JP2011049785A - 音声信号処理装置、音声信号処理方法、および表示装置 - Google Patents

音声信号処理装置、音声信号処理方法、および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】センタースピーカを設置するスペースを確保することなく、2画面表示機能を有するテレビの左右画面に表示される映像の各視聴者に、付随する音声を、明瞭に、かつ、音像定位に違和感を与えることなく聞かせることができる音声信号処理装置を実現する。
【解決手段】本発明に係る音声信号処理回路100は、左画面の映像に付随し、左画面の左端部のスピーカから出力される左チャンネル音声信号L1’の音量を左画面の映像に付随し、右画面の右端部のスピーカから出力される右チャンネル音声信号R1’の音量よりも大きくするLRバランス調整部161、162と、右画面の映像に付随し、左画面の左端部のスピーカから出力される左チャンネル音声信号L2’の音量を右画面の映像に付随し、右画面の右端部のスピーカから出力される右チャンネル音声信号R2’の音量よりも小さくするLRバランス調整部163、164と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、2系統のステレオ音声信号を処理する音声信号処理装置、および音声信号処理方法に関する。また、そのような音声信号処理装置を備えた表示装置に関する。
表示パネルの大型化に伴い、2画面表示機能を備えたテレビジョン受像機(以下、「テレビ」と略記する)が普及している。2画面表示とは、表示パネルの左半分に第1の映像を、また、表示パネルの右半分に第2の映像を表示する表示態様を指す。
このような2画面表示機能をテレビに実装する場合、各映像に付随する音声を、どのように出力するかが問題となる。
例えば、2画面表示時に、第1の映像に付随する第1の音声と第2の映像に付随する第2の音声とを同時にスピーカから出力すると、第1の映像を見ている第1の視聴者にとっては、第2の音声がノイズとなって第1の音声を聞き取ることが困難になり、また、第2の映像を見ている第2の視聴者にとっては、第1の音声がノイズとなって第2の音声を聞き取ることが困難になるという問題を生じる。第1の音声をスピーカから出力し、第2の音声をヘッドフォン端子から出力することも可能であるが、この場合、第2の映像を見ている視聴者にヘッドフォンの装着を強いることになるという問題を生じる。
このような問題を解決するために、スピーカから放射される音波に指向性を持たせる技術を利用することが考えられる。例えば、第1の映像を見る第1の視聴者には、該第1の映像に付随した第1の音声のみ聴取可能となるように、かつ、第2の映像を見る第2の視聴者には、該第2の映像に付随した第2の音声のみ聴取可能となるように、スピーカから放射される音波に指向性をもたせればよい。
スピーカから放射される音波に指向性を持たせる技術として、特許文献1には、第1のスピーカユニットから放射される音波を、該第1のスピーカの近傍に配置された第2のスピーカユニットから放射される音波で打ち消すことによって、放射される音波に指向性をもたせる技術が開示されている。
特開平11−239400号公報(1999年8月31日公開)
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、複数のステレオ音声間のクロストークを低下させることを想定したものではなく、2画面表示機能を有するテレビに適用したとしても、各視聴者が見たい映像に付随する音声のみを他の映像に付随する音声に阻害されることなく聞き取れる程度に、各音声を分離することはできない。
また、特許文献1に記載の技術は、2画面表示機能を有するテレビに適用したとしても、各画面に付随する音声の音像が画面の中央に定位しないという問題を生じる。なお、音像を画面の中央に定位させるためにセンタースピーカを設置することが考えられるが、この場合、設置するスペースが必要となる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、センタースピーカを設置するスペースを確保することなく、2画面表示機能を有するテレビの左右画面に表示される映像の各視聴者に、付随する音声を、明瞭に、かつ、音像定位に違和感を与えることなく聞かせることができる音声信号処理装置を実現する。
本発明に係る音声信号処理装置では、上記課題を解決するために、2系統のステレオ音声信号を処理する音声信号処理装置において、第1系統の左チャンネル音声信号の音量を第1系統の右チャンネル音声信号の音量よりも大きくする第1の音量制御手段と、第2系統の左チャンネル音声信号の音量を第2系統の右チャンネル音声信号の音量よりも小さくする第2の音量制御手段と、を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る音声信号処理装置は、左画面の左端部に左スピーカが配置され、かつ、右画面の右端部に右スピーカが配置されたテレビに、左スピーカから第1系統および第2系統の左チャンネル音声信号の音声が出力され、かつ、右スピーカから第1系統および第2系統の右チャンネル音声信号の音声が出力されるように接続されると、左スピーカから出力される第1系統の左チャンネルの音声は、右スピーカから出力される第1系統の右チャンネルの音声より音量が大きくなり、左スピーカから出力される第2系統の左チャンネルの音声は、右スピーカから出力される第2系統の右チャンネルの音声より音量が小さくなる。そして、これにより、第1系統の音声の音像が左画面の中央に定位し、第2系統の音声の音像が右画面の中央に定位するようになる。
従って、左画面の映像に付随する音声が第1系統の音声として入力され、右画面の映像に付随する音声が第2系統の音声として入力された場合、本発明に係る音声信号処理装置は、センタースピーカを設置するスペースを確保することなく、2画面表示機能を有するテレビの左右画面に表示される映像の各視聴者に、付随する音声を、明瞭に、かつ、音像定位に違和感を与えることなく聞かせることができるという効果を奏する。
本発明に係る音声信号処理方法では、上記課題を解決するために、2系統のステレオ音声信号を処理する音声信号処理方法において、第1系統の左チャンネル音声信号の音量を第1系統の右チャンネル音声信号の音量よりも大きくする第1の音量制御工程と、第2系統の左チャンネル音声信号の音量を第2系統の右チャンネル音声信号の音量よりも小さくする第2の音量制御工程と、を含んでいることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る音声信号処理方法は、本発明に係る音声信号処理装置と同様の作用効果を奏する。
