JP2011051890A - ダイアモンド用およびダイアモンド含有材料用の接着性複合被膜および前記被膜の製造方法 - Google Patents

ダイアモンド用およびダイアモンド含有材料用の接着性複合被膜および前記被膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ダイアモンドおよびダイアモンド含有材料と支持体の良好な接着力の確保が可能な被膜を提供する。
【解決手段】0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているタングステンの層を含んで成る被膜および/または0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成している一炭化タングステン(WC)の層を含んで成る被膜が単独に、あるいは多層にダイアモンドまたはダイアモンド含有材料の上に施される。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
(発明の分野)
本発明は、天然のダイアモンドを含有する材料および合成のダイアモンドを含有する材料の上の複合表面系(composite surface system)に関する。これはダイアモンド製工具および製品で用いられる結合剤に対して高い接着力を示しかつ高い耐摩耗性および高い耐化学品性を示す。より具体的には、本発明は、天然もしくは合成ダイアモンドまたはダイアモンド含有材料の上を覆う複合多層被膜に関し、これは工具または製品で用いられる金属結合剤(metal binder)に対して向上した接着力を示す。これを外側のタングステン層と内側の炭化タングステン層で構成させる。
(従来技術)
ダイアモンド製工具の作業では、まだ作業能力(working capacity)を保持しているダイアモンド粒子がいくつか結合剤から脱離して工具から落下してしまうことが起こる。いくつかのダイアモンド粒子は表面に亀裂および孔が存在することが原因で崩壊および分解を起こす。従って、ダイアモンド製工具の使用可能状態が長続きしなくなってしまう。
そのようにダイアモンド粒子が落下してしまうのは、この粒子を工具内に固着させる目的で用いられている結合剤とそれの接着力が弱い結果である。産業で用いられているダイアモンドでは、工具もしくは製品の使用中に欠陥部(表面の孔および微細な亀裂の存在)が生じ、結果としてもたらされる応力が原因でダイアモンド結晶に亀裂が広がることで脆性破壊が起こる。従って、ダイアモンド製工具の性能を向上させる方法の1つは、ダイアモンド製工具内のダイアモンド粒子とマトリックス(結合剤)の間の接着強度を向上させかつダイアモンド粒子自身の強度を向上させる(ダイアモンド粒子の欠陥のある表面を強くする)方法である。別の目的は、ジュエリーカットダイアモンド(jewellery−cut diamonds)を蝋付けしている過程でそれらがセッティング(setting)に対して示す接着力を向上させることにある。
ダイアモンド粒子と金属マトリックスの接着力およびダイアモンド粒子とセラミックマトリックスの接着力を向上させる目的で接着性被膜、例えば鉄族の金属(ニッケル、コバルトおよびこれらの合金)で構成させた被膜などを前記粒子に付着させることが行われているが、しかしながら、そのような被膜とダイアモンドの良好な接着力は確保されない。その上、鉄族の金属はダイアモンドが高温でグラファイトに変化するのを刺激する、即ちダイアモンドはそのような金属の影響下で体積が小さくなる。そのような被膜を付着させる簡単で幅広く用いられている方法は、水溶液を用いた電気化学もしくは化学的付着である。
例えば、国際出願WO 97/09469には、ダイアモンド粒子が埋め込まれている構造物に電解ニッケル(electrolytic nickel)による金属被覆を受けさせることで鉛筆のようなダイアモンド製工具を製造する方法が記述されている。電解ニッケルは接着性被膜であり、これを用いて、工具内のダイアモンド粒子を金属結合剤に接着させている。しかしながら、ニッケル被膜とダイアモンドの接着強度と前記金属結合剤とダイアモンドの接着力は実質的に同じである、と言うのは、前記結合剤は一般に銅とニッケルの合金で作られているからである。
機械加工用、補正用および穴開け用工具の耐久性を向上させる目的で産業用ダイアモン
ドの表面に炭化物形成被膜(carbide−forming coatings)を付着させることが行われている。ほとんど全部の遷移金属(Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo)はダイアモンドと活動的に相互作用して相当する炭化物を生じる。しかしながら、結果として生じる炭化物が示す保護特性は充分ではない[炭素が炭化物の中を拡散する速度は高く、それによってダイアモンドのグラファイト化が起こることで強度が失われ、かつそのような炭化物がダイアモンド製工具の高い作業温度で示す機械的特性は低い]。
