JP2011052153A - 潤滑油用添加剤、及び該添加剤を含む潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油用添加剤、及び該添加剤を含む潤滑油組成物 Download PDF

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Hiroaki Koshima
宏明 甲嶋
Hideki Kamano
秀樹 鎌野
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Abstract

【課題】優れた耐荷重能と耐摩耗性を有する上、銅などの非鉄金属に対する腐食性が低く、かつ耐加水分解性に優れる潤滑油用添加剤、及び該添加剤を含む潤滑油組成物を提供することを提供すること。
【解決手段】 一般式(I)
1OOC−A1−Sx−A2−COOR2 ・・・(I)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数3〜18の分岐を有するアルキル基、A1及びA2は、それぞれ独立にCR34、もしくはCR56−CR78で表される基であって、R3〜R8はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基、xは2を示す。)で表されるジスルフィド化合物を主成分とする潤滑油用添加剤、並びに該添加剤を含む潤滑油組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、極圧添加剤や耐摩耗剤として優れた機能を有し、耐腐食性や耐加水分解性に優れる特定構造のジスルフィド化合物を主成分とする潤滑油用添加剤、及び該添加剤を含む潤滑油組成物に関するものである。
従来、内燃機関や、自動変速機、緩衝器、パワーステアリングなどの駆動系機器などには、その作動を円滑にするために潤滑油が用いられているが、高出力、高荷重のもとでは潤滑性能が不足し、潤滑面が摩擦・摩耗し、遂には焼付きを起こすことがよく知られている。したがって、極圧添加剤や耐摩耗剤などを配合した潤滑油が用いられている。しかしながら、従来の極圧添加剤は、他の添加剤との相互作用により、充分な焼付き防止効果が発揮されなかったり、金属を腐食したり、耐摩耗性に劣るなど、必ずしも充分に満足し得るものではなかった。
また、切削加工、研削加工あるいは塑性加工等の金属加工に用いられる金属加工油としては、鉱油や合成系炭化水素油に、アルコール類、脂肪酸エステル類、脂肪酸等の油性剤や極圧添加剤を配合することによって調製され、加工性を向上させることが試みられている。
しかし、このような金属加工油には、生産性の向上や省エネルギーの観点から、加工性をさらに向上させることができる新たな加工油が要望されている。同時に、従来から極圧添加剤として幅広く使用されてきた塩素系極圧添加剤は、人体にかぶれを生じさせたり、対象金属に錆を発生させるなど、作業環境を悪化させる原因をなしているため、その使用を控える傾向にある。
上記のような要望に応えた金属加工油として、基油に活性イオウを含有する硫化オレフィンと過塩基性スルホネートを添加した油剤が市販されている。
上記市販の金属加工油は、耐溶着性が良好で、工具の異常摩耗(例えば欠けなど)や加工面のむしれを防止できる性能を有している。しかし、比較的低負荷の摩擦が繰り返される加工では、活性イオウによる工具の腐食摩耗が進行し、工具の交換あるいは再研磨までの期間が短くなるため、生産能率を阻害する場合が多かった。逆に、始めから異常摩耗が問題にならない金属加工では、むしろ生産能率の低下を招くこともしばしばであった。
次に、作動油は、例えば油圧機器や装置などの油圧システムにおける動力伝達、力の制御、緩衝などの作動に用いられる動力伝達流体であり、摺動部分の潤滑の機能も果たしている。
このような作動油においては、特に荷重焼付防止性及び耐摩耗性に優れることが不可欠な基本的性能であり、したがって、鉱油や合成油などの基油に、極圧添加剤や摩耗防止剤などを配合することによって、上記性能が付与されている。しかしながら、従来の極圧添加剤は、荷重焼付防止効果は充分であっても、耐摩耗性が不充分であったり、腐食摩耗を発生させたりするなど、必ずしも充分に満足しうるものではなかった。
さらに、ギヤ油、特に自動車用ギヤ油は、近年積載量の増加、あるいは高速道路網の発達による長距離輸送などの運転条件の過酷化や、更油間隔の延長などに伴い、耐摩耗性及び酸化安定性の向上が急務となっている。
これまで、潤滑油基油に対し、硫化油脂、硫化オレフィン、リン酸系やチオリン酸系化合物、ジチオリン酸亜鉛などの極圧添加剤又は耐摩耗添加剤を主として配合することが行われているが、さらなる耐摩耗性、酸化安定性、摩耗係数比(低速/高速)の低減が求められている。
従来、潤滑油の極圧添加剤として、硫黄系極圧添加剤がよく用いられている。この硫黄系極圧添加剤は、分子内に硫黄原子を有し、基油に溶解又は均一に分散して極圧効果を発揮するものであり、例えば硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、ポリスルフィド、硫化オレフィン、チオカーバメート類、チオテルペン類、ジアルキルチオジプロピオネート類などが知られている。しかしながら、これらの硫黄系極圧添加剤は、金属を腐食したり、他の添加剤との相互作用により、焼付き防止効果が充分に発揮されなかったり、あるいは耐摩耗性が不充分であるなどの問題を有し、必ずしも満足し得るものではなかった。
最近、硫黄系極圧添加剤として、一般式(V)
1OOC−R2−Sx−R3−COOR4 ・・・(V)
(式中、R1及びR4は、それぞれ炭素数1〜20の炭化水素基、R2及びR3は、それぞれ炭素数0〜20の炭化水素基、xは1〜6の整数を示す。)