上記音声信号処理装置は、上記第1系統の左チャンネル音声信号および上記第2系統の右チャンネル音声信号を遅延する遅延手段、を更に備えていることが望ましい。
上記の構成によれば、左画面の映像に付随する音声が第1系統の音声として入力され、右画面の映像に付随する音声が第2系統の音声として入力された場合であり、かつ、各系統の左チャンネル音声が左画面の左端部に配置された左スピーカから出力され、右チャンネル音声が右画面の右端部に配置された右スピーカから出力された場合、音声信号処理装置は、左画面側に位置する視聴者に左画面の映像に付随する左チャンネル音声と左画面の映像に付随する右チャンネル音声と、を同時に到達させ(聞かせ)、右画面側に位置する視聴者に右画面の映像に付随する左チャンネル音声と右画面の映像に付随する右チャンネル音声と、を同時に到達させる(聞かせる)ことができる。
従って、上記音声信号処理装置は、左スピーカと視聴者との距離、および右スピーカと視聴者との距離の差、すなわち、左チャンネル音声が視聴者に到達する時間と右チャンネル音声が視聴者に到達する時間との差による音像のズレを補正することができるというさらなる効果を奏する。
上記音声信号処理装置は、上記第1系統の左チャンネル音声信号、上記第1系統の右チャンネル音声信号、上記第2系統の左チャンネル音声信号、および上記第2系統の右チャンネル音声信号の各々の位相を反転する位相反転手段と、上記位相反転手段により位相が反転された第1系統の左チャンネル音声信号を上記第2系統の左チャンネル音声信号に合成し、上記位相反転手段により位相が反転された第1系統の右チャンネル音声信号を上記第2系統の右チャンネル音声信号に合成し、上記位相反転手段により位相が反転された第2系統の左チャンネル音声信号を上記第1系統の左チャンネル音声信号に合成し、上記位相反転手段により位相が反転された第2系統の右チャンネル音声信号を上記第1系統の右チャンネル音声信号に合成する合成手段と、を備えていることが望ましい。
上記の構成によれば、第1系統の左チャンネル音声信号および右チャンネル音声信号、ならびに、第2系統の左チャンネル音声信号および右チャンネル音声信号の各々の位相は、位相反転手段により反転される。そして、第1系統の左チャンネル音声信号は、位相が反転した第2系統の左チャンネル音声信号に合成され、第1系統の右チャンネル音声信号は、位相が反転した第2系統の右チャンネル音声信号に合成され、第2系統の左チャンネル音声信号は、位相が反転した第1系統の左チャンネル音声信号に合成され、第2系統の右チャンネル音声信号は、位相が反転した第1系統の右チャンネル音声信号に合成される。
したがって、第1系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波は、第2系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波を効果的に打ち消し、第1系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波は、第2系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波を打ち消すことができる。同様に、第2系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波は、第1系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波を効果的に打ち消し、第2系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波は、第1系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波を打ち消すことができる。従って、左画面の映像および右画面の映像を見ている各視聴者に、見ている映像に付随する音声をより明瞭に聞かせることができるというさらなる効果を奏する。
上記音声信号処理装置は、上記第1系統の左チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第1のフィルタであって、第1の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性を有する第1のフィルタと、上記第1系統の右チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第2のフィルタであって、第2の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性を有する第2のフィルタと、上記第2系統の左チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第3のフィルタであって、第3の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性を有する第3のフィルタと、上記第2系統の右チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第4のフィルタであって、第4の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性を有する第4のフィルタと、を備えていることが望ましい。
上記の構成によれば、第1の角度を、上記第1系統の音声の視聴者の視聴位置として予め定められた位置と左スピーカの位置とを結ぶ線分と、テレビの画面とがなす角度とし、第2の角度を、上記第1系統の音声の視聴者の視聴位置として予め定められた位置と右スピーカの位置とを結ぶ線分と、テレビの画面とがなす角度とし、第3の角度を、上記第2系統の音声の視聴者の視聴位置として予め定められたと左スピーカの位置とを結ぶ線分と、テレビの画面とがなす角度とし、第4の角度を、上記第2系統の音声の視聴者の視聴位置として予め定められた位置と右スピーカの位置とを結ぶ線分と、テレビの画面とがなす角度として各頭部伝達関数を決定して各フィルタのフィルタ特性を定めておくことにより、音声信号処理装置は、各映像に付随する音声の音像の定位感を強め、各視聴者に、見ている映像に付随する音声をより明瞭に聞かせることができるというさらなる効果を奏する。
