心力の方向が、第1方向と一致する。このため、過圧縮が生じる場合に、第1圧縮室(23a)の内圧が最高圧力になる時点では、第1圧縮室(23a)側から弁部材(36)に作用する力と背圧室(53)側から弁部材(36)に作用する力との差が小さくても、つまり第1圧縮室(23a)の内圧と背圧室(53)の内圧との差が小さくても、弁部材(36)は第1方向に移動する。すなわち、逆流阻止機構(35)は、開きやすい状態になっている。
なお、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点において、逆流阻止機構(35)を開きやすい状態にするためには、その時点において、駆動軸(40)の軸方向から見て、第1方向と第2方向のなす角度(α)が、駆動軸(40)の回転方向を正とした場合に、−90°以上90°以下になっていればよい。つまり、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点の駆動軸(40)のクランク角をθ(°)とすると、クランク角がθ−90°以上θ+90°以下の所定の角度になる場合に、駆動軸(40)の軸方向から見て、第1方向と第2方向とが一致すればよい。
また、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点では、駆動軸(40)の軸方向から見て、上記第1方向と第2方向のなす角度(α)が、駆動軸(40)の回転方向を正とした場合に、0°以上90°以下になっていればさらに好ましい。このようになっていれば、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが最大となるのが、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点の以前となる。このため、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点よりも後に、弁部材(36)が弁座(38)に当接する位置に速やかに戻りやすくなる。
具体的に、図5(B)に示すように、第1方向と第2方向のなす角度(α)が90°に近い値(例えば80°)になっている場合には、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが比較的小さくなる。この第1方向成分の大きさは、ピーク値から減少する過程にある。このため、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点の直後に、上記第1方向成分の大きさは負の値になる。従って、第1圧縮室(23a)における圧縮行程の終了時点よりも後に、弁部材(36)が弁座(38)に当接する位置に速やかに戻りやすくなる。
−運転動作−
次に、上述したスクロール圧縮機 (10)の運転動作について説明する。
本実施形態のスクロール圧縮機(1)は、電動機(30)に通電すると、駆動軸(40)が回転し、可動スクロール(70)が偏心回転運動を行う。なお、図4には、駆動軸(40)の回転に伴う可動スクロール(70)の位置の変化が示されている。図4では、(A)、(B)、(C)、(D)の順番に、可動スクロール(70)の位置が変化する。
第1圧縮室(23a)及び第2圧縮室(23b)では、吸入ポート(25)が連通する間が、吸入ポート(25)を通じて低圧空間(21)の冷媒を吸入する吸入行程となる。吸入行程中の圧縮室(23a,23b)には、その容積が増大するのに伴って冷媒が吸い込まれる。そして、圧縮室(23a,23b)では、吸入ポート(25)から閉じきられると、吸入行程が終了し、冷媒を圧縮する圧縮行程が開始される。
圧縮行程中の圧縮室(23a,23b)は、可動スクロール(70)の回転に伴って、その容積を減少させながら中心部へ移動していく。その際に、圧縮室(23a,23b)の冷媒が圧縮される。圧縮室(23a,23b)では、吐出ポート(64)に連通するまで、圧縮行程が行われる。そして、圧縮室(23a,23b)に吐出ポート(64)が連通すると、吐出ポート(64)を通じて冷媒を吐出する吐出行程が開始される。吐出行程中の圧縮室(23a,23b)から吐出された冷媒は、吐出管(15)から吐出される。
本実施形態では、背圧導入孔(80)の入口が、圧縮行程の後半の第1圧縮室(23a)に連通する。背圧導入孔(80)の入口は、図4(A)に示す位置から図4(B)に示す位置まで、可動スクロール(70)が移動する間に亘って、第1圧縮室(23a)に連通する。背圧導入孔(80)の入口は、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)に連通する。なお、背圧導入孔(80)の入口は、リリーフポート(67)よりも先に、第1圧縮室(23a)に連通する。