で表される化合物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記特許文献1によると、一般式(V)の化合物は、モノクロロ酢酸エステルなどの塩素化エステルと多硫化ナトリウムとを反応させて製造されることから、モノスルフィド、ジスルフィド及びトリスルフィド以上のポリスルフィドからなる混合物になるのを避けられないため、銅に対する腐食性が強くなる。したがってこのような混合物は、極圧添加剤として好ましいものではない。また、R2及びR3で表される二価の炭化水素基については、炭素数が記載されているのみで、その構造についてはなんら説明がなされておらず、どのような構造のものが好ましいかは不明である。
また、潤滑油用途として、一般式(VI)
5OOC−CH2−Sx−CH2−COOR6 ・・・(VI)
で表される化合物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記特許文献2によると、一般式(VI)の化合物は、R5、R6はアルキル、アリル、シクロアルキルとの記載があるものの、直鎖のC4のアルキル基(n−ブチル基)の実施例があるのみで、その構造についてはなんら説明がなされておらず、どのような構造のものが好ましいかは不明である。
また特許文献3には、ジチオジグリコール酸誘導体として、アルキルエステルの記載があるが、同様に、その構造についてはなんら説明がなされておらず、また、どのような特性を有し、どのような用途に有効であるかも明確ではない。
一つの分子中に二つの極性基を有する例として、一般式(VII)
25OOC−(CH2n−Sx−(CH2n−COOC25 ・・・(VII)
で表される化合物が開示されている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
しかしながら、前記特許文献1,2によると、一般式(VII)の化合物の末端は、エトキシ基であり、油溶性や耐加水分解性に優れるとは言えない。さらに、−(CH2n−を大きくすれば、油溶性は向上するものの極圧性、耐摩耗性が低下してしまう。
本発明者は、これまでに優れた耐荷重性能と耐摩耗性を有し、銅に対する腐食性が低いジチオジグリコール酸アルキルエステルとして、
1OOC−A1−Sx−A2−COOR2 ・・・(VII)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜30の炭化水素基、A1及びA2は、それぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基、xは2を示す。)
を見出した(例えば、特許文献4参照)。
しかし、上記した従来のジチオジグリコール酸アルキルエステル類と同様に、耐加水分解性が充分ではなく、加水分解することによって、油溶性に劣るジチオジグリコール酸を生成し、スラッジ化する欠点があることが見出された。
特開2001−288490号 米国特許2691000号 英国特許659751号 WO2004/069966号
石油製品添加剤、幸書房、223(1986.7.25) Wear, 15, 341(1970)
本発明は、このような状況下で、従来の硫黄系極圧添加剤に比べて、優れた耐荷重能と耐摩耗性を有する上、銅などの非鉄金属に対する腐食性が低く、かつ耐加水分解性に優れる潤滑油用添加剤、及び該添加剤を含む潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の分子構造を有するジスルフィド化合物を用いることにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
〔1〕一般式(I)
1OOC−A1−Sx−A2−COOR2 ・・・(I)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数3〜18の分岐を有するアルキル基、A1及びA2は、それぞれ独立にCR34、もしくはCR56−CR78で表される基であって、R3〜R8はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基、xは2を示す。)
で表されるジスルフィド化合物を主成分とする潤滑油用添加剤、
〔2〕 前記一般式(I)におけるR1及びR2が、それぞれ独立に、1位(α位)、3位(γ位)及び5位(ε位)の中から選ばれる1以上の結合位置に、分岐を合計で1つ以上有するアルキル基である前記〔1〕記載の潤滑油用添加剤、
〔3〕 前記一般式(I)におけるR1及びR2の分岐鎖がいずれもメチル基である前記〔1〕又は[2]記載の潤滑油用添加剤、
〔4〕前記一般式(I)におけるxが3以上のポリスルフィド化合物の含有量が、前記ジスルフィド化合物との合計量に基づき、10質量%以下であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の潤滑油用添加剤、
〔5〕(A)潤滑油基油と、(B)前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の潤滑油用添加剤を含むことを特徴とする潤滑油用組成物、
〔6〕(B)成分の含有量が0.01〜10質量%である前記〔5〕記載の潤滑油組成物、
〔7〕一般式(II)および一般式(III)
HS−A1−COOR1 ・・・(II)
HS−A2−COOR2 ・・・(III)
(式中、R1、R2、A1及びA2は前記[1]記載のものと同じ)
で表されるメルカプトアルカンカルボン酸エステルを酸化カップリングすることにより得られる前記一般式(I)の化合物からなる潤滑油用添加剤、
を提供するものである。
本発明によれば、従来の硫黄系極圧添加剤に比べて、優れた耐荷重性能と耐摩耗性を有する上、銅などの非鉄金属に対する腐食性が低く、かつ耐加水分解性に優れる潤滑油用添加剤、及びに該添加剤を含む潤滑油組成物を提供することができる。
本発明の潤滑油用添加剤に用いられる一般式(I)で表される化合物は、下記の構造