タングステンはユニークな保護用材料であり得る、と言うのは、それの炭化物は温度が高い時に最大の強度特性を示しかつタングステンとダイアモンドの原子間結合力が極めて高いことが原因で炭素の拡散に対して優れた遮蔽剤であるからである。例えば、PCT/US96/12462にはダイアモンド含有工具の強化が記述されており、そこでは、前記工具を炭化タングステン粒子含有材料で覆うこと、そして前記工具を炭化タングステンに加えてコバルトもしくは金属−セラミック、例えば金属の炭化物および窒化物などで覆うことが行われている。前記粒子を冶金方法、例えば溶接などで前記被膜の中に導入することが行われている。一般に、その一緒にした層とダイアモンド粒子の接着力は強くない。他方、特に合成のダイアモンドを用いた時には、ダイアモンド粒子の機械的特性が焼結温度で悪化する。
英国特許第614396号には、ダイアモンドまたは同様な耐火性材料の金属被覆方法が記述されている。この方法は、例えば四塩化炭素などで化学的に洗浄し、イオンを真空下で衝突させることで物理的に洗浄した後に必要な金属を付着させることから成る。しかしながら、そのような物理的蒸着方法はダイアモンドの強化にとっては理想的ではない、と言うのは、イオン化した粒子の束が亀裂の中に入り込むことはないがダイアモンドの表面の他の隠れた隙間には欠陥部が存在し、その結果として、その表面には接着剤が付着しないからである。他方、ダイアモンドに物理的に付着させた膜とダイアモンドの接着力は良好に開発された表面洗浄方法を用いたとしても低い、と言うのは、そのような方法を用いたのでは一般に接着性炭化物層は生じないからである。ダイアモンドの良好な接着力に関する問題ばかりでなくダイアモンドの表面の欠陥部を治すことでそれの強度を向上させることに関する問題を解決し得る方法は化学的蒸着方法のみである。
PCT/GB98/02900には、産業用ダイアモンドの表面欠陥部を充填するダイアモンド膜を付着させることで工具で用いられるダイアモンド粒子を強化することが記述されている。しかしながら、ダイアモンド被膜の表面とダイアモンド工具の製造で用いられる金属マトリックスの接着強度は低い。
(発明の要旨)
本発明の目的は、天然および合成ダイアモンドそしてそれらの組成物の欠陥のある表面を強化すると同時にダイアモンド製工具もしくは製品におけるそれらと結合剤の接着力を向上させることにある。ダイアモンドおよびダイアモンド含有材料に炭化タングステン被膜をダイアモンドまたはこれの組成物の機械的特性に影響を与えない低温で付着させることを通して、本目的を達成する。
本発明の1つの面はダイアモンド粒子またはダイアモンド含有材料の被膜であり、これは、単層のタングステンであってもよいか或は一炭化タングステンWCで構成されている単相の炭化タングステンであってもよく、ここで、前記タングステンおよび一炭化タングステンは両方とも0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成している。
前記被膜は二層被膜であってもよく、この場合の内側の層は一炭化タングステンでありそして外側の層はタングステンである。
この被膜は外側のタングステン層と内側の炭化タングステン層を含有する多層[multilayer(multilaminar)]被膜であってもよい。ダイアモンド含有基質の上部に位置する内側の一炭化タングステン層である被膜は、半炭化タングステンW2C、サブ炭化タングステンW3C、サブ炭化タングステンであるW3CとW12Cの混合物そしてサブ炭化タングステンW12Cの層を逐次的に含有していてもよい。このような接着性多層被膜は外側のタングステン層を持たない可能性がある。
内側の炭化物層と外側のタングステン金属層の厚みの比率は、前記被膜層の厚みが0.1から10μmの場合、1:1から1:100に及んで多様であり得る。
そのような多層複合被膜の個々の層が果たす機能は異なる。外側のタングステン層はダイアモンド製工具または製品における金属結合剤との接着力が最良であることを確保する層である。そのような外側層に存在するタングステンがこれの炭化物に置き換わると結合剤との接着力が悪化する。このような複合被膜とダイアモンド含有材料の接着力を確保するには内側の一炭化タングステン層が必要である。中間層は、一炭化タングステンからタングステン金属に至る滑らかな炭素含有量勾配を与えかつ内側層と外側層の接着力を確保するように、半炭化タングステンを含有していてもよいか或は中間的炭化物であるW2CとW3CとW12Cの全部の組み合わせを含有していてもよい。その上、そのような多層被膜を存在させると複合強化効果がより劇的に実現される。