上記音声信号処理装置は、上記第1系統の左チャンネル音声信号、上記第1系統の右チャンネル音声信号、上記第2系統の左チャンネル音声信号、および上記第2系統の右チャンネル音声信号の各々の位相を反転する位相反転手段と、上記位相反転手段により位相が反転された第1系統の左チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第5のフィルタであって、上記第3のフィルタと同一のフィルタ特性を有する第5のフィルタと、上記位相反転手段により位相が反転された第1系統の右チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第6のフィルタであって上記第4のフィルタと同一のフィルタ特性を有する第6のフィルタと、上記位相反転手段により位相が反転された第2系統の左チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第7のフィルタであって上記第1のフィルタと同一のフィルタ特性を有する第7のフィルタと、上記位相反転手段により位相が反転された第2系統の右チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第8のフィルタであって上記第2のフィルタと同一のフィルタ特性を有する第8のフィルタと、上記第5のフィルタにより周波数特性が補正された第1系統の左チャンネル音声信号を上記第2系統の左チャンネル音声信号に合成し、上記第6のフィルタにより周波数特性が補正された第1系統の右チャンネル音声信号を上記第2系統の右チャンネル音声信号に合成し、上記第7のフィルタにより周波数特性が補正された第2系統の左チャンネル音声信号を上記第1系統の左チャンネル音声信号に合成し、上記第8のフィルタにより周波数特性が補正された第2系統の右チャンネル音声信号を上記第1系統の右チャンネル音声信号に合成する合成手段と、を備えていることが望ましい。
上記の構成によれば、第1系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波は、第2系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波を効果的に打ち消し、第1系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波は、第2系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波を打ち消すことができる。同様に、第2系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波は、第1系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波を効果的に打ち消し、第2系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波は、第1系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波を打ち消すことができる。
また、上記合成手段は、位相反転手段により位相が反転され、かつ、第3のフィルタと同一のフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正された第1系統の左チャンネル音声信号を、第3のフィルタのフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正された第2系統の左チャンネル音声信号に合成する。同様に、上記合成手段は、位相反転手段により位相が反転され、かつ、第4のフィルタと同一のフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正された第1系統の右チャンネル音声信号を、第4のフィルタのフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正された第2系統の右チャンネル音声信号に合成する。また、上記合成手段は、位相反転手段により位相が反転され、かつ、第1のフィルタと同一のフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正された第2系統の左チャンネル音声信号を、第1のフィルタのフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正された第1系統の左チャンネル音声信号に合成する。同様に、上記合成手段は、位相反転手段により位相が反転され、かつ、第2のフィルタと同一のフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正された第2系統の右チャンネル音声信号を、第2のフィルタのフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正された第1系統の右チャンネル音声信号に合成する。したがって、第1系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波は、第1の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正されたものであり、第1系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波は、第2の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正されたものである。同様に、第2系統の左チャンネル音声信号に基づいて左スピーカから放射される音波は、第3の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正されたものであり、第2系統の右チャンネル音声信号に基づいて右スピーカから放射される音波は、第4の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性に基づいて周波数特性が補正されたものである。