1OOC−A1−Sx−A2−COOR2 ・・・(I)
を有するジスルフィド化合物である。
前記一般式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立に分岐を有する炭素数3〜18のアルキル基であり、好ましくは炭素数4〜18、さらに好ましくは炭素数5〜12の分岐を有するアルキル基である。R1及びR2のアルキル基の炭素数が2以下であれば、分岐を有するアルキル基を形成できず、またアルキル基の炭素数が19以上になると、溶解性は向上するものの極圧性と耐摩耗性が低下してしまう恐れがあり好ましくない。
前記一般式(I)におけるR1及びR2の分岐を有するアルキル基としては、それぞれ独立に、1位(α位)、3位(γ位)及び5位(ε位)の中から選ばれる1以上の結合位置に、分岐を合計で1つ以上有するアルキル基であることが好ましい。
すなわち、前記R1及びR2が1位(α位)、3位(γ位)もしくは5位(ε位)の結合位置に合計で1つ以上の分岐を有するアルキル基であれば、耐加水分解性などの性能を著しく高める効果を発現する。
また、分岐を2つ以上有する場合の分岐鎖の結合位置は、上記のとおり1位,3位もしくは5位に分岐を合計で2つ以上有するものが好ましく、中でも、少なくとも1位と3位、1位と5位、もしくは3位と5位に合計で2つ以上の分岐を有するアルキル基が好ましい。
前記一般式(I)におけるR1及びR2の分岐を有するアルキル基は、もちろん前記1位、3位、5位以外にも分岐を有していてもよい。
前記R1及びR2の分岐を有するアルキル基の分岐鎖としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が一層好ましく、特にメチル基が好ましい。
また、R1、R2中に存在する分岐鎖の数としては、上記のとおりそれぞれ独立に1以上であり、好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3である。
前記R1、R2の分岐を有するアルキル基の好適な具体例としては、例えば1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1−エチルヘキシル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、1−プロピルペンチル基、3−メチルヘプチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−メチルノニル基、1−エチルオクチル基、1−プロピルヘプチル基、1−ブチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、1−メチルウンデシル基、1−メチルテトラデシル基、1−メチルヘキサデシル基、1−メチルヘプタデシル基などを挙げることができる。このR1及びR2は、たがいに同一であってもよく、異なっていてもよいが、製造上の理由から、同一であることが好ましい。
前記一般式(I)において、A1及びA2は、それぞれ独立にCR34、もしくはCR56−CR78で表される基であって、R3〜R8はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基である。
1及びA2が、CR34で表される基である場合の具体例としては、例えばメチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、プロピルメチレン基、ブチルメチレン基、ジメチルメチレン基などが挙げられる。
また、A1及びA2が、CR56−CR78で表される基である場合の具体例としては、例えばエチレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基、1−ブチルエチレン基、2−ブチルエチレン基、1−ヘキシルエチレン基、2−ヘキシルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,2−ジエチルエチレン基、1,2−ジブチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
前記A1及びA2はたがいに同一であってもよく、異なっていてもよいが、製造上の理由から、同一であることが好ましい。
また、前記一般式(I)において、xは2である。
本発明の潤滑油用添加剤においては、前記一般式(I)におけるxが3以上のポリスルフィドの含有量は、前記ジスルフィド化合物との合計量に基づき、10質量%以下である。この含有量が10質量%を超えると銅などの非鉄金属に対する腐食性が強くなる。xが3以上のポリスルフィド化合物の含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、特に好ましくは、含まれていないことが好ましい。
したがって、前記一般式(I)で表されるジスルフィド化合物の製造においては、xが3以上のポリスルフィド化合物の副生量が、前記の範囲になるような方法を採用することが肝要である。本発明においては、例えば以下に示す方法に従って製造するのが好ましい。
すなわち、原料として、一般式(II)
1OOC−A1−SH ・・・(III)
(式中、R1及びA1は前記と同じである。)
で表されるメルカプトアルカンカルボン酸エステルを用い、これを過酸化水素やジメチルスルホキシドなどの酸化剤にて、酸化二量化することにより、一般式(I−a)
(R1OOC−A1−S)−2 ・・・(I−a)
(式中、R1及びA1は前記と同じである。)
で表されるジスルフィド化合物を製造する。このような方法によると、トリスルフィド以上のポリスルフィド化合物の副生は、実質上起こらない。
なお、酸化剤としては、上記過酸化水素やジメチルスルホキシド以外に、酸素、ハロゲン(ヨウ素、臭素)、次亜ハロゲン酸(塩)、ジイソプロピルスルホキシド、酸化マンガン(IV)等をもちいてもよい。