そのような炭化物相の生成はダイアモンド表面の欠陥がある領域で始まる。その結果としてダイアモンド表面の欠陥部が炭化タングステンである程度満たされることによって結晶が強化される。他方、炭化物層が生じると、ダイアモンド粒子から被膜への炭素拡散のさらなる進行が制限されることで、ダイアモンド結晶が強度を失うことがなくなる。
本発明の別の面は、前記被膜をダイアモンドで構成されている基質およびダイアモンド含有材料で構成されている基質に付着させる方法である。
タングステン金属被覆では、ダイアモンドを耐火性遷移金属で被覆する時にしばしば用いられている拡散方法を用いない、と言うのは、拡散方法では加熱温度を1400℃を超える温度にする必要があるからである。ほとんど全ての群の産業用合成ダイアモンドおよび天然ダイアモンドは温度が1100℃を超えると強度を失うことが知られている。
炭化タングステン被膜を拡散方法で付着させる時の温度を下げる目的で、ダイアモンド上に炭化タングステンの複合被膜を700℃以上の温度で満足される速度で成長させるのを確保することを可能にする特殊な仕込み物(charge)の使用を提案する。
この提案する仕込み物は不活性充填材、例えば酸化アルミニウムなどを伴うか或は伴わないでタングステン粉末を含有しかつフッ素含有材料を0.003−5.0重量%の範囲内で含有する。ダイアモンドの結晶をそのような仕込み物の中に保持する時間および温度ばかりでなく前記仕込み物のフッ素含有量を変えることで多層被膜の組成および厚みを変える。
ダイアモンドグリット(grit)またはダイアモンド含有製品をフッ素含有量が0.003−5.0重量%の範囲のタングステン仕込み物(不活性充填材の有り無し)と一緒に混合して、これをアランダムるつぼの中に入れる。このるつぼを真空炉の中に入れて、これをポンプで0.01Pa以下の圧力にする。この炉を指定温度に加熱して、それをその温度にダイアモンドの表面に必要な厚みの多層炭化タングステン被膜が生じるに必要な時間保持する。その後、前記るつぼが入っている炉に真空排気を継続して受けさせながら
それを室温に冷却する。前記るつぼを前記炉から取り出した後、このるつぼからダイアモンド製品の仕込み物を取り出す。次に、このダイアモンド製品をふるい分けで前記仕込み物から分離する。
前記多層炭化タングステン被膜を付着させる別の方法は、ダイアモンド結晶または他のダイアモンド含有材料を化学蒸着反応槽内で六フッ化タングステンと水素の媒体に入れて2−150kPaの反応混合物圧力下400−800℃の温度に保持する方法である。この反応混合物に不活性ガス、例えばアルゴンなどを95体積%以下の量で含有させてもよい。水素含有量は99%以下であってもよくそして六フッ化タングステン含有量は30%以下であってもよい。
表面に脱脂を受けさせておきかつあらゆる汚染物を取り除いておいたダイアモンドグリットおよびダイアモンド含有製品を電気加熱装置とミキサーが備わっている直流(direct−flow)化学蒸着反応槽に入れる。窒素凍結トラップ(freezing−out trap)が備わっている荒引きポンプ(roughing pump)を用いて前記化学反応槽に真空排気を最大希薄度になるまで受けさせた後、この反応槽に水素またはアルゴンを供給する。その後、前記ミキサーのスイッチを入れて、前記ダイアモンド製品が入っている反応槽を必要な温度になるまで加熱する。これをその温度に0.5−1時間保持する。次に、この反応槽内の水素流量および一般的圧力を必要な水素流量および必要な圧力に設定する。その後、前以て30℃に加熱しておいた六フッ化タングステンの流量を必要な流量に設定する。
前記ダイアモンドグリットまたは他のダイアモンド含有製品を絶えず撹拌しながら指定条件にタングステン層の付着に要する時間保持する。次に、六フッ化タングステンの供給を止めた後、前記グリットまたは製品をより高い温度に加熱し(これにアニーリングを受けさせ)そしてそれをその温度に内側の炭化タングステン層が生じるに必要な時間保持する。その後、前記反応槽に水素またはアルゴンを絶えず供給しかつ絶えず撹拌しながらそれを室温になるまで冷却する。次に、水素またはアルゴンの供給を止めて、前記反応槽の中に空気を入れる。次に、ダイアモンドグリットまたは製品が入っているるつぼを前記反応槽から取り出す。
(実施例)
実施例1
フッ素含有量が0.1重量%のタングステン仕込み物と大きさが30−50カラットの天然ダイアモンドを10:1の体積比で取り込ませて、0.01Paの真空下750℃の温度に1.5時間保持すると、結果として、ダイアモンドにフッ素含有量が0.004重量%のタングステン被膜が1.2μmの厚みで付着する。