以上のことから、第1の角度を、上記第1系統の音声の視聴者の視聴位置として予め定められた位置と左スピーカの位置とを結ぶ線分と、テレビの画面とがなす角度とし、第2の角度を、上記第1系統の音声の視聴者の視聴位置として予め定められた位置と右スピーカの位置とを結ぶ線分と、テレビの画面とがなす角度とし、第3の角度を、上記第2系統の音声の視聴者の視聴位置として予め定められたと左スピーカの位置とを結ぶ線分と、テレビの画面とがなす角度とし、第4の角度を、上記第2系統の音声の視聴者の視聴位置として予め定められた位置と右スピーカの位置とを結ぶ線分と、テレビの画面とがなす角度として各頭部伝達関数を決定して各フィルタのフィルタ特性を定めておくことにより、各映像について、付随する音声の音像の定位感を強めつつ、もう一方の映像に付随する音声を打ち消すので、各視聴者に、見ている映像に付随する音声をさらに明瞭に聞かせることができるというさらなる効果を奏する。
なお、上記音声信号処理装置を備えた表示装置も本発明の範疇に含まれる。
すなわち、本発明に係る表示装置は、2つの映像を左画面と右画面とに同時に表示可能な表示装置であって、上記音声信号処理装置が、上記左画面の映像に付随する上記第1系統のステレオ音声信号、および上記右画面の映像に付随する上記第2系統のステレオ音声信号を処理することによって得られた上記第1系統および上記第2系統の左チャンネル音声信号の音声を上記左画面の左端部に備えられた左スピーカから出力し、上記ステレオ音声信号を処理することによって得られた上記第1系統および上記第2系統の右チャンネル音声信号の音声を上記右画面の右端部に備えられた右スピーカから出力する出力手段と、を備えている、ことを特徴としている。
以上説明したように、本発明に係る音声信号処理装置は、センタースピーカを設置するスペースを確保することなく、2画面表示機能を有するテレビの左右画面に表示される映像の各視聴者に、付随する音声を、明瞭に、かつ、音像定位に違和感を与えることなく聞かせることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態を示すものであり、音声信号処理回路の構成を示すブロック図である。 図2(a)〜(d)は、本発明の実施形態を示すものであり、デジタルフィルタ部のより詳細な構成を示すブロック図である。 図3(a)〜(d)は、本発明の実施形態を示すものであり、クロストークキャンセル部のより詳細な構成を示すブロック図である。 左右のスピーカから出力される音声にレベル差があると、左右のスピーカを結ぶ線分の中点から音像の位置がずれることを示す図である。 本発明の実施形態を示すものであり、テレビにおけるスピーカの配置と視聴者との位置関係を示す図である。 図6(a)は、スピーカの配置と視聴者との位置関係を示す図であり、図6(b)は、両耳間レベル差と視聴者が知覚する音像方向(正面を0°とした方位角)の相関を示すグラフであり、図6(c)は、両耳間時間差と視聴者が知覚する音像方向の相関を示すグラフである。 音像を偏らせることなく中央に定位させる、両耳間時間差と両耳間レベル差との関係を示したグラフである。 2つのスピーカから出力される各音声が非コヒーレントである場合、スピーカ間の距離が大きくなると、各音声の音像が分離しやすくなることを示した図である。
本発明に係る音声信号処理装置の一実施形態について、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、本実施形態に係る音声信号処理装置は、テレビに内蔵可能な回路として実現されているので、以下、これを「音声信号処理回路」と呼称し、参照符号100を付す。
(音声信号処理回路100)
まず、音声信号処理回路100の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、音声信号処理回路100の構成を示したブロック図である。音声信号処理回路100は、総体的にいうと、2画面(画面A210a、画面B210b)を備えた映像音声出力装置200から各画面用の音声を該画面の中央に音像が定位するように出力するために、外部から入力された2系統のステレオ音声信号を処理する回路である。なお、音声信号処理回路100が処理するステレオ音声信号は、アナログ信号であってもよいが、以下では、デジタル信号、特に、PCM(Pulse Code Modulation)信号を想定する。
図1に示したように、音声信号処理回路100は、概略的にいえば、入力部110と、指向性制御部120と、合成部141〜144と、音像バランス制御部150と、出力部170と、を備えている。
入力部110は、2系統のステレオ音声信号の入力を受け付けるための手段であり、例えば、図1に示したように、4つの入力端子111〜114により構成することができる。ここで、入力端子111は、第1系統の左チャンネル音声信号L1を入力するための端子であり、入力端子112は、第1系統の右チャンネル音声信号R1を入力するための端子である。また、入力端子113は、第2系統の左チャンネル音声信号L2を入力するための端子であり、入力端子114は、第2系統の右チャンネル音声信号R2を入力するための端子である。
指向性制御部120は、4つのデジタルフィルタ部121〜124と4つのクロストークキャンセル部131〜134とにより構成することができる。デジタルフィルタ部121は、第1系統の左チャンネル音声信号L1の中高域の指向性を制御するものであり、デジタルフィルタ部122は、第1系統の右チャンネル音声信号R1の中高域の指向性を制御するものである。また、デジタルフィルタ部123は、第2系統の左チャンネル音声信号L2の中高域の指向性を制御するものであり、デジタルフィルタ部124は、第2系統の右チャンネル音声信号R2の中高域の指向性を制御するものである。
クロストークキャンセル部131〜134は、異なる系統から出力される音声を打ち消す音声の信号を生成する。具体的には、クロストークキャンセル部131は、第1系統の左スピーカ201から出力される音声を打ち消す音声の信号−L1を生成し、クロストークキャンセル部132は、第1系統の右スピーカ203から出力される音声を打ち消す音声の信号−R1を生成する。また、クロストークキャンセル部133は、第2系統の左スピーカ202から出力される音声を打ち消す音声の信号−L2を生成し、クロストークキャンセル部134は、第2系統の右スピーカ204から出力される音声を打ち消す音声の信号−R2を生成する。なお、デジタルフィルタ部121〜124、クロストークキャンセル部131〜134の構成については、追って詳細に説明する。