前記一般式(I)で表されるジスルフィド化合物の具体例としては、例えばビス(1−メチルエトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,1−ジメチルエトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルプロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(3−メチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,2−ジメチルプロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(3−メチルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,1−ジメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,2−ジメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,3−ジメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(2,3−ジメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチル−1−エチルプロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,2,2−トリメチルプロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−エチル−2−メチルプロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,1−ジエチルプロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(3−メチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−エチルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−プロピルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,1−ジメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−エチル−2,2−ジメチルプロポキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,3−ジメチルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,4−ジメチルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(2,3−ジメチルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,1,2−トリメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,1,3−トリメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,2,2−トリメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−エチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−エチル−3−メチルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−エチル−4−メチルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−プロピルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(3−メチルヘプトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,5−ジメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(2,3−ジメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(3,4−ジメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1,1,3,3−テトラメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルウンデトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルオクトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−エチルヘプトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−プロピルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−ブチルペントキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルノノキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−エチルオクトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−プロピルヘプトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−ブチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(3,7−ジメチルオクトキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルテトラデソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルヘキサデソキシカルボニルメチル)ジスルフィド、ビス(1−メチルヘプタデソキシカルボニルメチル)ジスルフィドなどを挙げることができる。