また、背圧導入孔(80)の入口は、吐出行程中の第1圧縮室(23a)にも連通する。背圧導入孔(80)の入口は、図4(C)に示す位置から図4(D)に示す位置まで、可動スクロール(70)が移動する間に亘って、第1圧縮室(23a)に連通する。背圧導入孔(80)の入口は、吐出ポート(64)が連通している状態の第1圧縮室(23a)に連通する。
ここで、低差圧の運転条件で過圧縮が生じる場合には、図6に示すように、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)の内圧が吐出圧よりも高くなる一方で、吐出ポート(64)が連通している状態の第1圧縮室(23a)の内圧が吐出圧になる。つまり、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)の内圧の方が、吐出ポート(64)が連通している状態の第1圧縮室(23a)の内圧よりも高くなる。背圧導入孔(80)の入口は、可動スクロール(70)の回転に伴って、内圧が高い状態の第1圧縮室(23a)と、内圧が低い状態の第1圧縮室(23a)とに交互に連通する。
なお、図6には、過圧縮も圧縮不足も生じない場合の第1圧縮室(23a)の内圧の変化が実線で示され、過圧縮が生じるときの場合の第1圧縮室(23a)の内圧の変化が一点鎖線で示され、圧縮不足が生じるときの場合の第1圧縮室(23a)の内圧の変化が破線で示されている。
また、高差圧の運転条件で圧縮不足が生じる場合には、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)の内圧が吐出圧よりも低くなる一方で、吐出ポート(64)が連通している状態の第1圧縮室(23a)の内圧が吐出圧になる。つまり、吐出ポート(64)が連通している状態の第1圧縮室(23a)の内圧の方が、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)の内圧よりも高くなる。背圧導入孔(80)の入口は、過圧縮が生じる場合と同様に、可動スクロール(70)の回転に伴って、内圧が高い状態の第1圧縮室(23a)と、内圧が低い状態の第1圧縮室(23a)とに交互に連通する。
ここで、背圧導入孔(80)では、冷媒が背圧室(53)から第1圧縮室(23a)に戻ることが、逆流阻止機構(35)によって阻止される。従って、背圧導入孔(80)の入口が内圧が高い状態の第1圧縮室(23a)に連通するときに、逆流阻止機構(35)が開状態になって、その第1圧縮室(23a)から背圧室(53)に冷媒が導入される。また、背圧導入孔(80)の入口が内圧が低い状態の第1圧縮室(23a)に連通するときに、逆流阻止機構(35)が閉状態になって、背圧室(53)の冷媒が第1圧縮室(23a)に戻ることが阻止される。逆流阻止機構(35)を設けることで、背圧導入通路(80)が内圧が低い状態の第1圧縮室(23a)に連通するときに、背圧室(53)の冷媒が第1圧縮室(23a)に戻ることが原因で背圧室(53)の内圧が減少することがある程度回避される。背圧室(53)の内圧は、内圧が高い状態の第1圧縮室(23a)に近づくように調節される。
このため、過圧縮が生じる場合は、背圧室(53)の内圧が、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)の内圧に近づくように調節される。一方、圧縮不足が生じる場合は、背圧室(53)の内圧が、吐出ポート(64)が連通している状態の第1圧縮室(23a)の内圧に近づくように調節される。本実施形態では、過圧縮が生じる場合であっても、圧縮不足が生じる場合であっても、第1圧縮室(23a)での冷媒の圧力変化における最高圧力に近づくように、背圧室(53)の内圧が調節される。そして、最終的に、背圧室(53)の内圧が、第1圧縮室(23a)での冷媒の圧力変化における最高圧力に概ね等しい圧力に保持される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、過圧縮が生じる場合であっても、圧縮不足が生じる場合であっても、冷媒の圧力変化において最高圧力になる第1圧縮室(23a)に背圧導入通路(80)が連通すると共に、背圧室(53)の内圧が減少することが逆流阻止機構(35)によって阻止されるので、第1圧縮室(23a)での冷媒の圧力変化における最高圧力に近い又は等しい圧力に背圧室(53)の内圧が保持される。離反力は、冷媒の圧力変化において最高圧力になるときに最大になる。本実施形態では、何れの場合においても、背圧室(53)の内圧が、離反力が最大になるときに合わせて調節されている。従って、如何なる運転条件であっても、離反力に対して押付力が不足することを回避することができる。そして、押付力不足によって可動スクロール(70)が傾くことが原因で、圧縮室(23a,23b)から冷媒が漏れて圧縮効率が低下することを回避することができる。