合成部141は、クロストークキャンセル部133によって生成された−L2を、デジタルフィルタ部121によって指向性が制御された信号L1’に合成し、合成部142は、クロストークキャンセル部134によって生成された−R2を、デジタルフィルタ部122によって指向性が制御された信号R1’に合成する。合成部143は、クロストークキャンセル部131によって生成された−L1を、デジタルフィルタ部123によって指向性が制御された信号L2’に合成し、合成部144は、クロストークキャンセル部132によって生成された信号−R1を、デジタルフィルタ部124によって指向性が制御された信号R2’に合成する。
音像バランス制御部150は、遅延部151、154とLRバランス調整部161〜164から構成することができる。遅延部151は、入力された信号L1’−L2を遅延するための手段であり、遅延部154は、入力された信号−R1+R2’を遅延するための手段である。ここで、遅延部151は、画面A210aと正対して画面A210aの中央を視聴者が見ると想定される予め定められた位置(以下、「視聴者Aの位置」と呼ぶ)において、入力端子111、112に同時に入力された第1系統の音声信号により表わされる各音声が同時に聴こえるようにして、時間差による音像のズレを補正するための構成である。また、遅延部154は、画面B210bと正対して画面B210bの中央を視聴者が見ると想定される予め定められた位置(以下、「視聴者Bの位置」と呼ぶ)において、入力端子113、114に同時に入力された第2系統の音声信号により表わされる各音声が同時に聴こえるようにして、時間差による音像のズレを補正するための構成である。
LRバランス調整部161、162は、第1系統の左スピーカ201と第1系統の右スピーカ203とから出力される音声にレベル差が生じるように、入力された信号の出力レベルを調整するものである。また、LRバランス調整部163、164は、第2系統の左スピーカ202と第2系統の右スピーカ204とから出力される音声にレベル差が生じるように、入力された信号の出力レベルを調整するものである。このLRバランス調整部は、左右スピーカから出力される音声のレベル差による音像移動効果を得るための構成であるが、この遅延による音像移動効果については、参照する図面を代えて後で説明する。
出力部170は、処理済の音声信号を外部に出力するための手段であり、図1に示したように、4つの出力端子171〜174によって構成することができる。
ここで、出力端子171からは、LRバランス調整部161により音声レベルが調整された信号(L1’−L2)’が出力される。同様に、出力端子172からは、(−L1+L2’)’が出力され、出力端子173からは、(R1’−R2)’が出力され、出力端子174からは、(−R1+R2’)’が出力される。
音声信号処理回路100により処理された音声信号は、例えば、図1に示したように、音声信号処理回路100の後段に設けられたデジタルアナログ変換器(以下、「DAC」と略記する)180によってアナログ音声信号に変換され、更に、DAC180の後段に設けられたアンプ190によって増幅された後、映像音声出力装置200に供給される。
(映像音声出力装置200)
音声信号処理回路100により処理された音声信号の出力先となる映像音声出力装置200としては、テレビやディスプレイなどが想定される。この映像音声出力装置200について、図5を参照してもう少し詳しく説明する。
図5は、映像音声出力装置200における画面A210a、画面B210b、画面A用の左スピーカ201、画面B用の左スピーカ202、画面A用の右スピーカ203、画面B用の右スピーカ204の配置を示している。
図5に示したように、映像音声出力装置200は、2画面表示機能を有しており、画面A210aに映像Aを、また、画面B210bに映像Bを表示することができるようになっている。図1に示した音声信号L1およびR1は、この映像Aに付随する音声Aを表わすステレオ音声信号であり、また、図1に示した音声信号L2およびR2は、この映像Bに付随する音声Bを表わすステレオ音声信号である。
この映像音声出力装置200において、画面A用の左スピーカ201、および、画面B用の左スピーカ202は、画面A210aの左端部下方に、それぞれ、左右に隣接するように配置され、左スピーカ200aを構成している。また、画面A用の右スピーカ203、および、画面B用の右スピーカ204は、画面B210bの右端部下方に、それぞれ、左右に隣接するように配置され、右スピーカ200bを構成している。
本実施形態では、画面A用の左スピーカと画面B用の右スピーカ204との水平距離Lは、画面A210aの横幅と画面B210bの横幅との和の大きさに応じて決定すればよく、例えば、65インチ型であれば1.4m程度に設定される。なお、本実施形態では、L=1.4mであるものとして説明することにする。すなわち、画面A、Bの幅は0.7mとなり、画面Aおよび画面Bの中心から、画面Aと画面Bとの境界線までの距離L/4=0.35mとなる。
(デジタルフィルタ部121〜124)
デジタルフィルタ部121〜124の各構成について、図2、図5を参照しつつ以下に説明する。図2(a)〜図2(d)は、それぞれ、デジタルフィルタ部121〜124の各構成を示すブロック図である。
図2(a)に示すように、デジタルフィルタ部121は、入力された信号の中高周波成分をHPF121aによって抽出し、HRTF(頭部伝達関数)フィルタ121c(第1のフィルタ)が、抽出された中高周波成分の周波数特性を頭部伝達関数に応じたフィルタ特性に基づいて補正する。ここで、この頭部伝達関数は、スピーカ201と視聴者Aの位置とを結ぶ線分と、画面Aから視聴者Aの位置に下ろした垂線と、がなす角度θAL(第1の角度)に応じて予め定められている。また、デジタルフィルタ部121は、入力された信号の低周波成分をLPF121bによって抽出する。そして、デジタルフィルタ部121は、HRTFフィルタ121cにより周波数特性が補正された中高周波成分と、LPF121bによって抽出された低周波成分と、を合成して外部に出力する。