これらのジスルフィド化合物は、硫黄系極圧添加剤として、耐荷重能及び耐摩耗性に優れ、しかも耐腐食性、耐加水分解性にも優れており、潤滑油用添加剤として用いられる。
本発明の潤滑油用添加剤においては、前記一般式(I)で表されるジスルフィド化合物を一種含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
次に、本発明の潤滑油組成物は、(A)潤滑油基油と、(B)前述のジスルフィド化合物を含む潤滑油用添加剤を含有するものである。このような潤滑油組成物には、内燃機関や、自動変速機、緩衝器、パワーステアリングなどの駆動系機器、ギヤなどに用いられる自動車用潤滑油、切削加工、研削加工、塑性加工などの金属加工に用いられる金属加工油、油圧機器や装置などの油圧システムにおける動力伝達、力の制御、緩衝などの作動に用いる動力伝達流体でもある作動油などとして用いられるものなどを含む。
本発明の潤滑油組成物において、(A)成分として用いられる潤滑油基油としては特に制限はなく、該組成物の使用目的や使用条件などに応じて鉱油や合成油の中から適宜選ばれる。ここで、鉱油としては、例えばパラフィン基系原油、中間基系原油又はナフテン基系原油を常圧蒸留するか、あるいは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、又はこれらを常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、白土処理油などが挙げられる。
また、合成油としては、例えば低分子量ポリブテン、低分子量ポリプロピレン、炭素数8〜14のα−オレフィンオリゴマー及びこれらの水素化物、さらにはポリオールエステル(トリメチロールプロパンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステルなど)や二塩基酸エステル、芳香族ポリカルボン酸エステル、リン酸エステルなどのエステル系化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどのアルキルアロマ系化合物、ポリアルキレングリコールなどのポリグリコール油、シリコーン油などが挙げられる。
これらの基油は、一種を用いてもよく、二種以上を適宜組み合せて用いてもよい。
本発明の潤滑油組成物における(B)成分の潤滑油用添加剤の含有量は、該組成物の使用目的や使用条件などに応じて適宜選定されるが、一般に0.01〜10質量%の範囲である。自動車用潤滑油や作動油の場合、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%の範囲であり、金属加工油の場合、通常0.1〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%の範囲である。
本発明の潤滑油組成物においては、使用目的に応じ、各種添加剤、例えば他の摩擦調整剤(油性剤、他の極圧添加剤)や耐摩耗剤、無灰系分散剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、金属腐食防止剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤などを適宜含有させることができる。
他の摩擦調整剤や耐摩耗剤としては、例えば硫化オレフィン、ジアルキルポリスルフィド、ジアリールアルキルポリスルフィド、ジアリールポリスルフィドなどの硫黄系化合物、リン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、アルキルハイドロゲンホスファイト、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩などのリン系化合物、塩素化油脂、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、塩素化脂肪酸などの塩素系化合物、アルキル若しくはアルケニルマレイン酸エステル、アルキル若しくはアルケニルコハク酸エステルなどのエステル系化合物、アルキル若しくはアルケニルマレイン酸、アルキル若しくはアルケニルコハク酸などの有機酸系化合物、ナフテン酸塩、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnDTC)、ジチオリン酸モリブデン(MoDTP)、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)などの有機金属系化合物などが挙げられる。
無灰系分散剤としては、例えばコハク酸イミド類、ホウ素含有コハク酸イミド類、ベンジルアミン類、ホウ素含有ベンジルアミン類、コハク酸エステル類、脂肪酸あるいはコハク酸で代表される一価又は二価のカルボン酸のアミド類などが挙げられ、金属系清浄剤としては、例えば中性金属スルホネート、中性金属フェネート、中性金属サリチレート、中性金属ホスホネート、塩基性スルホネート、塩基性フェネート、塩基性サリチレート、塩基性ホスホネート、過塩基性スルホネート、過塩基性フェネート、過塩基性サリチレート、過塩基性ホスホネートなどが挙げられる。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン水素化共重合体など)などが、流動点降下剤としては、例えば、ポリメタクリレートなどが挙げられる。