実施例2
タングステン仕込み物(不活性充填材を伴う)(フッ素を1重量%含有)と大きさが20−30カラットの天然ダイアモンドを10:1:1の体積比で取り込ませて、0.01Paの真空下1100℃の温度に10分間保持する。その結果として、ダイアモンドにフッ素含有量が0.008重量%の一炭化タングステンWC被膜が0.2μmの厚みで付着する。
実施例3
タングステン仕込み物(不活性充填材を伴う)(フッ素を0.85重量%含有)と大きさが20−30カラットの天然ダイアモンドを10:1:1の体積比で取り込ませて、0.01Paの真空下1050℃の温度に1時間保持する。その結果として、ダイアモンドに外側のタングステン層を伴う一炭化タングステン被膜(0.008重量%の全フッ素含
有量を有する)が2.5μmの全厚で付着する。
実施例4
フッ素含有量が0.7重量%のタングステン仕込み物と大きさが400−315μmの合成ダイアモンドを12:1の体積比で取り込ませて、0.01Paの真空下1050℃の温度に11分間保持する。その結果として、ダイアモンドに一炭化タングステンWCと半炭化タングステンW2Cの2層被膜(0.009重量%の全フッ素含有量を有する)が0.15μmの全厚で付着する。
実施例5
タングステン仕込み物(不活性充填材を伴う)(フッ素を0.54重量%含有)と大きさが160−125μmの合成ダイアモンドを15:2:1の体積比で取り込ませて、0.01Paの真空下980℃の温度に19分間保持する。その結果として、ダイアモンドに一炭化物WCと半炭化物W2Cとサブ炭化タングステンW3Cの多層被膜(0.01重量%の全フッ素含有量を有する)が0.22μmの全厚で付着する。
実施例6
フッ素含有量が0.45重量%のタングステン仕込み物と大きさが315−250μmの合成ダイアモンドを14:1の体積比で取り込ませて、0.01Paの真空下950℃の温度に1.5時間保持する。その結果として、ダイアモンドに一炭化物WCと半炭化物W2Cとサブ炭化タングステンW3Cと外側のタングステン層で出来ている多層被膜(0.0011重量%の全フッ素含有量を有する)が2.3μmの全厚で付着する。
実施例7
化学蒸着反応槽に体積比が1:50の六フッ化タングステンと水素の混合物を入れて、これに大きさが30−50カラットの天然ダイアモンドを入れた後、4kPaの全反応混合物圧力下550℃の温度に30分間保持する。次に、前記反応槽に真空排気を受けさせて0.01Paにし、生じた厚みが7μmのタングステン被膜を伴うダイアモンド結晶にアニーリングを1120℃の温度で30分間受けさせる。その結果として、一炭化タングステンWCと外側のタングステン層で出来ている2層被膜(0.005重量%の全フッ素含有量を有する)が生じる。
実施例8
前記反応槽に体積比が1:40の六フッ化タングステンと水素の混合物を入れて、これに大きさが20−30カラットの天然ダイアモンドを入れた後、4kPaの全反応混合物圧力下600℃の温度に25分間保持する。次に、前記反応槽に真空排気を受けさせて0.01Paにし、生じた厚みが9μmのタングステン被膜を伴うダイアモンド結晶にアニーリングを1030℃の温度で45分間受けさせる。その結果として、一炭化タングステンWCと半炭化タングステンW2Cと外側のタングステン層で出来ている多層被膜(0.006重量%の全フッ素含有量を有する)が生じる。
実施例9
前記反応槽に体積比が1:50の六フッ化物と水素の混合物を入れて、これに大きさが400−315μmの合成ダイアモンドを入れた後、4kPaの全反応混合物圧力下570℃の温度に20分間保持する。次に、前記反応槽に真空排気を受けさせて0.01Paにし、生じた厚みが5μmのタングステン被膜を伴うダイアモンド結晶にアニーリングを900℃の温度で1時間受けさせる。その結果として、一炭化タングステンWCと半炭化タングステンW2Cとサブ炭化タングステンであるW3CとW12Cの混合物と外側のタングステン層で出来ている多層被膜(0.009重量%の全フッ素含有量を有する)が生じる。
産業適用性
本発明に従って被膜を付着させた天然ダイアモンドに圧縮崩壊強度試験(compressive fracture strength tests)(破砕方法)を受けさせた結果、ダイアモンド粒子の強度が被覆を受けさせていないダイアモンド結晶に比較して平均で12%向上することが分かった。本発明をクラウン(crown)および他の穴開け用ビットおよびカッターの製造で用いることを推奨する。本発明に従う被覆を受けさせておいた天然ダイアモンド結晶を用いて穴開け用ビットを製造する試験を行った結果、穴開け用ビットの交換を行わない時の貫入深さ(depth of penetration)または穴開け速度が50%向上することが分かった。