また、本実施形態では、リリーフポート(67)が背圧導入通路(80)よりも後に第1圧縮室(23a)に連通するので、リリーフポート(67)によって圧力が低下する前の第1圧縮室(23a)から背圧室(53)に冷媒が導入される。このため、過圧縮が生じる場合に、圧力の高い冷媒を背圧室(53)に導入して押付力を確保しつつ、過圧縮の度合いを低減させることができる。
また、本実施形態では、背圧導入通路(80)が、第1圧縮室(23a)と第2圧縮室(23b)のうち圧縮比が大きい方の第1圧縮室(23a)だけに、吐出ポート(64)が連通する直前に連通する。このため、過圧縮が生じる場合に、第1圧縮室(23a)の最高圧力と第2圧縮室(23b)の最高圧力のうち高い方に合わせて、背圧室(53)の内圧が調節される。従って、大きな押付力が得られるので、離反力に対して押付力が不足することを確実に回避することができる。
また、本実施形態では、過圧縮が生じる場合に第1圧縮室(23a)の内圧が最高圧力になる時点において、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが、ゼロ以上になるようにしている。このため、第1圧縮室(23a)の内圧と背圧室(53)の内圧との差が小さくても、弁部材(36)が冷媒の流通を許容する位置へ移動する。従って、背圧室(53)の内圧をより高い圧力に昇圧することができる。
また、本実施形態では、弁部材(36)に作用する遠心力の第1方向成分の大きさが最大となるのが、第1圧縮室(23a)の内圧が最高圧力になる時点の以前になるようにしている。このため、上記時点の後に、弁部材(36)が冷媒の流通を阻止する位置に速やかに戻りやすくなる。従って、過圧縮が生じる場合に、吐出ポート(64)が連通して圧力が低下した第1圧縮室(23a)に背圧室(53)が連通する時間が長くなることを回避することができるので、背圧室(53)の圧力が低下することを抑制することができる。
−実施形態の変形例1−
この変形例1では、図7に示すように、スクロール圧縮機(1)が背圧低減機構(26)を備えている。背圧低減機構(26)は逆止弁により構成されている。
具体的に、ハウジング(50)には、背圧低減機構(26)を収容する収容室(27)と、背圧室(53)と収容室(27)とを連通させる入口側通路(28)と、収容室(27)とハウジング(50)の内面と駆動軸(40)の外面との間の軸側空間(24)とを連通させる出口側通路(29)とが形成されている。
なお、軸側空間(24)は低圧空間(21)に連通している。このため、軸側空間(24)は、吸入ポート(25)を介して、吸入行程中の圧縮室(23)に連通する。軸側空間(24)の内圧は、吸入行程中の圧縮室(23)の内圧に等しくなる。軸側空間(24)は吸入側空間(24)を構成している。
収容室(27)は、上下方向に延びる円形断面の空間になっている。また、入口側通路(28)は、一端が溝部(55)の底面に開口し、他端が収容室(27)の上端に開口している。入口側通路(28)は、収容室(27)よりも小径断面になっている。これにより、収容室(27)の上壁面における入口側通路(28)の開口の周囲には、後述する低減用弁部材(46)用の弁座が形成されている。また、出口側通路(29)は、一端が収容室(27)の壁面に開口し、他端がハウジング(50)の内壁面に開口している。
背圧低減機構(26)は、略ボール状の低減用弁部材(46)と、弾性バネにより構成された低減用弾性部材(47)とを備えている。低減用弁部材(46)は、低減用弾性部材(47)によって収容室(27)の上壁面の弁座に押し付けられている。
背圧低減機構(26)では、背圧室(53)の内圧が軸側空間(24)の内圧を超えると、つまり、背圧室(53)の内圧が吸入行程中の圧縮室(23)の内圧を超えると、低減用弁部材(46)が縮んで、低減用弁部材(46)が弁座から離れて下方へ移動する。低減用弁部材(46)は、背圧室(53)の内圧と吸入行程中の圧縮室(23)の内圧との差が拡大するのに伴って、下方へ移動してゆく。そして、背圧室(53)の内圧と吸入行程中の圧縮室(23)の内圧との差が所定の差圧基準値以上になると、低減用弁部材(46)が出口側通路(29)の開口を塞ぐ高さよりも下側にまで移動して、背圧室(53)と軸側空間(24)とが連通し、背圧低減機構(26)が開状態になる。背圧室(53)と軸側空間(24)とが連通すると、背圧室(53)内の冷媒が軸側空間(24)に流出し、背圧室(53)の内圧が低下する。