防錆剤としては、例えば、アルケニルコハク酸やその部分エステルなどが、金属腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンズイミダゾール系、ベンゾチアゾール系、チアジアゾール系などが、消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリアクリレートなどが、界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどが用いられる。
酸化防止剤としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤などを挙げることができる。
本発明の潤滑油組成物は、各種潤滑油組成物として用いることができ、例えば内燃機関や、自動変速機、緩衝器、パワーステアリングなどの駆動系機器、ギヤなどに用いられる自動車用潤滑油、切削加工、研削加工、塑性加工などの金属加工に用いられる金属加工油、油圧機器や装置などの油圧システムにおける動力伝達、力の制御、緩衝などの作動に用いる動力伝達流体である作動油などとして用いられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、潤滑油組成物の摩擦係数、摩耗痕径、耐腐食性及び耐加水分解性は、以下に示す方法に従って求めた。
(1)摩擦係数及び摩耗痕径
下記の条件で曾田式四球試験を行った。
回転数500rpm、油温80℃にて、各荷重[0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5kgf/cm2(×0.09807MPa)]で180秒間保持しながら、荷重を段階的に上げていき、1080秒間試験を行い、各荷重における摩擦係数を求めると共に、試験終了後に摩擦痕径を測定した。
(2)耐腐食性
JIS K−2513「石油製品銅板腐食試験方法」に従って、試験温度100℃、試験時間3時間、及び試験管法により腐食性の試験を行い、「銅板腐食標準」に従って銅板の変色状態を観察し細分記号1a〜4cで腐食性を評価した。なお、細分記号の数字の小さいほど腐食性が小さく、アルファベット順に腐食性が順次大きくなる。
(3)耐加水分解性
潤滑油用添加剤(被験物質)の30mg/Lの水溶液、および潤滑油用添加剤30mg/Lと活性汚泥100mg/Lの水溶液を調整し、25℃にて28日間攪拌した。被験物質および生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で定量分析し、水層におけるジチオジ酢酸(生成物)の生成率で示した。同条件でそれぞれ3回の試験を行い平均値を求めた。
製造例1 ビス(1−メチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィドの製造
メルカプト酢酸−1−メチルブチルを、以下に示す方法に従ってジメチルスルホキシドで酸化し、ビス(1−メチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィドを製造した。この化合物の中には、トリスルフィド以上のポリスルフィドの存在は認められなかった。
100mLナス型フラスコに1−メチルブトキシカルボニルメチル33.6gをジメチルスルホキシド30.8gを加え、120℃の油浴で8時間加熱した。冷却後トルエン100mlに溶解し、10回水洗し、未反応のジメチルスルホキシドを除去した。減圧下にトルエンを留去し、ビス(1−メチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィド25.5gを得た。
製造例2 ビス(1,3−ジメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィドの製造
メルカプト酢酸−1,3−ジメチルブチルを用いた以外は製造例1と同様にして酸化し、ビス(1,3−ジメチルブトキシカルボニルメチル)ジスルフィドを製造した。この化合物の中には、トリスルフィド以上のポリスルフィドの存在は認められなかった。
製造例3 ビス(1,5−ジメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィドの製造
メルカプト酢酸−1,5−ジメチルヘキシルを用いた以外は製造例1と同様にして酸化して、ビス(1,5−ジメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィドを製造した。この化合物の中には、トリスルフィド以上のポリスルフィドの存在は認められなかった。
製造例4 ビス(3,5,5−トリメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィドの製造
メルカプト酢酸−3,5,5−トリメチルヘキシルを用いた以外は製造例1と同様にして酸化して、ビス(3,5,5−トリメチルヘキソキシカルボニルメチル)ジスルフィドを製造した。この化合物の中には、トリスルフィド以上のポリスルフィドの存在は認められなかった。
製造例5 ビス(1−メチルウンデトキシカルボニルメチル)ジスルフィドの製造
メルカプト酢酸−1−メチルウンデシルを用いた以外は製造例1と同様にして酸化して、ビス(1−メチルウンデトキシカルボニルメチル)ジスルフィドを製造した。この化合物の中には、トリスルフィド以上のポリスルフィドの存在は認められなかった。
比較製造例1 ビス(n−ブトキシカルボニルメチル)ジスルフィドの製造
メルカプト酢酸−n−ブチルを用いた以外は製造例1と同様にして酸化し、ビス(n−ブトキシカルボニルメチル)ジスルフィドを製造した。この化合物の中には、トリスルフィド以上のポリスルフィドの存在は認められなかった。
比較製造例2 ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)ジスルフィドの製造