単結晶工具(single−crystal tool)の製造でタングステンと炭化タングステンで覆われているダイアモンドを用いることは将来性があると思われる。炭化タングステンで被覆しておいた合成ダイアモンドまたはこれの焼結凝集物を用いて切削用工具を製造することを推奨する。例えば、この提案する発明に従う被覆を受けさせておいた合成ダイアモンドグリットを用いたダイアモンド製ノコギリが示した耐久性は被覆を受けさせていないそれの2倍であった。

Claims (13)

  1. ダイアモンドおよびダイアモンド含有材料の上の被膜であって、0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているタングステンの層を含んで成る被膜。
  2. ダイアモンドおよびダイアモンド含有材料の上の被膜であって、0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成している一炭化タングステンWCの層を含んで成る被膜。
  3. 0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているタングステンの層が前記一炭化タングステン層の上部に付着していることを特徴とする請求項2記載の被膜。
  4. 0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成している半炭化タングステンW2Cの層が前記一炭化タングステン層の上部に付着していることを特徴とする請求項2記載の被膜。
  5. 0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているタングステンの外側層を有することを特徴とする請求項4記載の被膜。
  6. 0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているサブ炭化タングステンW3Cの層が前記半炭化タングステン層の上部に付着していることを特徴とする請求項4記載の被膜。
  7. 0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているタングステンの外側層を有することを特徴とする請求項6記載の被膜。
  8. 0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているサブ炭化タングステンW12Cの層が前記サブ炭化タングステンW3C層の上部に付着していることを特徴とする請求項6記載の被膜。
  9. 0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているタングステンの外側層を有することを特徴とする請求項8記載の被膜。
  10. 0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているサブ炭化タングステンW12Cの層が前記半炭化タングステンW2C層の上部に付着していることを特徴とする請求項4記載の被膜。
  11. 0.0004から0.3重量%の量のフッ素と一緒に合金を形成しているタングステンの外側層を有することを特徴とする請求項10記載の被膜。
  12. 前記内側の炭化タングステン層が0.1−10μmの厚みを有しそして前記外側のタングステン層が0.1−10μmの厚みを有していて内側層と外側層の比率が1:1から1:100であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の被膜。
  13. ダイアモンドまたはダイアモンド含有材料で構成されている基質に被膜を付着させる方法であって、下記の段階:
    a)前記ダイアモンド基質をミキサーが備わっている化学蒸着反応槽に入れ、
    b)前記反応槽に真空排気を10Paになるまで受けさせ、
    c)前記基質を加熱し、
    d)前記反応槽に六フッ化タングステンと水素を供給し、
    e)前記基質をこの基質の上にタングステン層が生じるに必要な時間保持し、
    f)前記六フッ化タングステンと水素の供給を止め、
    g)前記反応槽に真空排気を0.01Paになるまで受けさせ、
    h)前記基質の再加熱(アニーリング)を炭化タングステンが生じるに必要な温度になるまで行い、そして
    i)前記基質を炭化タングステンが生じるに必要な時間保持する、
    段階を含んで成る方法。
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