デジタルフィルタ部121と同様に、デジタルフィルタ部122〜124は、図2(b)〜図2(d)に示すように、入力された信号の中高周波成分の周波数特性を頭部伝達関数に応じたフィルタ特性に基づいて補正し、周波数特性が補正された中高周波成分と、低周波成分と、を合成して外部に出力する。なお、デジタルフィルタ部122のHRTFフィルタ122c(第2のフィルタ)が周波数特性の補正に使用する頭部伝達関数は、スピーカ203と視聴者Aの位置とを結ぶ線分と、画面Aから視聴者Aの位置に下ろした垂線と、がなす角度θAR(第2の角度)に応じて予め定められている。同様に、デジタルフィルタ部123のHRTFフィルタ123c(第3のフィルタ)が周波数特性の補正に使用する頭部伝達関数は、スピーカ202と視聴者Bの位置とを結ぶ線分と、画面Bから視聴者Bの位置に下ろした垂線と、がなす角度θBL(第3の角度)に応じて予め定められており、デジタルフィルタ部124のHRTFフィルタ124c(第4のフィルタ)が周波数特性の補正に使用する頭部伝達関数は、スピーカ204と視聴者Bの位置とを結ぶ線分と、画面Bから視聴者Bの位置に下ろした垂線と、がなす角度θBR(第4の角度)に応じて予め定められている。
以上のように、デジタルフィルタ部121〜124を構成することにより、スピーカ201、203からそれぞれ出力される、画面Aに付随する左右チャンネルの音声が、視聴者Aの位置でより顕著に聞こえ、スピーカ202、204からそれぞれ出力される、画面Bに付随する左右チャンネルの音声が、視聴者Bの位置でより顕著に聞こえるようになる。
(クロストークキャンセル部131〜134)
クロストークキャンセル部131〜134の各構成について、図3を参照しつつ以下に説明する。図3(a)〜図3(d)は、それぞれ、クロストークキャンセル部131〜134の各構成を示すブロック図である。
図3(a)に示すように、クロストークキャンセル部131は、入力された信号の位相を逆位相フィルタ131a(位相反転手段)において180度反転させ、HPF131bにおいて位相反転後の信号から中高周波成分を抽出する。さらに、クロストークキャンセル部131は、HRTFフィルタ131c(第5のフィルタ)において、HRTFフィルタ123c(第3のフィルタ)のフィルタ特性と同一のフィルタ特性(すなわち、第3の角度に基づいて予め定められた頭部伝達関数に応じたフィルタ特性)に基づいて中高周波成分の周波数特性を補正して、補正後の中高周波成分を外部に出力する。
クロストークキャンセル部131と同様に、クロストークキャンセル部132〜134は、図3(b)〜図3(d)に示すように、入力された信号の位相を180度反転し、位相反転後に信号から高周波成分を抽出し、抽出した高周波成分の周波数特性を頭部伝達関数に応じたフィルタ特性に基づいて補正する。なお、クロストークキャンセル部132のHRTFフィルタ132c(第6のフィルタ)のフィルタ特性は、HRTFフィルタ124c(第4のフィルタ)のフィルタ特性(すなわち、第4の角度に基づいて予め定められた頭部伝達関数に応じたフィルタ特性)と同一である。同様に、クロストークキャンセル部133のHRTFフィルタ133c(第7のフィルタ)のフィルタ特性は、HRTFフィルタ121c(第1のフィルタ)のフィルタ特性(すなわち、第1の角度に基づいて予め定められた頭部伝達関数に応じたフィルタ特性)と同一であり、クロストークキャンセル部134のHRTFフィルタ134c(第8のフィルタ)のフィルタ特性は、HRTFフィルタ122c(第2のフィルタ)のフィルタ特性(すなわち、第2の角度に基づいて予め定められた頭部伝達関数に応じたフィルタ特性)と同一である。
以上のように、クロストークキャンセル部131〜134を構成することにより、スピーカ201、203からそれぞれ出力される、画面Aに付随する左右チャンネルの音声が視聴者Bの位置で聞こえないようにすることができる。また、スピーカ202、204からそれぞれ出力される、画面Bに付随する左右チャンネルの音声が視聴者Aの位置で聞こえないようにすることができる。
以上のように、指向性制御部120によって、視聴者Aの位置では画面Aに付随する音声が明瞭に聞こえるように、視聴者Bの位置では画面Bに付随する音声が明瞭に聞こえるようになる。
(音像バランス制御部150が行う音声出力の遅延時間および音声レベルの調整量について)
次に、音像バランス制御部150が行う音声出力の遅延時間および音声レベルの調整量について説明するが、その前に、図4〜図7を参照して、左右のスピーカから出力される音声のレベル差および時間差と、音像の移動量との関係について説明する。
図6(a)は、左右のスピーカと受聴者の位置関係を示すものであり、図6(b)は、図6(a)の条件のもとで、両耳間レベル差と受聴者が知覚する音像方向(正面を0°とした方位角)の相関を示すグラフであり、図6(c)は、同条件のもとで、両耳間時間差と視聴者が知覚する音像方向の相関を示すグラフである(何れも、イェンス・ブラウエルト著、森本政之、後藤敏幸訳、「空間音響」、鹿島出版会の図4.2に基づく)。また、図7は、図6(a)の条件のもとで、音像を偏らせることなく中央に定位させる、両耳間時間差と両耳間レベル差との関係を示したグラフである(イェンス・ブラウエルト著、森本政之、後藤敏幸訳、「空間音響」、鹿島出版会の図4.5に基づく)。
図6(b)や図7に示すように、左(右)スピーカから出力される音声のレベルが右(左)スピーカから出力される音声のレベルより大きい場合には、受聴者は、左スピーカと右スピーカとの中央より左(右)側に音像を知覚することがわかる。また、図6(c)や図7に示すように、左(右)スピーカから音声が出力されるタイミングが右(左)スピーカから音声が出力されるタイミングより早い場合、すなわち、受聴者が左(右)スピーカから出力される音声を、右(左)スピーカから出力される音声よりも早く聴く場合には、受聴者は、左スピーカと右スピーカとの中央より左(右)側に音像を知覚することがわかる。
出力される音声のレベル差や聞き手が音声を聴く時間差の大小により音像が移動するのは、左スピーカと右スピーカとから等距離の位置に受聴者が位置している図6(a)の場合と異なる場合、すなわち、図4に示すように、視聴者A(B)が、画面A用のスピーカ201、203(画面B用のスピーカ202、204)から等距離に位置していない場合も同様である。すなわち、視聴者A(B)は、画面A用の左スピーカ201、右スピーカ203(画面B用の左スピーカ202、右スピーカ204)から出力される音声にレベル差がなく、左スピーカ201(左スピーカ202)からの音声と右スピーカ203(右スピーカ204)からの音声とを同時に聞く場合、音像は画面A201aと画面B201bとの境界部分に知覚する。一方、画面A用の左スピーカ201から出力される音声のレベルが画面A用の右スピーカ203から出力される音声のレベルより大きく(小さく)、左スピーカ201からの音声と右スピーカ203からの音声とを視聴者Aが同時に聞く場合、視聴者Aが知覚する音像は境界部分よりも画面A側(画面B側)に移動する。また、画面B用の左スピーカ202から出力される音声のレベルが画面B用の右スピーカ204から出力される音声のレベルより大きく(小さく)、左スピーカ202からの音声と右スピーカ204からの音声とを視聴者Bが同時に聞く場合、視聴者Bが知覚する音像は境界部分よりも画面B側(画面A側)に移動する。