メルカプト酢酸−n−オクチルを用いた以外は製造例1と同様にして酸化し、ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)ジスルフィドを製造した。この化合物の中には、トリスルフィド以上のポリスルフィドの存在は認められなかった。
比較製造例3 ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)ポリスルフィドの製造
硫化ナトリウムと硫黄から多硫化ナトリウムを製造し、ついでクロロ酢酸n−オクチルと反応させることでビス(n−オクトキシカルボニルメチル)ポリスルフィドを製造した。この際、本発明のジスルフィドと比較する目的で、多硫化ナトリウム(Na2Sx)の硫黄の平均数(x)が2となるように硫化ナトリウムと硫黄のモル比を調整した。
攪拌器、加熱還流器を備え付けた500mL四つ口フラスコに硫化ナトリウム9水和物26.4g、硫黄3.52g、95%エタノール150mLを加え、80℃で5時間加熱・攪拌した。室温まで冷却後、クロロ酢酸n−オクチル41.2gを少量ずつ添加し、室温で2時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、トルエン500mLに溶解後、10回水洗した。トルエンを留去し、ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)ポリスルフィドを得た。
この化合物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び質量分析法(MS)で分析した結果、モノスルフィド体(約20%)、ジスルフィド体(約50%)、トリスルフィド体(約22%)、テトラスルフィド体(約7%)、ペンタスルフィド体(約1%)を確認できた。
実施例1〜5
製造例1〜5で得られたジスルフィド化合物を、500ニュートラル留分の鉱物油に、組成物全量に基づき1質量%になるように添加して、潤滑油組成物を調製し、性能(摩擦係数・摩耗痕径及び耐腐食性)を評価した。
また、製造例1〜5で得られたジスルフィド化合物30mg/Lの水溶液を調整し、活性汚泥100mg/Lを添加した系と添加しない系で、25℃で28日間攪拌して、耐加水分解性を評価した。
結果を第1表に示す。
比較例1〜3
実施例1において比較製造例1〜3で得られたジスルフィド化合物を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を第1表に示す。
比較例4
500ニュートラル留分の鉱物油に添加剤を添加せずに実施例1と同様に評価した。
結果を第1表に示す。
Figure 2011052153
Figure 2011052153
上記実施例及び比較例から明らかなように、本発明の一般式(I)におけるR1及びR2が分岐を有するアルキル基である潤滑油添加剤添加剤を用いた潤滑油組成物は、摩耗痕径が小さいなど耐荷重性能及び耐摩耗性が良好であるとともに、耐腐食性、耐加水分解性に優れることが分る(実施例1〜5)。
これに対して、比較例の一般式(I)におけるR1及びR2が分岐を有しないアルキル基である潤滑油添加剤添加剤を用いた潤滑油組成物は、耐加水分解性に劣ることが分る(比較例1、2)。また、R1及びR2が分岐を有しないアルキル基であり、ポリスルフィド化合物の含有量が高い潤滑油添加剤を使用すると耐荷重性能、耐摩耗性及び耐腐食性が共に低下する(比較例3)。
本発明の潤滑油用添加剤並びに前記添加剤を用いた潤滑油組成物は、従来の硫黄系極圧添加剤に比べて、優れた耐荷重性能と耐摩耗性を有する上、銅などの非鉄金属に対する腐食性が低く、かつ耐加水分解性も良好な潤滑油用添加剤、並びに潤滑油組成物として広く利用することができる。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    1OOC−A1−Sx−A2−COOR2 ・・・(I)
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数3〜18の分岐を有するアルキル基、A1及びA2は、それぞれ独立にCR34、もしくはCR56−CR78で表される基であって、R3〜R8はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基、xは2を示す。)
    で表されるジスルフィド化合物を主成分とする潤滑油用添加剤。
  2. 前記一般式(I)におけるR1及びR2が、それぞれ独立に、1位(α位)、3位(γ位)もしくは5位(ε位)に少なくとも1つ以上の分岐を有するアルキル基である請求項1記載の潤滑油用添加剤。
  3. 前記一般式(I)におけるR1及びR2の分岐鎖がいずれもメチル基である請求項1又は2記載の潤滑油用添加剤。
  4. 前記一般式(I)におけるxが3以上のポリスルフィド化合物の含有量が、前記ジスルフィド化合物との合計量に基づき、10質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
  5. (A)潤滑油基油と、(B)請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑油用添加剤を含むことを特徴とする潤滑油用組成物。
  6. (B)成分の含有量が0.01〜10質量%である請求項5記載の潤滑油組成物。
  7. 一般式(II)および一般式(III)
    HS−A1−COOR1 ・・・(II)
    HS−A2−COOR2 ・・・(III)
    (式中、R1、R2、A1及びA2は請求項1記載のものと同じ)
    で表されるメルカプトアルカンカルボン酸エステルを酸化カップリングすることにより得られる前記一般式(I)の化合物からなる潤滑油用添加剤。
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