なお、差圧基準値は、過圧縮が生じる場合には背圧低減機構(26)が開状態にならず、圧縮不足が生じる場合にだけ背圧低減機構(26)が開状態になるように設定されている。具体的に、差圧基準値は、吸入行程中の圧縮室(23)の内圧と圧縮行程の終了時点の圧縮室(23)の内圧との差圧の想定値よりも小さくなるように設定されている。吸入行程中の圧縮室(23)の内圧の想定値は、例えば冷媒回路における蒸発器の想定蒸発温度から得ることができ、圧縮行程の終了時点の圧縮室(23)の内圧の想定値は、吸入過程の圧縮室(23)の内圧の想定値に圧縮機構(20)の圧縮比を乗じることによって得ることができる。
この変形例1では、圧縮不足が生じる場合に、背圧低減機構(26)によって背圧室(53)の内圧を低減させることで、背圧室(53)の内圧と吸入過程の圧縮室(23)の内圧との差を小さくすることができる。つまり、押付力と離反力との差を小さくすることができる。従って、圧縮不足が生じる場合に、スラスト損失が過大になることを抑制することができる。
−実施形態の変形例2−
この変形例2では、図8及び図9に示すように、背圧導入通路(80)は、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)に連通する第1入口(91)と、吐出ポート(64)が連通する直前の第2圧縮室(23b)に連通する第2入口(92)とを備えている。背圧導入通路(80)では、第1入口(91)から延びる通路と、第2入口(92)から延びる通路とが、逆流阻止機構(35)よりも圧縮室(23)側で合流している。
この変形例2では、背圧室(53)が、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)と吐出ポート(64)が連通する直前の第2圧縮室(23b)との両方に連通するようにしている。このため、背圧室(53)が第1圧縮室(23a)と第2圧縮室(23b)の一方だけに連通する場合に比べて、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)に背圧室(53)が連通している時間が長くなる。従って、過圧縮が生じる場合に、吐出ポート(64)が連通する直前の圧縮室(23)の冷媒が背圧室(53)に導入されやすくなるので、背圧室(53)の内圧をより確実に安定して昇圧させることができる。
なお、背圧導入通路(80)が、吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)に連通する第1入口(91)を有する第1背圧導入孔(80a)と、吐出ポート(64)が連通する直前の第2圧縮室(23b)に連通する第2入口(92)を有する第2背圧導入孔(80b)とにより構成されていてもよい。各背圧導入孔(80a,80b)の出口は、それぞれ背圧室(53)に連通している。また、各背圧導入孔(80a,80b)には、逆流阻止機構(35a,35b)がそれぞれ設けられている。
この場合、第1圧縮室(23a)と第2圧縮室(23b)のうち圧縮比が小さい圧縮室(23a,23b)に対応する背圧導入孔(80a,80b)の逆流阻止機構(35a,35b)の方が、もう一方の逆流阻止機構(35a,35b)よりも、弾性部材(37)による弁部材(36)の押付力を小さくすることで、両圧縮室(23a,23b)からある程度均等に冷媒を導入することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、可動側ラップ(72)と固定側ラップ(62)とが対称に形成された対称渦巻き構造であってもよい。
また、上記実施形態について、背圧導入通路(80)の入口が、吐出ポート(64)が連通する直前から該吐出ポート(64)が連通した直後までの間に亘って連続的に圧縮室(23)に連通するように、その位置が決定されていてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける機構を備えたスクロール圧縮機について有用である。
10 スクロール圧縮機
20 圧縮機構
23a 第1圧縮室
23b 第2圧縮室
35 逆流阻止機構
36 弁部材
37 弾性バネ
38 弁座
40 駆動軸
53 背圧室
60 固定スクロール
61 固定側鏡板部
62 固定側ラップ
64 吐出ポート
70 可動スクロール
71 可動側鏡板部
72 可動側ラップ
75 押付機構
80 背圧導入通路

Claims (7)

  1. 固定スクロール(60)と、
    上記固定スクロール(60)に噛み合わされて、該固定スクロール(60)と共に圧縮室(23)を形成する可動スクロール(70)とを備え、
    上記可動スクロール(70)を駆動することによって上記圧縮室(23)内の流体を圧縮するスクロール圧縮機であって、