前述したように、遅延部151は、同時に入力された画面A用の左右の音声信号による音声が視聴者Aの位置で同時に聞こえるように、遅延部154は、同時に入力された画面B用の左右の音声信号による音声が視聴者Bの位置で同時に聞こえるように、左右の音声がスピーカから出力されるタイミングをずらす役割を担っている。
本実施形態では、視聴者Aの位置から画面Aまでの距離D、および視聴者Bから画面Bまでの距離Dは、それぞれ1mであるものとする。すなわち、tanθAL=tanθBR=(L/4)/D=0.35となり、θAL=θBR=約19.3°となる。また、tanθAR=tanθBL=(3L/4)/D=1.05となり、θAR=θBL=約46.4°となる。
この場合、遅延部151、154による遅延時間は、視聴者A(B)の位置と左スピーカ201(左スピーカ202)の位置との距離((3L/4)2+D21/2から、視聴者A(B)の位置と右スピーカ203(右スピーカ204)の位置との距離((L/4)2+D21/2を引いた値から音速(340m/s)を割った値になるので、約1.2msとなる。
また、LRバランス調整部161とLRバランス調整部162とは、左スピーカ201から出力される音声のレベルが、右スピーカ203から出力される音声のレベルよりも大きくして、視聴者Aが知覚する音像が画面Aの中央に位置するようにする。
本実施形態では、画面Aの中央に音像を移動するためには、0.35m音像を移動する必要があるため、LRバランス調整部161とLRバランス調整部162とは、左スピーカ201から出力される音声のレベルが、右スピーカ203から出力される音声のレベルよりも約2dB大きくなるように調整する。
LRバランス調整部163とLRバランス調整部164についても同様に、右スピーカ204から出力される音声のレベルが、左スピーカ202から出力される音声のレベルより約2dB大きくなるように調整して、視聴者Bが知覚する音像が画面Bの中央に位置するようにする。
(音声信号処理回路100の利点)
以上、説明したように、音声信号処理回路100は、第1系統の左チャンネル音声信号L1’の音量を第1系統の右チャンネル音声信号R1’の音量よりも大きくするLRバランス調整部161、162と、第2系統の左チャンネル音声信号L2’の音量を第2系統の右チャンネル音声信号R2’の音量よりも小さくするLRバランス調整部163、164と、を備えている。
すなわち、音声信号処理回路100では、LRバランス調整部161、162が、音声映像出力装置200の画面A210a(左画面)の映像に付随し、画面A210aの左端部のスピーカ200aから出力される左チャンネル音声信号L1’の音量を、画面A210aの映像に付随し、画面B210b(右画面)の右端部のスピーカ200bから出力される右チャンネル音声信号R1’の音量よりも大きくする。同様に、LRバランス調整部163、164が、画面A210aの映像に付随し、画面A210aの左端部のスピーカ200aから出力される左チャンネル音声信号L2’の音量を、画面B210bの映像に付随し、画面B210bの右端部のスピーカ200bから出力される右チャンネル音声信号R2’の音量よりも小さくする。
これにより、左画面の映像に付随する音声は左画面の映像の中央に定位し、右画面の映像に付随する音声は右画面の映像の中央に定位することになるので、センタースピーカを設定しなくても、左画面の映像の視聴者および右画面の映像の視聴者に、各映像に付随する音声を、明瞭に、かつ、音像定位に違和感を与えることなく聞かせることができる。
(付記事項)
なお、音声信号処理回路100が音声信号を出力する映像音声出力装置200は、2画面表示機能を備えており、左右の各画面用の左スピーカが左画面の左端部に、左右の各画面用の右スピーカが右画面の右端部にそれぞれ、隣接するように配置されていればよいが、左画面用のスピーカ201、203と、右画面用のスピーカ202、204とはできるだけ離れていることが望ましい。左画面用のスピーカから出力される音声の音像と、右画面用のスピーカから出力される音声の音像と、が分離しやすく、カクテルパーティ効果のように明瞭度が向上するからである。このことについて図8を参照しつつ以下に説明する。図8は、2つのスピーカから出力される各音声が非コヒーレントである場合に、受聴者が音像を知覚する位置を、方位角φおよび仰角δにより示した図である(イェンス・ブラウエルト著、森本政之、後藤敏幸訳、「空間音響」、鹿島出版会の図4.32に基づく)。ここで、各図の斜線部は、受聴者が音像を知覚する頻度が相対的に高い位置を示し、網線部は、受聴者が音像を知覚する頻度が相対的に低い位置を示している。
図8の各図が示すように、2つのスピーカ間の距離が近いほど各スピーカから出力される音声の音像は一定の方位角、仰角の範囲に現れ、2つのスピーカ間の距離が遠いほど、各スピーカから出力される音声の音像は、異なる範囲に分離することがわかる。
本実施形態の音声信号処理回路100が音声信号を出力する映像音声出力装置200の2画面表示機能が使用される場合、一般的に各画面に異なる映像を表示されることから、左画面の映像に付随する音声と、右画面の映像に付随する音声と、は通常非コヒーレントである。従って、左画面用のスピーカ201、203と、右画面用のスピーカ202、204とができるだけ離れているほど、視聴者は、見ている映像に付随する音声を明瞭に聞き取ることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、2画面の映像を同時に表示する表示装置に、特に好適に利用することができる。
100 音声信号処理回路(音声信号処理装置)
110 入力部
120 指向性制御部
121〜124 デジタルフィルタ部
131〜134 クロストークキャンセル部
141〜144 合成部(合成手段)
150 音像バランス制御部
151、154 遅延部(遅延手段)
161、162 LRバランス調整部(第1の音量制御手段)
163、164 LRバランス調整部(第2の音量制御手段)
170 出力部(出力手段)
200 映像音声出力装置
200a 左スピーカ
201 画面A用左スピーカ
202 画面B用左スピーカ
200b 右スピーカ
203 画面A用右スピーカ
204 画面B用右スピーカ
210a 画面A(左画面)
210b 画面B(右画面)

Claims (7)

  1. 2系統のステレオ音声信号を処理する音声信号処理装置において、
    第1系統の左チャンネル音声信号の音量を第1系統の右チャンネル音声信号の音量よりも大きくする第1の音量制御手段と、
    第2系統の左チャンネル音声信号の音量を第2系統の右チャンネル音声信号の音量よりも小さくする第2の音量制御手段と、を備えていることを特徴とする音声信号処理装置。
  2. 上記第1系統の左チャンネル音声信号および上記第2系統の右チャンネル音声信号を遅延する遅延手段、を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の音声信号処理装置。
  3. 上記第1系統の左チャンネル音声信号、上記第1系統の右チャンネル音声信号、上記第2系統の左チャンネル音声信号、および上記第2系統の右チャンネル音声信号の各々の位相を反転する位相反転手段と、
    上記位相反転手段により位相が反転された第1系統の左チャンネル音声信号を上記第2系統の左チャンネル音声信号に合成し、上記位相反転手段により位相が反転された第1系統の右チャンネル音声信号を上記第2系統の右チャンネル音声信号に合成し、上記位相反転手段により位相が反転された第2系統の左チャンネル音声信号を上記第1系統の左チャンネル音声信号に合成し、上記位相反転手段により位相が反転された第2系統の右チャンネル音声信号を上記第1系統の右チャンネル音声信号に合成する合成手段と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の音声信号処理装置。
  4. 上記第1系統の左チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第1のフィルタであって、第1の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性を有する第1のフィルタと、上記第1系統の右チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第2のフィルタであって、第2の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性を有する第2のフィルタと、上記第2系統の左チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第3のフィルタであって、第3の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性を有する第3のフィルタと、上記第2系統の右チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第4のフィルタであって、第4の角度に対する頭部伝達関数に応じたフィルタ特性を有する第4のフィルタと、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の音声信号処理装置。
  5. 上記第1系統の左チャンネル音声信号、上記第1系統の右チャンネル音声信号、上記第2系統の左チャンネル音声信号、および上記第2系統の右チャンネル音声信号の各々の位相を反転する位相反転手段と、
    上記位相反転手段により位相が反転された第1系統の左チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第5のフィルタであって、上記第3のフィルタと同一のフィルタ特性を有する第5のフィルタと、上記位相反転手段により位相が反転された第1系統の右チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第6のフィルタであって上記第4のフィルタと同一のフィルタ特性を有する第6のフィルタと、上記位相反転手段により位相が反転された第2系統の左チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第7のフィルタであって上記第1のフィルタと同一のフィルタ特性を有する第7のフィルタと、上記位相反転手段により位相が反転された第2系統の右チャンネル音声信号の周波数特性を補正する第8のフィルタであって上記第2のフィルタと同一のフィルタ特性を有する第8のフィルタと、
    上記第5のフィルタにより周波数特性が補正された第1系統の左チャンネル音声信号を上記第2系統の左チャンネル音声信号に合成し、上記第6のフィルタにより周波数特性が補正された第1系統の右チャンネル音声信号を上記第2系統の右チャンネル音声信号に合成し、上記第7のフィルタにより周波数特性が補正された第2系統の左チャンネル音声信号を上記第1系統の左チャンネル音声信号に合成し、上記第8のフィルタにより周波数特性が補正された第2系統の右チャンネル音声信号を上記第1系統の右チャンネル音声信号に合成する合成手段と、を備えていることを特徴とする請求項4に記載の音声信号処理装置。
  6. 2つの映像を左画面と右画面とに同時に表示可能な表示装置であって、
    請求項1から5までの何れか1項に記載の音声信号処理装置と、
    上記音声信号処理装置が、上記左画面の映像に付随する上記第1系統のステレオ音声信号、および上記右画面の映像に付随する上記第2系統のステレオ音声信号を処理することによって得られた上記第1系統および上記第2系統の左チャンネル音声信号の音声を上記左画面の左端部に備えられた左スピーカから出力し、上記ステレオ音声信号を処理することによって得られた上記第1系統および上記第2系統の右チャンネル音声信号の音声を上記右画面の右端部に備えられた右スピーカから出力する出力手段と、を備えている、ことを特徴とする表示装置。
  7. 2系統のステレオ音声信号を処理する音声信号処理方法において、
    第1系統の左チャンネル音声信号の音量を第1系統の右チャンネル音声信号の音量よりも大きくする第1の音量制御工程と、
    第2系統の左チャンネル音声信号の音量を第2系統の右チャンネル音声信号の音量よりも小さくする第2の音量制御工程と、を含んでいることを特徴とする音声信号処理方法。
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