    上記固定スクロール(60)には吐出ポート(64)が形成される一方、
    上記可動スクロール(70)の可動側鏡板部(71)の背面に臨む背圧室(53)と、上記吐出ポート(64)が連通する直前の状態と該吐出ポート(64)が連通している状態の圧縮室(23)を上記背圧室(53)に連通させるための背圧導入通路(80)とを有して、上記背圧室(53)の内圧によって上記可動スクロール(70)を上記固定スクロール(60)に押し付ける押付機構(75)と、
    上記背圧導入通路(80)の流体が上記圧縮室(23)から上記背圧室(53)へ流れることを許容して、上記背圧室(53)から上記圧縮室(23)へ戻ることを阻止する逆流阻止機構(35)とを備えていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記固定スクロール(60)及び上記可動スクロール(70)を収容するケーシング(10)内には、流体を吸入する過程の圧縮室(23)に連通する吸入側空間(24)が形成される一方、
    上記背圧室(53)の内圧と上記吸入側空間(24)の圧力との差が所定の差圧基準値以上になると、該背圧室(53)を該吸入側空間(24)に連通させる背圧低減機構(26)を備えていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記固定スクロール(60)には、上記吐出ポート(64)が連通する直前に上記背圧導入通路(80)が連通する圧縮室(23)から圧縮過程の流体を逃がすためのリリーフポート(67)が、上記背圧導入通路(80)よりも後に該圧縮室(23)に連通するように形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    上記圧縮室(23)としては、上記固定スクロール(60)の固定側ラップ(62)の内側面と上記可動スクロール(70)の可動側ラップ(72)の外側面との間の第1圧縮室(23a)と、該固定側ラップ(62)の外側面と該可動側ラップ(72)の内側面との間の第2圧縮室(23b)とが形成される一方、
    上記可動スクロール(70)及び上記固定スクロール(60)は、上記第1圧縮室(23a)の圧縮比と上記第2圧縮室(23b)の圧縮比とが互い相違するように構成され、
    上記背圧導入通路(80)は、上記第1圧縮室(23a)と第2圧縮室(23b)のうち圧縮比が大きい方の圧縮室(23a)だけに、該圧縮室(23a)に上記吐出ポート(64)が連通する直前に連通することを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    上記圧縮室(23)としては、上記固定スクロール(60)の固定側ラップ(62)の内側面と上記可動スクロール(70)の可動側ラップ(72)の外側面との間の第1圧縮室(23a)と、該固定側ラップ(62)の外側面と該可動側ラップ(72)の内側面との間の第2圧縮室(23b)とが形成される一方、
    上記背圧導入通路(80)は、上記吐出ポート(64)が連通する直前の第1圧縮室(23a)に連通する第1入口(91)と、上記吐出ポート(64)が連通する直前の第2圧縮室(23b)に連通する第2入口(92)とを備えていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    主軸部(41)と、該主軸部(41)に対して偏心して上記可動スクロール(70)に係合する偏心部(42)とを有する駆動軸(40)を備え、
    上記背圧導入通路(80)は、上記可動スクロール(70)に形成される一方、
    上記逆流阻止機構(35)は、上記背圧導入通路(80)における流体の流通を阻止する状態から許容する状態に切り換わる場合に所定の第1方向に移動する弁部材(36)を備え、
    上記背圧導入通路(80)が連通している圧縮室(23)に上記吐出ポート(64)が連通する状態に変化する時点では、上記駆動軸(40)の軸方向から見て、上記第1方向と、上記主軸部(41)の軸心から上記偏心部(42)の軸心へ向かう直線の向きである第2方向とのなす角度が、該駆動軸(40)の回転方向を正とした場合に、−90°以上90°以下になっていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 請求項6において、
    上記第1方向と上記第2方向とのなす角度は、上記駆動軸(40)の回転方向を正とした場合において0°以上90°以下になっていることを特徴とするスクロール圧縮機。
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